JP3379389B2 - 車両の制御装置 - Google Patents

車両の制御装置

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JP3379389B2 JP15377297A JP15377297A JP3379389B2 JP 3379389 B2 JP3379389 B2 JP 3379389B2 JP 15377297 A JP15377297 A JP 15377297A JP 15377297 A JP15377297 A JP 15377297A JP 3379389 B2 JP3379389 B2 JP 3379389B2
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Description

【発明の詳細な説明】 【0001】 【発明の属する技術分野】本発明は、車両の挙動を安定
化させる車両挙動制御手段と予め設定された車両の走行
条件が成立した場合には自動変速機の変速点を変更する
変速点変更手段とを備えた車両の制御装置に関する。 【0002】 【従来の技術】自動変速機を有する車両の一種に、走行
中の車両の挙動を安定化させる車両挙動制御手段を備え
たものがある。その車両挙動制御手段としては、たとえ
ば旋回中の旋回挙動を安定化させるために車両の制動力
或いは原動機の出力を制御してアンダステア傾向やオー
バステア傾向を操舵角に対応したものとするVSC制御
装置(Vehicle Stability Control )、制動時における
横すべりを防止するために車輪を所定の目標スリップ率
の範囲内に制御するABS制御装置(Antilock Brake S
ystem )、雪道等の低μ路での発進加速時に、たとえば
燃料カットまたはスロットル弁開度抑制による原動機の
出力トルクの抑制やブレーキ液圧増圧制御等に基づい
て、過剰な駆動力によるホイールスピンを抑え、車両の
方向安定性および駆動力を確保するTRC制御(TRacti
on Control system )等が知られている。このような車
両挙動制御手段によって車両の挙動が制御されている間
に車両の駆動力変化が発生することは好ましくないた
め、車両挙動の制御中は自動変速機のダウン変速を禁止
する技術が提案されている。たとえば、特開平8−14
2715号公報に記載された装置がそれである。 【0003】ところで、車両には、上記車両挙動制御手
段に加えて、予め設定された走行条件が成立した場合に
は自動変速機の変速点を変更する変速点変更手段が備え
られる場合がある。その変速点変更手段としては、たと
えば、所定の勾配以上の登坂走行或いは降坂走行におい
て駆動力或いはエンジンブレーキ力を得るために高速側
ギヤ段へのアップ変速を禁止し或いはシフトアップ線を
高車速側へ移動させて高速側ギヤ段への変速点車速を高
くする登降坂制御、アクセルペダルすなわちスロットル
弁が急激に戻されたときにエンジンブレーキ力を得るた
めに高速側ギヤ段へのアップ変速を禁止し或いはシフト
アップ線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段への変速
点車速を高くするアクセル急閉制御、コーナリング走行
時において余裕駆動力を得るために高速側ギヤ段へのア
ップ変速を禁止し或いはシフトアップ線を高車速側へ移
動させて高速側ギヤ段への変速点車速を高くするコーナ
リング制御、運転者の運転指向を推定して加速指向であ
る場合には高速側ギヤ段へのアップ変速を禁止し或いは
シフトアップ線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段へ
の変速点車速を高くする運転指向推定制御、急速に減速
が行われたときに速やかにエンジンブレーキ力を得るた
めに高速側ギヤ段へのアップ変速を禁止し或いはシフト
アップ線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段への変速
点車速を高くする急減速制御、アクセルペダル踏み込み
速度すなわちスロットル弁の開き速度が所定値以上であ
るときにシフトアップ線を高車速側へ移動させて高速側
ギヤ段への変速点車速を高くして所定期間高速側ギヤ段
へのアップ変速を禁止する急加速操作(ΔTA)制御が
知られている。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】上記のように、車両挙
動制御手段に加えて変速点変更手段が備えられた車両で
は、その変速点変更手段によって自動変速機の変速点が
変更されることに関連して変速が発生することから、そ
の変速によって車両の駆動力が変化するので、車両挙動
制御手段による車両の挙動を安定化させる制御中では、
その安定化動作が損なわれるおそれがあるという不都合
があった。 【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、車両挙動制御手
段に加えて変速点変更手段が備えられた車両において、
変速点変更手段によって自動変速機の変速点が変更され
ることにより上記車両挙動制御手段による安定化動作が
損なわれるおそれのない制御装置を提供することにあ
る。 【0006】 【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、車両の制動力或いは
原動機の出力を制御して車両の挙動を安定化させる車両
挙動制御手段と、予め設定された車両の走行条件が成立
した場合には自動変速機の変速点を変更する変速点変更
手段とを備えた車両の制御装置であって、(a) 前記車両
挙動制御手段による車両の挙動を安定化させる制御の作
動中であるか否かを判定する車両挙動制御作動中判定手
段と、(b) その車両挙動制御作動中判定手段により前記
車両挙動制御手段による車両の挙動を安定化させる制御
の作動中であると判定された場合には、前記変速点変更
手段による変速点の変更作動開始或いはその変速点変更
手段による変速点の変更作動終了による変速点変化を中
止する変速点変化中止手段と、(c) 前記変速点変更手段
による変速点の変更作動を終了させるために予め設定さ
れた終了条件が成立したか否かを判定する終了条件成立
判定手段と、(d) 前記変速点変更手段による変速点変更
作動の終了により変速点が変化しても前記自動変速機の
変速が発生しない走行状態であるか否かを判定する復帰
走行状態判定手段と、(e) 上記終了条件成立判定手段に
より前記変速点変更手段による変速点の変更作動を終了
させるために予め設定された終了条件が成立したと判定
され、且つ上記復帰走行状態判定手段により前記変速点
変更手段による変速点変更作動の終了により変速点が変
化しても前記自動変速機の変速が発生しない走行状態で
あると判定された場合に、上記変速点変更手段による変
速点変更作動を解除させる変速点変更作動解除手段と
を、含むことにある。 【0007】 【発明の効果】このようにすれば、車両挙動制御作動中
判定手段により前記車両挙動制御手段による車両の挙動
を安定化させる制御の作動中であると判定された場合に
は、変速点変化中止手段により、前記変速点変更手段に
よる変速点の変更作動開始或いはその変速点変更手段に
よる変速点の変更作動終了による変速点変化が中止され
ることから、その変速点変化に関連して発生する自動変
速機の変速による駆動力変化が防止されるので、車両挙
動制御手段による車両の挙動の安定化動作が損なわれな
い。また、上記終了条件成立判定手段により前記変速点
変更手段による変速点の変更作動を終了させるために予
め設定された終了条件が成立したと判定され、且つ上記
復帰走行状態判定手段により前記変速点変更手段による
変速点変更作動の終了により変速点が変化しても前記自
動変速機の変速が発生しない走行状態であると判定され
た場合に、前記変速点変更作動解除手段により上記変速
点変更手段による変速点変更作動を解除させることか
ら、上記変速点変更手段の終了条件が成立したことに関
連した変速が防止されるので、その変速点変更手段の終
了条件が成立したときに直ちにその変速点変更作動を解
除させる場合に比較して、予期しない変速が解消され
る。 【0008】 【発明の他の態様】ここで、好適には、前記変速点変更
手段は、登降坂制御、コーナリング制御、運転指向推定
制御の少なくとも一部と、アクセル急閉制御、急減速制
御、急加速操作(ΔTA)制御の少なくとも一部とを含
むものであり、前記変速点変化中止手段は、上記登降坂
制御、コーナリング制御、運転指向推定制御の制御その
ものの実行は許容するが、勾配の推定、コーナリングの
推定、運転指向の推定は禁止(ホールド)し、制御の開
始によって車両の挙動を安定化させる制御に影響を与え
る制御、すなわちアクセル急閉制御、急減速制御、急加
速操作(ΔTA)制御の実行は中止或いは禁止する。こ
のようにすれば、前記変速点変化中止手段は、シフト線
図の切換などにより行われる変速点変化は中止させる
が、登降坂制御、コーナリング制御、運転指向推定制御
の作動は許容するので、中止解除時において路面勾配の
推定、コーナリングの推定、運転指向の推定に時間が必
要なそれら登降坂制御、コーナリング制御、或いは運転
指向推定制御が速やかに復帰させられ得る利点がある。
たとえば、登降坂制御、コーナリング制御、或いは運転
指向推定制御の実行条件が成立しているときのVSC制
御装置の旋回挙動安定化制御作動により変速点変化が中
止させられている第3速ギヤ段で走行中に、そのVSC
制御装置の旋回挙動安定化作動が終了させられると、3
→4アップ変速、或いは3→5アップ変速が一旦行われ
てしまうのである。 【0009】また、好適には、前記変速点変化中止手段
は、前記車両挙動制御作動中判定手段により前記車両挙
動制御手段による車両の挙動を安定化させる制御の作動
中でないと判定された場合でも、それより所定時間が経
過するまでは、前記変速点変更手段による変速点の変更
作動の開始或いは終了による変速点変化の中止を継続さ
せる。このようにすれば、車両挙動制御手段による車両
の挙動を安定化させる制御作動終了直後の不安定な時期
に変速点変化が発生させられることが回避される。 【0010】 【0011】 【発明の好適な実施の態様】以下、本発明の一実施例を
図面に基づいて詳細に説明する。 【0012】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、エンジン10の出力は、トル
クコンバータ12を介して自動変速機14に入力され、
図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝
達されるようになっている。 【0013】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプ翼車18と、自
動変速機14の入力軸20に連結されたタービン翼車2
2と、それらポンプ翼車18およびタービン翼車22の
間を直結するロックアップクラッチ24と、一方向クラ
ッチ26によって一方向の回転が阻止されているステー
タ28とを備えている。 【0014】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。 【0015】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。 【0016】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。 【0017】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。 【0018】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
前進5段のギヤ段が切り換えられる。図2において○印
は係合状態を示し、×印は非係合状態を示し、◎はロッ
クアップクラッチ24が係合或いはスリップ状態である
ときに作動させられることを示している。 【0019】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセル操作量センサ52により検出さ
れたアクセルペダル50の操作量に基づいてスロットル
アクチュエータ54により駆動されるスロットル弁56
が設けられている。また、エンジン10の回転速度NE
を検出するエンジン回転速度センサ58、エンジン10
の吸入空気量Q/Nを検出する吸入空気量センサ60、
吸入空気の温度TA を検出する吸入空気温度センサ6
2、上記スロットル弁56の開度θTHを検出するスロッ
トルセンサ64、出力軸42の回転速度NOUT すなわち
車速Vを検出する車速センサ66、エンジン10の冷却
水温度TW を検出する冷却水温センサ68、ブレーキの
作動を検出するブレーキスイッチ70、シフトレバー7
2の操作位置PSHを検出する操作位置センサ74、入力
軸20すなわちクラッチC0の回転速度NC0を検出する
クラッチC0回転センサ75、油圧制御回路81の作動
油温度TOIL を検出する油温センサ77などが設けられ
ており、それらのセンサから、エンジン回転速度NE
吸入空気量Q/N、吸入空気温度TA 、スロットル弁の
開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの
作動状態BK、シフトレバー72の操作位置PSH、クラ
ッチC0の回転速度NC0、作動油温度TOIL を表す信号
がエンジン用電子制御装置76或いは変速用電子制御装
置78に供給されるようになっている。 【0020】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
79を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ80を
制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイ
パス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットル
アクチュエータ54によりスロットル弁56を制御す
る。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子制
御装置78およびVSC用電子制御装置82と相互に通
信可能に接続されており、一方に必要な信号が他方から
適宜送信されるようになっている。 【0021】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路81の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、スロットル弁56の開度θ
THに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるた
めにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制御す
るためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアップクラ
ッチ24の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直
接制御、およびクラッチツウクラッチのシフトを制御す
るためにリニヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動する。
また、変速用電子制御装置78は、たとえば図5に示す
予め記憶された変速線図から実際のスロットル弁開度θ
THおよび車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段を決
定し、この決定されたギヤ段および係合状態が得られる
ように電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレ
ーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。 【0022】また、車両には、ヨーレートを検出するヨ
ーレートセンサ83、加速度センサ84、舵角センサ8
5、車輪回転速度センサ86が設けられており、それら
のセンサから、車体の鉛直軸まわりの回転角速度(ヨー
レート)ωY 、車体の前後方向の加速度G、ステアリン
グホイールの舵角θW 、4つの車輪の回転速度NW1〜N
W4を表す信号がVSC&ABS用電子制御装置82に供
給されるようになっている。このVSC&ABS用電子
制御装置82も、上記と同様のマイクロコンピュータで
あって、VSC制御或いはABS制御のために、CPU
はRAMの一時記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶
されたプログラムに従って入力信号を処理し、スロット
ルアクチュエータ54を介してスロットル弁56を駆動
するとともに、ハイドロブースタアクチュエータ87に
備えられた図示しない電磁弁を駆動して4つの車輪のブ
レーキ油圧をそれぞれ制御する。このハイドロブースタ
アクチュエータ87は図示しない制動用油圧回路に組入
れられており、必要に応じて4つの車輪の制動力が独立
に制御されるようになっている。上記VSC&ABS用
電子制御装置82も、エンジン用電子制御装置76およ
び変速用電子制御装置78と相互に通信可能に接続され
ており、一方に必要な信号が他方から適宜送信されるよ
うになっている。 【0023】図4は、エンジン用電子制御装置76、変
速用電子制御装置78、およびVSC&ABS用電子制
御装置82の制御機能の要部を説明する機能ブロック線
図である。図において、変速制御手段100は、たとえ
ば図5に示す予め記憶された関係から、エンジン10の
負荷を示す量たとえばスロットル弁開度θTHと実際の車
速Vとに基づいて変速判断を行い、その自動変速機14
のギヤ段を決定し、この決定されたギヤ段および係合状
態が得られるように電磁弁S1、S2、S3を駆動し、
エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動
する。 【0024】車両挙動制御手段102は、旋回中の旋回
挙動を安定化させるために車両の制動力或いは原動機の
出力を制御してアンダステア傾向やオーバステア傾向を
操舵角に対応したものとするVSC制御(Vehicle Stab
ility Control )、制動中の車輪を所定の目標スリップ
率の範囲内に制御することにより車輪のロックを防止し
て制動時における横すべりを防止するABS制御(Anti
lock Brake System )、雪道等の低μ路での発進加速時
に、過剰な駆動力によるホイールスピンを抑え、車両の
方向安定性および駆動力を確保するTRC制御(TRacti
on Control system )を実行する。 【0025】上記車両挙動制御手段102のVSC制御
では、車両の旋回挙動が不安定となった場合に、前記ハ
イドロブースタアクチュエータ87を含む制動装置を介
して車両の制動力が制御され、或いはスロットルアクチ
ュエータ54を介してスロットル弁56が変化させられ
ることによりエンジン出力が制御させられることにより
車輪の横すべりが抑制されて、車両の旋回挙動が安定化
させられる。たとえば、車体の進行方向と車両重心の進
行方向との間のスリップ角βが設定スリップ角よりも大
きく且つスリップ角βの変化速度dβ/dtが設定スリ
ップ角速度よりも大きい場合には車両走行状態がオーバ
ーステア傾向であると判定され、その傾向に応じて旋回
外側の前輪に制動がかけられてオーバーステア抑制モー
メントが発生させられることにより旋回挙動が安定化さ
れ、同時に制動力により車速が低下させられて車両の安
定性が高められる。また、実際の車両のヨーレートωY
が操舵角θW と車速Vとから設定される目標ヨーレート
を下回ったことに基づいて車両走行状態がアンダーステ
ア傾向であると判定され、その傾向に応じてエンジン出
力が抑制され且つ後輪に制動力が与えられてアンダース
テア抑制モーメントが発生させられることにより、車両
の旋回挙動が安定化される。 【0026】上記車両挙動制御手段102のVSC制御
では、車両の制動操作時において車体速度に対する各車
輪のスリップ率Sを算出し、その各車輪のスリップ率S
が路面摩擦係数の最も高い領域たとえば20%前後に定
められた領域内となるように各車輪の制動力を前記ハイ
ドロブースタアクチュエータ87を含む制動装置を介し
て制御し、車輪のコーナリングフォースを高めて制動中
の車両の挙動を安定化させる。 【0027】変速点変更手段104は、予め設定された
車両の走行条件が成立した場合には、上記変速制御手段
100による変速制御に優先して、通常の変速を行うた
めの図5の変速線図から、自動変速機14の高速側ギヤ
段たとえば第5速ギヤ段又は第5速ギヤ段および第4速
ギヤ段を禁止或いは抑制するように変速点を変更するた
めの変速線図へ切り換える。変速点変更のための変速線
図は、第5速ギヤ段又は第5速ギヤ段および第4速ギヤ
段への変速点を高車速側へずらすか或いは削除すること
によってその変速点を変更するものであり、たとえば図
5の変速線図の中の4→5アップ変速線および5→4ダ
ウン変速線を除去したもの、4→5アップ変速線および
5→4ダウン変速線の一部または全部を高車速側へずら
したもの、4→5アップ変速線および5→4ダウン変速
線と3→4アップ変速線および4→3ダウン変速線とを
除去したもの、4→5アップ変速線および5→4ダウン
変速線と3→4アップ変速線および4→3ダウン変速線
との一部または全部を高車速側へずらしたものなどが用
いられる。この変速点変更手段104により、第5速ギ
ヤ段および第4速ギヤ段が禁止されたときには、動力性
能およびンジンブレーキ性能が高められる。ここで、上
記変速点変更手段104は、たとえば、所定の勾配以上
の登坂走行或いは降坂走行において駆動力或いはエンジ
ンブレーキ力を得るために高速側ギヤ段へのアップ変速
を禁止し或いはシフトアップ線を高車速側へ移動させて
高速側ギヤ段への変速点車速を高くする登降坂制御、ア
クセルペダルすなわちスロットル弁が急激に戻されたと
きにエンジンブレーキ力を得るために高速側ギヤ段への
アップ変速を禁止し或いはシフトアップ線を高車速側へ
移動させて高速側ギヤ段への変速点車速を高くするアク
セル急閉制御、コーナリング走行時において余裕駆動力
を得るために高速側ギヤ段へのアップ変速を禁止し或い
はシフトアップ線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段
への変速点車速を高くするコーナリング制御、運転者の
運転指向を推定して加速指向である場合には高速側ギヤ
段へのアップ変速を禁止し或いはシフトアップ線を高車
速側へ移動させて高速側ギヤ段への変速点車速を高くす
る運転指向推定制御、制動操作によって急速減速が行わ
れたときに速やかにエンジンブレーキ力を得るために高
速側ギヤ段へのアップ変速を禁止し或いはシフトアップ
線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段への変速点車速
を高くする急減速制御、アクセルペダル踏み込み速度す
なわちスロットル弁の開き速度が所定値以上であるとき
にシフトアップ線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段
への変速点車速を高くして所定期間高速側ギヤ段へのア
ップ変速を禁止する急加速操作(ΔTA)制御のいずれ
かから構成される。 【0028】車両挙動制御作動中判定手段106は、前
記車両挙動制御手段102による車両の挙動を安定化さ
せる制御の作動中であるか否かを、制御出力信号或いは
制御中を示すフラグの内容などに基づいて判定する。変
速点変化中止手段108は、その車両挙動制御作動中判
定手段106により車両挙動制御手段102による車両
の挙動を安定化させる制御の作動中であると判定された
場合には、前記変速点変更手段104による変速点の変
更作動開始或いは変速点変更手段104による変速点の
変更作動終了による変速点変化、たとえば変速点変更の
ための変速線図の切り換えを中止する。 【0029】また、上記変速点変化中止手段108は、
上記変速点変更手段104を構成する制御のうち、登降
坂制御、コーナリング制御、運転指向推定制御の制御そ
のものの実行は許容するが、勾配の推定、コーナリング
の推定、運転指向の推定は禁止(ホールド)し、制御の
開始によって車両の挙動を安定化させる制御に影響を与
える制御、すなわちアクセル急閉制御、急減速制御、急
加速操作(ΔTA)制御の実行は中止或いは禁止する。
中止解除時において路面勾配の推定、コーナリングの推
定、運転指向の推定に時間が必要な登降坂制御、コーナ
リング制御、運転指向推定制御は、上記変速点変化中止
手段108による変速点変更のための変速線図への切り
換え中止中であってもその作動が許容されるので、中止
解除時においてそれら登降坂制御、コーナリング制御、
或いは運転指向推定制御が速やかに復帰させられる。 【0030】また、上記変速点変化中止手段108は、
車両挙動制御作動中判定手段106により車両挙動制御
手段102による車両の挙動を安定化させる制御の作動
中でないと判定された場合はそれより所定時間が経過す
るまでは、変速点変更手段104による変速点の変更作
動終了による変速点変化の中止、すなわち変速点変更の
ための変速線図から通常の変速線図への復帰による変速
点の変化を中止する。 【0031】終了条件成立判定手段110は、変速点変
更手段104による変速点の変更作動を終了させるため
に予め設定された終了条件が成立したか否かを判定す
る。すなわち、登降坂制御、コーナリング制御、運転指
向推定制御、アクセル急閉制御、急減速制御、急加速操
作(ΔTA)制御の制御終了条件がすべて成立し、いず
れの制御の実施要求がないか否かを判定する。また、復
帰走行状態判定手段112は、変速点変更手段104に
よる変速点変更作動が終了して変速点変更のための変速
線図から通常の変速線図への復帰が行われることにより
変速点が変化しても自動変速機14のアップ変速が発生
しない走行状態、またはアクセルペダル50の戻し操作
(スロットル弁開度変化量が負である状態)、または車
速増加状態などであるか否かを判定する。 【0032】変速点変更作動解除手段114は、上記終
了条件成立判定手段110により変速点変更手段104
による変速点の変更作動を終了させるために予め設定さ
れた終了条件が成立したと判定され、且つ上記復帰走行
状態判定手段112により変速点変更手段104による
変速点変更作動の終了により変速点が変化させられても
自動変速機14のアップ変速が発生しない走行状態、ま
たはアクセルペダル50の戻し操作、または車速の増加
等であると判定された場合に、上記変速点変更手段10
4による変速点変更すなわち変速点変更のための変速線
図から通常の変速線図への復帰を許可させる。 【0033】図6は、エンジン用電子制御装置76、変
速用電子制御装置78、およびVSC&ABS&TRC
用電子制御装置82の制御作動の要部を説明するフロー
チャートである。なお、前記変速制御手段100および
車両挙動制御手段102による制動作動はよく知られた
ものであるので、そのフローチャートは省略されてい
る。 【0034】図6において、前記車両挙動制御作動中判
定手段106に対応するステップ(以下、ステップを省
略する)SA1では、前記車両挙動制御手段102によ
る車両挙動の安定化制御すなわちVSC制御、ABS制
御或いはTRC制御の実行中であるか否かが判断され
る。当初はこのSA1の判断が否定されるので、SA2
において、上記VSC制御、ABS制御或いはTRC制
御の作動終了から予め設定された所定の遅延時間が経過
した安定状態であるか否かが判断される。この遅延時間
は、VSC制御、ABS制御或いはTRC制御の作動終
了以後においてもその作動の影響が残っている時間であ
り、予め実験により決定されている。 【0035】上記SA2の判断が肯定されると、SA3
において前記変速点変更手段104により第4速ギヤ段
或いは第4速ギヤ段および第5速ギヤ段を禁止するため
の変速線図に切り換え中であるか否かが判断される。当
初は、このSA3の判断も否定されるので、SA4にお
いて変速点変更制御の開始条件が成立しているか否か、
すなわち、登降坂制御、コーナリング制御、運転指向推
定制御、アクセル急閉制御、急減速制御、急加速操作
(ΔTA)制御のいずれかの制御開始条件が満足され、
いずれの制御の実施要求があるか否かが判断される。こ
のSA4の判断が否定された場合は本ルーチンが終了さ
せられるが、肯定された場合は、SA5において、変速
点変更のための変速線図すなわち第5速ギヤ段或いは第
4速ギヤ段および第5速ギヤ段を禁止するための変速線
図へ切り換えられる。本実施例では、上記SA4および
SA5が前記変速点変更手段104に対応している。 【0036】以上のようにして変速点が変更された後、
或いはその前において、SA1の判断が肯定されるか或
いはSA2の判断が否定された場合は、すなわちVSC
制御、ABS制御或いはTRC制御の作動中であるか、
或いは作動終了後であっても所定の遅延時間経過前であ
る場合は、前記変速点変化中止手段108に対応するS
A6において、変速点変更手段104により変速点変更
作動或いは変速点変更作動の終了により、図5の通常の
変速線図から変速点変更のための変速線図への切り換
え、或いは変速点変更のための変速線図から図5の通常
の変速線図への切り換え(復帰)が中止された後、本ル
ーチンが終了させられる。このとき、SA6では、登降
坂制御、コーナリング制御、運転指向推定制御、アクセ
ル急閉制御、急減速制御、急加速操作(ΔTA)制御の
うち、制御開始によって車両の挙動安定化作動が損なわ
れる制御、すなわちアクセル急閉制御、急減速制御、急
加速操作(ΔTA)制御の実行は中止或いは禁止される
が、中止解除時において路面勾配の推定、コーナリング
の推定、運転指向の推定に時間が必要な登降坂制御、コ
ーナリング制御、運転指向推定制御は、上記変速点変化
中止手段108による変速点変更のための変速線図への
切り換え中止中であってもその作動が許容される。ただ
し、誤判定防止のために、勾配の推定、コーナリングの
推定、運転指向の推定そのものは禁止(ホールド)され
る。 【0037】上記変速点変更手段104による変速点変
更作動により図5の通常の変速線図から第5速ギヤ段或
いは第4速ギヤ段および第5速ギヤ段を禁止するための
変速線図への切り換えが行われている場合には、前記S
A3の判断が肯定されるので、前記終了条件成立判定手
段110に対応するSA7において、変速点変更手段1
04による変速点変更作動の終了条件が成立したか否
か、すなわち登降坂制御、コーナリング制御、運転指向
推定制御、アクセル急閉制御、急減速制御、急加速操作
(ΔTA)制御のいずれの制御終了条件も満足され、い
ずれの制御の実施要求もない状態であるか否かが判断さ
れる。このSA7の判断が否定された場合は本ルーチン
が終了させられるが、肯定された場合は、前記復帰走行
状態判定手段112に対応するSA8において、変速点
変更手段104による変速点変更作動の終了により第5
速ギヤ段或いは第4速ギヤ段および第5速ギヤ段を禁止
するための変速線図から図5の通常の変速線図へ切り換
えられて変速点が変化させられても自動変速機14のア
ップ変速が発生しない走行状態、またはアクセルペダル
50の戻し操作、または車速の増加等であるか否かが判
断される。 【0038】上記SA8の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、前記変
速点変更作動解除手段114に対応するSA9におい
て、変速点変更手段104により切り換えられていた第
5速ギヤ段或いは第4速ギヤ段および第5速ギヤ段を禁
止するための変速線図から図5の通常の変速線図への復
帰が許可される。 【0039】上述のように、本実施例によれば、車両挙
動制御作動中判定手段106(SA1)により車両挙動
制御手段102による車両の挙動を安定化させる制御の
作動中であると判定された場合には、変速点変化中止手
段108(SA6)により、変速点変更手段104によ
る変速点の変更作動開始或いはその変速点変更手段10
4による変速点の変更作動終了による変速点変化が中止
されることから、その変速点変化に関連して発生する自
動変速機14の変速による駆動力変化が防止されるの
で、車両挙動制御手段102による車両の挙動の安定化
動作が損なわれない。 【0040】また、本実施例によれば、変速点変更手段
104は、登降坂制御、コーナリング制御、運転指向推
定制御の少なくとも一部と、アクセル急閉制御、急減速
制御、急加速操作(ΔTA)制御の少なくとも一部とを
含むものであり、前記変速点変化中止手段108(SA
6)は、上記登降坂制御、コーナリング制御、運転指向
推定制御の制御そのものの実行は許容するが、勾配の推
定、コーナリングの推定、運転指向の推定は禁止(ホー
ルド)し、制御の開始によって車両の挙動を安定化させ
る制御に影響を与える制御、すなわちアクセル急閉制
御、急減速制御、急加速操作(ΔTA)制御の実行は中
止或いは禁止する。これにより、変速点変化中止手段1
08は、変速線図の切り換えなどにより行われる変速点
変化は中止させるが、登降坂制御、コーナリング制御、
運転指向推定制御の作動は許容するので、中止解除時に
おいて路面勾配の推定、コーナリングの推定、運転指向
の推定に時間が必要なそれら登降坂制御、コーナリング
制御、或いは運転指向推定制御が速やかに復帰させられ
得る利点がある。因みに、登降坂制御、コーナリング制
御、或いは運転指向推定制御の実行条件が成立している
ときのVSC制御装置の旋回挙動安定化制御作動により
変速点変化が中止させられている第3速ギヤ段で走行中
に、そのVSC制御装置の旋回挙動安定化作動が終了さ
せられると、3→4アップ変速、或いは3→5アップ変
速が一旦行われてしまうのである。 【0041】また、本実施例によれば、変速点変化中止
手段108(SA6)は、車両挙動制御作動中判定手段
106(SA1)により車両挙動制御手段102による
車両の挙動を安定化させる制御の作動中でないと判定さ
れた場合でも、それより所定の遅延時間が経過するまで
は、変速点変更手段104による変速点の変更作動の開
始或いは終了による変速点変化の中止を継続させる。こ
のようにすれば、車両挙動制御手段102による車両の
挙動を安定化させる制御作動終了直後の不安定な時期に
変速点変化が発生させられることが回避される。 【0042】また、本実施例によれば、変速点変更手段
104による変速点の変更作動を終了させるために予め
設定された終了条件が成立したか否かを判定する終了条
件成立判定手段110(SA7)と、変速点変更手段1
04による変速点変更作動の終了により変速点が変化し
ても自動変速機14のアップ変速が発生しない走行状
態、またはアクセルペダル50の戻し操作、または車速
の増加等であるか否かを判定する復帰走行状態判定手段
112(SA8)と、上記終了条件成立判定手段110
により変速点変更手段104による変速点の変更作動を
終了させるために予め設定された終了条件が成立したと
判定され、且つ上記復帰走行状態判定手段112により
変速点変更手段104による変速点変更作動の終了によ
り変速点が変化しても自動変速機のアップ変速が発生し
ない走行状態、またはアクセルペダル50の戻し操作、
または車速の増加等であると判定された場合に、上記変
速点変更手段104による変速点変更作動を解除させる
変速点変更作動解除手段114(SA9)とが、設けら
れることから、上記変速点変更手段104の終了条件が
成立したことに関連したアップ変速が防止されるので、
その変速点変更手段104の終了条件が成立したときに
直ちにその変速点変更作動を解除させる場合に比較し
て、予期しない変速の発生が解消される。 【0043】図7は、本発明の他の実施例における制御
作動(路面勾配の推定禁止制御作動)を説明するフロー
チャートである。この図7は、前記変速点変更手段10
4が登降坂制御により構成されている場合において、そ
の車両挙動制御作動による路面勾配の推定を禁止するた
めものである。 【0044】図7において、前記車両挙動制御作動中判
定手段106に対応するSB1では、前記車両挙動制御
手段102による車両挙動の安定化制御すなわちVSC
制御、ABS制御或いはTRC制御の実行中であるか否
かが判断される。このSB1の判断が否定された場合
は、SB2において、上記VSC制御、ABS制御或い
はTRC制御の作動終了から予め設定された所定の遅延
時間が経過した安定状態であるか否かが判断される。上
記SB1の判断が肯定された場合或いは上記SB2の判
断が否定された場合、すなわちVSC制御、ABS制御
或いはTRC制御の作動中であるか、或いは作動終了後
であっても所定の遅延時間経過前である場合は、前記変
速点変化中止手段108に対応するSB3において、登
坂制御における路面勾配の推定が禁止される。すなわち
所定のスロットル弁開度θTHに関して、平坦路における
車両の基準加速度と実際の車両加速度との差に基づいて
路面勾配を算出することが禁止される。これにより、登
降坂制御の実施の前提となる路面勾配が得られないの
で、登降坂制御による変速点変更が実質的に中止され
る。また、上記SB2の判断が肯定された場合、すなわ
ちVSC制御、ABS制御或いはTRC制御の作動終了
後において所定の遅延時間が経過した状態では、前記変
速点変更作動解除手段114に対応するSB4におい
て、勾配算出の禁止が解除される。 【0045】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。 【0046】たとえば、前述の車両挙動制御手段102
は、VSC制御作動とABS制御作動とTRC制御作動
とを実行するものであったが、いずれか一つまたは二つ
を実行するものであっても差し支えない。 【0047】また、前述の実施例の自動変速機14は前
進5段であったが、前進4段或いは前進6段であっても
差し支えない。たとえば、自動変速機14が前進4段と
なるように構成されている場合には、前記変速点変更手
段104によって図5に示す通常の変速線図から第4速
ギヤ段が禁止されるように設定された変速線図に切り換
えられる。 【0048】また、変速点変更手段104が運転指向推
定制御或いはコーナリング制御により構成されている場
合には、図7の実施例のSB3およびSB4では、運転
指向推定の禁止および運転指向推定の解除、或いはコー
ナリング推定の禁止およびコーナリング推定の解除が実
行されればよい。 【0049】また、前述の実施例では、車両の原動機と
してエンジン10が用いられていたが、電動モータであ
っても差し支えない。 【0050】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】 【図1】本発明の一実施例の車両の制御装置によって変
速制御される車両用自動変速機の構成を説明する骨子図
である。 【図2】図1の自動変速機における、複数の電磁弁或い
は油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成
立するギヤ段との関係を示す図表である。 【図3】図1の車両に備えられる制御装置の電気的構成
を説明する図である。 【図4】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。 【図5】図3の変速制御手段において用いられる変速線
図を示す図である。 【図6】図3の電子制御装置の制御作動の要部を説明す
るフローチャートである。 【図7】本発明の他の実施例における電子制御装置の制
御作動の要部を説明するフローチャートであって、図6
に相当する図である。 【符号の説明】 14:自動変速機 102:車両挙動制御手段 104:変速点変更制御手段 106:車両挙動制御作動中判定手段 108:変速点変化中止手段110:終了条件成立判定手段 112:復帰走行状態判定手段 114:変速点変更作動解除手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI B60K 41/26 B60K 41/26 // F16H 59:54 F16H 59:54 59:74 59:74 (56)参考文献 特開 平3−193533(JP,A) 特開 平9−42438(JP,A) 特開 平7−239017(JP,A) 特開 平2−117443(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48 B60K 41/00 - 41/28

Claims (1)

  1. (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 車両の制動力或いは原動機の出力を制御
    して該車両の挙動を安定化させる車両挙動制御手段と、
    予め設定された車両の走行条件が成立した場合には自動
    変速機の変速点を変更する変速点変更手段とを備えた車
    両の制御装置であって、 前記車両挙動制御手段による車両の挙動を安定化させる
    制御の作動中であるか否かを判定する車両挙動制御作動
    中判定手段と、 該車両挙動制御作動中判定手段により前記車両挙動制御
    手段による車両の挙動を安定化させる制御の作動中であ
    ると判定された場合には、前記変速点変更手段による変
    速点の変更作動開始或いは該変速点変更手段による変速
    点の変更作動終了による変速点変化を中止する変速点変
    化中止手段と 前記変速点変更手段による変速点の変更作動を終了させ
    るために予め設定された終了条件が成立したか否かを判
    定する終了条件成立判定手段と、 前記変速点変更手段による変速点変更作動の終了により
    変速点が変化しても前記自動変速機の変速が発生しない
    走行状態であるか否かを判定する復帰走行状態判定手段
    と、 上記終了条件成立判定手段により前記変速点変更手段に
    よる変速点の変更作動を終了させるために予め設定され
    た終了条件が成立したと判定され、且つ上記復帰走行状
    態判定手段により前記変速点変更手段による変速点変更
    作動の終了により変速点が変化しても前記自動変速機の
    変速が発生しない走行状態であると判定された場合に、
    上記変速点変更手段による変速点変更作動を解除させる
    変速点変更作動解除手段と を、含むことを特徴とする車
    両の制御装置。
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