JPH10236186A - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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Publication number
JPH10236186A
JPH10236186A JP4104397A JP4104397A JPH10236186A JP H10236186 A JPH10236186 A JP H10236186A JP 4104397 A JP4104397 A JP 4104397A JP 4104397 A JP4104397 A JP 4104397A JP H10236186 A JPH10236186 A JP H10236186A
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JP
Japan
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vehicle
turning behavior
control
driving force
gear position
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JP4104397A
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English (en)
Inventor
Kazutoshi Nozaki
和俊 野崎
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Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
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Publication date
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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 車両の旋回挙動を安定化させる制御作動に際
して旋回挙動安定化作用と車両の駆動力とが共に得られ
る車両の制御装置を提供する。 【解決手段】 ギヤ段決定手段174により、旋回挙動
制御手段160による車両の旋回挙動制御開始時におい
て、走行抵抗算出手段168により算出された車両の走
行抵抗Rと原動機出力算出手段170により算出された
エンジン10の出力トルクTE 或いは車両駆動力算出手
段172により算出された車両駆動力Fとに基づいて、
ギヤ段固定手段176により固定されるギヤ段が決定さ
れる。このため、旋回挙動安定化制御中には自動変速機
14のギヤ段が固定されるので、実際のヨーレートと目
標ヨーレートとの偏差に拘わらず車両の旋回挙動の安定
性が得られる。また、旋回挙動安定化制御中において
は、その制御開始時の実際の車両の走行抵抗Rおよびエ
ンジン10の出力トルクTE 或いは駆動力Fに基づいて
決定されたギヤ段が固定されるので、車両の駆動力不足
が解消される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両の原動機およ
び自動変速機などの制御を行う車両の制御装置に関す
る。
【0002】
【従来の技術】車両の旋回挙動が不安定となった場合に
は、車両の制動力或いは原動機の出力を制御してその車
両の旋回挙動を安定化させる旋回挙動安定化制御装置が
提案されている。そのような旋回挙動安定化制御装置
は、たとえばVSC(Vehicle Stability Control )シ
ステム或いはVSC制御装置とも称されるものであり、
車両状態が操舵角に対して過剰な旋回角(スピン)を示
すオーバーステア傾向又は操作角に対して過少な旋回角
を示すアンダーステア傾向にあると判定された場合は、
エンジン出力を低下させるとともに、前輪または後輪或
いはその一部に制動力を与えてオーバーステア抑制モー
メント又はアンダーステア抑制モーメントを発生させ、
車両の旋回挙動を安定化させる。
【0003】しかし、車両には、変速線図から車両の走
行状態に基づいて自動変速機のギヤ段を切り換える自動
変速制御装置が備えられており、上記の旋回挙動安定化
制御装置による旋回挙動安定化制御中に自動変速機のギ
ヤ段が行われると、車両の駆動トルクが急変して旋回挙
動の安定化が影響を受けるおそれがある。このため、旋
回挙動安定化制御中には、実際のヨーレートと目標ヨー
レートとの偏差が所定値以上であるときに自動変速機の
変速を禁止してそのギヤ段を固定するようにした車両の
制御装置が提案されている。たとえば、特開平8−14
2715号公報に記載された車両の制御装置がそれであ
る。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記従来の
車両の制御装置では、実際のヨーレートと目標ヨーレー
トとの偏差が所定値より小さい場合には自動変速機のギ
ヤ段が切り換えられるために旋回挙動の安定性が十分に
得られ難い可能性があり、また、旋回挙動安定化制御中
には自動変速機がその旋回挙動安定化制御開始直前のギ
ヤ段に固定されるため、登坂走行中などのように駆動力
を必要とする車両状態では駆動力不足が発生するという
可能性があった。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、車両の旋回挙動
を安定化させる制御に際して旋回挙動安定化作用と車両
の駆動力とが共に得られる車両の制御装置を提供するこ
とにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、車両の旋回時の制動
力或いは原動機の出力を制御して該車両の旋回挙動を安
定化させる旋回挙動制御手段と、車両の走行状態に基づ
いて自動変速機のギヤ段を自動的に切り換える変速制御
手段と、その旋回挙動制御手段による車両の旋回挙動制
御中には、該変速制御手段による変速を禁止して自動変
速機のギヤ段を固定するギヤ段固定手段とを備えた車両
の制御装置であって、(a) 前記車両の走行抵抗を算出す
る走行抵抗算出手段と、(b) 前記車両の原動機出力を算
出する原動機出力算出手段と、(c) 前記旋回挙動制御手
段による車両の旋回挙動制御開始時において、前記走行
抵抗算出手段により算出された車両の走行抵抗と前記原
動機出力算出手段により算出された原動機出力とに基づ
いて、前記ギヤ段固定手段により固定されるギヤ段を決
定するギヤ段決定手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、ギヤ段決定手段によ
り、旋回挙動制御手段による車両の旋回挙動制御開始時
において、走行抵抗算出手段により算出された車両の走
行抵抗と原動機出力算出手段により算出された原動機出
力とに基づいて、ギヤ段固定手段により固定されるギヤ
段が決定される。このため、旋回挙動安定化制御中には
自動変速機のギヤ段が固定されるので、実際のヨーレー
トと目標ヨーレートとの偏差に拘わらず車両の旋回挙動
の安定性が得られる。また、旋回挙動安定化制御中にお
いては、その制御開始時の実際の車両の走行抵抗および
原動機出力に基づいて決定されたギヤ段が固定されるの
で、車両の駆動力不足が解消される。
【0008】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0009】図1において、内燃機関であるエンジン1
0の出力は、流体式伝動装置としてのトルクコンバータ
12および自動変速機14から、図示しない差動歯車装
置などを経て駆動輪へ伝達される。トルクコンバータ1
2は、エンジン10のクランク軸16と連結されている
ポンプ翼車18と、自動変速機14の入力軸20に連結
されたタービン翼車22と、一方向クラッチ24を介し
て非回転部材であるハウジング26に固定されたステー
タ翼車28と、ダンパを介して上記入力軸20に連結さ
れたロックアップクラッチ32とを備えている。ロック
アップクラッチ32は、トルクコンバータ12内の係合
側油室34よりも解放側油室36内の油圧が高められる
と非係合状態となり、トルクコンバータ12の入出力回
転速度比に応じた増幅率でトルクが伝達される一方、解
放側油室36よりも係合側油室34内の油圧が高められ
ると係合状態となり、ロックアップクラッチ32を介し
てクランク軸16から入力軸20へエンジン出力が伝達
される。
【0010】自動変速機14は、同軸上に配設された3
組のシングルピニオン型遊星歯車装置40,42,44
と、前記入力軸20と、遊星歯車装置42のキャリヤお
よび遊星歯車装置44のリングギヤに連結された出力軸
46とを備えている。遊星歯車装置40,42,44の
構成要素の一部は互いに一体的に連結されているととも
に、他の一部は3つのクラッチC0 ,C1 ,C2 によっ
て互いに選択的に連結され、或いは4つのブレーキB
0 ,B1 ,B2 ,B3 によってハウジング26に選択的
に連結されるようになっている。また、3つの一方向ク
ラッチF0 ,F1,F2 によってその回転方向により相
互に若しくはハウジング26と係合させられるようにな
っている。なお、トルクコンバータ12および自動変速
機14は軸線に対して対称的に構成されているため、図
1では下側を省略して示してある。
【0011】上記クラッチC0 〜C2 およびブレーキB
0 〜B3 (以下、特に区別しない場合にはクラッチC,
ブレーキBという)は、多板式のクラッチやバンドブレ
ーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油
圧式摩擦係合装置であり、その油圧アクチュエータに
は、油圧制御回路79から作動油が供給されるようにな
っている。油圧制御回路79は多数の切換バルブ等を備
えており、変速用電子制御装置78からの信号に従って
ソレノイドS1,S2の励磁,非励磁がそれぞれ切り換
えられることにより、油圧回路が切り換えられて上記ク
ラッチCおよびブレーキBが選択的に係合制御される
と、図2に示されているように前進4段のうちの何れか
の変速段が成立させられる。シフトポジション「D」,
「2」,「L」は運転席のシフトレバーの操作レンジで
あり、「D」レンジでは1stからO/Dまでの4段で
変速制御が行われ、「2」レンジでは1stから3rd
までの3段で変速制御が行われ、「L」レンジでは1s
tおよび2ndの2段で変速制御が行われる。また、上
記シフトレバーの操作に従ってマニュアルシフトバルブ
が切り換えられることにより、「2」レンジおよび
「L」レンジの2nd、「L」レンジの1stでは、そ
れぞれブレーキB1 ,B3 が係合させられてエンジンブ
レーキが効くようになっている。ソレノイドの欄の
「○」は励磁,「×」は非励磁,「◎」はロックアップ
クラッチ制御時の励磁を意味しており、クラッチ,ブレ
ーキの欄の「○」は係合,「×」は解放を意味してい
る。
【0012】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセル操作量センサ52により検出さ
れたアクセルペダル50の操作量AC に基づいてスロッ
トルアクチュエータ54によりその操作量AC に対応す
る大きさのスロットル弁開度θTHとなるように駆動され
るスロットル弁56が設けられている。また、エンジン
10の回転速度NE を検出するエンジン回転速度センサ
58、エンジン10の吸入空気量Q/Nを検出する吸入
空気量センサ60、吸入空気の温度TA を検出する吸入
空気温度センサ62、上記スロットル弁56の開度θTH
を検出するスロットルセンサ64、出力軸46の回転速
度NOUT すなわち車速Vを検出する車速センサ66、エ
ンジン10の冷却水温度TW を検出する冷却水温センサ
68、ブレーキの作動を検出するブレーキスイッチ7
0、シフトレバー72の操作位置P SHを検出する操作位
置センサ74、入力軸20すなわちクラッチC0の回転
速度NC0を検出するクラッチC0回転センサ73、油圧
制御回路79の作動油温度T OIL を検出する油温センサ
75などが設けられており、それらのセンサから、エン
ジン回転速度NE 、吸入空気量Q/N、吸入空気温度T
A 、スロットル弁の開度θTH、車速V、エンジン冷却水
温TW 、ブレーキの作動状態BK、シフトレバー72の
操作位置PSH、クラッチC0の回転速度NC0、作動油温
度TOIL を表す信号がエンジン用電子制御装置76或い
は変速用電子制御装置78に供給されるようになってい
る。
【0013】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
80を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ81を
制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイ
パス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットル
アクチュエータ54によりスロットル弁56を制御す
る。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子制
御装置78およびVSC用電子制御装置82と相互に通
信可能に接続されており、一方に必要な信号が他方から
適宜送信されるようになっている。
【0014】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路79の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁SLU 等を駆動する。たと
えば、変速用電子制御装置78は、スロットル弁52の
開度θTHに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生さ
せるためにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を
制御するためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアッ
プクラッチ32の係合、解放、スリップ量を制御するた
めにリニヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動する。ま
た、変速用電子制御装置78は、たとえば図5に示す予
め記憶された変速線図から実際のスロットル弁開度θTH
および車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段を決定
し、この決定されたギヤ段および係合状態が得られるよ
うに電磁弁S1、S2を駆動する。
【0015】また、車両には、ヨーレートを検出するヨ
ーレートセンサ83、加速度センサ84、舵角センサ8
5、車輪回転速度センサ86が設けられており、それら
のセンサから、車体の鉛直軸まわりの回転角速度(ヨー
レート)ωY 、車体の前後方向の加速度G、ステアリン
グホイールの舵角θW 、4つの車輪の回転速度NW1〜N
W4を表す信号がVSC用電子制御装置82に供給される
ようになっている。このVSC用電子制御装置82も、
上記と同様のマイクロコンピュータであって、CPUは
RAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶さ
れたプログラムに従って入力信号を処理し、スロットル
アクチュエータ54を介してスロットル弁56を駆動す
るとともに、ハイドロブースタアクチュエータ87に備
えられた図示しない電磁弁を駆動して4つの車輪のブレ
ーキ油圧をそれぞれ制御する。このハイドロブースタア
クチュエータ87は図示しない制動用油圧回路に組入れ
られており、必要に応じて4つの車輪の制動力が独立に
制御されるようになっている。上記VSC用電子制御装
置82は、変速用電子制御装置78と相互に通信可能に
接続されており、一方に必要な信号が他方から適宜送信
されるようになっている。
【0016】図4は、前記エンジン用電子制御装置7
6、変速用電子制御装置78、VSC用電子制御装置8
2の制御機能の要部を説明する機能ブロック線図であ
る。図において、旋回挙動制御手段160は、車両の旋
回挙動が不安定となった場合には、前記ハイドロブース
タアクチュエータ87を含む制動装置162を介して車
両の制動力を制御し、或いはスロットルアクチュエータ
54を介してスロットル弁56の開度θTHを変化させる
ことによりエンジン出力を制御して、車輪の横すべりを
抑制して車両の旋回挙動を安定化させる。たとえば、旋
回挙動制御手段160は、車体の進行方向と車両重心の
進行方向との間のスリップ角βの大きさが設定スリップ
角よりも大きく且つスリップ角βの変化速度dβ/dt
の大きさが設定スリップ角速度よりも大きい場合には車
両走行状態がオーバーステア傾向であると判定し、その
傾向に応じて旋回外側の前輪に制動をかけてオーバース
テア抑制モーメントを発生させることにより旋回挙動を
安定化し、同時に制動力により車速を低下させて車両の
安定性を高める。また、旋回挙動制御手段160は、実
際の車両のヨーレートωY の大きさが操舵角θW と車速
Vとから設定される目標ヨーレートを下回ったことに基
づいて車両走行状態がアンダーステア傾向にあると判定
し、その傾向に応じてエンジン出力を抑制し且つ後輪に
制動力を与えてアンダーステア抑制モーメントを発生さ
せることにより、車両の旋回挙動を安定化させる。
【0017】旋回挙動制御作動中判定手段164は、前
記旋回挙動制御手段160による車両の旋回挙動安定化
制御(VSC制御)作動中であるか否かを、前記VSC
用電子制御装置82の出力などに基づいて判定する。
【0018】変速制御手段166は、たとえば図5に示
すような車速軸とスロットル弁開度(エンジン負荷)軸
とから成る二次元座標に表される予め記憶された変速線
図から、実際の車両状態に基づいて、すなわちエンジン
負荷たとえばアクセルペダル操作量AC と車速Vとに基
づいて実際の車両状態に基づいて変速判断を行い、判断
された変速を実現するための変速出力を電磁弁S1およ
びS2へ出力する。
【0019】走行抵抗算出手段168は、車両の走行抵
抗Rを、たとえば数式1から車速Vおよび道路勾配 sin
θに基づいて算出する。数式1において、μr は車輪の
ころがり係数、Wは車体重量、μ1 は空気抵抗、Aは車
体の全面投影面積であり、予め設定された定数が用いら
れる。また、道路勾配 sinθは数式2から実際の加速度
αおよび基準加速度αB に基づいて算出される。数式2
において、gは重力加速度であり、加速度αは、前記出
力軸42の回転速度NOUT の変化率或いは車速Vの変化
率を求めることにより算出され、基準加速度αB は、平
坦な路面における加速度であって、予め求められて記憶
された関数から実際のスロットル弁開度θTH、ギヤ段な
どに基づいて算出される。
【0020】
【数1】 R=μr ・W+W・ sinθ+μ1 ・A・V2 ・・・(1)
【0021】
【数2】 α=αB −W・g・ sinθ ・・・(2)
【0022】原動機出力算出手段170は、たとえば図
6に示すような予め設定された関係から実際のスロット
ル弁開度θTHおよびエンジン回転速度NE に基づいてエ
ンジン10の出力トルクTE を算出する。車両駆動力算
出手段172は、たとえば数式3から、自動変速機14
のギヤ比と終減速機のギヤ比との乗算値であるトータル
ギヤ比iとタービン翼車22のタービントルク(自動変
速機14の入力トルク)TT とに基づいて、車両の駆動
力Fを算出する。数式3において、タービントルクTT
は、よく知られた関係からトルクコンバータ12の速度
比に基づいて決定されるトルクコンバータ12のトルク
比(増幅率)tを上記エンジン10の出力トルクTE
乗算することにより算出される。また、数式3におい
て、ηは動力伝達系の伝達効率であり、rD は車輪の有
効半径であり、予め設定された定数が用いられる。
【0023】
【数3】F=(TT ・i・η)/rD ・・・(3)
【0024】ギヤ段決定手段174は、前記旋回挙動制
御手段160による車両の旋回挙動制御開始時、たとえ
ば旋回挙動制御作動中判定手段164により車両の旋回
挙動制御作動中が判定された直後において、上記走行抵
抗算出手段168により算出された車両の走行抵抗Rと
上記原動機出力算出手段170により算出されたエンジ
ン10の出力トルクTE とに基づいて、すなわち走行抵
抗算出手段168により算出された車両の走行抵抗Rと
上記車両駆動力算出手段172により算出された車両の
駆動力Fとに基づいて、ギヤ段固定手段176により固
定されるギヤ段を決定する。たとえば、ギヤ段決定手段
174は、実際のスロットル弁開度θTHおよびエンジン
回転速度NE で決まる上記駆動力Fが上記走行抵抗Rに
余裕率βを掛けた値以上となるように、換言すれば、条
件式F≧β・Rが満足されるように自動変速機14のギ
ヤ段を決定する。なお、その条件式F≧β・Rを満足す
るギヤ段が複数ある場合には、そのギヤ段のうちの最増
速側のものが選択される。上記余裕率βは、旋回挙動安
定化制御中において十分な駆動力を得るための実験的に
設定された1よりも大きい値であり、上記ギヤ段決定手
段174により決定されたギヤ段は、旋回挙動安定化制
御中における最適なギヤ段となる。
【0025】上記ギヤ段固定手段176は、旋回挙動制
御手段160による車両の旋回挙動制御中には、前記変
速制御手段166による変速を禁止し、上記ギヤ段決定
手段174により決定された最適なギヤ段に、自動変速
機14のギヤ段を優先的に固定する。
【0026】図7は、前記変速用電子制御装置78など
の制御作動の要部を説明するフローチャートであり、V
SC制御中ギヤ段保持ルーチンを示している。図7にお
いて、前記旋回挙動制御作動中判定手段164に対応す
るステップ(以下、ステップを省略する)S1では、前
記旋回挙動制御手段160による車両の旋回挙動安定化
制御中であるか否かが判断される。このS1の判断が否
定された場合は、本ルーチンが終了させられる。
【0027】しかし、上記S1の判断が肯定された場合
は、S2において、前回のサイクルも車両の旋回挙動安
定化制御中であると判定されているか否かが判断され
る。S1により車両の旋回挙動安定化制御中であると判
定された当初はこのS2の判断が否定されるので、以後
のS3乃至S7において、旋回挙動安定化制御開始直後
の車両駆動力Rおよび走行抵抗Rに基づいて、十分な駆
動力で旋回挙動安定化制御中でも走行できるようにする
最適なギヤ段が決定される。
【0028】すなわち、前記原動機出力算出手段170
に対応するS3では、予め記憶された図6の関係から実
際のエンジン回転速度NE およびスロットル弁開度θTH
に基づいて、エンジン10の出力トルクTE が算出され
る。次いで、前記車両駆動力算出主案172に対応する
S4では、予め記憶された数式3から上記エンジン10
の出力トルクTE およびトルクコンバータ12のトルク
比tに基づいて車両の実際の駆動力Fが算出される。ま
た、前記走行抵抗算出手段168に対応するS5では、
予め記憶された関数から数式1から実際の車速V、スロ
ットル弁開度θ TH、ギヤ段などに基づいて、車両の走行
抵抗Rが算出される。
【0029】続いて、前記ギヤ段決定手段174に対応
するS6では、実際のスロットル弁開度θTHおよびエン
ジン回転速度NE で決まる上記駆動力Fが上記走行抵抗
Rに余裕率βを掛けた値以上となるように、自動変速機
14のギヤ段が決定される。そして、前記ギヤ段固定手
段176に対応するS7では、自動変速機14のギヤ段
が上記S6により決定されたギヤ段へ切り換えるための
出力を行う。
【0030】車両の旋回挙動安定化制御が持続される場
合には、次の制御サイクルのS1およびS2の判断がそ
れぞれ肯定されるので、前記ギヤ段固定手段176に対
応するS8において、前回の制御サイクルにおいて決定
され或いは保持されたギヤ段が保持される。
【0031】上述のように、本実施例によれば、ギヤ段
決定手段174(S6)により、旋回挙動制御手段16
0による車両の旋回挙動制御開始時において、走行抵抗
算出手段168(S5)により算出された車両の走行抵
抗Rと原動機出力算出手段170(S3)により算出さ
れたエンジン10の出力トルクTE 或いは車両駆動力算
出手段172(S4)により算出された車両駆動力Fと
に基づいて、ギヤ段固定手段176(S7、S8)によ
り固定されるギヤ段が決定される。このため、旋回挙動
安定化制御中には自動変速機14のギヤ段が固定される
ので、実際のヨーレートと目標ヨーレートとの偏差に拘
わらず車両の旋回挙動の安定性が得られる。また、旋回
挙動安定化制御中においては、その制御開始時の実際の
車両の走行抵抗Rおよびエンジン10の出力トルクTE
或いは駆動力Fに基づいて決定されたギヤ段が固定され
るので、車両の駆動力不足が解消される。
【0032】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
詳細に説明したが、本発明は他の態様で実施することも
できる。
【0033】たとえば、前述の図7の実施例では、旋回
挙動安定化制御作動の開始直後の車両駆動力Rおよび走
行抵抗Rに基づいて、十分な駆動力で旋回挙動安定化制
御中でも走行できるようにする最適なギヤ段が決定され
ていたが、旋回挙動安定化制御作動の開始直前の車両駆
動力Rおよび走行抵抗Rに基づいて最適なギヤ段が決定
されても差し支えない。要するに、旋回挙動安定化制御
作動の開始前後すなわち開始時の車両駆動力Rおよび走
行抵抗Rに基づいて最適なギヤ段が決定され得るのであ
る。
【0034】また、前述の実施例のギヤ段決定手段17
4は、車両駆動力Fおよび走行抵抗Rに基づいて旋回挙
動安定化制御作動中に固定すべき自動変速機14のギヤ
段を決定するものであったが、車両駆動力Fはスロット
ル弁開度θTH、エンジン回転速度NE 、トルクコンバー
タ12のトルク比tに基づいて決定され、走行抵抗R
は、車速Vおよび路面勾配 sinθに基づいて決定されて
いる。しかし、限られた範囲では、たとえば車両駆動力
Fをスロットル弁開度θTHで代表させたり或いは走行抵
抗Rを車速Vまたは路面勾配 sinθで代表させたりして
も一応の実用上の効果を得ることができるので、上記ギ
ヤ段決定手段174は、それらスロットル弁開度θTH
エンジン回転速度NE 、トルクコンバータ12のトルク
比t、車速V、および路面勾配 sinθの一部または全部
から、実質的に車両駆動力Rおよび走行抵抗Rに基づい
て、十分な駆動力で旋回挙動安定化制御中でも走行でき
るようにする最適なギヤ段を決定するものであればよい
のである。
【0035】また、前述の実施例では、エンジン10が
備えられた車両であったが、そのエンジン10に代えて
或いはそれに加えて、電動モータが設けられた車両であ
っても差し支えない。
【0036】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて、種々の変更、改良を加えた態様で
実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の制御装置が適用される車両
の自動変速機の構成を説明する骨子図である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の摩擦係合装
置の作動の組合わせとそれにより成立するギヤ段との関
係を示す図表である。
【図3】図1の自動変速機を制御する制御装置の電気的
構成を説明するブロック線図である。
【図4】図3の電子制御装置の制御機能の要部を説明す
る機能ブロック線図である。
【図5】図3の変速用電子制御装置において用いられる
変速線図の一例を示す図である。
【図6】図3の変速用電子制御装置においてエンジン出
力トルクTE を求めるために用いられる関係を示す図で
ある。
【図7】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部を
説明するフローチャートである。
【符号の説明】
10:エンジン(原動機) 14:自動変速機 160:旋回挙動制御手段 164:旋回挙動制御作動中判定手段 166:変速制御手段 168:走行抵抗算出手段 170:原動機出力算出手段 172:車両駆動力算出手段 174:ギヤ段決定手段 176:ギヤ段固定手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI F16H 59:58

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の旋回時の制動力或いは原動機の出
    力を制御して該車両の旋回挙動を安定化させる旋回挙動
    制御手段と、車両の走行状態に基づいて自動変速機のギ
    ヤ段を自動的に切り換える変速制御手段と、該旋回挙動
    制御手段による車両の旋回挙動制御中には、該変速制御
    手段による変速を禁止して自動変速機のギヤ段を固定す
    るギヤ段固定手段とを備えた車両の制御装置であって、 前記車両の走行抵抗を算出する走行抵抗算出手段と、 前記車両の原動機出力を算出する原動機出力算出手段
    と、 前記旋回挙動制御手段による車両の旋回挙動制御開始時
    において、前記走行抵抗算出手段により算出された車両
    の走行抵抗と前記原動機出力算出手段により算出された
    原動機出力とに基づいて、前記ギヤ段固定手段により固
    定されるギヤ段を決定するギヤ段決定手段とを、含むこ
    とを特徴とする車両の制御装置。
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