JPH10234388A - 淋菌piタンパク質およびワクチンの製造 - Google Patents

淋菌piタンパク質およびワクチンの製造

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JPH10234388A
JPH10234388A JP10044154A JP4415498A JPH10234388A JP H10234388 A JPH10234388 A JP H10234388A JP 10044154 A JP10044154 A JP 10044154A JP 4415498 A JP4415498 A JP 4415498A JP H10234388 A JPH10234388 A JP H10234388A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 ナイセリア・ゴノロエアエ外層膜タンパク
質をコードするDNA配列を提供する。 【解決手段】ナイセリア・ゴノロエアエMS11株のプ
ロテインIBの全長のアミノ酸配列をコードする実質的
に精製された核酸分子であって、該アミノ酸配列が図9
に示される核酸分子。

Description

【発明の詳細な説明】 【発明の属する技術分野】
1.序 論 現在、淋疾は世界で最も広がった性病の1つであり、米
国では毎年数百万例が発生している。この疾患の病原菌
は淋菌ナイセリア・ゴノロエアエ(Neisseria
gonorrhoeae)であり、この細菌はその歴史
を通して伝統的な抗生物質治療に対する耐性およびある
程度までの正常ヒト血清の抗菌活性に対する耐性の両方
を発達させてきた。伝統的手段による感染の防御が不可
能であるために、この感染を効果的に阻止しうるワクチ
ンの開発が極めて重要となっている。本発明は、特定の
ナイセリア・ゴノロエアエ外層膜タンパク質をコードす
るDNA配列を提供し、またこの特定DNA配列のクロ
ーン化産物は前記ワクチンの適当な主成分を提供する。
また、本発明は淋菌感染を検出するための診断用プロー
ブとして有用な種−特異的オリゴヌクレオチド配列をも
提供する。
【従来の技術】
2.発明の背景 脊椎動物における任意の特定の感染因子に対する防御免
疫応答の発生は、初めに宿主免疫系に適当な刺激が与え
られるか否かの如何による。感染性生物自体は一般に、
またはその細胞膜組成の性質によるか、またはそれが宿
主体内に放出する代謝産物により、多数の刺激性化合物
(すなわち、抗原)を提供する。これらの物質(通常、
タンパク質、リポ多糖類、糖タンパクのような比較的大
きい分子)は免疫系によって異物として認識され、そし
て侵入生物を排除または無力にしようとして宿主から1
種またはそれ以上の異なる種類の反応をひき出す。この
抗原は細胞性免疫を与える感作リンパ球(T細胞)の生
産を惹起しうる。あるいはまた、抗原は遊離抗体の合成
および血液または他の体液中への遊離抗体の放出を刺激
することができる(体液性免疫)。身体の防御免疫応答
の発生はこれらの系の一方または両方の刺激閾値に達す
るか否かの如何によっている。感染に対する一時的免疫
は、多くの場合同種または異種の別の個体から前以て産
生された抗体を与えることによって付与されうる。これ
は受動免疫として知られている。このような免疫の例と
しては、母親の抗体の胎盤移入および母乳を通しての抗
体の移入により胎児や新生児に与えられる防御がある。
その他の例としては、はしか、水ぼうそう、肝炎、天然
痘および破傷風にさらされた際のその作用を阻止もしく
は軽減するためにしばしば用いられるプールされた成人
γ−グロブリンがある。しかしながら、これら獲得抗体
は抗原との相互作用により徐々に利用されるか、または
生体により異化作用を受け、その結果終局的には防御が
失われる。より永続的な形態の防御は能動免疫により与
えられる。ワクチン接種では免疫系に対する一次刺激と
して無害のまたは毒性のない形の抗原(例えば、死滅し
たまたは遺伝学的に変えられた細菌、もしくは細胞壁か
ら単離した糖タンパク)を使用することにより能動防御
免疫が賦与される。これは最高に達しその後減少する抗
体産生においてやや遅い応答を引き起こす。しかしなが
ら、身体は抗原の存在を警戒しており、その次に、恐ら
くは生きた毒性の強い生物にさらされると、より一層速
やかで豊富な抗体産生を伴う二次応答が観察される。こ
の二次応答は一般に微生物が全面的な感染を引き起こす
に足るほどに定着するのを阻止するに十分であろう。ワ
クチンはいろいろな形をとることができ、そのうちのあ
るものは所望の防御効果を賦与するのに他のものよりも
有効てある。歴史的にみると、多くのワクチンは対象の
疾患を起こす微生物を死滅または不活性化し、その死滅
細胞を能動免疫原として用いることにより製造されてき
た。この種のワクチンは腸チフス、コレラおよびポリオ
(ソークワクチン)に対して使用されている。この種の
ワクチンがかかえる問題は、微生物を殺すのに必要な処
理(例えば、ホルムアルデヒド)が往々にして微生物の
有用な抗原を変性または破壊し、従って不完全な弱い免
疫しか得られない場合があるということである。ワクチ
ンの別の形は弱毒化微生物を使用するものである。弱毒
化微生物はまだ生きていて投与後体内で増殖できるが、
無発病性となすために何らかの方法で改変されているも
のであるか、あるいは他の生物には発病力があるがヒト
には無毒の株である。弱毒化生物を使用することの利点
は、弱毒化が通常その抗原性に影響を及ぼさず、従って
免疫系により効果的な刺激を与えることである。はし
か、風疹およびポリオ(セービンワクチン)の弱毒化ワ
クチンが広く用いられている。弱毒化は代表的には微生
物の増殖条件を変えるか、または、最近では微生物の毒
性を遺伝子的に修飾することにより達成される。大体に
おいて、弱毒化ワクチンは死滅ワクチンよりも効果的で
あるが、生存微生物が毒性状態に戻って病気の症状を引
き起こす可能性があるという危険が存在する。微生物全
体使用ワクチンに関連した諸問題のために、近年ではワ
クチン組成物中における活性物質として個々の感染防御
抗原を使用することがより一般的になってきている。感
染防御性応答を刺激する生物の特定抗原の分離および同
定は必ずしも単純ではないが、ひとたび同定されると、
この方法は欠点が付随することのない、微生物全体使用
ワクチンに代わるべき有効な代替物を提供するものであ
る。この目的に使用しうる代表的な抗原の種類の例をあ
げれば、精製された細胞またはカプシド成分、例えばバ
クテリアトキシン(トキソイドを生成させるには解毒さ
れねばならない)、細菌またはウイルスのトキシンサブ
ユニット、細胞壁多糖類、もしくはカプシド糖タンパク
である。これらの成分は免疫性を賦与するのにはしばし
ば非常に効果的であるが、実際の精製の点で困難が生ず
る。対象の抗原を無関係の細胞物質(これらの存在は往
々にして所望免疫生成反応と同時に不利な免疫学的また
は代謝上の応答を引き起こしうる)から多かれ少なかれ
完全に単離することが決定的に重要である。必要とされ
る精製方法はしばしば複雑で、退屈で、しかも費用が莫
大にかかり、その結果を必ずしも完全に予想できるわけ
ではない。この問題は、ある場合には、微生物抗原上の
エピトープに相当する小型ペプチド配列の合成によって
回避できる。いくつかの状況においては、アミノ酸配列
が天然のエピトープ配列に一致するが、そのコンホメー
ションが適切な免疫応答を誘起させるに足るほど親抗原
のそれに類似していないかもしれないという欠点がこの
技術には存在する。これらの種類の前記ワクチンに付随
する欠点の多くは組換えDNA技術の使用により回避で
きる。重要な微生物抗原の全部または一部をコードする
遺伝子をクローニングすることができれば、実質的に夾
雑するタンパク性または遺伝子物質を含まない比較的大
量の必要な免疫原性物質のより経済的で便利な供給源が
得られる。簡単に説明すると、精製抗原を得るためのこ
の方法は、抗原をコードする特定DNA配列をDNAベ
クターに挿入して、宿主細胞内で複製しうる組換えDN
A分子を生成させることを包含する。現在、組換えDN
A分子を作製しうる方法は数多く存在する。より優れた
既知技術の1つは、CohenおよびBoyerによっ
て米国特許第4237224号に開示されたものである
(この特許の教示内容は参照としてここにとり込まれる
ものとする)。この方法では制限酵素および連結反応を
用いて組換えプラスミドを作製し、次に得られたプラス
ミドを単細胞宿主細胞に挿入し、これにより形質転換さ
れた宿主細胞が外来DNAの複製を開始する。バクテリ
オファージベクターを利用する別法は米国特許第430
4863号に開示されている(これも参照としてここに
とり込まれる)。クローニング法はすぐに利用できるワ
クチン製造のための経済的で、都合のよい供給源を提供
する可能性が最も大きい。しかしながら、免疫原性をも
つことが知られている抗原の適当な遺伝子を初めに単離
し、その塩基配列を決定し、適切な複製、転写および翻
訳が可能なようにプラスミドに挿入し、その後適合性の
宿主細胞に挿入せねばならない点で困難がないわけでは
ない。もしも遺伝子の転写、RNAの翻訳、またはポリ
ペプチドの翻訳後プロセッシングおよび区画化のいずれ
か1つが正しく行われないならば、所望の遺伝子産物の
発現が失敗する可能性は非常に大きい。クローン化挿入
物が転写されるためには、宿主RNAポリメラーゼが認
識できるプロモーターの存在が必要である。適正な翻訳
にはRNAがリボソーム結合部位を有することが必要で
ある。タンパク質の翻訳後修飾にはしばしばタンパク質
を細胞膜を通ってその外へ導く機能をするシグナル配列
の切断が包含される。また、タンパク質の立体配置やア
ミノ酸配列が宿主の細胞内のプロテアーゼの作用から保
護されない場合には、生産された外来タンパク質の宿主
微生物による分解が起こりうる。従って、ナイセリア
(Neisseria)ワクチンを最終的に製造する理
想的な方法であるとは考えられるが、これらの技術が以
前に淋疾のワクチン製造に応用されたことはない。 2.2.淋菌抗原 ナイセリア・ゴノロエアエのいくつかの抗原は広く研究
され分類されている。例えば、淋菌のピリ(線毛)は分
子量が約20000のタンパクサブユニットから主に成
っており、抗原性を有することが判明している(Buc
hanan等、J.Clin.Invest.52:2
896−2909,1973)。この物質の合成物はワ
クチンとてし製剤化された(Schoolnik等、
rog.Allergy 33:314−331,19
83)。また、ナイセリア・ゴノロエアエのリポ多糖類
も抗原性があり、β−1,4−結合ガラクトース−グル
コース残基が主要な抗原決定基である。しかしながら、
近年この分野における研究の最大の関心は恐らく、タン
パク質複合体である外層膜タンパク(このタンパク質の
免疫原性における役割はまだ十分に理解されていない)
に集中している。外層膜タンパク質の組成は株によって
やや変化することが知られており、これに基づいて少な
くとも16種類の異なる血清型が同定されている(Jo
hnston等、J.Exp.Med.143:741
−758,1976)。淋菌の膜部分を用いた数多くの
ワクチン組成物が以前に、例えば米国特許第42039
71号、同第4288557号および同第468176
1号に記載されている。しかしながら、これらの組成物
の大部分はタンパク質と他の物質との混合物を含有して
おり、細菌細胞から活性成分を単離および分離するには
かなり手の込んだ精製操作を必要とする。従って、これ
らのワクチンは希望する免疫特異性を有しない可能性が
あり、しかも商業的量のワクチンを製造するためには大
変な量の微生物原料が必要である。 2.2.1.淋菌プロテインI プロテインIまたはPIとして知られる特定の外層膜タ
ンパク質もワクチン組成物主成分として使用可能な候補
者として提案される。PIはポーリン(porin)と
して機能するナイセリア・ゴノロエアエの主要な外層膜
タンパク質であり(Douglas等、FEMS Mi
crobiology Letters12:305−
309,1981)、このタンパク質は細胞において低
分子量物質を疎水性脂質外層膜を横切って通過させるよ
うに作用すると考えられている。PIが関心を集める多
くの特徴が存在する:第一に、それがナイセリアの血清
型特異性に少なくとも幾分かは関与しており、比較的少
数の抗原性プロテインI血清型が存在する。また、特定
のPI血清型を保有する多数の淋菌が複雑な淋菌感染に
関係している。さらに、それは天然の状態で表面に露出
していると思われ、また、オプソニンの生産を刺激する
と思われる(Sarafian等、J.Infect.
Dis148.1025−1032,1983)。オ
プソニンは感染性微生物の表面に結合して食細胞による
微生物の飲み込みを促進する抗体である。その免疫原性
はワクチン接種マウスにおいてすでに立証されている
(Jis−koot等、Infect.Immun.5
4:333−338,1986)。主要な2種類のPI
分子であるPIAおよびPIB(Barrera等、
nfect.Immun44:565−568,19
84)がペプチドマッピングおよびタンパク質加水分解
に対する感受性に基づいて淋菌において証明されている
(Blake等、Infect.Immun33:2
12−222,1981)。この分類は血清群パターン
(Sandstrum等、Infect.Immun
35:229−239,1982;Sandstrum
等、Infect.Immun38:462−47
0,1982)および病因と関連のあることが分かっ
た。タンパク質IAを発現する淋菌は全身感染に関係し
ており、一方タンパク質IBを発現するものは局所感染
と関係している(Buchanan等、Infect.
Immun32:985−994,1981;Hil
debrandt等、Infect.Immun
:267−273,1978)。可能性のあるワクチ
ン候補としてのPIの開発に払われたあらゆる注意にも
かかわらず、まだPIに基づく有効なワクチンはつくら
れていない。さらに、その生産を制御する遺伝子配列も
まだ何ら解明されておらず、このタンパク質の構造につ
いてはほとんど知られていない。本発明は完全なPI遺
伝子配列、PIA構造遺伝子、およびクローン化遺伝子
産物について初めて説明するものである。さらに、新規
なPIB遺伝子配列と、これらの配列から誘導された特
異なPIA−PIBキメラについても説明する。後者の
キメラはエピトープマッピングの際に有用であり、ワク
チン開発の基礎となるものである。 2.3.診断用プローブ この疾患に関して広範囲にゆきわたったもう一つの面は
早期検出および診断の重要性である。淋疾の診断に利用
できる標準的な細菌学的試験法はもちろんあるが、かか
る試験法は培養下のバクテリアの増殖を当てにしてお
り、時間がかかり、しかも一般にあまり特異的でない。
ナイセリア・ゴノロエアエは種々の血清型を有すること
が知られており、このことは前節で説明したように、こ
の疾患の非常に明確なパターンを示すものでありうる。
この疾患の適切な治療を行うためには、診断が迅速であ
るばかりでなく、できるだけ正確であることが決定的に
重要である。DNA−およびRNA−プローブ技術の発
達により、診断における多くのかかる問題に対する解答
が与えられた。ブローブは代表的には対象となる特定遣
伝子の全部または一部と相補性であるDNAまたはRN
Aの放射性標識された一本鎖であり、従って、相補性核
酸の一本鎖にさらされると、それにハイブリダイズする
であろう。ブローブはサザンブロッティングとして知ら
れる技法で用いられ、その場合対象遺伝子を含有する疑
いのある検体からのDNA断片をアガロースゲルで分離
し、変性させて一本鎖を生成させ、次にニトロ−セルロ
ースフィルターに移行させる。ここでそれらを予め選択
された標識されたプローブとインキュベートすると、そ
のものは相補鎖にハイブリダイズして、その標識により
目的遺伝子の存在が確認されよう。この種のプローブは
また、宿主細胞中の全ゲノムのDNA断片をクローニン
グすることにより確立されたゲノムライブラリーから、
対象遺伝子を含有する特定クローンを同定する際にも有
利に使用できる。ナイセリア・ゴノロエアエに関連して
開発された便利で、高度に正確なプローブ系はこれまで
存在していない。
【発明が解決しようとする課題】本発明は、N.ゴノロ
エアエの数種類のオリゴヌクレオチドプローブを提供す
ることを目的とする。それらのうちのあるものは一般に
N.ゴノロエアエのプロテインIにハイブリダイズする
が、他のバクテリアにはハイブリダイズせず、そして他
のものはPIA抗原のみを発現するN.ゴノロエアエ血
清型に特異的である。こうして、淋菌感染を検出するた
めの信頼できる診断方法が提供されるばかりでなく、個
人が感染している可能性のある特定のカテゴリーの確認
方法も提供される。それらの方法を提供することも本発
明の目的である。
【課題を解決するための手段】
3.発明の要約 ナイセリア・ゴノロエアエのプロテインIAおよびプロ
テインIBの完全なヌクレオチド配列、並びにそれらの
予測されるアミノ酸配列が開示される。また、単細胞宿
主生物中でPIAおよびPIB遺伝子をクローニングし
て発現させるための、並びにPIA−PIBキメラタン
パク質産物をクローニングして発現させるための方法お
よび組成物も開示される。さらに、新規な宿主生物を培
養して遺伝子産物を生産させる方法も開示される。用い
られた組換えDNA法の生産物は、淋疾を予防するため
のワクチン組成物において免疫原として全体または抗原
部分を使用するのに適している。PIAおよびPIB遺
伝子は新規なオリゴヌクレオチドプローブとDNA断片
とのハイブリダイゼーションにより細菌ゲノムから単離
された。一旦特定のDNAセグメントがつきとめられた
らそのヌクレオチド配列を決定しそしてアミノ酸配列が
予測された。次にそれぞれの遺伝子を、その遺伝子の複
製単位として作用するプラスミドクローニングベクター
に挿入した。次にこの組換えプラスミドを用いて適合性
宿主細胞を形質転換し、それにより遺伝子産物が発現さ
れる。また、発現された産物の単離方法およびワクチン
組成物への各産物の製剤化法もここに開示される。特
に、ハイブリッドPIA/PIBタンパク質を包含する
ワクチン組成物が提唱される。さらに、PIAおよびP
IB遺伝子のヌクレオチド配列の決定に基づいて、本発
明は淋菌感染の検出および診断に有用なオリゴヌクレオ
チドプローブの配列をも提供するものである。これに関
して、本発明はまた、ここに記載のオリゴヌクレオチド
プローブの1種またはそれ以上を含有する診断試験キッ
トをも提供する。 4.図面の説明 第1図:R10株のPIの残基1−12のアミノ酸配
列、縮重塩基を含むコード化mRNA、および合成され
たオリゴヌクレオチド。縮重が存在する場合は、塩基配
列の決定がなされた他の淋菌遺伝子からのコドン利用デ
ータに基づいて塩基配列を選択した。 第2図:PI遺伝子部分を含むFA19ゲノムDNAの
Sau3AIおよびTaqI断片。この断片をベクター
プラスミドpGEM−2にクローン化して、ここに示す
名称の組換えプラスミドを得た。ゲノム上のPIコード
領域の相対的な位置は断片の上の空白ボックスで示し
(斜線ボックスはN末端シグナル配列に相当する)、オ
リゴヌクレオチドプローブの相対的位置を断片の下に示
す。 第3図:FA19のPI遺伝子のDNA配列。予測され
るアミノ酸配列をDNA配列の上に示し、そしてリボソ
ーム結合部位(RBS)、およびpUNC7の作製に用
いられるTaqIおよびSau3AI部位、およびHa
eIII部位(−35および−10)が示される。各行
の最後の塩基の番号を右側に示す。 第4図:N.ゴノロエアエの主要な外層膜タンパク質、
PI、PIIおよびPIII、並びに大腸菌ポーリンO
mpFおよびOmpCのハイドロパシー(hydrop
athy)パターン;sp−シグナルペプチド;a.
a.−アミノ酸残基。 第5図:pUNC7の作製工程図。PI遺伝子プロモー
ターの−35および−10領域間の好都合なHaeII
I部位により−35領域および上流配列を除去でき、次
にPI遺伝子をファージT7プロモーターの制御下にベ
クタープラスミドpGEM−2に挿入した。太い線はp
GEM−2DNAを、そして細い線はFA19DNAを
表す。PI’−PI遺伝子部分(点線はこの遺伝子の欠
失セグメントの方向を示す);PT7−ファージT7プ
ロモーター;MCS−多重クローニング部位;制限酵素
部位:S−Sau3AI、H−HaeIII、B−Ba
mHI、(H)−HaeIII/HincII接合点
(部位は存在せず)、T−TaqI。 第6図:BL21(DE3)におけるpUNC7上のP
I遺伝子の発現。A:全細胞溶解物の15%ゲル上にお
けるNaDodSO−ポリアクリルアミドゲル電気泳
動、クーマシーブルーで染色。マーカータンパク質の寸
法を左側に示す。PIが示されており、そして中央の矢
印はレーン4では明らかに失われているタンパク質を示
す。 B:6種類のPIA MAbを用いて検索したAにおけ
るゲルのウエスターンブロットのオートラジオグラフ。
レーン1:FA19;レーン2:IPTGなしで16時
間増殖させたBL21(DE3)pUNC7;レーン
3:IPTGを用いて3時間増殖させたBL21(DE
3)pUNC7;レーン4:IPTGを用いて16時間
増殖させたBL21(DE3)pUNC7;レーン5:
IPTGなしで16時間増殖させたBL21(DE3)
pGEM−2;レーン6:IPTGを用いて16時間増
殖させたBL21(DE3)pGEM−2。 第7図:FA19のPI構造遺伝子に隣接したmTn3
表す。mTn3−CATは長さが1.66kbであり、
尺度に応じて描かれていない。FA19 CAT D1
のゲノム上のPI遺伝子の位置は線上の空白ボックスで
示され、斜線ボックスはシグナル配列を示す。PI’:
クローン化構築物中に存在するPI遺伝子部分。制限酵
素部位:N−NotI;B−BamHI;S−Sau3
AI。 第8図:PI遺伝子の配列決定のためにクローン化した
MS11 DNAの断片。PI遺伝子の位置は線上の空
白ボックスで示され、斜線ボックスはシグナル配列を示
す。オリゴヌクレオチドNC1およびNC12の配列の
位置が示してある。大きい方の断片はベクタープラスミ
ドpGEM−3にクローン化され、小さい方の断片はλ
gt11中にクローン化して、表示した名称の構築物と
なした。制限酵素部位:Hf−HinfI;K−Kpn
I;S−Sau3AI;Hc−HincII。 第9図;MS11のPIB遺伝子のDNA配列。予測さ
れるアミノ酸配列はDNA配列の上に示してあり、シグ
ナルペプチドも示される。推定ブロモーター配列(−3
5および−10)およびリボソーム結合部位(RBS)
も示され、関連する制限酵素部位も同様に示される。各
行の最後の塩基の番号を右側に示す。R10のPIB配
列(Gotschlich等、PNAS USA
:8135−8139,1987)との相違を示すた
めに、塩基(制限酵素部位を構成するものを除く)には
下線が引いてあり、アミノ酸は丸で囲ってある。 第10図:FA19 PIAおよびMS11 PIBの
アミノ酸配列の比較、並びにハイブリッドPI遺伝子の
構造。PIA遺伝子配列は白の捧で、そしてPIBは黒
の棒で示す。PI遺伝子類の上と下はアミノ酸配列の比
較であり、垂直線は1個の相違に相当し、黒のブロック
は連続して広がった相違に相当する。アミノ酸残基の数
は上の目盛で示され、そして塩基対の数は下の目盛で示
される。ハイブリッドを分析するのに使用されたオリゴ
ヌクレオチドはこれらの遺伝子の間に示してあり、点線
は他の遺伝子上の等しい位置を示す。ハイブリッド遺伝
子構造(クラス1−9)を下に示し、交差が起こったオ
リゴヌクレオチド配列間の領域を傾斜域で表す。種々の
ハイブリッドクラスのPI血清型を第1表に示す。 第11図:全細胞溶解物の15%ゲル上でのSDS−ポ
リアクリルアミドゲル電気泳動およびクーマシーブルー
染色を用いて検出した、BL21(DE3)中における
pUNCH25上のPIB遺伝子の発現。PIタンパク
質バンドが示してある。レーン1:MS11;レーン
2:IPTGなしで増殖させたBL21(DE3)pU
NCH25;レーン3−5:IPTGを用いて増殖させ
たBL21(DE3)pUNCH25。IPTG(50
μg/ml)は下記細胞密度すなわちレーン3:5×1
細胞/ml;レーン4:10細胞/ml;レーン
5:2×10細胞/mlで増殖培地に加えた。PIの
発現は生長周期の早期に培養物が誘導された場合に最大
である。 5.発明の説明 本発明は、淋疾感染予防用のワクチン組成物の製造に有
用なN.ゴノロエアエPIA、PIB、およびキメラP
IA/PIBタンパク質の使用に関する。これらのタン
パク質は組換えDNA技術または化学的合成法により製
造できる。以前には適当なN.ゴノロエアエ株からの化
学的単離法を使用することが可能であったが、この方法
はワクチン接種後に阻止(抗防御)抗体を惹起するある
種の他の淋菌タンパク質による汚染を生じうる。PIタ
ンパク質は抗体の生成を刺激することが知られているの
で、N.ゴノロエアエによる感染から被接種者を効果的
に防御する免疫原として、そのタンパク質全体またはそ
の免疫原部分を使用することができる。ここに記載の組
換えプラスミドにより、安定で宿主細胞による分解に対
し抵抗性を有する大量のPIタンパク質を宿主細胞中に
産生させることができ、その結果ワクチン組成物に適す
る物質の豊富な供給原が得られる。このワクチン製剤は
他の抗防御性淋菌タンパク質による汚染がない。本発明
を説明するために、本発明にいくつかの工程に分けて以
下に論ずる、すなわち:1)PIA遺伝子または遺伝子
断片の同定および単離;2)適合性宿主細胞の形質転換
に用いられる適当なクローニングベクターへの遺伝子ま
たは遺伝子断片の挿入;3)その遺伝子を複製させ発現
させる形質転換宿主細胞の同定および増殖;および4)
遺伝子生産物の同定および精製。本発明によれば、PI
タンパク質は第3図または第9図のクローン化配列、も
しくはそのハイブリッドを適切なクローニング/発現ベ
クターに挿入し、適当な宿主細胞を形質転換し、次に遺
伝子産物を同定および精製することにより生産されるう
る。あるいはまた、第3図または第9図の推定アミノ酸
配列部分、またはそのハイブリッドは当分野でよく知ら
れた化学的合成技術を用いて合成することもできる。ま
た、PIAおよびPIB配列に基づくオリゴヌクレオチ
ドもここに開示され、これらのオリゴヌクレオチドはサ
ザンブロット、ドットブロット、スロットブロットなど
のハイブリダイゼーションの技術によるN.ゴノロエア
エ感染の確認および診断に有用である。 5.1.PIA遺伝子の同定、単離、および配列決定 PIAタンパク質のヌクレオチドコード配列は第3図に
示される。すでに述べたように、PIAタンパク質はす
べてのN.ゴノロエアエによって生産されるわけではな
い;任意の所定の株はPIAまたはPIBのいずれかを
生産するが両方は生産しないであろう。PIAの存在は
淋菌血清群I、血清型I−3、と関係があり、従って血
清型1−3と関連のある淋菌株はどれもPIA DNA
源として使用できる。既知のN.ゴノロエアエ株の中
で、PIAにより特徴づけられる株はFA19、FA1
30、W−Ue、B−2、G−7、5029、R−1
1、E−5、D−4、V−15である(Knapp等、
J.Inf.Dis.150:44−48,198
4)。本発明の実施において、第3図に示す配列は種々
の方法で得ることができる。例えば、ひとたび適当なP
IA含有株が定められたら、その生物のDNAを単離
し、DNA断片を生成させ、そしてPIA遺伝子配列を
含有する断片を同定することが必要である。あるいはま
た、その遺伝子または遺伝子セグメントは合成すること
ができよう。N.ゴノロエアエDNAは多くの異なる方
法で断片化しうる;最も好ましい方法はDNAを特定の
配列で切断する制限酵素での処理である。その他の方法
にはマグネシウムの存在下でのDNaseによるDNA
の処理、または音波処理のような物理的破壊が含まれ
る。制限酵素を用いる場合、DNAを処理するのに1種
類の酵素または酵素類の組合せを用いることができる。
唯一の必要条件は、核酸の消化がPIAの抗原部位をコ
ードする領域を破壊しないということである。断片化
後、線状DNAの個々の断片を、ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動(PAGE)、アガロースゲル、またはカラ
ムクロマトグラフィーのような多数の既知技法の任意の
ものを用いて、大きさに基づいて分離する。分離した断
片によりプラスミド作製および形質転換のための遺伝子
物質が提供される。対象となる遺伝子配列を含有するD
NA断片の同定は多くの方法により達成できる。例え
ば、モノクローナル抗体のような免疫試薬が使用されう
る。PIAに対するモノクローナル抗体は数多く誘導さ
れており(Tam等、Infect.Immuno.3
:1042−1053,1982)、そしてこれらは
種々のDNA断片により形質転換されたそれぞれの宿主
細胞から生産された産物を検査するのに使用されうる、
すなわちPIAモノクローナル抗体と反応する産物によ
り、PI遺伝子を含有する断片で形質転換された細胞が
同定される。また、DNA断片の塩基配列決定によりそ
れぞれのアミノ酸配列を予測でき、次に既知の任意の部
分アミノ酸配列と比較して、相当するDNA配列を含有
する断片を同定することができる。もう1つの一般的技
法はサザンブロッティングである(Southern,
J.Mol.Bio78:503,1975)。この
方法では、制限断片をゲル上の適所で変性し、そしてブ
ロッティングにより固形基質代表的にはニトロセルロー
スフィルターに移す。次に、フィルターをこのタンパク
質の既知のまたは仮定した部分DNA配列を含有する放
射性標識オリゴヌクレオチドにさらす。選択されたオリ
ゴヌクレオチドと相補性であるブロットされたDNAが
それにハイブリダイズしてそれによりPI遺伝子を含有
するDNA断片の大きさが確認されよう。以下に詳述す
る実施例において、PIAをコードする遺伝子は2種の
新規なオリゴヌクレオチドとのハイブリダイゼーション
により同定および単離された。PIBのN末端アミノ酸
部分の既知配列(Blake等、InfectImm
un.36:277−285,1982;Blake,
The Pathogenic Neisseria,
G.Schoolnik編、251−258,198
5,ASM)、および既知DNA配列を有する種々の他
の淋菌タンパク質に伴うコドン使用規則に基づいて、有
用なオリゴヌクレオチドを推定する試みがなされた。特
に、次のようなNC1およびNC2と呼ばれる2つの配
列が作製された: サザンブロットハイブリダイゼーションで用いられる場
合、上記のオリゴマーは淋菌ゲノムから得られたDNA
制限断片をスクリーニングするのに使用された;両方の
プローブともPIA遺伝子を含有するDNA断片を同定
することに成功した。同定された遺伝子がPIA遺伝子
であることの証明は、遺伝子産物の分子量と天然タンパ
ク質の分子量との比較、およびPIA特異的モノクロー
ナル抗体のその免疫反応性により行われた。しかしなが
ら、この有用性のほかに、これらのオリゴヌクレオチド
はそれぞれ淋菌のPIAおよびPIB株の両方とハイブ
リダイズしうることも確認された。従って、これらの正
常な化合物は悩める個体のN.ゴノロエアエ感染の検出
および同定に、サザンブロットハイブリダイゼーション
において診断用プローブとして使用することもできる。
PA遺伝子を含有する断片の同定に続いて Sange
r(PNAS USA74:5463−5467,19
77)の方法に従って関連部分の塩基配列が決定され
る。Sangerの方法はDNA鋳型からの相補性DN
A鎖の酵素による合成を利用するものである。相補鎖の
合成はデオキシヌクレオチド(ddNTP)の取込みに
より停止される。4つの別々の反応(それぞれddAT
P、ddCTP、ddGTP、またはddTTPを含
有)が行われ、その結果4組のDNA断片が形成され、
所定の組の各断片はその末端に特定のジデオキシヌクレ
オチドをもつであろう。次にDNA断片をポリアクリル
アミドゲル上で分離し、各断片の末端ヌクレオチドの同
一性の知識よりその塩基配列を決定しそして最短断片か
ら最長断片までを読み取る。鋳型として用いられる一本
鎖DNAは、二本鎖DNAをエキソヌクレアーゼで化学
的に処理すると得られる。しかしながら、Messin
g等(Nucleic Acids Res.9:30
9,1981)がクローニングベクターとして開発した
M13mpクローニングベクターを使用することがより
効果的である。M13は一本(+)鎖DNAを含有する
大腸菌の雄菌特異的線維状バクテリオファージである。
この(+)鎖は相補性(−)鎖合成用の鋳型として使用
される。二本鎖型のDNAが複製型すなわちRF型であ
り、細胞あたり約200コピーに増殖する。この二本鎖
型を細胞から分離してクローニングベクターとして使用
できる。いったん増殖が止まると、2本の鎖のうち一方
のみが産生され続け、そして一本鎖がファージ粒子に組
み込まれる。M13の利点は、粒子がクローン化した鎖
の一方に相同な一本鎖DNAを有しており、それ故にS
anger法における鋳型として使用できる点にある。
350塩基までの塩基配列を単一クローンから決定で
き、これよりも長い断片の塩基配列決定は重複する断片
の塩基配列を解析することにより達成できる。前記技法
を使用するすることにより、第3図に示したPIA遺伝
子のヌクレオチド配列が得られた。第3図には推定アミ
ノ酸配列も示してある。PIA遺伝子の塩基配列決定
(重複する断片の塩基配列を別々に決定することにより
達成された)によりさらに2つの他のオリゴヌクレオチ
ドプローブの同定および作製ができた。両プローブは次
の配列を有する17ヌクレオチドオリゴマーである: NC8:5’GCGTTAAAACCGCTACC3’ および NC11:5’CGGTGTCGGTCTGCGCC
3’ これらのプローブは両方ともPIA遺伝子のみに特異的
であって、PIB DNA配列にはハイブリダイズしな
い。従って、これらのプローブは共に感染にPIA生物
によるか、PIB生物によるのかを判断する診断試験に
おいて有用である。先に述べたように、これらのタンパ
ク質の各々は全身的かまたは局所的の淋菌感染の特定パ
ターンを示し、従って感染患者の治療プログラムを計画
する上で非常に重要でありうる。単離した遺伝子または
化学的に合成したDNA配列は形質転換宿主細胞の増
殖、形質転換細胞からの組換えDNAの単離、および単
離した組換えDNAからの挿入遺伝子の回収により、さ
らに遺伝子コピーを生成されるのに使用されうる。 5.2.PIB遺伝子の同定、単離および配列決定 PIBタンパク質のヌクレオチド配列を第9図に示す。
この配列はN.ゴノロエアエMS11株から単離され
た。PIBの存在は血清群4−9と関係しており、これ
らの血清群と関連した株はどれもPIB DNAの供給
源として使用できる。既知の淋菌株中で、PIBの存在
により特徴づけられる株はMS11、FA6140、F
62およびR10である。PIBタンパク質の調製、同
定、および配列決定の技術は前記5.1節で説明したP
IAタンパク質に適用した手法と実質的に同じである。
PIB遺伝子の詳細な同定は、NC1およびNC12プ
ローブ(5’−GATACGGCGAAGGCATC−
3’)の使用、並びにハイブリッドPIタンパク質のP
IB部分にあるKpnI制限部位の同定(Daniel
sson等、Infect.Immun52:529
−533,1986)により助けられた。PIAと同様
にこの遺伝子のクローニングはクローニンベクターに
重複配列を別々にクローニングすることにより達成され
た。 5.3.組換えDNA技術によるPIA、PIBまたは
PIA/PIBハイブリッドの生成 PIAのヌクレオチドコード配列を第3図に示す。PI
Bのヌクレオチドコード配列を第9図に示す。本発明の
実施において、ヌクレオチド配列またはその機能上の同
等物がPIAまたはPIB生成物の発現を指示する組換
え分子中に組み込まれる。また、第3図および第9図か
ら誘導されたハイブリッド配列を作製してハイブリッド
PIA/PIBタンパク質を生産させることもできる。
ヌクレオチドコード配列の縮重ゆえに、第3図または第
9図に示したと実質的に同じアミノ酸配列をコードする
他のDNA配列も、PIAまたはPIBをクローニング
および発現させるために本発明の実施においてそれぞれ
使用することができる。第3図または第9図のヌクレオ
チド配列のかかる変更には種々のヌクレオチド残基の欠
失、付加または置換が包含され、同一のまたは機能的に
等価の遺伝子生成物をコードする配列が生成される。そ
の遺伝子産物はアミノ酸残基の欠失、付加または置換を
含有できる。置換は関与する残基の極性、電荷、溶解
度、疎水性、親水性および/または両親媒性の類似性に
基づいて行われうる。例えば、負に荷電したアミノ酸に
はアスパラギン酸およびグルタミン酸が包含され、正に
荷電したアミノ酸にはリジンおよびアルギニンが包含さ
れる。同様の親水値を有する非荷電極性ヘッド基または
非極性ヘッド基をもつアミノ酸には次のものが包含され
る、すなわちロイシン、イソロイシン、バリン;グリシ
ン、アラニン;アスパラギン、グルタミン;セリン、ト
レオニン;フェニルアラニン、チロシン。 5.3.1.PI遺伝子クローニング/発現ベクターの
作製 第3図に示すPIA遺伝子配列、第9図に示すPIB遺
伝子配列、およびハイブリッドPIA/PIB配列、も
しくはこれらの機能的同等物は適当なクローニング発現
ベクターに挿入できる。終局的に挿入遺伝子の転写およ
び翻訳を達成するためには、その遺伝子は選ばれた宿主
細胞と適合するプロモーターの制御下に置かねばならな
い。プロモーターとはRNAポリメラーゼが結合して転
写を開始するDNAの領域である。選ばれるプロモータ
ーは宿主細胞生物から単離されたいずれのものでもよ
い。例えば、宿主系として通常用いられる大腸菌は菌そ
れ自体と、またはそのバクテリオファージと、もしくは
そのプラスミドと関連した、lacまたはrecAプロ
モーターのような多数のプロモーターを有する。またラ
ムダファージPおよびPプロモーターのような、合
成的にまたは組換えにより作られたプロモーターを使用
して、それに隣接するDNAセグメントの高レベル生産
を誘導することもできる。遺伝子を効率よく転写および
翻訳させるには、開始シグナルも必要である。例えば大
腸菌のmRNAでは、リボソーム結合物には翻訳開始コ
ドン(AUGまたはGUG)および16SリボソームR
NAの3’末端の塩基と相補性であるもう1つの配列が
包含される。後者の配列(シャイン−ダルガルノまたは
S−D配列)のいくつかは大腸菌や他の適当な種類の宿
主細胞において確認されている。宿主細胞系と適合しう
る任意のSD−ATG配列が使用できる。これらには大
腸菌ファージラムダのcro遺伝子またはN遺伝子、あ
るいは大腸菌のトリプトファンE、D、C、BまたはA
遺伝子が含まれるが、それらに限定されるわけではな
い。インビトロでDNA断片をクローニングベクターに
挿入する方法は数多く存在する。DNAリガーゼは二重
DNA鎖中の隣接ヌクレオチド間の一本鎖ニックを閉じ
る酵素である;従って、この酵素はある種の制限酵素に
より生成された付着末端同士を共有結合で連結させるの
に使用することができる。また、DNAリガーゼを使用
して平滑末端間のホスホジエステル結合の形成を触媒す
ることもできる。最後に、酵素ターミナルデオキシヌク
レオチジルトランスフェラーゼを用いて断片の末端で
3’ホモポリマー一本鎖尾部を形成させることができ
る。すなわち第一の分子の3’末端にオリゴ(dA)配
列を、そして第二の分子の3’末端にオリゴ(dT)配
列を付加することにより、2種類の分子がアニーリング
して環状ダイマーを形成させることができる。これらの
方法のどれを使っても、遺伝子セグメントプロモーター
および他の制御エレメントをベクターの特定部位に連結
することが可能である。こうして、PIタンパク質をコ
ードする遺伝子がベクタープロモーターおよび制御エレ
メントに対して特別の関係で所定のベクターに連結さ
れ、その結果前記配列はベクターATG配列に関して正
しい読み枠で挿入される。使用されるベクターは形質転
換細胞を同定しうるよう代表的にはアンピシリン耐性ま
たはテトラサイクリン耐性のようなマーカー機能を有し
ていよう。使用するベクターは既知の発現ベクターまた
はそれらの誘導体のいずれであってもよい。最も頻繁に
用いられるベクターはプラスミドベクター(例.pBR
322、pAC105、pVA5、pACYC177、
pKH47、pACYC184、pUB110、pmB
9、pBR325、Col El、pSC101、pB
R313、pML21、RSF2124、pCR1また
はRP4);バクテリオファージベクター(例.ラムダ
gt11、ラムダgt−WES−ラムダB、Charo
n28、Charon4A、ラムダgt−1−ラムダ
C、ラムダ−gt−1−ラムダB、M13mp7、M1
3mp8、M13mp9);SV40およびアデノウイ
ルスベクター、並びに酵母ベクターである。 5.4.PIAおよびPIB遺伝子生成物の同定および
精製 先に述べたように、PIAおよびPIBをコードする遺
伝子セグメントは本来は上記の新規なオリゴヌクレオチ
ド配列とのハイブリダイゼーションにより同定された。
選択された断片がPIAをコードする構造遺伝子である
という同一性は、天然PIAとの分子量比較により、お
よびコロニーラジオイムノアッセイで試験された6種類
すべてのPIAモノクローナル抗体との反応性により証
明された。PIB生成物の同一性もPIB特異的モノク
ローナル抗体との反応により証明された。クローン化P
IAまたはPIB遺伝子を発現する大腸菌宿主細胞は、
適切なモノクローナル抗体と反応するPIタンパク質を
豊富に産生する。PIAタンパク質の精製操作はTee
rlink等(The Pathogenic Nei
sseria,G.Schoolnik編、259−2
64,1985,ASM)に詳細に記載されている。 5.5.PIA/Bハイブリッドの作製 本発明に関連して、多数のハイブリッドPIA/B遺伝
子配列およびタンパク質が作られた。ハイブリッド遺伝
子はSeifert等(Genetic Engine
ering,Principles and Met
hods,Vol.8,p.123−134,Sett
in等編、Plenum Press,1986;PN
AS USA 83:735−739,1986)に従
って改良されたシャトル突然変異誘発法を用いて、PI
A産生株にPI遺伝子に隣接して選択マーカーを挿入す
ることにより作製された。この場合、選択マーカーは選
択可能なクロラムフェニコール耐性(Cm)を付与す
るクロラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ
(CAT)遺伝子であった。次にCAT DNAを含有
するPIA株をPIB含有受容株を形質転換するために
DNA供与株として使用した。相互交雑(recipr
ocal cross)も行われた。推定上のハイブリ
ッドはCmで選択し、イムノブロッティングでPIに
ついて調べて同定した。次の形質転換体すべてが観察さ
れた:(1)供与株DNAが存在した、または(2)受
容株DNAが保持されていた、または(3)そのDNA
がどちらの親のDNAとも相違していた。真のハイブリ
ッドPIA/B株は程良く高い頻度で両方の種類の交雑
において発生し、多くの異なる血清型が同定可能であっ
た。これらのハイブリッド遺伝子およびタンパク質を入
手できることにより、既知モノクローナル抗体のエピト
ープの位置を解明することができ、また防御抗体の生産
を誘導することが知られているエピトープ(従って、有
用なワクチンの開発において最も重要なエピトープであ
る)を含有するPIA/Bハイブリッドタンパク質の同
定、そして最終的にはその合成による構築が可能となっ
た。これらのハイブリッドの作製および同定の細部につ
いては以下の7節で述べることにする。 5.6.合成法によるPIA、PIBおよびハイブリッ
ドタンパク質の製造 もう一つの態様においては、第3図および第9図に示し
た遺伝子配列によりコードされるタンパク質並びにそれ
ぞれの一部を含有するキメラタンパク質を当分野でよく
知られた技法を使って化学的に容易に合成できる(J.
Chem.Soc.Perkin Trans.I:3
61,1986)。最終実施においては、タンパク質配
列内部の防御エピトープが同定されると、その分子の単
離された活性領域のペプチド合成によりワクチン製造用
の基本物質の単純で比較的安価な製造方法が提供され
る。ペプチド合成の使用はまた、ハイブリッドPIA/
PIBタンパク質の、または、好ましくはPIAとPI
Bタンパク質の両方の防御エピトープを含有する合成ペ
プチドの便利な構築手段を提供するものてある。従っ
て、本発明は開示した配列による、遺伝子組換えにより
製造されたタンパク質および合成的に製造されたタンパ
ク質の両方を包含するものである。また、完全なタンパ
ク質の断片、好ましくは親タンパク質分子の抗原性を保
持する断片、そして最も好ましくは防御抗体の生産を惹
起するエピトープを含有する断片も本発明に包含され
る。さらに、配列内の1個またはそれ以上のアミノ酸残
基を化学的に同等のアミノ酸で置き換えることによっ
て、完全なタンパク質およびペプチド断片配列内で置換
を行うことが可能であることも認識されよう;例えば、
アスパラギン酸およびグルタミン酸のような負に荷電し
た残基は相互交換でき、リジンやアルギニンのような正
に荷電した残基も同様に交換できる。疎水性残基にはト
リプトファン、フェニルアラニン、ロイシン、イソロイ
シン、バリンおよびアラニンが包含される。既知配列か
らのある種の欠失または既知配列への付加を行い、しか
もまだ所望の抗原活性を保持させることも可能である。
これらの2種のタンパク質の配列に関する本情報が与え
られたことにより、分子を適当に改変しかつ活性が保持
されているかどうか判定することは当分野の技術の範囲
内である。従って本発明はさらに、クローン化したもの
であろうと合成的に製造したものであろうと、親分子の
抗原性が実質的に保持されている請求したタンパク質の
相同物、類似物、および断片を包含するものである。 5.7.ワクチンの製剤 精製された形態の遺伝子産物または合成によるPIAペ
プチドは淋菌感染予防用のワクチン組成物を調製するの
に有用である。完全なPIAタンパク質またはその任意
の活性断片がこの種の組成物中で免疫源物質として使用
できる。遺伝子生成物が融合タンパク質の一部分として
発現された場合には、そのタンパク質を全体として使用
できるしあるいは宿主細胞タンパク質を切断して非融合
PIAタンパク質を生成させることもできる。組換えD
NA技術により作られたPIAタンパク質は標準的なタ
ンパク質分離法を用いて宿主細胞から分離できる。次に
精製タンパクを通常使用される任意の医薬上許容しうる
担体例えば水、生理食塩水、エタノール、ポリオール
(例.グリセロール、プロピレングリコール)、または
植物油、並びに当分野で知られた任意のワクチンアジュ
バントと組み合わせる。PIA産物はまたワクチン製剤
に使用するためにリボソーム内に取り込ませることもで
きる。ここで用いる“医薬上許容しうる担体”とはあら
ゆる溶媒、分散媒、コーティング、抗菌剤および抗真菌
剤、等張剤、吸収遅延剤などを包含する。医薬上活性な
物質に対するかかる作用剤の使用は当分野で知られてい
る。慣用媒体が活性成分と不適合でない限り、治療組成
物中におけるその使用が意図される。補助的な活性成分
も混入できる。本発明の特に有用な実施態様は、活性免
疫原としてハイブリッドPIA/PIBタンパク質を用
いたワクチンである。PIAとPIBの両方のエピトー
プを発現する。実験的に誘導された淋菌は文献(Dan
ielsson,Inf.Immun.52:529−
533)に報告されているが、キメラタンパク質の構造
は同定されず、そのタンパク質をワクチンに使用する可
能性については全く触れられていない。かかるワクチン
により両方の種類の淋菌感染(すなわち、プロテインI
A含有株に関連した全身感染およびプロテインIAまた
はプロテインIB含有株に関連した局所感染)に対して
個体を免疫できるという利点が得られる。本発明に関連
して述べた特定プローブの入手可能性が示されたことに
より、かかる適当なハイブリッドタンパク質は当分野技
術者に知られた技法を使って容易に得ることができる。
原則的には、キメラ遺伝子は個々のタンパクの遺伝子を
初めに単離することにより作製できる。本発明のPIA
特異的オリゴヌクレオチドプローブを用いたPIA遺伝
子の単離方法はすでに上で説明した。同様の操作がPI
B遺伝子の単離および同定に使用できる。PIBタンパ
ク質のみを産生する菌株例えばMS11、R10、FA
6140、F62などが多数同定されている。上記の非
PIA特異的DNA配列は、PIB特異的菌株由来のP
I配列を含有する制限断片をPIB菌株の遺伝子ライブ
ラリーから単離するのに好都合に使用できる。正しい産
物が発現されたことの証明は、推定PIB断片による宿
主微生物の形質転換および発現、そして任意の既知PI
B特異的モノクローナル抗体(R.C.Nowinsk
i,Knapp,J.S.,Tam,M.R.,and
Sandstrom J.Infect.Dis.,
150:44−48,1984)との反応による発現産
物の同定から得られる。ひとたび個々の遺伝子断片が単
離されたら、それらは当業上知られた任意の方法を用い
て容易にクローン化され、組み立てられる。次にPIA
配列部分を、キメラタンパク質が転写および翻訳可能な
形態(例えば、翻訳終止配列により中断されてない形
態)でコードされるように、PIB配列部分に連結させ
る。次に、全キメラ配列を選択マーカーおよび制御エレ
メントを含有するベクターに連結させることができる。
次にこのベクターを用いて、回収可能な量の遺伝子生成
物を発現しうる宿主微生物を形質転換する。もちろん別
法として出発点でPIA遺伝子をすでに含有するベクタ
ー(例えば、大腸菌NRRL B−18263に含有さ
れるプラスミド)を使用してもよい。PIB配列を上記
のようにして単離し、その全部または一部をプラスミド
中のPIA遺伝子に隣接してまたはPIA遺伝子の内部
に連結させて目的とするキメラ遺伝子の転写および翻訳
を行わせることもできる。しかしながら好ましくはPI
A/PIBハイブリッドは5.6節で説明したようにし
て作製し、ハイブリッド遺伝子をそこから単離して形質
転換用のベクターを作製する。このようにして作製した
ベクターを使って再度宿主微生物を形質転換する。この
ようにして、遺伝子生成物の発現によりキメラタンパク
質の供給源が提供され、このキメラタンパク質PIAま
たはPIBタンパク単独と同じ方法でワクチン製剤中に
容易に配合できる。また別の実施態様においては、ワク
チン製剤に有用なハイブリッドタンパク質は今や配列が
明らかとなったタンパク質の防御エピトープを単離およ
び同定することにより合成的によって製造することもで
きる。先に述べたように、組換えキメラタンパク質が容
易に入手しうることにより、問題のエピトープをより容
易に同定でき、それにより最終的には免疫を賦与するの
に必要なハイブリッドタンパク質のその部分のみを含有
する“簡素化された”ハイブリッドを合成方法により構
築することができる。
【発明の実態の形態】 【実施例】
6.実施例1:PIA遺伝子の同定、単離および発現 本発明の方法にしたがって、淋菌DNAの断片を得、個
々の断片を別々にクローニングし、次いで外来の誘導可
能プロモーターとともに遺伝子を再構築することによ
り、PIA遺伝子配列を決定した。前述のように、オリ
ゴヌクレオチドNC1とのハイブリッド形成により、P
IA遺伝子配列の部分を有する2個の推定断片を同定し
た。次に関連する制限フラグメントをそれぞれpGEM
−2プラスミドベクターに結合し、適当な宿主に形質転
換した。オリゴNC1とハイブリッド形成した形質転換
体を単離した。これらのクローンからプラスミドDNA
を調製し、適当な制限酵素で消化し、再びNC1をプロ
ーブとして探査した。NC1とハイブリッド形成した個
々の断片を、次いで別々にpGEM−2プラスミドに再
連結して、2つの別個のプラスミド、pUNC3および
pUNC11を得た。750bp断片のDNA配列の同
一性は、それに由来するより小さな制限断片をM13m
pRF DNAにサブクローニングし、次いでサンガー
法(PNASUSA 74,5463−5467,19
77)にしたがって配列決定することにより決定され
た。この配列から、新規オリゴヌクレオチドを合成し
た。NC8と命名したこの新規オリゴヌクレオチドを、
すでにクローニングされた900bp断片に隣接する8
50bp断片を同定するために使用し、この断片をpG
EM−2にクローニングしてpUNC15を生成させ、
サンガー法(上記)により配列決定した。プラスミド調
製、配列決定、ハイブリッド形成および形質転換に関す
る操作法の詳細、を以下に述べる。 6.1.プラスミドの調製に用いられる一般的操作法 以下の小節には、DNA単離、酵素反応、断片の単離お
よび結合反応に用いられる一般的操作法が記載される。 6.1.1.制限酵素に関する条件 この実験に用いられる制限酵素は、特に指示しない限り
New England Biolabs,Inc.,
Beverly,Massachusettsから入手
される。N.ゴノロエアエ培養物は、ケロッグの添加物
(Kellogg’s supplement)Iおよ
びII(J.Bacterial.85:1274−1
279,1963)を含有するGC基礎培地(DIFC
O)中で5%CO雰囲気下で増殖させる。Manes
sら(J.Infect.Dis128:321−3
30)に記載された淋菌株FA19から、Sternら
Cell 37:447−456,1984)の方法
にしたがって、消化に必要なDNAを単離した。この菌
株はプロティンIAを生産することが知られている。下
記の条件下で全ての消化を行った。約20μlのDNA
試料を、2−10倍過剰の制限酵素中で37℃で1−3
時間インキュベートした。この条件の例外は、TaqI
に関して温度65℃、SmaIに関して30℃である。 6.1.2.制限酵素緩衝液 AccI、MspIおよびRsaI消化に用いた緩衝液
は、50mMトリス−HClおよび10mMMgCl
からなり、pH8である。AvaI、HindIIIお
よびTaqI消化に用いた緩衝液は、50mMトリス−
HCl、10mM MgClおよび50mM NaC
lからなり、pH8である。BamHI、EcoRIお
よびSalI消化に用いた緩衝液は、50mMトリス−
HCl、10mM MgClおよび100mM Na
Clからなり、pH8である。HincII、Sau3
AIおよびSmaI消化に用いた緩衝液は、20mMト
リス−HCl、5mM MgClおよび50mM K
Clからなり、pH7.4である。0.5M EDTA
(pH7.5)を最終濃度10mMとなるように添加し
て反応を停止させる。 6.1.3.関連する制限断片の同定 大腸菌株HB101(Maniatisら、Molec
ular Cloning,Cold Spring
Harbor Laboratory,Cold Sp
ring Harbor,NY,1982)において、
pBR322のPIAを他のベクタープラスミド上にク
ローニングする初期の試みは、否定的な結果の繰り返し
であった。したがって、PIA遺伝子またはそのタンパ
ク質を含有する断片を、オリゴヌクレオチドプローブと
のハイブリッド形成によって同定することを試みること
にした。N.ゴノロエアエ菌株R10のPIBの公知の
N−末端アミノ酸配列(Blakeら、Infec
t.,Immun36:277−285,1982)
に基づいて、2つのプローブを設計した。2つの他の淋
菌タンパク質であるピリンMeyerら、PNAS U
SA 81:6110−6114,1984)およびP
IIの遺伝子配列から得られた限られた量のコドン使用
データとともに、この情報をNC1およびNC2と命名
された第2図に示す1対のオリゴヌクレオチドを構築し
た。NC1はただ一つの配列であり、NC2は正しい配
列を同定する確率を高めることを意図したヌクレオチド
の混合集団である。コロニーハイブリッド形成アッセイ
において、これら両方のオリゴヌクレオチドはFA19
とハイブリッド形成したが、pBR322またはpGE
M−2のいずれか一方を含有するHB101とはハイブ
リッド形成しなかった。制限エンドヌクレアーゼ消化さ
れたDNAをアガロースゲルで操作し、Souther
nのブロット法(J.Mol.Biol98:503
−517,1978)によりゲルからニトロセルロース
フィルターへ移した。NC1およびNC2オリゴプロー
ブをManiatisらの方法(上記)にしたがってポ
リヌクレオチドキナーゼを用いてγ−P32ATP(I
CNRadiochemicals,Irvine,C
alif.)で標識した。下記の緩衝液中で末端標識を
行った。トリス−HCl(pH7.6)、10mM M
gCl、5mM DTT(ジチオトレイトール)、
0.1mMスペルミジンおよび0.1mM EDTA。
ニトロセルロースフィルター上のDNAに対する標識オ
リゴヌクレオチドのハイブリッド形成は、4×SSPE
(0.18M NaCl,10mM NaHPO
[pH7.4]、1mM EDTA)、2×Denh
ardtの溶液(1×=0.02%ウシ血清アルブミ
ン、0.02%Ficoll、0.02%ポリビニルピ
ロリジン)、20mMピロリン酸ナトリウム、0.2%
ドデシル硫酸ナトリウムおよび50μg/mlサケ精液
DNA中で、ハイブリッド形成反応液1ml当り10
cpmの標識オリゴヌクレオチドを用いて一晩行った。
フィルターを1×SSC(0.15M NaCl、0.
015Mクエン酸ナトリウム)、5mMピロリン酸ナト
リウムおよび0.1%ドデシル硫酸ナトリウム中で洗浄
した。ハイブリッド形成および洗浄の温度は、NC1お
よびNC2についてそれぞれ46℃および40℃であっ
た。フィルターを5×SSC中で洗浄し、乾燥し、Ko
dak X線フィルムに暴露した。1個のフラグメント
に対するハイブリッド形成が個々の場合に起こった。関
連する断片はEcoRI−10kb、SalI−5.5
kb、Sau3AI−900bpおよびTaqI−75
0bpであった。NC1およびNC2の両者について同
一の結果が観察された。 6.1.4.断片のクローニング pBR322にクローニングされたEcoRIまたはS
alI消化DNAを含有するHB101のコロニーライ
ブラリーを、コロニーハイブリッド形成法によってオリ
ゴヌクレオチドNC1をプローブとして探査すると、陽
性のコロニーは観察されなかった。このことはPIが大
腸菌に対して致死的てあることを示唆する先の観察を支
持した。FA19DNAのより小さな断片、すなわちオ
リゴヌクレオチドとハイブリッド形成したSau3AI
およびTaqI消化物は、全PI遺伝子を含有していな
いと推定され、クローニングのための候補として選択さ
れた。各断片について、本格的に同じ操作にしたがっ
た。Sau3AI断片については、全FA19 DNA
をSau3AIで完全に消化した。プラスミドpGEM
−2(Promega BiotecMadison,
Wis.より入手)DNAをBamHIで消化し、Sa
u3AI断片に結合した。DNA断片の結合はT4リガ
ーゼ(New England Biolabs,Be
verley,Mass.)を用い4℃で16時間、次
のバッファー中で行った。50mMトリス−HCl(p
H7.6)、10mM MgCl、5%(w/v)ポ
リエチレングリコール8000、1mM ATP、1m
M DTT。MandelおよびHigaの塩化カルシ
ウム法(J.Mol,Biol53:154,197
0)により、この組換えプラスミドで大腸菌HB101
を形質転換した。これについて概説すると、細菌細胞を
50mM CaClおよび10mMトリス−HCl、
pH8、の氷冷滅菌溶液に懸濁し、次いで結合緩衝液中
でプラスミドDNAと混合する。約2000個の形質転
換が回収された。細菌コロニーを、Grunstein
およびHognessの方法(PNAS USA
:3961−3965,1975)にしたがってハイ
ブリッド形成により調製されたニトロセルロースフィル
ター上に移し、オリゴNClとのハイブリッド形成を観
察した。1個のコロニーが実際にこのオリゴヌクレオチ
ドとハイブリッド形成した。プラスミドDNAを増幅
し、集め、Sau3AIで消化し、すでに述べたサザン
ハイブリッド形成法によってオリゴNClをプローブと
して探査した。900bpの1個の断片がこのオリゴヌ
クレオチドとハイブリッド形成し、これは先のサザンハ
イブリッド形成によって同定されたFA19のSau3
AIゲノム断片と同じ大きさであった。この断片を切り
取り、アガロースゲルから電気的に溶出し(elect
roelute)、BamHl消化pGEM−2プラス
ミドに再び結合させて、組換えプラスミドpUNC3を
作成した(第2図)。オリゴNC1とハイブリッド形成
したFA19の750bpのTaqI断片を用いて実質
的に前記と同じ操作を行った。しかし、TaqI断片は
pGEM−2のAccI消化部位に結合して、組換えプ
ラスミドPUNC11を得た(第2図)。 6.1.5.サブクローニングおよび断片の配列決定 配列決定に先立って、750bpのTaqI断片を酵素
RsaIおよびMspIを用いて消化して、300bp
以下のより小さな制限断片とした。次いで断片の末端を
修復し、Norrander ら(Gene 26:1
01−106,1983)により記載されたようにし
て、M13 mp18 RF DNAのSmaI部位に
結合した。次いで、このクローニングベクターによって
作成された1本鎖DNAは、Sangerらの方法(
NASUSA 74:5463−5467,1977)
によって配列決定するための鋳型として用いられる。S
anger(上記)およびそれに含まれる参考文献(B
RL,Gaithersburg,Md.)に記載の方
法にしたがって、ジデオキシヌクレオチドを調製するこ
とができる。各DNA試料につき4個のウェル、すなわ
ちジデオキシヌクレオチドddA、ddT、ddCおよ
びddGのそれぞれについて1個のウェルを用意する。
各ウェルに、鋳型DNA2μl、ならびにプライマー混
合物(BRL由来の11μlの(22ng)M13 1
7塩基プライマー、11μlのTM(100mMトリス
+50mM MgCl、pH8.5)および66μl
のHO(10クローンにつき)からなる)2μlを添
加する。これらを回転させ、プラスチックラップでおお
い、56℃で50−60分間インキュベートする。イン
キュベートした後、2μlの適当なNTP混合液を各ウ
ェルに添加する。各混合液は10−500μMのddN
TPおよび各6.25μMの通常のdNTPを含有す
る。NTP混合液の添加後、2μlのクレノウ混合液を
各ウェルに添加した。このクレノウ混合液は、11μl
のクレノウ(1U/μlに希釈)、11μlの0.1M
ジチオスレイトール、4.4μlの35S−dATPお
よび61.6μlのHOからなる。この混合物を回転
させ、プラスチックラップでおおい、30℃で15分間
再度インキュベートする。各ウェルに2μlの追跡用混
合液(4種の全てのdNTP0.25mM)を加え、回
転させ、30℃で15分間再度インキュベートする。次
いで2μlのホルムアミド色素を各ウェルに加えた後、
おおいをせずに80℃で15分間インキュベートする。
この時点で、これらの混合物をゲルにすぐ負荷でき、あ
るいはラップして−80℃で保存することができる。こ
の操作法て使用したゲルは下記の組成を有する。 ゲルを60ワットの定出力で3−4時間操作し、次いで
10%酢酸および10%メタノール中で15分間固定し
たのち、これらを紙の上で乾燥し、KodakX線フィ
ルムに暴露する。TaqI断片について決定された配列
に基づいて、新規オリゴヌクレオチドであるNC8を作
成した。5’GCGTTAAAACCGCTACC3’
の配列を有するこの新規オリゴヌクレオチドは、前もっ
てクローニングされた900bpの断片に隣接する85
0bpのSau3AI断片を同定するためにサザンハイ
ブリッド形成に用いられ、この850bpはpGEM−
2にクローニングされてプラスミドpUNC15(第2
図)を生成し、前記の手法で配列決定された。PI遺伝
子の全配列を第3図に示す。この配列の唯一の大きな読
みとり枠は塩基84と1062の間に存在しており、こ
れは326個アミノ酸タンパク質に相当する。種々のP
Iタンパク質の刊行されたN−末端アミノ酸配列(Bl
ake,上記)から、成熟タンパク質の最初の残基はお
そらく塩基141のアスパラギン酸であった。このこと
は307アミノ酸の成熟タンパク質および19アミノ酸
のシグナルペプチドを与える。このタンパク質の推定の
大きさは33,786ダルトンであり、これはFA19
におけるPIの見かけの分子量35,000に近い。こ
のシグナルペプチドは、このような配列に関連した共通
の特性を有すると思われ(Von Heijne,J.
Mol.Biol.184:99−105,198
5)、一続きの疎水性アミノ酸、豊富なアラニン残基お
よびAla−X−Ala切断部位を有する。また推定−
35および−10プロモーター配列、およびシグナル配
列の最初の残基のすぐ上流にShine−Dalgar
noリボゾーム結合部位も存在していた。上記プロモー
ター配列は配列および分離に関して大腸菌におけるこれ
らの配列に関するコンセンサスに近い(Harley
ら、NuclAcid Res15:2343−2
361,1987)。予想されるN−末端アミノ酸配列
は、推定PIAタンパク質のアミノ酸配列決定により決
定されたものに合致し、(Blake,The Pat
hogenic Neiseeria,G.K.Sch
oolnik編、Amer.Soc.Microbio
l.,Wash.)、R10のPIBタンパク質のそれ
ときわめて類似していた。予想されるタンパク質のヒド
ロパシープロフィールは、外層膜ポーリンタンパク質の
それに典型的であり、大腸菌0mpFおよび0mpCの
主要ポーリンと比較して優れており(第4図)、実質的
に疎水性伸長部をまったく持たない長い親水性領域によ
って特色付けられた。他の配列決定された淋菌外層膜タ
ンパク質のヒドロパシープロフィールとの相関はほとん
ど存在しなかった。 6.2.遺伝子発現 完全なPI遺伝子クローンを、pUNC3およびpUN
C15のSau3AI断片の遺伝子の2つの部分を結合
させることによって回収する試みは、繰り返し失敗に終
わり、淋菌PIは大腸菌にとって致死的であるという結
論に至った。したがって、PI遺伝子プロモーターの一
部分を除去し、PI遺伝子がpGEM−2上でファージ
T7プロモーターの下流に位置するように、組換えプラ
スミドを構築した。大腸菌細胞は普通はT7プロモータ
ーから下流の遺伝子を転写するT7ポリメラーゼを含有
しないため、このプラスミドは安定に保持される。この
ようにして構築されたプラスミドがpUNC7であり、
第5図に示したスキームにしたがって調製された。PI
遺伝子プロモーターの−35と−10領域の間の従来の
HaeIII部位により、−35領域およびその上流配
列が容易に除去をできた。次に遺伝子の残りの部分をT
7プロモーターの制御下でpGEM−2に挿入した。p
UNC7で形質転換されたHB101は、コロニーラジ
オイムノアッセイで検出可能なPIを発現しなかった。
次に、ファージT7ポリメラーゼ遺伝子を有するがLa
UV5プロモーター(Studierら、J.Mo
l,Biol189:113−130,1986)の
制御下にある溶原菌である。大腸菌BL21(DE3)
を、プラスミドpUNC7で形質転換した。イソプロピ
ル−β−D−チオガラクトピラノシド(IPTG)を含
まない培地で生育させると、プラスミドpUNC7を有
するBL21(DE3)は検出可能なPIを生産しなか
ったが、培地中にT7ポリメラーゼ生産を誘導するIP
TGが存在すると、PI遺伝子生産物はコロニーブロッ
トラジオイムノアッセイでPIAモノクローナル抗体に
よって検出された。発現されたタンパク質は、生産物が
細胞を溶解することなくコロニーラジオイムノアッセイ
で検出されうることから、大腸菌クローンの内層膜を通
って有効に運び出されると思われる。このタンパク質
は、SDS−PAGE(第6図A)およびウェスタンブ
ロッティング(第6図B)によって検出されたFA19
と比較して、同等の見かけの分子量を有し、IPTG存
在下で一晩生育させる間にクローンによって産生される
最も大量のタンパク質であるとも思われる。このタンパ
ク質生産は特にこの大腸菌株に致死的であり、安定な細
胞を回収することはできない。しかしIPTG含有培地
での生育によって発現が誘導されないならば、PI遺伝
子を包含するプラスミドpUNC7を有する菌株中に安
定に保持することがてきる。プラスミドpUNC7を有
する菌株BL21(DE3)の生物学的に純粋な培養物
は、1987年11月13日に、the Northe
n Regional Research Labo−
ratory(NRRL)に受託番号NRRL ♯B−
19263のもとに寄託された。 7.実施例2:PIB遺伝子の同定、単離、配列決定お
よび発現ならびにPIA/Bハイブリッドの構築および
発現 nmp 遺伝子座がPI構造遺伝子であること、そしてP
IAおよびPIBタンパク質が対立遺伝子であることを
示そうとする試みの結果として、PIB遺伝子およびP
IA/Bハイブリッドの両者が同定および単離された。
順次行われる手順はPIA含有菌株への選択可能なマー
カーの挿入、それに続くPIB生産菌株の形質転換を包
含する。これらの操作法の輪郭を以下に詳細に述べる。 7.1.PI遺伝子への選択可能なマーカーの挿入 FA19(PIA生産菌株)のPI遺伝子の最初の45
コドンおよび上流配列を含む、上記pUNC3の900
bpのSau3AI断片を、BamHI消化pHSS6
に結合してプラスミドpNCS2を作成した(第7
図)。次にこのプラスミドをシャトル突然変異誘発に付
した。シャトル突然変異誘発はSaifertら(上
記)の方法の変法を用いて行った。標的のDNAをpH
SS6にサブクローニングし、大腸菌株RDP146
(pTCA)に形質転換により導入し、続いて接合によ
りpOX38::mTn3Cm−3(大腸菌W311
polA由来)を導入した。トランス接合体を30℃で
一夜生育させて転位を起こさせ、続いて数時間37℃で
生育させた。トランス接合体の「プール」(約1000
コロニー)を再懸濁し、大腸菌NS2114Smとの接
合に際してドナーとして使用した。その場合、標的のプ
ラスミドへ転位する際に中間体として生じたプラスミド
同時組込み体が分解する(Seifertら、上記)。
こうして挿入されたトランスポゾンは、プラスミドpT
CA上でトランスに与えられるトランスポザーゼ機能が
もはや存在しないため安定である。この場合に用いられ
たミニトランスポゾンは、Tn3のbla遺伝子がクロ
ラムフェニコールアセチルトランスフェラーゼ(CA
T)遺伝子により置き換えられたmTn3Cm−3であ
る。pNCS2の900bpのSau3AI断片内のm
Tn3Cm−3挿入部位をマッピングした後、種々の部
位にmTn3Cm−3を有する5種のこのような構築物
を、全挿入物を線状断片として放出させNotIで消化
して、FA19を形質転換するのに使用した。消化され
たプラスミドであるpNCS32(第7図)だけが、約
1×10−7の頻度でFA19をCmに形質転換し
た。pNCS32におけるmTn3Cm−3の挿入部位
はPIA遺伝子プロモーター配列の約300bp上流で
あったが、他の4つのプラスミドの挿入部位はすべて、
PI遺伝子内ではないがより近接していた。形質転換体
FA19 CAT D1(第7図)のゲノム中のmTn
3Cm−3の位置をサザンハイブリッド形成によって確
認した。先行する研究(Cannonら、J.Bact
eriol143:847−851,1980;In
fect.Immun32:547−552,198
1)はPIの分子量および抗原性に影響を与えるnmp
遺伝子座が淋菌ゲノム上で抗生物質耐性マーカーstr
およびspcと、strspcと、nmpの順で近接
して結合しており、同時形質転換頻度はstrおよび
mpについて5%、spcおよびnmpについては約2
3%であることを示している。PI構造遺伝子に隣接す
るFA19 CAT D1のCATマーカーがnmp遺
伝子座と同じリンケージパターンを示したかどうかを調
べるために、菌株FA130(StrSpc
)Sarubbiら、J.Bac−teriol
120:1284−1292,1974)とFA19
CAT D1(StrSpcCm)の間で相互乗
り換えを行った。FA130 DNAをFA19 CA
TD1の形質転換に用いた場合に、StrまたはSp
のいずれか一方を選択すると、同時形質転換頻度は
spcおよびCATについて26%(99/383)、
strおよびCATについて7.5%(40/537)
てあった。相互乗り換えにおいて、Cmを選択する
と、同時形質転換頻度はspcおよびCATについて1
0%(11/111)、strおよびCATについて1
%(1/111)であった。乗り換え程度の分析によ
り、遺伝子の順序がstrspc…CATであること
が確認された。これらのデータはCAT遺伝子がnmp
遺伝子座と同じ様式でstrおよびspcマーカーと結
合していることを実証した。このことはnmp遺伝子座
がPIの構造遺伝子であることの強力な証拠を与える。
もう一つの乗り換えに際しては、PIB菌株MS11を
形質転換するためにFA19 CAT D1 DNAを
用い、Cmを選択した。45個の形質転換体のうち、
24個は供与株のPIAを獲得し、13個は受容株PI
Bを保持し、そして8個は新規ハイブリッドPIA/P
IBタンパク質を発現した。これはコロニーイムノブロ
ッティングにより検出された。近接して結合したCAT
遺伝子を選択するときの供与株PIAによる受容株PI
Bの置換は、これらの遺伝子の対立遺伝子としての性質
を確証するものであり、そしてハイブリッドタンパク質
が高頻度に出現することは、2つの対立遺伝子間の配列
相同性により遺伝子内組換えが起こることを示唆した。
これらのPIハイブリッド菌株の詳細な分析はMS11
のPIB配列に関する知識の如何に左右されるので、こ
の配列をクローニングして配列決定した。 7.2.PIB遺伝子のクローニング、配列決定及び発
完全無欠な淋菌PI遺伝子を大腸菌にクローニングする
ことはできないと思われるため、一緒になって完全な遺
伝子配列を含有するものであるPIAについて上記した
クローニング断片の方法を、MS11 PI遺伝子に採
用した。予めハイブリッドPIを有するとして特性決定
された菌株FA6149(Danielsonら、In
fectImmun.52:529−533,198
6)のPI遺伝子内からのDNA断片を、クローニング
して配列決定し、そして配列のPIB部分、遺伝子の開
始点から約300bp、にKpnI部位が存在すること
が判明した。KpnI部位下流のPIB遺伝子配列から
誘導されたオリゴヌクレオチドNC12(第8図)、お
よびこのタンパク質のN−末端に対応する遺伝子配列か
ら誘導されたNC1(第1図)を、サザンハイブリッド
形成でのプローブとして用い、MS11 PI遺伝子に
KpnI部位が存在することを確認した。ベクタープラ
スミドpGEM−3にクローニングされたKpnI/
incII−消化MS11 DNAを含有するHB10
1コロニーを、これらのオリゴヌクレオチドをプローブ
として探査し、NC12とハイブリッド形成するコロニ
ーを検出し、そしてこれらのコロニーがNC12とハイ
ブリッド形成した1.8kbのKpnI/HincII
断片を有するプラスミドを含有することを見いだした。
このプラスミドをpUNCH22(第8図)と命名し
た。しかし繰り返し試みても、NC1とハイブリッド形
成するコロニーは検出されなかった。NC1はサザンハ
イブリッド形成でMS11ゲノムDNAの750bpの
KpnI/HincII断片とハイブリッド形成したた
め、問題点は大きさにあるのではなく、コピー数の多い
ベクターにおいては、HB101に対して致命的である
この断片のPI遺伝子部分の発現の問題である可能性が
高いと思われた。この理由から、プローブとしてオリゴ
ヌクレオチドNC1を用いて、MS11PI遺伝子の残
りの部分をλgι11における540bpのHinfI
断片として単離した。このクローンをλgt11.NC
1(第8図)と命名した。λgt11.NC1の540
bpのHinfI断片およびpUNCH22のKpn
Sau3AIフラグメントをさらに消化し、サブクロ
ーニングし、配列決定した。この配列を第9図に示す。
この配列から350アミノ酸のタンパク質が予想され、
そのうち最初の19は推定シグナルペプチドである、F
A19およびMS11のPI遺伝子の比較は、80%の
ヌクレオチド配列相同性を示す。PIA(FA19)お
よびPIB(MS11)の予想アミノ酸配列の比較を第
10図に示す。これは長い相同領域が散在する数多くの
有意に相違する領域を示す。淋菌細胞全体に対して生じ
るPI−特異的モノクローナル抗体はPIAとPIBと
の間で全く交差反応性ではないので(Knappら、
J.Infect.Dis150:44−48,19
84)、相違領域の一部はおそらくタンパク質の表面に
露出した抗原性の部分に相当する。PIAの場合と同じ
方法を用いて完全なPIB遺伝子の発現を達成した
(6.2節)。PIB遺伝子プロモーターの−35およ
び−10領域間のNciI部位から遺伝子内のKpn
部位までのλgt11.NC1挿入DNAの断片を、
incIIおよびBamHIで消化されたベクターpG
EM−2内にpUNCH22の750bpのKpnI−
Sau3AI断片と一緒に連結させた。この結果、それ
自身のプロモーターを持たないがプラスミドベクター上
のT7プロモーターのすぐ下流に完全なPIBコード配
列を生じた。この構築物(pUNCH25)をBL21
(DE3)に導入し、IPTG存在下に生育させると、
PIBの発現を検出することができた(第11図)。プ
ラスミドpUNCH25を有する生物学的に純粋な大腸
菌株BL21(DE3)培養物は、the Ameri
can Type CultureCollectio
n,Rockville,Marylandに受託番号
67775のもとに寄託されている。 7.3.PIA/Bハイブリッド菌株の構築および分析 さらに、MS11をFA19 CAT D1 DNAで
形質転換し(Biswasら、J.Bacterio
l.129:983−992,1977)、Cmを選
択し、イムノブロッティングによりPIを検出すること
により、PIA/Bハイブリッドを構築した。相互乗り
換えにおいて、PIBを保持しているMS11のCm
形質転換体由来のDNAをFA19の形質転換に使用
し、Cmで選択し前記のようにPIを検出した。抗生
物質耐性を表現型として発現させるために、細胞をGC
基礎ブロス中で、あるいは抗生物質を含有する軟寒天上
層を添加した。GC基礎寒天培地中で5時間インキュベ
ートした。受容株としてFA19を用い、Cmで選択
するときは1μg/mlの抗生物質を使用したが、MS
11を受容株であるときは10μg/mlを用いた。C
annonらの方法の変法を用いてモノクローナル抗体
の結合について細菌株をアッセイした。GC基礎ブロス
中の高濃度細胞懸濁液を濾過マニホルドを用いてニトロ
セルロースに移し、クロロホルム蒸気中で溶解させた。
このフィルターを5%粉乳を含有するTBS(10mM
トリス−HCl、pH7.5、150mM NaC
)に浸漬し、適当な抗体を含有するTBS中でイン
キュベートし、つぎにTBS中で洗浄した。二次抗体と
接合した抗マウスIgG−アルカリフォスファターゼ
(Sigma)中でインキュベートし、さらに洗浄した
後、フィルターをニトロブルーテトラゾリウムおよび5
−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルホスフェート
(Bethesda ResearchLaborat
ories)を用いて製造業者の指示にしたがって展開
した。使用したモノクローナル抗体は、4A12,4G
5,2F12,6D9,5G9,5D1(10),1D
3(26)およびSM101(27)(これらは全てP
IA特異的である)、ならびに1F5,3C8,2D4
および2H1(10)(これらはPIB特異的である)
であった。SM101以外の全ての抗体はM.Tam
(GeneticSystems)の厚意により腹水中
で供給され、1:2000ないし1:10000の希釈
で用いられた。SM101はJ.Heckels(So
uthampton大学)の厚意により提供された。受
容株としてFA19を用いた300個の形質転換体のう
ち、3個がハイブリッドPIを有した。13個のハイブ
リッド菌株のうち、5個の異なるハイブリッドPI血清
型が同定された(第I表)。次にハイブリッドPI遺伝
子のどの部分がPI配列であるか、そしてどれがPIB
配列であるかを評価するために、多数のPIA−及びP
IB−特異的オリゴヌクレオチド(第II表および第1
0図)を用いるコロニーハイブリッド形成によりハイブ
リッド菌株を分析し、この方法により9個の異なるクラ
スが検出された(第10図)構造を既知のハイブリッド
PIの血清型の分析により、これらのモノクローナル抗
体についてのエピトープのおよその位置を決定すること
ができた。 クラス1ハイブリッドと反応するPIA特異的モノクロ
ーナル抗体4G5、2F12およびSM101のエピト
ープは、タンパク質のN−末端の近く、最初の60残基
以内に存在するはずである。ハイブリッドクラス1、5
および6の比較は、SM101に対するエピトープが少
なくとも部分的には残基34と60の間の領域に存在す
ることが示唆される。N−末端60残基はPIAおよび
PIB間で有意な相違を含み(第3図、第9図、第10
図)、これはこれらの抗体の特異性の説明となりうる。
ハイブリッドクラス6−9と反応する6D9(PIA特
異的)のエピトープは、残基187から250までのタ
ンパク質領域に存在し、この領域もまたPIAおよびP
IBの間で有意に異なる領域を含む。4A12,5G
9,5D1および1D3(すべてPIA特異的)のエピ
トープは、クラス9のハイブリッドタンパク質において
のみ検出され、したがっておそらくタンパク質のN−末
端およびC−末端部分の両方を含む複合エピトープであ
る。このことは、タンパク質が比較的に変性されるウェ
スタンブロットではPIとよく反応しないという観察に
よって支持される。MS11のPIBと反応する4個の
抗体のうち、ハイブリッドクラス7および8と反応する
7F5のエピトープはN−末端60残基内に位置する
が、3C8,2D4および2H1のエピトープは分岐配
列を含有するタンパク質の中央部、残基150から27
0までの間に存在すると思われ、この部分は長く伸びた
クラス9ハイブリッドタンパク質が3D8とのみ反応す
ることから、3C8のエピトープは2D4および2H1
のエピトープのわずかに上流に位置する。しかし、2D
4および2H1がウエスタンブロットではPIBと反応
しないことから、これらのエピトープは比較的複雑であ
りうる。ハイブリッドPIA/B遺伝子を含有してハイ
ブリッドPIA/Bタンパク質を発現する形質転換微生
物FA6248の生物学的に純粋な培養物は、the
American Type Culture Col
lection,Rockville,MDに受託番号
53808のもとに寄託されている。 7.4.考 察 リポーター遺伝子をPI構造遺伝子の近くに挿入した本
研究は、PIAおよびPIB構造遺伝子が同じ遺伝子座
の対立遺伝子であることを実証するものであり、この遺
伝子座はすでにnmpとして同定された(Cannon
ら、J.Bacteriol.143:847−85
1,1980)。淋菌ゲノム上の1個のPI遺伝子の存
在は、天然に存在する菌株がPIAまたはPIBタンパ
ク質のいずれか一方を有し両方を持つことは決してな
く、そしてPI血清型が安定に保持されるとの観察に符
号する。PIAおよびPIB遺伝子と推定アミノ酸配列
の比較は高度の相同性を示したが、有意に配列の異なる
領域が確認された。PIハイブリッドは天然には生じな
いが、本発明者らが構築したPIハイブリッドはインビ
トロで安定に生存した。しかし、PIBN−末端とのハ
イブリッドPIの形成頻度が比較的低く、PI遺伝子内
で多重乗り換えの起こる頻度が驚異的に高いことは、あ
る種のクラスのハイブリッドPIをインビトロ生育した
淋菌が好むのかも知れない。PIハィブリッドの構築お
よび分析によって、本発明者らはタンパク質のいくつか
の表面露出部分のおよその位置を決定することができ、
二次および四次構造の可能性に対する知見が与えられ
た。PIAおよびPIBの両方のN−末端領域は、各タ
ンパク質の中央部にある少なくとも1つの別の領域とと
もに表面に露出しているとと思われる。多くのPIA特
異的モノクローナル抗体のエピトープはN−末端および
C−末端部分の両方がハイブリッドPI内に存在すると
きにのみ同定されたことから、外層膜内でのPIAの折
り畳み状態はN−末端およびC−末端部分が表面上で密
接に関連しているような状態かもしれない。外層膜内で
のPAのコンフォーメーションに関するこのようなモデ
ルは、非処理の淋菌内でのPIのタンパク質加水分解的
切断に基づく先行モデルのいくつかの態様と一致するが
(Blakeら、Infect.Immun33:2
12−222,1981;Juddら、Infect.
Immun54:408−414,1986)、PI
AのN−末端およびPIBの中央部分のみが表面に露出
している(Blakeら、上記;Teerlink,
J.Exp.Med.166:63−76,1987)
との既報の示唆とは異なる。 8.微生物の寄託 列挙したプラスミドを有する下記の大腸菌株は、the
Agricltural Research Cul
ture Collection(NRRL),Peo
ria,ILまたはthe American Typ
e CultureCollection,Rockv
ille,MDに寄託され、表記の受託番号が付与され
ている。 本発明は寄託された菌株により範囲を限定されるもので
はない。なぜならば各菌株は本発明の一態様の一つの説
明として意図されるからであり、機能的に同等な全ての
細胞系は本発明の範囲を包含される。実際、ここに示さ
れかつ記載されたことに加えて本発明を種々変更するこ
とは、前記記載から当業者に明らかになるであろう。こ
のような変更は添付の請求の範囲内に包含されるものと
する。また、ヌクレオチドについて与えられた全ての塩
基対の大きさは概数であり、説明の目的で用いられるこ
とは当然のことである。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1図:R10株のPIの残基1−12のアミ
ノ酸配列、縮重塩基を含むコード化mRNA、および合
成されたオリゴヌクレオチド。縮重が存在する場合は、
塩基配列の決定がなされた他の淋菌遺伝子からのコドン
利用データに基づいて塩基配列を選択した。
【図2】第2図:PI遺伝子部分を含むFA19ゲノム
DNAのSau3AIおよびTaqI断片。この断片を
ベクタープラスミドpGEM−2にクローン化して、こ
こに示す名称の組換えプラスミドを得た。ゲノム上のP
Iコード領域の相対的な位置は断片の上の空白ボックス
で示し(斜線ボックスはN末端シグナル配列に相当す
る)、オリゴヌクレオチドプローブの相対的位置を断片
の下に示す。
【図3】第3図:FA19のPI遺伝子のDNA配列。
予測されるアミノ酸配列をDNA配列の上に示し、そし
てリボソーム結合部位(RBS)、およびpUNC7の
作製に用いられるTaqIおよびSau3AI部位、お
よびHaeIII部位(−35および−10)が示され
る。各行の最後の塩基の番号を右側に示す。
【図4】第4図:N.ゴノロエアエの主要な外層膜タン
パク質、PI、PIIおよびPIII、並びに大腸菌ポ
ーリンOmpFおよびOmpCのハイドロパシー(hy
dropathy)パターン;sp−シグナルペプチ
ド;a.a.−アミノ酸残基。
【図5】第5図:pUNC7の作製工程図。PI遺伝子
プロモーターの−35および−10領域間の好都合なH
aeIII部位により−35領域および上流配列を除去
でき、次にPI遺伝子をファージT7プロモーターの制
御下にベクタープラスミドpGEM−2に挿入した。太
い線はpGEM−2 DNAを、そして細い線はFA1
9 DNAを表す。PI’−PI遺伝子部分(点線はこ
の遺伝子の欠失セグメントの方向を示す);Pr7,−
ファージT7プロモーター;MCS−多重クローニング
部位;制限酵素部位:S−Sau3AI、H−HaeI
II、B−BamHI、(H)−HaeIII/Hin
cII接合点(部位は存在せず)、T−TaqI。
【図6】第6図:BL21(DE3)におけるpUNC
7上のPI遺伝子の発現。A:全細胞溶解物の15%ゲ
ル上におけるNaDodSO−ポリアクリルアミドゲ
ル電気泳動、クーマシーブルーで染色。マーカータンパ
ク質の寸法を左側に示す。PIが示されており、そして
中央の矢印はレーン4では明らかに失われているタンパ
ク質を示す。B:6種類のPIA MAbを用いて検索
したAにおけるゲルのウエスターンブロットのオートラ
ジオグラフ。レーン1:FA19;レーン2:IPTG
なしで16時間増殖させたBL21(DE3)pUNC
7;レーン3:IPTGを用いて3時間増殖させたBL
21(DE3)pUNC7;レーン4:IPTGを用い
て16時間増殖させたBL21(DE3)pUNC7;
レーン5:IPTGなしで16時間増殖させたBL21
(DE3)pGEM−2;レーン6:IPTGを用いて
16時間増殖させたBL21(DE3)pGEM−2。
【図7】第7図:FA19のPI構造遺伝子に隣接した
mTn3− 表す。mTn3−CATは長さが1.66kbてあり、
尺度に応じて描かれていない。FA19 CAT D1
のゲノム上のPI遺伝子の位置は線上の空白ボックスで
示され、斜線ボックスはシグナル配列を示す。PI’:
クローン化構築物中に存在するPI遺伝子部分。制限酵
素部位:N−NotI;B−BamHI;S−Sau3
AI。
【図8】第8図:PI遺伝子の配列決定のためにクロー
ン化したMS11 DNAの断片。PI遺伝子の位置は
線上の空白ボックスで示され、斜線ボックスはシグナル
配列を示す。オリゴヌクレオチドNC1およびNC12
の配列の位置が示してある。大きい方の断片はベクター
プラスミドpGEM−3にクローン化され、小さい方の
断片はλgt11中にクローン化して、表示した名称の
構築物となした。制限酵素部位:Hf−HinfI;K
KpnI;S−Sau3AI;Hc−HincII。
【図9】第9図;MS11のPIB遺伝子のDNA配
列。予測されるアミノ酸配列はDNA配列の上に示して
あり、シグナルペプチドも示される。推定プロモーター
配列(−35および−10)およびリボソーム結合部位
(RBS)も示され、関連する制限酵素部位も同様に示
される。各行の最後の塩基の番号を右側に示す。R10
のPIB配列(Gotschlich等、PNAS
SA 84:8135−8139,1987)との相違
を示すために、塩基(制限酵素部位を構成するものを除
く)には下線が引いてあり、アミノ酸は丸で囲ってあ
る。
【図10】第10図:FA19 PIAおよびMS11
PIBのアミノ酸配列の比較、並びにハイブリッドP
I遺伝子の構造。PIA遺伝子配列は白の棒で、そして
PIBは黒の棒で示す。PI遺伝子類の上と下はアミノ
酸配列の比較であり、垂直線は1個の相違に相当し、黒
のブロックは連続して広がった相違に相当する。アミノ
酸残基の数は上の目盛で示され、そして塩基対の数は下
の目盛で示される。ハイブリッドを分析するのに使用さ
れたオリゴヌクレオチドはこれらの遺伝子の間に示して
あり、点線は他の遺伝子上の等しい位置を示す。ハイブ
リッド遺伝子構造(クラス1−9)を下に示し、交差が
起こったオリゴヌクレオチド配列間の領域を傾斜域で表
す。種々のハイブリッドクラスのPI血清型を第1表に
示す。
【図11】第11図:全細胞溶解物の15%ゲル上での
SDS−ポリアクリルアミドゲル電気泳動およびクーマ
シーブルー染色を用いて検出した、BL21(DE3)
中におけるpUNCH25上のPIB遺伝子の発現。P
Iタンパク質バンドが示してある。レーン1:MS1
1;レーン2:IPTGなしで増殖させたBL21(D
E3)pUNCH25;レーン3−5:IPTGを用い
て増殖させたBL21(DE3)pUNCH25。IP
TG(50μg/ml)は下記細胞密度すなわちレーン
3:5×10細胞/ml;レーン4:10細胞/m
l;レーン5:2×10細胞/mlで増殖培地に加え
た。PIの発現は生長周期の早期に培養物が誘導された
場合に最大である。
フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI C12N 1/21 C12N 1/21 C12P 21/02 C12P 21/02 C // G01N 33/571 G01N 33/571 (C12N 15/09 ZNA C12R 1:36) (C12N 1/20 C12R 1:36) (C12N 1/21 C12R 1:19) (C12P 21/02 C12R 1:19)

Claims (53)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】ナイセリア・ゴノロエアエMS11株のプ
    ロテインIBの全長のアミノ酸配列をコードする実質的
    に精製された核酸分子であって、該アミノ酸配列が図9
    に示される核酸分子。
  2. 【請求項2】ナイセリア・ゴノロエアエMS11株のプ
    ロテインIBのアミノ酸配列をコードする実質的に精製
    された核酸分子であって、該アミノ酸配列が図9に示さ
    れる核酸分子。
  3. 【請求項3】図9に示される核酸配列を有する、ナイセ
    リア・ゴノロエアエMS11株のプロテインIBの実質
    的に精製されたcDNA。
  4. 【請求項4】ナイセリア・ゴノロエアエMS11株のプ
    ロテインIBの少なくとも一部のアミノ酸配列をコード
    する請求の範囲1、2又は3項の核酸分子を含む組換え
    ベクターであって、該ベクターは宿主細胞中で安定に保
    持され、かつ、タンパク質発現は誘導可能なプロモータ
    ーによって制御されているベクター。
  5. 【請求項5】プラスミドである請求の範囲第4項の組換
    えベクター。
  6. 【請求項6】プラスミドがpGEM−2から誘導される
    請求の範囲第4項の組換えベクター。
  7. 【請求項7】プラスミドがpUNCH25である請求の
    範囲第6項の組換えベクター。
  8. 【請求項8】請求の範囲第4項のベクターを含む宿主生
    物。
  9. 【請求項9】請求の範囲第4項のベクターを含有する単
    細胞生物。
  10. 【請求項10】請求の範囲第5項のベクターを含有する
    単細胞生物。
  11. 【請求項11】請求の範囲第7項のベクターを含有する
    単細胞生物。
  12. 【請求項12】ATCC番号67775と同一の特性を
    有する請求の範囲第11項の単細胞生物。
  13. 【請求項13】ナイセリア・ゴノロエアエMS11株の
    全長のPIBタンパク質の生産方法であって、 (a)全長のPIBタンパク質をコードするDNA配列
    を有する複製可能な組換えベクターを含む宿主細胞を、
    インデューサーの非存在下で培養し、配列は誘導可能な
    プロモーターによって制御され、宿主細胞内で安定に保
    持されるものであり、 (b)それに続いて、全長のPIBタンパク質が選択的
    に発現されるようにインデューサーの存在下で宿主細胞
    を培養する、ことを含む方法。
  14. 【請求項14】ナイセリア・ゴノロエアエMS11株の
    PIBペプチドの生産方法であって、 (a)PIBペプチドをコードするDNA配列を有する
    複製可能な組換えベクターを含む宿主細胞を、インデュ
    ーサーの非存在下で培養し、配列は誘導可能なプロモー
    ターによって制御され、宿主細胞内で安定に保持される
    ものであり、 (b)それに続いて、PIBペプチドが選択的に発現さ
    れるようにインデューサーの存在下で宿主細胞を培養す
    る、ことを含む方法。
  15. 【請求項15】ベクターがプラスミドである請求の範囲
    第13又は14項の方法。
  16. 【請求項16】プラスミドが、図9に示す配列又はそれ
    らの一部分、突然変異体若しくは組換え体を含むもので
    ある請求の範囲第15項の方法。
  17. 【請求項17】プラスミドがpGEM−2から誘導され
    る請求の範囲第16項の方法。
  18. 【請求項18】プラスミドがpUNCH25である請求
    の範囲第17項の方法。
  19. 【請求項19】ナイセリア・ゴノロエアエMS11株の
    実質的に精製されたPIBポリペプチド組成物であっ
    て、該組成物が実質的に他のナイセリア・ゴノロエアエ
    タンパク質を含まない組成物。
  20. 【請求項20】請求の範囲13、14、15、16、1
    7又は18項の方法によって生産されたポリペプチド組
    成物であって、該組成物が実質的に他のナイセリア・ゴ
    ノロエアエタンパク質を含まない組成物。
  21. 【請求項21】請求の範囲第13又14項の方法によっ
    て生産された、実質的に精製されたポリペプチド組成物
    であって、PIBポリペプチドをコードする核酸配列
    が、図9に示された核酸配列又はその相補配列は選択的
    にハイブリダイズする組成物。
  22. 【請求項22】ナイセリア・ゴノロエアエのプロテイン
    IAとプロテインIBとのキメラアミノ酸配列をコード
    する、実質的に精製された核酸配列分子。
  23. 【請求項23】ナイセリア・ゴノロエアエの少なくとも
    一部のプロテインIA又はプロテインIBのアミノ酸配
    列をコードする請求の範囲22項の核酸分子を含む組換
    えベクターであって、該ベクターは宿主細胞中で安定に
    保持され、かつ、タンパク質発現は誘導可能なプロモー
    ターによって制御されているベクター。
  24. 【請求項24】請求の範囲第22項の配列を含有する宿
    主生物。
  25. 【請求項25】請求の範囲第23項のベクターを含有す
    る単細胞生物。
  26. 【請求項26】ナイセリア・ゴノロエアエのプロテイン
    IA及びプロテインIBの少なくとも一つの免疫反応性
    及び抗原決定基を含む、請求の範囲第22項のキメラハ
    イブリッドタンパク質。
  27. 【請求項27】請求の範囲第13又は14項の方法によ
    り生産された免疫原的に有効な量のポリペプチドを、医
    薬上許容されうる担体と組み合わせて含有する、ナイセ
    リア・ゴノロエアエ感染症の予防又は治療のためのワク
    チン組成物。
  28. 【請求項28】請求の範囲第16項の方法により生産さ
    れた免疫原的に有効な量のポリペプチドを、医薬上許容
    されうる担体と組み合わせて含有する、ナイセリア・ゴ
    ノロエアエ感染症の予防又は治療のためのワクチン組成
    物。
  29. 【請求項29】請求の範囲第18項の方法により生産さ
    れた免疫原的に有効な量のポリペプチドを、医薬上許容
    されうる担体と組み合わせて含有する、ナイセリア・ゴ
    ノロエアエ感染症の予防又は治療のためのワクチン組成
    物。
  30. 【請求項30】請求の範囲第21又は26項の免疫原的
    に有効な量のポリペプチドを、医薬上許容されうる担体
    と組み合わせて含有する、ナイセリア・ゴノロエアエ感
    染症の予防又は治療のためのワクチン組成物。
  31. 【請求項31】請求の範囲第13又は14項の方法によ
    り生産された、医療に使用するためのポリペプチド。
  32. 【請求項32】請求の範囲第16項の方法により生産さ
    れたポリペプチド。
  33. 【請求項33】請求の範囲第18項の方法により生産さ
    れたポリペプチド。
  34. 【請求項34】請求の範囲第21項の方法により生産さ
    れたポリペプチド。
  35. 【請求項35】MS11のプロテインIBをコードする
    ナイセリア・ゴノロエアエのDNA配列の一部分と相補
    的であり、かつ、これとハイブリッド形成できるDNA
    配列を含有することを特徴とする、ナイセリア・ゴノロ
    エアエの同定に有用なDNAプローブ。
  36. 【請求項36】配列:5’ACGCCGGCTTTGA
    TGGC3’を有する請求の範囲第35項のDNAプロ
    ーブ。
  37. 【請求項37】 を有する請求の範囲第35項のDNAプローブ。
  38. 【請求項38】分析的に検出可能な試薬で標識された請
    求の範囲第35、36又は37項のプローブ。
  39. 【請求項39】プロテインIBをコードするナイセリア
    ・ゴノロエアエのDNA配列の一部分と相補的であり、
    かつ、これとハイブリッド形成できるDNA配列を含有
    することを特徴とする、ナイセリア・ゴノロエアエの同
    定に有用なDNAプローブ。
  40. 【請求項40】配列:5’GATACGGCGAAGG
    CACT3’を有する請求の範囲第39項のDNAプロ
    ーブ。
  41. 【請求項41】配列:5’CAAGGTGCCTCCG
    TCGC3’を有する請求の範囲第39項のDNAプロ
    ーブ。
  42. 【請求項42】配列:5’GCAGCGTACAATA
    CGAC3’を有する請求の範囲第39項のDNAプロ
    ーブ。
  43. 【請求項43】配列:5’AGGCACTGTTGAT
    AGTGC3’を有する請求の範囲第39項のDNAプ
    ローブ。
  44. 【請求項44】分析的に検出可能な試薬で標識された請
    求の範囲第39、40、41、42又は43項のプロー
    ブ。
  45. 【請求項45】ナイセリア・ゴノロエアエを含有する疑
    いのある検体中からナイセリア・ゴノロエアエを検出す
    る方法であって、 (a)プロテインIをコードするナイセリア・ゴノロエ
    アエのDNAゲノムの一部分と相補的であるプローブ
    を、DNA−DNAハイブリッド形成を促進する条件下
    で該検体と接触させ、そして、 (b)形成されたハイブリッドすべてを検出し、それに
    よって該検体中のナイセリア・ゴノロエアエの存在を検
    出する、ことを含む方法。
  46. 【請求項46】プローブが請求の範囲第36項のプロー
    ブである請求の範囲第45項の方法。
  47. 【請求項47】プローブが請求の範囲第37項のプロー
    ブである請求の範囲第45項の方法。
  48. 【請求項48】プロテインIがプロテインIBである請
    求の範囲第45項の方法。
  49. 【請求項49】プローブが請求の範囲第40、41、4
    2又は43項のプローブである請求の範囲第48項の方
    法。
  50. 【請求項50】プローブが分析的に検出可能な試薬で標
    識された請求の範囲第45、46、47、又は48項の
    方法。
  51. 【請求項51】プローブが分析的に検出可能な試薬で標
    識された請求の範囲第49項の方法。
  52. 【請求項52】請求の範囲第35〜44項のいずれか1
    項のプローブのうち少なくとも一つを含む診断テストキ
    ット。
  53. 【請求項53】ATCC 53808と同一の特性を有
    するナイセリア・ゴノロエアエ菌株。
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