JPH10236521A - インク用基材包装体及びこれを用いたインク組成物の製造方法 - Google Patents

インク用基材包装体及びこれを用いたインク組成物の製造方法

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JPH10236521A
JPH10236521A JP4361197A JP4361197A JPH10236521A JP H10236521 A JPH10236521 A JP H10236521A JP 4361197 A JP4361197 A JP 4361197A JP 4361197 A JP4361197 A JP 4361197A JP H10236521 A JPH10236521 A JP H10236521A
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JP
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ink
carbon black
packaging
vinyl acetate
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Yoshihiro Bizen
佳宏 尾前
Akiyoshi Onishi
章義 大西
Michihiro Ikeda
道弘 池田
Tadashi Hashiguchi
正 橋口
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Original Assignee
Mitsubishi Chemical Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 発塵を防止し、包装を解くことなくインク組
成物を調製することができる。 【解決手段】 少なくともエチレン/酢酸ビニル共重合
体を含むインク溶解性物質でインク用基材を包装してな
るインク用基材包装体。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、インクの製造に際
して、粉末状のインク用基材による発塵の問題もなく、
環境上好適にインクの製造をすることができる、インク
用基材に関する。
【0002】
【従来技術】顔料を始めとする粉体は、様々な用途に幅
広く使用されている。特に近年、微細な粒子への工業的
な期待が大きい。例えばカルトン印刷や段ボール等の一
般商業印刷では、下地の色を表面に出さない隠蔽力が必
要である。粒子径が小さい程隠蔽力が大きくなる。ま
た、ある顔料が特定の補助顔料の一定量を着色する能力
を着色力と言うが、この着色力が優れていれば、少量の
顔料で目的の色を作製することができる。着色力と顔料
の粒子径の間には、粒子径が小さくなると着色力が大き
くなるという傾向がある。このように微細な粒子への工
業的な期待の例として隠蔽力や着色力の向上が挙げられ
る。
【0003】その一方、粉体はその取扱い時に発塵する
場合があり、これによる環境汚染の問題が大きい。特に
粉体自身が有毒である場合や着色力を有する場合には環
境への危険及び汚染の被害が大きく、発塵による問題は
重大である。粉体が微細である場合は特に発塵が著し
い。発塵を防止するには幾つかの方法が考えられる。ま
ず第一に、粉体を転動造粒することにより発塵を低減す
る方法がある。しかしながら、この方法では発塵を低減
できるものの、完全にゼロにすることはできない。ま
た、顔料を造粒することにより、その分散性が大きく損
なわれるため、用途によっては造粒品の使用ができない
ことがある。
【0004】発塵防止のための他の方法として、粉体を
フィルムに包んで使用することが行われている。卑近な
例としては、粉状の内服薬を服用する際に内服薬をオブ
ラートに包んで服用する事で口腔内の違和感を防ぐ例
や、1回分の洗剤を水溶性フィルムでパックして粉状洗
剤を計量する手間と計量時の発塵を防いだ製品が該当す
る。特に粉体が顔料である場合については、特開昭52
−30830号公報に、酢酸ビニル含有量が10〜20
重量%のエチレン酢ビ共重合物を重量で8〜19%添加
したポリエチレンのフィルムで包装袋を作り、この包装
袋内に公知の加熱溶融型道路標示材料(具体的には熱可
塑性樹脂、無機充填剤、着色顔料、反射材料からなる)
を納め、熱可塑性樹脂を加熱溶融状態にしたニーダーの
中にこの包装袋ごと投入して道路標示材料を作製するこ
とが記載されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このように、発塵に関
する問題は、粉体、特に微細な粉体に関する様々な分野
で潜在的に存在しており且つ解決が試みられているが、
その解決を阻む一つには、その包装フィルム自体があ
る。つまり、微細な粉体の有する発塵の問題を解決しよ
うとすれば包装袋を開いて内容物を取り出すことなく使
用できることが望まれる。上述の例のうちオブラートフ
ィルムごと薬剤を服用する例や、洗剤パックごと水中に
投入したり包装袋ごと溶融型道路標示材料を投入するこ
とが、これに該当する。つまりこの場合のフィルムは、
単なる包装材料であれば足るのではなく、目的とする製
品中に直接投入されうるものでなければならない。この
ため、上述の包装体による発塵の解決は、近年工業的期
待が高まっている微細な粉体に広く適用するのは困難で
あり、インク組成物の調製にそのまま適用することはで
きない。なぜなら商品としてのインク組成物は、色調、
発色等における要求が非常に高度なものであり、インク
組成物の調製に際して上述の包装袋にインク用顔料を封
入し、これをそのままインク用ワニスに投入したなら
ば、包装袋がワニスと混和せず、異物として残存してイ
ンクの特性に悪影響を与え、市場に受け入れられること
はできない。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる問題を解決するた
めに、本発明者らが鋭意研究したところ、特定の有機高
分子材料を使用することにより、インク用溶剤に良好な
溶解性を示す上、インク用顔料の包装材質としても優れ
ており取り扱いにも好適であることを見いだした。すな
わち、この材質からなる包装袋にインク用顔料や添加剤
を入れて、そのままインクビヒクルに投入しても、得ら
れたインクの特性に悪影響を及ぼすことは全くなく、優
れた特性のインク組成物を得ることができるのである。
通常、インク用溶媒は、脂肪族系溶媒を主体とした溶剤
を使用しており、ごく一部の有機物しか溶解しないと言
われていた。例えば、ロジン樹脂、石油樹脂、ピロリド
ン系樹脂であるが、これらの樹脂の分子量は数百から数
千でありこの程度の分子量では包装材料として使用でき
るフィルムは作製できない。更に、地球環境保護、作業
者の安全性の観点からインク用溶剤中に含まれている芳
香族成分は低減化の傾向にあり、一段と樹脂を溶解する
能力は低下傾向にある。
【0007】これに対し本発明者らは、インクビヒクル
との溶解性に優れ、しかも得られるインク組成物の特性
に悪影響を及ぼすこともなく、さらに包装材としても優
れた特性を有するという、非常に好適な材質を見いだす
ことにより、包装を解くことなくインキ組成物を調製す
ることができるため粉末材料による発塵の問題を完全に
解決するに到ったのである。すなわち、本発明は、少な
くともエチレン/酢酸ビニル共重合体(以下「EVA」
という)を含むインク溶解性物質でインク用基材を包装
してなるインク用基材包装体に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】本発明においては、各種のインク
用基材に、特定材質の包装を施すことを特徴とする。す
なわち、少なくともエチレン/酢酸ビニル共重合体(以
下、「EVA」という。)を含むインク溶解性物質で包
装する。EVAとしては、酢酸ビニル含有量が5〜25
重量%、より好ましくは10〜20重量%のものが好ま
しい。酢酸ビニルの含有量が5重量%よりも少ない場
合、インクに溶解しにくくなり実用的でない。また、酢
酸ビニルが25重量%を超えると、フィルムとして加工
しにくく、更にフィルム同士が固着する傾向が顕著であ
り、インク用基材の包装への適用が困難となる。インク
溶解性物質中のEVAの含有量は特に制限されないが、
好ましくは60重量%以上、特に好ましくは70重量%
以上である。この範囲でインク組成物を調製した際の溶
剤との混和性及び包装材としての特性との調和が最も優
れている。
【0009】EVA以外のインク溶解性物質としてはイ
ンク組成物中に存在しても問題とならない物質、インク
のビヒクルと混和、あるいは溶解する物質であり、具体
的には例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロ
ジン等のロジン樹脂。100%フェノール樹脂、変性フ
ェノール樹脂等のフェノール樹脂。脂肪酸変性アルキド
樹脂、ロジン変性アルキド樹脂、ロジン変性アルキド樹
脂、アマニ油変性アルキド樹脂、脱水ひまし油変性アル
キド樹脂、大豆油変性アクキド樹脂等の変性アルキド樹
脂。石油樹脂。ロジンマレイン酸樹脂、環化ゴム。カゼ
イン。セラック。ロジン変性マレイン酸樹脂。ニトロセ
ルロース。ポリアミド樹脂。塩素化ポリプロピレン。ウ
レタン樹脂。エポキシ樹脂。アクリル樹脂。塩化ビニ
ル。塩化ビニルー酢酸ビニル共重合体。ブチラール樹
脂。塩化ビニリデン樹脂。低分子量ポリエチレン、低密
度ポリエチレン、高密度ポリエチレン、低分子量ポリエ
チレンホモポリマータイプ、低分子量ポリエチレン/ア
クリル酸コポリマータイプ、、低分子量ポリエチレン/
酢酸ビニルコポリマータイプ、低分子量ポリプロピレン
等のポリオレフィン。等が挙げられる。
【0010】溶解性物質中には、必要に応じて適宜各種
の添加剤を入れてもよい。例えば、フィルム同士が固着
(ブロッキング)するのを防止する為のブロッキング防
止剤として5%未満のシリカ或いはタルク等の無機フィ
ラーを添加してもよい。あるいは、1%未満のスリップ
剤、0.5%未満の酸化防止剤、0.1%未満の中和剤
等を添加することもできる。また、40重量%未満のエ
チルセルロース等、インク可溶性高分子を必要に応じて
添加してもよい。
【0011】本発明が適用できるインキは特に限定され
ず、例えば、凸版インキとして、新聞インキ、輪転イン
キ、写真版墨インキ等。平版インキとして、オフセット
インキ、ドライオフセットインキ、コロタイプインキ
等。凹版インキとしては彫刻凹版インキ、グラビアイン
キ、クイックセットインキ、グロスインキ、耐摩擦性イ
ンキ、ヒートセットインキ、スチームセットインキ、プ
レッスアセットインキ、プラスチゾルインキ、バランス
トインキ、コールドセットインキ、ラセットインキ等。
その他ゴム版インキ、アニリンインキ、ブリキ印刷イン
キ、プラスチックフィルム用インキ、シルクスクリーン
インキ等が挙げられ、これらのいずれのインキの製造に
際しても本発明を採用することができる。包装体の内容
物は、インク用基材であれば特に限定されず、顔料、各
種の添加剤及び油、樹脂、可塑剤、ワックスといったビ
ヒクルが相当する。これらのうち固体、特に粉末状態の
ものを包装の内容物とすることにより、その発塵防止効
果が大いに発揮でき、望ましい。
【0012】顔料としては各種のインク用顔料を用いる
ことができる。インク用顔料は大きく分けると無機顔料
と有機顔料に分けることができるが、本発明ではこれら
いずれも用いることができる。無機顔料としては例え
ば、クレー、バライト、雲母、黄土等の天然物。黄色
鉛、亜鉛黄色、バリウム黄等のクロム酸塩。紺青等のフ
ェロシアン化物。銀朱、カドミウム黄、硫化亜鉛、アン
チモン白、カドミウムレッド等の硫化物。硫酸バリウ
ム、硫酸鉛、硫酸ストロンチュウム等の硫酸塩。亜鉛
華、チタン白、弁柄、鉄黒、酸化クロム等の酸化物。水
酸化アルミニウム等の水酸化物。ケイ酸カルシウム、群
青等のケイ酸塩。炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム等
の炭酸塩。カーボンブラック、松煙、ボーンブラック、
グラファイト等の炭素。アルミニウム粉、ブロンズ粉、
亜鉛末等の金属粉。その他ヒ酸塩、リン酸塩等が挙げら
れる。
【0013】有機顔料としては例えば、マダーレーキ、
ロッグウッドレーキ、コチニールレーキ等の天然染料系
顔料。ナフトールグリーンB、ナフトールグリーンY等
のニトロソ顔料。ナフトールエローS、リソールファス
トエロー2G等のニトロ系顔料。パーマネントレッド4
R、ブリリアントファストスカーレット、ハンザエロ
ー、ベンジジンエロー等の不溶性型アゾ系顔料。リソー
ルレッド、レーキレッドC、レーキレッドD等の難溶性
型アゾ系顔料。ブリリアントカーミン6B、パーマネン
トレッドF5R、ピグメントスカーレット3B、ボルド
ー10B等の可溶性型アゾ系顔料。フタロシアニンブル
ー、フタロシアニングリーン、スカイブルー等のフトロ
シアニン系顔料。ローダミンレーキ、マラカイトグリー
ンレーキ、メチルバイオレットレーキ等の塩基性染料系
顔料。ピーコックブルーレーキ、エオシンレーキ、キノ
リンニローレーキ等の酸性染料系顔料。インダンスレン
ブルー、チオインジゴマルーン等の建染染料系顔料。ア
リザリンレーキ等の媒染染料系顔料。その他キナクリド
ンレッド、キナクリドンバイオレット、ベリレンレッ
ド、ベリレンスカーレッド、イソインドリノンエロー、
ジオキサジンバイオレッド、アニリンブラック、有機蛍
光顔料等が挙げられる。
【0014】カーボンブラックとしては通常の顔料用ま
たはゴム充填用として使用されているものでよく、例え
ば、ファーネスブラック、ランプブラック、チャネルブ
ラック、ケッチェンブラック、アセチレンブラック等が
挙げられる。また、これらのカーボンブラックを酸化処
理したもの、或いは表面処理したものであっても構わな
い。カーボンブラックの形態としては、粉状(いわゆる
ルース品)、乾式転動造粒品、湿式造粒品、油添加造粒
品(いわゆるビーズ品)、ロールコンパクタ等による圧
密品(フレーク状のカーボンブラック)、プレス成型品
(カーボンブラックを型に入れ、加圧して成型したも
の)等、特に限定されず用いることができる。
【0015】酸化チタンとしてはインク用顔料として使
用されるものであれば特に制限されず用いることがで
き、例えばアナターゼ型酸化チタン顔料、ルチル型酸化
チタン顔料の何れでも使用できる。酸化チタンは隠蔽力
や付着力が大きく、その結果環境汚染を発生させた場合
の被害が大きい。本発明により、このような問題を解決
し、発塵等による環境汚染をゼロにすることができる。
酸化珪素としては、コロイダルシリカ、ヒュームドシリ
カ等、インク用顔料或いは体質顔料として用いられるも
のをいずれも用いることができる。これらの微粉シリカ
は、粒子径が数十ナノメーターであり、粉塵の飛散によ
る環境汚染が発生しやすい。本発明により、このような
問題を解決し、発塵による環境汚染の防止ができ好適で
ある。
【0016】添加剤としては分散剤、酸化防止剤、乾燥
制御剤、粘度制御剤、色調整剤、反応剤、湿潤剤、消泡
剤、防黴剤、皮張り防止剤、腰切り剤、色分かれ防止
剤、スターチ等の裏写り防止剤等の添加剤が挙げられ
る。用いる添加剤の種類及び添加量は、インク、塗料、
着色樹脂、ゴム等、包装体の適用される用途に応じて適
宜選択すればよい。これら顔料や添加剤等の形態として
は、粉状、乾式転動造粒品、湿式造粒品、ロールコンパ
クタ等による圧密品、プレス成型品等、いずれも用いる
ことができる。特に、適切な成型圧力や脱気により加圧
成型された成型体は発塵性や環境汚染性が粉状に比べて
低く、嵩密度が高く、分散性が高いので本発明に使用す
るには好適である。固体ビヒクルとしてはギルソナイ
ト、ポリ四フッ化エチレン(商標:「テフロン」)ワッ
クス、ポリエチレンワックスが挙げられる。
【0017】なお、これら顔料、添加剤、ビヒクルとい
った各成分は、一体として包装してもよいし、別個に包
装して用いてもよい。勿論、必要に応じてこれらのうち
の一部を包装して用いてもよい。本発明における包装の
方法は特に制限されない。内容物である顔料等と外部と
を、内容物の発塵を実質的に防止して包装の目的を達す
る程度に遮断していれば足り、より具体的には、例えば
シュリンク包装、ピロー包装、真空包装等の袋詰め包
装、カートン包装、ブリスター包装、カプセル包装等の
箱詰め包装、折り畳み上包み包装、ストレッチ上包み包
装等の上包み包装、ひねり包装の他、コーティングによ
り包装を形成してもよい。以下、本発明を実施例により
更に具体的に説明する。なお、部及び%は特に断りのな
い限り重量部及び重量%を示す。インクの黒色度や白色
度はJIS Z−8730-1980(色差表示方法)に記
載のハンターの色差式による色差に従った。
【0018】(実施例1) (1)包装フィルム 日本ポリケム(株)製エチレン/酢酸ビニル共重合体
(以下「EVA」という、「LV440」;酢酸ビニル
含有量15%)100部に脂肪酸アミド0.30%、シ
リカ0.90部、水酸化カルシウム0.075部を加
え、インフレーション成型によりフィルム(厚さ30μ
m)を作製した。 (2)顔料の包装 上記のフィルムを5cm×10cm角で2枚切り出し、この
2枚を重ね合わせた上3方向を熱融着して袋状とした。
このEVA袋を数袋準備し、インク用顔料として使用す
る三菱化学(株)製カーボンブラック「MA7」(粒子
径24nm、DBP吸油量65cc/100gカーボンブラッ
ク、嵩密度0.220g/cc)を114g入れた。この
EVA袋の残る1辺を熱融着し、カーボンブラックをE
VAフィルムで包装してなるカーボンブラック包装体を
得た。
【0019】(3)インクの作製 昭和ワニス(株)製ワニス「MS−800」を380
g、昭和ワニス(株)製ワニス「F104」を20g、
日本石油(株)製「6号ソルベント」を57gを秤取
り、ベッセル(直径11cm、高さ18.5cm)に入
れた。このワニスを特殊理化工業(株)製ホモミキサー
(型式:「TK AUTO HOMOMIXER SL-10A」)を用いて5
000r.p.m.にて1時間攪拌し、商業オフセット用
のワニスを調製した。この商業オフセット用ワニスを6
0℃に加温し、上記のカーボンブラック包装体を投入
し、5000r.p.m.で120分間攪拌して、商業オ
フセット用インキを作製した。カーボンブラックはEV
Aフィルムで包装されており、インク製造時に周囲を汚
染することは無かった。また、インク製造時にベッセル
より飛散することも無かった。EVAフィルムは120
分間の撹拌の間に溶解し、その形骸は見あたらなかっ
た。この商業オフセット用インクを浅田鉄工所(株)株
式会社製ロールミル機(型式:「BR−500」)で練
肉した。
【0020】(4)インクの転色テスト 作製したインクを練肉後、未分散塊カーボンブラックの
大きさを測定した。測定は、東洋精機製作所製グライン
ドゲージ(型式:「SKS−3」)で50〜100μm
の範囲の未分散塊カーボンブラックの、また株式会社上
島製作所製グラインドゲージ(型式:「R1110」)
で0〜50μmの範囲の未分散塊カーボンブラックの大
きさを測定した。未分散塊カーボンブラックの大きさが
10μmよりも大きい場合は、再度ロールミル機を通し
た。その結果、10μm以下にするのに必要な3本ロー
ルミルの通過回数は6回であった。また、測定結果が1
0μm以下になったインクを室温で1週間熟成させた。
この熟成したインクを使用して刷り減らしとヘラ引きに
よる展色試験を実施した。インクを0.6cc分取して
東洋精機製枚葉式オフセット印刷機でA4版の更紙に印
刷した(印刷面積;198mm×192mm)。印刷面をガ試
験機社製SMカラーコンピュータで色差測定を行いL値
を測定した。その結果、L値は27.6であった。
【0021】(実施例2)実施例1で「MA7」を使用
した代わりに、MA7を乾式造粒した「MA7B」を使
用した以外は全く同様の方法で商業オフセット用インキ
を作製した。インキ作製の過程でカーボンブラックの飛
散や環境汚染は見られなかった。未分散塊カーボンブラ
ックの大きさを10μm以下にするのに必要な3本ロー
ルミルの通過回数は6回であった。インクの黒度(L
値)は1枚目26.5であった。
【0022】(実施例3)顔料として石原産業製酸化チ
タン(「CRー97」、平均粒子径;0.28μm)を
153g使用した以外は全く同様の操作で白色インクを
作製した。未分散塊カーボンブラックの大きさを10μ
m以下にするのに必要な3本ロールミルの通過回数は5
回であった。インクの白色度は88.6であった。
【0023】(実施例4)実施例1で用いたEVA60
重量%にハーキュレス社製エチルセルロース「N−5
0」40重量%を配合した樹脂成分100部に、脂肪酸
アミド0.30部、シリカ0.90部、水酸化カルシウ
ム0.075部を加え、インフレーション成型によりフ
ィルム(厚さ30μm)を作製した。このフィルムで包
装した以外は実施例1と全く同様の操作で黒色インキを
作製した。インキ作製の過程でカーボンブラックの飛散
や環境汚染は見られなかった。EVAフィルムは120
分間の撹拌の間で溶解し、その形骸は見あたらなかっ
た。また、未分散塊カーボンブラックの大きさを10μ
m以下にするのに必要な3本ロールミルの通過回数は5
回であった。また、L値は27.5であった。
【0024】(実施例5) (1)成型体の作製 油研株式会社製炭素鋼金型(内法350mm×350mm、
高さ500mm)に三菱化学(株)製カーボンブラック
「MA7」を4Kg入れ、油研株式会社製20ton油
圧プレスにセットした。成型圧力7.4〓f/cm2で
加圧成型してカーボンブラック成型体を得た。成型体の
密度を測定した所、0.518g/ccであった。
【0025】(2)熱収縮包装体の作製 日本ポリケム製EVA(「LV440」;酢酸ビニル含
有量15%)100部に脂肪酸アミド0.30部、シリ
カ0.90部、水酸化カルシウム0.075部を加え、
インフレーション成型によりフィルム(厚さ30μm)
を作製した。このフィルムをセットした共和機械製ユニ
バーサルシーラー(型式;「T−600」)に上記のカ
ーボンブラック成型体から切り出したカーボンブラック
成型体114gをセットし180℃で2秒間熱溶断シー
ルを実施して製袋した。このカーボンブラック成型体を
入れたEVAフィルムを150℃に設定した共和機械製
ウニバーサルシュリンクトンネル(型式;NS−45
0)に入れ、10秒間で熱収縮させた。
【0026】(3)インクの作製 昭和ワニス(株)製ワニス「MS−800」を380
g、昭和ワニス(株)製ワニス「F104」を20g、
日本石油(株)製「6号ソルベント」を57g秤り取
り、ベッセル(直径11cm、高さ18.5cm)に入
れた。このワニスを特殊理化工業(株)製ホモミキサー
(型式:「TK AUTO HOMOMIXER SL-10A」)を用いて5
000r.p.m.にて1時間攪拌し、商業オフセット用
のワニスを調整した。上記の調製した商業オフセット用
ワニスに、上記のEVAで包装されたカーボンブラック
成型体114gを投入し、5000r.p.m.で120
分間攪拌して、インクを作製した。
【0027】(4)インクの転色テスト このインクを浅田鉄工所(株)株式会社製ロールミル機
(型式:「BR−500」)で練肉した。練肉後、
(株)上島製作所製グラインドゲージ(型式:R111
0)で0〜50μmの範囲の未分散塊カーボンブラック
の大きさを測定した。未分散塊カーボンブラックの大き
さが10μmよりも大きい場合は、再度ロールミル機を
通した。その結果、最大粒子径は、1回目の測定結果は
18μm、2回目の測定結果は15μm、3回目の測定
結果は7μmであった。また、測定結果が10μm以下
になったインクを室温で1週間熟成させた。この熟成し
たインクを使用して刷り減らしとヘラ引きによる展色試
験を実施した。インクを0.6cc分取して東洋精機製
枚葉式オフセット印刷機でA4版の更紙に印刷した(印
刷面積;198mm×192mm)。印刷面をスガ試験機社製
SMカラーコンピュータで色差測定を行いL値を測定し
た。その結果、L値は25.9であった。
【0028】(比較例1)EVAフィルムでのカーボン
ブラックの包装を行わない以外は実施例1と同様の操作
を行った。カーボンブラックを投入時及び撹拌時にカー
ボンブラックは微量ながら飛散し周囲を汚染した。未分
散塊カーボンブラックの大きさを10μm以下にするの
に必要な3本ロールミルの通過回数は5回であった。イ
ンクの黒色度(L値)は26.4であった。 (比較例2)EVAフィルムでのカーボンブラック乾式
造粒品の包装を行わない以外は実施例2と同様の操作を
行った。カーボンブラック投入時及び撹拌時にカーボン
ブラックは微量ながら飛散し周囲を汚染した。未分散塊
カーボンブラックの大きさを10μm以下にするのに必
要な3本ロールミルの通過回数は6回であった。インク
の黒色度(L値)は24.7であった。
【0029】(比較例3)EVAフィルムでの酸化チタ
ン粉の包装を行わない以外は実施例3と同様の操作を行
った。酸化チタン粉投入時及び撹拌時に酸化チタン粉は
微量ながら飛散し周囲を汚染した。未分散塊酸化チタン
粉の大きさを10μm以下にするのに必要な3本ロール
ミルの通過回数は5回であった。インクの白色度は8
8.5であった。
【0030】(比較例4)日本ポリケム製エチレン/酢
酸ビニル共重合体(以後EVAとする、「LV44
0」;酢酸ビニル含有量15%)40重量%とハーキュ
レス社製エチルセルロース「N−50」60重量%とか
ら成る樹脂成分合計100部に脂肪酸アミド0.30
部、シリカ0.90部、水酸化カルシウム0.075部
を加え、インフレーション成型によりフィルム(厚さ3
0μm)を作製した。このフィルムで包装した以外は実
施例1と全く同様の操作で黒色インキを作製した。イン
キ作製の過程でカーボンブラックの飛散や環境汚染は見
られなかったものの、包装に用いたEVAフィルムは1
20分間の撹拌によっても完全には溶解しなかった。不
溶樹脂を取り除いた後、3本ロールミルで分散した。未
分散塊カーボンブラックの大きさを10μm以下にする
のに必要な3本ロールミルの通過回数は5回であった。
インクの黒色度(L値)は27.6であった。
【0031】
【発明の効果】本発明により、インク製造時の発塵や環
境汚染を防止することができる。また、製造したインク
の特性に何ら悪影響を及ぼさない。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C09D 11/00 C09D 11/00 (72)発明者 橋口 正 北九州市八幡西区黒崎城石1番1号 三菱 化学株式会社黒崎事業所内

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】少なくともエチレン/酢酸ビニル共重合体
    を含むインク溶解性物質でインク用基材を包装してなる
    インク用基材包装体。
  2. 【請求項2】インク用基材がカーボンブラックである請
    求項1記載のインク用基材包装体。
  3. 【請求項3】カーボンブラックがカーボンブラック造粒
    品、カーボンブラック圧密品、カーボンブラック成型品
    のうち1種以上である請求項2記載のインク用基材包装
    体。
  4. 【請求項4】インク用基材が酸化チタンである請求項1
    記載のインク用基材包装体。
  5. 【請求項5】インク用基材が酸化珪素である請求項1記
    載のインク用基材包装体。
  6. 【請求項6】包装が、エチレン/酢酸ビニル共重合体が
    60重量%以上であり、かつその他のインク溶解性物質
    が40重量%未満であるフィルムからなる請求項1〜5
    のいずれかに記載のインク用基材包装体。
  7. 【請求項7】請求項1〜6のいずれかに記載のインク用
    基材包装体を、包装材を除去することなく用いることを
    特徴とするインク組成物の製造方法。
JP4361197A 1996-10-31 1997-02-27 インク用基材包装体及びこれを用いたインク組成物の製造方法 Pending JPH10236521A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008063418A (ja) * 2006-09-06 2008-03-21 Asahi Kasei Chemicals Corp 塩化ビニリデン系樹脂着色用組成物及びその製造方法

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