JPH10236283A - ウォッシャノズル - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 ノズル本体を覆う雪や氷等を効率良く溶か
し、冬期においても、洗浄液をガラスに向けて適切に噴
射することができるウォッシャノズルを提供する。 【解決手段】 ＰＴＣヒータ１５のうち洗浄液の噴射の
向きと反対側に空隙１６を形成する。これにより、ＰＴ
Ｃヒータ１５が発生する熱の多くは、ノズル本体部１１
のうち車両フード２より内側に位置する部位より噴射孔
１４側の部位に伝わる。したがって、ノズル本体１１を
覆う雪や氷等を効率良く溶かすことができるので、ヒー
タ１５およバッテリの大型化を防止しつつ、冬期におい
ても、洗浄液をガラスに向けて適切に噴射することがで
きる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、冬期時における、
洗浄液およびウォッシャノズルの噴射孔の凍結を防止す
る電気ヒータ等の発熱体を備えるウォッシャノズルに関
するものである。

【０００２】

【従来の技術】ヒータを備えるウォッシャノズルとし
て、例えば欧州特許出願公開第０１２３１０３号明細書
では、ノズル本体に形成された洗浄液の通路のうち、車
内側に位置する内側通路に近傍に発熱体を配設してい
る。

【０００３】

【発明が解決しようとする課題】ところで、発明者は、
冬期時において、洗浄液をガラスに向けて適切に噴射す
ることができない等の不具合について試験調査していた
ところ、冬期時におけるノズルの不具合の原因の多く
は、ノズル本体を外側から覆うように降り積もった雪や
氷等によって噴射孔が閉塞されてしまうことに起因して
おり、かつ、凍結は、車外（外部）に開口する噴射孔側
から順次、通路の上流側に向かって進むため、車内側に
位置する通路内の洗浄液が凍結する状態は稀であるとい
うことを確認した。

【０００４】この確認された事実に対して、上記明細書
に記載された発明では、発熱体が内側通路の近傍に配設
されているため、発熱体からの熱の多くは、内側通路側
に伝わってしまい、噴射孔側のノズル本体を覆う雪や氷
等を効率良く溶かすことができない。このため、発熱体
および発熱体に電力を供給するバッテリの大型化を招く
といった問題を招いてしまう。

【０００５】本発明は、上記点に鑑み、ノズル本体を覆
う雪や氷等を効率良く溶かし、冬期においても、洗浄液
をガラスに向けて適切に噴射することができるウォッシ
ャノズルを提供することを目的とする。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記目的を達
成するために、以下の技術的手段を用いる。請求項１〜
４に記載の発明では、ノズル本体部（１１）のうち噴射
孔（１４）側の部位に、ノズル本体部（１１）のうち車
両外板（２）より車内側に位置する部位に比べて、多く
の熱が発熱体（１５）から伝わるように構成されている
ことを特徴とする。

【０００７】これにより、ノズル本体部（１１）のうち
噴射孔（１４）側の部位に多くの熱量を伝えることがで
きるので、ノズル本体を覆う雪や氷等を効率良く溶かす
ことができる。したがって、冬期においても、洗浄液を
ガラスに向けて適切に噴射することができるとともに、
発熱体および発熱体に電力を供給するバッテリの大型化
を防止することができる。

【０００８】請求項２に記載の発明では、発熱体（１
５）のうち洗浄液の噴射の向きと反対側には、ノズル本
体部（１１）より熱伝導率が小さい熱伝導抑制部（１
６）が形成されていることを特徴とする。これにより、
ノズル本体部（１１）のうち車両外板（２）より内側に
位置する部位に比べて、噴射孔（１４）側の部位に多く
の熱を伝えることができる。したがって、請求項１に記
載の発明と同様な効果を得ることできる。

【０００９】なお、請求項３に記載の発明のごとく、熱
伝導抑制部（１６）として、ノズル本体部（１１）と発
熱体（１５）との間に空隙を形成してもよい。なお、上
記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態記載の具
体的手段との対応関係を示すものである。

【００１０】

【発明の実施の形態】

（第１実施形態）図１は車両の外観を示す斜視図であ
り、本実施形態に係るウォッシャノズル１０は、フロン
トガラス（以下、ガラスと略す。）１より車両前方側に
位置する車両フード（外板）２に配設されている。

【００１１】図２はウォッシャノズル１０の拡大図であ
り、１１はウォッシャノズル１０を構成する樹脂（本実
施形態では、ポリブチレンテレフタレート）製のノズル
本体部であり、このノズル本体部１１内には、洗浄液が
流通する通路１２が形成されている。そして、この通路
１２の最下流側のノズル本体１１には、通路１２に比べ
て通路径が小さく、かつ、通路１２と連通するジェット
通路１３ａが形成されたジェット部１３が埋設されてお
り、このジェット部１３（ジェット通路１３ａ）にガラ
ス１に向けて開口する噴射孔１４が形成されている。

【００１２】なお、以下の説明を容易にするために、通
路１２のうち車両フード２より車外（エンジンルーム
外）側に位置する部位（洗浄液の噴射方向と略平行な部
位）を外部側通路１２ａと呼び、車両フード２より車内
（エンジンルーム内）側に位置する部位（外部側通路１
２ａと交差するように上下方向に延びる部位）を内側通
路１２ｂと呼ぶ。

【００１３】また、ノズル本体部１１のうち車両フード
２より車内側に位置する部位には、通電することにより
発熱する周知のＰＴＣヒータ（発熱体）１５が配設され
ており、このＰＴＣヒータ（以下、ヒータと略す。）１
５のうち、洗浄液の噴射の向き（図２の黒塗り矢印の向
き）と反対側には、ノズル本体部１１より熱伝導率の小
さい熱伝導抑制部をなす空隙１６が形成されている。な
お、図２から明らかなように、空隙１６は、ヒータ１５
と内側通路１２ｂを構成するノズル本体部１１の部位１
１ａとの間に位置するものであり、一方、ヒータ１５
は、ノズル本体部１１のうち噴射孔１４の近傍に位置す
るものである。

【００１４】ところで、ヒータ１５は、図３に示すよう
に、ヒータ１５に電気的に接続するＬ字状のターミナル
１７ａ、１７ｂに挟み込まれるように固定されており、
これらのターミナル１７ａ、１７ｂそれぞれには、リー
ド線１８ａ、１８ｂが接続されている。そして、ヒータ
１５は、樹脂製のホルダ部１９に熱固着された各ターミ
ナル１７ａ、１７ｂを介してホルダ部１９に固定されて
いる。なお、ターミナル１７ａ（噴射孔１４側に面する
ターミナル）は、噴射孔１４側のノズル本体部１１に直
接密着している（図２参照）。

【００１５】因みに、ヒータ１５はバッテリ（図示せ
ず）から電力を供給されており、電力の供給は、車室内
に設けられた始動スイッチ（図示せず）のＯＮ−ＯＦＦ
により制御されている。また、空隙１６に面するターミ
ナル１７ｂには、部位１１ａに向けて突出して、その先
端が部位１１ａに接触してヒータ１５を係止する係止突
起部（突起部）２０がターミナル１７ｂから切り起こさ
れている（図２参照）。因みに、ホルダ部１９には、ホ
ルダ部１９をノズル本体部１１に係止するホルダ係止突
起部（図示せず）が形成されており、ヒータ１５は、突
起部２０および前記ホルダ係止突起部を介してノズル本
体部１１に係止されている。

【００１６】なお、図２中、２１は洗浄液を圧送するポ
ンプ（図示せず）が停止しているときに、内側通路１２
ｂを閉じるゴムまたは樹脂等の弾性変形可能な材料から
なるバルブであり、このバルブ２１は、ポンプの停止時
に、内側通路１２ｂおよびこれに連なるパイプ（図示せ
ず）内の洗浄液がエンジンルーム内の熱により膨張し
て、噴射孔１４から洗浄液が流出することを防止するも
のである。

【００１７】次に、本実施形態の特徴を述べる。本実施
形態によれば、図２に示すように、ヒータ１５のうち洗
浄液の噴射の向きと反対側に空隙１６が形成されている
ので、ヒータ１５が発生する熱の多くは、ノズル本体部
１１のうち車両フード２より内側に位置する部位より、
噴射孔１４側の部位に伝わる。したがって、ノズル本体
１１を覆う雪や氷等を効率良く溶かすことができるの
で、ヒータ１５およバッテリの大型化を防止しつつ、冬
期においても、洗浄液をガラスに向けて適切に噴射する
ことができる。

【００１８】また、噴射孔１４側に面するターミナル１
７ａがノズル本体部１１に直接密着しているので、樹脂
に比べて熱伝導率の大きい金属製のターミナル１７ａを
介して、噴射孔１４側の部位により多くの熱を伝えるこ
とができる。ところで、上述の実施形態では、熱伝導抑
制部として空隙１６を設けたが、この空隙１６にノズル
本体部１１を構成する樹脂より熱伝導率の小さい樹脂を
充填してもよい。

【００１９】また、噴射孔１４側のノズル本体部１１に
密着するターミナル１７ａに、噴射孔１４に向けて突出
する突起部を設ければ、噴射孔１４側の部位に伝わる熱
量をさらに増大させることができる。なお、本発明に係
るウォッシャノズルは、フロントガラス２に向けて洗浄
液を噴射するものに限定されるものではなく、リアガラ
スもしくはヘッドライトのレンズに向けて洗浄液を噴射
するものにも適用することができる。

【００２０】また、洗浄液は、いわゆるウインドウウォ
ッシャ液に限定されるものではなく、通常の水であって
もよい。

【図面の簡単な説明】

【図１】車両の外観を示す斜視図である。

【図２】（ａ）はウォッシャノズルの上面図であり、
（ｂ）は（ａ）のＡ−Ｂ−Ｃ−Ｄ断面図である。

【図３】ヒータ１５およびターミナルを示す斜視図であ
る。

【符号の説明】

２…車両フード（外板）、１０…ウォッシャノズル、１
１…ノズル本体部、１２…通路、１３…ジェット部、１
４…噴射孔、１５…ＰＴＣヒータ（発熱体）、１６…空
隙（熱伝導抑制部）。

Claims (4)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 車両外板（２）に配設され、車両のガラ
   ス（１）に向けて洗浄液を噴射するウォッシャ装置に適
   用されるウォッシャノズルであって、 前記洗浄液が流通する通路（１２）を形成するノズル本
   体部（１１）と、 前記ノズル本体部（１１）に配設され、通電することに
   より発熱する発熱体（１５）と、 前記ノズル本体部（１１）のうち、前記通路（１２）の
   下流に形成され、前記ガラス（１）に向けて開口する噴
   射孔（１４）とを有し、 前記ノズル本体部（１１）のうち前記噴射孔（１４）側
   の部位には、前記ノズル本体部（１１）のうち前記車両
   外板（２）より車内側に位置する部位に比べて、前記発
   熱体（１５）からの熱量が多く伝わるように構成されて
   いることを特徴とするウォッシャノズル。
2. 【請求項２】 前記発熱体（１５）のうち、洗浄液の噴
   射の向きと反対側には、前記ノズル本体部（１１）より
   熱伝導率が小さい熱伝導抑制部（１６）が形成されてい
   ることを特徴とする請求項１に記載のウォッシャノズ
   ル。
3. 【請求項３】 前記熱伝導抑制部（１６）として、前記
   ノズル本体部（１１）と前記発熱体（１５）との間に、
   空隙が形成されていることを特徴とする請求項２に記載
   のウォッシャノズル。
4. 【請求項４】 前記発熱体（１５）のうち前記熱伝導抑
   制部（１６）側には、前記ノズル本体部（１１）に向け
   て突出し、その先端が前記ノズル本体部（１１）に接触
   する突起部（２０）が形成されていることを特徴とする
   請求項２または３に記載のウォッシャノズル。