JPH10236076A - 複式のノック式ボールペン - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 （修正有） 【課題】 単純な構造で、大形且つ非変形の２種類のボ
ールペン筆記体を搭載しながらも、軸径を極力細く、軸
先を極力スマートに成すことを可能とした複式のノック
式ボールペンを安価に提供可能とする。 【解決手段】 インキ収容管内に低粘度インキが充填さ
れ、そのインキの後端に筆記に伴うインキの消耗に追随
して移動するグリース状のフォロアが充填されて成るも
のであって、且つ、インキ収容管は略非変形で軸筒内に
揺動なく嵌挿され、インキ収容管の前端と筆記先端部と
の間にフレキシブルに屈曲可能な長い前軸部３が設けら
れて、軸筒の先端口の後方に段部が設けられ、その段部
とインキ収容管の前端との間にそれぞれのボールペン筆
記体を後方に附勢するリターンスプリング３９ａ，３９
ｂが配設されて成る。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【産業上の利用分野】本発明は、剪断減粘性を有した水
性又は低粘度の油性インキ等の低粘度インキが充填され
た複式のノック式ボールペンに関する。

【０００２】

【従来の技術】ところで、剪断減粘性を有した水性、低
粘度の油性ボールペンはインキ充填量が多く、インキ収
容管が太くなるために通常の太さの複式筆記具に搭載し
た場合に筆記体間の自由度がなく突出する筆記体の先端
部が先軸の先端孔にスムーズに求心されず、作動が阻害
されて筆記先端部の出没が不可となる。従って、作動を
可能とするために先軸が極端に太くなって、携帯性、使
い勝手が悪くなる欠点がある。

【０００３】従来知られている油性ボールペンは、それ
に使用するインキが粘度が数千ｍＰａ・Ｓ以上の高粘度
の為に、ペン先からインキが流出する際にボールが回転
する時の抵抗が大きいため書き味が悪い欠点がある。
又、筆記の際に先端から流出するインキ量は少なく、ボ
テ現象があり、筆記描線のムラがあり筆跡濃度が薄いこ
と、高い筆記圧が必要なことなどの問題がある。この油
性ボールペンの改良として、最近、水性と前記油性との
中間粘度領域（数ｍＰａ・Ｓ〜数千ｍＰａ・Ｓ）のイン
キを用いる中粘度と呼ばれる水性インキ用ボールペンが
開発されている。このものは、先端ボールの回転によっ
て粘度が低下してインキがスムーズに流出する特性、所
謂剪断減粘性を有する相対的に低粘性の水性のインキを
用いたボールペンである。しかしながら、このものはイ
ンキが乾燥しやすい欠点があるために通常は筆記先端部
をシールするキャップが必要である。又、インキの流出
量が多くなり、筆記寿命を延ばすためにインキ収容管の
径を太くしてインキの充填量を多くする必要がある。

【０００４】又、上記油性ボールペンの改良として、耐
乾燥性に優れた低粘度の油性インキを用いたボールペン
が考えられるが、やはりインキの流出量が多くなり、筆
記寿命を延ばすためにインキ収容管の径を太くしてイン
キの充填量を多くする必要がある。又、インキの粘度が
低いために、チップ側を下向きにした場合に先端ボール
とチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる（直
流）が生じたり、筆記時にインキの流出量が多くなる欠
点がある。

【０００５】上記、中粘度の水性インキ、低粘度の油性
インキの何れも低粘度インキであることからインキが逆
流や直流しやすい現象がある。インキが逆流や直流を起
こすと衣類などを汚す危険がある。又、落下やノック衝
撃で筆記掠れが生じやすい欠点がある。又、中粘度の水
性ボールペンは、通常インキ収容管後端に、フォロアと
称されるグリース状の半透明不乾性物質が充填されるの
で、インキ蒸発防止の問題はペン先、即ちボールとホル
ダーの間隙からの蒸発低減化を考えればよい。例えば、
油性ボールペンのように蒸気圧がかなり低い溶剤を主と
して用いれば、インキの蒸発は考慮しないですむ。

【０００６】

【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、低粘
度のインキを使用した２種類のボールペン筆記体を搭載
して、軸先端口から夫々の筆記先端部を出没可能とする
複式のノック式ボールペンに於いて、前記ボールペン筆
記体のインキ収容部が大形で非変形のものであっても筆
記具の軸径が極端に太くならず且つ、筆記先端部がスム
ーズに出没可能とすること。又、単純な構造で安価に提
供可能な構造であること。又、インキの直流やノックや
落下衝撃、上向き筆記に対してのインキの直流や逆流を
防止して軸内や手、衣服等の汚損が防止可能であるこ
と。又、上向き筆記、衝撃が加わった時の先端ボール背
面の空気巻き込みに伴うインキ切れで起きる筆記掠れを
防止することと、先端ボールとチップ抱持部の内縁との
シール不完全に伴う乾燥で起きる筆記掠れが防止可能で
あること。又、筆記先端部を突出したまま胸ポケット等
に差しても筆記先端部が軸筒内に自動的に没入する安全
機構を備えて成ることである。

【０００７】

【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成する為に以下の構成を有する。請求項１に記載の発明
に係る複式のノック式ボールペンは、２種類のボールペ
ン筆記体を搭載して、軸筒に対し夫々のボールペン筆記
体を軸推移して軸先端口から夫々の筆記先端部を出没可
能とする複式のノック式ボールペンに於いて、前記ボー
ルペン筆記体は、先端ボールを抱持するチップと後方に
インキ収容管を有し、先端ボールがチップ先端のボール
抱持部の内縁に常時は押圧して密接し、筆記時には密接
状態が解除されるように設けられたスプリングを有する
ことから成り、前記インキ収容管内に低粘度インキが充
填され、そのインキの後端に筆記に伴うインキの消耗に
追随して移動するグリース状のフォロアが充填されて成
るものであって、且つ、インキ収容管は略非変形で軸筒
内に揺動なく嵌挿され、インキ収容管の前端と筆記先端
部との間にフレキシブルに屈曲可能な長い前軸部が設け
られて、軸筒の先端口の後方に段部が設けられ、その段
部とインキ収容管の前端との間にそれぞれのボールペン
筆記体を後方に附勢するリターンスプリングが配設され
て成る。

【０００８】請求項２に記載の発明に係る複式のノック
式ボールペンは、請求項１に記載の複式のノック式ボー
ルペンに於いて、軸筒の先端口の後方周壁に段部が設け
られ、ボールペン筆記体の前軸部の外周部にリターンス
プリングが嵌挿されて、その後端部がインキ収容部の前
端に当接状で係止され、リターンスプリングの前方には
直線状の係止部が形成されており、その先端が前記軸筒
の段部に係止されて成る。

【０００９】請求項３に記載の発明に係る複式のノック
式ボールペンは、請求項１に記載の複式のノック式ボー
ルペンに於いて、ボールペン筆記体は、チップ後端に対
峙してボール弁が遊嵌された弁室が設けられ、該弁室後
部にボール弁が密接してインキの逆流を防ぐボール受け
座及び該ボール受け座からインキ収容部内に通ずる導孔
が設けられて成る。

【００１０】

【実施例】先ず、図１乃至図６は本発明の実施例を示し
ている。図１に於いて、２本のボールペン筆記体１ａ、
１ｂが設けられている。本発明の意図する複式のノック
式ボールペンは、所謂剪断減粘性を有した中粘度の水
性、又は低粘度の油性インキ等の低粘度インキが充填さ
れたボールペン筆記体を搭載して成るものである。

【００１１】先ず、本発明の複式のノック式ボールペン
に搭載されるボールペン筆記体に付いて説明する。尚、
ボールペン筆記体１ａと１ｂは同じ構成であり、例え
ば、インキ色や描線巾などが異なるものである。又、ボ
ールペン筆記体に適用されるインキは所謂剪断減粘性を
有した中粘度水性、低粘度の油性インキ等の低粘度イン
キである。

【００１２】チップ１１は、インキ流入可能なチャンネ
ルを有した座に先端ボール１２が略当接した状態で先端
ボール１２が回転自在に抱持されるようカシメられてい
る。又、チップ１１の内孔部にスプリング１４が内挿さ
れ、スプリング１４の後端が抜出不能となるようにチッ
プの後端を適宜カシメている。又、先端ボール１２がチ
ップ抱持部の内面に密接することは筆記先端の乾燥、イ
ンキの直流防止に対し極めて重要であって、そのために
先端ボールを抱持するチップ内面の表面粗さ、カシメに
よる密接精度を改善する為に内面の研削仕上げ、カシメ
精度を上げる為の二次的な塑性加工が配慮される。又、
先端ボールとの密接面に表面処理などが配慮される。
又、スプリング１４の先方は直線状の棒軸部１５とな
り、その先端が先端ボール１２の背面に押圧状態で当接
する。尚、先端ボール１２はその押圧によってチップ１
１のボール抱持部（カシメなどで形成）の内縁に密接状
態となる。

【００１３】筒体２は先端にチップ１１を圧着する長い
前軸部３とインキ収容管４で形成され、前軸部３がやや
細径で、フレキシブルに屈曲可能と成る樹脂成形品で形
成されている。又、前軸部３の前端内孔にはチップ１１
の後端に対峙してボール弁１６が遊嵌される弁室７が設
けられており、チップ１１が下向きの時には導孔９が開
放されてインキ１７がチップ側に導通され、逆に上向き
の状態ではボール弁１６が導孔９を密閉してインキの逆
流を防止するよう構成されている。

【００１４】ところで、インキ収容管４の横断面は略Ｄ
形（図６）を成しており、２本の平坦部を対接した状態
で略円形となって後述する軸筒３０の内孔スペースに無
駄なく内装する。又、インキ収容管４内には上記中粘度
の水性又は低粘度の油性インキが充填され、更に、この
インキの後端にインキの消耗と共にインキ面に接触して
追随して移動可能なグリース状の半透明不乾性物から成
るフォロア１８が充填されている。又、フォロア１８内
にはフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア
棒１９が浸漬されている。

【００１５】又、上記インキ収容管４の後方外周部に軸
方向一体の係止突部５ａが形成され、更にその係止突部
５ａの反対側の外周部に後方に向かって片状に膨出した
係止片６ａとその後端に係止部３４ａが形成されてい
る。又、実施例は係止突部５ａと係止片６ａをインキ収
容管４に一体に設けているが別部材としてインキ収容管
に止着することも可能である。以上で、ボールペン筆記
体１ａは構成される。又、ボールペン筆記体１ｂも同様
に構成される。

【００１６】次に、軸筒３０の後方軸側面にクリップ３
３が形成され、そのクリップ３３が対面する軸側面には
後端から前方に向かってスリット３１が穿設されてい
る。又、軸筒３０の前記スリット３１の反対側の軸側面
にもう一つのスリット３２が穿設されている。又、クリ
ップ３３の先端部には玉部３５が形成され、玉部３５の
前方側には鉤状に係止段部３６と側壁３７が設けられて
いる。又、玉部３５の後端部３８は適宜傾斜面を有して
いる。又、クリップ３３はボールペン筆記体１ａ，１ｂ
の係止突部５ａ，５ｂと係止段部３５との係合を解除し
得る距離だけ横方向に弾性変位可能になされている。
又、軸筒３０の先端口３０ａ後方周壁に段部３０ｂが設
けられている。

【００１７】以上で、それぞれのボールペン筆記体の前
軸部３の外周部にリターンスプリング３９ａ，３９ｂが
嵌挿されその後端部がインキ収容管の前端２０ａ，２０
ｂに当接状で係止されて軸筒３０内にボールペン筆記体
１ａ，１ｂが嵌挿されると共に、上記スリット３１にボ
ールペン筆記体１ａ，１ｂの後方外周部に形成した係止
突起５ａ，５ｂが嵌挿される。又、スリット３２に係止
片６ａ，６ｂが嵌挿されその係止部３４ａ，３４ｂがス
リット３２の後端に当接状態となる。尚、リターンスプ
リング３９ａ，３９ｂの前方には直線状の係止部４０
ａ，４０ｂが形成されておりその先端が上記軸筒３０の
段部３０ｂに係止されて、ボールペン筆記体１ａ、１ｂ
はインキ収容管の前端２０ａ，２０ｂと段部３０ｂとの
間に設けられたリターンスプリング３９ａ，３９ｂによ
って常時後方に附勢されている。

【００１８】又、前軸部３に対しリターンスプリング３
９ａ，３９ｂが回らないようにリターンスプリング後端
部内周が前軸部の外周に食いつき状に寸法設定又は前軸
部外周に係止部等が設けられている。又、コイルスプリ
ングが変形せずその伸縮がスムーズとなるようにコイル
スプリングの内径は前軸部の外周に対し僅かに大きく設
けられている。又、ボールペン筆記体が出没する際、上
述したようにインキ収容部４は非変形であるが、前軸部
３が屈曲してスムーズに作動可能となる。

【００１９】尚、軸筒３０の先端口３０ａの適宜後方に
仕切り部材を設けて、該仕切り部材にボールペン筆記体
１ａ，１ｂの前軸部３が挿通する２箇所の孔を設けると
共にリターンスプリングの前方に直線状の係止部を設け
ずにコイル部の前端を仕切部材に当接して設けることも
可能である。

【００２０】

【作用】先ず、図３及び図４はボールペン筆記体１ａ，
１ｂの筆記先端部を軸筒３０内に収納した状態を示して
いる。この状態から一方の後端をノックした状態が図１
及び図２に示されている。図に示すようにボールペン筆
記体１ａの係止突部５ａがクリップの玉部３５の係止段
部３６に係止してボールペン筆記体１ａの筆記先端部が
軸筒３０の先端口３０ａから突出される。（この状態で
玉部３５の側面を押圧してクリップを横変形させると係
止状態が解除されて筆記先端部が軸筒内に収容される）
次に、他方のボールペン筆記体１ｂの後端をノックする
と、係止突部５ｂが玉部の後端部３８を適宜押し上げて
係止突部５ａと係止段部３６の係止を解除されると共に
ボールペン筆記体１ａが後退する。更に、ボールペン筆
記体１ｂを前進すると係止突部５ｂが係止段部３６に係
止してボールペン筆記体１ｂの筆記先端部が軸筒３０の
先端口３０ａから突出する。

【００２１】又、何れかのボールペン筆記体の筆記先端
部を突出したままの状態で胸ポケット等に差した場合、
服地でクリップ３３の玉部３５が押し上げられるので係
止が解除され筆記先端部が軸筒３０内に収納されて、イ
ンキで服を汚損する事故が回避される。尚、実施例では
上記係止解除の使い勝手を良くする為にクリップ先端部
を横変形して係止解除できるように設けているが、一方
のボールペン筆記体の筆記先端部が突出状態で他方のボ
ールペン筆記体の後端をノックすれば入れ違いに突出状
態のボールペン筆記体の筆記先端部が先端口内に収容さ
れるので必ずしもクリップが横変形可能とする必然性は
ない。又、側壁３７は両側に設けられてもよい。

【００２２】ところで、ボールペン筆記体１ａ（１ｂも
同じ）は、チップ１１を上向きにした状態に於いて、そ
のボール弁１６が弁室７のボール受け座８に位置して導
孔９を密閉するので、上向き筆記されてチップの先端ボ
ール１２背面のインキがなくなっても、インキにヘッド
が掛かり逆流することがない。従って、チップ１１を下
向きにした時にはインキがすぐに流出可能となり、筆記
で掠れが防止される。（因みにボール弁を有しない構造
では、上向き筆記でインキが逆流方向に作用するのでチ
ップ内に空気を巻き込み、下向き筆記で即インキが追随
せず掠れが生じる）

【００２３】チップ１１を下向きにした筆記状態に於い
ては、ボール弁１６がチップ１１後端の一方に偏った状
態に当接し、他方にはチップ１１内にインキが流入可能
な流路が構成され、インキ収容管４から導孔９を経て弁
室７に入ったインキ１７は先端ボール１２の背面まで誘
導される。この状態で、棒軸部１５の押圧で先端ボール
１２がチップ抱持部の内縁に密接されるのでインキの直
流が防止される。又、筆圧により先端ボール１２が微小
に後退するので隙間を生じてインキが流出可能となり、
筆記により先端ボール１２の回転でインキがスムーズに
流出され、ボテが無く、筆跡濃度の高い筆記が可能とな
る。

【００２４】先端ボール１２の背面にはチャンネル（チ
ップ内孔に向かって貫通したインキ流入溝を複数箇所に
有した先端ボールの受け座）がありチャンネルの中心孔
には棒軸部１５が貫通する。チップ内のインキはインキ
流入溝および中心孔と棒軸部１５との間の隙間を通じて
先端ボール１２背面に誘導される。

【００２５】

【発明の効果】本発明の構成及び作用は以上の通りであ
り単純な構造で非変形の２種類のボールペン筆記体を搭
載した便利な複式のノック式ボールペンが安価に提供可
能となる。又、軸径を極力細く、軸先を極力スマートに
設計することが可能となる。又、所謂剪断減粘性を有し
た水性、低粘度の油性インキ等の低粘度インキを使用し
たボールペン筆記体を搭載して、ボテの無い、描線の濃
い、筆記時以外は先端ボールがチップ抱持部の内縁に密
接するので、経時下の乾燥による筆記掠れの筆記掠れの
無く、キャップを不要として筆記先端部を出没可能と
し、且つ、インキの直流や上向き筆記、ノック及び落下
衝撃に対するインキの逆流で軸筒内や手や衣服等を汚す
事故が防止される。又、その他効果として、筆記先端部
を突出したままクリップを胸ポケット等に差せば自動的
に筆記先端部が軸筒内に没入するので服を汚す危険性が
ない。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例である複式のノック式ボールペ
ンの要部断面の全体正面図で、一方のボールペン筆記体
の筆記先端部を軸筒の先端口から突出した状態を示して
いる。

【図２】図１に対応する、一部非断面の縦断面図であ
る。

【図３】実施例である複式のノック式ボールペンの一部
非断面の縦断面図で、ボールペン筆記体の筆記先端部を
収納した状態を示している。

【図４】図３に対応する、一部非断面の正面側の要部縦
断面図である。

【図５】本発明の複式のノック式ボールペンに搭載され
るボールペン筆記体の全体を示す縦断面図である。

【図６】図５に於けるＡ−Ａ断面図である。

【符号の説明】

１ａ ボールペン筆記体 １ｂ ボールペン筆記体 ２ 筒体 ３ 前軸部 ４ インキ収容管 ５ａ 係止突部 ５ｂ 係止突部 ６ａ 係止片 ６ｂ 係止片 ７ 弁室 ８ ボール受け座 ９ 導孔 １０ 内孔部 １１ チップ １２ 先端ボール １３ 軸部 １４ スプリング １５ 棒軸部 １６ ボール弁 １７ インキ １８ フォロア １９ フォロア棒 ２０ａ 前端 ２０ｂ 前端 ２１ａ 尾栓 ２１ｂ 尾栓 ２２ 通気溝 ３０ 軸筒 ３０ａ 先端口 ３０ｂ 段部 ３１ スリット ３２ スリット ３３ クリップ ３４ａ 係止部 ３４ｂ 係止部 ３５ 玉部 ３６ 係止段部 ３７ 側壁 ３８ 後端部 ３９ａ リターンスプリング ３９ｂ リターンスプリング ４０ａ 係止部 ４０ｂ 係止部

Claims (3)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 ２種類のボールペン筆記体を搭載して、
   軸筒に対し夫々のボールペン筆記体を軸推移して軸先端
   口から夫々の筆記先端部を出没可能とする複式のノック
   式ボールペンに於いて、前記ボールペン筆記体は、先端
   ボールを抱持するチップと後方にインキ収容管を有し、
   先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に常時は
   押圧して密接し、筆記時には密接状態が解除されるよう
   に設けられたスプリングを有することから成り、前記イ
   ンキ収容管内に低粘度インキが充填され、そのインキの
   後端に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するグリ
   ース状のフォロアが充填されて成るものであって、且
   つ、インキ収容管は略非変形で軸筒内に揺動なく嵌挿さ
   れ、インキ収容管の前端と筆記先端部との間にフレキシ
   ブルに屈曲可能な長い前軸部が設けられて、軸筒の先端
   口の後方に段部が設けられ、その段部とインキ収容管の
   前端との間にそれぞれのボールペン筆記体を後方に附勢
   するリターンスプリングが配設されたことを特徴とする
   複式のノック式ボールペン。
2. 【請求項２】 軸筒の先端口の後方周壁に段部が設けら
   れ、ボールペン筆記体の前軸部の外周部にリターンスプ
   リングが嵌挿されて、その後端部がインキ収容部の前端
   に当接状で係止され、リターンスプリングの前方には直
   線状の係止部が形成されており、その先端が前記軸筒の
   段部に係止されて成る請求項１に記載の複式のノック式
   ボールペン。
3. 【請求項３】 ボールペン筆記体は、チップ後端に対峙
   してボール弁が遊嵌された弁室が設けられ、該弁室後部
   にボール弁が密接してインキの逆流を防ぐボール受け座
   及び該ボール受け座からインキ収容部内に通ずる導孔が
   設けられて成る請求項１に記載の複式のノック式ボール
   ペン。