JP5486098B2 - 画像を表示する方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置に関し、特に、両側から見ることができる画像表示用表示装置に関する。したがって、一方の側から見た画像は、他方の側から見た画像と異なる可能性があり、表示装置は、どちらかの側から見た場合に透明か又は半透明である。
本発明はさらに、こうした画像を表示する方法、印刷画像を表示するのに適するプリンタ、及び表示以前、特に印刷以前にデータを生成するためのラスタ画像処理(RIP)システムに関する。
各々の側の画像が異なり、かつどちらかの側から見た画像が透明か半透明の表示装置は、様々な文書で公知である。例えば、欧州特許第A-0170472号は、光透過性材料とシルエットパターンとを含むパネルであって、任意の配列の光制限材料が、このパネルを複数の離散した光制限領域及び/又は複数の離散した透明又は半透明領域に分割し、ある構造が前記シルエットパターン上に重なっているか、又はその一部を形成しているため、前記構造が、前記パネルの一方の側からのみ見えることを特徴とし、前記パネルを貫通して他方の側から透過する照度レベルが増加するにつれて、前記構造が、前記パネルの前記一方の側から知覚しにくいパネルが記載されている。多くの異なる視覚効果は、上記定義内に含まれる様々なパネルから得ることができる。したがって、一方の側から他方の側への視覚鮮明度は、前記構造で覆われた領域を除いて維持することができるが、この領域では、パネル全体を貫通して他方の側から一方の側への視覚鮮明度が維持される。一方の側から他方の側への可視性は、全体的又は部分的に妨げることができ、視覚鮮明度は、パネル全体を貫通して他方の側から一方の側に存在する、つまり、単方向の視覚効果を得ることができる。視覚鮮明度は、前記構造の領域を除いて一方の側から他方の側まで得ることができるが、他方の側から一方の側への可視性は、全体的又は部分的に妨げることができる。何れかの側からの視覚は、全体的又は部分的に妨げることができる。あらゆる場合に、貫通視覚は、パネルの裏側からパネルを貫通して知覚される照度レベルが、パネルの近くの側から反射する照度を十分に超える場合、パネルを貫通してどちらの方向にも得ることができる。透明領域の寸法は、一般に0.5〜3 mmである。
欧州特許第A-0170472号及び欧州特許第00118638号には、シルエットパターン及び強制構造の両方を生成する方法が記載されている。これらの特許に記載されている方法は、見当合せが可能な限り正確なスクリーン石版印刷又は類似の印刷工程を使用するシルエット及び/又は構造の逐次印刷、つまりマスクを塗布し、マスクを介して被着体上に印刷処理を行う方法と要約することができる。マスクを除去すると、シルエットパターンと画像は、マスク又はステンシルによってインクが浸透することが可能な領域にのみ被着体上に残る。
欧州特許第A-0234121号には、こうした画像を印刷するその他の方法が記載されている。やはり、記載されているマスクは、シルエットパターン及び画像の不要な部分とともに後で除去される。
米国特許第5396559号には、身分証明書、金融文書などに使用され、不規則なパターンのドットの外観を各々有する基準パターン及びメッセージパターンを使用する機密保護装置が記載されている。基準パターンは、不規則に配置されたドットの緻密なパターンであり、メッセージパターンは、調整されたバージョンの基準パターンであり、基準パターンのドットが、各々のドットの位置におけるメッセージ画像のグレー値つまり色の明度に応じて、ある量だけわずかに再配置されている。メッセージ画像は暗号解読され、基準パターンのフィルム透過度で見ると、グレー値の範囲で可視化する。ドットパターンは、写真又はホログラムとして印刷、型押し又は記録することができる。メッセージ画像の解読は、接触マスク、メッセージパターンと基準パターンの画像の重なりを通して見るか、基準パターンの実画像に配置されたマスクを通してメッセージパターンを見るか、又は類似の方法により行うことができる。
日本国特開平5-57863号には、画像の領域に透明な部分を含む画像の生成が記載されている。この出願に記載されている方法では、後部パターン層、被覆インク層及び前部パターン層の順に透明プラスチックシート上に重ね合せ印刷して、複数の小さい透明部分を画像内に残すことにより生成される。重ね合せ印刷を行う方法については、説明されていない。
日本国特開昭64-69397号には、複数の穴を含む印刷層を有する透明プラスチック又はガラス被着体を製造する方法が記載されている。この方法は、画像を第2の被着体上に印刷し、画像及び第2被着体を穿孔して、画像のみを第2被着体から透明プラスチック又はガラス被着体に転写するステップを含む。
本発明は、複数の第1の透明又は半透明領域と複数の光制限領域とを有する光制限シルエットパターン層と、少なくとも1つの色を有して前記光制限シルエットパターン層に重なる少なくとも1つの構造層とを含む画像を、第1の側と第2の側とを有する表示装置に表示する方法であって
記構造層の定義をコンピュータに与えるステップと、
前記コンピュータが、前記定義に基づき前記構造層のコンピュータ処理バージョンを生成するステップと、
前記コンピュータが、前記構造層の前記コンピュータ処理バージョンを、前記構造層複数の第2の分離した透明又は半透明領域と他の領域とに細分化されるように修正するステップと、
前記コンピュータによって修正された前記構造層の前記コンピュータ処理バージョンを、前記表示装置に出力するステップと、
前記コンピュータによって修正された前記構造層の前記コンピュータ処理バージョンと、前記光制限シルエットパターン層とを、前記複数の第1の透明又は半透明領域と前記複数の第2の透明又は半透明領域を見当合わせした状態で表示するステップとを具備し、
前記画像は、前記表示装置の前記第1及び第2の側のいずれか一方から前記少なくとも1つの構造層を見ることができるとともに、前記第1及び第2の側の他方からは前記複数の光制限領域によって前記少なくとも1つの構造層が見えにくくなり、
前記画像は、前記表示装置の前記第1及び第2の側の前記他方から見たときに、前記複数の第1の透明又は半透明領域と前記複数の第2の透明又は半透明領域とが互いに見当合わせされていることにより、実質的に透明又は半透明になる、
像表示方法を提供する。
次に、本発明、その実施例及び長所について、以下の図面を参照して説明する。
図1は、本発明に基づく表示装置の略断面図を示す。 図2は、本発明に基づく表示システムのブロック線図を示す。 図3は、本発明に基づく透明領域を含む複合画像を示す。 図4A及びBは、本発明に基づく透明領域により画定された文字及び形状を示す。 図5は、先行技術で表示された従来の淡色ウィンドウグラフィックスのグレー化効果を示す。 図6は、本発明に基づく表示装置の実施例2の略断面図を示す。 図7は、本発明に基づく実施例2に使用するバックライトの断面図を示す。 図8は、本発明に基づく表示装置の実施例3の略断面図を示す。 図9は、本発明に基づく印刷被着体の断面図を示す。 図10は、本発明に基づく別の印刷被着体の断面図を示す。 図11は、本発明の実施例7に基づく印刷被着体の断面図を示す。 図12は、本発明の実施例8に基づく印刷被着体の断面図を示す。 図13は、本発明の実施例10の印刷被着体の断面図を示す。 図14は、ポリマー剥離層上に生成された本発明の実施例11の耐久性かつ光学的に透明な透明層の断面図を示す。 図15は、積層ステップにおける実施例11の耐久性かつ光学的に透明な透明層の断面図を示す。 図16は、画像形成被着体と組み合わせた実施例11の耐久性のある光学的に透明な透明層の断面図を示す。 図17は、本発明の実施例12として変更された、画像形成被着体と組み合わせた本発明の耐久性かつ光学的に透明な透明層の断面図を示す。 図18は、本発明の実施例14〜16実施例に基づく印刷システムの構成部品のブロック線図を示す。 図19Aは、本発明の実施例14〜16に使用する印刷被着体の断面図を示し、図19Bはその上面図を示す。 図20は、本発明の実施例15に基づく印刷ヘッドの略図を示す。 図21は、本発明の別の実施例に基づくプリンタの略図を示す。
定義
本明細書で使用する用語について、以下のとおり定義する。
「着色剤」とは、別の材料又は混合物に色を付与する任意の材料を意味し、染料又は顔料である。
「着色剤受容層」とは、着色剤を被着体に転写するために形成される印刷被着体上の任意の層を意味する。
「耐久性」とは、本発明に使用する被着体が、標識に関連する摩耗及び引裂に耐えることができ、外部の環境において2〜5年間存在することを意味する。
「プラスチック」とは、熱を加えるか否かに関わらず賦形又は成形することができる材料を意味し、熱可塑性タイプ及び熱硬性タイプを含み、何れのタイプも可撓性、半剛性若しくは剛性、脆性又は延性である。
「耐汚れ性」とは、以下の試験に記載されている汚れに対するインクジェットインクの耐性を意味する。試験では、画像を黒い線で印刷して最低5分間乾燥させ、画像を通常取り扱う際に用いるように、指先で軽度から適度の圧力を加えて線を擦り、線の拡張が生じるかどうかを観察する。
「耐久性」とは、本発明に使用する被着体が、標識に関連する摩耗及び引裂に耐えることができ、外部の環境において2〜5年間存在することを意味する。
「馴染みやすい」とは、直接印刷フィルム内の被着体が、平らではない表面に適合し、フィルムの単位面積当たり著しい力を加えなくても、使用時にそうした適合を維持することができることを意味する。一般に、馴染みやすい被着体は、手で圧力を加えて付着させることができ、トレーラートラックの外部金属表面上のリベット又は溶接隆起など、周期的又は複合的な不規則性を有する表面に対し、被着体が該表面から持ち上がらない状態で適合することができる。直接印刷フィルム内の馴染みやすい被着体は、1994年のASTM D638-94bに従って室温において約3.5×107 N/m2(500 lb/in2)の最大引張応力に暴露した場合、かつ試験の際に使用されるキャリパが、被着体の断面の厚さ全体、接着剤の厚さ、及びインク受容層、導電層又は誘電層など、その他の任意の層の厚さを含む場合、降伏点及び/又は永久歪を示すことが好ましい。最大引張応力限度は、より馴染みやすいフィルムを形成するため、約1.4×107 N/m2であればさらに好ましい。最大引張応力限度は、さらに馴染みやすいフィルムを形成するため、約7×106 N/m2であれば最も好ましい。フィルムの馴染みやすさは、内部の完全性をさらに必要とする。最小引張応力限度は、約6.9×104 N/m2(10 lb/in2)であれば好ましく、約1.7×105 N/m2(25 lb/in2)であればさらに好ましい。
試験方法
混合散剤抵抗率:「The Application of ZELEC ECP in Static Dissipative Systems」(ニュージャージー州、ディープウォータのDuPont Chemicalsが1992年に発行)。
固有抵抗:「Tego Conduct S Resistivity Measurement and Apparatus」(メリーランド州、ロックランドのEsprit Chemical Comapnyから入手)。
表面抵抗:American Society for Testing and Materialsが発行したASTM D 4496-87及びASTM D 257-93)。
色ずれ:American Society for Testing and Materialsが発行したASTM D 2244-93。
色密度:「Reflective Optical Density on a Status T Method」バージニア州、アーリントンのGraphic Communications Associationが発行したANSI/ISO 5/3-1984、ANSI PH2. 18-1985の要件に基づく。反射光密度は、印刷業界の当業者が周知の技術を用いて測定する。本明細書の実施例は、スイス、レーゲンスドルフCH-8105のGretag Limitedが市販するGretag SPM50濃度計を使って評価した。その他の機器は、類似の比較を行うことができるが、必ずしも同じ値にならない。「色密度」は、潜像を形成する記録媒体上における個々の一次色の強度に関する測定単位であり、本発明のフィルムに重要である。なぜなら、色密度は、記録媒体上の画像を知覚した場合の美的価値観に大きい影響を及ぼすからである。比較上、透過光密度は、Macbeth TD 904などの光濃度計を用いて測定して良い。
シェフィールド:ジョージア州、アトランタのTechnical Association of the Pulp and Paper Industryが発行するTAPPI試験T 538 om-88に記載されているシェフィールド法測定単位。
上記の試験方法の開示事項は、引用することにより本明細書に包含する。
数字は、具体的に説明するために記載するにすぎない。寸法によっては、分かりやすくするために誇張してある。
図1は、本発明に使用する類の表示装置の略断面図を示す。表示装置は第1シルエットパターン2を含み、このシルエットパターンは、パネルを複数の離散した光制限領域5及び/又は複数の離散した透明又は半透明領域6に細分する光制限材料の配列を含む。光制限領域5は、光透過減少特性を有する。これらの領域は、極端には完全に不透明である、つまり透過の際の光密度は無限である。透過光密度TODは、反射光密度RODと区別され、以下の式により定義される。
ここで、Iiはサンプル材料上の入射光の強度であり、Itは、材料を通過する透過光の強度である。本発明では、光制限層5は、完全に不透明ではなく、多少の光を透過させることができる。光制限層のTODは1を超えることが好ましく、2を超えればさらに好ましく、2.5を超えればさらになお好ましく、3以上であれば最も好ましい。
半透明又は透明領域6は、光を透過させることが可能である。極端に言えば、透明領域6は、全ての光を透過させ、かつ光を反射又は散乱させない、つまりTODとRODは無限であり、反射の際の光透過密度は以下の式により表される。
IRは、反射光の強度である。
本発明では、半透明/透明領域6は完全な光透過体でなくて良い。つまり、領域6は、ある程度の光を吸収及び/又は反射及び/又は散乱させる。透明又は半透明領域のTODは、1未満の、或いは好ましくは0.5未満のRODを有することが好ましい。半透明領域6は、光密度が、目視で明確な差を確認するのに十分な量だけ光制限領域5と異なるべきである。領域5と6とのTODの差は、0.3を超えることが好ましい。本発明では、領域6は透明であることが好ましく、光学的に透明であればさらに好ましい。
光制限領域5及び/又は透明/半透明領域6のパターンは、ピクセルの任意の配列であり、例えば平行線、点、円、正方形などのパターンであり、これらは、規則的な配列、構造の形態、不規則な配列、又は乱雑な方法で配置することができる。透明領域6は、使用する表示装置に応じて任意の寸法で良いが、直径は、一般に0.1〜8 mmであり、0.2〜3 mmであれば好ましい。透明領域6対光制限領域5の割合は必要に応じて選択することができるが、一般に0.3対3、通常は約1であり、つまり表面積の50%は透明領域6により覆われる。本発明では、シルエットパターン2は、離散した複数の光制限領域5及び/又は離散した複数の透明又は半透明領域6を含む任意の空間光変調器又はフィルタで形成することができる。空間光変調器又はフィルタ2は、欧州特許第A-0170472号に記載されているシルエットパターンに類似するシルエットパターン、又は液晶(LCD)表示装置若しくはその他の適切な表示装置のバックライトで生成したパターンで良い。
空間光変調器又はフィルタ2と実質的に同延の表示装置3及び/又は表示装置4が配置される。表示装置3又は4は、4つの層7〜10、7’〜10’で図式的に示したフルカラー画像である画像を表示し、この画像は、透明又は半透明領域6及び着色構造領域7〜10、7’〜10’に分割されているので、空間光変調器又はフィルタ2の透明又は半透明領域6は、表示装置3、4の透明又は半透明領域6と整列配置される(見当合せされる)。表示装置3又は4は、例えば欧州特許第A-0170472号に基づく印刷画像若しくは類似の画像であるか、又は単色若しくはフルカラー画像を表示することができるLCD若しくはLED表示装置である。少なくとも1つの表示装置3又は4は、黒色又は暗色のパターンである。
表示装置1は、自立しているか、又はガラス状若しくはポリマー材料の透明シートなどの被着体に積層しても良い。ガラス又はポリマーシートは、表示装置3及び表示装置4に積層するか、又は層7〜10、7’〜10’の何れかの層の間、表示装置3とシルエットパターン2の間、若しくはシルエットパターン2と表示装置4の間に配置することができる。被着体は、自動車、バス若しくは建物の窓か、又は可撓性ポリマーシートで良い。表示装置3又は4が黒色又は暗色であり、透明シート1の付近に配置する場合、暗色の表示装置3、4は、欧州特許第0 133 761号に記載されている透明シートを色味付けすることにより部分的又は完全に形成することができる。
図2は、本発明の実施例1の略ブロック線図を示す。表示に適するグラフィックス図形は、画像生成手段12内で生成される。画像は、コンピュータ13、及びAdobe PhotoshopTM、Adobe IllustratorTM、Corel-DrawTM、AldusR、PagemarkerTM、Quark XpressTMなど、グラフィックス画像を生成するために開発された特殊なソフトウェアを使って生成することができる。画像生成手段12は、画像のピクチャ情報の全て又は一部、ピクチャ又は写真を点ごとに、コンピュータ13内にディジタルデータとして記憶される電気信号に変換するスキャナである。
グラフィックス画像が、情報の各々のピクセルの明度及び色を判定するのに十分なデータを含むディジタルデータのマトリックスとしてコンピュータ13内に記憶されると、それらのデータは、グラフィックス画像内の複数の透明領域6と一緒に表示することができるように生成される。
本発明では、これは、いくつかの異なる方法で行うことができる。
方法1:データの色分割層(慣例によるCMYK、つまりシアン、マゼンタ、イエロー及び黒色、又は黒色層を使用しない場合はCMY)は、これらの層の各々の透明領域6を表現する無色データを含むように変更することができる。こうしたデータの変更はコンピュータ13内で行われるが、本発明はこれに限定されない。透明領域6のパターンは、コンピュータ13内のグラフィックス画像上に「無色」の領域として透明領域6を重ねることにより形成することができる。無色データは、ラスタ又はピクセルデータとして記憶することができる。一般に、フルカラー画像を生成するために使用される、例えば米国特許第5,253,084号、第5,258,832号、第5,264,926号又は第4,758,886号に記載されているハーフトーンアルゴリズムを変更する必要はない。しかし、透明領域の小径(0.5 mm未満)を使用する場合、透明領域6のサイズ及びその間隔は、周期的な色ずれを防ぐために、ハーフトーンセルのサイズの整数倍ではないように選択することが好ましい。サイズが小さい透明領域6の場合、方法2が好適である。半透明/透明領域6は、規則的、不規則又は乱雑な配列の点、線、正方形、円、多角形若しくは類似の形状、又は構造若しくは画像を表現するこれらの別個の配列で良い。透明領域6のサイズ及び分布は、画像全体で変えることができる。
図3に示すように、透明領域6は、光を制限する画像部分22と、光制限領域5である画像領域により囲まれた透明/半透明領域6から構成される透明構造部分23を有する複合的かつ魅力的な造である。透明領域6は、構造の詳細を正確に表すために、異なる直径及び形状を有する。構造22、23の裏面には、フルカラー画像3又は4が表示される。シダの葉の精巧微細なパターンを印刷の複数層全体で見当合せされた複数の透明領域6内に表現するには、実質的に不透明な領域5により分割された小さいサイズの反復透明領域6を正確に印刷し、鮮明かつ明確な構造を形成する必要がある。
方法2:透明領域を表現するデータは、コンピュータ13内の別個の層、つまり透明度データ層である「T」層に記憶される。コンピュータ13からの表示出力ファイルは、色分割された一次印刷色層、CMYK又はCMY層及びT層を含む。後に説明するように、T層内の情報は、様々な方法で使用される。例えば、ラスタ画像処理(RIP)を行う場合、T層のデータは、RIPの際又は直後に最終ラスタビットマップ内の各々のCMYK層に導入される。このデータをラスタビットマップに導入すると、各々の色分割ビットマップが透明領域の同じ位置を有するため、小さい反復構造の歪みが減少し、最終画像の見当合せが改善されるという長所がある。あるいは、T層はRIPを迂回し、表示制御回路がT層を使用して、透明領域6が生成されるように表示装置3、4を制御することができる。例えば、表示装置3、4がプリンタである場合、透明領域6は、T層のデータに従って印刷時にプリンタヘッドを起動又は停止することにより生成することができる。
方法3:これは、方法2の変形例であり、別個の透明度データ層Tを使用する。これらの方法の違いは、データの形式である。方法3では、透明度データは、ドットマトリックスを記憶するのと同様に記憶されるが、ドットは、最終表示で着色ドットを表現するのではなく、透明領域6を表現する。ワードプロセシングソフトウェアとグラフィックスソフトウェアの全ての技術は、逆に複製される。つまり、データは、白色バックグラウンド上に着色ドットを表現するのではなく、光制限バックグラウンド内に透明領域を表現する。例えば、データは、透明なフォントとして記憶される。したがって、「I」などの文字は、図4Aに図式的に示すように、予め決められた配列の透明領域6を含む文字としてコンピュータ内に記憶される。「T」モードの場合、つまり透明度層Tに関するデータを生成する場合、「I」のキーを打つと、図4Aに示す透明領域6の配列が記憶される。同様に、透明度グラフィックスプログラムを使用すると、透明領域内に構造を形成することができる。したがって、直線又は形状を生成することができる。グラフィックス要素、つまり矩形及び透明なドットの線を図4Bに図式的に示す。
方法4:これは、方法1の変形例であり、CMYK層又はCMY層のほかにシルエット層2を含む。シルエット層2は、一般に淡色スポットカラー、特に白色として含まれ、各々のCMY又はK層の透明度データと合致する透明度データを含む。
方法5:これは、方法2の変形例であり、CMYK層又はCMY層のほかにシルエット層2を含む。シルエット層2は、一般に淡色スポットカラーとして含まれる。シルエット層2を生成して表示する際、同じ方法(RIPなど)は、CMYK層又はCMY層に関して説明したように使用することができる。
方法6:これは、方法3の変形例であり、CMYK層又はCMY層のほかに、シルエット層2を含む。シルエット層2は、一般に淡色スポットカラーとして含まれる。シルエット層2を形成して表示する際、同じ方法(RIPなど)は、CMYK層又はCMY層に関して説明したように使用することができる。
方法7:これは、方法4の変形例であり、表示装置3の第1画像及びシルエット層2のほかに、表示装置4の画像を含む。この第2の画像は、一般に、その他のCMYK層又はCMY層として含まれる。これらの層は、その他の全ての層内の透明度データと合致する透明度データを含む。
方法8:これは、方法4の変形例であり、表示装置3の第1画像及びシルエット層2のほかに、表示装置4の画像を含む。こうした第2の画像4を生成する際、同じ方法(RIPなど)は、第1画像3のCMYK層及びCMY層に関して説明したように使用することができる。
方法9:これは、方法6の変形例であり、表示装置3の第1画像及びシルエット層2のほかに、表示装置4の画像を含む。第2の画像4を生成して表示する際、同じ方法(RIPなど)は、第1画像3のCMYK層及びCMY層に関して説明したように使用することができる。
方法1〜9では、画像は、表示装置14に出力される。表示装置14は、本発明では、LCD又はLED表示装置に類似する直接表示装置15、間接プリンタ16〜19、又は直接プリンタ20、21である。
データを表示する方法は、データを記憶する方法によって決まる。
方法1、2及び7では、透明度データはCMYK又はCMYデータの各々の層に記憶されるので、CMYK又はCMYデータは、これらのデータが特定の方法の層の数を表示することができることを条件として、従来の表示装置と同様に処理される。
方法2、3、5、8及び9は、別個の「T」層を含み、この層は、本発明の表示装置により処理することができる。既存のグラフィックスソフトウェアによっては、透明スポットカラーを指定するか、又は任意の所望の色のスポットカラーを指定するが、このスポットカラーを透明として表示するように、表示装置を変更することができる。本出願では、方法2、3、5、6、7及び9に従ってデータを処理することができる装置は、透明度層表示装置又はTLD装置と呼ばれる。
図1の表示装置3又は4を正面から見て、その側の照度レベルが高い場合、透明領域6は暗く、一般に黒色に表示される。表示される画像が、画像の色を変更せずに透明領域6で単純に形成される場合、この画像は、オリジナルより均一に暗く表示される。この状態は、透明領域6が存在しない同じ画像に隣接して表示装置3、4を配置すると特に著しい。これは、表示装置3、4が自動車の窓を覆い、グラフィックスが車体上に続く場合に起こる。この状態を図5に示す(先行技術)。この図は、大きい白い文字が列車の側部上に塗布されている列車の写真のコピーである。白い文字は、従来の穿孔フィルムウィンドウグラフィックスで覆われた窓上を通る。隣接領域52と比較した窓領域54のグレーの外観は、明確に表示することができる。色相は、画像のフルカラー部分22が透明領域6を含む部分23に隣接する図3に関して説明した構成でも発生する可能性がある。本発明の以下の実施例は、この問題を解決する。
下色除去の技術は、印刷及び写真で周知である(例えば、1988年にFountain Press, UKが発行した「The Reproduction of Color in Photography, Printing & Television」参照)。3種類の従来の色、つまりシアン、マゼンタ及びイエローの組合せで画像の暗色領域を印刷又は表示する代わりに、下色除去を使用して、例えば別個の黒色トナー又はインクを使用することにより、色の黒色成分を別個に形成する。本発明のこの実施例では、この技術を新規な方法で使用する。表示するデータを生成する際、図2のコンピュータ13のコンピュータグラフィックスプログラムは、通常の方法で下色除去を実施するが、透明領域6の明白な暗色は下色除去に考慮される。例えば、画像領域の50%を透明領域6で形成する場合、50+X%の黒色成分を含む色は、X%の黒色成分のみで表示される。表示される色は真の色であり、残りの50%の黒色は、黒色に見える透明領域6で形成される。50%未満の黒色を含む色の場合、黒色は表示されない。その結果、オリジナルに関しては色が多少暗くなるが、それでも全体の効果は改善される。透明領域6を含むか否かに関わらず、画像の淡色領域間の色相の違いを防ぐには、透明領域6を含まない画像の淡色領域(例えば、図3の外側のウィンドウ領域22)は、黒色を追加して、つまり事実上は下色を追加して形成する。上記の実施例では、色が10%の黒色成分のみを含む場合、この成分は、透明領域6の領域内のこの色からできるだけ完全に除去される。透明領域6を含まない画像の部分では、画像全体の色相が一致するように、この同じ色に40%の黒色が追加される。
本発明の実施例のいくつかでは、表示装置4は、シルエット層2の他の側から部分的に見ることができる、つまり表示装置3の側から見える。これは、シルエット層2は、例えばある種の印刷法により、表示装置4を光学的に完全に隔離する不透明な状態で生成することはできないという事実による。表示装置4が暗色を有する場合、光を制限するが不透明ではないシルエット層2の結果は、表示装置3の全ての色がより暗くなることである。本発明では、表示装置3上に表示される画像の暗色化は、下色補正によってさらに補正されるか、あるいはこれが不可能な場合、透明領域6が存在する領域外にある画像3の任意の部分の黒色成分を増加することにより補正される。
透明領域6の暗色化効果を補正するその他の方法は、これらの領域を部分的に金属処理することである。金属処理を行うには、二方鏡で周知の技法を使用して、被着体全体の領域を部分的に金属処理すると良い。
本発明に基づく直接つまり同時表示装置15は、コンピュータ13の電気出力から直接少なくとも画像を表示し、シルエット層2の透明領域6がこの画像の透明領域と見当合せされるように、画像をシルエットパターン2と結合する表示装置である。本発明の実施例2に基づくこうした直接表示装置15を図6に図式的に示す。従来のLCD表示装置24は、アドレス指定ユニット28によりアドレス指定され、このアドレス指定ユニット28は、従来の方法、例えばケーブル及びコネクタ手段29によりコンピュータ13に接続される。LCD表示装置24は、ウィンドウの一部を形成する。LCD表示装置24の裏には、ケーブル及びコネクタ27により適切な電源(図示しない)に接続された光源26を有するバックライト又は反射器25が配置される。
バックライト25は、図1に示したシルエットパターン2を生成するように、透明材料の領域で分割されたストリップ、正方形、円又は類似形状の形態の照明を生成する。こうしたバックライト25の実施例を図7に図式的に示す。バックライト25は、透明領域31で分割された分散光を生成する一連の光ファイバ30から成り、透明領域31は、光学的に透明なアクリル樹脂などの透明な材料で良い。光ファイバ30は、光源26からの光を分散させ、かつバックライト25の平面に垂直な方向の長さに沿ってLCD表示装置24方向に分散した状態で光を放出するように加減される。これは、スリットなどの光要素32と呼ばれる凹凸をLCD表示装置24から離れた各々のファイバ30の表面に導入することにより行われる。分散した光の一連の円錐を生成するための光要素32を含むこうした光ファイバ30は、1996年2月26日から29日のInternational Congress and Exposition of the Engineering Society for Advancing Mobility Lnad Sea Air and SpaceにおいてMary Poppendieck及びDavid Brownが公表した「Control of light output from plastic optical fiber with optical elements」というタイトルの論文に記載されている。
光要素32が、LCD表示装置24から離れた各々の光ファイバ30の側に配置されると、光の個々の円錐は、LCD表示装置24のストリップ又は矩形などの部分を照明するように、LCD表示装置24方向に反射される。上記の論文で説明されているように、ファイバ30に沿った光要素32の間隔は、光要素32の間隔が、光源26からの距離に応じて互いに近くなるか又はファイバ内により深く貫入するように配置される。こうして、ファイバ30の長さに沿って、光が均一に抽出される。
光ファイバからのバックライトを生成する方法の詳細は、米国特許第5,226,105号、第4,907,132号、第4,885,663号、第4,845,596号、第4,519,017号、第4,234,907号、第5,432,876号、第5,187,765号及び第5,005,931号に記載されており、これらの特許は全て、引用することにより本明細書に包含する。
LCD表示装置24は、ケーブル及びコネクタ29並びにアドレス指定ユニット28を介してコンピュータ13により駆動されるので、光ファイバ30により照明されるLCD表示装置24の液晶セルのみが、上記の方法2又は3に従って生成された本出願の図1の画像3又は4のデータでアドレス指定される。透明領域が小さい場合、そのデータ内の透明領域の導入は、表示直前まで遅延することが好ましい。例えば、表示装置上の画像の出力データファイルは、先ずコンピュータ13内で生成される。次に、透明領域6が導入される。特に透明領域6が小さくかつ規則的な配列である場合、前の段階で透明領域を導入することによって、画像がフィルタなどの他のアルゴリズムによって処理される際、これらの領域に歪みが生じる。
上記の下色除去は、表示される画像3、4内の透明領域6の割合を考慮して行われる。バックライト25の透明領域31に対向するLCD表示装置24の領域では、コンピュータ13は関連データを出力するので、LCD表示装置24はこれらの領域では透明である。したがって、LCD表示装置24上に表示される画像3、4は、透明領域31によって分割された光ファイバ30により照明される画像3又は4の領域から構成される。LCD表示装置24の正面から見た場合、完全な画像3又は4は、LCD表示装置24の裏側全体の照度が、LCD表示装置24の前面全体の照度より低い場合、暗く見える透明領域6によって分割されているように見える。一方、LCD表示装置24の裏から見た場合、表示装置25の透明領域31は、光ファイバ30の裏側で生成される不透明領域によって分割される。
実施例2の変形例では、バックライト25は、図8に図式的に示す透明領域34によって分割される一連のLED要素33によって形成される。LED要素33は、LED要素33から放出される光がLCD表示装置24方向に投影されるように配列される。したがって、LED要素33は、コネクタ及びケーブル29及びアドレス指定ユニット28を介してコンピュータ13からLCD表示装置24に供給される画像データを含むLCD表示装置24のこれらの部分を照明する。コンピュータ13から出力されるデータは、図8に示すバックライト25の透明領域34と合致するLCD表示装置24に透明領域を形成する。
あるいは、本発明の実施例3に基づく表示装置14は、間接プリンタ16〜19でも良い。
本発明に基づく間接プリンタは、個々の色分割画像の逐次着色剤転写を中間画像支持体から印刷被着体に行う印刷法である。この方法は、一般に、最終印刷画像19を生成するためにプリンタ18で使用される一連の色分割、つまり単独一次色中間画像被着体を必要とする。この中間画像形成被着体17は、中間画像形成装置16内のコンピュータ出力データから生成される。こうした間接印刷法は、例えば石版又はスクリーン印刷である。
石版印刷に関しては、画像形成被着体17は、プリンタ18上における石版印刷に適する連続した画像形成ポリエステル石版プレートである。石版印刷被着体17の集合は、適切な画像形成装置16内のコンピュータ13の情報から直接生成される。石版被着体17は、本発明に従って図1の画像4、シルエットパターン2及び画像3の全て又は一部を連続して印刷するために使用される。例えば、図9に図式的に示すように、画像4は、光制限白色シルエットパターン43と見当合せされた透明シート41上の黒色パターン42であり、その上には、完全な4色画像44〜47が見当合せされた状態で印刷され、透明領域48が残る。データ表現は、上記7〜9の方法の何れかにより行われる。したがって、黒、白、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒の合計6枚のプレート17が必要である。個々のプレート17は、印刷層42〜47の色又は不透明度の十分な濃度を得るために、各々の色について数回使用される。暗色の透明シート41を使用すると、最初の黒色層を省略して、白、シアン、マゼンタ、イエロー及び任意に黒の5つの色層だけを使用することが可能である。次に、上記の方法4〜6の何れかに従ってデータ表現が行われる。様々な石版被着体17は、これらの間が良好に見当合せされるように、1995年5月4日に提出された同時係属特許出願第95106746号に記載されている方法で作成される。
画像データから中間画像形成被着体17を作成した後、プリンタ18内において従来の方法で透明フィルム上に最終プリント19が生成される。印刷に関連する本発明の全ての実施例に使用される印刷フィルムは、選択される被着体の馴染みやすい性質及び被着体の一方の主面に接触する馴染みやすい接着剤層により馴染みやすい。
別の一連の色層42〜47は、図10に図式的に示すように印刷される。層42〜47の順序は逆であり、印刷される最後の色は黒色層42である。透明な被着体41は、窓被着体に塗布されると、シートの外側層又はオーバラミネートを形成する。接着剤層50は、シートの印刷側に任意に塗布され、窓又は類似の構造にシートを固定する。接着剤層50は、オーバラミネートに関して以下に記載する接着剤の何れかである。図9及び図10の透明な被着体41は、本発明の実施例11に基づく光学的に透明なビニルシート材料であれば好ましい。また、接着剤層50も光学的に透明であることが好ましく、アクリル感圧接着剤が好適である。
感圧接着剤を使用することは好ましいが、選択する特定の被着体及び最終用途に特に適する接着剤をシート41上に使用することができる。こうした接着剤は先行技術で公知であり、強力粘着剤、感圧接着剤、再配置可能及び/又は配置可能接着剤、熱溶融型接着剤などがある。感圧接着剤は、1989年にVon Nostrand Reinholdが発行したSatas, Ed. Handbook of Pressure Sensitive Adhesive、第2版に広く記載されており、この文書の記載事項は、引用することにより本明細書に包含する。
さらに、図10に示すように、印刷層42〜47間の見当合せの誤差は、シルエットパターン内に透明領域48を形成することにより、つまり白色層43を着色層44〜47よりわずかに小さくすることにより補正することができる。同様に、黒色層42内の透明領域48も、白色層43内の透明領域48よりわずかに小さくすることができる。この方法により、着色層の見当の狂いは透明領域48内に侵入せず、同様に、白色層43の見当の狂いは黒色層42の透明領域48内に侵入しない。
中間画像形成被着体17は、スクリーンプリンタ18用の一連のスクリーンでも良い。次に、コンピュータ13からの出力は、スクリーン印刷技術の当業者が周知のとおり、自動スクリーン生成装置16に供給される。最終画像19は、スクリーン17を使った色の逐次印刷及び従来のスクリーン印刷技術により生成される。
間接印刷法の主な短所は、中間画像形成被着体17が、プリンタ18内に順に配置され、図1の画像3及び4並びにシルエットパターンの様々な層間の正確な見当合せを維持することが難しくなるか、あるいは時間がかかる校正刷り及び調整が必要になることである。多少の改善は、フルカラーレーザープリンタを使用することにより得られる。この場合、中間画像形成被着体17は、ドラムの帯電静電領域にトナーを吸引して被着体19に印刷するために使用される画像形成半導体ドラムにより形成される。6個以上のドラムを装備するには、高価な特殊なプリンタが必要であり、あるいは同じドラムを6回使用すると、正確な見当合せが困難になる。ベルギー、モートセルのAGFA-Gevaert NVが市販するAGFA ChromapressTM静電印刷システムは、本発明に基づく間接プリンタとして使用できる。このシステムは、印刷される被着体の各々の側に直列する4個のドラムとして配置された8個の静電プリンタドラムを備える。この印刷ドラムは、本発明に従って修正画像を生成するのに適するコンピュータグラフィックスシステムにより制御される。このシステムは、紙に印刷するように設計されるが、透明フィルム、特に、オーバヘッドスライドに関して公知のタイプの光学的に透明なポリエステルフィルムに印刷するように変更することができる。
本発明の方法の実施例4〜16では、表示装置14は直接プリンタ20であることが好ましい。本発明では、直接プリンタは、フルカラー画像の着色剤を単一の印刷被着体に直接付着させることができる。印刷被着体は、最終的な印刷製品であっても、あるいは中間被着体であっても良い。したがって、直接印刷法は、中間画像形成被着体17の集合を使用しない方法である。こうした中間画像形成被着体17は、プリンタ18内で被着体19に印刷する際に順に使用しなければならない。本発明に基づく直接プリンタ20は、コンピュータ13からの信号を被着体21、又はデカルなど、画像を転写するのに使用する単一の中間被着体上のフルカラー画像に変換し、例えば図9又は10に図式的に示すシートを生成することができる。
こうした直接印刷法としては、バブルジェット(登録商標)及びスパークジェット、熱式及び圧電式インパルスジェットを含むインクジェット、昇華若しくは質量熱転写を含む熱転写、又は静電若しくは電子写真印刷法があるが、これらだけに限らない。本発明では、直接印刷法は、Minnesota Mining and Manufacturing Companyが市販しているScotchPrintTM 電子グラフィックスシステムとして周知の静電転写法でも良い。このシステムでは、先ず特殊静電紙上に静電画像が生成され、次に単一の動作で透明被着体21に転写される。上記のScotchPrintTM法とスクリーン印刷又は石版印刷などの間接印刷法との違いは、画像の転写は単一の被着体17を使ってフルカラーで行われるが、間接印刷法は色分割画像形成被着体を使用してフルカラー画像を生成する点である。静電印刷の見当合せは、転写工程を使用するかどうかに関わらず、間接印刷法の見当合せよりかなり良好である。
本発明に使用する印刷法の実施例は、シートの形態で、又はロールからプリンタに分配される材料41を供給するステップと、本発明に従って所望の色の画像及びシルエットパターン42〜47を印刷するステップと、その画像をプリンタから検索するステップと、任意に、画像にフィルム50をオーバラミネートして受容体コーティング及び画像を水分、かき傷及び画像を破損する可能性があるその他の源から保護するステップと、次に剥離ライナーを剥離し、印刷画像を透明な被着体に付着させて表示させるステップとを含む。
直接印刷法は、良好な局所的見当合せを有することが好ましい。良好な局所的見当合せ印刷の例としては、フルカラーの比較的局所的な領域を印刷する従来の高品質インクジェットプリンタにより行われる印刷である。したがって、非常に高品質の見当合せは、受容媒体上で局所的に行うことができる。画像内の小さい各々の透明領域周囲には非常に高度の定義が必要なので、良好な局所的見当合せは有利であり、長距離にわたる画像全体の多少の歪みは許容される。一方、静電プリンタは、各々のカラーステーション間に数センチメートルの距離があるので、フルカラー印刷は、単一パス機械を使っても、インクジェットプリンタほど局所的には行われない。
多くの要素が、印刷の局所的見当合せに影響する。インクジェットプリンタは被着体を各々の色の間で2〜3 mmの距離だけ動かすが、単一パス静電プリンタは被着体を100〜150 mm動かし、Summagraphics SummachromeTM画像形成システムなどの熱転写プリンタは、全体の領域を印刷してから色を変える。試験の結果、色の変化の間の移動量は、局所的見当合せの程度に対する確かな指針とならないことが分かった。
プリンタは、多くの場合、「1 in当たりのドット数」つまりDPIで特徴を表される。試験の結果、DPIは良好な指針だが、以下の表1から分かるとおり、本発明に基づくプリンタを選択する際の確実な指針ではないことが分かった。
被着体21又は中間被着体17の反り若しくは歪み又は熱膨張/収縮も、局所的見当合せの理論上のレベルに影響するか、又は低下させる場合がある。
局所的見当合せの程度は、画像内に直径が異なる透明な円の規則的な配列がある特殊なフルカラー画像を含む特殊な試験画像を印刷することにより実際に判定することができることが分かった。透明領域の直径が一定の値未満に低下する場合、印刷の見当合せに誤差があると、個々の透明領域の直径が著しく異なる結果になる。
特殊な試験画像は、印刷される全ての層から構成し、各々の層を100%カラーで印刷することが好ましい。各々の層は、透明な円のパターンを含み、これらの円は、その他の全ての層と見当合せされた状態で直径が減少する。一例として、黒、白、マゼンタ、イエロー、シアン及び黒の色の層は、100%の色強度で順に印刷し、各々の層は透明な円の配列を含む。色強度は100%なので、見当違いは、透明領域内に侵入し、かつ透明領域の直径を減少させる個々の色として容易に見ることができる。
本発明では、印刷法及びこれに関連するプリンタの「局所的見当合せ指数」(LRI)は、印刷画像内の相当数の透明領域の直径が、意図された直径の50%まで任意の方向に減少した透明領域の直径(mm)として定義される。いくつの市販プリンタについて、代表的な値を表1に示す。LRIの実際の値は、プリンタを設定及び校正する際の精度によって決まる。本発明に基づくプリンタは、4種類以上の色を印刷した場合に、局所的見当合せ指数(LRI)が1.0 mmより良好、つまり1.0 mm未満であれば有利であり、0.6 mm未満であれば好ましく、約0.3 mmであればさらに好ましい。
一般に、シルエットパターン2は、図1の表示装置3及び/又は表示装置4に面する光制限淡色層又は白色層又は金属的な銀色又は金色層を含む。本発明では、この光制限淡色層2は、使用する印刷法に応じて淡色の金属的銀色又は白色インク又はトナーを使って印刷される。白色スポットカラーが好ましい。
「光制限」とは、付着層の光透過密度(TOD)が少なくとも1.0であることを意味するが、少なくとも2.0であれば好ましく、2.5であればさらに好ましく、3.0以上であれば最も好ましい。本発明に基づくコンピュータ13を使用するコンピュータグラフィックスに必要なソフトウェアは、白色領域が白色トナー又はインクをスポットカラーとして印刷され、透明領域が「無色」領域として「印刷」されるように変更される。
グラフィックスデザイン用のデータを生成するには、先ず画像3、4を生成し、光制限層43に関するデータとともにコンピュータ13に保存する。本発明に基づく下色除去は、上記の画像データ上で行われる。画像は、各々の一次印刷色に関するデータの色分割層又は平面として通常保存される。各々の平面は、黒、シアン、マゼンタ若しくはイエロー又はスポットカラーなど、1色に関するデータを表現する。従来の機器では、データ生成層7を使用して、100%黒色又は暗色の平面のデータ表現層42が第1画像4としてグラフィックスソフトウェア内に生成される。これは、スポットカラー層として生成される。次に、100%白色、銀色又は淡色の平面のデータ表現淡色層43が光制限層2として生成される。最後に、層44〜47のデータがグラフィックス画像3として生成される。黒色層及び白色層42、43は、スポットカラーとして指定することが好ましい。結果として、フルカラー印刷に使用される黒色層42について1つ、白色層43について1つ、マゼンタ、イエロー、シアン及び黒色の層44〜47について4つ、合計6つのデータの集合つまり平面が生成される。しかし、本発明は、これに限定されない。加工黒色、つまりシアン、マゼンタ及びイエローの混合による黒色が生成される場合、最終的な黒色層47は省略することができる。着色被着体を使用する場合、最初の黒色層又は暗色層42は省略することができる。1つ又は複数の層42〜47は、複数の層として塗布することができる。例えば、白色層43は、データ表現白色層43の一連の平面として保存し、最終的な印刷物に十分な不透明度を得ることができる。
透明領域48の配列はコンピュータ13内に生成され、画像データは、オーバレイ又はその他の技術により、印刷層42〜47のデータ表現層各々に透明領域48を導入して変更される。一般に、プリンタ16〜21では、透明領域48を含む変更画像から「EPS」分離ファイルが構成され、これらのファイルは、関連する画像形成装置16又はプリンタ20に送信される。あるいは、印刷されるデータに対する透明領域48の導入は、中間画像形成被着体17を生成する前か、又は印刷して印刷画像21を形成する前の可能な最終ステップまで遅らせることが好ましい。これは、別個のT層がコンピュータ13から出力されるデータ生成法5、6、8又は9を使用すると最適に行われる。T層データは、コンピュータ13から出力されるデータが様々な印刷層42〜47のラスタビットマップにラスタ画像処理される際に、CMYK層データ及びシルエット層データに導入される。これは、例えば印刷ファイルを生成する、スケールを変更する、MacIntoshフォーマットからDOSフォーマットに変更するためのデータの操作が、透明領域48などの小規模な反復構造が画像データに導入される前に行われるという長所がある。切捨てのエラーにより、ディジタルデータでの小規模な反復構造は、アルゴリズムにより動作する際に歪が生じる場合がある。こうした歪は、画像のサイズ若しくは形状、又は画像の一部の損失という周期的な変化として現われる。
印刷を保護するため、透明なオーバラミネート層49が使用され、これは光学的に透明であることが好ましい。オーバラミネート49は、本発明の実施例11に基づく光学的に透明なシート材料であることが好ましい。
本出願では、オーバラミネート49は、既存の任意の塗布又は未塗布シート材料の表面に付着することができる任意の透明な材料を指す。「オーバラミネーション」は、特に、最終製品又は画像の外観を損なう可能性がある気泡の混入、折り目又はその他の欠点がない状態でこの付着を行う過程を指す。
周囲湿度の有害な影響は、本明細書でオーバラミネートと言う透明な保護コート又はシートのオーバラミネーションにより遅らせることができる。オーバラミネーションは、画像をかき傷、飛沫から保護するという長所がさらにあり、オーバラミネートは、高度の光沢仕上げ又はその他の所望の表面仕上げ若しくはデザインを形成し、所望の程度の光学的ドットゲインを得ることができる。オーバラミネート層49はさらに、紫外線を吸収するか、又は下層及び画像を直射日光又はその他の輻射線源の有害な影響から保護する。オーバラミネートについては、例えば米国特許第4,966,804号に記載されている。
本発明の画像又はデザインを印刷した後、画像には、無色透明又はほぼ無色の材料49をオーバラミネートすることが好ましい。適切なオーバラミネート層49としては、片面に接着剤を有する任意の適切な透明プラスチック材料がある。オーバラミネート層49の接着剤は、熱溶融若しくはその他の熱接着剤又は感圧接着剤で良い。オーバラミネート層49の表面は、高度の光沢若しくは艶消し又はその他の表面組織を形成することができる。好適なオーバラミネート層49は、外部グラフィックス用途を対象として設計され、3M CompanyがScotchprintTM 8910外部保護フィルム、8911外部保護フィルム、及び8912外部保護フィルムとして市販している材料などがある。しかし、その他のフィルムを利用するか、又は製造することもでき、本発明は、具体的に記載したこれらの材料に限定されない。
透明なオーバラミネートを使用しない場合、米国、セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Co.のCommercial Graphics Divisionが市販している品番3920、8920、9720、66201及び2120など、ビニル/アクリル材料の保護透明コートを塗布して、耐久性のある画像形成被着体を保護することができる。こうしたコーティングは、プリンタによっては、画像印刷工程の最後に行うことができる。
層として有用な感圧接着剤は、層と、永久的かつ正確な画像を有するシート41を配置する品目の表面の両方に付着する従来の任意の感圧接着剤で良い。感圧接着剤は、1989年にVon Nostrand Reinholdが発行したSatas, Ed., Handbook of Pressure Sensitive Adhesive、第2版に広く記載されており、この文書の記載事項は、引用することにより本明細書に包含する。感圧接着剤は、多くの供給元から市販されている。特に好適な感圧接着剤は、アクリレート感圧接着剤であり、ミネソタ州、セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Companyが市販しており、米国特許第5,141,790号、第4,605,592号、第5,045,386号及び第5,229,207号に記載されている。
本発明に有用な感圧接着剤のその他の非制限的な例としては、米国特許第Re.24,906号(Ulrich)、第2,973,826号、第Re.33,353号、第3,389,827号、第4,112,213号、第4,310,509号、第4,323,557号、第4,732,808号、第4,917,929号及び第5,296,277号(Wilson等)、並びに欧州特許公開0 051 935号に記載されており、これらの特許の開示事項は、引用することにより本明細書に包含する。現在好適な接着剤は、65/35ヘプタン/アセトン溶剤系(39〜41%固体)中の90/10重量%モノマー比の2-メチルブチルアクリレート/アクリル酸から形成され、内部粘度が約0.7〜0.85 dl/gのアクリレートコポリマー感圧接着剤である。
接着剤318の厚さは、約0.012 mm〜約1 mmの範囲であるが、約0.025 mm(1 mil)の厚さが好ましい。
接着剤は、任意のライナー(図示しない)で保護され、こうしたライナーは、画像グラフィックス媒体の当業者が周知の従来の剥離ライナーから構成することができる。非制限的な例としては、イリノイ州、オークブルックのRexam Releaseが市販しているPolyslikTM剥離ライナー、並びに一方の主面に艶消し裏面コーティング、他方の主面に酸化バナジウム/界面活性剤/スルホポリエステル帯電防止下塗コーティング及び縮合硬化シリコーン外部コーティングを有する0.096 mmのポリエチレンテレフタレートフィルムなどのポリエステルライナーがある。これらの帯電防止コーティングは、米国特許第5,427,835号(Morrison等)に一般に記載されており、この特許の開示事項は、引用することにより本明細書に包含する。理想上、このライナーは光学的に平坦である。このライナーは、シェフィールド値が1〜10であることが好ましい。
その他の剥離ライナーの非制限的な例としては、シリコーン塗布クラフト紙、シリコーン塗布ポリエチレン塗布紙、ポリエチレン若しくはポリプロピレンなどのシリコーン塗布又は未塗布ポリマー材料、並びにシリコーンウレア、ウレタン及び長鎖アルキルアクリレートなどのポリマー剥離剤を塗布したポリマー材料があり、米国特許第3,957,724号、第4,567,073号、第4,313,988号、第3,997,702号、第4,614,667号、第5,202,190号及び第5,290,615号に定義されている。これらの特許は、引用することにより本明細書に包含する。
本発明では、印刷時の透明領域は、RIP後に導入される。プリンタ20又は中間画像形成装置16は、画像の透明領域を導入するために構成された「TLD」装置である。例えば、プリンタ20がインクジェットプリンタである場合、プリンタは、規則的な間隔で印刷被着体の幅全体に対して印刷が行われないように構成することができる。その結果、一連の平行な透明領域が形成される。あるいは、印字ヘッドを何度か停止すると、正方形又は矩形の透明領域を分布させることができる。プリンタ20が静電プリンタである場合、各々の印字ヘッドの部分を省略又は停止すると、長手方向の一連の透明領域が形成される。ヘッドのこの部分を順に停止すると、正方形又は矩形の透明領域を導入することができる。
本発明に基づくTLDプリンタは、T層データを使用してプリンタ20を制御して形成する。ラスタ画像処理後、ラスタビットマップは、印刷時に透明領域が生成されるようにラスタビットマップを変更するT層データを使用して、その他のアルゴリズムで動作する。こうした変更は、プリンタ20内のハードワイヤード回路により行われるか、又はプリンタ20内の局所プロセッサ上で動作するソフトウェアにより行われる。あるいは、T層データを使用して、印字ヘッドを直接制御することができる。例えば、インクジェットプリンタの場合、印字ヘッドに送信される印刷信号は、T層データに従って抑制され、所定の位置に透明領域を生成する。
本発明の実施例4では、シルエットパターン2及び画像3又は4は、インクジェット又はバブルジェット(登録商標)印刷法を使用して印刷される。インクジェット印刷法は、サーマルインクジェット印刷及び圧電インクジェット印刷など、様々な手順を含む。これらの方法は全て、個々に区別できる量のインクが微細ノズルから受容シート方向に噴霧される点が共通している。最近、ワイドフォーマットプリンタが市販されるようになり、大型の技術図面、ブループリント、カラーポスター、標識など、比較的大きい製品の印刷が実行可能になった。非耐久用途に適する受容シートは、Minnesota Mining and Manufacturing Companyが市販する透明ポリエステルのマーキングフィルム8501/8501Hである。実施例11に基づく光学的に透明な可撓性ビニル被着体は、特に好適である。正確なインクジェット画像の形成は、商業的に使用可能な様々な印刷技術により行われる。保証された透明フィルム及びインクを含む適切な大型フォーマットプリンタは、米国、カリフォルニア州、パロアルトのHewlett Packard Corporationが市販するHewlett Packard HP Design Jet 750C又は755CMプリンタだが、他のブランドを使用することもできる。非制限的な例としては、DeskJetブランド、PaintJetブランド、Deskwriterブランド、DesignJetブランドなどのサーマルインクジェットプリンタ、Hewlett Packard Corporationが市販するその他のプリンタ、Seiko-Epsonが市販する圧電型インクジェットプリンタ、スプレイジェットプリンタ、及び連続インクジェットプリンタがある。本発明を実施するには、通常の4色、つまりシアン、マゼンタ、イエロー及び黒のほかに、追加のカートリッジを印字ヘッドに追加しなければならない。図9又は10の黒色層42及び白色層43を印刷するには、少なくとも追加の白色ステーション及び黒色ステーションが必要である。良好な透明度を得るには、2個以上の白色又は黒色カートリッジを印字ヘッドに追加する。
表1の試験結果から、インクジェット印刷では、きわめて正確な局所的見当合せ印刷が可能であることが分かる。着色インクジェット印刷用インクは、Minnesota Mining and Manufacturing Company(3M)から市販されている。一般に、3Mの着色インクジェットのインクは、水ベースの着色インクであり、市販の顔料粒子の懸濁液と、以下の公式の分散剤とを含む。
ここで、Rは、アルキル、アリル又はアラルキルアミンから一次アミノ基を除去して得られたアルキル、アリル又はアラルキル基である。
m=1〜6である。
R3及びR4は、水素又は低アルキルである。
R5は、アシル化試薬液、カルバモイルハロゲン化物、スルファモイルハロゲン化物、アルキル化試薬液、アルキル化(エポキシ化合物)試薬液、イソ(チオ)シアネート、スルホン化試薬液及びアズラクトン試薬液から成るグループから選択される窒素反応化合物の残留物である。
20及びR21は各々、アルキル、アリル若しくはアラルキル基、プロトン、リチウム、ナトリウム、カリウム、アンモニウム若しくはテトラアルキルアンモニウムから成るグループから選択される陽イオンである。
インクジェットインク用顔料は、シアン、マゼンタ、イエロー及び黒の標準色を使用する。
黒色インクの場合、カーボンブラックを黒色顔料として使用することができる。本発明に使用するのに適するカーボンブラックの選択は、表面酸化(高度の「揮発性」が好ましい)、及び顔料の黒体度(噴射度とも言う)を主に考慮して行う。酸性であるか、又は表面処理した顔料は、強度の分散剤の吸着に適する相互作用部位を形成する。高度の酸化皮膜を有する顔料は比較的親水性であるため、はるかに容易に分散する。高度の黒体度又は噴射度を有する顔料は、高品質の印刷画像を形成する。
イエローインクの場合、ニッケルアゾイエロー顔料を使用すると、いくつかの長所がある。第1に、顔料によっては、戸外の環境においてきわめて耐久性のあるインクを形成する。第2に、こうした顔料は、新規な分散剤により複合的な結合を形成することができるニッケルイオンを含む。最後に、こうした顔料は、高度の熱伝導性を提供すると考えられる。したがって、噴射工程において、加熱要素上に粒子が付着する場合、付着したフィルムはインクの加熱効果を著しく減少させないので、適切な気泡の形成を可能にする。マゼンタインクの場合、主な考慮事項は、戸外の用途に適応するグラフィックス画像を生成することがきわめて必要であるから、耐光堅牢度である。キナクリドンマゼンタ顔料は、耐光堅牢度が優れていることが周知であるから、1つの好適なマゼンタ顔料である。
シアンインクの場合も、上記の考慮事項(つまり、耐光堅牢度、耐久性など)が当てはまる。銅フタロシアニンをシアン顔料として使用すると、様々な十分な特性が得られるので、こうした顔料を含むインクは、1つの好適な実施例である。
着色インクジェットインクは、以下の公式の分散剤を使って生成することができる。
適切な分散剤の特定の組成物を以下の表に示す。
* 実施例a〜e、h及びjの分散剤を生成するために使用するアスパラ銀エステルは、ペンシルバニア州、ピッツバーグのBayer Corporationが市販するDesmophenTM XP 7059Eだった。DesmophenTM XP 7059Eは、短鎖アルキル基を含む。
** 実施例hの分散剤を生成するために開環反応に使用するアミンは、ニューヨーク州、ロンコンコマのFluka Chemical Corp.が市販するJeffamineTM M-600[O-(2-アミノプロピル)-O’-(メトキシエチル)ポリプロピレングリコール 500]だった。
*** 実施例jの分散剤を生成するために開環反応に使用するアミンは、ニューヨーク州、ロンコンコマのFluka Chemical Corp.が市販するJeffamineTM M-1000[O-(2-アミノプロピル)-O’-(2-メトキシエチル)コポリ(エチレン,プロピレングリコール 9500]だった。
実施例5の実践及び現場では、本発明の化合物を形成する反応ステップに直接関連しない基は、最終的な分散剤の所望の物理特性要件に適合するように置換する。これは、許容可能であるというだけではなく、目的に合った分散剤の生成にきわめて好ましいか、又は重要である。個々の置換基は、こうした広範な置換を許容する場合、基と呼ばれる。例えば、「アルキル基」という用語は、エステル結合又はエーテル結合、未置換アルキル、ハロゲン、シアノ、カルボキシルエステル、スルホネートエステル又は塩類などの有用な置換基を含むアルキルを含む。「アルキル」又は「アルキル部分」という用語を使用する場合、これらの用語は、メチル、エチル、プロピル、ブチル、シクロヘキシル、イソオクチル、ドデシルなどの未置換アルキルのみを含むことになる。
上記の顔料及び分散剤のほかに、インクは、顔料沈殿防止剤として主に水を含む。こうしたインクは、様々な特性を得るためにその他の添加剤をさらに含む。例えば、アルコールポリオールは、インクの乾燥率を調整するために使用される。適切なアルコールポリオールとしては、例えばポリエチレングリコール及びポリプロピレングリコールなどのポリアルキレングリコール;エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2,6-ヘキサントリオール、チオグリコール、ヘキシレングリコール及びジエチレングリコールなど、アルキリレン基が2〜3個の炭素原子を有するアルキレングリコール;グリセロールエチレングリコールモノメチル又はモノエチルエーテル、ジエチレングリコールメチル又はエチルエーテル、及びトリエチレングリコールモノメチル又はモノエチルエーテルなどのアルコールポリオールの低アルキルエーテルがある。インク系の表面を湿潤させて表面張力を減少させるのに適する界面活性剤も、同様に加えることもできる。上記のほかに、先行技術で広く周知されているその他のインク添加剤を使用しても良い。これらの添加剤としては、水溶性有機補助溶剤、保湿剤、殺生剤、殺力黴剤、脱泡剤、腐食防止剤、粘度調整剤、pH緩衝剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤などがある。
顔料の分散を処理する現在の配合技術は、多くの処理技術を使用する。こうしたある技術では、超音波エネルギーを使用して混合及び粒子の解凝集を行う。他の技術では、ボールミル、サンドミル又は磨砕機などの媒体ミルを使用する。媒体ミルは、顔料混合物を高強度の微剪断及び漠落に暴露して、顔料粒子の凝集を粉砕することにより、許容可能な顔料の分散を行う。しかし、媒体ミル処理システムは、多くの場合、媒体摩耗生成物による汚れなどの短所がある。さらに、媒体ミル中の流量が一定レベルを超えて上昇する場合、結果として得られる研磨及び分散は一様ではなくなり、殆どの材料は、十分に処理されない状態でシステムを出て行く。
媒体ミルシステムに関連する問題は、ホモジェナイザ及び乳化機を使用して少なくとも部分的に解決することができる。これらのシステムは、固体のプレミックス及び液体を表面に衝突させるか、又は各々に対して衝突させることにより一般に機能する。残念ながら、こうした高圧装置は、顔料粒子が研磨性であり、かつ比較的大きい顔料凝集構造が、こうしたシステムが混合物を処理する狭い隙間をふさぐ可能性があるため、顔料の分散液を処理するには適さないと考えられる。こうした閉塞は、濾過又は予備処理して顔料凝集物のサイズを小さくし、顔料を十分に分散させてから高圧処理を行うことにより、少なくとも部分的に防ぐことができる。
さらに他の方法では、顔料分散液は、直径が約150μm〜約1000μm代の一連の小型ノズルに通すことができる。こうしたシステムは、高度の流体速度においてきわめて高圧に耐えることができる。これらのシステムの3種類の構成は、以下の構成を使用することができる。a)直径が減少する複数のオリフィスを備えた「楔」構成、b)オリフィスがキャビテーション強化装置を備えた「楔」構成、c)分散液の流れが少なくとも2つの要素に分割され、各々の流れがオリフィスを通過して噴霧を形成し、噴射流が、互いに衝突することにより再結合される「衝突噴射」構成。これらのシステムは各々、水ベースの着色インクを処理する際に十分な結果を生じることが分かった。
インクは、「楔」構成又は「衝突噴射」構成の何れかを使用して約15重量%の濃度で処理した後、追加量の脱イオン水及びジエチレングリコールで稀釈して、一定のジエチレングリコール対水比で約4%濃度という最終的なインク濃度にする。稀釈ステップでは、分散液は、例えばマサシューセッツ州、イーストロングメドウのSilverson Machines Inc.が市販している剪断ミキサーを使用して、水及びジエチレングリコールを順に加えながら適度な速度で混合する。ジエチレングリコールは、分散液の凝集を防ぐために徐々に追加する。
稀釈ステップの後、インクは、例えばミシガン州、アンアーバーのArbor Technologyが市販している5μのWhatman Polycap 36 HDカートリッジタイプフィルタを使って濾過する。イリノイ州、バーリントンのBarnant Co.が市販しているMasterflex蠕動ポンプなどのポンプは、インクをフィルタに供給するために使用することができる。背圧が約3 psiで約120 mm/minの流量が好適である。適切なインクのその他の例としては、名簿番号第52146USA4A号を有するMennesota Mining and Manufacturing Co.の米国同時係属特許出願第08/556,336号、この出願から優先権を主張する国際PCT出願PCT/US96/16148(PCT公開WO97/18272)号に記載されており、これらの特許は、引用することにより本明細書に包含する。
本発明では、図1の表示装置4は黒色層又は暗色層である。この層は、グラフィックスが塗布されるバス又は建物の窓の内側に面する。この黒色層は均一であり、グラフィックスは耐久性、特に耐水性があることが好ましい。
もう1つのインクジェット配合物は、上記の分散液をポリ(ジメチルシロキサン)-g-ポリ(アクリレート)などの水溶性シリコーンポリマーと置き換えて、インクジェット印刷、特にサーマルインクジェット印刷用水ベース着色インクの添加剤とする
インクだけではなく、インクジェット印刷被着体も、耐久性があることが好ましい。実施例7及び8では、本発明の耐久性インクジェット印刷グラフィックス製品に適する耐久性受容シートについて説明する。有利な点は、実施例7及び8の製品は、被着体が耐候性プラスチック材料から成る場合に顔料ベースインクジェットインクに適合するため、外部の標識環境に見られる状況において熱及び光安定性の画像を形成できることである。
次に、図11を参照すると、本発明のインクジェット印刷シート101が示されているが、このシートは、(a)画像受容層111及び112と、(b)これらの層が上にある被着体110とを含み、任意に(c)画像受容層111〜112から離れた被着体110の表面に塗布又は積層された接着剤層113を有する。接着剤層113は、剥離ライナー114で裏打ちされていてもいなくても良い。この実施例(図11)では、画像受容層111〜112は少なくとも2つの層を含み、一方の層は保護浸透層112であり、他方の層はインクジェット受容層111である。
インクジェット印刷工程を使用して、顔料粒子を含む乾燥インクのパッチとして示すインクジェットインク115でインクジェット印刷シートに画像が形成された後、印刷シート101には透明保護シート層116をオーバラミネートする。この透明保護層116は、一方の側に感圧接着剤若しくは熱溶融型(熱)接着剤、又は透明塗料、つまり印刷シート101の表面に影響を及ぼす処理法を有する透明プラスチックシートである。
インクジェット受容層111及び保護透明層112はどちらも、印刷シートの性能に寄与する粒子117及び118を各々有する。
一般に、剥離ライナー114は、接着剤層に接触する少なくとも一方の表面にシリコーン又はフルオロカーボンタイプの材料などの剥離材料を塗布されるか、又はこうした材料で処理された紙、プラスチック又はその他の適切なシートであり、したがって、接着剤層は剥離層に付着するが、必要に応じて剥離ライナーから容易に剥離して、接着剤層を露出させることができる。
簡潔に説明すると、本発明の実施例7の一態様では、インクジェット印刷シートは、被着体と、この被着体に接触する画像受容層とを備え、画像受容層は、1つの組成物から成る少なくとも1つの保護透明層と、第2の組成物から成る少なくとも1つのインクジェット受容層とを備え、インクジェット受容層は、保護透明層から突出するサイズの分散粒子又は微粒子を含む。あるいは、連続する順序で画像受容層に対向する被着体の側には、接着剤層及び剥離ライナーが存在する。
実施例7の長所は、被着体及び接着剤が、材料及び画像が雨、直射日光、外部環境、外部環境における表面に見られる温度の変化に暴露される外部環境において数年間にわたって耐久性を有するインクジェット印刷シートである。一般に、本発明の製品は、ある程度の曲率があるか、又は均一ではない表面、例えばねじ頭部又はリベットを備えた窓などに付着可能な多少の可撓性を有するので、材料が容易に裂けたり、画像受容層、オーバラミネート層、その他のコーティング若しくは画像に亀裂又は剥離が生じたり、突起上の材料が「開口」することがない。
インクジェット印刷シートは、例えば狭いか又は広い画像の両方をインクジェット印刷法により形成することができるワイドフォーマットインクジェットプリンタに使用するのに適する染料ベース及び顔料ベースのインクジェットインクを使用して、便利な画像を形成する。結果として得られる印刷シートは、接着剤層がインクジェット印刷シートの一部である場合、画像を簡単に汚すことなく容易に取り扱い、この分野で公知の技術を用いて窓、車体側面又はその他の表面に対し塗布することができるので、吹付け接着剤など、その他の装置を使用する必要がない。
最後に、実施例7の製品は、色流れ抵抗性及び低背景色など、理想的なインクジェット印刷シートに好ましいその他の特性を維持する。良好な色の彩度及び密度は、印刷画像にも観察される。印刷製品は、湿度に暴露されるか又はインクジェット印刷工程において過度にカールせず、印刷画像は、印刷後のインクの乾燥時間が短く、画像の鮮鋭度は良好である。
インクジェット印刷シートは、3MのCommercial Graphics Divisonから市販されている。インクジェット印刷シートは、PCT国際公開第WO96/08377号にも記載されており、この出願は、引用することにより本明細書に包含する。
その他の実施例は、同時係属米国特許出願第08/554,256号及びこの出願に基づいて優先権を主張する対応PCT国際特許出願に記載されており、これらの出願は、引用することにより本明細書に包含する。
本発明では、図1、7及び8に図式的に示すように、6つ又は7つのインク層が、互いに緻密な見当合せで印刷される。インクは、迅速に乾燥することが好ましい。本発明の実施例8は、インクジェットプリンタのための迅速に乾燥する受容体材料を対象としている。さらに、インク受容層は完璧ではないので、透明度を改善する方法が好ましい。
実施例8は、一態様では、対向する主面を有する親水性及び微孔質のポリマー隔膜を有し、かつ非多孔質の吸湿層が隔膜の少なくとも一方の主面に存在するインクジェット記録媒体を提供する。
吸湿層は、インクジェット画像を受容し、インク中に含まれる染料及び顔料を維持する手段になる。
親水性及び微孔質のポリマー隔膜は、インクジェット画像を含む吸湿層を強固に支持する手段であり、かつインク中に含まれる溶剤を吸湿層に維持される染料及び顔料から放散させる手段になる。
吸湿層と、親水性及び微孔質のポリマー隔膜との組合せは、精密なインクジェット画像を耐久性のある媒体に迅速に形成する手段を提供する。
本発明の目的上、「親水性」とは、表面上の液体の接触角が90°未満であることを意味する。本発明の目的上、「吸湿性」とは、層が、インクジェットインクに使用される溶剤及び界面活性剤の水ベースの配合物によって濡れることができ、水ベースの配合物が層に吸収されることを意味する。本発明の目的上、「微孔質ポリマー隔膜」とは、互いに結合する空隙構造を含むポリマーフィルムを意味する。本発明の目的上、「非多孔質層」とは、互いに結合する空隙構造を含まない層を意味する。本発明の目的上、「親水性微孔質ポリマー隔膜」とは、溶剤及び界面活性剤の配合物など、水ベースの液体の毛管及び表面張力によって、液体が吸収される、つまり隔膜の孔に入るポリマーフィルムを意味する。隔膜は、1気圧未満の圧力で水を吸収することが好ましい。本発明の目的上、「精密」とは、インクジェットがシートに滴下した結果生じる滴の広がりが、画像の解像度に悪影響が及ぶレベルより低いことを意味する。精密画像形成が行われない実施例は、画像の色流れ、一様ではない縁部又は斑な色を示す可能性がある。
本発明の実施例8では、図12のインクジェット記録媒体210は、上に吸湿性層214を有する親水性かつ微孔質のポリマー隔膜212から構成される。層214は、多層構造のコーティング又は積層に関わる当業者が周知の技術を用いて隔膜212上に塗布するか、又は積層することができる。コーティング又は積層技術の非制限的な例としては、ノッチ付塗布、カーテン塗布、ロール塗布、押出塗布、グラビア塗布、カレンダリングなどがある。
親水性かつ微孔質ポリマー隔膜212は、親水性であり、インクジェット配合物に一般に使用される水性溶剤を受容する。微孔質隔膜は、様々な孔のサイズ、組成、厚さ及び空隙率のものが市販されている。本発明に適する微孔質隔膜は、インクジェット記録媒体の親水性層上に排出されるインクジェットインクを十分に吸収するのに適する空隙率を有することが好ましい。この空隙は、インクジェットインクに接近可能でなければならない点に注意すべきである。つまり、空隙領域を親水性表面コーティング及び互いに結合させる溝がない微孔質隔膜、つまり閉鎖セルフィルムは、本発明の長所を示さず、空隙がまったくないフィルムと同様に機能する。
空隙率は、ASTM D792に(1-嵩密度/ポリマー密度)*100と定義されている。ポリマーの密度が分からない場合、空隙率は、密度が分かっている液体を隔膜に飽和させて、飽和した隔膜の重量と飽和前の隔膜の重量とを比較して決定することができる。親水性かつ微孔質ポリマー隔膜212の代表的な空隙率は10〜99%だが、一般的には20〜90%である。
隔膜の厚さに関連する空隙率は、隔膜のインクの容量を決定する。隔膜の厚さは、隔膜の可撓性、耐久性及び寸法安定性にも影響する。隔膜212は、一般的な用途では、約0.01 mm〜約0.6 mm(0.5 mil〜約30 mil)又はこれ以上の厚さを有することができる。隔膜の厚さは、約0.04 mm〜約0.025 mm(約2 mil〜約10 mil)であることが好ましい。
代表的なインクジェットプリンタの液体の量は、1滴当たり約40〜140 picoliterである。代表的な解像度は、1 cm当たり118〜283滴である。高解像度プリンタが供給する滴の量は、さらに少ない。実際の結果は、各々の色で1.95〜2.23 μliter/cm2の付着量を示す。多色システムにおける隙間のない被覆面積は、下色除去を使用すると300%の被覆面積にも達し、その結果付着量は5.85〜6.69 μliter/cm2になる。
親水性かつ微孔質ポリマー隔膜212の孔のサイズは、インクジェット記録媒体を使用するインクジェットプリンタの公称滴サイズより小さい。この孔のサイズは、シートの少なくとも片側の孔について0.01〜10 μmだが、0.5〜5 μmであれば好ましい。
隔膜212の多孔度、つまり空隙の状態は隔膜の厚さ全体を貫通する必要はなく、必要な空隙率を形成するのに十分な深さに達していれば良い。したがって、隔膜は本質的に非対称であり、一方の側が上記の特性を有し、他方の側が多少の孔を有するか又は孔がなくても良い。この場合、多孔性の側は、吸湿性層214を通過するインク中の液体を吸収するのに適する空隙率がなければならない。
親水性かつ微孔質ポリマー隔膜の非制限的な例としては、微細な空隙構造を有するポリオレフィン、ポリエステル、ポリビニルハロゲン化物及びアクリル樹脂がある。これらの候補の中で好適なのは、PPG Industriesが「Teslin」として市販しており、米国特許第4,833,172号に定義されている微孔質隔膜、及び精密濾過、印刷又は液体隔壁フィルムに一般に使用され、米国特許第4,867,881号、第4,613,441号、第5,238,618号及び第5,443,727号に記載されている親水性微孔質隔膜である。これらの特許は全て、引用することにより、改めて書いたと同様に本明細書に包含する。Teslin微孔質隔膜の全体の厚さは約0.18 mm、空隙率は、実験により65.9%と測定された。したがって、隔膜のインクの容量は、11.7 μliter/cm2である。したがって、この隔膜は、厚さに関連して十分な空隙率を有し、300%の被覆面積でも殆どのインクジェットプリンタにより付着されるインクを十分に吸収するので、吸湿性層内に保持される量を考慮する必要がない。
隔膜212は、当業者が周知の様々な添加剤を任意にさらに含むことができる。非制限的な例としては、珪素、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタン、又はその他のポリマー混在物がある。透明度を得るため、これらの充填剤は、その粒度が光の波長未満になるまで微粉砕する。隔膜212は、塗布性、表面張力、表面仕上げ及び硬度を改善するための変性剤をさらに含むことができる。
吸湿性層214は、上にインクジェット画像が形成された隔膜212の部分上に塗布又は積層された層で良い。したがって、層214は、隔膜212を完全に覆う必要はないし、隔膜212の両側を覆う必要もない。層214は、隔膜212の表面に実質的に存在し、隔膜内側の孔面には接触しない。媒体210の最終目的に応じて、隔膜212の少なくとも片側は、帯電防止コーティング、接着剤、隔壁層、補強層など、別の材料で密封するか、又はこれらの材料を塗布することができる。
層214は、当業者が周知の自然に発生するか又は合成して構成される様々な材料から構成し、インク受容面を形成することができる。層14を形成するために使用されるこうした材料の非制限的な例としては、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、カルボキシルメチルセルロースなどのセルロース誘導体、酸化ポリエチレン、水溶性澱粉及びゴムがある。さらに、珪素、タルク、炭酸カルシウム、二酸化チタンなどの無機質充填剤は、処理、強度、湿潤又は調節粘度を強化する上で有利である。米国特許第5354813号及び第5403955号などの媒染剤、並びに色安定剤を含むこともできる。
これらの材料のうち、吸湿性ポリマーコーティングは、製造の容易性及び精密インクジェット画像の染料及び顔料を受け入れ、永久的に接触し、かつ保持するインク受容面を形成する性能の点で好適である。これらのコーティングのうち、ポリ(N-ビニルラクタム)、ポリ酸化エチレン、メチル及びプロピルセルロース誘導体、並びにポリ(ビニルアルコール)が特に好適である。
吸湿性層214は、コーティング、積層又は同時押出しなど、多くの技術を用いて隔膜212上に形成することができる。親水性コーティング溶液を隔膜に塗布する場合、溶液の粘度及び濃度は、結果として得られるインクジェット記録媒体の性能に影響を及ぼす。例えば、低粘度のコーティング溶液を多孔性が非常に高いか及び/又は孔のサイズが大きい隔膜に塗布すると、吸湿性ポリマーで飽和し、表面にコーティングが殆どないか、又はまったくない状態が生じる。このように塗布された隔膜は、本発明の要件に適合しない。なぜなら、画像形成媒体は、比較的低い画像密度及び対比を一般に示し、乾燥するのが比較的遅いからである。
画像形成後の媒体210は、隔膜212の孔の構造が潰れて、米国特許第5,443,727号に記載されているような加熱又はカレンダリングなどの後処理により透明度を生じることができることが好ましい。
その他の実施例は、同時係属米国特許出願第08/614,986号及びこの出願に基づいて優先権を主張する国際PCT特許出願に記載されており、これらの特許出願は、引用することにより本明細書に包含する。
本発明に基づく直接印刷法の実施例9及び10は、静電印刷に関する。「静電」という用語は、記録ヘッドを使用して静電パターンが記録媒体上に重ねられ、トナー材料が静電パターンに順次吸引されて付着する記録法に使用する。この種の方法は、技術図面、広告用アートワーク、ディスプレイなどに使用される。
代表的な静電画像形成法では、複数の個々に充電可能な電極の線形の配列(一般に「ニブ」と呼ばれる)を含む記録ヘッドは、記録媒体を横断して走査され、これらのニブは、選択的に砺起されて、静電パターンを媒体上に重ねる。充電媒体はトナーと接触するが、トナーは、顔料又は染料を上に含む液体を一般に含む。過剰なトナーは媒体から除去され、トナーは充電領域にのみ残る。トナーは、実質的に乾燥するか又は定着して永久画像を形成する。この方法は、単色又はフルカラーグラフィックスに使用することができ、媒体を横断する単一パスか又は媒体を横断する複数パスで完了することができる。
記録媒体は、静電画像形成システムの重要な構成部品である。媒体は、静電パターンを受容、維持及び排出ができなければならない。この媒体はさらに、使用するトナーシステム、及び単一又は複数パス静電プリンタなど、特定の画像形成ハードウェアに適合しなければならない。
本発明の実施例9では、媒体の静電印刷は、静電画像を誘電紙構造上に印刷してから、その画像をポリマーフィルムに転写する必要がある。こうした従来の静電画像形成は、米国特許第5,114,520号(Wang等)に記載されている。
誘電紙構造は、紙又は紙状被着体と、この被着体の主面に塗布された導電層と、この導電層上に塗布された誘電層と、誘電層の上若しくは下、又は誘電層に接して塗布され、誘電層上に受容した画像が、熱及び圧力を付与した後に最終的な被着体に転写されることを可能にする剥離層とを含む。この転写法及びこの方法を達成する市販製品の例は、ミネソタ州、セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Companyが市販しているScotchprintTM電子グラフィックスシステムであり、これは、本発明に基づく直接印刷法である。本発明を実施するのに適するその他のシステムとしては、米国、カリフォルニア州、サンホセのRaster Graphics Inc.が市販しているDCS 5400並びにこれに対応する、シルエット層2用の白色及び銀色スポットカラーを含むインクがある。
単一パス及び複数パス静電プリンタは、どちらも使用することができる。複数パスプリンタは、単一印字ヘッドを備え、適切な一次色を各々のパスでヘッドに供給する。本発明では、トナーのシーケンスを使用して、図9及び10に関して説明した色のシーケンス、つまり最初の暗色層42、淡色光制限層43及びCMYK層44〜47の順か又はこの逆順で印刷する。単一パス機械は、現在4個又は5個の印字ヘッドが長手方向の印刷方向に互いに平行に配置されている。本発明では、従来の単一パス機械は、複数パスで動作するように変更される。例えば、4ヘッド静電プリンタは、印刷被着体の長手方向縁部に沿って印刷見当合せマークを含む暗色層42と、この層の透明度を増すために光制限層43の3つの同じ層を各々の上に塗布するように変更される。2回目のパスでは、CMYK画像層44〜47は、見当合せマークを使って見当合せを維持するように塗布される。あるいは、5ヘッド静電プリンタは、暗色層42、光制限層43、次にCMY画像層44〜46を1回のパスで印刷するために使用し、最終的な黒色ステーションではなく加工(CMY)黒色を使用する。本発明に基づく著しい下色除去により、別個の黒色(K、層47)は不要である場合が多い。
画像が静電紙から転写される好適な透明印刷被着体は、実施例11の光学的に透明なビニルシートである。ラミネータにおける静電紙から透明被着体への画像の転写によって、透明領域の印刷被着体の光学的透明性は多少低下する。これは、光学的に平坦なシートをポリエステルシートなどの成形具として使用して、画像の転写後に再び印刷被着体をラミネータに通すことにより補正することができる。ポリエステルは、ラミネータの温度では軟化しないので、画像がポリエステルに転写されることはない。
本発明の実施例10の一態様は、静電画像の直接印刷用フィルムの構造である。
一態様では、直接印刷フィルムは、耐久性かつ馴染みやすいポリマー被着体から成り、この被着体は、導電性顔料及び有機質溶剤を含むコーティング溶液から形成された導電層を有する。
導電層の導電性顔料は、混合散剤抵抗率が約2〜約15 Ω-cmであることが好ましい。
「混合散剤抵抗率」とは、導電性顔料メーカーの1つであるE.I. DuPontが記載する以下の試験に従って導電性顔料に使用される混合散剤の電気抵抗率を意味する。Capano等の「The Application of ZELEC ECP in Static Dissipative Systems」(1992年9月にニュージャージー州、ディープウォータのDuPont Chemicalsが発行)に記載されているように、上部と底部に電極を有する円筒状セルを使用して、混合散剤抵抗率の測定を行う。計量した混合散剤をセル内に入れて、実験用プレスを使ってペレットに押圧する。2つの電極間の抵抗を、付与された圧力及び混合散剤ペレットの厚さの関数として測定する。DuPont導電性顔料の混合散剤抵抗率は、この試験で一般に約2Ω-cm〜約20Ω-cmである。もう1つの導電性顔料メーカーであるドイツ、エッセンのGoldschmidt A.G.は、混合散剤抵抗率を「固有抵抗」と認識し、メリーランド州、ロックランドのEsprit Chemical Companyが提供する試験法を採用している。本出願の目的上、「混合散剤抵抗率」の特性は、「固有抵抗」の特性の概念を含む。
もう1つの態様では、直接印刷フィルムは、主面上に塗布された導電層と、この導電層上に塗布された誘電層とを有する耐久性かつ馴染みやすいポリマー被着体であって、誘電層がスペーサ粒子と研磨粒子を含むフィルムから成る。スペーサ粒子は、研磨粒子より硬度が一般に低いか、及び/又は研磨粒子より丸みのある構造であり、静電プリンタの画像形成ヘッドと直接印刷フィルムの残りの表面との間に比較的小さい隙間を維持する粗さを付与する役割を果す。研磨粒子は、静電プリンタの画像形成ヘッドに接触する研磨性を付与し、酸化物及びその他の好ましくない残留物を画像形成ヘッドから清掃する役割を果す。
あるいは、直接印刷フィルムは、直接印刷フィルムの他の主面に塗布されて、剥離ライナーにより保護された感圧接着剤の領域を有する。感圧接着剤領域は、上に画像が印刷されたフィルムを直接貼付して、最終的な位置に接着することを可能にする。
本発明の長所の1つは、静電画像を最終的な被着体上に形成する製造ステップを省略できることである。
静電直接印刷フィルムは、その導電層に約2×105〜約3×106Ω/□の表面抵抗を有することができ、その誘電層に約1×1108Ω/□を超える表面抵抗を有することができる。こうした表面抵抗の差によって、静電プリンタは、透明できれいな画像を生成する。
「表面抵抗」とは、ASTM試験指示D 4496-87及びD 257-93に基づく適度な導電性材料のD-C抵抗の測定基準である。
図13を参照すると、本発明に基づくフィルム310のフィルムの代表的な構成は、その一方に主面を有する被着体312と、導電層314と、誘電層316とを含む。フィルム被着体312の対向主面には、剥離ライナー320で保護された任意の感圧接着剤318がある。
フィルム310上の静電画像形成の場合、導電コーティング層314は、フィルム被着体312の上部主面の有機質溶剤ベースの導電性コーティング溶液から形成され、フィルム被着体312は、上記の実施例について上記で説明した任意の被着体で良い。導電層は、ポリマーマトリックス内に配置された、アンチモン添加酸化錫などの透明な導電性材料の複数の粒子を使用する。導電層314は、結合剤、導電性顔料、分散剤及び有機質ベースの溶剤を一般に含む導電性配合物の溶液から生成されるが、有機質ベースの溶剤は、製造工程において除去される。導電性配合物中の固体対有機質溶剤の重量比は、約10〜40重量%であるが、フィルム被着体312に塗布しやすいという点で、約25重量%が現在好適である。
導電性配合物をフィルム被着体312に塗布して蒸発させるか、又は有機質溶剤を他の方法で除去した後、導電層314の厚さつまりキャリパは約2〜約5μmで良いが、現在は約3μmであれば好適である。
結合剤の非制限的な例としては、アクリル樹脂、ポリエステル及びビニル結合剤がある。アクリル結合剤の中では、カルボキシ化アクリレート結合剤及びヒドロキシ化アクリレート結合剤は、バージニア州、サフォークのAllied Colloidsが市販している「Surcol SP2」カルボキシ化アクリレート結合剤及び「Surcol SP5」ヒドロキシ化アクリレート結合剤などが本発明に有用である。結合剤として使用可能ないくつかのポリエステル材料の中には、オハイオ州、アクロンのGoodyearが「Vtel」というブランドで市販している材料があり、グレードPE222及びPE200は、本発明に使用するのに特に適している。また、コネチカット州、ダンベリーのUnion Carbideが市販している「UCAR」及び「VAGD」ブランド樹脂などのビニル樹脂も有用と考えられる。
導電性顔料は、アンチモン含有酸化錫顔料、又はインジウム添加酸化錫、カドミウムスタネート及び酸化亜鉛などを含むことができる。
アンチモン含有酸化錫導電性顔料の非制限的な例としては、米国特許第5,192,613号(Work, III等)、米国特許第4,431,764号(Yoshizumi)、米国特許第4,965,137号(Ruf)及び米国特許第5,269,970号(Ruf等)、並びにドイツ連邦共和国、エッセンのGoldschmidt AGが市販している「Tego S」顔料及びデラウェア州、ウィルミントンのDuPontが市販している「Zelec」顔料の製品カタログに記載されている顔料がある。一般に、粒度は、特にGoldschmidtのTego S導電性顔料を使用する場合、微粉砕工程により縮小しなければならない。顔料は、粒度が可視光線の波長より小さくなるまで微粉砕することが好ましい。
導電層314の導電性顔料の粒度は、約0.02〜約0.4μmで良い。粒度が約0.02μm未満の場合、導電性顔料は溶剤の作用に同化しやすくなり、0.4μmを超えると、導電層314は透明度に影響する場合がある。
平均粒度は、約0.05〜約0.2μmの範囲で良いが、約0.1μmの粒子が最も好ましい。
混合散剤抵抗率は、約2〜約15Ω-cmの範囲で良いが、約2〜約10Ω-cmであれば好ましく、約6〜約7Ω-cmが現在好適である。DuPontの顔料の場合、混合散剤抵抗率は、「Zelec 3410-T」顔料については約2〜5Ω-cm、「Zelec 2610-S」については4〜15Ω-cmであると、本発明に許容可能であることが分かった。混合散剤抵抗率は、直接印刷フィルム上の画像の最終的な外観を調整する際に重要であることが分かっている。つまり、過度に抵抗性の材料は、比較的多量の導電性顔料を使用する必要があり、その結果、完成画像に好ましくない量の背景色が生じる可能性がある。
「Tego S」粒子は、固有抵抗が10であると確認されており、この値から、約10の混合散剤抵抗率が算定されると考える。
各種の界面活性剤材料は、非イオン及び陰イオン分散剤など、本発明の導電層314の分散剤として使用できる。一般に、非イオン分散剤が最適であるが、本発明はこれに限定されない。特に好適な1つの陰イオン分散剤は、コネチカット州、ウォリングフォードのBYK-Chemie USA Corporationが市販する「Lactimon」ブランドの材料である。やはりBYK-Chemie USA Corporationが市販している非イオン分散剤は、「Anti Terra U」ブランドの分散剤である。導電性配合物要の溶剤の非制限的な例としては、エチルエステート及びエタノールがある。
導電層314の配合物は、顔料対結合剤の重量比が約5:1〜約1:1である必要があるが、3:1であれば好ましい。「Tego S」導電性顔料を使用する場合、顔料対結合剤の重量比は約3.0:1〜約4.7:1の範囲で良い。DuPontの「Zelec」導電性顔料を使用する場合、顔料対結合剤の重量比は約1:1〜約4:1の範囲で良い。
顔料対結合剤の比率が1:1未満である場合、層314の嵩導電性が不適切になる。顔料対結合剤の重量比が約5:1を超える場合、フィルム被着体312上の層314の凝集強さが不十分になる。
誘電層316を導電層314上に塗布すると、静電画像形成に必要な静電抵抗を形成することができる。
誘電層316は、抵抗率が比較的高く、画像を直接印刷するためのフィルム310の性能に静電学的に役立つ。誘電層316は、フィルム10と記録ヘッドとトナーとの界面を形成するほか、導電層314を覆って保護し、フィルム310の上面を形成する。
誘電層316は、スペーサ粒子と研磨粒子の両方の粒子物質を含む誘電性配合物から層314上に、好ましくは結合剤中に分散する特定の比率で塗布される。
スペーサ粒子と研磨粒子はともに、その屈折率を考慮して選択し、誘電層316及びフィルム310の他の部分に適合する屈折率になるようにすべきである。こうして、フィルム310は均一な透明の外観を有する。スペーサ粒子は、塗布及び取扱いに耐える十分な剛性を有する材料から構成して良いが、高度に研磨性である必要はない。スペーサ粒子として有用な材料の非制限的な例としては、ポリマー若しくは鉱物などの比較的柔軟な材料、又は珪素若しくはガラスなどの比較的硬質な材料があるが、こうした比較的硬質な材料は、比較的丸みのある形態でなければならない。さらに特定すると、有用なスペーサ粒子は、合成珪素、ガラスミクロビード、天然鉱物、又はポリプロピレン、ポリカーボネート、フルオロカーボンなどのポリマー材料から製造することができる。
一般に、スペーサ粒子の平均粒度は約1〜約15μmの範囲であるが、約10μm未満であれば好ましい。一般に、スペーサ粒子は様々な粒度で存在するが、粒度は約3〜10μmであれば最適である。透明度を改善するには、粒度は0.4μm以下に縮小すると良い。
特に好適な1つのグループのスペーサ粒子材料としては非晶質珪素があるが、最適な材料は、W.R. Grace Corporationが「Syloid 74」ブランドで市販している合成非晶質珪素である。これらの材料の平均粒度は、Coulter装置で測定して約3.5〜7.5μm、Malvern分析器で測定して6〜10μmである。このグループの材料の1つの特定の要素は「Syloid 74 X-Regular」粒子を含み、その平均粒度は、Coulter装置で測定して6.0である。
本発明の誘電層316に有用な研磨粒子は、スペーサ粒子と研磨剤の性能が効果的に分断され、最適な誘電媒体を形成するように付与される。
研磨粒子は、選択されるスペーサ粒子材料より一般に硬質であり、スペーサ粒子材料より不規則な構成又は構造を一般に有する。好適な研磨材料としては、微晶質珪素及びその他の採掘又は加工された珪素などの珪素材料、並びにカーバイドなど、その他の研磨剤などがある。
研磨粒子は、スペーサ粒子と同じ粒度範囲を一般に有するが、代表的な範囲は約1〜約15μmであり、粒度は10μm未満であれば好ましい。
研磨材料の特に好適な1つのグループは、イリノイ州、エルコのUnimin Specialty Minerals, Inc.が「Imsil」ブランドで市販している採掘された微晶質珪素を含む。これらの材料は、98.9%の珪素及び少量の金属酸化物を含む。特定の効用を有するグレードとしては「Imsil A-10」があり、その中央値粒度は2.2μmであり、粒度範囲は、99%の粒子が10μm未満の粒度を有し、かつ76%の粒子が5μm未満の粒度を有する範囲である。
スペーサ粒子対研磨粒子の比率は、スペーサ粒子が比較的多量に存在する比率である。スペーサ粒子対研磨粒子の比率は、約1.5:1〜約5:1の範囲内であることが好ましい。この比率は、約3:1であれば最も好ましい。
スペーサ粒子及び研磨粒子は、一般にポリマー樹脂を含む結合剤中に配置される。この樹脂は、かなり高度の抵抗率を有し、両方のタイプの粒子及びトナーに適合しなければならない。樹脂は、十分な耐久性及び可撓性を有し、その結果、静電画像形成法で機能することが可能であり、周囲大気条件において安定しており、かつ透明でなければならない。
これらの基準に適合する樹脂は数多くある。1つの好適なグループの材料は、ペンシルバニア州、フィラデルフィアのRohm and Haasが「Desograph-E342-R」ブランドで市販しているタイプのアクリルコポリマーである。
誘電層316を形成するコーティング混合物は、トルエンなどの溶剤を使用することができ、こうした溶剤には、結合剤、スペーサ粒子及び研磨粒子を固体として添加することができる。コーティング混合物中の固体全体の量は、コーティング混合物全体の10〜約35重量%で良いが、約15〜25重量%であれば好ましい。全体の固体のうち、結合剤固体は約93〜約78重量%で良いが、82重量%であれば好ましい。固体全体のうち、好ましくは3:1のスペーサ対研磨剤混合物中の粒子固体は、約7〜約22重量%で良いが、18重量%であれば好ましい。
コーティング混合物の粒子固体は、ボールミル粉砕で約2時間にわたって室温で混合することができる。これらの条件では、粒子の形態に著しい縮小はなく、ボールミル粉砕処理は、粒子の混合及び分散にのみ役立つ。他の処理を使用しても良い。
良好な印刷のための表面粗さの必要性と、良好な透明度を得るための滑らかな表面の必要性との間には矛盾が見られる。表面の粗さは、ジョージア州、アトランタのTechnical Association of the Pulp and Paper Industryが発行したTAPPI Test T 538 om-88に記載されているシェフィールド測定法に基づくトナー粒子を付着させる微細構造を形成するのに必要である。印刷には、誘電層316の表面粗さは約50〜200シェフィールド単位であるべきだが、約80〜約180であれば好ましく、現在は140であることが好ましい。一方、シェフィールド単位が10未満の表面は、印刷部の透明領域、特に光学的に透明な領域に好ましい。本発明では、50〜80シェフィールド単位の表面(許容可能な範囲の下端)上に印刷し、次に、光学的に透明なポリエステルフィルムなどの光学的に平坦な成形具を使用して完成印刷物に対して印刷後のカレンダリング処理を行うことが好ましい。
再び図13を参照すると、一対の導電性接地ストライプ322及び324を形成した場合、残留電荷を接地面から排除する手段が形成されて、「前縁の曇り」を防ぐのに役立つ。これらのストライプ322及び324は、幅が約0.76〜約2.54 mmであり、フィルム310の対向側方縁部において誘電層316に取り付ける。
ストライプ322及び324は、マサチューセッツ州、ウィルミントンのRaffi and Swansonが「Multifilm, Conductive Black Ink 9093E20J」ブランドで市販している導電性インクから作ることができ、フィルムの側方縁部において誘電層316に浸透するように構成すると、導電層312に対する電気的接地を形成することができる。
したがって、本発明のフィルム310は、約0.07〜約0.15 mm(約3〜約6 mil)厚の剥離ライナー320と、約0.03 mm(約1 mil)厚の感圧接着剤領域318と、約0.05〜約0.10 mm(約2〜約4 mil)厚のフィルム被着体312と、約1〜約5 μm(0.04〜0.2 mil)厚の導電コーティング層314と、約2〜約4 μm(0.08〜0.16 mil)厚の誘電層316と、フィルム310の側方縁部において層316から層314を透過する導電性接地ストライプ322及び324とを順に有することができる。
本発明のフィルムを構成する好適な方法は、モジュール構造から成るが、順構造から構成しても良い。順構造の場合、剥離ライナー320から開始して、各々の層318、316、314及び312を剥離ライナー320上に構成する。
本発明の方法は、モジュール構造を使用することが好ましく、第1ステップでは、フィルムオルガノゾルを一時的剥離ライナー上に流し込む。この剥離ライナーは、本発明の実施例11に基づく光学的に平坦な剥離ライナーであることが好ましい。次に、オルガノゾルを溶融させて、当業者が周知の技術に従って被着体312を形成する。個々のモジュールでは、感圧接着剤領域318は剥離ライナー320上に流し込み、この剥離ライナーは、本発明の実施例11及び後に記載する技術に基づく光学的に平坦なライナーであることが好ましい。次に、フィルム被着体312のモジュールをライナー318上の感圧接着剤領域318の領域のモジュールと結合し、一時的ライナーを廃棄する。
あるいは、市販の感圧接着剤裏打ちポリマーフィルムを上記のモジュール構造の代わりに使用しても良い。
導電層314は、当業者が周知の任意の技術を用いてフィルム被着体312上に塗布するが、当業者が周知のワイヤバー塗布技術を使用することが好ましい。約6〜約40の#ワイヤバーは、層314に適する1〜5μmの厚さを形成するのに使用し、#10ワイヤバーはDuPont導電性粒子に有用であり、#12〜#40ワイヤバーはTego導電性粒子に有用である。ワイヤバー塗布処理ステップは、約9〜約19 m/minのライン速度で動作することができるが、約12 m/min(40 ft/min)の速度が好ましい。
誘電層316は、当業者が周知の塗布技術に従って導電層14上に塗布するが、誘電層316を導電層314上に逆グラビア塗布することが好ましい。ワイヤバーを使用する場合、全体の固体は約16重量%であることが好ましい。逆グラビア工程を使用する場合、全体の固体は約25重量%であることが好ましい。理論上の「配置」係数が約0.031〜0.078 mmであるルーリングミルシリンダを使用すると、層316に適する1.5〜5μmの厚さにすることができるが、3μm厚が好ましい。逆グラビア塗布工程は、約1.5〜62 m/minの範囲のライン速度で動作することができるが、約15 m/minの速度であれば好ましい。逆グラビアは、約0.5〜約1.5の範囲のロール比で動作することができるが、約1.0であることが好ましい。
接地ストライプ322及び324を使用する場合、こうしたストライプは、当業者が周知の技術を用いてフィルム310の側方縁部に付与することができるが、ストライプ322及び324をオフセットグラビア又はフレキソ印刷塗布することが好ましい。ストライプ322及び324は、この側方縁部において層316を透過し、ストライプ322及び324から層314までの接地経路を形成する。オフセットグラビア又はフレキソ印刷塗布工程のステップは、約12〜約31 m/minの範囲のライン速度で動作することができるが、約15 m/min(50 ft/min)のライン速度であることが好ましい。
画像形成後、フィルム310は、上記のようにオーバラミネートフィルムで保護することができる。本発明の実施例11のオーバラミネートフィルムは、特に好適である。
本発明のフィルム310の平均色密度については、バージニア州、アーリントンのGraphic Communicatoins Associationが発行したANSI/ISO 5/3-1984、ANSI PH2. 18-1985の要件に基づく「状態T法の反射光密度」に従って測定して、約1.0〜約1.6 O.D.単位の色密度を得ることができる。平均色密度は、約1.3〜約1.5 O.D.単位の範囲であることが好ましい。これらの値は、本発明のフィルム310が、上記のWang等及びChou等に記載されている工程に他の方法で使用される静電プリンタを使用してフィルム310上に直接静電印刷した後、優れたカラー画像形成能力を有することを示す。
カレンダリングの前、本発明のフィルム310は、約10〜約30の60°光沢を示すことができる。60°光沢は、1990年のASTM D2457-90に記載されているように測定することができる。印刷後のカレンダリングの後、フィルム310の透明領域の60°光沢は100〜150である。その他の実施例は、同時係属米国特許出願第08/581,324号に記載されており、この出願は、引用することにより本明細書に包含する。
本発明に基づく実施例に使用するオーバラミネート及び印刷可能被着体用のシートは、可撓性、耐候性かつ光学的に透明であることが好ましい。適切な被着体は、本発明の実施例11に基づくビニルシートである。あるいは、シートに光学的に透明な接着剤を塗布しても良い。
先行技術で公知の上記の光学的に透明な透明オーバラミネート及び印刷被着体は、大型フォーマットのグラフィックス用途に非常に適しているが、ビニルベースの光学的に透明な透明オーバラミネート及び印刷被着体フィルムは、成果がきわめて分かりにくい。
本発明の実施例11の一態様は、ポリマー剥離層上に形成された安価で耐久性があり、光学的に透明な透明層であって、本発明の層が許容可能な範囲の光学的透明性を有することを可能にする好適な表面特性を有する透明層である。
本発明の実施例11に基づくこの層は、塩化ビニル樹脂、任意のアクリル樹脂、任意の可塑剤及び任意の安定剤を含む組成物を含み、この組成物は、約0.05 mm(0.002 in)〜約0.12 mm(0.005 in)の厚さの値を有するポリマー剥離ライナー上に形成される。
層を形成する方法は、2つの主面を有する光学的に透明な透明層をオルガノゾルから、約0.05 mm(0.002 in)〜約0.127 mm(0.005 in)厚の第1ポリマー剥離層上に形成するステップと、感圧接着剤領域を第2剥離層に任意に接着するステップと、感圧接着剤領域を光学的に透明な透明層の露出主面に任意に積層するステップと、第1ポリマー剥離ライナーを任意に剥離するステップとを含む。
実施例11の長所は、耐久性があり、かつ光学的に透明な透明層が安定性並びに摩耗及び紫外線による劣化からの保護を生じる能力である。図9に示すように、印刷被着体41上の印刷層42〜47は、実施例11に基づくオーバラミネートであるオーバラミネート49により保護される。しかし、実施例11に基づくビニル層も図10の印刷被着体及びオーバラミネート41であり、間に画像42〜47を有する状態で接着剤50によりガラス窓などの被着体に接着される。したがって、本発明は、実施例11に基づくビニル層上の印刷だけではなく、本発明に基づく画像を保護する方法であって、実施例11の層をポリマー剥離ライナー上に形成するステップと、実施例11の層を画像上に積層するステップとを含む方法をさらに含む。
図14は、熱処理可能なオルガノゾル組成物の耐久性かつ光学的に透明な透明層412が、層412の光学的透明性の形成に役立つ滑らかな表面特性を有するポリマー剥離ライナー414上にある製版複合材料410を示す。
ライナー414は、当業者が周知であって、ハッガリーシェフィールド(上記参照)に従って測定して約1〜約10シェフィールド単位の表面粗さを有するポリマー剥離ライナー材料から形成することができる。ライナー414を選択する際、層412に接触するライナー414の表面の性質が、耐久性がある画像形成被着体上の層412の外面の外観を決定することを認識するべきである。剥離ライナーの非制限的な例としては、シリコーン塗布ポリエステル、ウレアルキド塗布ポリエステルなどがある。剥離ライナー414として特に好適なのは、0.07 mmのポリエステルフィルム上に0.005 mmキャリパのポリウレアアルキド組成物を含むウレアポリマーコーティングを有するウレアアルキド塗布ポリエステルである。
剥離ライナー414は、約100〜約150の範囲の光沢を有することができるが、約120〜約140であれば好ましい。光沢は、ASTM規格番号D523など、当業者が周知の認証された技術を用いてガードナー60°光沢計で測定する。
耐久性かつ光学的に透明な透明層412は、塩化ビニル、その他の任意の熱処理可能樹脂、任意の可塑剤及び任意の安定剤を含む熱処理可能な組成物を含み、層412をポリマー剥離ライナー414上に形成し、かつ層412の光学的透明性の形成に影響するライナー414の表面に害を及ぼさずに熱処理するのに十分な融解温度でオルガノゾルから形成することができる。
塩化ビニルは、全世界の多くのメーカーが市販している工業薬品である。本発明に有用な塩化ビニルは、オハイオ州、クリーブランドのB.F. Goodrich Chemical Companyが市販しているGeon塩化ビニル樹脂を含む塩化ビニル樹脂である。
層12を形成する際、もう1つの任意の樹脂としてアクリル樹脂を使用する場合、アクリル樹脂は、全世界の多くのメーカーが市販している化学薬品として容易に入手可能である。層12に有用なアクリル樹脂は、約75,000〜約125,000の数平均分子量を含むことが好ましい。本発明に有用なアクリル樹脂は、デラウェア州、WilmingtonのICI Resinsが市販している約100,000分子量を有するElavaciteアクリル樹脂を含むアクリル樹脂であることが好ましい。
あるいは、層412の組成物は、層12を形成して耐久性画像形成被着体に転写するのに役立つ可塑剤を含む。可塑剤の非制限的な例としては、1,4-ブチレングリコール;アジピン酸;ブチルオクチルフタレート;炭化水素樹脂;ジ(2-エチルヘキル)アゼレート;ジブチルアゼレート;ジヘキシルアゼレートなどがある。層12の組成物中に存在する場合、可塑剤として特に好適なのは、ペンシルバニア州、ATOChemが市販するVikoflex 7170可塑剤である。
あるいは、層412の組成物は、層412の形成を促進し、紫外線抵抗性を付与し、かつ耐久性画像形成被着体に対する転写を促進する安定剤を含む。安定剤の非制限的な例としては、インディアナ州、ハモンドのHal-stab Companyが市販しているHal-Lub、Hal-Base、Hal-Carb、Hal-Stabブランドの封鎖アミン光安定剤;コネチカット州、グリニッチのWitcoが市販しているNuostabe V1923ブランドの紫外線安定剤;ミネソタ州、セントポールの3M Comapanyが市販しているCosorbブランド紫外線安定剤;及びノースキャロライナ州、グリーンズボロのCiba-Geigy Corp.が市販しているTinuvinブランドHAL安定剤がある。層12の組成物中に存在する場合、安定剤として特に好適なのは、Ciba-GeigyのTinuvin 292 HAL安定剤又はNuostabe V1923安定剤である。
層412は、約40〜約60重量%の塩化ビニル、約10〜約30重量%のアクリル樹脂、約0〜約33重量%の可塑剤、及び約0〜約10重量%の安定剤の組成物を有することができる。
層412は、約45〜約55重量%の塩化ビニル、約15〜約30重量%のアクリル樹脂、約0〜約20重量%の可塑剤及び約0〜約8重量%の安定剤の組成物を有することが好ましい。
層412は、約47〜約60重量%の塩化ビニル、約16〜約27重量%のアクリル樹脂、約10〜約21重量%の可塑剤及び約2〜約6重量%の安定剤の組成物を有することができる。
層412の組成物は、配合剤を溶剤中で溶解させて生成することができ、溶剤は、ケトン及び芳香族炭化水素などだが、ジ-イソブチルケトン、ミネラルスピリット、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン及びトルエンであることが好ましく、等部分のこうした溶剤中で溶解させるとさらに好ましい。層412は、約0.70〜約1.10 gの乾燥塗布量でライナー414上にナイフ塗布又はグラビア塗布すると、約0.04 mm(0.0015 in)〜約0.08 mm(0.0030 in)の乾燥厚さが形成される。ライナー414は約0.5 mm(0.002 in)〜約1 mmの厚さを有し、層412は約0.5 mm(0.002 in)〜約1 mmの厚さを有することが好ましい。
塗布後、層412は、ライナー414上で乾燥させて、約90℃〜約120℃の温度で約2分間溶剤を除去し、次に、炉内において175℃〜205℃で30〜60秒間にわたって融解させる。次に、複合材料410は、任意だが好ましくは感圧接着剤(PSA)領域及びPSA領域を保護する第2剥離ライナーとして使用時まで保管する。
図15は、ポリマー剥離ライナー414に対向する層412の主面に積層された、つまり第2剥離ライナー418で保護されたPSA領域416の積層から形成された積層複合材料420を示す。
領域416及びライナー418は、当業者が周知の技術に従って積層以前の個々のステップで結合する。
領域416は、層412の光学的透明性と少なくとも同程度又はこれより良好な光学的透明性を有する従来の感圧接着剤で良い。こうした接着剤の非制限的な例としては、ポリアクリレート、ポリビニルエーテル、天然ゴム、シリコーン、ゴム、スチレンブタジエン、シス-ポリブタジエン、スチレン-イソプレンブロックコポリマーがある。使用する接着剤は、重量比が約50/50〜約90/10、好ましくは約75/25及び粘度が1100〜1500 cPのビニルアクリル配合物を含むことが好ましい。
領域416の積層厚さは約0.013〜約0.05 mmで良いが、約0.015〜約0.03 mmであれば好ましい。
剥離ライナー418は、当業者が周知の剥離ライナー材料から形成することができる。剥離ライナー材料418は、ハガーティシェフィールドに従って測定した表面粗さが約5〜約40 シェフィールドであることが好ましい。ライナー418の選択は、保管時及び使用前の層412及びPSA領域16の外観に影響し、こうした外観は、本発明の層に対する顧客の好みに影響する。剥離ライナーの非制限的な例としては、シリコーン塗布ポリエステル、シリコーン塗布紙、ウレアアルキド塗布ポリエステル、ウレアアルキド塗布紙などがある。剥離ライナー418に特に好適なのは、イリノイ州、オークブルックのRexam Releaseが市販しているシリコーン塗布ポリエステルであり、0.07 mmのポリエステルフィルム上に0.005 mmキャリパのシリコーンコーティングを有するものである。
剥離ライナー418の光沢は約80〜約130で良いが、約100〜約130であれば好ましい。光沢は、ASTM規格番号D523など、当業者が周知の認証された技術を用いてガードナー60°光沢計で測定する。
PSA領域416を層412に積層した後、第1ポリマー剥離ライナー414は、保管及び使用前に取り除くことができる。
図16は、完成複合材料430の断面の外観を示す。この複合材料は、層412と、その主面に接着され、被着体422にさらに接着されたPSA領域416とを含み、被着体422は、領域416が接着されたその主面上に画像424を有する。層412及びPSA領域416は、被着体422の主面に接触するが、被着体422を覆い隠すことはない。被着体422は、一方の主面に画像424を備え、対向主面に接着剤領域424(図示しない)を備える。画像424は、本発明に従って形成される。
画像424は、トナー、インク又はペンキの染料、顔料又はこれらの組合せを含むことができ、これらは全て当業者が周知しているか、特に本発明の実施例に記載されているものである。
画像424は、少なくとも約100℃、好ましくは少なくとも約105℃の処理温度に耐えることができる組成物を含むことが好ましい。このフィルムの表面は、殆どのインク、顔料、トナー、染料及びペンキを受容する。
被着体422は、画像グラフィックスの当業者が周知の透明被着体で良い。非制限的な例としては、透明ガラス、透明アクリルシート及び透明ポリカーボネートシートがある。被着体422は、建物又は車輌の窓で良い。
層412及びPSA領域416は、PSA領域416を被着体422に接着するのに十分な範囲の圧力、好ましくは約1〜5 kgの圧力を加えることにより、複合材料420上のライナー418から画像424及び被着体422に転写される。
層412及びPSA領域416は、画像424及び被着体422に接着した場合、約0.05 mm(0.002 in)〜約0.13 mmの結合キャリパを有することができる。キャリパは、約0.10 mm〜約0.13 mmであることが好ましい。
層412及びPSA領域416を画像424及び被着体422に貼付した後、ライナー18を取り除いて巻き、再生利用して後で使用することができる。
耐久性画像形成被着体の組成物に従来使用される機械は、被着体422に対する層412の感圧転写に使用することができる。こうした機械の非制限的な例としては、3M CompanyがScotchprintTM 9540及び9542などのラミネータがある。
図17は、本発明の実施例12を示し、画像426は、PSA領域416を接着する前の複合材料410の層412上に配置される。転写層412及びPSA領域416、並びに層412とPSA領域416との間の画像426は、図17に示す第2画像424を含むかどうかに関わらず、被着体422に接着され、完成複合材料430になる。この実施例では、ScotchprintTM電子画像形成システムなどの静電画像形成転写システム、及び8601番の画像転写紙などの静電画像形成紙を使用して(ともに米国、セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Co.が市販)、4色構造及びシルエットパターン層のトナー画像を静電紙から層412上に配置することができる。あるいは、PSA領域416を接着してライナー414を剥離すると、好ましい耐久性フィルムに積層を転写するための層412上に画像426が残る。あるいは、インクジェット又は熱転写など、本発明の実施例に基づく印刷法の何れかを使用して、画像を層412上に印刷しても良い。実施例13に基づく熱質量転写印刷は、特に好適である。
層412を使用すると、画像424、画像426又はこの両方及び被着体422を摩耗及び紫外線から保護することができる。
画像424が摩耗する以前の本発明の層412の研磨性は、ニューヨーク州、トナワンダのTaber Industriesが市販しているCS-10砥石車を使用して、使用する被着体のタイプに応じて約500〜約2000 作業周期だが、約500〜約1000作業周期であれば好ましい。
層412は、画像424及び被着体422を保護し、画像の外観を損なわない。層418は、光学的に透明であり、かつ目視で観察して透明である。光学的透明性は、人の眼と可視チャートとの間にフィルムが存在するかどうかに関わらず、標準の可視試験で測定して許容可能な可視性を与えることが好ましい。
保護透明層は、ウレアポリマーコーティングを有するウレアアルキド塗布ポリエステル上に形成し、コーティングは、0.07 mmポリエステルフィルム上の0.005 mmキャリパのポリウレアアルキド配合物を含み、保護透明層の成分は以下のとおりである。
46.7重量%のGeon 178ビニル樹脂(オハイオ州、クリーブランドのB.F. Goodrich);17.9重量%のElvaciteアクリル樹脂(デラウェア州、ウィルミントンのICI Resins);17.2重量%のVikoflex 7170可塑剤(ペンシルバニア州、フィラデルフィアのATOCehm);2.3重量%のTinuvin 292 HAL安定剤(ノースキャロライナ州、グリーンズボロのCiba-Geigy);2.3重量%のNuostabe V1923安定剤(コネチカット州、グリニッチのWitco);及びジ-イソブチルケトン2部及びミネラルスピリット1部の13.6重量%の溶剤系。
層は、湿潤厚さ0.127 mmでライナー上にナイフ塗布し、120℃の温度で2分間にわたって溶剤を乾燥させて除去し、次に175℃の炉内で45秒間溶融させて、乾燥厚さを約0.05 mmにした。
接着剤は、以下の成分から形成した。
VYHH(コネチカット州、ダンベリーのUnion Carbide) 69部
Acryloid B82(ペンシルバニア州、フィラデルフィアのRohm and Haas) 17部
Paraplex G62(イリノイ州、ベッドフォードパークのC.P. Hall) 14部
これらの成分は、等量部のキシロール、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンから成る溶剤混合物中で溶解させて、最終溶液粘度を1100〜1600 cPにした。溶液の領域は、0.076 mm湿潤厚さで、0.07 mmポリエステルフィルム(イリノイ州、シカゴのRexam Release)上に0.005 mmキャリパのシリコーンコーティングを有するシリコーン塗布ポリエステル剥離ライナー上にナイフ塗布し、120℃で2分間にわたって乾燥させ、乾燥厚さを0.0025 mmにした。
次に、実施例9のライナー上の層を実施例10の接着剤領域に接触させ、約2.3 Kg/cm2の圧力を加えて図15に示すラミネートを形成した。
本発明の特に好適な実施例13では、本発明の表示装置20、21は、熱質量転写プリンタ又は昇華プリンタなどの熱転写プリンタである。熱質量転写印刷の場合、ドナーシートつまり「リボン」は受容シートに接触して配置され、ドナーシートは、局所化熱印字ヘッドにより画像方向に(通常は裏から)加熱される。熱及び必要な場合、圧力は、画像方向の分配によって、材料は画像方向にドナーシートから受容シートに転写される。転写される材料は、一般に、結合剤を含む着色剤であり、例えば染料、顔料又はこれらの混合物である。結合剤は、熱的に軟化可能な材料、例えばワックス又は樹脂であり、ドナーシート上の支持体層から剥離し、受容シートに転写及び付着する。熱ヘッドは一般に、微細な加熱要素のマトリックスから構成され、各々の要素には個々にアドレス指定することができ、高度に制御された電流パルスが、加熱要素を含む抵抗を通過する。最近、大型フォーマット熱質量転写プリンタが市販されるようになったが、これらのプリンタは局所的見当合せが良好であり、例えば米国のSummagraphics CorporationのSummaChromeTM画像形成システム(406 DPI)、米国のGerber Edge Graphtec Corp.のGerberScientific製品、GC 1300システム(400 DPI)、又はRoland Digital GroupのColorCamm PNC-5000システム(360 DPI)がある。こうしたシステムは、本発明のコンピュータ13により直接アドレス指定することができる。
熱昇華プリンタと熱質量転写プリンタとの違いは、ドナーリボンが受容シートに接触しないことである。「昇華」という用語は、ドナーリボン上の着色剤層が蒸発し、中間の液体状態を通過せずに受容シート上に凝縮する事実を意味する。熱印字ヘッドの各々のセルに送信される電流パルスの数を制御することにより、発生するを調節することができ、その結果、昇華の量及びその位置における色密度が決定される。昇華プリンタの例としては、米国、セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Co.が供給するRainbowTMシリーズのプリンタがある。これらのプリンタは、一般に小型フォーマットである。
不透明な金属的銀色、白い不透明色及び光沢性耐久色を含む光制限熱転写印刷のためのリボン及び印刷法は、例えば米国特許第5,409,883号、米国特許第5,312,683号及び米国特許第5,472,932号で公知であり、これらの特許は全て、引用することにより本明細書に包含する。米国特許第5,409,883号及び米国特許第5,312,683号で公知の光制限白色及び金属的銀色リボンは、光制限淡色シルエットパターン2を本発明の着色画像3、4に見当合せして適切な被着体上に印刷する際に好ましい。白色光制限層の光密度は少なくとも1であり、少なくとも2であれば好ましく、少なくとも2.5であればさらに好ましく、3であれば最も好ましい。
非常に平らな表面を有するきわめて滑らかな光学的に透明な被着体は、転写工程は表面の誤差に敏感であり、最終シートは視覚をできる限り小さく制限しなければならないという点で好ましい。本発明の実施例11に基づく透明ビニルシートは、特に好ましい。熱転写リボンに使用される熱転写着色剤は、市販のリボンが耐紫外線性及び防湿性画像をフルカラーで形成するという点で有利である。
例えば、米国のSummagraphics CorporationのSummaChromeTM画像形成システム(406 DPI)は、8種類までのリボン用の8個のステーションを備えるプリンタを含み、各々のリボンは、熱印字ヘッドに個々に、かつ任意の順序で伝達することができる。これらのリボンの4つは従来の黒色、マゼンタ、イエロー及びシアンリボンであり、他の4つはスポットカラーであり、特に少なくとも1つは、上記の金属的銀色又は白色リボンなどの光制限淡色リボンである。樹脂ベースのリボンは、耐候性及び耐久性が良好な耐引掻性の印刷物を形成するという点で好ましい。SummaChromeTM画像形成システムを使った試験は、異なる着色リボンの複数層間の局所的見当合せが非常に良好であることを実証し(表1参照)、1 mm未満の透明領域直径まで正確な見当合せで印刷された。
熱転写印刷用被着体は、米国、セントポールのMinnesota Mining and Manufacturing Co.の透明マーキングフィルムVM 4414などの市販の透明な、特に光学的に透明なフィルム、又は市販の光学的に透明なポリエステルフィルムである。特に好適な被着体は、本発明の実施例11に基づく光学的に透明なビニルフィルムである。ビニルフィルムに適切な機械的安定性を与えるには、ビニルフィルムは、ポリエステルフィルムとの積層形態にして、ビニルとポリエステルとの間に任意の感圧接着剤を備えることが好ましい。
本発明の実施例14〜16では、本発明に基づくTLD装置14は、直接プリンタ60、70の組合せ、又はプリンタ80の直接プリンタタイプの組合せで良い。
本発明の実施例14〜16は、透明領域6に光学的透明性を与え、かつ印字器具の必要がない優れた品質の印刷被着体を提供し、最高品質の着色画像をさらに提供する。
図18に図式的に示すように、CMYK画像データとT層データの両方を含むコンピュータ13の出力は、プリンタ60と任意にさらにプリンタ70に供給される。プリンタ60は、特殊なシルエットパターン2を馴染みやすい半透明又は透明な、好ましくは光学的に透明な被着体に印刷するために使用される。実施例11のビニル被着体は特に好適である。プリンタ60からの印刷物はプリンタ70に供給される。プリンタ70は、別個のプリンタであるか、又はプリンタ60の印字ヘッドと統合された印字ヘッドで良い。透明領域6を含む完成フルカラー画像3は、プリンタ80により完成印刷物72として生成される。
図19A及び19Bを参照すると、透明被着体63は、上記の実施例に記載した半透明又は透明及び/又は光学的に透明な被着体、特に実施例11の光学的に透明かつ馴染みやすい被着体であり、この透明被着体63には、層64〜66が見当合せして印刷され、T層からの透明度データに従って透明領域67が残る。プリンタ60は、実施例13に関して記載した熱転写プリンタであることが好ましい。層64は、図9又は10の層42に相当する暗色層である。層65は、淡色のシルエット層であり、透過光密度が少なくとも1であるが、少なくとも2であれば好ましく、少なくとも2.5であればさらに好ましく、少なくとも3であれば最も好ましい。米国特許第5,312,683号及び第5,409,883号に記載されている白色及び金属色リボンは好適である。層66は着色剤受容層であり、層65と同時に印刷されるか、又は別個の層として印刷される。
着色剤受容層に関する一定の一般的な原理は、米国特許第5,472,932号に記載されている。本発明では、層66は、本発明の実施例7に関して説明したようにインクジェット画像受容層であり、浸透層及びインク受容層の両方を含む。あるいは、層66は、実施例8の吸湿性層でも良いし、被着体63は同じ実施例の微孔質層でも良い。あるいは、層66は実施例10の導電層及び誘電層でも良い。導電性は、図19Bに最も良く示されているように透明領域67周囲の層66に連続経路を形成して維持する。プリンタ60用のリボンは、特定タイプの着色剤受容層を適切な樹脂又はワックスに埋め込んで作る。
着色剤受容層66は淡色層65に見当合せして配置されるので、層66が透明である必要はない。これは、インク又はトナーを受け入れるために受容層66をより良く最適化するという点で有利である。特に、実施例9で必要な粒度の制限は緩和される。導電層の場合、粒度範囲は、0.02〜10μmである。さらに、表面粗さを200シェフィールド単位まで増加させても、透明領域67の透明性に影響しない。
着色剤受容層66に必要な顔料、粒子及びその他の材料は、適切な結合剤中に含み、熱転写印刷に関して周知のとおり、熱及び圧力で層65に転写することができる。
印刷被着体62は、第2プリンタ70に転写される。プリンタ70が静電プリンタである場合、被着体62は、本発明の実施例10で説明したとおり、プリンタ70内で直接印刷される。驚くべきことに、誘電層及び導電層を含まない透明領域67は、電荷を受け入れず、トナーを吸収しない。したがって、プリンタにT層データを供給する必要はない。この印刷法は、マスクを使用して順次除去する欧州特許第0234121号及び米国特許第B1 4,925,705号とは異なる。この実施例では、マスクは使用しない。
次に、本発明の実施例15について、図20を参照して説明する。被着体62は上記のように形成され、層66はインクジェットインク受容層である。被着体62は、変更されたインクジェットプリンタ70で印刷される。図20に示すように、プリンタ70は、従来の4色インクジェット印字ヘッド76を備え、この印字ヘッドは、被着体62の幅に沿ってガイド71上で動作する。ヘッド76には、密接に間隔を置いて配置された見当合せマークを有する連続テープが関連する。ヘッド76内のセンサ(図示しない)は、テープ77上のマークを検出し、ヘッド76の基準位置データをプリンタ制御回路(図示しない)に送信する。ヘッド76には光源78が取り付けられ、この光源はレーザであり、光の狭いビームが被着体62に実質的に垂直に方向付けられる。被着体62の他の側には、その他のガイド73上のヘッド74が取り付けられる。ヘッド74は、先行技術で公知の同期ステッパモータ又はDCサーボモータによりヘッド76と同時に駆動される。あるいは、鏡をガイド73の位置に取り付け、ヘッド74と光源78をヘッド76上に取り付ける。ヘッド74は、光センサ75を備える。光源78からの光ビームが被着体62の透明領域67を通過すると、センサ75は信号79をプリンタの制御回路に送信する。制御回路は、層63〜66に必ず見当合せされて印刷が行われるようにヘッド76に対する印刷信号69を変更する。
次に、本発明の実施例16について、図21を参照して説明する。同じ参照符号の品目は、実施例14〜15の品目と同じである。プリンタ80は、熱転写プリンタ84、86〜89と、単一ヘッドに結合されたインクジェットプリンタ85、90〜93を備える。熱転写プリンタ84、86〜89は、層64〜66を被着体62上に印刷する2つ以上のリボン88、89を備える。リボンは、リボン支持体86、87内に保持される。この熱転写プリンタは、層64〜66を互いの上に、かつインクジェットプリンタ85の単一パスの幅で印刷する。プリンタ制御回路の制御により、インクジェットプリンタ85は、次にCMYKカートリッジ90〜93を使用してパターン化層64〜66に見当合せしてフルカラー画像を印刷する。結合印字ヘッドは、各々の端部で支持具82、83により支持されたガイド81上に取り付けられ、従来のインクジェットプリンタと同様に被着体62の幅を横断する。図20の77などの見当合せマークテープは、従来のインクジェットプリンタと同様に見当合せを改善するために使用される。あるいは、印字ヘッドが固定し、被着体62が、公知のX-Yプロッタドライブを使ってX-Y方向に移動する。
インクジェットプリンタは、層64〜66がない領域には印刷しないので、これらの領域はインク受容層を必要としない。したがって、透明領域67は、光学的に透明に維持される。
以上で本発明のいくつかの実施例について説明してきたが、本発明はこれらに限定されない。例えば、本発明を示す様々な方法は、以下などがある。
第1及び第2の側を有する表示装置上に画像を表示する方法であって、前記画像が、複数の第1透明領域又は半透明領域を有する光制限シルエットパターンを含み、少なくとも1つの構造層が少なくとも1つの色を有し、前記少なくとも1つ構造層が、前記表示装置の一方の側から見ることができ、他方の側からは実質的に見えにくく、前記画像が、他方の側から見た場合に実質的に透明又は半透明である方法は、以下のステップを含む。
1)前記構造層の少なくとも1つの定義をコンピュータに提供するステップと、
2)コンピュータ化バージョンの前記構造層をコンピュータで生成するステップと、
3)コンピュータ化バージョンの前記構造層を前記表示装置に出力し、コンピュータ化バージョンの前記構造層が、前記構造層を第2の離散した複数の透明又は半透明領域及びその他の領域に細分するように変更されるステップと、
4)第1及び第2透明領域が見当合せされた状態で、前記変更された構造層及び前記シルエットパターンを表示するステップ。
この方法の表示装置は、LCD表示装置でも良い。この方法は、第1ステップでシルエット層の定義をコンピュータに提供し、第2ステップでコンピュータ化バージョンの前記シルエット層を生成し、第3ステップでコンピュータ化バージョンの前記シルエット層及び前記構造層を出力し、コンピュータ化バージョンの前記シルエット層は、前記シルエット層を前記第1の離散した複数の透明又は半透明領域に細分するように変更することができる。この方法では、前記第2の離散した複数の透明又は半透明領域を、コンピュータを使って前記コンピュータ化バージョンの前記構造層に導入することができる。この方法では、第3ステップで、前記第1の離散した複数の透明又は半透明領域を、コンピュータを使って前記コンピュータ化バージョンの前記シルエット層に導入することができる。この方法の前記表示装置はプリンタで良い。この方法のプリンタは、直接又は間接プリンタで良い。この方法のプリンタは、局所精密見当合せプリンタで良い。この方法では、プリンタの局所見当合せ指数は1 mm未満であるが、0.6 mm未満であれば好ましく、0.4 mm未満であれば最も好ましい。この方法では、前記コンピュータ化バージョンの前記構造層は、前記構造層の色分割層のデータを含むことができる。この方法では、前記構造層及び前記シルエット層の前記コンピュータ化バージョンは、前記第1透明度又は半透明領域のデータを別個の透明データとして含むことができる。この方法の表示装置は、透明層表示装置良い。
ある製品は、馴染みやすい被着体を備え、着色剤受容層と、前記被着体上の光制限層とを含み、前記光制限層は複数の第1透明又は半透明領域を有することができる。
この製品は、馴染みやすい被着体を備え、さらに、前記着色剤層が複数の第2透明又は半透明領域を有し、前記第1透明又は半透明領域は第2透明又は半透明領域と見当合せさせることができる。この製品の着色剤受容層は、静電印刷に適する導電層を含むことができる。この製品の前記受容層は、静電印刷に適する誘電層を含むことができる。この製品の前記導電層は、酸化錫と均質に混合されたアンチモンの粒子を含む導電性顔料を含むことができる。この製品の粒子は、アンチモン添加酸化錫で良い。この製品の前記導電層は、2.0×105〜約3×106Ω/□の範囲の表面抵抗を有することができる。この製品の誘電層は、スペーサ粒子と研磨粒子を約1.5:1〜約5:1の範囲の割合で含むことができる。この製品の着色剤受容層は、静電印刷に適する導電層を含むことができる。この製品の前記受容層は、静電印刷に適する誘電層を含むことができる。この製品の前記被着体は、ビニルを含むポリマー被着体で良い。この製品の前記着色剤受容層は、インクジェット印刷に適するインク受容層を含むことができる。この製品の前記着色剤受容層は、インクジェット印刷に適するインク受容層を含むことができる。この製品の前記被着体は、親水性かつ微孔質のポリマー膜を含むことができ、前記着色剤受容層は吸湿層を含むことができる。この製品では、前記膜の孔構造を潰して、加熱又はカレンダリング後の後処理により透明性を得ることができる。この製品では、保護浸透層をさらに含み、前記インク受容層は、前記保護層から突出する、ある粒度の離散した粒子を含むことができる。この製品は、保護浸透層を含み、前記インク受容層は、前記保護層から突出する、ある粒度の離散した粒子を含むことができる。この製品は、耐久性を有することができる。この製品の前記被着体は透明にすることができるが、光学的に透明であれば好ましい。
ある製品は、塩化ビニル樹脂と、任意のアクリル樹脂と、任意の可塑剤と、任意の安定剤とを含む組成物であって、シェフィールド値が約1〜約10の平滑度を有するポリマー剥離ライナー上に形成される組成物と、前記被着体上の光制限層と構造層とを有するポリマー被着体であって、前記構造層が少なくとも1つの色層を含み、前記光制限相が、複数の第1透明又は半透明領域に細分され、前記構造層が、複数の第2透明又は半透明領域に細分され、前記第1及び第2透明領域が見当合せされるポリマー被着体から構成することができる。
この製品は、アクリル樹脂をさらに含むことができる。この製品は、約49〜約72重量%の量の塩化ビニル樹脂を含むことができ、アクリル樹脂の量は約9〜約33重量%であり、可塑剤の量は約0〜約25重量%であり、安定剤は約0〜約8重量%である。この製品は、約55〜約65重量%の量の塩化ビニル樹脂を有することができ、アクリル樹脂の量は約16〜約27重量%であり、組成物は、約10〜約16重量%の量の可塑剤を含み、安定剤の量は約2〜約6重量%である。この製品の前記被着体は透明にすることができるが、光学的に透明であれば好ましい。
あるプリンタは、色分割画像データと、光制限層データと、透明度データとを含む印刷ファイルを収容し、色分割画像を印刷し、光制限層データは、透明度データに従って色分割層と光制限層の両方に透明領域を含む。
このプリンタは、静電プリンタ、インクジェットプリンタ又は熱転写プリンタで良い。静電プリンタは、線形配列の個々に充電可能な電極を含み、前記プリンタは、個々に充電可能な電極の透明度データを選択的に制御することにより前記透明度データを印刷する。インクジェットプリンタは、複数のインクジェットヘッドを備え、前記インクジェットヘッドの透明度データを選択的に制御することにより前記透明度データを印刷する。熱質量転写プリンタは前記光制限層を印刷することができ、その他のプリンタが前記色分割画像データを印刷する。
色分割画像データと、光制限層データと、透明度データとを含む印刷ファイルのラスタ画像を処理する1つのラスタ画像処理法は、前記印刷ファイルを操作して、前記色分割画像データ及び前記光制限層データに関するラスタ画像ビットマップを生成するステップと、前記透明度データを前記色分割画像データ及び前記光制限層データに関する前記ラスタ画像ビットマップに導入し、その結果、前記色分割画像ラスタビットマップ及び前記光制限層ビットマップの透明領域を見当合せするステップとを含むことができる。
このラスタ画像処理法では、前記色分割画像ラスタビットマップ及び前記光制限層ビットマップを最初に生成し、次に前記透明領域を導入することができる。
色分割画像データと、光制限層データと、透明度データとを含む印刷ファイルのラスタ画像を処理する1つのラスタ画像処理システムは、前記印刷ファイルを操作して、前記色分割データ及び前記光制限層データのラスタ画像ビットマップを生成する手段と、前記透明度データを前記色分割画像データ及び前記光制限層データの前記ラスタ画像ビットマップに導入し、その結果、前記色分割画像ラスタビットマップ及び前記光制限層ビットマップの透明領域を見当合せする手段とを含むことができる。
このラスタ処理システムは、ハードワイヤードで良い。このラスタ処理システムは、プログラム可能なディジタル処理装置を含むことができる。
色分割層及び光制限層を含むグラフィックス画像を生成するグラフィックスコンピュータベースのシステムは、画像データの第1入力手段と、前記画像データから色分割データを生成する手段と、光制限層データを生成する手段と、透明度データの第2入力手段と、前記色分割画像データ、前記光制限層データ及び前記透明度データを含む表示ファイルを出力する手段とを含む。
このグラフィックスコンピュータに基づくシステムは、複数の標準透明度データテンプレートを記憶する記憶手段をさらに含むことができる。

Claims (4)

  1. 複数の第1の透明又は半透明領域と複数の光制限領域とを有する光制限シルエットパターン層と、少なくとも1つの色を有して前記光制限シルエットパターン層に重なる少なくとも1つの構造層とを含む画像を、第1の側と第2の側とを有する表示装置に表示する方法であって
    造層の定義をコンピュータに与えるステップと、
    前記コンピュータが、前記定義に基づき前記造層のコンピュータ処理バージョンを生成するステップと、
    前記コンピュータが、前記構造層の前記コンピュータ処理バージョンを、前記造層複数の第2の分離した透明又は半透明領域と他の領域とに細分化されるように修正するステップと、
    前記コンピュータによって修正された前記造層の前記コンピュータ処理バージョンを前記表示装置に出力するステップと
    前記コンピュータによって修正された前記構造層の前記コンピュータ処理バージョン前記光制限シルエットパターンとを、前記複数の第1の透明又は半透明領域と前記複数の第2の透明又は半透明領域とを見当合わせした状態で表示するステップとを具備し
    前記画像は、前記表示装置の前記第1及び第2の側のいずれか一方から前記少なくとも1つの構造層を見ることができるとともに、前記第1及び第2の側の他方からは前記複数の光制限領域によって前記少なくとも1つの構造層が見えにくくなり、
    前記画像は、前記表示装置の前記第1及び第2の側の前記他方から見たときに、前記複数の第1の透明又は半透明領域と前記複数の第2の透明又は半透明領域とが互いに見当合わせされていることにより、実質的に透明又は半透明になる、
    像表示方法。
  2. 前記コンピュータによって修正された前記構造層の前記コンピュータ処理バージョンを前記表示装置に出力するステップは、個々色分された画像を中間画像支持体から画像形成被着体へ連続し転写することを含む、請求項1に記載の画像表示方法。
  3. 前記画像形成被着体は、画像形成されたポリエステル石版プレートである、請求項2に記載の画像表示方法。
  4. 前記光制限シルエットパターンが白である請求項1〜3のいずれか一項に記載の画像表示方法。
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