JP3765532B2 - 複式筆記具 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、シャープペンシル筆記体、通常の油性ボールペン筆記体、或いは剪断減粘性の水性、低粘度の油性ボールペンインキが充填されてなるボールペン筆記体等を任意に組み合わせて搭載して成る複式筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、シャープペンシル及びボールペン等の複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的にその筆記先端部を出没可能とした複式筆記具が知られている。
又、複式筆記具の筆記先端部の出没機構としては、
ノック式のもの、筆記具の軸筒側面から貫出したスライダーを交互に摺動させるスライダー式のもの、傾斜面を備えたカム筒を回転させて行うカム式のもの等種々知られている。
又、同出願人による実開昭60ー120889号公報に見られるように、後軸後端から突出した天冠を回転させて消しゴムを出没させるようにした従来例の複式筆記具が存在する。
従来例は、多くの部位に金属部品が使用され、構造も複雑で、部品点数も多くなりコスト高となる問題点がある。又、先軸に対し後軸が長いのでデザイン上の融通性に難点があるのと、筆記体の出没操作で一方の手で軸先を、他方の手で軸後端を掴んで回転操作を行うため使い勝手が悪い欠点がある。又、天冠が短い為に消しゴム繰り出しがしずらい欠点がある。
【0003】
一方、中粘度の水性、低粘度の油性ボールペンはインキ収容管が太くなるために通常の太さの複式筆記具に搭載した場合、筆記体間の自由度がなく突出する筆記体の先端部が軸筒の先端孔にスムーズに求心されず、作動が阻害されて筆記先端部の出没が不可となる。従って、作動を可能とするために軸筒が極端に太くなって、携帯性、使い勝手が悪くなる欠点がある。
【0004】
水性ボールペンは、粘度が数mPa・S以下の低粘性であるため、軽い筆記圧で書けることが利点であり、書き味が良好である特徴がある。しかしながら、インキがペン先からだらだらと流れ出る直流現象や、反対にボールペンの先から空気が流入してインキが流出する逆流現象などが起こり易い欠点がある。これらの現象は中綿と称する繊維の収束体などを用いて防止する方法がとられている。
又、キャップオフの状態で放置すると、溶媒の蒸気圧が高く、溶媒がれのため、先端が乾燥してインキが流出しなくなり、書けなくなってしまうという問題がある。
【0005】
一方、従来知られている油性ボールペンは、それに使用するインキが粘度が数千mPa・S以上の高粘度の為に、ペン先からインキが流出する際にボールが回転する時の抵抗が大きいため書き味が悪い欠点がある。又、筆記の際に先端から流出するインキ量は少なく、ボテ現象があり、筆記描線のムラがあり筆跡濃度が薄いこと、高い筆記圧が必要なことなどの問題がある。
この油性ボールペンの改良として、 最近、上記の水性と油性との中間粘度領域(数mPa・S〜数千mPa・S)のインキを用いる中粘度と呼ばれる水性インキ用ボールペンが開発されている。このものは、先端ボールの回転によって粘度が低下してインキがスムーズに流出する特性、所謂剪断減粘性を有する相対的に低粘性の水性のインキを用いたボールペンである。しかしながら、このものはインキが乾燥しやすい欠点があるために通常は筆記先端部をシールするキャップが必要である。又、インキの流出量が多くなり、筆記寿命を延ばすためにインキ収容管の径を太くしてインキの充填量を多くする必要がある。
【0006】
又、上記油性ボールペンの改良として、耐乾燥性に優れた低粘度の油性インキを用いたボールペンが考えられるが、やはりインキの流出量が多くなり、筆記寿命を延ばすためにインキ収容管の径を太くしてインキの充填量を多くする必要がある。又、インキの粘度が低いために、チップ側を下向きにした場合に先端ボールとチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる(直流)が生じたり、筆記時にインキの流出量が多くなる欠点がある。
【0007】
上記、中粘度の水性インキ、低粘度の油性インキの何れも低粘性であることからインキが逆流や直流しやすい現象がある。インキが逆流や直流を起こすと衣類などを汚す危険がある。又、落下やノック衝撃で筆記掠れが生じやすい欠点がある。
又、中粘度の水性ボールペンは、通常インキ収容管後端に、フォロアと称されるグリース状の半透明不乾性物質が充填されるので、インキ蒸発防止の問題はペン先、即ちボールとホルダーの間隙からの蒸発低減化を考えればよい。例えば、油性ボールペンのように蒸気圧がかなり低い溶剤を主として用いれば、インキの蒸発は考慮しないですむ。しかし、水性インキの場合は水が主溶剤なので、低蒸気圧溶剤を選択しただけでは、水の蒸発を防げない。
【0008】
又、インキ溶媒中のゴム成分の溶解度差を利用し、インキ収容管内でゲル状、筆記に伴う先端ボールの回転でゾル化、描線状態でゲル化し、紙にしみ込まないことから消しゴムで消せるインキが知られている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、即ち、複数の筆記体を軸筒内に搭載して、軸筒先端から夫々の筆記体の筆記先端部を選択的に出没可能とし、且つ、消しゴム繰り出し機構を備えた携帯性、使い勝手性に優れた複式筆記具を提供することにある。
又、インキの逆流、直流現象が生じず、ペン先の耐乾燥性が維持されてキャップを外して放置することができ、又、落下衝撃、上向き筆記によるインキの逆流やインキの直流を防止する機構を有する中粘度の水性、低粘度の油性ボールペンの筆記体を構成し、
当該ボールペン筆記体を少なくとも1本有した、複数の筆記体を軸筒内に搭載して、軸筒先端から夫々の筆記体の筆記先端部を選択的に出没可能とする。
又、消しゴムで消せるボールペン筆記体と消しゴム繰り出し機構を組合わせた便利な複式筆記具を提供可能とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、複数の筆記体を有する筆記具機構と消しゴム繰り出し機構とを備えた複式筆記具に於いて、前記筆記具機構は、先軸と後軸との間に設けられた中軸と、この中軸に一端が係止されて筆記体を夫々後方に付勢するリターンスプリングと、前記筆記体の後部に取り付けられてリターンスプリングによって夫々後方に付勢される摺動コマと、摺動コマの何れかの後端を押圧して筆記体を選択的に前進させるカム斜面を前面に有し、前記中軸と係合して回転可能とされる係合部を備えて成る円筒カムとを有し、中軸の内周部と夫々摺動コマの側面との間にリブと溝が形成され、そのリブと溝が夫々噛み合うことにより、夫々摺動コマが円滑に前後動可能となり、又、前記消しゴム繰り出し機構は、前記円筒カムの後部内周に螺旋溝が形成され、且つ、円筒カムの後部外周に後軸が被着されて、この円筒カムと後軸は回転止め嵌合されると共に中軸に対して後軸は回転可能となり、且つ、後軸の後端に位置する天冠部と、天冠部の前方軸方向にスリットが形成された内筒と、この内筒内に設けられて円筒カムの螺旋溝と係合する突起を備え、且つ、消しゴムを保持して内筒のスリットに沿って軸方向に摺動可能な消しゴムホルダーとから構成され、前記複数の筆記体の内、ボールペン筆記体は、チップと後方にインキ収容管を有し、スプリングの直立状の棒軸部の先端が先端ボールの後端に押圧状態で当接して、先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に常時押圧されて密接し、インキ収容管内には、筆記に伴う先端ボールの回転で粘性が低下して流出される、所謂剪断減粘性を有した水性インキ又は低粘度の油性インキ又はインキ溶媒中に架橋物質を加えて、筆記に伴う先端ボールの回転でゾル化、描線状態でゲル化し、紙にしみ込まないことから消しゴムで消せるインキが充填され、更にインキの後端に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するグリース状の半透明不乾性物から成るフォロアが充填されて成ることを特徴とする。
【0011】
【実施例】
先ず、図1乃至図5は本発明の一実施例を示している。図1に於いて、2本のボールペン筆記体1a,1bが設けられている。尚、後述するが本図に示す実施例の形態は消しゴムで消せるボールペンインキが充填されたボールペン筆記体が搭載されたものを示している。実施例の複式筆記具は前部に筆記具機能を備え、後部に消しゴム繰り出し機構を備えている。
本発明の意図する複式筆記具は、所謂剪断減粘性を有した水性、又は低粘度の油性ボールペンインキが充填されたボールペン筆記体、消しゴムで消せるボールペンインキが充填されたボールペン筆記体、シャープペンシル筆記体、通常の油性ボールペン筆記体が必要に応じて組み合わせて用いられるものである。
【0012】
図1の複式筆記具は、前部に位置した筆記具機構の部分を収納する先軸52及び中軸30と後部に位置した消しゴム繰り出し機構を収納した後軸50とからなる。又、先軸3の後部内周には雌螺子53が形成されている。また後軸50は消しゴムが繰り出される開口が後端に設けられている。
又、中軸30先部の小径部には雄螺子32が形成され、前記先軸52の雌螺子53と螺合されて、必要に応じて取り外されて筆記体の交換、シャープペンシル筆記体が搭載された場合には芯の補充を行う。又、中軸30の後端に後述する円筒カムの外周に設けたリブを当接させて回転位置規制をする周上切欠状のストッパー、又、円筒カムのノック作動を可能とするためにリブが嵌入する切欠が形成されている。(図示せず)
又、上記中軸30の後部側面に窓部33が穿設されると共に中軸30の内周部に90度間隔に於いて軸方向に形成された4本のガイド用のリブ31が形成されている。
【0013】
又、中軸30の前部には上記ボールペン筆記体1a,1bを後方に付勢するリターンスプリング55a,55bの前端が係止されている。そして、摺動コマ39a,39bに前方に向かって受け軸41a,41bがリターンスプリング55a,55bの内孔を貫通して固着され、該受け軸41a,41bの前端にボールペン筆記体1a,1bの後部が取り付けられ、リターンスプリング55a,55bの後端が摺動コマ39a,39bの前方に係止されて夫々後方に付勢される。
又、前記摺動コマ39a,39bは後述する円筒カムの回転に伴うカム斜面35の押圧で前進するカム面とその後端に突起40a,40bを有している。
【0014】
又、上記摺動コマ39a,39bの側面に設けた溝51が上記中軸30の内部に設けたガイド用のリブ31と夫々噛み合うことにより、摺動コマ39a,39bを円滑に前後動させる。また摺動コマ39a,39bの横断面形状は略D形を成している。従って、従来例でよく示される、相対向する2つのガイド溝を有したガイド筒を取付ける複雑な構成を必要としない利点がある。
【0015】
次に、円筒カム34は、上記中軸30と係合して回転可能とされるリング状の係合突起37をその外周に備えている。中軸30は後部に対向する一対の厚肉部33aを有して窓部33が穿設されているので、中軸30内に円筒カム34の先部を圧入するとリング状の係合突起37が挿入に際して厚肉部33aを押し開き窓部33内に嵌入して円筒カム34は回転可能に抜け止めされる。又、円筒カム34が適宜前進(シャープペンシルのノック作動など)させる必要がある場合には前記係合突起37に対し作動を妨げない長さに窓部33が穿設される。
【0016】
又、円筒カム34の後部内周に螺旋溝38が形成されている。又、円筒カム34の後方外周には、後軸50の内周との間に溝及びリブを形成して相互を回り止めするよう成されている。(図示せず)
又、円筒カム34内に設けられた段部42に係止することによって後述する内筒43が回転するが軸方向に抜けないように構成されている。
【0017】
又、内筒43は、円筒カム34と回転可能に嵌合され、後端に天冠部44を有し、天冠部44の一側面にはクリップ44aが形成され、且つ、天冠部前方の軸側面には軸方向に対向して長いスリット45が形成されている。又、内筒43の先端部に、上記円筒カム34の内方に張出した段部42と係合する抜け止め用の係止突起46が設けられている。又、内筒43が組立てられた時、前記天冠部44が後軸50の後端から露出して、消しゴムを繰り出す際に回転操作部となる。
又、消しゴムホルダー47は内筒43内に設けられて、上記円筒カム34の螺旋溝38と係合する突起49を備え、且つ、消しゴム56を保持して内筒43のスリット45に沿って軸方向に摺動可能となる弾性片48を備えている。
【0018】
尚、上記実施例に於いては、2本の筆記体の場合を説明したが3本も可能である。
【0019】
次に、本発明の複式筆記具に搭載されるボールペン筆記体1aに付いて説明する。尚、ボールペン筆記体1aと1bは同じ構成であり、例えば、インキ色などが異なるものである。
又、ボールペン筆記体に適用されるインキは所謂剪断減粘性を有した水性、低粘度の油性インキ又はインキ溶媒中に架橋物質を加えて、筆記に伴う先端ボールの回転でゾル化、描線状態でゲル化し、紙にしみ込まないことから消しゴムで消せるインキである。
【0020】
図4に示すようにチップ11は、インキ流入可能なチャンネルを有した座に先端ボール12が略当接した状態で、先端ボール12が回転自在に抱持されるようカシメられている。又、チップ11の内孔部にスプリング14が内挿され、スプリング14の後端が抜出不能となるようにチップの軸部13の後端を適宜カシメている。又、先端ボール12がチップ抱持部の内面に密接することは筆記先端の乾燥、インキの直流防止に対し極めて重要であって、そのために先端ボールを抱持するチップ内面の表面粗さ、カシメによる密接精度を改善する為に内面の研削仕上げ、カシメ精度を上げる為の二次的な塑性加工が配慮される。又、先端ボールとの密接面に表面処理などが配慮される。
【0021】
又、スプリング14の先方は直立状の棒軸部15となり、当該棒軸部15の先端が先端ボール12の後端に押圧状態で当接する。尚、先端ボール12はその押圧によってチップ11のボール抱持部(カシメなどで形成)の内縁に密接状態となる。
【0022】
又、継ぎ手2は先端にチップ11の軸部13を圧着する前軸部3とインキ収容管17の前端に圧着される後軸部5が形成され、前記前軸部3と後軸部5との間がフレキシブルな、例えば蛇腹4などで一体に接続された樹脂成形品で形成される。又、前軸部3の内孔部後方にはボール弁16が遊嵌している弁室7があり、弁室7の後方にはテーパー状又は球面状のボール受け座8と軸心に適宜偏心して設けられた導孔9とが設けられ、前記蛇腹4、後軸部5の内孔がインキ収容管17の内孔に連通している。又、弁室7の内壁の一側には軸方向にインキが流れるように溝部を設けている。(図示せず)この弁室7内の遊嵌しているボール弁16は、チップ11を下向きにした状態では、チップの軸部13の後端に偏った状態に接してインキ流路を形成し、インキ収容管のインキは導孔9を通り前記溝部、前記インキ流路をなどを通じてチップ内孔部に流入する。逆に上向きの状態ではボール弁16がボール受け座8に当接してインキの逆流を防止する機能が得られる。
【0023】
又、インキ収容管17内には上記ボールペンのインキ18が充填され、更に、このインキ18の後端にインキの消耗と共にインキ面に接触して追随して移動可能なグリース状の半透明不乾性物から成るフォロア19が充填される。又、落下やノック衝撃等による変形を防止するために必要に応じてフォロア19内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒20が浸漬される。
尚、上記インキ収容管17は一例として透明PP樹脂成形品等が使用される。又、インキ収容管をクリアドレン性に優れた材質で選定する。又、インキ収容管17は継ぎ手2と一体に形成されてもよい。
【0024】
又、インキ収容管17のインキ収容部は比較的大きな断面積を有した非変形のものであって、実施例では中軸30内に無駄なく嵌挿する略D形の断面形状を有している。尚、上記チップ11とインキ収容部を接続する部位が軸長方向に対する横方向に容易に変移可能と成される。
又、チップ11後端を圧着する継ぎ手とインキ収容管との間にフレキシブルなチューブを接続して構成することも可能である。
【0025】
又、図5はシャープペンシル筆記体60と通常の油性インキであるボールペン筆記体61が搭載された複式筆記具を示している。基本的には図1に示したものと同じである。
【0026】
【作用】
中軸30に対して後軸50を回転すると円筒カムの回転に伴うカム斜面35によって何れかの筆記体を選択してその筆記先端部を先軸52の先端口から突出させることが可能となる。又、ボールペン筆記体のインキ収容部が非変形であっても筆記先方部位がフレキシブルに変移するので作動が阻害されず先軸52の先端口からスムーズに筆記先端部が出没する。又、選択された筆記体がシャープペンシル筆記体の場合には後軸50の後端をノックして芯を繰り出す。尚、消しゴムを使用する時には、後端の天冠部44及びクリップ44aに指を掛けて内筒43を回転させると消しゴムホルダー47が円筒カムの螺旋溝38と内筒43のスリット45に案内されて後退し、消しゴム56が後端より繰り出される。
即ち、天冠部44が短くともクリップ44aに指を掛けられるので楽に消しゴム56を出没させることが可能である。
又、消しゴムを使用する際に、消しゴムで強く擦っても後軸部とクリップを同時に指で挟持するので消しゴムが不用意に出没する問題はない。
【0027】
ボールペン筆記体1aは、チップ11を上向きにした状態に於いて、そのボール弁16が弁室7のボール受け座8に位置して導孔9を密閉するので、上向き筆記されてチップの先端ボール12直下のインキがなくなっても、インキにヘッドが掛かり逆流することがない。従って、チップ11を下向きにした時にはインキがすぐに流出可能となり、筆記で掠れが防止される。(因みにボール弁を有しない構造では、上向き筆記でインキが逆流方向に作用するのでチップ内に空気を巻き込み、下向き筆記で即インキが追随せず掠れが生じる)
【0028】
チップ11を下向きにした筆記状態に於いては、ボール弁16がチップ11後端の一方に偏った状態に当接し、他方にはチップ11内にインキが流入可能な流路が構成され、インキ収容管17から導孔9を経て弁室7に入ったインキ18は先端ボール12の後端まで誘導される。
この状態で、棒軸部15の押圧で先端ボール12がチップ抱持部の内縁に密接されるのでインキの直流が防止される。又、筆圧により先端ボール12が微小に後退するので隙間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先端ボール12の回転でインキがスムーズに流出され、ボテが無く、筆跡濃度の高い筆記が可能となる。
【0029】
先端ボール12の直下にはチャンネル(チップ内孔に向かって貫通したインキ流入溝を複数箇所に有した先端ボールの受け座)がありチャンネルの中心孔には棒軸部15が貫通する。チップ内のインキはインキ流入溝および中心孔と棒軸部15との間の隙間を通じて先端ボール12直下に誘導される。
【0030】
【発明の効果】
本発明の複式筆記具の構成及び作用は以上の如くであり、デザイン上の融通性を満足すると共に、消しゴム繰り出し機構を備えた便利な複式筆記具が携帯性、使い勝手性を満足した軸体の太さで提供可能となる。
又、所謂剪断減粘性を有した水性、低粘度の油性インキを使用したボールペン筆記体を搭載して、ボテの無い、描線の濃い、筆記掠れの無い、且つ、キャップを不要として筆記先端部を出没可能とし、且つ、インキの直流や上向き筆記、ノック及び落下衝撃に対するインキの逆流で軸筒内や手や衣服等を汚す事故が防止される。
又、消しゴムで消せるインキを使用したボールペン筆記体やシャープペンシル筆記体などを仕様に応じて組み合わせ提供することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である複式筆記具の全体を示す縦断面図で、一部非断面で示されている。又、2種のボールペン筆記体が搭載されている。
【図2】中軸に位置する摺動コマ部位を横断面した図である。
【図3】中軸に位置するボールペン筆記体のインキ収容部位を横断面した図である。
【図4】実施例であるボールペン筆記体の縦断面図である。
【図5】本発明の一実施例である複式筆記具の全体を示す縦断面図で、一部非断面で示されている。又、シャープペンシル及び通常の油性インキのボールペン筆記体が搭載されている。
【符号の説明】
1a ボールペン筆記体
1b ボールペン筆記体
2 継ぎ手
3 前軸部
4 蛇腹
5 後軸部
6 鍔部
7 弁室
8 ボール受け座
9 導孔
10 内孔部
11 チップ
12 先端ボール
13 軸部
14 スプリング
15 棒軸部
16 ボール弁
17 インキ収容管
18 インキ
19 フォロア
20 フォロア棒
30 中軸
31 ガイド用のリブ
32 雄螺子
33 窓部
33a 肉厚部
34 円筒カム
35 カム斜面
36 切欠
37 係合突起
38 螺旋溝
39a 摺動コマ
39b 摺動コマ
40a 突起
40b 突起
41a 受け軸
41b 受け軸
42 段部
43 内筒
44 天冠部
44a クリップ
45 スリット
46 係合突起
47 消しゴムホルダー
48 弾性片
49 突起
50 後軸
51 溝
52 先軸
53 雌螺子部
54 ラバーグリップ
55a リターンスプリング
55b リターンスプリング
56 消しゴム
60 シャープペンシル筆記体
61 ボールペン筆記体
62 芯パイプ
63a 摺動コマ
63b 摺動コマ

Claims (1)

  1. 複数の筆記体を有する筆記具機構と消しゴム繰り出し機構とを備えた複式筆記具に於いて、
    前記筆記具機構は、先軸と後軸との間に設けられた中軸と、この中軸に一端が係止されて筆記体を夫々後方に付勢するリターンスプリングと、前記筆記体の後部に取り付けられてリターンスプリングによって夫々後方に付勢される摺動コマと、摺動コマの何れかの後端を押圧して筆記体を選択的に前進させるカム斜面を前面に有し、前記中軸と係合して回転可能とされる係合部を備えて成る円筒カムとを有し、中軸の内周部と夫々摺動コマの側面との間にリブと溝が形成され、そのリブと溝が夫々噛み合うことにより、夫々摺動コマが円滑に前後動可能となり、又、前記消しゴム繰り出し機構は、前記円筒カムの後部内周に螺旋溝が形成され、且つ、円筒カムの後部外周に後軸が被着されて、この円筒カムと後軸は回転止め嵌合されると共に中軸に対して後軸は回転可能となり、且つ、後軸の後端に位置する天冠部と、天冠部の前方軸方向にスリットが形成された内筒と、この内筒内に設けられて円筒カムの螺旋溝と係合する突起を備え、且つ、消しゴムを保持して内筒のスリットに沿って軸方向に摺動可能な消しゴムホルダーとから構成され、
    前記複数の筆記体の内、ボールペン筆記体は、チップと後方にインキ収容管を有し、スプリングの直立状の棒軸部の先端が先端ボールの後端に押圧状態で当接して、先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に常時押圧されて密接し、インキ収容管内には、筆記に伴う先端ボールの回転で粘性が低下して流出される、所謂剪断減粘性を有した水性インキ又は低粘度の油性インキ又はインキ溶媒中に架橋物質を加えて、筆記に伴う先端ボールの回転でゾル化、描線状態でゲル化し、紙にしみ込まないことから消しゴムで消せるインキが充填され、更にインキの後端に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するグリース状の半透明不乾性物から成るフォロアが充填されて成ることを特徴とする複式筆記具。
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