JPH10235282A - ダブルクリア塗膜付きの着色塗膜 - Google Patents

ダブルクリア塗膜付きの着色塗膜

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JPH10235282A
JPH10235282A JP3951297A JP3951297A JPH10235282A JP H10235282 A JPH10235282 A JP H10235282A JP 3951297 A JP3951297 A JP 3951297A JP 3951297 A JP3951297 A JP 3951297A JP H10235282 A JPH10235282 A JP H10235282A
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JP
Japan
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coating film
clear
colored
coating
paint
Prior art date
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JP3951297A
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English (en)
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Kazuyuki Kuwano
一幸 桑野
Kyoichi Horibe
恭一 堀部
Keita Ono
桂太 小野
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Kansai Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Kansai Paint Co Ltd
Toyota Motor Corp
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Abstract

(57)【要約】 【課題】着色顔料濃度の高い着色塗膜において、付着性
とと耐汚れ性及び耐擦り傷性との両立を図る。 【解決手段】ベース塗膜2の表面に着色顔料濃度が40
PHR以上の着色塗料を塗装して着色塗膜3を形成し、
この着色塗膜3の表面に、塗膜になったときにガラス転
移温度が40〜60℃となる第1クリア塗料を塗装して
第1クリア塗膜4を形成し、この第1クリア塗膜4の表
面に、塗膜になったときにガラス転移温度が80〜10
0℃となる第2クリア塗料を塗装して第2クリア塗膜5
を形成する。ガラス転移温度が低く、柔軟な塗膜を形成
する第1クリア塗料を着色塗膜3中に浸透、拡散させる
ことにより、着色塗膜3の柔軟性、ひいては付着性を十
分に向上させることができる。耐汚れ性や耐傷付き性
は、ガラス転移温度が80〜100℃と高い第2クリア
塗膜5により良好に確保される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、その表面にダブル
クリア塗膜が形成された着色塗膜に関する。本発明は、
例えばカラー原画像を自動車車体などの被塗物表面に描
画することで複数の着色塗膜よりなる模様塗膜を形成し
たり、単一の着色塗膜を被塗物表面に形成したりする際
に好適に利用することができる。
【0002】
【従来の技術】近年、コンピュータの印刷装置として、
インクジェット方式によるプリンタが用いられている。
このインクジェットプリンタは、コンピュータの記憶装
置に保存されている画像データの各画素の色調に応じて
赤青黄の色の3原色と黒色の4色のインク剤をそれぞれ
ノズルから吐出して印刷紙上にドット状に付着させ、印
刷紙上で重ね合わせることでその画素の色調を再現す
る。そしてノズルを左右方向に駆動させるとともに印刷
紙を垂直方向に駆動することにより、印刷紙上に画像デ
ータを描画することができる。
【0003】プリンタでは被塗物が紙状のものに限られ
ているが、例えば自動車車体などに画像データを直接描
画できれば、複雑な意匠であっても工業的に量産するこ
とが可能となる。そこで特開平1−110159号、特
開平1−128841号、特開平1−133800号な
どの公報には、カラー原画像を拡大して壁面などに直接
プリントすることができる自動描画装置が提案されてい
る。この自動描画装置によれば、4つのノズルユニット
がX方向、Y方向及びZ方向の三次元方向に駆動される
ので、描画壁面に画像データを拡大して描画することが
可能となり、複雑な意匠であっても工業的に量産するこ
とが可能となる。したがってこれを自動車外板、バンパ
ー、モールなどの塗装に利用することにより、塗装意匠
の自由度が飛躍的に向上する。
【0004】このような描画塗装により得られた着色塗
膜においては、紫外線や機械的衝撃などから着色塗膜を
保護するために、その表面にクリア塗料を塗装すること
が従来から行われている。なお、このように塗膜保護の
目的で塗布されるクリア塗料としては、耐汚れ性や耐擦
り傷性等を考慮して、ガラス転移温度の高いものが用い
られている。
【0005】ところで、自動車外板などの立面に描画塗
装する場合には、付着したドット状のインク剤の垂れを
防止することがきわめて重要である。そして最大4色の
インク剤が塗重ねられても垂れを防止する必要がある。
そこで従来は、着色塗膜の膜厚を1μm程度以下と非常
に薄くすることで塗装時の垂れを防止している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】このように膜厚が極め
て薄い着色塗膜の表面にクリア塗料を塗装した場合、ク
リア塗料は着色塗膜に浸透し、着色塗膜全体に拡がる。
このため、着色塗膜の物性(強度、柔軟性、付着性や耐
水性等)は着色塗料及びクリア塗料の双方により決定さ
れることになる。
【0007】一方、膜厚が極めて薄い着色塗膜において
所望の色調を得るためには、着色塗料中の着色顔料濃度
を高くしなければならない。特に、上記描画塗装に用い
られるインク剤(着色塗料)においては、インク剤をノ
ズルから微細な滴として吐出させるべく粘度を低くする
必要があることから、樹脂濃度を低く、逆に言えば着色
顔料濃度を高くしなければならない。例えば、通常の自
動車外板塗装に用いられる着色塗料の着色顔料濃度は一
般に0〜40PHR程度であるのに対し、例えば1μm
の膜厚の着色塗膜を描画塗装する場合は着色顔料濃度が
40〜200PHR程度の着色塗料を用いる必要があ
る。
【0008】しかしながら、着色顔料濃度の高い着色塗
料から得られる塗膜は、強度や柔軟性が低下し、極めて
脆いものとなってしまう。このため、着色顔料濃度の高
い着色塗料を用いると、塗膜内で凝集破壊が生じ易くな
って、塗膜の付着性が低下するという問題がある。そこ
で、ガラス転移温度が低く比較的柔軟なクリア塗料を着
色塗膜に塗布、浸透させることにより、着色顔料濃度の
高い着色塗膜の柔軟性を高めて付着性を向上させる手段
が考えられる。ところが、着色顔料濃度の高い着色塗膜
の付着性を改善すべく比較的柔軟なクリア塗料を塗装し
た場合、クリア塗膜として本来要求される耐汚れ性や耐
擦り傷性等の特性を満足することができなくなる。
【0009】このように、着色顔料濃度の高い着色塗膜
において、付着性という塗膜物性と耐汚れ性及び耐擦り
傷性という塗膜物性とを両立させることは困難であっ
た。なお、自動車外板の塗装において、着色顔料及び光
輝顔料などを含むベース塗膜の上にクリア塗料を2層塗
装する、いわゆるダブルクリア塗装が一部適用されてい
る。しかし、この塗層方法は一般的には類似の組成のク
リア塗料を2層塗装し、クリア塗膜の膜厚増加による塗
膜外観の向上を狙ったものである。また特開平3−14
6177号公報には、2層目のトップクリア塗膜にフッ
素クリア塗料を用いる技術が開示されているが、これは
塗膜外観の向上に加えて耐候性の向上を狙ったものであ
る。すなわち、着色塗膜の付着性と、耐汚れ性及び耐擦
り傷性との両立を狙ってダブルクリア塗装することは従
来行われていない。
【0010】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
ものであり、着色顔料濃度の高い着色塗膜において、付
着性という塗膜物性と耐汚れ性及び耐擦り傷性という塗
膜物性との両立を図ることを解決すべき技術課題とする
ものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決する本発
明のダブルクリア塗膜付きの着色塗膜は、被塗物表面に
形成されたベース塗膜と、該ベース塗膜の表面に着色顔
料濃度が40PHR以上の着色塗料を塗装して形成され
た着色塗膜と、該着色塗膜の表面に、塗膜になったとき
にガラス転移温度が40〜60℃となる第1クリア塗料
を塗装して形成された第1クリア塗膜と、該第1クリア
塗膜の表面に、塗膜になったときにガラス転移温度が8
0〜100℃となる第2クリア塗料を塗装して形成され
た第2クリア塗膜とからなることを特徴とするものであ
る。
【0012】ここに、着色顔料濃度が40PHR以上と
は、着色塗料樹脂100重量部に対して着色顔料が40
重量部以上含まれていることを意味する。また、本発明
においては、複数色の着色塗料を塗装して複数色の着色
塗膜を形成して着色塗膜を模様塗膜としてもよく、この
場合は、そのうちの少なくとも一種の着色塗料の着色顔
料濃度が40PHR以上であることを意味する。
【0013】
【発明の実施の形態】本発明のダブルクリア塗膜付きの
着色塗膜は、被塗物表面にベース塗料を塗装してベース
塗膜を形成し、このベース塗膜の表面に着色塗料、第1
クリア塗料及び第2クリア塗料を順次塗装することによ
り形成される。被塗物としては特に限定されないが、適
宜電着塗装等の下塗り塗装等を施した鋼板や、適宜プラ
イマ等の下塗り塗装等を施した合成樹脂板等を用いるこ
とができる。
【0014】ベース塗料としては、アクリル・メラミン
樹脂塗料、ポリエステル・メラミン樹脂塗料、アクリル
・エポキシ・メラミン樹脂塗料、ポリエステル・エポキ
シ・メラミン樹脂塗料、アクリル・イソシアネート樹脂
塗料、ポリエステル・イソシアネート樹脂塗料などを用
いることができる。またベース塗膜の色調は一般には白
色であるが、これに制限されず目的に応じて種々選択で
き、その膜厚も自由に選択できる。
【0015】着色塗料としては特に制限されないが、例
えば従来のインクジェット塗装に用いられるインク剤を
用いることができる。インク剤としては、主剤樹脂、各
種着色顔料及び溶剤からなるものが用いられる。着色塗
料は一種のみの単色で、又は二種以上の複数色で用いる
ことができる。一種のみの単色で着色塗料を用いる場合
は、その着色塗料の顔料濃度は40PHR以上とされ
る。また二種以上の複数色で着色塗料を用いる場合は、
そのうちの少なくとも一種の着色塗料の着色顔料濃度が
40PHR以上とされる。着色顔料濃度が40PHR未
満の着色塗料を塗装する場合、顔料濃度が高過ぎて着色
塗膜の付着性が低下するという問題がさほど起こらな
い。そこで、本発明では着色顔料濃度が40PHR以上
の着色塗料を用いる場合を対象とし、本発明はこのよう
に着色顔料濃度が高い着色塗膜における付着性を改善す
るものである。
【0016】なお、着色顔料濃度が高過ぎる場合には、
本発明によっても着色塗膜の付着性を十分に確保するこ
とができなくなる。このため、本発明で用いる着色塗料
の着色顔料濃度の上限は、200PHRとすることが好
ましい。また、着色塗膜の膜厚については以下の通りで
ある。膜厚が比較的厚い着色塗膜においては、着色顔料
濃度をさほど高くしなくても、すなわち40PHR未満
の着色顔料濃度であっても所望の色調を得ることができ
る。また、着色塗膜の膜厚が厚すぎると、着色塗膜の上
に塗装された第1クリア塗料が浸透した場合に着色塗膜
全体に拡がらず、着色塗膜の上にガラス転移温度の低い
第1クリア塗料を塗装することにより着色塗膜の柔軟性
を向上させて付着性を向上させる効果を十分に発揮でき
なくなる。更に、着色塗膜の膜厚が厚すぎると、垂れの
問題も発生し易くなる。そこで、本発明では着色塗膜の
膜厚を5μm以下とすることが好まく、2μm以下とす
ることがより好ましい。なお、着色塗膜の膜厚の下限
は、所望の色調が得られる範囲内で適宜設定可能であ
る。
【0017】なお、着色塗膜は第1クリア塗料を含有し
ている。着色塗膜の上にまず塗装される第1クリア塗料
は、塗膜になったときにガラス転移温度(以下、同様)
が40〜60℃となるものが用いられる。具体的には、
2液アクリル・ウレタン系のクリア塗料やアクリル・メ
ラミン系のクリア塗料等を用いることができる。第1ク
リア塗料にガラス転移温度が40℃未満のものを用いる
と、付着性は良いが、耐水性などの塗膜性能が低下す
る。一方、第1クリア塗料にガラス転移温度が60℃を
超えるものを用いると、着色塗膜の柔軟性を向上させて
付着性を向上させる効果が十分に発揮できなくなる。
【0018】なお、第1クリア塗膜の膜厚は5〜40μ
m程度とすることが好ましい。第1クリア塗膜の膜厚が
5μmより薄いと均一な膜厚にならないため、着色塗膜
の補強効果にムラが生じるとともに肌不良となり、40
μmより厚いと塗装時の垂れが問題となる。第1クリア
塗膜の上に塗装される第2クリア塗料は、ガラス転移温
度が80〜100℃のものが用いられる。具体的には、
アクリル・メラミン系のクリア塗料、酸−エポキシ硬化
タイプのアクリル系クリア塗料や2液アクリル・ウレタ
ン系のクリア塗料等を用いることができる。第2クリア
塗料にガラス転移温度が80℃未満のものを用いると、
耐汚れ性や耐擦り傷性を十分に発揮できない。一方、第
2クリア塗料にガラス転移温度が100℃を超えるもの
を用いると、耐衝撃性などの塗膜物性が低下する。
【0019】なお、第2クリア塗膜の膜厚は5〜40μ
m程度とすることが好ましい。第2クリア塗膜の膜厚が
5μmより薄いと均一な膜厚とならないために肌不良と
なり、40μmより厚いと塗装時の垂れが問題となる。
本発明のダブルクリア塗膜付きの着色塗膜は、被塗物表
面にベース塗料を塗装してベース塗膜を形成するベース
塗装工程と、該ベース塗膜の表面に着色顔料濃度が40
PHR以上の着色塗料を塗装して着色塗膜を形成する着
色塗装工程と、該着色塗膜の表面に、塗膜になったとき
にガラス転移温度が40〜60℃となる第1クリア塗料
を塗装して第1クリア塗膜を形成する第1クリア塗装工
程と、該第1クリア塗膜の表面に、塗膜になったときに
ガラス転移温度が80〜100℃となる第2クリア塗料
を塗装して第2クリア塗膜を形成する第2クリア塗装工
程とを順に実施することにより製造することができる。
【0020】上記ベース塗膜、上記着色塗膜、上記第1
クリア塗膜及び上記第2クリア塗膜を焼付けて硬化させ
るタイミングは特に限定されない。ただし、未硬化状態
の塗膜が重ね塗りされると垂れやワキ等の問題が発生す
るので、適宜途中で焼付けたり、予備加熱することが好
ましい。また、本発明においては、着色塗膜に第1クリ
ア塗料を十分に浸透、拡散させて着色塗膜の柔軟性を十
分に向上させる必要があるため、この点を考慮すれば、
着色塗膜が未硬化状態にあるときに第1クリア塗料を塗
布することが好ましい。
【0021】したがって、より好ましい態様としては、
被塗物表面にベース塗料を塗装してベース塗膜を形成す
るベース塗装工程と、該ベース塗膜の表面に着色顔料濃
度が40PHR以上の着色塗料を塗装して未硬化着色塗
膜を形成する着色塗装工程と、該未硬化着色塗膜の表面
に、塗膜になったときにガラス転移温度が40〜60℃
となる第1クリア塗料を塗装して未硬化第1クリア塗膜
を形成する第1クリア塗装工程と、該未硬化着色塗膜及
び該未硬化第1クリア塗膜を焼付ける第1焼付工程と、
焼付けられた該第1クリア塗膜の表面に、塗膜になった
ときにガラス転移温度が80〜100℃となる第2クリ
ア塗料を塗装して未硬化第2クリア塗膜を形成する第2
クリア塗装工程と、該未硬化第2クリア塗膜を焼付ける
第2焼付工程とを順に実施する。
【0022】本発明のダブルクリア塗膜付きの着色塗膜
においては、着色塗膜の表面に、塗膜になったときにガ
ラス転移温度が40〜60℃となる第1クリア塗料を塗
装することにより、第1クリア塗膜が形成されている。
このようにガラス転移温度が低く、柔軟な塗膜を形成す
る第1クリア塗料を着色塗膜の上に塗装して、該着色塗
膜中に該第1クリア塗料を浸透、拡散させることによ
り、着色塗膜の柔軟性、ひいては付着性を十分に向上さ
せることができる。また、第1クリア塗膜の上には、ガ
ラス転移温度が80〜100℃と高い第2クリア塗膜が
形成されているため、この第2クリア塗膜により耐汚れ
性や耐傷付き性を良好に確保することができる。
【0023】したがって本発明によれば、着色顔料濃度
が40PHR以上と高い着色塗膜であっても、耐汚れ性
や耐擦り傷性の特性を十分に確保しつつ、着色塗膜の付
着性を十分に向上させることができ、着色塗膜の付着性
と耐汚れ性及び耐傷付き性とを両立させることが可能と
なる。
【0024】
【実施例】以下、実施例及び比較例により本発明を具体
的に説明する。なお、以下の実施例1〜5及び比較例1
〜4には表1に示す組成の各塗料を用いた。 (実施例1)ポリプロピレン製の板材1にプライマーを
塗装し、120℃で10分間焼き付けた。その後、ポリ
エステル・メラミン系の白色ベース塗料を膜厚約30μ
mとなるように塗装し、120℃で30分間焼き付け
て、ベース塗膜2を形成した。
【0025】そして、表1に示す組成の水性インク(着
色塗料)を用いて、イメージスキャナで読みとった花の
写真のイメージデータを用い、インクジェット方式によ
り最大膜厚約1μmの着色塗装を行った。その後、塗膜
になったときにガラス転移温度が53℃となる2液アク
リル・ウレタン系の第1クリア塗料を膜厚約25μmと
なるように塗装した。そして、120℃で30分間加熱
して、着色塗膜3及び第1クリア塗膜4を一体的に焼き
付けた。
【0026】さらに、塗膜になったときにガラス転移温
度が95℃となるアクリル・メラミン系の第2クリア塗
料を膜厚約30μmとなるように塗装した。そして、1
20℃で30分間加熱して、第2クリア塗膜5を焼き付
けた。
【0027】
【表1】 得られた塗装板について、JIS−K−5400に規定
された碁盤目テープ法による付着性試験を行い、塗膜が
剥がれた升目を数えて付着性を評価した。また、カーボ
ンブラック分散水を塗布し、この塗布面に光、熱を当て
た後、水洗いする汚れ促進試験を行い、耐汚れ性を評価
した。さらに、塗装板にクレンザを少量滴下し、学振型
摩擦堅牢度試験器によって摩擦を行い、塗装板に生じた
擦り傷を目視により観察して耐擦り傷性を評価した。そ
れぞれの結果を表2に示す。
【0028】(実施例2)第1クリア塗料として、塗膜
になったときにガラス転移温度が60℃となるアクリル
・メラミン系のクリア塗料を用い、かつ、第2クリア塗
料として、塗膜になったときにガラス転移温度が85℃
となる酸−エポキシ硬化タイプのアクリル系クリア塗料
を用いること以外は、上記実施例1と同様である。
【0029】得られた塗装板について、実施例1と同
様、付着性、耐汚れ性及び耐擦り傷性を評価した。それ
ぞれの結果を表2に示す。 (比較例1)第2クリア塗膜5を形成しないこと以外
は、上記実施例1と同様である。得られた塗装板につい
て、実施例1と同様、付着性、耐汚れ性及び耐擦り傷性
を評価した。それぞれの結果を表2に示す。
【0030】(比較例2)第2クリア塗料として、塗膜
になったときにガラス転移温度が60℃となるアクリル
・メラミン系のクリア塗料を用いること以外は、上記実
施例1と同様である。得られた塗装板について、実施例
1と同様、付着性、耐汚れ性及び耐擦り傷性を評価し
た。それぞれの結果を表2に示す。
【0031】(比較例3)第1クリア塗膜4を形成しな
いこと以外は、上記実施例1と同様である。得られた塗
装板について、実施例1と同様、付着性、耐汚れ性及び
耐擦り傷性を評価した。それぞれの結果を表2に示す。 (比較例4)第1クリア塗料として、塗膜になったとき
にガラス転移温度が85℃となる酸−エポキシ硬化タイ
プのアクリル系クリア塗料を用いること以外は、上記実
施例1と同様である。
【0032】得られた塗装板について、実施例1と同
様、付着性、耐汚れ性及び耐擦り傷性を評価した。それ
ぞれの結果を表2に示す。 (比較例5)第1クリア塗料として、塗膜になったとき
にガラス転移温度が95℃となるアクリル・メラミン系
のクリア塗料を用い、かつ、第2クリア塗料として、塗
膜になったときにガラス転移温度が53℃となる2液ア
クリル・ウレタン系のクリア塗料を用いること以外は、
上記実施例1と同様である。
【0033】得られた塗装板について、実施例1と同
様、付着性、耐汚れ性及び耐擦り傷性を評価した。それ
ぞれの結果を表2に示す。
【0034】
【表2】
【0035】なお表2中、付着性の評価において、○は
着色塗膜3に凝集破壊が起こらなかったもの、×は着色
塗膜に凝集破壊が起こったものを示す。また、耐汚れ性
の評価において、ΔEとは試験前後における塗装板の色
差のことであり、この値が1.0以下であれば耐汚れ性
が十分に良好であることを示す。また耐擦り傷性の評価
において、○は擦り傷が目視で問題のないレベルであっ
たことを示し、×は擦り傷が目視で問題のあったことを
示す。
【0036】表2より、ガラス転移温度が40〜60℃
の第1クリア塗膜4及びガラス転移温度が80〜100
℃の第2クリア塗膜5を着色塗膜3の上に形成した本実
施例に係るものは、付着性と耐汚れ性及び耐擦り傷性と
の両立が図られていることが明らかである。 (クリア塗膜のガラス転移温度と付着性及び汚れ性との
関係)上記実施例1、2及び比較例1〜5において、ク
リア塗膜のガラス転移温度と付着性及び汚れ性(ΔE)
との関係を図2に示す。なお、汚れ性については、上述
したようにΔEの値が1.0以下であれば、耐汚れ性が
十分に良好である。
【0037】図2より、クリア塗膜のガラス転移温度を
60℃に以下にすれば、着色塗膜の付着性を十分に向上
させることができ、またクリア塗膜のガラス転移温度を
80℃以上にすれば、耐汚れ性を十分に向上させること
ができることが明らかである。
【0038】
【発明の効果】以上詳述したように、本発明のダブル塗
膜付きの着色塗膜によれば、着色顔料濃度が40PHR
以上と高い着色塗膜であっても、耐汚れ性や耐擦り傷性
の特性を十分に確保しつつ、着色塗膜の付着性を十分に
向上させることができ、着色塗膜の付着性と耐汚れ性及
び耐傷付き性とを両立させることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本実施例のダブル塗膜付きの着色塗膜の断面図
である。
【図2】クリア塗膜のガラス転移温度と付着性及び汚れ
性との関係を示す線図である。
【符号の説明】
2:ベース塗膜、 3:着色塗膜、 4:第1クリア塗
膜 5:第2クリア塗膜
フロントページの続き (72)発明者 小野 桂太 神奈川県平塚市東八幡4丁目17番1号 関 西ぺイント株式会社内

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被塗物表面に形成されたベース塗膜と、 該ベース塗膜の表面に着色顔料濃度が40PHR以上の
    着色塗料を塗装して形成された着色塗膜と、 該着色塗膜の表面に、塗膜になったときにガラス転移温
    度が40〜60℃となる第1クリア塗料を塗装して形成
    された第1クリア塗膜と、 該第1クリア塗膜の表面に、塗膜になったときにガラス
    転移温度が80〜100℃となる第2クリア塗料を塗装
    して形成された第2クリア塗膜とからなることを特徴と
    するダブルクリア塗膜付きの着色塗膜。
JP3951297A 1997-02-24 1997-02-24 ダブルクリア塗膜付きの着色塗膜 Pending JPH10235282A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008253988A (ja) * 2007-03-12 2008-10-23 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008253988A (ja) * 2007-03-12 2008-10-23 Kansai Paint Co Ltd 複層塗膜形成方法

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