JPH10235833A - 印刷方法及び印刷装置 - Google Patents

印刷方法及び印刷装置

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JPH10235833A
JPH10235833A JP4510097A JP4510097A JPH10235833A JP H10235833 A JPH10235833 A JP H10235833A JP 4510097 A JP4510097 A JP 4510097A JP 4510097 A JP4510097 A JP 4510097A JP H10235833 A JPH10235833 A JP H10235833A
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JP
Japan
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sheet
printing
ink
drying
cooling
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JP4510097A
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Hiroyuki Atake
浩之 阿竹
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Dai Nippon Printing Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ブロッキングを生じる等の従来の加熱乾燥の
欠点を解消した印刷方法及びそれに使用する印刷装置を
提供する。 【解決手段】 熱可塑性シートに印刷を施す方法であっ
て、少なくともシートSを搬送しつつ、シートS面に印
刷インキで絵柄を形成した後、加熱乾燥装置10でシー
トSに熱をかけることにより印刷インキを乾燥させ、こ
れを所定の色数だけ繰り返した後、冷却乾燥装置50に
よりシート温度を下げる冷却乾燥工程を行う。印刷後に
適度の熱をかけることにより印刷インキの乾燥を行い、
その後シートSの温度を下げることによりシートSを強
制的に収縮させ、巻取り後のシート収縮による巻締りを
防ぐとともに、印刷インキの乾燥をさらに進め、またイ
ンキの加熱軟化による粘着性を冷却により抑えることで
ブロッキングを防止する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、熱可塑性シートの
印刷方法及びそれに使用する印刷装置に係り、特に有機
溶剤で希釈したインキを溶剤揮発によって乾燥固化せし
めるグラビア印刷方式に好適な印刷方法及びそれに使用
する印刷装置に関するものである。
【0002】
【発明が解決しようとする課題】通常、グラビア印刷方
式では、印刷後にインキの溶剤を飛ばして十分に乾燥さ
せるために80〜150℃程度の加熱を行っているが、
印刷対象が熱可塑性シートである時は温度をかけ過ぎる
と、長尺帯状シート(ウェブ)を印刷後に巻き取る輪転
印刷の場合は印刷機の張力によってシートが伸びてしま
い、また枚葉印刷の場合でもシートの反り、伸縮、歪み
を生じてしまう。また、印刷インキとして熱可塑性樹脂
をバインダーとするインキを用いる場合、高温状態のま
ま巻き取ったり(輪転の場合)、積載したり(枚葉の場
合)すると、加熱軟化して粘着性を生じたインキによっ
てシート同士が接着してしまうという不良(ブロッキン
グ)を生じる。一方、熱可塑性シートのTg(ガラス転
移温度)以下の温度で乾燥すればシート自体は伸びない
が、残留応力の解放により印刷後にシートが収縮し、輪
転印刷の場合には印刷後の巻取が巻締りを生じてブロッ
キングを起こす。また、乾燥を風のみで行うと、インキ
が乾燥不足となり、そのためブロッキングを起こす。
【0003】また、熱を用いずに紫外線或いは電子線で
固化するインキを用いる方式も存在するが、その場合、
紫外線や電子線を照射する設備を付加する必要が生じ
る。特に電子線照射の場合、付帯設備が大がかりとな
り、場所(スペース)、経費等も多く要する。また実際
には、紫外線照射器から赤外線も輻射されたり、電子線
がシートに吸収されて熱エネルギーに変わる現象が起こ
るため、完全に熱の影響を克服することは難しかった。
【0004】本発明は、上記のような問題点に鑑みてな
されたものであり、その目的とするところは、従来の加
熱乾燥の欠点を解消した印刷方法及びそれに使用する印
刷装置を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
め、本発明の印刷方法は、熱可塑性シートに印刷を施す
方法であって、少なくともシートを搬送しつつ、シート
面に印刷インキで絵柄を形成する印刷工程、シートに熱
をかけることにより印刷インキを乾燥させる加熱乾燥工
程、シート温度を下げる冷却乾燥工程を順次行うことを
特徴とする。
【0006】このように、本発明では、印刷後に適度の
(シートに伸び等の熱ダメージを生じない程度までの)
熱をかけることにより印刷インキの乾燥を行い、その後
シートの温度を下げることによりシートを強制的に収縮
させ、巻取り後のシート収縮による巻締りを防ぐととも
に、印刷インキの乾燥をさらに進め、またインキの加熱
軟化による粘着性を冷却により抑えることをでブロッキ
ングを防止するようにした。
【0007】上記の印刷方法に使用する印刷装置は、各
印刷ユニットの後に加熱方式の乾燥手段をそれぞれ備
え、さらに印刷ユニットとは別に冷却方式の乾燥手段を
備えて構成される。
【0008】
【発明の実施の形態】印刷の対象となる熱可塑性シート
の素材としては、常温で固体であり、成膜化が可能なも
の全てが用いられる。特に印刷の面から好適なのは熱可
塑性樹脂であり、具体的には、ポリエチレンテレフタレ
ート、ポリブチレンテレフタレート等の熱可塑性ポリエ
ステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリメチルペ
ンテン、オレフィン系熱可塑性エラストマー等のポリオ
レフィン、ポリメチルメタアクリレート、メチルメタア
クリレート−エチルメタアクリレート共重合体等のアク
リル樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリスチレン、AB
S、ポリカーボネート、ナイロン等のシートであり、厚
さは通常25〜300μm程度のものである。
【0009】本発明は通常のグラビア印刷機に特に有効
である。ただし、その他の方式の印刷、例えばシルクス
クリーン、活版(凸版)、オフセット等の印刷にも有効
である。また、輪転式及び枚葉式のいずれの場合にも適
用できるが、特に輪転式の場合に有効である。
【0010】印刷ユニットは版、印圧印加装置、インキ
供給装置からなる。1色当たり1ユニットが使用される
ためN(N≧2)色刷の場合にはNユニットが必要であ
る。輪転印刷方式の場合、版として円筒状のいわゆる版
胴を、また印圧印加装置にも円筒状のいわゆる圧胴を用
いる。枚葉印刷方式の場合、版は平板状、円筒状のいず
れでもよい。グラビア印刷方式の場合、インキ供給装置
は通常インキパン、アプリケータロール(但しこれを略
して直接版をインキパン中のインキに浸す場合もあ
る)、及びドクターブレードから構成される。その他必
要に応じて更にインキパンにインキを供給するインキタ
ンク、インキパンとインキタンクとの間でインキを循環
させるための循環ポンプ等を付加して構成することもで
きる。
【0011】加熱方式の乾燥手段としては、従来の印刷
機で用いられている公知の乾燥装置を使用すればよく、
具体的には、熱風吹付け方式の乾燥装置、赤外線輻射ヒ
ーターを用いた乾燥装置、高周波電磁場による誘電加熱
方式の乾燥装置、加熱ロール方式の乾燥装置等がある。
冷却方式の乾燥手段でもある程度の乾燥がなされるた
め、ここでの加熱乾燥温度は印刷シートの伸縮、反り等
を生じない程度に抑えるようにする。
【0012】図1に熱風吹付け方式の加熱乾燥装置の一
例を示す。印刷対象のシートSはインキパン1中のイン
キに浸した版胴2とこれに対向する圧胴3の間を通過し
て印刷が行われ、印刷後のシートSは加熱乾燥装置10
のカバー11の中をガイドローラ12に案内されて通過
する。加熱乾燥装置10では、熱風源から供給ダクト1
3に熱風が送り込まれ、この供給ダクト13に送り込ま
れた熱風はガイドローラ12に対向する多数のノズル1
4から吹き出され、ガイドローラ12上を走行するシー
トSの印刷面に熱風が吹き付けられることになる。そし
て、シートSに吹き付けられた熱風はノズル14の間を
通って排気ダクト15から排気される(図中矢印付きの
線は気流の流れを示す)。この加熱乾燥装置10に熱風
を送り込む熱風源の一例を図2に示す。この熱風源20
では送風機21が外気を吸い込み、吸い込んだ空気を熱
交換器22で加熱し、この加熱した空気を供給ダクト2
3から加熱乾燥装置10の供給ダクト13に送り込む。
【0013】図3に加熱ロール方式の加熱乾燥装置の一
例を示す。この加熱ロール30は中空構造のロール本体
31とその両端の回転軸32,32とからなり、回転軸
32の一方(図では左側)が外殻33と内殻34の二重
構造になっている。そして、水蒸気、熱水等の加熱媒体
を内殻34の中を通してロール本体31の中空部内に供
給し、外殻33と内殻34の隙間を通って排出させる。
このように加熱媒体を送りながら印刷済みのシートSを
ロール本体31の表面に接触させることで印刷シートS
を加熱乾燥する。この場合、印刷していない裏面側をロ
ール表面に接触させる。
【0014】冷却方式の乾燥手段としては、特別に冷却
するような装置を用いず、加熱をせずに風を当てて冷却
することも可能であるが、より効率良く冷却したり、冷
却温度を制御する装置を使用することが好ましい。例え
ば、所定温度に制御した冷風を送風機にて印刷シート
(通常は印刷面側であるが裏面側或いは表裏両面側から
でも可)に吹き付ける冷風吹付け方式、或いは所定温度
に制御した水等の液体を金属中空ロール(冷却ロール)
内に循環させ、該ロール表面に印刷シート(通常は印刷
していない裏面側だが印刷面側でも可)を接触させる冷
却ロール方式がある。また両方式の併用も可能である。
冷風或いは冷却ロール表面の温度は、加熱乾燥時の印刷
シート表面温度よりも低温とする。印刷シートを巻き取
ったり積載したりする直前のシート表面温度をシート及
びインキバインダーのTgより十分低く、好ましくは室
温(通常10〜30℃程度)まで下げる。また冷風吹付
方式の場合には、通常吹き出し部分の周囲はカバーで覆
うようにする。
【0015】冷風吹付け方式の冷却乾燥装置の具体例と
しては、図1に示した加熱乾燥装置と同じ構造で、熱風
源の代わりに冷風源から冷風を供給するようにしたもの
が挙げられる。この冷風源は図2に示した熱風源と同じ
構造で、加熱水蒸気等の加熱媒体の代わりに水、温水等
の冷却媒体を熱交換器に供給するようにしたものを使用
すればよい。また、冷却ロール方式の冷却装置の具体例
としては、図3に示した加熱ロールと同じ構造で、加熱
媒体の代わりに冷水等の冷却媒体を使用したものが挙げ
られる。
【0016】1色刷りの場合、印刷ユニットの直後に加
熱方式の乾燥手段、次いで冷却方式の乾燥手段を順次設
ける。多色刷りの場合は、各印刷ユニット毎に加熱方式
の乾燥手段と冷却方式の乾燥手段とを設ける方法と、各
印刷ユニット毎に加熱方式の乾燥手段を設け、一方冷却
方式の乾燥手段は最終印刷ユニットの最後の加熱方式の
乾燥手段の後に1個或いは複数個設ける方法の2通りが
ある。
【0017】グラビア輪転多色印刷機に本発明を利用し
た例を図4に示す。この例では各印刷ユニット40毎に
図1に示したのと同様な熱風吹付け方式の加熱乾燥装置
10を設け、最終印刷ユニットの最後の加熱乾燥装置の
後に複数個の冷却乾燥装置50を設けてある。すなわ
ち、A区間にはU1 と同様な構造が所定の数(N色刷な
らばN−1個)繰り返して設けられ、B区間にはU2
同様な構造が適当な数(冷却乾燥装置をM段直列に接続
するならばM−1個)繰り返して設けられる。この冷却
乾燥装置50は図1に示した加熱乾燥装置10と同じ構
造で、冷風源から冷風を供給するようにしたものであ
る。
【0018】この印刷機では、制動機構61を持つ巻軸
62にセットされた給紙側巻取ロール63からシートS
が繰り出され、繰り出されたシートSはニップローラ6
4を経て第1印刷ユニットにて第1色目が印刷され、そ
れに続く加熱乾燥装置10にて加熱乾燥が行われ、コン
ペンセータロール65によりパス長を制御されて次の印
刷ユニットに搬送される。そして、A区間で所定の色数
だけ印刷と乾燥が繰り返された後、そのまま冷却乾燥装
置50に搬送されて冷風吹付け方式の冷却が行われ、引
き続いてB区間で複数の冷却乾燥装置で冷却が繰り返さ
れてから、ニップローラ66を経て巻軸67に巻き取ら
れて排紙側巻取ロール68となる。
【0019】なお、図4のように冷却乾燥装置を複数直
列にしてシートを通す場合には、全部の冷却乾燥装置を
同一温度にすることもできるし、また冷却温度を順次段
階的に下げていくこともできる。後者の場合には、初め
の幾つかの冷却乾燥装置の冷却温度をシート及びインキ
バインダーのTg以上とすることも可能である。最終の
冷却乾燥装置を出た時点でシート表面温度がシート及び
インキバインダーのTg未満になっていればよい。
【0020】使用する印刷インキとして特に対象になる
のは揮発性の希釈溶剤(水或いは有機溶剤。エマルジョ
ンの分散媒もこれに包含される)を含有するインキであ
る。その他の成分は従来公知のものであり、通常樹脂バ
インダー、顔料或いは染料等の着色剤、必要に応じ熱安
定剤、体質顔料等の添加剤からなる。また、バインダー
としてガラス転移温度(Tg)を持つものを使用する場
合には、ブロッキング防止の点で本発明が有効である。
印刷に用いるインキとしては、本発明では特に水或いは
有機溶剤の溶液或いはエマルジョンからなり、水或いは
有機溶剤を揮発乾燥させて乾燥固化せしめる、いわゆる
溶剤乾燥型インキを対象とし、また効果も著しい。しか
しながら、本発明は、その他にも熱により架橋反応、重
合反応、重付加反応等の化学反応により硬化し固化する
いわゆる熱硬化型インキに対して適用することも可能で
ある。
【0021】印刷絵柄は部分的パターンでも全面ベタで
もよい。特に全面ベタで塗布量の多い場合に本発明が有
効である。
【0022】シートの搬送手段は公知のものでよい。輪
転印刷機の場合は代表的には図4に示したようであり、
長尺帯状のシートSを巻取63の状態で巻軸62(紙
管)の周りに回転可能となるように給紙装置に取り付
け、そこから繰り出したシートSを各印刷ユニット、加
熱乾燥装置10及び冷却乾燥装置50を通して排紙装置
の巻軸67(紙管)に接続し、この巻軸67を電動機等
によって回転駆動させてシートSを巻き取り、シートS
に張力を印加した状態で走行させて搬送する。通常は給
紙側巻取ロール63と第1印刷ユニットの版胴2との
間、及び最終印刷ユニットと排紙側巻取ロール68との
間に各々1対の駆動ニップローラ64,66を設けてシ
ートSの搬送を助けるとともにシートSの張力を制御す
る。また、通常各印刷ユニット間にコンペンセータ(補
正)ロール65を設け、各印刷ユニット間のパス長を制
御してシート走行方向の見当合わせを行う。また、給紙
側巻取63に制動機構61を設け、シートSの張力、走
行速度の制御を行う。さらには、シート走行経路上の適
当な位置にシートSを支承し、またシートSの方向を変
更するために適宜ガイドローラ69を設ける。
【0023】
【実施例】厚さ125μmで長尺状帯状のアクリル樹脂
シートを用意した。アクリルのTgは73℃である。そ
して、このシートに対して、下記のインキを使い、それ
ぞれメチルエチルケトン/トルエン/酢酸エチルの1:
1:1(重量比)の混合物からなる希釈溶剤を用いて7
色刷のグラビア印刷を施した。
【0024】<絵柄層:4色刷>アクリル樹脂と塩化ビ
ニル−酢酸ビニル共重合体との1:1(重量比)の混合
物をバインダーとし、これに顔料を加えてなるアクリル
塩酢ビ系インキ <全面ベタ層:1色刷>アクリル樹脂と塩化ビニル−酢
酸ビニル共重合体との1:1(重量比)の混合物をバイ
ンダーとし、これに顔料を加えてなるアクリル塩酢ビ系
インキ <接着剤層:2色刷>塩酢ビ系インキ
【0025】塗布量は乾燥時でそれぞれ絵柄層:約1.
7g/m2 、全面ベタ層:約1.1g/m2 、接着剤
層:約3g/m2 である。
【0026】印刷には図4に示す如き輪転印刷機(印刷
ユニットは7つ)を使用した。具体的には、7つの印刷
ユニット(No.1〜7)のそれぞれに付随する乾燥装
置とその他3ケ所の乾燥装置の計10ケ所の乾燥装置を
持つ印刷機を使用した。これら10ケ所の乾燥装置は構
造能力とも同じである。表1に示す3つの乾燥条件(数
字は乾燥装置のノズルから吹き出す風の温度)でシート
に印刷を行った後、それぞれ700m分の長さをロール
に巻き取った。印刷速度(シート送り速度)は40m/
分であった。
【0027】
【表1】
【0028】各条件下で印刷直後の残留溶剤量をガスク
ロマトグラフィーを用いて測定したところ、実施例の印
刷シートでは450mg/m2 、比較例1,2の印刷シ
ートではそれぞれ410mg/m2 、670mg/m2
であった。
【0029】巻き取ったシートを3日後に巻き返してみ
ると次のような結果となった。すなわち、比較例1の印
刷シートは、シート裏側の接着剤がシート表面に転移
し、ひどいところではシート同士が接着しており、無理
に剥がすとシートが切れる場合もあった(ブロッキング
不良)。比較例2の印刷シートは、残留溶剤によりシー
トとインキが軟化し完全にシート同士がくっついていた
(ブロッキング不良)。これに対し実施例の印刷シート
は、インキがとられることもなく良好な状態だった。
【0030】通常、熱可塑性シートは押出し法により製
造されている。したがって再度熱を与えられると熱収縮
によって縮む。この縮む率はシートの種類や製造方法に
よって差があり、100℃にて1分程度で1〜20%ま
である。したがって、印刷時の乾燥工程により熱が与え
られると収縮が起こる。ただ、印刷時は縦方向のテンシ
ョンが働くために縮むことはないが、巻き取られた際、
温度が高いと縮みが起こりシートは収縮する。この場
合、0.1%収縮しても700m巻きであれば70cm
も縮む。このため巻きが堅くなって圧力が高くなるの
で、インキが反対側シート面に押し付けられてブロッキ
ングとなる。本発明では、インキ溶剤をとばした後、シ
ートの温度を下げながら熱収縮が終了した後で巻き取る
ことにより、巻取り後の熱収縮を防ぎ、ブロッキングを
防止した。また実施例では、印刷インキ及びシートが十
分冷却され(Tgよりも十分低温に)、表面の加熱軟化
による粘着性が消失した後で巻き取るため、これもブロ
ッキング解消に貢献した。
【0031】
【発明の効果】以上説明したように、本発明では、印刷
後に適度の熱をかけることによりインキの乾燥を行い、
その後シートの温度を下げることによりシートを強制的
に収縮させ、巻取り後のシート収縮による巻締りを防ぐ
とともに、印刷インキの乾燥を進め、又インキの加熱軟
化による粘着性を冷却により抑えることで、ブロッキン
グを防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】熱風吹付け方式の加熱乾燥装置の一例を示す構
造図である。
【図2】図1の加熱乾燥装置に熱風を送り込む熱風源の
一例を示す断面図である。
【図3】加熱ロール方式の加熱乾燥装置の一例を示す縦
断面図と横断面図である。
【図4】グラビア輪転多色印刷機に本発明を利用した例
を示す概略構成図である。
【符号の説明】
1 インキパン 2 版胴 3 圧胴 10 加熱乾燥装置 11 カバー 12 ガイドローラ 13 供給ダクト 14 ノズル 15 排気ダクト 20 熱風源 21 送風機 22 熱交換器 23 供給ダクト 30 加熱ロール 31 ロール本体 32 回転軸 33 外殻 34 内殻 40 印刷ユニット 50 冷却乾燥装置 61 制動機構 62 巻軸 63 給紙側巻取ロール 64 ニップローラ 65 コンペンセータロール 66 ニップローラ 67 巻軸 68 排紙側巻取ロール 69 ガイドローラ S シート

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 熱可塑性シートに印刷を施す方法であっ
    て、少なくともシートを搬送しつつ、シート面に印刷イ
    ンキで絵柄を形成する印刷工程、シートに熱をかけるこ
    とにより印刷インキを乾燥させる加熱乾燥工程、シート
    温度を下げる冷却乾燥工程を順次行うことを特徴とする
    印刷方法。
  2. 【請求項2】 請求項1に記載の印刷方法に使用する印
    刷装置であって、各印刷ユニットの後に加熱方式の乾燥
    手段をそれぞれ備え、さらに印刷ユニットとは別に冷却
    方式の乾燥手段を備えたことを特徴とする印刷装置。
JP4510097A 1997-02-28 1997-02-28 印刷方法及び印刷装置 Pending JPH10235833A (ja)

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