JPH10264584A - ノック式筆記具 - Google Patents

ノック式筆記具

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JPH10264584A
JPH10264584A JP9088681A JP8868197A JPH10264584A JP H10264584 A JPH10264584 A JP H10264584A JP 9088681 A JP9088681 A JP 9088681A JP 8868197 A JP8868197 A JP 8868197A JP H10264584 A JPH10264584 A JP H10264584A
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博明 小山
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和彦 古川
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小林  清一
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 低粘度インキが充填されてインキの逆流、直
流現象が生じず筆記先端部の耐乾燥性が維持されて、シ
ールキャップ不要のノック式筆記具を提供可能とする。 【解決手段】 回転カム機構部はノック操作により前後
動するノック棒25と、ノック棒に設けたカム斜面と軸
筒の内面に設けたカム斜面のそれぞれに迎合する軸方向
2箇所の突状部にカム斜面を形成し、更にその前方に突
状の係止部を備えた回転子22とで構成されて、ノック
操作に伴うノック棒の前進で、カム斜面間の押圧作用で
回転子が回動して、クリップの玉部に形成された係止面
に前記回転子に設けた係止部が係合或いは離脱してボー
ルペンのリフィル1の筆記先端部が軸筒の先端口から出
没可能に係止されると共に、クリップの玉部が軸筒側面
から離反する方向に変位された時に係合が外れて筆記先
端部が先端口から没入可能となる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、低粘度のインキが充填
され、且つ、筆記先端部がシール不要なボールペンのリ
フィールを軸筒に搭載して、軸筒後端に突出したノック
部のノック操作で筆記先端部を軸筒先端口から出没可能
とするノック式筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】従来知られている油性ボールペンは、そ
れに使用するインキが粘度が数千mPa・S以上の高粘
度のために、ペン先からインキが流出する際にボールが
回転する時の抵抗が大きいため書き味が悪い欠点があ
る。又、筆記の際に先端から流出するインキ量は少な
く、ボテ現象があり、筆記描線のムラがあり筆跡濃度が
薄いこと、高い筆記圧が必要なことなどの問題がある。
この油性ボールペンの改良として、 最近、上記の水性
と油性との中間粘度領域(数mPa・S〜数千mPa・
S)のインキを用いる中粘度と呼ばれる水性インキ用ボ
ールペンが開発されている。このものは、先端ボールの
回転によって粘度が低下してインキがスムーズに流出す
る特性、所謂剪断減粘性を有する相対的に低粘性の水性
のインキを用いたボールペンである。しかしながら、こ
のものはインキが乾燥しやすい欠点があるために通常は
筆記先端部をシールするキャップが必要である。又、イ
ンキの流出量が多くなり、筆記寿命を延ばすためにイン
キ収容管の径を太くしてインキの充填量を多くする必要
がある。
【0003】又、上記油性ボールペンの改良として、耐
乾燥性に優れた低粘度の油性インキを用いたボールペン
が考えられるが、やはりインキの流出量が多くなり、筆
記寿命を延ばすためにインキ収容管の径を太くしてイン
キの充填量を多くする必要がある。又、インキの粘度が
低いために、チップ側を下向きにした場合に先端ボール
とチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる(直
流)が生じたり、筆記時にインキの流出量が多くなる欠
点がある。
【0004】上記、中粘度の水性インキ、低粘度の油性
インキ等の低粘度インキは何れも低粘性であることから
インキが逆流や直流しやすい現象がある。インキが逆流
や直流を起こすと衣類などを汚す危険がある。又、落下
やノック衝撃で筆記掠れが生じやすい欠点がある。又、
中粘度の水性ボールペンは、通常インキ収容管後端に、
フォロアと称されるグリース状の半透明不乾性物質が充
填されるので、インキ蒸発防止の問題はペン先、即ちボ
ールとホルダーの間隙からの蒸発低減化を考えればよ
い。例えば、油性ボールペンのように蒸気圧がかなり低
い溶剤を主として用いれば、インキの蒸発は考慮しない
ですむ。
【0005】従来のノック式ボールペンでは、筆記体を
軸先端より突出させて筆記を行う構造であるため、ポケ
ットに収納するときに、筆記体を収納し忘れてしまうと
筆記部が軸外へ突出したままとなり、衣服をインキで汚
すことがあった。この問題を解決するためにクリップの
係止部と軸もしくは軸内部に設けられた係止部で係止さ
せることでポケットに筆記具を差すときには必ず筆記体
が収納される考案が提案されてきた。これらの機構とし
ては軸後端のノック棒を押圧して筆記体の筆記部を軸先
端から突出させた後筆記体を収納する場合にはクリップ
の後端側を押すことで係止を解除して筆記体を収納する
ものが一般的に採用されているが、この場合には筆記体
を突出させる場合と収納させる場合とでは操作部が異な
るので操作性が良くないこと、また直液式の筆記体を搭
載した場合には、解除時の筆記体にかかる衝撃によっ
て、筆記体内部のインキがずれたり、漏れ出したり、筆
記体先端より空気を巻き込んで筆記カスレを生じさせた
りする可能性を含んでいるため、筆記体にかかる衝撃を
緩衝する機構が必要であるなどの欠点があった。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、低粘
度インキが充填されてインキの逆流、直流現象が生じ
ず、筆記先端部の耐乾燥性が維持されてキャップを外し
て放置することができ、又、落下衝撃、上向き筆記によ
るインキの逆流やインキの直流を防止する機構を備え
て、ノック式筆記具に搭載可能とするボールペンのリフ
ィールを提供可能とする。又、筆記先端部の突出動作、
収納動作が確実で操作性の良い機構を実現し、ポケット
への収納時に衣服を汚す事故を未然に防ぐと共に、部品
点数を少なくしてコストの問題と組立性の問題を解決
し、さらには、筆記体にかかるノック衝撃を少なくした
いという要望に応えるものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、上記課題を達
成する為に以下の構成を有する。即ち、請求項1に記載
の発明に係るノック式筆記具は、先端ボールがチップ先
端のボール抱持部の内縁に常時は押圧されて密接し、筆
記時に密接状態が解除されるように設けられたチップ
と、そのチップを先端に止着した継ぎ手部後方のインキ
収容部に低粘度のインキが充填され、そのインキの後端
に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するフォロア
が設けられて成るボールペンのリフィールと、軸筒の後
方にノック操作により軸筒に対し前後退位置に係止され
る回転カム機構部が配設され、その回転カム機構部の前
方にリターンスプリングにより後方に附勢された前記ボ
ールペンのリフィールが設けられて成るノック式筆記具
に於いて、軸筒後方の一側面にクリップが設けられ、そ
の先端の玉部に係止面が形成されて、又、玉部が適宜嵌
入する窓部が軸筒側面に穿設されてなり、一方、回転カ
ム機構部はノック操作により前後動するノック棒と、ノ
ック棒に設けたカム斜面と軸筒の内面に設けたカム斜面
のそれぞれに迎合する軸方向2箇所の突状部にカム斜面
を形成し、更にその前方に突状の係止部を備えた回転子
とで構成されて、ノック操作に伴うノック棒の前進で、
前記カム斜面間の押圧作用で回転子が回動して、前記ク
リップの玉部に形成された係止面に前記回転子に設けた
係止部が係合或いは離脱してボールペンのリフィルの筆
記先端部が軸筒の先端口から出没可能に係止されると共
に、前記係合状態でクリップの玉部が軸筒側面から離反
する方向に変位された時に係合が外れて筆記先端部が先
端口から没入可能となるように構成されてなる。
【0008】請求項2に記載の発明に係るノック式筆記
具は、請求項1に記載のノック式筆記具に於いて、その
ボールペンのリフィールのチップで先端ボールの背面
に、筆圧が係った時に当接するボール受け座と先端ボー
ルがボール抱持部の内縁に密接するように先端ボールの
背面を押圧するバネ座が所要箇所に配設され、その配設
されたボール受け座とバネ座との間にチップ後端から先
端ボールにインキを供給可能とするインキ流入溝が形成
されてなる。
【0009】請求項3に記載の発明に係るノック式筆記
具は、請求項2に記載のノック式筆記具に於いて、その
ボールペンのリフィールのチップとインキ収容部を接続
する継ぎ手部位の軸心に、チップの後端に連通して後方
に弁室が設けられ、弁室の後部にテーパー状又は球面状
のボール弁受け座が設けられて弁室内にボール弁が遊嵌
され、チップ側が上向きの時にボール弁がボール弁受け
座に密接して導孔が密閉されインクの逆流が阻止される
と共に、チップ側が下向きの時に密閉状態が解除されて
チップ内にインキが流入するように構成されてなる。
【0010】
【実施例】先ず、図12乃至図14は本発明のノック式
筆記具に搭載されるボールペンのリフィールの実施形態
を示している。又、ボールペンのリフィール1に適用さ
れるインキは所謂剪断減粘性を有した中粘度の水性、低
粘度の油性インキ等の低粘度インキである。
【0011】図に示すようにチップ12は、インキ流入
可能なチャンネル部14を有した座に先端ボール13が
略当接した状態で、先端ボール13が回転自在に抱持さ
れるようカシメられている。(ボール抱持部12a) チャンネル部14に付いて詳説すると、チップ12で先
端ボール13の背面に、筆圧が係った時に当接するボー
ル受け座14aと先端ボール13がボール抱持部12a
の内縁に密接するように先端ボール13の背面を押圧す
るバネ座14bが放射状で交互に配設され、その配設さ
れたボール受け座14aとバネ座14bとの間にチップ
12後端から先端ボール13にインキを供給可能とする
インキ流入溝14cが形成されている。又、先端ボール
の背面を押圧する方法として、チップの内孔にスプリン
グを内装してその先端で先端ボールを押圧するものが先
例として有るが、インキの顔料の粒径が粗大なもの、金
銀色等の金属フィラーを介在するインキではスプリング
によりインキ誘導を阻害する場合がある。本願の実施形
態によればそのような阻害部がないので先端ボールの背
面に問題なくインキが誘導可能となり、高品質化が期待
できるものである。
【0012】又、先端ボール13がボール抱持部12a
の内面に密接することは筆記先端の乾燥、インキの直流
防止に対し極めて重要である。当該実施例の形態は、チ
ップ12がバネ性、耐磨耗性やインキのシール性能に優
れた樹脂成型品を想定して示しているが、チップ12を
金属製とした場合には特に先端ボール13を抱持するチ
ップ内面の表面粗さ、カシメによる密接精度を改善する
為に内面の研削仕上げ、カシメ精度を上げる為の二次的
な塑性加工が配慮される。又、先端ボールとの密接面に
表面処理などが配慮される。
【0013】又、継ぎ手2は先端にチップ12の軸部1
2bを圧着する前軸部3とインキ収容管16の前端に圧
着される後軸部4が形成されている。又、前軸部3の内
孔部10の後方にはボール弁15が遊嵌している弁室7
があり、弁室7の後方にはテーパー状又は球面状のボー
ル弁受け座8と軸心に対し適宜偏心して設けられた導孔
9とが設けられ、後軸部4の内孔がインキ収容管16の
内孔に連通している。又、弁室7の内壁の一側には軸方
向にインキ17が流れるように溝部11を設けている。
この弁室7内に遊嵌しているボール弁15は、チップ1
2を下向きにした状態では、チップの軸部12bの後端
に偏った状態に接してインキ流路を形成し、インキ収容
管16のインキは導孔9を通り前記溝部、前記インキ流
路をなどを通じてチップ内孔部に流入する。逆に上向き
の状態ではボール弁15がボール弁受け座8に密接して
インキの逆流を防止する機能が得られる。
【0014】又、インキ収容管16内には上記ボールペ
ンのインキ17が充填され、更に、このインキ17の後
端にインキの消耗と共にインキ面に接触して追随して移
動可能なグリース状の半透明不乾性物から成るフォロア
18が充填される。又、落下やノック衝撃等による変形
を防止するために必要に応じてフォロア18内にフォロ
アと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒19が浸
漬される。尚、上記インキ収容管16はクリアドレン性
に優れた材質で選定する。一例として透明PP樹脂成形
品等が使用され、インキの残量を確認することができ
る。又、インキ収容管は継ぎ手2と一体に形成すること
も可能である。
【0015】図1から図11は本発明のノック式筆記具
の実施形態を示している。先ず、上記ボールペンのリフ
ィール1の筆記部先端には80℃から150℃で溶融す
るホットメルトタイプの先端シール材27を付着させ
て、インキの揮発を抑えると共に、筆記部先端を保護す
る。それによって、製造されてから筆記を開始するまで
のトラブルを回避することができる。
【0016】先ず、軸筒は先軸23、後軸20で構成さ
れている。このノック式筆記具では、ボールペンのリフ
ィール1がリターンスプリング26により後方へ附勢さ
れており、この力は回転子22、ノック棒25に伝えら
れ、最後はクリップ筒21の筒部21c内に設けられた
突起21jで受けている。又、クリップ筒21は、筒部
21cの側面に設けた係止片21eの後端に形成された
係止突起21fが後軸20に設けられた係止窓20bに
係止して後軸20に対し固定される。
【0017】図11は後軸20、クリップ筒21、回転
子22、ノック棒25の展開図の一部とその時の回転子
22の位置を示した正面図で、回転カム機構部の流れを
示しており、A,B,C,Dの順序で最後は再びAの状
態にもどり、この間に筆記部の出没動作が1回行われ
る。これに基づいて回転カム機構部を説明する。ノック
棒25とボールペンのリフィール1の間には回転子22
が設けられており、ノック棒25を押圧することによ
り、ノック棒25のカム斜面25aとこれに対応する回
転子22のカム斜面22cにより軸線方向に加えられた
力が周方向の回転力に変換される。このとき、ノック棒
25には回転止め25bが設けられており、クリップ筒
21にはこの回転止め25bに対応する溝21dが配設
されているため、ノック棒25は周方向に回転せず、回
転子22のみが周方向に所定角回転するように構成され
ている。
【0018】ノック動作の初期段階では回転子22のカ
ム側面22eと後軸20のカム側面20cで回転規制が
働き、回転子22は回転しないが、一定距離ノック動作
が行われるとこの回転規制がはずれて回転子22は所定
角度だけ回転する。この時、回転子22はボールペンの
リフィール1を通してリターンスプリング26により常
に後方へ附勢されておりノック棒25への押圧を止めた
ときには、回転子22のカム斜面22aとこれに対応す
る後軸20のカム斜面20aにより回転子22がさらに
所定角度だけ回転し、一定角度回転したところで回転子
22の突状の係止部22bがクリップ21aの玉部に形
成した係止面21bに係合されて、筆記先端部が先軸2
3より突出した状態となる。
【0019】ここで図11のBからCの状態になる時を
詳説すると、回転子22のカム斜面22aが後軸20の
カム斜面20aに沿って移動しながら後退すると同時
に、回転子22の係止部22bも同じ軌跡を描きながら
移動することになるが、この時、回転子22の係止部2
2bがクリップ玉部の係止面21bに係合するには、ク
リップ玉部の側壁面21gの下端面に干渉することなく
通過できなければならない。このためには回転子22の
カム斜面22aが移動する距離Rを大きく設定するか、
後軸20のカム斜面20aの傾斜角θをより鈍角にすれ
ばよいが、前者の方法ではノックストロークが大きくな
るので操作性が悪くなり、後者の方法では回転子22の
カム斜面22aが後軸20のカム斜面20a上で停止し
てしまう恐れがあるので動作の確実性に欠ける。この問
題を解決するためにはクリップ玉部の側壁面21gの下
端面を回転子22の係止部22bが干渉しないで通過で
きる高さに設定すればよい。但し、もう一方の側壁面2
1hの下端面を側壁面21gの下端面と同じ高さにして
しまうと係合の確実性がなくなってしまうので、側壁面
21hの下端面は回転子22の筒外径に干渉しない範囲
で大きくすることが望ましい。又、クリップ玉部の係止
面21bの端面は側壁面21gの下端面と側壁面21h
の下端面を滑らかにつなぐ斜面または曲面とすること
で、クリップを衣服に抜き差しする際、ひっかからずに
スムースに行うことができる。
【0020】筆記部が先軸23より突出された状態から
ノック棒25を押圧すると、ノック棒25前端のカム斜
面25aと回転子22のカム斜面22cの迎合作用によ
りクリップ玉部の係止面21bと回転子22の係止部2
2bとの係合が解除される。ここでノック棒25への押
圧をやめると回転子22のカム斜面22aが後軸20の
カム斜面20aに沿って回転しながら後退され、筆記先
端部が先軸23の先端口内に収納される。この時、回転
子22は初期状態と同様の位置にセットされている。つ
まり、再度ノック棒25を押圧すれば、突出動作が可能
な状態になっている。さらに、突出状態の解除は、ノッ
ク棒25を押圧しなくても、クリップ21aの玉部が上
方に持ち上げられることにより回転子22の係止部22
bとクリップ玉部の係止面21bとの係合がはずれ、ノ
ック棒25を押圧したときと同様に筆記先端部が先軸2
3の先端口内に収納される。このため、筆記先端部を突
出させたままポケットへ差そうとすると、筆記先端部が
自動的に収納されて衣服を汚すなどの事故を未然に防ぐ
ことが可能となる。これらの動作に必要なノック棒、回
転子、後軸内面に形成したカム斜面は適宜形状や角度や
カムの数を選択できる。
【0021】又、図15及び図16はチップの他の実施
形態を示している。図に示すようにチップ30は、イン
キ流入可能なチャンネル部材32を固定して、その座に
先端ボール31が略当接した状態で先端ボール31が回
転自在に抱持されるようカシメられている。(ボール抱
持部30a) チャンネル部材32に付いて詳説すると、チップ30で
先端ボール31の背面に位置して固定されたチャンネル
部材32には、筆圧が係った時に当接するボール受け座
32aと先端ボール31がボール抱持部30aの内縁に
密接するように先端ボール31の背面を押圧するバネ座
32bが放射状で交互に配設され、その配設されたボー
ル受け座32aとバネ座32bとの間にチップ30後端
から先端ボール31にインキを供給可能とするインキ流
入溝32cが形成されている。又、当該ボールペンのリ
フィールに使用されるチップ30は、金属製を想定して
おり、そのチャンネル部材32は樹脂製又は金属製で想
定している。
【0022】
【作用】先ず、ボールペンのリフィールの実施形態に付
いて説明する。ボールペンのリフィール1は、バネ座1
4bの押圧で先端ボール13がチップのボール抱持部1
2aの内縁に密接されるのでインキの直流が防止され
る。又、筆圧により先端ボール13が微小に後退するの
で隙間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先
端ボール13の回転でインキがスムーズに流出され、ボ
テが無く、筆跡濃度の高い筆記が可能となる。
【0023】チップ12を上向きにした状態に於いて、
そのボール弁15が弁室7のボール弁受け座8に位置し
て導孔8を密閉するので、上向き筆記されてチップの先
端ボール13背面のインキがなくなっても、インキにヘ
ッドが掛かり逆流することがない。従って、チップ12
を下向きにした時にはインキがすぐに流出可能となり、
筆記で掠れが防止される。(因みにボール弁を有しない
構造では、上向き筆記でインキが逆流方向に作用するの
でチップ内に空気を巻き込み、下向き筆記で即インキが
追随せず掠れが生じる)
【0024】チップ12を下向きにした筆記状態に於い
ては、ボール弁15がチップ12後端の一方に偏った状
態に当接し、他方にはチップ12内にインキが流入可能
な流路が構成され、インキ収容管16から導孔9を経て
弁室7に入ったインキ17は先端ボール13の背面まで
誘導される。ところで、バネ座14bの作用で通常はイ
ンキの直流と逆流は防止可能となるが、衝撃や上向き筆
記で空気が巻き込まれたり、先端ボールとボール抱持部
の密接不完全(加工ばらつきやゴミの巻き込み等が原
因)な場合に筆記掠れやインキの逆流を生じる問題があ
る。そこで導孔9を密閉するボール弁15を併用するこ
とで確実にその問題が解決可能となる。又、バネ座14
bの代わりに、既に知られたチップ内にスプリングを内
装してその先端で先端ボールの背面を押圧する手段を当
該ノック式筆記具のボールペンのリフィールに採用する
こともできる。
【0025】一方、後軸後方に突出するノック棒25を
押圧することによって、ボールペンのリフィールの筆記
先端部を先軸の先端口より突出させて筆記可能とするノ
ック式ボールペンに於いては、クリップ筒21に設けた
クリップ玉部の係止面21bと回転子22の係止部22
bとが係合することで筆記先端部の突出状態を保持でき
るため、クリップ21aの玉部を持ち上げるとこの係合
が解除されて筆記先端部が先軸23の先端口内に収納さ
れる。この為、筆記先端部が先軸の先端口より突出した
ままポケットに差してしまっても自動的に筆記先端部が
先軸の先端口内に収納されインキで服を汚してしまう事
故を未然に防ぐことができる。ノック棒を押圧をするこ
とのみの操作で筆記部の突出と収納が可能な上、筆記部
を収納する際の衝撃はノック棒に接触している指により
かなり緩められるため従来は不可能であった低粘度イン
キを充填したボールペンのリフィールの搭載が可能とな
った。又、回転子の係止部が後軸の外側に突出しておら
ず、クリップ玉部にも突出した角部分がないためポケッ
トなどへの抜き差しをスムーズに行うことができ、又、
ノックストロークを短くできる上に動作の確実性を向上
し、更にその操作性を向上することが可能となる。
【0026】
【発明の効果】本発明のノック式筆記具の構成及び作用
は以上の如くであり、低粘度インキが充填されてインキ
の逆流、直流現象が生じず、ペン先の耐乾燥性が維持さ
れてシールキャップ不要のボールペンのリフィールが提
供可能となり、そのボールペンのリフィールを搭載し
て、服を汚すなどの事故を未然に防ぐ効果のある安全性
の高いノック式筆記具の機能が得られる。又、ノック操
作のみで筆記先端部の出没が行えるので、使い勝手がよ
く、構造が簡単なので組立が容易で安価に提供可能とな
る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のノック式筆記具の実施形態である全体
の構造を示す縦断面図である。
【図2】ノック式筆記具の正面図である。(軸筒が透明
で内部が可視可能)
【図3】実施形態であるノック式筆記具の後方部を拡大
して示した縦断面図である。
【図4】実施形態であるノック式筆記具の先方部を拡大
して示した縦断面図である。
【図5】後軸の正面図である。(透明)
【図6】ノック棒の外観を示す正面図である。
【図7】図6の側面図である。
【図8】回転子の外観を示す正面図である。
【図9】クリップ筒の外観を示す正面図である。
【図10】図9の側面図である。
【図11】実施形態であるノック式筆記具の回転カム機
構部の動作及びクリップ玉部の係止面と回転子の係止部
との係合関係を説明した図である。
【図12】本発明のノック式筆記具に搭載されるボール
ペンリフィールの全体を示す縦断面図である。
【図13】チップ先端部を拡大した断面図である。
【図14】チップのチャンネル部のやや前方で断面した
図である。
【図15】他の実施形態であるチップ先端部を拡大した
断面図である。
【図16】他の実施形態であるチップのチャンネル部の
やや前方で断面した図である。
【符号の説明】
1 ボールペンのリフィール 2 継ぎ手 3 前軸部 4 後軸部 5 鍔部 6 通気溝 7 弁室 8 ボール弁受け座 9 導孔 10 内孔部 11 溝部 12 チップ 12a ボール抱持部 12b 軸部 13 先端ボール 14 チャンネル部 14a ボール受け座 14b バネ座 14c インキ流入溝 15 ボール弁 16 インキ収容管 17 インキ 18 フォロア 19 フォロア棒 20 後軸 20a カム斜面 20b 係止窓 20c カム側面 20d 窓部 21 クリップ筒 21a クリップ 21b 係止面 21c 筒部 21d 溝 21e 係止片 21f 係止突起 21g 側壁面 21h 側壁面 21i リブ 21j 突起 22 回転子 22a カム斜面 22b 係止部 22c カム斜面 22d 突起 22e カム側面 23 先軸 24 ラバーグリップ 25 ノック棒 25a カム斜面 25b 回転止め 25c 突起 26 リターンスプリング 27 先端シール材 30 チップ 30a ボール抱持部 31 先端ボール 32 チャンネル部材 32a ボール受け座 32b バネ座 32c インキ流入溝

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 先端ボールがチップ先端のボール抱持部
    の内縁に常時は押圧されて密接し、筆記時に密接状態が
    解除されるように設けられたチップと、そのチップを先
    端に止着した継ぎ手部後方のインキ収容部に低粘度のイ
    ンキが充填され、そのインキの後端に筆記に伴うインキ
    の消耗に追随して移動するフォロアが設けられて成るボ
    ールペンのリフィールと、軸筒の後方にノック操作によ
    り軸筒に対し前後退位置に係止される回転カム機構部が
    配設され、その回転カム機構部の前方にリターンスプリ
    ングにより後方に附勢された前記ボールペンのリフィー
    ルが設けられて成るノック式筆記具に於いて、 軸筒後方の一側面にクリップが設けられ、その先端の玉
    部に係止面が形成されて、又、玉部が適宜嵌入する窓部
    が軸筒側面に穿設されてなり、一方、回転カム機構部は
    ノック操作により前後動するノック棒と、ノック棒に設
    けたカム斜面と軸筒の内面に設けたカム斜面のそれぞれ
    に迎合する軸方向2箇所の突状部にカム斜面を形成し、
    更にその前方に突状の係止部を備えた回転子とで構成さ
    れて、ノック操作に伴うノック棒の前進で、前記カム斜
    面間の押圧作用で回転子が回動して、前記クリップの玉
    部に形成された係止面に前記回転子に設けた係止部が係
    合或いは離脱してボールペンのリフィルの筆記先端部が
    軸筒の先端口から出没可能に係止されると共に、前記係
    合状態でクリップの玉部が軸筒側面から離反する方向に
    変位された時に係合が外れて筆記先端部が先端口から没
    入可能となるように構成されたことを特徴とするノック
    式筆記具。
  2. 【請求項2】 ボールペンのリフィールに於いて、チッ
    プで先端ボールの背面に、筆圧が係った時に当接するボ
    ール受け座と先端ボールがボール抱持部の内縁に密接す
    るように先端ボールの背面を押圧するバネ座が所要箇所
    に配設され、その配設されたボール受け座とバネ座との
    間にチップ後端から先端ボールにインキを供給可能とす
    るインキ流入溝が形成されたことを特徴とする請求項1
    に記載のノック式筆記具。
  3. 【請求項3】 ボールペンのリフィールに於いて、チッ
    プとインキ収容部を接続する継ぎ手部位の軸心に、チッ
    プの後端に連通して後方に弁室が設けられ、弁室の後部
    にテーパー状又は球面状のボール弁受け座が設けられて
    弁室内にボール弁が遊嵌され、チップ側が上向きの時に
    ボール弁がボール弁受け座に密接して導孔が密閉されイ
    ンクの逆流が阻止されると共に、チップ側が下向きの時
    に密閉状態が解除されてチップ内にインキが流入するよ
    うに構成されたことを特徴とする請求項2に記載のノッ
    ク式筆記具。
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EP1092564A1 (en) 1999-10-14 2001-04-18 Zebra Co., Ltd. Knock-type writing instrument
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