JPH10237021A - ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造法 - Google Patents
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造法Info
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Abstract
を反応させてヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
を製造する際に、ジエステルの副生を防止ないしは抑制
して、ジエステルの生成に起因する種々のトラブルの発
生を防止するとともに、ジエステル含有量の低い高品質
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造す
る。 【解決手段】 反応および蒸留、または反応、熟成およ
び蒸留を含む製造工程においてジエステル生成防止剤を
2以上に分割して添加する。
Description
(メタ)アクリレートの製造法に関し、詳しくは(メ
タ)アクリル酸とアルキレンオキシドとを反応させて工
業的に有利にヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
を製造する方法に関する。
トは、塩化第二鉄などの鉄化合物、塩化クロムなどのク
ロム化合物などの触媒の存在下に、(メタ)アクリル酸
とアルキレンオキシドとを反応させることによって得ら
れる。
酸とはアクリル酸およびメタクリル酸を、ヒドロキシア
ルキル(メタ)アクリレートとはヒドロキシアルキルア
クリレートおよびヒドロキシアルキルメタクリレート
を、またアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート
とはアルキレングリコールジアクリレートおよびアルキ
レングリコールジメタクリレートを意味する。
リレートを合成する場合、反応の副生物としてアルキレ
ングリコールジ(メタ)アクリレート(以下、単に「ジ
エステル」という)が生成する。特に、反応終了時の近
くで未反応の(メタ)アクリル酸が少なくなった時点
(仕込み量の0.1重量%以下)で反応液に過剰のアル
キレンオキシドが溶存残留しているとヒドロキシアルキ
ル(メタ)アクリレートの不均化反応が起こり易く、ア
ルキレングリコールとともにジエステルが副生する。
キシアルキル(メタ)アクリレートを蒸留精製する際に
も、その不均化反応によって生成する。特に、反応に使
用した触媒の共存下に比較的高温にさらされると、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレートの不均化反応が起
こり易くなる。
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートの合成および蒸
留工程において、重合が起こり、装置閉塞などのトラブ
ルが発生する。また、このジエステルは目的物としての
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートと蒸気圧が近
似しているため、いったん生成すると以後の分離がほと
んど不可能となる。そして、ジエステルの含有量の大き
いヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製品とし
て使用し、これを単独重合または他の共重合可能なモノ
マーと共重合すると、得られる重合体に「にごり」が発
生したり、あるいは重合時にゲル化が起こる。
て種々の方法が提案されている。例えば、反応時におけ
るジエステルの生成を抑制するものとして、特開昭51
−133227号公報には、ヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートよりも沸点の高いプロトン酸を添加す
る方法が、また特開昭52−23019号公報には、触
媒として無水クロム酸を用い、水および低級飽和または
不飽和アルコールを添加して反応を行うことによりジエ
ステルの生成を抑制する方法が開示されている。しか
し、前者の方法は、ジエステルの生成抑制効果が十分で
ないばかりか、添加剤として硫酸などの鉱酸を用いると
ジエステルの生成量が増加するという現象が見られる。
また、後者の方法も、ジエステルの生成抑制効果が十分
でない。さらに、通常、ヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートの精製には、それが易重合性であることか
ら、フラッシュ蒸留法が用いられるが、このフラッシュ
蒸留の場合、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
と易混和性の水およびメタノールをジエステル生成防止
剤として使用すると、後工程として、これらジエステル
生成防止剤をヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
から分離する工程が別途必要となりプロセスが煩雑とな
る。
を抑制する方法としては、例えば特開平5−19432
1号公報に、触媒として鉄を用いた際に触媒不活性化剤
である長鎖脂肪酸類またはジオール類を添加する方法
が、また特開平7−118203号公報には、反応終了
後、蒸留前に多価アルコールを添加する方法が開示され
ている。しかし、これらジエステル生成防止剤は、ジエ
ステルの生成を十分に抑制するためには、ある一定量以
上を添加する必要があり、そうした場合、蒸留工程にお
いて蒸留ボトム液の粘度が上昇したり、蒸留ボトム液中
に好ましくな重合物が生成するなど、蒸留ボトム液の性
状が悪化する。
を抑制するために、ジエステル生成防止剤を多量に使用
することは、経済的でないばかりか、その後の蒸留工程
で上記のような問題が生じて好ましくない。一方、添加
量を低減させれば蒸留ボトム液の性状は改善されるが、
反応工程においてジエステルの生成を十分に抑制できな
い。
術の問題点を解決し、蒸留ボトム液中での好ましくない
重合物の発生などといった、蒸留ボトム液の性状の悪化
を招くことなく、反応および蒸留工程で副生するジエス
テル量を最小限とし、ジエステル含有量の少ない高品質
のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートを効率よく
製造する方法を提供することを目的とするものである。
の結果、次のことを見出した。
常、反応工程または蒸留工程のいずれかにおいて一括し
て投入されているが、反応工程で添加した場合にはジエ
ステル生成防止剤の一部または全部がアルキレンオキシ
ドと反応するなどしてジエステルの生成を抑制する効力
を失う(失活)。したがって、ジエステル生成防止剤を
添加することにより反応工程でのジエステルの生成を防
止ないしは抑制するためには、ジエステル生成防止剤が
失活する分を考慮して多量に添加する必要がある。しか
し、多量に添加すると、蒸留工程において蒸留ボトム液
の性状が悪化する。また、蒸留工程で添加した場合に
は、反応工程におけるジエステルの生成を防止ないしは
抑制することができない。
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造工程での
熱履歴によって促進される。したがって、ジエステル生
成防止剤を製造工程において2以上に分割して投入し、
ジエステル生成防止剤の総熱履歴を短くすることで失活
をきわめて低い水準に押え得る。そのため、工程中にお
けるジエステル生成防止剤のロスが少なくなり、その添
加量を低減できる。その結果、蒸留工程での蒸留ボトム
の性状悪化という問題を生じることなく、ジエステル含
有量の少ない高品質のヒドロキシ(メタ)アクリレート
を製造することができる。
て本発明を完成するに至った。
とアルキレンオキシドとを触媒の存在下に反応させてヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートを製造するに当
り、ジエステル生成防止剤を2以上に分割して添加する
ことを特徴とするヒドロキシアルキル(メタ)アクリレ
ートの製造法である。
は、炭素数2〜6、好ましくは炭素数2〜4のアルキレ
ンオキシドを意味する。そして、その代表例としては、
エチレンオキシド、プロピレンオキシドおよびブチレン
オキシドを挙げることができる。
に対して等モル以上、好ましくは1.03〜1.2倍モ
ルの範囲で用いられる。反応温度は、通常、40〜13
0℃、好ましくは50〜100℃である。反応は、通
常、加圧下に液状で行われる。また、反応を行う際の雰
囲気については特に制限はないが、窒素などの不活性雰
囲気で行うのがよい。
防止する目的で使用する重合防止剤には特に制限はな
く、この種の反応に一般に用いられている重合防止剤を
使用することができる。その代表例としては、ハイドロ
キノン、ハイドロキノンモノメチルエーテル、フェノチ
アジン、ジブチルジチオカルバミン酸銅などを挙げるこ
とができる。重合防止剤の使用量は、通常、(メタ)ア
クリル酸の0.001〜1重量%、好ましくは0.01
〜0.5重量%である。
なく、この種の反応に一般に用いられている触媒を使用
することができる。具体的には、塩化第二鉄、酢酸第二
鉄、鉄粉などの鉄化合物、重クロム酸ソーダ、塩化クロ
ム、不飽和酸のクロム塩などのクロム化合物などを用い
ることができる。その使用量については、通常、(メ
タ)アクリル酸の0.01〜10重量%、好ましくは
0.03〜3重量%である。
との反応は、この種の反応に一般に用いられている方法
にしたがって行うことができる。通常、(メタ)アクリ
ル酸中に液状のアルキレンオキシドを導入して行われ
る。この際、アルキレンオキシドは一括して、あるいは
連続的または間歇的に添加してもよい。そして、連続的
または間歇的に添加する場合、この種の反応においてよ
く行われるように、アルキレンオキシドの導入が終了し
た後も前記範囲の温度で反応を継続させて、いわゆる熟
成を行い反応を完結させることもできる(なお、本発明
における「熟成」とは、アルキレンオキシドを連続的ま
たは間歇的に添加する場合に、アルキレンオキシドの添
加が終了した後に継続して行う反応を意味する)。さら
に、この種の反応に一般に行われているように、反応生
成物を蒸留することにより高純度のヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートが得られる。
ルキレンオキシドとからヒドロキシアルキル(メタ)ア
クリレートを製造するに際し、反応および蒸留、または
反応、熟成および蒸留を含めた全製造工程においてジエ
ステル生成防止剤を2以上に分割して添加する点にあ
る。
ては特に制限はないが、作業性などを考慮すると、ジエ
ステル生成防止剤を2〜10に分割して添加するのがよ
く、特に3分割して添加するのが好適である。
すると次のとおりである。なお、「反応前」とはアルキ
レンオキシドの導入前を意味し、出発原料とは(メタ)
アクリル酸(触媒、(メタ)アクリル酸の重合禁止剤な
どを含んでいてもよい)を意味する。
残りを反応中の反応液に添加する。
残りを反応液の熟成の段階で添加する。
残りを反応生成物を蒸留する前に添加する。
りを反応液の熟成の段階で添加する。 (5)一部を反応中の反応液に添加し、残りを反応生成
物を蒸留する前に添加する。
し、残りを反応生成物を蒸留する前に添加する。
エステル生成防止剤の一部を反応前の出発原料に添加し
て、反応開始時から反応液中にジエステル生成防止剤が
存在するようにするのがジエステルの副生の効果的な防
止ないしは抑制の点から好適であり、特に方法(3)が
好適に用いられる。
すると次のとおりである。
残りを反応中および反応液の熟成の段階で添加する。
残りを反応中および反応生成物を蒸留する前に添加す
る。
残りを反応液の熟成の段階および反応生成物を蒸留する
前に添加する。
残りを反応液の熟成の段階および反応生成物を蒸留する
前に添加する。
も、方法(9)が好適に用いられる。なお、本発明は上
記方法(1)〜(10)に限定されるものではなく、ジ
エステル生成防止剤を2以上、特に好ましくは3に分割
して、その総熱履歴を短くするように添加する限り、ヒ
ドロキシアルキル(メタ)アクリレートの全製造工程の
任意の箇所に添加することができる。
剤を添加することにより、ジエステルの副生を効果的に
防止ないしは抑制しながらヒドロキシアルキル(メタ)
アクリレートを製造することができる。
するジエステル生成防止剤の合計量は、使用触媒1モル
当り0.1〜10モル、好ましくは0.5〜5モルとす
るのがよい。使用量が少なすぎると、ジエステルの副生
を効果的に抑制できず、また多すぎると蒸留工程で蒸留
ボトム液中の性状の悪化が起こり易くなる。
防止剤の添加量は、少なくともジエステル生成防止剤の
効果が得られる範囲内で決定されなければならない。そ
の範囲はジエステル生成防止剤の種類にもよるので一概
に特定できないが、通常、触媒1モル当り少なくとも
0.01モル添加すれば十分である。例えば、2分割し
て添加する場合、各添加箇所におけるジエステル生成防
止剤の添加量は、触媒1モル当り少なくとも0.05モ
ル、好ましくは少なくとも0.1モル、また3分割する
場合には、触媒1モル当り少なくとも0.03モル、好
ましくは少なくとも0.1モルとすればよい。
タ)アクリル酸とアルキレンオキシドとからヒドロキシ
アルキル(メタ)アクリレートを合成する際、あるいは
蒸留する際にジエステルが副生するのを防止ないしは抑
制できるものであればいずれも使用することができる。
具体的には次のようなジエステル生成防止剤を使用する
ことができる。
ハク酸、フマル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、オク
タン酸、アジピン酸、セバシン酸、テトラデカンジカル
ボン酸、1,2,4−ブタントリカルボン酸、1,3,
6−ヘキサントリカルボン酸、1,2,3,4−ブタン
テトラカルボン酸、1,2,3,4−ペンタンテトラカ
ルボン酸、1,6,7,12−ドデカンテトラカルボン
酸、安息香酸、オルソトルイル酸、メタトルイル酸、パ
ラトルイル酸、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル
酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、
ピロメリット酸、無水ピロメリット酸、1,2,4−ベ
ンゼントリカルボン酸、1,4,5,8−ナフタレンテ
トラカルボン酸、1,3,5,7−ナフタレンテトラカ
ルボン酸、ポリアクリル酸など多価アルコール類 グリセリン、ジエチレングリコール、トリメチロールプ
ロパン、1,2,6−ヘキサントリオール、ペンタエリ
スリトール、ジペンタエリスリトール、2,3,4,5
−テトラヒドロキシヘキサン、キシリトール、マンニト
ール、カテコール、レゾルシン、2,6−ジヒドロキシ
トルエン、t−ブチルカテコール、ピロガロール、2,
4−ビス(ヒドロキシメチル)フェノール、1,2,4
−トリヒドロキシベンゼン、1,3,5−トリヒドロキ
シベンゼン、2,4,6−トリス(ヒドロキシメチル)
フェノール、1,2,4,5−テトラヒドロキシベンゼ
ンなど金属キレート剤 エチレンジアミン四酢酸、エチレンジアミン四プロピオ
ン酸、ニトリロ三酢酸、イミノ二酢酸、1,2−ジアミ
ノシクロヘキサン四酢酸、アセチルアセトン、クペロ
ン、オキシン、ベンジジン、ジエチルジチオカルバミン
酸など これらジエステル生成防止剤は単独でも、あるいは2種
以上を適宜組み合わせて使用することもできる。
アルキレンオキシドとの反応の際の反応液中のアルキレ
ンオキシド濃度には特に制限はないが、アルキレンオキ
シド濃度が高くなるとジエステル生成防止剤の失活が起
こり易くなり、ジエステルの副生を効果的に防止ないし
は抑制できなくなるので、反応液中のアルキレンオキシ
ド濃度を10重量%以下、好ましくは0.1〜10重量
%、更に好ましくは0.1〜5重量%の範囲に維持しな
がら反応を行うのが好ましい。
キシドを添加した後にジエステル生成防止剤を添加する
場合には、上記と同じ理由により、反応液中のアルキレ
ンオキシド濃度が反応の経過とともに10重量%以下
(好ましくは5重量%以下、更に好ましくは3重量%以
下)になった後、あるいは反応に不活性な溶剤(例え
ば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、アセト
ン、メチルイソブチルケトン、酢酸エチル、テトラヒド
ロフラン、ベンゼン、トルエン、キシレンなど)を添加
して反応液中のアルキレンオキシド濃度を10重量%以
下に調整した後にジエステル生成防止剤を添加するのが
好ましい。
応開始前の出発原料にジエステル生成防止剤を添加し、
その後は反応液中のアルキレンオキシド濃度を10重量
%以下(好ましくは0.1〜10重量%、更に好ましく
は0.1〜5重量%)に維持しながら反応させるのが好
ましい。
オキシド濃度を10重量%以下に維持するには、例えば
出発原料に液状のアルキレンオキシドを少量づつ連続ま
たは間歇的に導入すればよい。
法(1)〜(3)、(7)〜(9)、特に方法(7)〜
(9)において、反応液中のアルキレンオキシド濃度を
10重量%以下に維持しながら反応を行うのが特に好適
である。そして、このようにして得られた反応生成物を
蒸留することにより、ジエステルの含有量の少ない、一
段と高品質のヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート
を得ることができる。また、ジエステル生成防止剤の合
計使用量を少なくすることができるので、蒸留時の蒸留
ボトム液の性状の悪化も効果的に防止することができ
る。
タ)アクリレートの蒸留に一般に用いられている条件下
に行うことができる。なお、通常、残存する未反応アル
キレンオキシドを減圧下に除去した後に蒸留に供するの
がよい。具体的には、1〜10mmHg、好ましくは2
〜7mmHgの圧力下、50〜120℃、好ましくは6
0〜100℃の温度で蒸留する。
明する。
に重合防止剤としてのフェノチアジン0.5gおよびハ
イドロキノンモノメチルエーテル0.2g、触媒として
の鉄粉1.0g、並びにピロガロール4.2g(ピロガ
ロール/鉄粉(モル比)=1.9)を添加して溶解させ
た。反応器内空間部を窒素ガスで置換した後、エチレン
オキシド165gをオートクレーブへ一括注入した。次
いで、反応液を70℃に加温して反応を開始させた。2
時間後、この反応液にトリメチロールプロパン0.8g
(トリメチロールプロパン/鉄粉(モル比)=0.3)
を添加した。その後、70℃で1時間反応を行った。得
られた反応液中のジエステル濃度は0.10重量%、メ
タクリル酸濃度は0.02重量%であった。
5g(アセチルアセトン/鉄粉(モル比)=1.4)を
添加し、未反応のエチレンオキシドを減圧下で除去した
後、5〜7mmHgの減圧下に蒸留を行った。得られた
製品中のジエステル濃度は0.10重量%であった。ま
た、蒸留ボトム液中に重合物の生成は全く認められなか
った。
8.1g(ピロガロール/鉄粉(モル比)=3.6)に
したが、反応途中でトリメチロールプロパンを添加しな
かった以外は実施例1と同様にして反応を行った。得ら
れた反応液中のジエステル濃度は0.20重量%、メタ
クリル酸濃度は0.02重量%であった。
チルアセトンを添加しなかった以外は実施例1と同様に
して蒸留を行った。得られた製品中のジエステル濃度は
0.40重量%であった。また、蒸留ボトム液中に重合
物の生成は全く認められなかった。
ステル生成防止剤を分割して添加することにより、反応
および蒸留工程におけるジエステルの副生を抑制できる
ことがわかる。
に重合防止剤としてのフェノチアジン0.5gおよびハ
イドロキノンモノメチルエーテル0.2g、触媒として
の鉄粉1.0g、並びにペンタエリスリトール0.8g
(ペンタエリスリトール/鉄粉(モル比)=0.3)を
添加して溶解させた。反応器内空間部を窒素ガスで置換
した後、反応液を70℃に加温した。次いで、エチレン
オキシド165gを液状で90分かけて撹拌しつつ注入
し、注入後、トリメチロールプロパン1.2g(トリメ
チロール/鉄粉(モル比)=0.5)を添加した。その
後、70℃で2時間反応を行った。得られた反応液中の
ジエステル濃度は0.08重量%、メタクリル酸濃度は
0.01重量%であった。
(無水フタル酸/鉄粉(モル比)=0.5)を添加し、
未反応のエチレンオキシドを減圧下で除去した後、5〜
7mmHgの減圧下に蒸留を行った。得られた製品中の
ジエステル濃度は0.07重量%であった。また、蒸留
ボトム液中に重合物の生成は全く認められなかった。 比較例2 実施例2の反応工程において、ペンタエリスリトールお
よびトリメチロールプロパンを添加しなかった以外は実
施例2と同様にして反応を行った。得られた反応液中の
ジエステル濃度は0.25重量%、メタクリル酸濃度は
0.02重量%であった。
フタル酸の添加量を37.8g(無水フタル酸/鉄粉
(モル比)=14.3)に変更した以外は実施例2と同
様に、未反応のエチレンオキシドを除去した後、蒸留を
行った。製品中のジエステル濃度は0.25重量%であ
った。また、蒸留終了時の蒸留ボトム液は粘度が高く、
冷却するとプリン状に固化してしまい蒸留装置からの抜
き出しが不可能となった。
時にジエステル生成防止剤が存在しないとジエステルが
副生し易く、また蒸留時にジエステル生成防止剤が多量
に存在すると蒸留ボトム液の性状が著しく悪化すること
がわかる。
代わりにアセチルアセトン23.6g(アセチルアセト
ン/鉄粉(モル比)=13.2)を用い、トリメチロー
ルプロパンを添加しなかった以外は実施例2と同様にし
て反応を行った。得られた反応液中のジエステル濃度は
0.06重量%、メタクリル酸濃度は0.01重量%で
あった。
フタル酸を添加しなかった以外は実施例2と同様に、未
反応のエチレンオキサイドを除去した後、蒸留を行った
ところ、蒸留途中で蒸留ボトム液がゲル化してしまい蒸
留不能となった。
止剤を多量に添加することで、一回の添加でも反応工程
中のジエステルの生成を抑制できるが、蒸留時に多量の
ジエステル生成防止剤が存在することにより蒸留ボトム
液の性状が著しく悪化することがわかる。
果的に防止ないしは抑制してヒドロキシアルキル(メ
タ)アクリレートを効率よく製造することができる。
失活を効果的に防止できるので、その使用量を低減する
ことができ、その結果、蒸留工程での蒸留ボトム液の性
状の悪化を効果的に防止することができる。
工程をへてジエステル含有量の少ない、高品質のヒドロ
キシアルキル(メタ)アクリレートを効率よく製造する
ことができる。
Claims (4)
- 【請求項1】 (メタ)アクリル酸とアルキレンオキシ
ドとを触媒の存在下に反応させてヒドロキシアルキル
(メタ)アクリレートを製造するに当り、ジエステル生
成防止剤を2以上に分割して添加することを特徴とする
ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造法。 - 【請求項2】 ジエステル生成防止剤を2分割し、その
一部を反応開始前の(メタ)アクリル酸に添加し、残り
を反応生成物を蒸留する前に添加する請求項1記載の製
造法。 - 【請求項3】 ジエステル生成防止剤を3分割し、その
一部を反応開始前の(メタ)アクリル酸に、残りを反応
液の熟成の段階および反応生成物を蒸留する前に添加す
る請求項1記載の製造法。 - 【請求項4】 ジエステル生成防止剤の合計添加量が触
媒1モル当り0.1〜10モルの範囲にある請求項1、
2または3記載の製造法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP04511197A JP3299468B2 (ja) | 1997-02-28 | 1997-02-28 | ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレートの製造法 |
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JPH10237021A true JPH10237021A (ja) | 1998-09-08 |
JP3299468B2 JP3299468B2 (ja) | 2002-07-08 |
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- 1997-02-28 JP JP04511197A patent/JP3299468B2/ja not_active Expired - Fee Related
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