JPH10237115A - 水性樹脂分散体およびその製造方法 - Google Patents

水性樹脂分散体およびその製造方法

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JPH10237115A
JPH10237115A JP3867597A JP3867597A JPH10237115A JP H10237115 A JPH10237115 A JP H10237115A JP 3867597 A JP3867597 A JP 3867597A JP 3867597 A JP3867597 A JP 3867597A JP H10237115 A JPH10237115 A JP H10237115A
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JP
Japan
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unsaturated monomer
aqueous resin
weight
resin dispersion
water
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JP3867597A
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English (en)
Inventor
Yoshiyuki Sakai
禎之 酒井
Noribumi Watanabe
紀文 渡辺
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Toyo Ink Mfg Co Ltd
Original Assignee
Toyo Ink Mfg Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】樹脂、皮革、金属、木材、セラミック、モルタ
ル、コンクリート、珪カル板等への塗料、塗料用バイン
ダーや紙加工剤や繊維処理剤等に有用である塗膜物性に
優れた水性樹脂分散体を提供。 【解決手段】本発明は、アセトアセチル基含有不飽和単
量体を含むラジカル重合可能な不飽和単量体と分子内に
ラジカル重合可能な不飽和二重結合を持つ反応性乳化剤
とを有機系重合開始剤によりラジカル重合し、平均粒子
径が10〜100nmであることを特徴とする水性樹脂
分散体であり、さらに架橋剤として分子中に2個以上の
アミノ基を含有するアミノ化合物を配合してなる水性樹
脂分散体。 【効果】重合安定性および保存安定性が良好で、平均粒
子径が10〜100nmの微粒子であり、架橋性の官能
基を持った水性樹脂分散体が得られる。この水性樹脂分
散体を用いれば優れた耐溶剤性、耐水性、基材密着性、
造膜性などの塗膜物性を持つ塗膜を提供することができ
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は水性樹脂分散体に関
し、さらに詳しくは、紙、プラスチック、金属、ガラ
ス、セラミックス、木材等の基材の被覆剤、塗料に使用
することのできる、分散樹脂の粒子径がきわめて細か
く、さらに架橋性官能基を持つ耐水性、耐溶剤性に優れ
た水性樹脂分散体に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、水性型塗料に使用される水性
樹脂の中でも界面活性剤を用いた水性エマルジョン型樹
脂は、高分子量であり、ある程度低温でも優れた塗膜を
形成するためあらゆる分野で利用されている。しかし、
通常の水性エマルジョン型樹脂は水中に分散したエマル
ジョン粒子が乾燥に際して融着して塗膜を形成するため
に溶剤型樹脂に比べて造膜性や塗膜耐性、特に耐水性が
劣るという欠点や基材に対する浸透性、密着性が劣ると
いう欠点を有していた。これらの欠点を改良するために
乳化剤を全く使用しないか、または極めて少量使用した
水性エマルジョンが知られているが、重合時の安定性が
悪く、反応中に樹脂が凝集したり反応釜を著しく汚した
りする。
【0003】また、塗膜の造膜性や耐水性を改良するた
め粒子径を小さくする手段が知られている。しかし、粒
子径を小さくすることにより新たな問題が生じる。例え
ば乳化剤を多量に使用した場合、乳化剤による塗膜の耐
水性が著しく低下する。また、不飽和カルボン酸を共重
合した水性樹脂分散体を中和して機械的なシェアをかけ
て粒子を細分化する方法が知られているが、粒子の微細
化が均一に行われず粗大粒子が存在するため必ずしも良
好な塗膜は得られない。さらに、反応性乳化剤を使用す
る方法も知られているが、重合時の安定性や耐水性と耐
溶剤性、造膜性と硬度を両立させることには問題があ
る。
【0004】一方、塗膜の物性を向上させるため、架橋
性を有する水性エマルジョンが開発されており、さらに
低温での架橋性の検討もなされている。このような架橋
性エマルジョンとして一般には二液型が使用されている
が、ポットライフが短く作業性も悪い。また、一液型は
重合時または保存時の安定性と、低温での架橋性のバラ
ンスがとれてないのが現状である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明者らは、鋭意検
討の結果、粒子径が極めて小さく、かつ架橋性を有する
水性樹脂分散体であり、重合時や保存時の安定性がよ
く、塗膜の造膜性、耐水性、耐溶剤性に優れた水性樹脂
分散体を提供するものである。
【0006】
【課題を解決するための手段】第1の発明は、アセトア
セチル基含有不飽和単量体を含むラジカル重合可能な不
飽和単量体と分子内にラジカル重合可能な不飽和二重結
合を持つ反応性乳化剤とを有機系重合開始剤によりラジ
カル重合し、平均粒子径が10〜100nmであること
を特徴とする水性樹脂分散体である。第2の発明は、不
飽和単量体100重量部に対して反応性乳化剤が0.1
〜10重量部であることを特徴とする第一発明の水性樹
脂分散体である。第3の発明は、不飽和単量体中にアセ
トアセチル基含有不飽和単量体が1〜50重量%である
ことを特徴とする第1〜2発明いずれか記載の水性樹脂
分散体である。
【0007】第4の発明は、架橋剤として分子中に2個
以上のアミノ基を含有するアミノ化合物を配合してなる
第1〜3発明いずれか記載の水性樹脂分散体である。第
5の発明は、アセトアセチル基含有不飽和単量体を含む
ラジカル重合可能な不飽和単量体と分子内にラジカル重
合可能な不飽和二重結合を持つ反応性乳化剤とを有機系
重合開始剤によりラジカル重合する際、水と上記単量体
の0〜70重量%と上記反応性乳化剤の10〜80重量
%とを入れた反応釜に、上記単量体の30〜100重量
%と上記反応性乳化剤の20〜90重量%と水とを含む
混合物を滴下して、有機系重合開始剤によりラジカル重
合することを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法であ
る。
【0008】第6の発明は、不飽和単量体100重量部
に対して反応性乳化剤が0.1〜10重量部であること
を特徴とする第5発明いずれか記載の水性樹脂分散体の
製造方法である。第7の発明は、不飽和単量体中にアセ
トアセチル基含有不飽和単量体が1〜50重量%である
ことを特徴とする第5〜6発明いずれか記載の水性樹脂
分散体の製造方法である。第8の発明は、架橋剤として
分子中に2個以上のアミノ基を含有するアミノ化合物を
配合してなる第5〜7発明いずれか記載の水性樹脂分散
体の製造方法である。
【0009】
【発明の実施形態】本発明に使用するラジカル重合可能
な不飽和単量体としては、アクリル酸メチル、アクリル
酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブ
チル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、
アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アク
リル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、
アクリル酸デシル、アクリル酸ドデシルなどのアクリル
酸エステル類、メタクリル酸メチル、メタクリル酸プロ
ピル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチ
ル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸n−ヘキシ
ル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n
−オクチル、メタクリル酸デシル、メタクリル酸ドデシ
ルなどのメタクリル酸エステル類、スチレン、ビニルト
ルエン、2−メチルスチレン、t−ブチルスチレン、ク
ロルスチレンなどのスチレン系モノマー、アクリル酸ヒ
ドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタ
クリル酸ヒドロキシエチル、メタクリル酸ヒドロキシプ
ロピルなどのヒドロキシ基含有モノマー、N−メチロー
ルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミ
ド、N−メチロールメタアクリルアミド、N−ブトキシ
メチルメタアクリルアミドなどのN−置換アクリル、メ
タクリル系モノマー、アクリル酸グリシジル、メタクリ
ル酸グリシジルなどのエポキシ基含有モノマー、並びに
アクリロニトリルなどの1種または2種以上から選択す
ることができる。
【0010】さらに、アクリル酸、メタクリル酸、イタ
コン酸、マレイン酸、フマール酸、クロトン酸などの重
合性不飽和カルボン酸およびそれらの無水物は、重合時
あるいは水性樹脂分散体の保存安定性を保つため併用す
ることが好ましい。この目的のために重合性不飽和カル
ボン酸は全単量体に対して0.05〜5重量%を使用す
ることができる。また、架橋性を有する官能基としてア
セトアセチル基は、メチロール基、イソシアネート基、
アミノ基、アルデヒド類など低温で反応する事が知られ
ている(Progress in Organic Coatings 17,27(198
9))。このようにアセトアセチル基は、反応の多様性、
低温反応性を有しており架橋性水性樹脂の官能基として
有用である。
【0011】アセトアセチル基含有不飽和単量体はラジ
カル重合可能な不飽和単量体100部中に1〜50重量
%であることが望ましい。アセトアセチル基含有不飽和
単量体が1%より少ないと、得られる水性樹脂分散体を
使用した塗膜の架橋密度が小さくなり耐溶剤性や耐水性
が劣る傾向にある。一方、50%より多いと、重合安定
性、保存安定性が悪くなると同時に、親水性官能基の増
加により耐水性が劣る傾向にある。アセトアセチル基含
有不飽和単量体としては、アセトアセトキシエチルアク
リレート、アセトアセトキシプロピルアクリレート、ア
セトアセトキシブチルアクリレート、アセトアセトキシ
エチルメタクリレート、アセトアセトキシプロピルメタ
クリレート、アセトアセトキシブチルメタクリレートな
どが挙げられる。これらの化合物は、1種または2種以
上を組み合わせて用いることができる。
【0012】本発明の反応性乳化剤は分子中にラジカル
重合性の不飽和基を1個以上有するものであり、例えば
スルフォコハク酸エステル系(花王株式会社製ラテムル
S−120,S−180P,S−180A,三洋化成株
式会社製エレミノールJS−2等)やアルキルフェノー
ルエーテル系(第一工業製薬株式会社製アクアロンHS
−10,RN−20等)がある。乳化重合に際しては、
これらの1種または2種以上を混合してもよい。また、
反応性乳化剤の使用量が少なく乳化が不十分である場合
は必要に応じて反応性のない乳化剤を併用することも可
能である。反応性のない乳化剤としては通常の乳化重合
に使用されるアニオン系、ノニオン系の乳化剤を使用す
ることができる。
【0013】反応性乳化剤は、不飽和単量体100重量
部に対して0.1〜10重量部、好ましくは0.5〜7
重量部使用する。0.1重量部以下では重合時のエマル
ジョンの安定性が悪く凝集が起こりやすい。また10重
量部以上では粒子径は小さくなるが、多量の乳化剤を使
用するため、その悪影響として塗膜の耐水性が悪くな
る。本発明は乳化重合の際、反応性乳化剤の10〜80
重量%、好ましくは、20〜70重量%を重合開始時に
反応釜に仕込むことを特徴としている。すなわち、反応
釜に所定量の水とともに反応性乳化剤の一部をあらかじ
め入れ、単量体を滴下して重合を行う。あらかじめ反応
釜に入れる反応性乳化剤の量が10重量%以下では樹脂
分散体の粒子径が大きくなるので好ましくなく、逆に8
0重量%以上では後行程の重合過程に使用する乳化剤が
少なくなるため、重合時の安定性が悪くなる。この際、
単量体の70重量%までの量を一緒に反応釜へ入れてお
くことができる。反応釜に入れる単量体が70重量%を
越えると重合安定性が悪くなる傾向にあり、凝集物を生
じる。
【0014】さらに本発明は、ラジカル重合開始剤とし
て有機系重合開始剤を使用する点に特徴がある。有機系
重合開始剤に代えてアンモニウムパーオキサイド、ソデ
ィウムパーオキサイド等の無機系重合開始剤を使用する
と、重合過程で粒子径が大きくなるので好ましくない。
有機系重合開始剤としては、tert−ブチルパーベン
ゾエート、ジラウリルパーオキサイド、過酸化ベンゾイ
ル、tert−ブチルハイドロパーオキサイド等の有機
過酸化物が好ましい。これら有機過酸化物は単独で使用
することもできるが、エルソルビル酸ナトリウム等の還
元剤との併用によるレドックス型で使用してもよい。
【0015】有機系重合開始剤は、単量体100重量部
に対して、0.5〜10重量部が使用される。このうち
有機系重合開始剤の10〜50重量%はあらかじめ反応
釜に添加し、残りを単量体と反応性乳化剤と水との混合
物に添加して滴下する。本発明において滴下する不飽和
単量体は、不飽和単量体100重量部に対して50〜2
00重量部の水を反応性乳化剤の残量とともにプレエマ
ルジョンとして滴下することが好ましい。反応時間は1
〜5時間であり、この間に単量体の滴下を継続し、また
は断続的に行うことができる。反応温度は50〜90℃
である。また乳化重合中に、硫酸第二銅、塩化第二銅等
の銅イオンや、硫酸第二鉄、塩化第二鉄等の鉄イオンな
どの遷移金属イオンを重合系に10-7〜10-5モル/リ
ットルの範囲で添加することができる。
【0016】さらに緩衝剤として酢酸ナトリウム、クエ
ン酸ナトリウム、重炭酸ナトリウム等が、また保護コロ
イドとしてのポリビニルアルコール、水溶性セルロース
誘導体等が、連鎖移動剤としてのステアリルメルカプタ
ン、t−ドデシルメルカプタン等のメルカプタン類が使
用できる。上記の様にして得られる不飽和単量体の重合
体からなる水性樹脂分散体には、重合反応終了後、反応
系内にアンモニアもしくはトリメチルアミン、トリエチ
ルアミン、ブチルアミン等のアルキルアミン類、2−ジ
メチルアミノエタノール、ジエタノールアミン、トリエ
タノールアミン、アミノメチルプロパノール等のアルコ
ールアミン類、モルホリン等で中和することができる。
アンモニアおよび有機アミン類の添加量は、樹脂中のカ
ルボキシル基の中和率が約50〜120%となる範囲が
適当である。
【0017】本発明の水性樹脂分散体は平均粒径が10
〜100nmの分散体として得られる。粒子径が細かい
ため形成される塗膜が緻密になり、各種基材への密着
性、耐水性、造膜性に優れる。粒子径が100nmを越
えると、緻密な塗膜が得られにくく、その結果良好な塗
膜が得られにくくなる。また、固形分としては20〜6
0%のものが得られる。上記の様にして得られた水性樹
脂分散体には、架橋剤として分子中に2個以上のアミノ
基を含有するアミノ化合物を配合することができる。こ
のようなアミノ化合物としては、ジアミン類、ポリアミ
ン類、ジヒドラジド類などが含まれる。添加方法として
は、水溶性のものはそのまま、あるいは水で希釈して添
加する。油溶性のものは必要に応じて界面活性剤で乳化
して添加する方が好ましい。
【0018】上記ジアミン類としては、エチレンジアミ
ン、トリメチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、
ペンタメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、
1,7−ジアミノヘプタン、1,8−ジアミノオクタ
ン、1,9−ジアミノノナン、1,10−ジアミノデカ
ンなどの脂肪族ジアミンや、o−フェニレンジアミン、
m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミン、ジ
アミノジフェニルメタンなどの芳香族ジアミンや、イソ
ホロンジアミンなどの環状ジアミンが挙げられる。ポリ
アミン類としては、ポリエチレンイミン、アミノエチル
化樹脂、ポリビニルアミン、ポリアミノアミドなどが挙
げられる。
【0019】ジヒドラジド類としては、シュウ酸ジヒド
ラジド、マロン酸ジヒドラジド、コハク酸ジヒドラジ
ド、グルタル酸ジヒドラジド、アジピン酸ジヒドラジ
ド、セバシン酸ジヒドラジドなどの脂肪族ジヒドラジド
の他、炭酸ポリヒドラジド、脂肪族、脂環族、芳香族ビ
スセミカルバジド、芳香族ジカルボン酸ジヒドラジド、
ポリアクリル酸のポリヒドラジド、芳香族炭化水素のジ
ヒドラジド、ヒドラジン−ピリジン誘導体およびマレイ
ン酸ジヒドラジドなどの不飽和ジカルボン酸のジヒドラ
ジドなどが挙げられる。分子中に2個以上のアミノ基を
含有するアミノ化合物は、アセトアセチル基1当量に対
して0.1〜3当量になるような比率で配合するのが好
ましい。アミノ基が0.1当量未満では、架橋性水性樹
脂を使用して得られる塗膜の架橋密度が小さくなり耐溶
剤性や耐水性が劣る。一方、3当量より多いと、得られ
る塗膜の耐水性が劣る傾向にある。
【0020】本発明の水性樹脂分散体には、アセトアセ
チル基と反応可能な架橋剤、例えばブロックドイソシア
ネート、アミノ樹脂などを添加することができ、さらに
必要に応じて顔料、染料等の着色剤やフィラー、微粉末
シリカ等のチキソ性調整剤、コロイダルシリカ、アルミ
ナゾル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルアルコー
ル、水溶性ポリエステル樹脂、水溶性または水分散性ポ
リウレタン樹脂、乳化剤、消泡剤、レベリング剤、滑り
剤、粘着性付与剤、防腐剤、防黴剤、造膜助剤としての
有機溶剤などを配合することができる。また、他の水溶
性、水分散性樹脂に架橋剤として添加することもでき
る。
【0021】本発明の水性樹脂分散体は、印刷インキ、
被覆剤、塗料、接着剤、紙加工材、繊維加工材等として
使用することができ、紙、プラスチック、金属、ガラ
ス、セラミックス、木材、コンクリート、スレート、不
織布、皮革、合成皮革等の基材に塗装して、常温もしく
は120℃以下の低温で乾燥される。
【0022】
【実施例】以下、本発明を実施例により説明する。な
お、例中「部」、「%」はそれぞれ「重量部」、「重量
%」を示す。 実施例1 温度計、滴下ロート、還流冷却管を備え窒素ガスで置換
した反応容器に、表1に示す反応釜量の反応性乳化剤と
イオン交換水を仕込む。表1の滴下分はあらかじめ混合
してプレエマルジョンとしておく。内温を65℃に昇温
した後、重合開始剤の反応釜量を添加し、5分後に滴下
を開始した。内温を65℃に保ちながらプレエマルジョ
ンを3時間かけて滴下し、さらにその温度で2時間反応
した。冷却後、アンモニアでpHを7〜8に調整して、
固形分31.0%、粘度210cps,粒子径53nm
の水性樹脂分散体を得た。
【0023】
【表1】
【0024】実施例2〜6 表2に示す組成を実施例1と同様の方法で重合して、そ
れぞれの水性樹脂分散体を得た。
【0025】
【表2】
【0026】実施例より得られた水性樹脂分散体を用い
て塗料を作成し、塗膜の物性を評価した。下記処方によ
り塗料を作成し、試験に使用した。 塗料化処方 1.水性樹脂分散体 170部 2.プライマルASE60(日本アクリル社製 増粘剤) 1部 3.ブチルカルビトール 5部 4.アンモニア水 0.2〜0.5部 5.イオン交換水 12.5〜12.8部 水性樹脂分散体および塗膜の評価 (1)重合安定性:反応終了後の反応容器への樹脂の付
着量および、濾布で濾過後の凝集物の量を目視で評価し
た。なお、評価基準は次のとおりである。
【0027】 ◎:良好である。 ○:実用上問題のないレベルである。 △:若干問題のあるレベルである。 ×:不良である。 (2)粒子径:光散乱法(野崎産業株式会社製 CHD
F−1100)で測定した。 (3)保存安定性:密閉したガラス容器に水性樹脂溶液
をいれて40℃で1カ月保存し、粘度の変化率を測定し
た。さらに、ガラス容器の底の凝集物について目視で評
価した。なお、評価基準は次のとおりである。
【0028】 ◎:粘度変化率 ≦±10%、凝集物は認められない。 ○:粘度変化率 ≦±10%、凝集物がわずかに認めら
れる。 △:粘度変化率 ±10%〜±30%、もしくは凝集物
が一部認められる。 ×:粘度変化率 ≧±30%、もしくはかなりの沈降が
認められる。 (4)耐水白化性:上記で作成した塗料をガラス板上に
アプリケーターで塗布して室温で7日間乾燥させて得ら
れた塗膜を50℃の温水に1時間浸して塗膜の白化程度
を目視で評価した。なお、評価は5点評価で行った。 5点:全く白化していない。
【0029】1点:全面に著しい白化が認められる。 (5)耐溶剤性(架橋性):上記で作成した塗料の樹脂
成分に対して架橋剤として5%のアジピン酸ジヒドラジ
ドを添加した。この混合物をガラス板上にアプリケータ
ーで塗布して室温で7日間乾燥させ、得られた塗膜のM
EKでの拭き取り性で評価した。なお、評価は5点評価
で行った。 5点:拭き取りにくい。 1点:拭き取りやすい。 各試験で得られた試料の物性結果を表3に示した。
【0030】
【表3】
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、重合安定性および保存
安定性が良好で、平均粒子径が25〜100nmの微粒
子であり、架橋性の官能基を持った水性樹脂分散体が得
られる。この水性樹脂分散体を用いれば優れた耐溶剤
性、耐水性、基材密着性、造膜性などの塗膜物性を持つ
塗膜が形成できる。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C08L 33/06 C08L 33/06 C09D 157/04 C09D 157/04 (C08F 246/00 220:26) (C08F 220/12 220:26)

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】アセトアセチル基含有不飽和単量体を含む
    ラジカル重合可能な不飽和単量体と分子内にラジカル重
    合可能な不飽和二重結合を持つ反応性乳化剤とを有機系
    重合開始剤によりラジカル重合し、平均粒子径が10〜
    100nmであることを特徴とする水性樹脂分散体。
  2. 【請求項2】不飽和単量体100重量部に対して反応性
    乳化剤が0.1〜10重量部であることを特徴とする請
    求項1記載の水性樹脂分散体。
  3. 【請求項3】不飽和単量体中にアセトアセチル基含有不
    飽和単量体が1〜50重量%であることを特徴とする請
    求項1〜2いずれか記載の水性樹脂分散体。
  4. 【請求項4】架橋剤として分子中に2個以上のアミノ基
    を含有するアミノ化合物を配合してなる請求項1〜3い
    ずれか記載の水性樹脂分散体。
  5. 【請求項5】アセトアセチル基含有不飽和単量体を含む
    ラジカル重合可能な不飽和単量体と分子内にラジカル重
    合可能な不飽和二重結合を持つ反応性乳化剤とを有機系
    重合開始剤によりラジカル重合する際、水と上記単量体
    の0〜70重量%と上記反応性乳化剤の10〜80重量
    %とを入れた反応釜に、上記単量体の30〜100重量
    %と上記反応性乳化剤の20〜90重量%と水とを含む
    混合物を滴下して、有機系重合開始剤によりラジカル重
    合することを特徴とする水性樹脂分散体の製造方法。
  6. 【請求項6】不飽和単量体100重量部に対して反応性
    乳化剤が0.1〜10重量部であることを特徴とする請
    求項5記載の水性樹脂分散体の製造方法。
  7. 【請求項7】不飽和単量体中にアセトアセチル基含有不
    飽和単量体が1〜50重量%であることを特徴とする請
    求項5〜6いずれか記載の水性樹脂分散体の製造方法。
  8. 【請求項8】架橋剤として分子中に2個以上のアミノ基
    を含有するアミノ化合物を配合してなる請求項5〜7い
    ずれか記載の水性樹脂分散体の製造方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2011158761A1 (ja) * 2010-06-17 2011-12-22 日立化成工業株式会社 架橋ポリマー粒子及びその製造方法、導電性粒子
CN116751334A (zh) * 2023-08-21 2023-09-15 广州境好新材料有限公司 一种水性氨基烤漆用丙烯酸树脂水分散体及其制备方法

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CN116751334B (zh) * 2023-08-21 2023-11-17 广州境好新材料有限公司 一种水性氨基烤漆用丙烯酸树脂水分散体及其制备方法

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