JP3356002B2 - 車両用自動変速機の変速制御装置 - Google Patents

車両用自動変速機の変速制御装置

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JP3356002B2 JP15377097A JP15377097A JP3356002B2 JP 3356002 B2 JP3356002 B2 JP 3356002B2 JP 15377097 A JP15377097 A JP 15377097A JP 15377097 A JP15377097 A JP 15377097A JP 3356002 B2 JP3356002 B2 JP 3356002B2
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B60VEHICLES IN GENERAL
    • B60WCONJOINT CONTROL OF VEHICLE SUB-UNITS OF DIFFERENT TYPE OR DIFFERENT FUNCTION; CONTROL SYSTEMS SPECIALLY ADAPTED FOR HYBRID VEHICLES; ROAD VEHICLE DRIVE CONTROL SYSTEMS FOR PURPOSES NOT RELATED TO THE CONTROL OF A PARTICULAR SUB-UNIT
    • B60W2552/00Input parameters relating to infrastructure
    • B60W2552/15Road slope, i.e. the inclination of a road segment in the longitudinal direction

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  • Control Of Transmission Device (AREA)

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両において自動
変速機のギヤ段を制御する変速制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】車両の旋回走行中およびその旋回走行の
終了後の所定期間経過までの変速禁止期間では、自動変
速機の変速を禁止する形式の車両用自動変速機の変速制
御装置が知られている。たとえば、特開昭63−207
735号公報に記載された車両用自動変速機の変速制御
装置がそれである。
【0003】ところで、上記のような従来の車両では、
旋回走行中だけでなく、その旋回走行終了後の所定期間
が経過するまでは自動変速機の変速が禁止されることか
ら、直進走行に確実に戻った状態でダウン変速が可能と
なり、走行安定性を損なうことなく、旋回走行後の登坂
路において十分な動力性能が得られる。また、上記所定
期間が経過する前に次の旋回走行が開始される場合に
は、自動変速機の変速禁止が連続されるので、旋回走行
が連続するワインディング走行においても、頻繁に変速
が繰り返されることが防止されると考えられる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来の変速制御装置において、自動変速機の変速が禁止さ
れる旋回走行終了後の所定期間は一定であることから、
旋回走行と旋回走行との間の直進走行期間が大幅にばら
づく実際のワインディング走行では必ずしも自動変速機
の変速禁止が連続的に実行されないので、頻繁に変速が
繰り返されることによる運転性が低下する場合があっ
た。
【0005】本発明は以上の事情を背景として為された
ものであり、その目的とするところは、旋回走行が連続
するワインディング走行において運転性が得られる車両
用自動変速機の変速制御装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】かかる目的を達成するた
めの本発明の要旨とするところは、車両の旋回走行中お
よびその旋回走行の終了後の所定期間経過までの変速禁
止期間では、自動変速機の変速を禁止する形式の車両用
自動変速機の変速制御装置であって、(a) 前記旋回走行
の累積期間に基づいて前記変速禁止期間の終了時期を決
定する変速禁止期間終了時期決定手段と、(b) その変速
禁止期間終了時期決定手段により決定された前記変速禁
止期間の終了時期まで、前記自動変速機の変速を禁止す
る変速禁止手段とを、含むことにある。
【0007】
【発明の効果】このようにすれば、変速禁止期間終了時
期決定手段により、前記旋回走行の累積期間に基づいて
前記変速禁止期間の終了時期が決定され、変速禁止手段
により、その変速禁止期間終了時期決定手段により決定
された前記変速禁止期間の終了時期まで、前記自動変速
機の変速が禁止される。たとえば山岳路などにおける旋
回走行では、旋回走行の期間が長くなるほど、すなわち
旋回走行の回数が多くなるほど連続する性質があるか
ら、上記のように旋回走行の累積期間に基づいて前記変
速禁止期間の終了時期が決定されることにより、ワイン
ディング走行における頻繁な変速が一層抑制され、好適
な運転性が得られる。
【0008】
【発明の他の態様】ここで、好適には、前記変速禁止期
間終了時期決定手段は、前記旋回走行期間の増加に伴っ
て増加し且つ旋回走行の休止期間に伴って減少する旋回
走行判定値に基づいて、前記変速禁止期間の終了時期を
決定するものである。たとえば、前記変速禁止期間終了
時期決定手段は、前記旋回走行判定値が予め設定された
開始判断基準値を越えたときに連続旋回と判定し、その
旋回走行判定値がその開始判断基準値よりも小さい値に
予め設定された終了判断基準値を下まわったときに連続
旋回の終了と判定し、その連続旋回の終了の判定ととも
に前記変速禁止期間を終了させるものである。このよう
にすれば、旋回走行期間の累積値に応じて変速禁止期間
の終了時期が遅延するので、ワインディング走行におけ
る頻繁な変速が一層抑制され、好適な運転性が得られ
る。
【0009】また、好適には、予め設定された走行条件
が成立した場合には自動変速機の高速側ギヤ段を制限す
る高速側ギヤ段制限制御手段が備えられ、前記変速禁止
手段は、前記変速禁止期間終了時期決定手段により決定
された前記変速禁止期間の終了時期まで、上記高速側ギ
ヤ段制限制御手段による高速側ギヤ段制限制御からの復
帰を禁止するものである。このようにすれば、高速側ギ
ヤ段制限制御手段による高速側ギヤ段制限制御作動に関
連した変速も禁止される利点がある。
【0010】また、好適には、車両の旋回走行中を判定
する旋回走行中判定手段と、その旋回走行中判定手段に
より車両の旋回走行中と判定された場合には、前記高速
側ギヤ段制限制御手段による高速側ギヤ段の制限作動の
開始を禁止する高速側ギヤ段制限制御開始禁止手段とが
設けられる。このようにすれば、高速側ギヤ段制限制御
手段の高速側ギヤ段の制限作動の開始によって駆動力が
変化して旋回走行が影響を受けることが防止される。上
記高速側ギヤ段制限制御開始禁止手段は、制御作動の開
始により旋回走行中の車両の挙動に影響する高速側ギヤ
段制限制御、たとえば、所定の勾配以上の降坂路での制
動操作によって高速側ギヤ段を制限するための変速線図
へ切り換えられる降坂制御、制動操作による急減速時に
高速側ギヤ段を制限するための変速線図へ切り換えられ
る急減速制御などの制動操作に関連してダウン変速が行
われる制御の開始を禁止するのである。
【0011】また、好適には、舵角センサの故障、旋回
挙動制御手段における旋回判定異常、VSC用電子制御
装置からの信号の通信異常など、旋回中を判定するため
の旋回情報が異常であるか否かを判定する旋回情報異常
判定手段と、その旋回情報異常判定手段により旋回情報
が異常であると判断された場合は、前記高速側ギヤ段制
限制御手段の高速側ギヤ段制限制御をすべて禁止して実
行中のものは終了させる高速ギヤ段制限制御終了手段と
が設けられる。このようにすれば、旋回情報異常時にお
いて、旋回走行と高速側ギヤ段制限制御との重複が回避
される利点がある。
【0012】また、好適には、高速側ギヤ段制限制御手
段による高速側ギヤ段制限制御の終了により変速点が変
化しても前記自動変速機の変速が発生しない走行状態で
あるか否かを判定する復帰走行状態判定手段と、上記旋
回情報異常判定手段により旋回情報が異常であると判定
され、且つ上記復帰走行状態判定手段により前記高速側
ギヤ段制限制御手段による高速側ギヤ段制限制御の終了
により変速点が変化しても前記自動変速機の変速が発生
しない走行状態であると判定された場合に、上記高速側
ギヤ段制限制御手段により切り換えられた変速線図から
通常の変速線図への復帰を許可する復帰許可手段とが、
さらに含まれる。このようにすれば、上記高速側ギヤ段
制限制御終了手段により高速側ギヤ段制限制御が終了さ
せられるとき、直ちにそれまでの高速側ギヤ段制限のた
めの変速線図から通常の変速線図への切り換えが行われ
る場合に比較して、予期しない変速が解消される。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明の一実施例を図面に
基づいて詳細に説明する。
【0014】図1は、本発明の一実施例の変速制御装置
により変速制御される車両用自動変速機の一例を示す骨
子図である。図において、エンジン10の出力は、トル
クコンバータ12を介して自動変速機14に入力され、
図示しない差動歯車装置および車軸を介して駆動輪へ伝
達されるようになっている。
【0015】上記トルクコンバータ12は、エンジン1
0のクランク軸16に連結されたポンプ翼車18と、自
動変速機14の入力軸20に連結されたタービン翼車2
2と、それらポンプ翼車18およびタービン翼車22の
間を直結するロックアップクラッチ24と、一方向クラ
ッチ26によって一方向の回転が阻止されているステー
タ28とを備えている。
【0016】上記自動変速機14は、ハイおよびローの
2段の切り換えを行う第1変速機30と、後進ギヤ段お
よび前進4段の切り換えが可能な第2変速機32を備え
ている。第1変速機30は、サンギヤS0、リングギヤ
R0、およびキャリヤK0に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS0およびリングギヤR0に噛み合わされて
いる遊星ギヤP0から成るHL遊星歯車装置34と、サ
ンギヤS0とキャリヤK0との間に設けられたクラッチ
C0および一方向クラッチF0と、サンギヤS0および
ハウジング41間に設けられたブレーキB0とを備えて
いる。
【0017】第2変速機32は、サンギヤS1、リング
ギヤR1、およびキャリヤK1に回転可能に支持されて
それらサンギヤS1およびリングギヤR1に噛み合わさ
れている遊星ギヤP1から成る第1遊星歯車装置36
と、サンギヤS2、リングギヤR2、およびキャリヤK
2に回転可能に支持されてそれらサンギヤS2およびリ
ングギヤR2に噛み合わされている遊星ギヤP2から成
る第2遊星歯車装置38と、サンギヤS3、リングギヤ
R3、およびキャリヤK3に回転可能に支持されてそれ
らサンギヤS3およびリングギヤR3に噛み合わされて
いる遊星ギヤP3から成る第3遊星歯車装置40とを備
えている。
【0018】上記サンギヤS1とサンギヤS2は互いに
一体的に連結され、リングギヤR1とキャリヤK2とキ
ャリヤK3とが一体的に連結され、そのキャリヤK3は
出力軸42に連結されている。また、リングギヤR2が
サンギヤS3に一体的に連結されている。そして、リン
グギヤR2およびサンギヤS3と中間軸44との間にク
ラッチC1が設けられ、サンギヤS1およびサンギヤS
2と中間軸44との間にクラッチC2が設けられてい
る。また、サンギヤS1およびサンギヤS2の回転を止
めるためのバンド形式のブレーキB1がハウジング41
に設けられている。また、サンギヤS1およびサンギヤ
S2とハウジング41との間には、一方向クラッチF1
およびブレーキB2が直列に設けられている。この一方
向クラッチF1は、サンギヤS1およびサンギヤS2が
入力軸20と反対の方向へ逆回転しようとする際に係合
させられるように構成されている。
【0019】キャリヤK1とハウジング41との間には
ブレーキB3が設けられており、リングギヤR3とハウ
ジング41との間には、ブレーキB4と一方向クラッチ
F2とが並列に設けられている。この一方向クラッチF
2は、リングギヤR3が逆回転しようとする際に係合さ
せられるように構成されている。
【0020】以上のように構成された自動変速機14で
は、たとえば図2に示す作動表に従って後進1段および
前進5段のギヤ段が切り換えられる。図2において○印
は係合状態を示し、×印は非係合状態を示し、◎はロッ
クアップクラッチ24が係合或いはスリップ状態である
ときに作動させられることを示している。
【0021】図3に示すように、車両のエンジン10の
吸気配管には、アクセル操作量センサ52により検出さ
れたアクセルペダル50の操作量に基づいてスロットル
アクチュエータ54により駆動されるスロットル弁56
が設けられている。また、エンジン10の回転速度NE
を検出するエンジン回転速度センサ58、エンジン10
の吸入空気量Q/Nを検出する吸入空気量センサ60、
吸入空気の温度TA を検出する吸入空気温度センサ6
2、上記スロットル弁56の開度θTHを検出するスロッ
トルセンサ64、出力軸42の回転速度NOUT すなわち
車速Vを検出する車速センサ66、エンジン10の冷却
水温度TW を検出する冷却水温センサ68、ブレーキの
作動を検出するブレーキスイッチ70、シフトレバー7
2の操作位置PSHを検出する操作位置センサ74、入力
軸20すなわちクラッチC0の回転速度NC0を検出する
クラッチC0回転センサ75、油圧制御回路84の作動
油温度TOIL を検出する油温センサ77などが設けられ
ており、それらのセンサから、エンジン回転速度NE
吸入空気量Q/N、吸入空気温度TA 、スロットル弁の
開度θTH、車速V、エンジン冷却水温TW 、ブレーキの
作動状態BK、シフトレバー72の操作位置PSH、クラ
ッチC0の回転速度NC0、作動油温度TOIL を表す信号
がエンジン用電子制御装置76或いは変速用電子制御装
置78に供給されるようになっている。
【0022】エンジン用電子制御装置76は、CPU、
RAM、ROM、入出力インターフェースを備えた所謂
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、種々のエンジン制御を実
行する。たとえば、燃料噴射量制御のために燃料噴射弁
79を制御し、点火時期制御のためにイグナイタ80を
制御し、アイドルスピード制御のために図示しないバイ
パス弁を制御し、トラクション制御のためにスロットル
アクチュエータ54によりスロットル弁56を制御す
る。このエンジン用電子制御装置76は、変速用電子制
御装置78およびVSC用電子制御装置82と相互に通
信可能に接続されており、一方に必要な信号が他方から
適宜送信されるようになっている。
【0023】変速用電子制御装置78も、上記と同様の
マイクロコンピュータであって、CPUはRAMの一時
記憶機能を利用しつつ予めROMに記憶されたプログラ
ムに従って入力信号を処理し、油圧制御回路84の各電
磁弁或いはリニヤソレノイド弁を駆動する。たとえば、
変速用電子制御装置78は、スロットル弁56の開度θ
THに対応した大きさのスロットル圧PTHを発生させるた
めにリニヤソレノイド弁SLT を、アキュム背圧を制御す
るためにリニヤソレノイド弁SLN を、ロックアップクラ
ッチ24の係合、解放、スリップ量、ブレーキB3の直
接制御、およびクラッチツウクラッチのシフトを制御す
るためにリニヤソレノイド弁SLU をそれぞれ駆動する。
また、変速用電子制御装置78は、たとえば図5に示す
予め記憶された変速線図から実際のスロットル弁開度θ
THおよび車速Vに基づいて自動変速機14のギヤ段を決
定し、この決定されたギヤ段および係合状態が得られる
ように電磁弁S1、S2、S3を駆動し、エンジンブレ
ーキを発生させる際には電磁弁S4を駆動する。
【0024】また、車両には、ヨーレートを検出するヨ
ーレートセンサ83、加速度センサ84、舵角センサ8
5、車輪回転速度センサ86が設けられており、それら
のセンサから、車体の鉛直軸まわりの回転角速度(ヨー
レート)ωY 、車体の前後方向の加速度G、ステアリン
グホイールの舵角θW 、4つの車輪の回転速度NW1〜N
W4を表す信号がVSC用電子制御装置82に供給される
ようになっている。このVSC用電子制御装置82も、
上記と同様のマイクロコンピュータであって、VSC制
御のために、CPUはRAMの一時記憶機能を利用しつ
つ予めROMに記憶されたプログラムに従って入力信号
を処理し、スロットルアクチュエータ54を介してスロ
ットル弁56を駆動するとともに、ハイドロブースタア
クチュエータ87に備えられた図示しない電磁弁を駆動
して4つの車輪のブレーキ油圧をそれぞれ制御する。こ
のハイドロブースタアクチュエータ87は図示しない制
動用油圧回路に組入れられており、必要に応じて4つの
車輪の制動力が独立に制御されるようになっている。上
記VSC用電子制御装置82も、エンジン用電子制御装
置76および変速用電子制御装置78と相互に通信可能
に接続されており、一方に必要な信号が他方から適宜送
信されるようになっている。
【0025】図4は、変速用電子制御装置78などの制
御機能の要部を説明する機能ブロック線図である。図に
おいて、変速制御手段100は、たとえば図5に示す予
め記憶された関係すなわち基本変速線図から、エンジン
10の負荷を示す量たとえばスロットル弁開度θTHと実
際の車速Vとに基づいて変速判断を行い、その自動変速
機14のギヤ段を決定し、この決定されたギヤ段および
係合状態が得られるように電磁弁S1、S2、S3を駆
動し、エンジンブレーキを発生させる際には電磁弁S4
を駆動する。
【0026】旋回挙動制御手段102は、旋回中の旋回
挙動を安定化させるために車両の制動力或いは原動機の
出力を制御してアンダステア傾向やオーバステア傾向を
操舵角に対応したものとするVSC制御(Vehicle Stab
ility Control )を実行する。このVSC制御では、車
両の旋回挙動が不安定となった場合に、前記ハイドロブ
ースタアクチュエータ87を含む制動装置を介して車両
の制動力が制御され、或いはスロットルアクチュエータ
54を介してスロットル弁56を変化させることにより
エンジン出力を制御して車輪の横すべりを抑制し、車両
の旋回挙動が安定化させられる。たとえば、車体の進行
方向と車両重心の進行方向との間のスリップ角βが設定
スリップ角よりも大きく且つスリップ角βの変化速度d
β/dtが設定スリップ角速度よりも大きい場合には車
両走行状態がオーバーステア傾向であると判定され、そ
の傾向に応じて旋回外側の前輪が制動されてオーバース
テア抑制モーメントが発生させられることにより旋回挙
動が安定化され、同時に制動力により車速を低下させて
車両の安定性が高められる。また、実際の車両のヨーレ
ートωY が操舵角θW と車速Vとから設定される目標ヨ
ーレートを下回ったことに基づいて車両走行状態がアン
ダーステア傾向にあると判定され、その傾向に応じてエ
ンジン出力が抑制され且つ後輪に制動力を与えてアンダ
ーステア抑制モーメントが発生させられることにより、
車両の旋回挙動が安定化させられる。
【0027】高速側ギヤ段制限制御手段104は、予め
設定された車両の走行条件が成立した場合には、上記変
速制御手段100による変速制御に優先して、通常の変
速を行うための図5の変速線図から、自動変速機14の
高速側ギヤ段たとえば第5速ギヤ段又は第5速ギヤ段お
よび第4速ギヤ段を禁止或いは抑制するための高速側ギ
ヤ段制限用の変速線図へ切り換える。この高速側ギヤ段
制限用の変速線図は、第5速ギヤ段又は第5速ギヤ段お
よび第4速ギヤ段への変速点を高車速側へずらすか或い
は削除することによってその変速点を変更するものであ
り、たとえば図5の変速線図の中の4→5アップ変速線
および5→4ダウン変速線を除去したもの、4→5アッ
プ変速線および5→4ダウン変速線の一部または全部を
高車速側へずらしたもの、4→5アップ変速線および5
→4ダウン変速線と3→4アップ変速線および4→3ダ
ウン変速線とを除去したもの、4→5アップ変速線およ
び5→4ダウン変速線と3→4アップ変速線および4→
3ダウン変速線との一部または全部を高車速側へずらし
たものなどが用いられる。上記高速側ギヤ段制限制御手
段104により、第5速ギヤ段および第4速ギヤ段が禁
止されたときには、動力性能およびエンジンブレーキ性
能が高められる。ここで、上記高速側ギヤ段制限制御手
段104は、たとえば、所定の勾配以上の登坂走行或い
は降坂走行において駆動力或いはエンジンブレーキ力を
得るために高速側ギヤ段へのアップ変速を禁止し或いは
シフトアップ線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段へ
の変速点車速を高くする登降坂制御、アクセルペダルす
なわちスロットル弁が急激に戻されたときにエンジンブ
レーキ力を得るために高速側ギヤ段へのアップ変速を禁
止し或いはシフトアップ線を高車速側へ移動させて高速
側ギヤ段への変速点車速を高くするアクセル急閉制御、
コーナリング走行時において余裕駆動力を得るために高
速側ギヤ段へのアップ変速を禁止し或いはシフトアップ
線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段への変速点車速
を高くするコーナリング制御、運転者の運転指向を推定
して加速指向である場合には高速側ギヤ段へのアップ変
速を禁止し或いはシフトアップ線を高車速側へ移動させ
て高速側ギヤ段への変速点車速を高くする運転指向推定
制御、制動操作によって急速減速が行われたときに速や
かにエンジンブレーキ力を得るために高速側ギヤ段への
アップ変速を禁止し或いはシフトアップ線を高車速側へ
移動させて高速側ギヤ段への変速点車速を高くする急減
速制御、アクセルペダル踏み込み速度すなわちスロット
ル弁の開き速度が所定値以上であるときにシフトアップ
線を高車速側へ移動させて高速側ギヤ段への変速点車速
を高くして所定期間高速側ギヤ段へのアップ変速を禁止
する急加速操作(ΔTA)制御のいずれかから構成され
る。
【0028】旋回走行中判定手段106は、車両が旋回
走行中であることを、旋回挙動制御手段102から供給
される旋回走行を示す信号、或いは舵角センサ85から
出力される舵角を示す信号やその変化率の連続的な変化
などに基づいて判定する。変速禁止期間終了時期決定手
段108は、旋回走行中判定手段106により判定され
た旋回走行の累積期間に基づいて、自動変速機14の変
速を禁止するための変速禁止期間TIHSHの終了時期を決
定する。すなわち、変速禁止期間終了時期決定手段10
8は、旋回走行判定値VWINDに基づいて、上記変速禁止
期間TIHSHの終了時期を決定するものである。この旋回
走行判定値VWINDは、たとえば数式1により表されるも
のであり、図6に示すように旋回走行期間TWINDの増加
に伴って増加し且つその旋回走行の休止期間TSTに伴っ
て減少する。但し、数式1において、Kは定数、VTURN
は旋回中において「1」、非旋回中において「0」にな
る変数である。
【0029】
【数1】 VWINDi =(VTURN+K・VWINDi-1 )/(1+K) ・・・(1)
【0030】さらに詳細には、上記変速禁止期間終了時
期決定手段108は、図6に示すように、旋回走行判定
値VWINDが予め設定された開始判断基準値KROT1を越え
たときに連続旋回走行と判定し、その旋回走行判定値V
WINDが開始判断基準値KROT1よりも小さい値に予め設定
された終了判断基準値KROT2を下まわったときにその連
続旋回走行の終了と判定し、その連続旋回走行の終了の
判定とともに前記変速禁止期間TIHSHを終了させる。
【0031】変速禁止手段110は、旋回走行中判定手
段106により車両の旋回走行中であることが判定され
てから上記の変速禁止期間終了時期決定手段108によ
り決定された変速禁止期間TIHSHの終了時期まで、自動
変速機14の変速を禁止する。この変速禁止手段110
は、前記高速側ギヤ段制限制御手段104による高速側
ギヤ段の制限作動により、高速側ギヤ段制限用変速線図
から通常の変速線図への復帰により発生する変速を禁止
する。
【0032】旋回情報異常判定手段112は、舵角セン
サ85の故障、旋回挙動制御手段102における旋回判
定異常、VSC用電子制御装置82からの信号の通信異
常など、旋回中を判定するための旋回情報が異常である
か否かを判定する。高速側ギヤ段制限制御終了手段11
3は、上記旋回情報異常判定手段112により旋回情報
が異常であると判断された場合は、前記高速側ギヤ段制
限制御手段104の高速側ギヤ段制限制御をすべて禁止
して実行中のものは終了させる。すなわち、登降坂制
御、コーナリング制御、運転指向推定制御、アクセル急
閉制御、急減速制御、急加速操作(ΔTA)制御などが
終了させられる。
【0033】復帰走行状態判定手段114は、高速側ギ
ヤ段制限制御手段104による高速側ギヤ段制限制御が
終了して高速側ギヤ段制限用の変速線図から通常の変速
線図への復帰が行われることにより変速点が変化しても
自動変速機14のアップ変速が発生しない走行状態であ
るか否かを判定する。復帰許可手段116は、上記旋回
情報異常判定手段112により旋回情報が異常であると
判断され、且つ上記復帰走行状態判定手段114により
その高速側ギヤ段制限制御手段104による高速側ギヤ
段制限制御の終了により変速点が変化しても自動変速機
14の変速が発生しない走行状態であると判定された場
合に、上記高速側ギヤ段制限制御手段104により切り
換えられた高速側ギヤ段制限用変速線図から図5の通常
の変速線図への復帰を許可する。
【0034】また、高速側ギヤ段制限制御開始禁止手段
118は、旋回走行中判定手段106により車両の旋回
走行中と判定された場合には、高速側ギヤ段制限制御手
段104による高速側ギヤ段の制限作動の開始を禁止す
る。すなわち、制御作動の開始により旋回走行中の車両
の挙動に影響する高速側ギヤ段制限制御、たとえば、所
定の勾配以上の降坂路での制動操作によって高速側ギヤ
段を制限するための変速線図へ切り換えられる降坂制
御、制動操作による急減速時に高速側ギヤ段を制限する
ための変速線図へ切り換えられる急減速制御などの制動
操作に関連してダウン変速が行われる制御の開始を禁止
する。
【0035】図7は、変速用電子制御装置78などの制
御作動の要部を説明するフローチャートである。なお、
前記変速制御手段100および旋回挙動制御手段102
による制動作動はよく知られたものであるので、そのフ
ローチャートは省略されている。
【0036】図7において、前記旋回情報異常判定手段
112に対応するステップ(以下、ステップを省略す
る)SA1では、旋回中判定に用いるための信号たとえ
ばVSC用電子制御装置82から伝送される信号が異常
であるか否かが判断される。通常は、そのSA1の判断
が否定されるので、前記旋回走行中判定手段106に対
応するSA2において、車両が旋回中であるか否かが判
断される。車両が旋回中であるときはそのSA2の判断
が肯定されるので、前記高速側ギヤ段制限制御開始禁止
手段118に対応するSA3において、制御作動の開始
により旋回走行中の車両の挙動に影響する高速側ギヤ段
制限制御、たとえば、所定の勾配以上の降坂路での制動
操作によって高速側ギヤ段を制限するための変速線図へ
切り換えられる降坂制御、制動操作による急減速時に高
速側ギヤ段を制限するための変速線図へ切り換えられる
急減速制御などの制動操作に関連してダウン変速が行わ
れる制御の開始が禁止される。
【0037】次いで、SA4では、高速側ギヤ段制限用
変速線図へすでに切り換えられているか否かが判断され
る。このSA4の判断が肯定された場合は、SA5にお
いて、図5の通常の変速線図への復帰が遅延(禁止)さ
れてからSA6のワインディング走行推定ルーチンが実
行されるが、SA4の判断が否定された場合はSA6が
直接実行される。
【0038】SA6のワインディング走行推定ルーチン
は、前記変速禁止期間終了時期決定手段108に対応す
るものであり、たとえば図8に示すように実行される。
すなわち、図8のSA6−1では、数式1から旋回走行
判定値VWINDが逐次算出される。図6のt0 時点はこの
状態を示す。次いで、SA6−2において、その旋回走
行判定値VWINDが予め設定された開始判断基準値KROT1
以上となったか否かが判断される。当初は、SA6−2
の判断が否定されるので、SA6−3において、旋回走
行判定値VWINDが開始判断基準値KROT1よりも小さい値
に予め設定された終了判断基準値KROT2以下となったか
否かが判断される。当初は、SA6−3の判断も否定さ
れるので、本ルーチンが終了させられる。
【0039】以上のステップが繰り返し実行されて旋回
走行判定値VWINDが増加させられるうち、SA6−2の
判断が肯定されると、SA6−4において連続旋回(ワ
インディング)フラグXWINDの内容が「1」にセットさ
れる。図6のt1 時点はこの状態を示す。旋回走行中す
なわち旋回走行フラグXC が「1」にセットされている
間ではそのような旋回走行判定値VWINDの増加が継続さ
れるが、図6のt2 時点に示すように旋回走行が終了す
なわち旋回走行フラグXC が「0」にクリアトされる
と、それ以後は連続的に減少させられることから、SA
6−3の判断が肯定されるようになる。このSA6−3
の判断が肯定されると、SA6−5において連続旋回
(ワインディング)フラグXWINDの内容が「0」にクリ
アされる。図6のt4 時点はこの状態を示している。
【0040】図9は、上記図8のルーチンにおいてセッ
トされる連続旋回フラグXWINDの内容に基づいて変速禁
止フラグXIHSHをセットするためのルーチンを示してい
る。図9のSB1では、SA2と同様にして旋回中であ
るか否かが判断される。このSB1の判断が肯定された
場合には、SB2において変速禁止フラグXIHSHの内容
が「1」にセットされる。また、上記SB1の判断が否
定された場合には、SB3において、連続旋回フラグX
WINDの内容が「0」であるか否かが判断される。このS
B3の判断が否定されるうちは、上記SB2が実行され
て変速禁止フラグXIHSHの内容が「1」に維持される
が、SB3の判断が肯定されると、SB4において変速
禁止フラグXIHSHの内容が「0」にクリアされる。これ
により、図6の下段に示すように、旋回走行終了後に所
定時間DTが経過するまで変速禁止フラグXIHSHが継続
される。
【0041】図10は、前記変速禁止手段110に対応
する変速禁止ルーチンである。図10のSC1では、上
記変速禁止フラグXIHSHの内容が「1」であるか否かが
判断される。このSC1の判断が否定された場合は本ル
ーチンが終了させられるが、肯定された場合は、SC2
において、自動変速機14の変速が禁止される。すなわ
ち、前記高速側ギヤ段制限制御手段104によって高速
側ギヤ段制限用変速線図への切り換え、或いはその高速
側ギヤ段制限用変速線図から図5の通常の変速線図への
復帰に関連した変速が禁止される。なお、前記変速制御
手段100による図5の通常の変速線図を用いた前記自
動変速機14の通常の変速も禁止するようにしてもよ
い。
【0042】図7に戻って、旋回走行が終了すると、S
A2の判断が否定され、SA7において、ワインディン
グ走行推定中であるか否か、すなわち連続旋回フラグX
WINDの内容が「1」であるか否かが判断される。このS
A7の判断が肯定された場合は、前記SA4以下が実行
されることにより、SA6のワインディング走行推定作
動が継続される。また、SA7の判断が否定された場合
でも、SA6におけるワインディング走行推定作動が実
行され、次回に備えて旋回走行判定値VWINDが零に向か
って変化させられる。
【0043】前記SA1の判断が肯定された場合、すな
わち旋回情報が異常と判定された場合には、前記高速側
ギヤ段制限制御終了手段113に対応するSA8におい
て、高速側ギヤ段制限制御手段104によるすべての高
速側ギヤ段制限制御、すなわち、登降坂制御、コーナリ
ング制御、運転指向推定制御、アクセル急閉制御、急減
速制御、急加速操作(ΔTA)制御などがすべて禁止さ
れて実行中のものは終了させられる。次いで、SA9で
は、SA4と同様にして高速側ギヤ段制限用変速線図へ
切り換え済であるか否かが判断される。このSA9の判
断が否定された場合は本ルーチンが終了させられるが、
肯定された場合は、前記復帰走行状態判定手段114に
対応するSA10において、高速側ギヤ段制限制御手段
104による高速側ギヤ段制限制御の終了により変速点
が変化しても自動変速機14の変速が発生しない走行状
態であるか否かが判断される。たとえば、図5の変速線
図上において示される実際の車両状態が、4−5変速線
の左側であるか否かが判断される。
【0044】上記SA10の判断が否定された場合は本
ルーチンが終了させられるが、肯定された場合は、前記
復帰許可手段116に対応するSA11において、すで
に切り換えられた高速側ギヤ段制限用変速線図から図5
の通常の変速線図への復帰が許可される。
【0045】上述のように、本実施例によれば、変速禁
止期間終了時期決定手段108(SA6)により、過去
の旋回時間の連続状態に基づいてすなわち旋回走行の累
積期間に基づいて変速禁止期間の終了時期が決定され、
変速禁止手段110(SC2)により、その変速禁止期
間終了時期決定手段108により決定された前記変速禁
止期間の終了時期まで、自動変速機14の変速が禁止さ
れる。たとえば山岳路などにおける旋回走行では、旋回
走行の期間が長くなるほど、すなわち旋回走行の回数が
多くなるほど連続する性質があるから、たとえば、図6
の破線に示すように、旋回走行が断続しても、連続旋回
フラグXWINDが「1」にセットされているうちに次の旋
回走行が開始されることにより連続旋回フラグXWIND
よび変速禁止フラグXIHSHが連続的に延長され、しかも
旋回走行判定値VWINDは旋回走行の累積時間と共に大き
な値とされて所定時間DTが長くされるので、旋回走行
が続くワインディング走行において、上記変速禁止期間
IHSHが好適に連続させられる。このように、旋回走行
の累積期間に基づいて上記変速禁止期間TIHSHの終了時
期が決定されることにより、ワインディング走行におけ
る頻繁な変速が抑制され、好適な運転性が得られる。
【0046】また、本実施例によれば、変速禁止期間終
了時期決定手段108(SA6)は、旋回走行期間の増
加に伴って増加し且つその旋回走行の休止期間に伴って
減少する旋回走行判定値VWINDに基づいて、変速禁止期
間の終了時期を決定するものである。たとえば、変速禁
止期間終了時期決定手段108は、旋回走行判定値V
WINDが予め設定された開始判断基準値KROT1を越えたと
きに連続旋回と判定し、その旋回走行判定値VWINDが開
始判断基準値KROT1よりも小さい値に予め設定された終
了判断基準値KROT2を下まわったときに連続旋回の終了
と判定し、その連続旋回の終了の判定とともに変速禁止
期間TIHSHを終了させるものである。このようにすれ
ば、旋回走行期間の累積値に応じて変速禁止期間TIHSH
の終了時期が遅延するので、ワインディング走行におけ
る頻繁な変速が一層抑制され、好適な運転性が得られ
る。
【0047】また、本実施例によれば、予め設定された
走行条件が成立した場合には自動変速機の高速側ギヤ段
を制限する高速側ギヤ段制限制御手段104が備えら
れ、変速禁止手段110(SC2)は、変速禁止期間終
了時期決定手段108により決定された変速禁止期間T
IHSHの終了時期まで、高速側ギヤ段制限制御手段104
による高速側ギヤ段制限制御からの復帰を禁止すること
から、高速側ギヤ段制限制御手段104による高速側ギ
ヤ段制限制御作動に関連した変速禁止される利点があ
る。なお、前記変速制御手段100による図5の通常の
変速線図を用いた自動変速機14の通常の変速制御も禁
止するようにしてもよい。
【0048】また、本実施例によれば、車両の旋回走行
中を判定する旋回走行中判定手段106(SA2)と、
その旋回走行中判定手段106により車両の旋回走行中
と判定された場合には、高速側ギヤ段制限制御手段10
4による高速側ギヤ段の制限作動の開始を禁止する高速
側ギヤ段制限制御開始禁止手段118(SA3)とが設
けられていることから、高速側ギヤ段制限制御手段10
4の高速側ギヤ段の制限作動の開始によって駆動力が変
化して旋回走行が影響を受けることが防止される。上記
高速側ギヤ段制限制御開始禁止手段118は、制御作動
の開始により旋回走行中の車両の挙動に影響する高速側
ギヤ段制限制御、たとえば、所定の勾配以上の降坂路で
の制動操作によって高速側ギヤ段を制限するための変速
線図へ切り換えられる降坂制御、制動操作による急減速
時に高速側ギヤ段を制限するための変速線図へ切り換え
られる急減速制御などの制動操作に関連してダウン変速
が行われる制御の開始を禁止するのである。
【0049】また、本実施例によれば、舵角センサ85
の故障、旋回挙動制御手段102における旋回判定異
常、VSC用電子制御装置82からの信号の通信異常な
ど、旋回中を判定するための旋回情報が異常であるか否
かを判定する旋回情報異常判定手段112(SA1)
と、その旋回情報異常判定手段112により旋回情報が
異常であると判断された場合は、高速側ギヤ段制限制御
手段104の高速側ギヤ段制限制御をすべて禁止して実
行中のものは終了させる高速側ギヤ段制限制御終了手段
113(SA8)とが設けられるので、旋回情報異常時
でも旋回走行と高速側ギヤ段制限制御との重複が回避さ
れる利点がある。
【0050】また、本実施例によれば、高速側ギヤ段制
限制御手段104による高速側ギヤ段制限制御の終了に
より変速点が変化しても自動変速機14の変速が発生し
ない走行状態であるか否かを判定する復帰走行状態判定
手段114(SA10)と、前記旋回情報異常判定手段
112により旋回情報が異常であると判定され、且つ上
記復帰走行状態判定手段114により高速側ギヤ段制限
制御手段104による高速側ギヤ段制限制御の終了によ
り変速点が変化しても自動変速機14の変速が発生しな
い走行状態であると判定された場合に、高速側ギヤ段制
限制御手段104により切り換えられた変速線図から図
5の通常の変速線図への復帰を許可する復帰許可手段1
16(SA11)とが、さらに設けられることから、上
記高速側ギヤ段制限制御終了手段113により高速側ギ
ヤ段制限制御が終了させられるとき、直ちにそれまでの
高速側ギヤ段制限のための変速線図から通常の変速線図
への切り換えが行われる場合に比較して、予期しない変
速が解消される。
【0051】以上、本発明の一実施例を図面に基づいて
説明したが、本発明はその他の態様においても適用され
る。
【0052】たとえば、前述の実施例において、旋回走
行判定値VWINDは、数式1から算出されることにより、
旋回走行中は一時遅れ関数のように時間経過とともに傾
斜が零に接近し、旋回走行終了後は指数関数のように時
間経過とともに負の傾斜が零に接近するように変化させ
られていたが、旋回走行中は直線的に増加し、旋回走行
終了後は直線的に減少する一次式のように変化させられ
るなど、他の関数に従って変化させられてもよい。
【0053】また、前述の実施例の変速禁止期間TIHSH
すなわち変速禁止フラグXIHSHの内容が「1」にセット
される期間は、旋回走行開始時期から開始されていた
が、連続旋回フラグXWINDの内容が「1」にセットされ
てから開始されてもよい。
【0054】また、前述の実施例の自動変速機14は前
進5段であったが、前進4段或いは前進6段であっても
差し支えない。たとえば、自動変速機14が前進4段と
なるように構成されている場合には、前記高速側ギヤ段
制限制御手段104によって図5に示す通常の変速線図
から第4速ギヤ段が禁止されるように設定された変速線
図に切り換えられる。
【0055】また、前述の実施例では、原動機としてエ
ンジン10が用いられていたが、電動モータであっても
差し支えない。
【0056】その他一々例示はしないが、本発明は当業
者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実
施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例の車両の制御装置によって変
速制御される車両用自動変速機の構成を説明する骨子図
である。
【図2】図1の自動変速機における、複数の電磁弁或い
は油圧式摩擦係合装置の作動の組合わせとそれにより成
立するギヤ段との関係を示す図表である。
【図3】図1の車両に備えられる制御装置の電気的構成
を説明する図である。
【図4】図3の変速用電子制御装置の制御機能の要部を
説明する機能ブロック線図である。
【図5】図3の変速制御手段において用いられる変速線
図を示す図である。
【図6】図5の変速禁止期間終了時期判定手段において
用いられる旋回走行判定値VWI NDの変化を説明するタイ
ムチャートである。
【図7】図3の変速用電子制御装置の制御作動の要部を
説明するフローチャートである。
【図8】図7のワインディング走行推定ルーチンを詳し
く説明するフローチャートであである。
【図9】変速禁止フラグセットルーチンを説明するフロ
ーチャートである。
【図10】変速禁止ルーチンを説明するフローチャート
である。
【符号の説明】
14:自動変速機 104:高速側ギヤ段制限制御手段 106:旋回走行中判定手段 108:変速禁止期間終了時期決定手段 110:変速禁止手段
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平8−159278(JP,A) 特開 平1−279149(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) F16H 59/00 - 61/12 F16H 61/16 - 61/24 F16H 63/40 - 63/48

Claims (1)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 車両の旋回走行中および該旋回走行の終
    了後の所定期間経過までの変速禁止期間では、自動変速
    機の変速を禁止する形式の車両用自動変速機の変速制御
    装置であって、 前記旋回走行の累積期間に基づいて前記変速禁止期間の
    終了時期を決定する変速禁止期間終了時期決定手段と、 該変速禁止期間終了時期決定手段により決定された前記
    変速禁止期間の終了時期まで、前記自動変速機の変速を
    禁止する変速禁止手段とを、含むことを特徴とする車両
    用自動変速機の変速制御装置。
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