JP3698789B2 - 複式筆記具 - Google Patents

複式筆記具 Download PDF

Info

Publication number
JP3698789B2
JP3698789B2 JP01704996A JP1704996A JP3698789B2 JP 3698789 B2 JP3698789 B2 JP 3698789B2 JP 01704996 A JP01704996 A JP 01704996A JP 1704996 A JP1704996 A JP 1704996A JP 3698789 B2 JP3698789 B2 JP 3698789B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
ink
tip
writing
ball
shaft
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Expired - Fee Related
Application number
JP01704996A
Other languages
English (en)
Other versions
JPH09188088A (ja
Inventor
小林  清一
広行 武藤
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Original Assignee
Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Pencil Co Ltd filed Critical Mitsubishi Pencil Co Ltd
Priority to JP01704996A priority Critical patent/JP3698789B2/ja
Publication of JPH09188088A publication Critical patent/JPH09188088A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP3698789B2 publication Critical patent/JP3698789B2/ja
Anticipated expiration legal-status Critical
Expired - Fee Related legal-status Critical Current

Links

Images

Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、剪断減粘性の水性、低粘度の油性ボールペンインキが充填されてなるボールペン筆記体を搭載して成る複式筆記具に関する。
【0002】
【従来の技術】
水性ボールペンは、粘度が数mPa・S以下の低粘性であるため、軽い筆記圧で書けることが利点であり、書き味が良好である特徴がある。しかしながら、インキがペン先からだらだらと流れ出る直流現象や、反対にボールペンの先から空気が流入してインキが流出する逆流現象などが起こり易い欠点がある。これらの現象は中綿と称する繊維の収束体などを用いて防止する方法がとられている。
又、キャップオフの状態で放置すると、溶媒の蒸気圧が高く、溶媒がれのため、先端が乾燥してインキが流出しなくなり、書けなくなってしまうという問題がある。
【0003】
一方、従来知られている油性ボールペンは、それに使用するインキが粘度が数千mPa・S以上の高粘度の為に、ペン先からインキが流出する際にボールが回転する時の抵抗が大きいため書き味が悪い欠点がある。又、筆記の際に先端から流出するインキ量は少なく、ボテ現象があり、筆記描線のムラがあり筆跡濃度が薄いこと、高い筆記圧が必要なことなどの問題がある。
この油性ボールペンの改良として、 最近、上記の水性と油性との中間粘度領域(数mPa・S〜数千mPa・S)のインキを用いる中粘度と呼ばれる水性インキ用ボールペンが開発されている。このものは、先端ボールの回転によって粘度が低下してインキがスムーズに流出する特性、所謂剪断減粘性を有する相対的に低粘性の水性のインキを用いたボールペンである。しかしながら、このものはインキが乾燥しやすい欠点があるために通常は筆記先端部をシールするキャップが必要である。又、インキの流出量が多くなり、筆記寿命を延ばすためにインキ収容管の径を太くしてインキの充填量を多くする必要がある。
【0004】
又、上記油性ボールペンの改良として、耐乾燥性に優れた低粘度の油性インキを用いたボールペンが考えられるが、やはりインキの流出量が多くなり、筆記寿命を延ばすためにインキ収容管の径を太くしてインキの充填量を多くする必要がある。又、インキの粘度が低いために、チップ側を下向きにした場合に先端ボールとチップ抱持部の隙間が生じるとインキが滲みでる(直流)が生じたり、筆記時にインキの流出量が多くなる欠点がある。
【0005】
上記、中粘度の水性インキ、低粘度の油性インキの何れも低粘性であることからインキが逆流や直流しやすい現象がある。インキが逆流や直流を起こすと衣類などを汚す危険がある。又、落下やノック衝撃で筆記掠れが生じやすい欠点がある。
又、中粘度の水性ボールペンは、通常インキ収容管後端に、フォロアと称されるグリース状の半透明不乾性物質が充填されるので、インキ蒸発防止の問題はペン先、即ちボールとホルダーの間隙からの蒸発低減化を考えればよい。例えば、油性ボールペンのように蒸気圧がかなり低い溶剤を主として用いれば、インキの蒸発は考慮しないですむ。しかし、水性インキの場合は水が主溶剤なので、低蒸気圧溶剤を選択しただけでは、水の蒸発を防げない。
【0006】
又、インキ溶媒中のゴム成分の溶解度差を利用し、インキ収容管内でゲル状、筆記に伴う先端ボールの回転でゾル化、描線状態でゲル化し、紙にしみ込まないことから消しゴムで消せるインキが知られている。
【0007】
又、シャープペンシル及びボールペン等の複数の筆記体を搭載して、軸先から選択的にその筆記先端部を出没可能とした複式筆記具が知られている。
又、複式筆記具の筆記先端部の出没機構としては、
ノック式のもの、筆記具の軸筒側面から貫出したスライダーを交互に摺動させるスライダー式のもの、傾斜面を備えたカム筒を回転させて行うカム式のもの等種々知られている。
【0008】
又、中粘度の水性、低粘度の油性ボールペンはインキ収容管が太くなるために通常の太さの複式筆記具に搭載した場合、筆記体間の自由度がなく突出する筆記体の先端部が軸筒の先端孔にスムーズに求心されず、作動が阻害されて筆記先端部の出没が不可となる。従って、作動を可能とするために軸筒が極端に太くなって、携帯性、使い勝手が悪くなる欠点がある。
又、各ボールペン筆記体のインキ残量が先軸を外さないと判らない不便さがある。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、上記従来技術の問題点を解決し、即ち、インキの逆流、直流現象が生じず、ペン先の耐乾燥性が維持されてキャップを外して放置することができ、又、落下衝撃、上向き筆記によるインキの逆流やインキの直流を防止する機構を有する中粘度の水性、低粘度の油性ボールペンの筆記体を構成し、
当該ボールペン筆記体を複数本軸筒内に搭載して、軸筒先端から夫々の筆記体の筆記先端部を選択的に出没可能とすると共に一々先軸を外さなくともインキ残量が把握できる、携帯性、使い勝手性に優れた複式筆記具を提供可能とすることにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、上記課題を達成する為に以下の構成を有する。
請求項1に記載の発明に係る複式筆記具は、筆記に伴う先端ボールの回転で粘性が低下して流出される、所謂剪断減粘性を有した水性ボールペンインキ又は低粘度の油性インキが充填され、更にインキの後端に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するグリース状の半透明不乾性物から成るフォロアが充填されて成る複数のボールペン筆記体を搭載して、先軸の先端から選択的に夫々の筆記体の先端部を出没可能とした複式筆記具に於いて、先軸及びインキ収容管は透明な樹脂成形品から成り、筆記時に把持される位置の先軸の外周部に軟質弾性材より成る不透明なグリップが被覆されて、更に先軸の先端から筆記体の先端部を突出させたボールペン筆記体のインキ収容部の先端部に位置して、リング状の突状窓部が前記不透明なグリップから露出して設けられ、該窓部から前記突出させたボールペン筆記体のインキ残量が透視可能となる。
【0011】
請求項2に記載の発明に係る複式筆記具は、筆記に伴う先端ボールの回転で粘性が低下して流出される、所謂剪断減粘性を有した水性ボールペンインキ又は低粘度の油性インキが充填され、更にインキの後端に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するグリース状の半透明不乾性物から成るフォロアが充填されて成る複数のボールペン筆記体を搭載して、先軸の先端から選択的に夫々の筆記体の先端部を出没可能とした複式筆記具に於いて、先軸及びインキ収容管は透明な樹脂成形品から成り、筆記時に把持される位置の先軸の外周部に軟質弾性材より成る不透明なグリップが被覆されて、更に先軸内に収納されたボールペン筆記体のインキ収容部の先端部に位置して、リング状の突状窓部が前記不透明なグリップから露出して設けられ、該窓部から前記収納されたボールペン筆記体のインキ残量が透視可能となる。
0012
請求項3に記載の発明に係る複式筆記具は、請求項1または2に記載の複式筆記具に於いて、先軸とグリップが一体成形で形成されてなる。
0013
請求項4に記載の発明に係る複式筆記具は、請求項1または2に記載の複式筆記具に於いて、ボールペン筆記体は、インキ収容管のインキ収容部が比較的大きな断面積を有した非変形のもので、軸筒内に各インキ収容部がいっぱいに嵌挿状態と成るものであって、継ぎ手の先端にボールペンのチップと継ぎ手の後端にインキ収容管が固定されると共に、チップとインキ収容部を接続する継ぎ手が軸長方向に対して横方向に容易に変位可能に設けられてなり、更に先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に常時には押圧して密接し、筆記時には密接状態が解除されるように設けられたスプリングを有することからなる。
0014
【実施例】
先ず、図1乃至図5は本発明の第1の実施例を示している。図1に於いて、2本のボールペン筆記体1a,1bが設けられている。尚、後述するが本図に示す実施例の形態は消しゴムで消せるボールペンインキが充填されたボールペン筆記体が搭載されたものを示している。実施例の複式筆記具は前部に筆記具機能を備え、後部に消しゴム繰り出し機構を備えている。
本発明の意図する複式筆記具は、所謂剪断減粘性を有した水性、又は低粘度の油性ボールペンインキが充填されたボールペン筆記体を複数本搭載したものである。又、消しゴム繰り出し機構は、組み合わせる筆記体の種類、必要度に応じて敷設されるものである。
0015
実施例の複式筆記具は、前部に位置した筆記具機構の部分を収納する先軸52及び中軸30と後部に位置した消しゴム繰り出し機構を収納した後軸50とからなる。又、先軸52の後部内周には雌螺子53が形成されている。また後軸50は消しゴムが繰り出される開口が後端に設けられている。
又、中軸30先部の小径部には雄螺子32が形成され、前記先軸52の雌螺子53と螺合されて、必要に応じて取り外されて筆記体の交換を行う。
又、中軸30の後端に後述する円筒カムの外周に設けたリブを当接させて回転位置規制をする周上切欠状のストッパー形成されている。(図示せず)
又、上記中軸30の後部側面に窓部33が穿設されると共に中軸30の内周部に90度間隔に於いて軸方向に形成された4本のガイド用のリブ31が形成されている。
0016
又、中軸30の前部には上記ボールペン筆記体1a,1bを後方に付勢するリターンスプリング55a,55bの前端が係止されている。そして、摺動コマ39a,39bに前方に向かって受け軸41a,41bがリターンスプリング55a,55bの内孔を貫通して固着され、該受け軸41a,41bの前端にボールペン筆記体1a,1bの後部が取り付けられ、リターンスプリング55a,55bの後端が摺動コマ39a,39bの前方に係止されて夫々後方に付勢される。 又、前記摺動コマ39a,39bは後述する円筒カムの回転に伴うカム斜面35の押圧で前進するカム面とその後端に突起40a,40bを有している。
0017
又、上記摺動コマ39a,39bの側面に設けた溝51が上記中軸30の内部に設けたガイド用のリブ31と夫々噛み合うことにより、摺動コマ39a,39bを円滑に前後動させる。また摺動コマ39a,39bの横断面形状は略D形を成している。従って、従来例でよく示される、相対向する2つのガイド溝を有したガイド筒を取付ける複雑な構成を必要としない利点がある。
【0018】
次に、円筒カム34は、上記中軸30と係合して回転可能とされるリング状の係合突起37をその外周に備えている。中軸30は後部に対向する一対の厚肉部33aを有して窓部33が穿設されているので、中軸30内に円筒カム34の先部を圧入するとリング状の係合突起37が挿入に際して厚肉部33aを押し開き窓部33内に嵌入して円筒カム34は回転可能に抜け止めされる。
【0019】
又、円筒カム34の後部内周に螺旋溝38が形成されている。又、円筒カム34の後方外周には、後軸50の内周との間に溝及びリブを形成して相互を回り止めするよう成されている。(図示せず)
又、円筒カム34内に設けられた段部42に係止することによって後述する内筒43が回転するが軸方向に抜けないように構成されている。
【0020】
又、内筒43は、円筒カム34と回転可能に嵌合され、且つ、側面には軸方向に対向して長いスリット45が形成されている。又、内筒43の先端部に、上記円筒カム34の内方に張出した段部42と係合する抜け止め用の係止突起46が設けられている。又、内筒43の後端には、組立てられた時、後軸50の後端から露出して、消しゴムを繰り出す際に回転操作部となる天冠44が形成されている。又、消しゴムホルダー47は内筒43内に設けられて、上記円筒カム34の螺旋溝38と係合する突起49を備え、且つ、消しゴム56を保持して内筒43のスリット45に沿って軸方向に摺動可能となる弾性片48を備えている。尚、上記実施例に於いては、2本の筆記体の場合を説明したが3本も可能である。
【0021】
次に、本発明の複式筆記具に搭載されるボールペン筆記体1aに付いて説明する。尚、ボールペン筆記体1aと1bは同じ構成であり、例えば、インキ色などが異なるものである。
又、ボールペン筆記体に適用されるインキは所謂剪断減粘性を有した水性、低粘度の油性インキである。又、インキ溶媒中に架橋物質を加えて、筆記に伴う先端ボールの回転でゾル化、描線状態でゲル化し、紙にしみ込まないことから消しゴムで消せるインキである。
【0022】
図4に示すようにチップ11は、インキ流入可能なチャンネルを有した座に先端ボール12が略当接した状態で、先端ボール12が回転自在に抱持されるようカシメられている。又、チップ11の内孔部にスプリング14が内挿され、スプリング14の後端が抜出不能となるようにチップの軸部13の後端を適宜カシメている。又、先端ボール12がチップ抱持部の内面に密接することは筆記先端の乾燥、インキの直流防止に対し極めて重要であって、そのために先端ボールを抱持するチップ内面の表面粗さ、カシメによる密接精度を改善する為に内面の研削仕上げ、カシメ精度を上げる為の二次的な塑性加工が配慮される。又、先端ボールとの密接面に表面処理などが配慮される。
【0023】
又、スプリング14の先方は直立状の棒軸部15となり、当該棒軸部15の先端が先端ボール12の後端に押圧状態で当接する。尚、先端ボール12はその押圧によってチップ11のボール抱持部(カシメなどで形成)の内縁に密接状態となる。
【0024】
又、継ぎ手2は先端にチップ11の軸部13を圧着する前軸部3とインキ収容管17の前端に圧着される後軸部5が形成され、前記前軸部3と後軸部5との間がフレキシブルな、例えば蛇腹4などで一体に接続された樹脂成形品で形成される。又、前軸部3の内孔部後方にはボール弁16が遊嵌している弁室7があり、弁室7の後方にはテーパー状又は球面状のボール受け座8と軸心に適宜偏心して設けられた導孔9とが設けられ、前記蛇腹4、後軸部5の内孔がインキ収容管17の内孔に連通している。又、弁室7の内壁の一側には軸方向にインキが流れるように溝部を設けている。(図示せず)この弁室7内の遊嵌しているボール弁16は、チップ11を下向きにした状態では、チップの軸部13の後端に偏った状態に接してインキ流路を形成し、インキ収容管のインキは導孔9を通り前記溝部、前記インキ流路をなどを通じてチップ内孔部に流入する。逆に上向きの状態ではボール弁16がボール受け座8に当接してインキの逆流を防止する機能が得られる。
【0025】
又、インキ収容管17内には上記ボールペンのインキ18が充填され、更に、このインキ18の後端にインキの消耗と共にインキ面に接触して追随して移動可能なグリース状の半透明不乾性物から成るフォロア19が充填される。又、落下やノック衝撃等による変形を防止するために必要に応じてフォロア19内にフォロアと略同等の比重を有する樹脂製のフォロア棒20が浸漬される。
尚、上記インキ収容管17は一例として透明PP樹脂成形品等が使用される。又、インキ収容管をクリアドレン性に優れた材質で選定する。又、インキ収容管17は継ぎ手2と一体に形成されてもよい。
【0026】
又、インキ収容管17のインキ収容部は比較的大きな断面積を有した非変形のものであって、実施例では中軸30内に無駄なく嵌挿する略D形の断面形状を有している。尚、上記チップ11とインキ収容部を接続する部位が軸長方向に対する横方向に容易に変移可能と成される。
又、チップ11後端を圧着する継ぎ手とインキ収容管との間にフレキシブルなチューブを接続して構成することも可能である。
【0027】
ところで、上述した先軸52は透明な樹脂成形品から成り、筆記時に把持される位置の外周部に軟質弾性材より成る不透明なグリップ54が被覆されて、更にボールペン筆記体1a,1bの各インキ収容部の位置するグリップ54の所要位置に先軸52の突状窓部52aが露出して設けられ、該突状窓部52aから各ボールペン筆記体1a,1bのインキ残量が透視可能と成されている。
【0028】
第1の実施例は、図5に示すようにボールペン筆記体の収納状態に於けるインキ収容部の先端部に位置して、グリップ54を分断するリング状の突状窓部52aが設けられて成る。
【0029】
図6及び図7は第2の実施例を示しており、何れかのボールペン筆記体の筆記先端部を先軸60の先端から突出した状態に於いて、その筆記体のインキ収容部の先端部に位置して、グリップ62を分断するリング状の突状窓部61が設けられて成る。
【0030】
図8及び図9は第3の実施例を示しており、ボールペン筆記体1a,1bの収納状態に於けるインキ収容部の先端部に位置して、グリップ72を分断するリング状の突状窓部71bが設けられ、更に何れかのボールペン筆記体の筆記先端部を先軸70の先端から突出した状態に於いて、その筆記体のインキ収容部の先端部に位置して、グリップ72を分断するリング状の突状窓部71aが夫々併設して設けられている。
【0031】
図10は第4の実施例を示しており、ボールペン筆記体1a,1bの各インキ収容部を夫々独立して透視可能とする突状窓部82a,82bがグリップ81に対し設けられて成る。
【0032】
【作用】
中軸30に対して後軸50を回転すると円筒カムの回転に伴うカム斜面35によって何れかの筆記体を選択してその筆記先端部を先軸52の先端口から突出させることが可能となる。又、ボールペン筆記体のインキ収容部が非変形であっても筆記先方部位がフレキシブルに変移するので作動が阻害されず先軸52の先端口からスムーズに筆記先端部が出没する。
尚、消字可能なボールペン筆記体が搭載されて、消しゴム56を使用する時には、内筒43後端の天冠44を回転させると消しゴムホルダー47が円筒カムの螺旋溝38と内筒43のスリット45に案内されて後退し、消しゴム56が後端より繰り出される。
【0033】
ボールペン筆記体1aは、チップ11を上向きにした状態に於いて、そのボール弁16が弁室7のボール受け座8に位置して導孔9を密閉するので、上向き筆記されてチップの先端ボール12直下のインクがなくなっても、インキにヘッドが掛かり逆流することがない。従って、チップ11を下向きにした時にはインキがすぐに流出可能となり、筆記で掠れが防止される。(因みにボール弁を有しない構造では、上向き筆記でインキが逆流方向に作用するのでチップ内に空気を巻き込み、下向き筆記で即インキが追随せず掠れが生じる)
【0034】
チップ11を下向きにした筆記状態に於いては、ボール弁16がチップ11後端の一方に偏った状態に当接し、他方にはチップ11内にインキが流入可能な流路が構成され、インキ収容管17から導孔9を経て弁室7に入ったインキ18は先端ボール12の後端まで誘導される。
この状態で、棒軸部15の押圧で先端ボール12がチップ抱持部の内縁に密接されるのでインキの直流が防止される。又、筆圧により先端ボール12が微小に後退するので隙間を生じてインキが流出可能となり、筆記により先端ボール12の回転でインキがスムーズに流出され、ボテが無く、筆跡濃度の高い筆記が可能となる。
【0035】
先端ボール12の直下にはチャンネル(チップ内孔に向かって貫通したインキ流入溝を複数箇所に有した先端ボールの受け座)がありチャンネルの中心孔には棒軸部15が貫通する。チップ内のインキはインキ流入溝および中心孔と棒軸部15との間の隙間を通じて先端ボール12直下に誘導される。
【0036】
【発明の効果】
本発明の構成及び作用は以上の如くであり、所謂剪断減粘性を有した水性、低粘度の油性インキを使用した複数本のボールペン筆記体を搭載して、ボテの無い、描線の濃い、筆記掠れの無い、インキの直流や逆流で軸筒内や手や衣服等を汚す事故がない複式筆記具が提供可能となる。
又、適当な軸体の太さで、一々先軸を外さなくともインキ残量が把握できる、携帯性、使い勝手性に優れた複式筆記具が提供可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1の実施例である複式筆記具の全体を示す縦断面図で、一部非断面で示されている。
【図2】中軸に位置する摺動コマ部位を横断面した図である。
【図3】 中軸に位置するボールペン筆記体のインキ収容部位を横断面した図である。
【図4】 実施例に使用するボールペン筆記体の縦断面図である。
【図5】 第1の実施例に於いて、ボールペン筆記体が収納された状態の先軸部位を示す要部縦断面図である。
【図6】 第2の実施例に於いて、一方のボールペン筆記体の筆記先端部が突出した状態の先軸部位を示す要部縦断面図である。
【図7】 第2の実施例に於いて、ボールペン筆記体が収納された状態の先軸部位を示す要部縦断面図である。
【図8】 第3の実施例に於いて、一方のボールペン筆記体の筆記先端部が突出した状態の先軸部位を示す要部縦断面図である。
【図9】 第3の実施例に於いて、ボールペン筆記体が収納された状態の先軸部位を示す要部縦断面図である。
【図10】 第4の実施例に於いて、ボールペン筆記体のインキ収容部位置に於ける先軸の横断面図である。
【符号の説明】
1a ボールペン筆記体
1b ボールペン筆記体
2 継ぎ手
3 前軸部
4 蛇腹
5 後軸部
6 鍔部
7 弁室
8 ボール受け座
9 導孔
10 内孔部
11 チップ
12 先端ボール
13 軸部
14 スプリング
15 棒軸部
16 ボール弁
17 インキ収容管
18 インキ
19 フォロア
20 フォロア棒
30 中軸
31 ガイド用のリブ
32 雄螺子
33 窓部
33a 肉厚部
34 円筒カム
35 カム斜面
36 切欠
37 係合突起
38 螺旋溝
39a 摺動コマ
39b 摺動コマ
40a 突起
40b 突起
41a 受け軸
41b 受け軸
42 段部
43 内筒
44 天冠
45 スリット
46 係合突起
47 消しゴムホルダー
48 弾性片
49 突起
50 後軸
51a 溝
51b 溝
52 先軸
52a 突状窓部
53 雌螺子
54 グリップ
55a リターンスプリング
55b リターンスプリング
56 消しゴム
60 先軸
61 突状窓部
62 グリップ
70 先軸
71a 突状窓部
71b 突状窓部
72 グリップ
80 先軸
81 グリップ
82a 突状窓部
82b 突状窓部

Claims (4)

  1. 筆記に伴う先端ボールの回転で粘性が低下して流出される、所謂剪断減粘性を有した水性ボールペンインキ又は低粘度の油性インキが充填され、更にインキの後端に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するグリース状の半透明不乾性物から成るフォロアが充填されて成る複数のボールペン筆記体を搭載して、先軸の先端から選択的に夫々の筆記体の先端部を出没可能とした複式筆記具に於いて、
    先軸及びインキ収容管は透明な樹脂成形品から成り、筆記時に把持される位置の先軸の外周部に軟質弾性材より成る不透明なグリップが被覆されて、更に先軸の先端から筆記体の先端部を突出させたボールペン筆記体のインキ収容部の先端部に位置して、リング状の突状窓部が前記不透明なグリップから露出して設けられ、該窓部から前記突出させたボールペン筆記体のインキ残量が透視可能となされた複式筆記具。
  2. 筆記に伴う先端ボールの回転で粘性が低下して流出される、所謂剪断減粘性を有した水性ボールペンインキ又は低粘度の油性インキが充填され、更にインキの後端に筆記に伴うインキの消耗に追随して移動するグリース状の半透明不乾性物から成るフォロアが充填されて成る複数のボールペン筆記体を搭載して、先軸の先端から選択的に夫々の筆記体の先端部を出没可能とした複式筆記具に於いて、
    先軸及びインキ収容管は透明な樹脂成形品から成り、筆記時に把持される位置の先軸の外周部に軟質弾性材より成る不透明なグリップが被覆されて、更に先軸内に収納されたボールペン筆記体のインキ収容部の先端部に位置して、リング状の突状窓部が前記不透明なグリップから露出して設けられ、該窓部から前記収納されたボールペン筆記体のインキ残量が透視可能となされた複式筆記具。
  3. 先軸とグリップが一体成形で形成されてなる請求項1または2に記載の複式筆記具。
  4. ボールペン筆記体は、インキ収容管のインキ収容部が比較的大きな断面積を有した非変形のもので、軸筒内に各インキ収容部がいっぱいに嵌挿状態と成るものであって、継ぎ手の先端にボールペンのチップと継ぎ手の後端にインキ収容管が固定されると共に、チップとインキ収容部を接続する継ぎ手が軸長方向に対して横方向に容易に変位可能に設けられてなり、更に先端ボールがチップ先端のボール抱持部の内縁に常時には押圧して密接し、筆記時には密接状態が解除されるように設けられたスプリングを有することからなる請求項1または2に記載の複式筆記具。
JP01704996A 1996-01-08 1996-01-08 複式筆記具 Expired - Fee Related JP3698789B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01704996A JP3698789B2 (ja) 1996-01-08 1996-01-08 複式筆記具

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP01704996A JP3698789B2 (ja) 1996-01-08 1996-01-08 複式筆記具

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JPH09188088A JPH09188088A (ja) 1997-07-22
JP3698789B2 true JP3698789B2 (ja) 2005-09-21

Family

ID=11933145

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP01704996A Expired - Fee Related JP3698789B2 (ja) 1996-01-08 1996-01-08 複式筆記具

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP3698789B2 (ja)

Family Cites Families (9)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPS55159166U (ja) * 1979-05-04 1980-11-15
JPS57193397A (en) * 1981-05-26 1982-11-27 Toyo Polymer Kk Note with nonslip and its manufacture
JPH0545509Y2 (ja) * 1986-02-15 1993-11-19
JPS63148475U (ja) * 1987-03-19 1988-09-29
JP2518135Y2 (ja) * 1989-09-29 1996-11-20 株式会社鳥羽産業 物品における肌との接触部構造
JP2573070Y2 (ja) * 1993-12-06 1998-05-28 三菱鉛筆株式会社 ボールペン
JP3154890B2 (ja) * 1994-03-16 2001-04-09 三菱鉛筆株式会社 ボールペンのリフィール
JP2681750B2 (ja) * 1994-04-26 1997-11-26 株式会社パイロット ボ−ルペンの軸筒
JP3417519B2 (ja) * 1995-08-28 2003-06-16 三菱鉛筆株式会社 複式筆記具

Also Published As

Publication number Publication date
JPH09188088A (ja) 1997-07-22

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP3698789B2 (ja) 複式筆記具
JP3765532B2 (ja) 複式筆記具
JP3763425B2 (ja) 複式筆記具
JP3643155B2 (ja) ノック式のボールペン
JP3494491B2 (ja) ノック式ボールペン
JP3502522B2 (ja) 複式筆記具
JP3634039B2 (ja) 印鑑付筆記具
JP3643184B2 (ja) 複式筆記具
JP3583219B2 (ja) 複式筆記具
JP3643183B2 (ja) 複式筆記具
JP3643189B2 (ja) 複式筆記具
JPH1134573A (ja) ボールペンのリフィール
JPH0999693A (ja) 複式筆記具
JP3758796B2 (ja) 複式筆記具
JP3336169B2 (ja) 複式筆記具
JP3602273B2 (ja) 複式筆記具
JP3375567B2 (ja) 複式筆記具
JP3665147B2 (ja) 複式筆記具
JP3643182B2 (ja) 複式筆記具
JPH09188093A (ja) 複式筆記具
JP2001232990A (ja) 複式筆記具
JPH09188092A (ja) 複式筆記具
JPH10217678A (ja) 回転出没式の筆記具
JPH09118097A (ja) 複式筆記具
JPH1134571A (ja) ノック式のボールペン

Legal Events

Date Code Title Description
A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20040116

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20040204

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20040308

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20050422

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20050518

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20050705

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20050706

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20080715

Year of fee payment: 3

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20110715

Year of fee payment: 6

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees