JPH10233585A - 筐体及びそれを使用した電子機器 - Google Patents

筐体及びそれを使用した電子機器

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JPH10233585A
JPH10233585A JP3519697A JP3519697A JPH10233585A JP H10233585 A JPH10233585 A JP H10233585A JP 3519697 A JP3519697 A JP 3519697A JP 3519697 A JP3519697 A JP 3519697A JP H10233585 A JPH10233585 A JP H10233585A
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housing
layer
core
plating layer
plating
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JP3519697A
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English (en)
Inventor
Junichi Sato
准一 佐藤
Kazuhiro Igarashi
一浩 五十嵐
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Fujitsu Kasei Ltd
Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Kasei Ltd
Fujitsu Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 軽量であり、高剛性であり、低コストであ
り、製造が容易であり、そしてシールド性及びグランド
プレーン性に優れた特に電子機器部品等を内蔵するため
の筐体を提供することを目的とする。 【解決手段】 筐体のコアが実質的に強化材を有しない
プラスチック材料から構成されており、かつ筐体の少な
くとも一部に多層構造を有しているメッキ層が被覆され
ているように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は筐体に関し、さらに
詳しく述べると、特に電子機器部品等を内蔵するための
プラスチック筐体に関する。ここで、「電子機器」と
は、機器の構成要素として電子部品を使用した機器全般
を意味し、具体的には、パーソナルコンピュータ等の情
報処理機器、特に携帯可能なノート型パソコン、携帯可
能な複写機、携帯電話などを挙げることができ、また、
「電子機器部品等」とは、このような電子機器にその構
成要素として内蔵される電子機器部品及びその他の関連
部品を意味している。本発明のプラスチック筐体は、特
に携帯可能なノート型パソコンに有利に利用することが
できる。本発明は、また、このようなプラスチック筐体
を使用した電子機器に関する。
【0002】
【従来の技術】ノート型パソコンをはじめとする情報処
理機器は、その持ち運び使用を考慮して、軽量でありか
つ高剛性であることが求められている。従来の情報処理
機器では、これらの要求を満足させるため、その筐体に
エンジニアリングプラスチックを使用しているのが一般
的である。ここで、「エンジニアリングプラスチック」
とは、この技術分野においてよく知られているように、
機械的性質、電気的性質、物理的性質、化学的性質、熱
的性質などに優れた高性能のプラスチック材料であり、
通常、剛性の向上を図るため、強化材、例えばガラス繊
維、炭素繊維、セラミック繊維等の強化繊維、マイカ粉
末、その他が分散含有せしめられている。このようなエ
ンジニアリングプラスチックの基体となる典型的な樹脂
は、アクリロニトリル−ブタジエン−スチレン樹脂(A
BS樹脂)、アセタール樹脂、ポリカーボネート樹脂、
ポリイミド樹脂などである。このようなエンジニアリン
グプラスチックからなる筐体では、その筐体の強度をよ
り高めるため、肉厚を大きくとったり、あるいはその内
側に金属材料などからなる補強板を取り付けたものが多
くみられる。このような筐体の加工は、しかし、筐体自
体の重量を大きく増加させ、所期の目的である機器の軽
量化に逆行するものである。さらに、かかる筐体では強
化材含有のプラスチック材料を使用しているので、筐体
コストが増加する。また、このようなプラスチック材料
の成形には、使用する金型の前加工、例えば焼き入れ処
理、窒化処理などが必要となってくるので、この面から
も筐体コストが増加してくる。さらにまた、エンジニア
リングプラスチックは上記したように各種の特性に優れ
ているけれども、材料特性の難しさに原因した成形品の
反り等の問題が依然として発生しがちである。さらに加
えて、かかるエンジニアリングプラスチックからなる筐
体では、放射電波の遮蔽性(シールド性)やグランドプ
レーン性の確保のため、筐体表面に無電解メッキを施す
ことや導電塗装、イオンプレーティングなどを施すこと
あるいはシールド板を取り付けることなどが行われてい
るけれども、これらの処理あるいは加工はいずれも煩雑
であり、筐体コストの増加も引き起こしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
したような従来の技術の問題点を解決して、軽量であ
り、高剛性であり、低コストであり、製造が容易であ
り、そしてシールド性及びグランドプレーン性に優れた
特に電子機器部品等を内蔵するための筐体を提供するこ
とにある。
【0004】本発明のもう1つの目的は、そのような筐
体を使用した電子部品を提供することにある。本発明の
上記の目的及びその他の目的は、以下の詳細な説明から
容易に理解することができるであろう。
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、電子機器部品等を内蔵するための筐体であっ
て、該筐体の少なくとも一部にメッキ層が被覆されてい
ることを特徴とする筐体にある。本発明は、そのもう1
つの面において、電子機器部品等を内蔵するための筐体
であって、前記筐体がプラスチックから構成され、前記
筐体の少なくとも一部は、前記プラスチックに金属層を
被覆したことを特徴とする筐体にある。
【0006】また、本発明は、そのもう1つの面におい
て、筐体と、その内部に収容された電子機器部品等とを
含む電子機器であって、前記筐体の少なくとも一部にメ
ッキ層が被覆されていることを特徴とする電子機器にあ
る。本発明による筐体は、その優れた特性を利用して、
その筐体に電子機器部品等を内蔵させて電子機器、好ま
しくは携帯可能な電子機器を完成することができる。本
発明により具体的に実施可能な携帯可能な電子機器とし
ては、例えば、いずれも携帯して利用することのでき
る、ノート型パソコン、複写機、携帯電話などを挙げる
ことができる。例えばノート型パソコンにおける本発明
の筐体の利用例について示すと、液晶ディスプレイ部や
キーボード部に本発明の筐体を有利に利用することがで
きる。また、本発明の筐体は、必要に応じて、携帯を目
的としない電子機器、すなわち、据え置き型の電子機器
の製作にも有利に利用することができる。
【0007】要するに、本発明では、従来のノート型パ
ソコンに代表される電子機器のための筐体の開発におい
て、特に、(1)メッキ用ABS樹脂を典型例とする一
般的プラスチック材料の使用とそれの射出成形によるコ
アの成形、そして(2)そのコアの表面に施される特定
のメッキ又は金属層の組み合わせが有効であるという知
見を得、以下に詳細に説明するところの本発明を完成し
たものである。従来の技術でも、筐体の大量生産のため
に射出成形法を用いた例はあるけれども、本発明では、
強化材等を有しない一般的な樹脂材料を使用したという
ことに特徴がある。一般的な樹脂材料を射出成形に供す
ることができるという点で、軽量かつ安価な材料の使用
が可能になり、また、従来の技術で制約となっていた金
型についての使用条件を排除することができる。また、
そのような射出成形コアの表面に対してメッキ又は金属
層を厚膜で施すことによって、小型薄肉化のための高強
度樹脂材料の使用(材料そのもの、成形コストなどのコ
ストの増加を意味する)、CPUの高性能化のための放
熱板の取り付け(製作コストの増加を意味する)、EM
I規制に対応するためのイオンプレーティング、片面メ
ッキの採用(製作コストの増加を意味する)などの不都
合を解消することができる。特に、本願明細書で説明す
るような特定のメッキ又は金属層を採用したことによっ
て、電気伝導性の改良とならんで、優れた難燃性を付与
し得るということは重要である。
【0008】本発明による筐体は、したがって、いろい
ろなすぐれた特性を奏することができる。以下に列挙す
ると、 1.電気的特性:電気伝導性 2.熱的特性: 熱反射性、熱伝導性、耐熱性 3.光的特性: 耐候性 4.化学的特性:殺菌性、耐薬品性、難燃性 5.機械的特性:耐衝撃性、耐擦傷性、剛性 などである。
【0009】
【発明の実施の形態】本発明による筐体は、本体(コ
ア)とそのコアの少なくとも一部に被覆されたメッキ層
又は金属層とを含んでいることを特徴としている。な
お、以下の説明においては、メッキ層及び金属層の例と
して電気メッキ層を参照して説明する。筐体のコアを形
成するために用いられる材料は、その表面に本発明に規
定する電気メッキ層を施し得る限りにおいて特に限定さ
れるものではないけれども、一般的には、軽量かつ安価
であり、容易に入手可能なプラスチック材料を有利に使
用することができる。このことは、従来の筐体の場合、
使用するプラスチック材料についてもいろいろな条件が
課せられていたことを考慮した場合、特に注目に値す
る。適当なプラスチック材料の例は、以下に列挙するも
のに限定されるわけではないけれども、ABS樹脂など
の熱可塑性樹脂、その他を包含する。とりわけ、電気メ
ッキ用にデザインされた樹脂を使用することが推奨され
る。
【0010】本発明において筐体コアとして用いられる
プラスチック材料は、さらに好ましくは、実質的に強化
材を有しないプラスチック材料である。ここで、「強化
材」とは、一般によく知られた強化プラスチック材料に
分散含有せしめられている強化繊維、強化粉末などの
他、強化目的で添加されるその他の物質、例えば充填材
(フィラー)なども包含している。
【0011】上記したような筐体形成用プラスチック材
料は、プラスチック成形の分野において一般的な技法に
従って所望のコア形状に加工することができる。適当な
成形法としては、例えば、射出成形法、圧縮成形法、ト
ランスファー成形法などを挙げることができ、特に射出
成形法を有利に使用することができる。本発明では、こ
のような成形法に従って筐体コアを成形する場合に、使
用する成形材料が強化材を含有しないので、従来の成形
におけるように金型に予め焼き入れを行うかもしくは窒
化処理を行うことが不要である。成形温度、成形時間等
の条件は、所望とする筐体の寸法及び形状、使用するプ
ラスチック材料の種類及び量などのいろいろなファクタ
に応じて広く変更することができる。
【0012】さらに、コアの成形に際して、特に次のよ
うな点に留意することが肝要である。 1.コアを成形するに当たり、得られる成形品の角の部
分にはできるかぎりアール(R)をつけること。 2.電気メッキの接点は、前もって考慮すること。
【0013】3.歪みやクラックを避けるため、コアの
厚さはできるかぎり肉厚とすること(通常、2mm前後が
理想的である)。 4.鏡面仕上げは、密着力を低下させるので、避けるこ
と。 5.めくら穴、溝、隙間等は、なるべく避けること。 6.成形材料は、メッキ用グレードを選定すること(通
常品は、メーカーごとの密着力のばらつきが大きい)。
【0014】7.可能な範囲で、シリンダー温度を高く
すること。 8.射出成形を利用する時、射出速度、圧力をできるか
ぎり抑えること。 9.射出成形を利用する時、射出のサイクルタイムを多
くとること。 プラスチック材料からなる筐体コアは、通常、その表面
に電気メッキ層を施す前、この技術分野において一般的
に行われている処理工程に供することができる。適当な
処理工程としては、例えば、表面調整、化学エッチン
グ、キャタリスト処理、アクセレーター処理、化学メッ
キなどを挙げることができる。例えば、表面調整は、コ
ア表面に付着している塵埃等の除去のための洗浄、乾燥
などを包含する。化学エッチングは、コア表面に対する
メッキ層の付着を促進するためのもので、一例を示す
と、コアがABS樹脂からなる場合、無水クロム酸と硫
酸の混合液で例えば68〜70℃の温度で処理すると、
樹脂中のブタジエンを溶出させて、コア表面に凹痕を形
成することができる。キャタリスト処理とは、コア表面
に例えばパラジウムと錫のコロイド状物質を析出させる
ための処理である。さらに、このキャタリスト処理に続
けて実施するアクセレーター処理とは、先の工程で析出
せしめた錫を脱離させ、パラジウムのみを残す活性化処
理である。最後に、引き続いて行う電気メッキの下地と
なすため、化学ニッケルメッキ、化学銅メッキなどの化
学メッキ処理を行う。この化学メッキは、ニッケルメッ
キ、銅メッキ等を単独で行ってもよく、あるいは2種類
以上のメッキを組み合わせて行ってもよい。
【0015】本発明による筐体では、その筐体のコアの
少なくとも一部にメッキ層、好ましくは電気メッキ層、
あるいは金属層が施されていることが必須である。この
電気メッキ層は、必要に応じて部分的に被覆されていて
もよいというものの、筐体及び電気メッキ層の特性を十
二分に発揮させるため、筐体の全面にそれを覆う形で被
覆されていることが好ましい。さらに、この電気メッキ
層は、単層構造ではなくて、2層、3層もしくはそれ以
上の多層構造の形で被覆されていることが好ましい。な
お、この多層構造の電気メッキ層において、それぞれの
メッキ層のメッキ材料及び膜厚ならびにそれらの組み合
わせは任意である。
【0016】本発明の筐体でそのコアに対して施される
電気メッキ層において、それぞれの電気メッキ層の形成
に用いられるメッキ材料は特に限定されるものではな
く、しかし、好ましくは、銅、ニッケル、クロムなどの
導電性材料を単独もしくは組み合わせて、例えば合金の
形で、使用することができる。電気メッキ層の形成に
は、常用のメッキ法を任意に使用することができる。
【0017】プラスチック筐体の表面に塗被される好ま
しくは多層構造の電気メッキ層は、少なくとも20μm
の平均膜厚を有していることが望ましい。これは、メッ
キ層が20μmを下回った場合、剛性などの特性に関し
て所期の効果を得ることができないからである。電気メ
ッキ層の膜厚の上限は特に規定されるわけではないけれ
ども、通常は軽量化などのために薄板の形で用いられる
コアの特性を補完すること、プラスチック筐体としての
使用などを考慮して、電気メッキ層の平均膜厚は、さら
に好ましくは20〜50μm、最も好ましくは30〜4
0μmである。
【0018】本発明の実施において有利に使用すること
のできる電気メッキ層の構成は、そのいくつかの例を示
すと、図1及び図2に示す通りである。図1は、筐体を
構成するコアの表面に2層構造の電気メッキ層を施した
例を図示したものである。図示の例では、コア1は低コ
ストのABS樹脂からなり、その上に順次第1の電気メ
ッキ層2及び第2のメッキ層3が被覆されている。第1
の電気メッキ層2は、好ましくは電気銅メッキ層から構
成することができ、その膜厚は通常約5〜30μmであ
る。第2の電気メッキ層3は、好ましくは電気ニッケル
メッキ層から構成することができ、その膜厚は通常約5
〜20μmである。また、この電気ニッケルメッキ層3
は、ニッケルメッキを2段階又は3段階で行うことによ
って有利に形成することができる。一例を示すと、先ず
最初に電気半光沢ニッケルメッキを行い、引き続いて電
気光沢ニッケルメッキ、そして電気ジュールニッケルメ
ッキを順次行うことができる。
【0019】図2は、筐体を構成するコアの表面に3層
構造の電気メッキ層を施した例を図示したものである。
図示の例では、ABS樹脂からなるコア1の上に順次第
1の電気メッキ層2、第2のメッキ層3及び第3の電気
メッキ層4が被覆されている。第1の電気メッキ層2及
び第2の電気メッキ層3は、それぞれ、図1を参照して
説明した2層構造の電気メッキ層と同様に電気銅メッキ
層及び電気ニッケルメッキ層から構成することができ
る。第3の電気メッキ層4は、好ましくはクロムメッキ
層から構成することができ、その膜厚は通常約0.1〜
0.8μmである。なお、このクロムメッキ層4は、筐
体の目的のひとつにシールド性の改良があるような場合
には、その障害となり得るので、被覆しないかもしくは
それに代わり得るメッキを被覆することが好ましい。
【0020】本発明による筐体で、そのコアがプラスチ
ック材料からなるような筐体では、先にも説明したよう
に、プラスチックコアの表面に対する電気メッキ層の被
着を改良するためにそのコアの表面に必要に応じて化学
処理などの前処理を施してもよく、また、この前処理と
組み合わせてあるいは独立して、任意の中間層をコアと
電気メッキ層の間に介在させてもよい。さらに、コアの
上に被着された電気メッキ層の最外部の表面には、筐体
を外力による衝撃、その他の好ましくない影響等から保
護するために表面保護膜を設けてもよい。また、筐体の
外観を向上させることを目的として、電気メッキ層の表
面に常用の技法を使用して任意のパターンで塗装を施し
たり、全面的に塗装被膜を施したりしてもよい。
【0021】本発明による電子機器は、好ましくは携帯
可能な電子機器であり、本発明による筐体と、この筐体
の内部に収容された電子機器部品等とを含むことを特徴
としている。電子機器部品等は、電子機器の分野で一般
的に用いられているものを包含し、したがって、ここで
の詳細な説明を省略する。プラスチック筐体内への電子
機器部品類の取り付けは、同じく電子機器の分野で一般
的に用いられているようにして、すなわち、常用の製造
ラインを使用して、実施することができる。適当な電子
機器としては、以下に列挙するものに限定されるわけで
はないけれども、携帯可能な情報処理機器、例えばノー
ト型パソコン、複写機、電話機などを包含する。
【0022】図3は、本発明による電子機器の好ましい
1例であるA4サイズのノート型パソコンの外観を示し
た斜視図である。図示されるように、パソコン10は、
コンパクト化のために2つの要素を折り畳むように構成
されており、それぞれの要素は、プラスチック筐体とそ
れに取り付けられ各種の必須成分とからなっている。例
えば、その1つの要素には、図示されるように、キーボ
ード11やポインティングデバイス12がプラスチック
筐体に組み込まれている。さらに、もう1つの要素は、
プラスチック筐体14からなっていて、その主たる部分
に液晶ディスプレイ13が取り付けられている。
【0023】図4は、図3に示したノート型パソコンに
おいて液晶ディスプレイの取り付けのために使用された
プラスチック筐体14の斜視図である。また、図5は、
このプラスチック筐体14の矢印Aで示した部分のメッ
キ層の構成を示した断面図である。プラスチック筐体1
4の電気メッキ層は、図示のように、ABS樹脂からな
るコア1を中心にして、電気銅メッキ層2及び電気ニッ
ケルメッキ層3から構成されている。電気ニッケルメッ
キ層は、ここでは図示しないけれども、先に説明した構
成と同様に3層構造を採用している。すなわち、電気銅
メッキ層の側から順に、電気半光沢ニッケルメッキ層、
電気光沢ニッケルメッキ層、そして電気ジュールニッケ
ルメッキ層が被覆されている。そして、この筐体14の
外側の部分には、美観の向上のため、塗料を塗被するこ
とによって形成された塗装塗膜5が施されている。
【0024】本発明の実施において、電気メッキ層はい
ろいろな手法に従って形成することができる。参考のた
め、本発明の実施において有利に用いることのできる電
気メッキの標準動作を説明すると、図6に示すようなフ
ローシートとなる。なお、ここで図示するプロセスから
クロムメッキの工程を省略すると、図4及び図5を参照
して説明したプラスチック筐体を有利に製作することが
できる。
【0025】最初に、所望とする形状及び寸法のコアを
メッキ用ABS樹脂の射出成形により形成する。次い
で、得られたコアの表面を清浄にするために表面調整を
行う。表面調整後のコアの表面を化学エッチングして凹
痕を付与し、引き続いてキャタリスト処理及びアクセレ
ーター処理を行う。そして、前処理の最後の工程とし
て、コア表面を化学ニッケルメッキする。ここで、必要
に応じて、化学ニッケルメッキに代えて化学銅メッキを
用いてもよく、あるいは両者を併用してもよい。電気銅
メッキは、常用の硫酸銅メッキ法を使用して有利に実施
することができ、その膜厚は、次のニッケルメッキとあ
わせて、平均して20μm以上である。電気銅メッキの
完了後、電気半光沢ニッケルメッキ、電気光沢ニッケル
メッキ及びジュールニッケルメッキを常法に従って実施
する。このようにして形成されるニッケルメッキの膜厚
は、合計して、8μm以上である。最後に、クロムメッ
キを同じく常法に従って実施する。クロムメッキは、も
しも存在させるならば、0.15μm以上の平均膜厚で
ある。さらに、ここでは図示しないけれども、常法に従
って塗料の塗装や焼き付けなどの工程を付加してもよ
い。
【0026】
【実施例】以下、本発明をその実施例について詳細に説
明する。なお、本発明は下記の実施例に限定されるもの
ではないことを理解されたい。例1: プラスチック筐体の製作 ABS樹脂(三菱レイヨン社製のダイヤペット、品番:
3001MF)を射出成形して筐体コアを製作し、そし
て得られたABSコアの外側に銅及びニッケルを順次電
気メッキして2層構造の電気メッキ層を形成した。得ら
れた供試筐体は、図7に参照番号14で示す断面形状を
有していて、その寸法は、170mm×230mm×8mmで
あった。評価試験 上記のようにして製作した供試筐体の性能を評価するた
め、図7に略示するようにして供試筐体14をオートグ
ラフ(ストログラフV10−C、東洋精機製)にかけ、
下記のような条件で圧縮試験を行った。直径10mmの加
圧ロッド15を供試筐体14に異なる中央集中荷重で押
しつけた(矢印を参照されたい)。なお、比較のため、
電気メッキ層を有しないABS樹脂からなる筐体(従来
品)についても同様な圧縮試験を行った。
【0027】スパン 150mm チャートスピード 50mm/分 フルスケール 50kg 得られた試験結果をプロットしたものが図8であり、縦
軸には負荷された荷重(kg)が、横軸には測定されたた
わみ量(mm)がプロットされている。また、図中、供試
筐体14(本発明品)は曲線Iであり、従来品は曲線II
である。図示の結果(例えば、点a及びa’の比較)か
ら理解されるように、本発明品の曲げ強度は従来品のそ
れの4.6倍であった。例2: 本例では、筐体コア上に形成された電気メッキ層
の膜厚と電気メッキ層の塗被によって得られる筐体強度
の向上との関係を評価した。
【0028】本発明者らが「CINNAMON」と呼称
しているA4サイズのノート型パソコン用のABS樹脂
製コアを用意し、その全面に前記例1と同様な手法に従
って銅メッキ層及びニッケルメッキ層を順次塗被した。
なお、形成された電気メッキ層の膜厚(2つのメッキ層
の合計)は、メッキの部位(例えばコアの表面と裏面)
ごとにばらつきがあるので、その測定に代えて、電気メ
ッキ層の膜厚に相関的に関係するところの「電気メッキ
量」(コア全体に塗被された銅及びニッケル量の合計、
g)を評価の基準とした。図9は、このようにして実施
した評価試験の結果をプロットしたものであり、電気メ
ッキ重量が増加するとともに曲げ弾性率が増加している
ことがわかる。なお、この関係は、電気メッキ重量を
x、曲げ弾性率をyとすると、次式: y=2739.8x + 20254 により表すことができる。例3: 本例では、筐体コア上に形成された電気メッキ層
のメッキ量とそのメッキ層の膜厚との関係を評価した。
【0029】前記例2では、形成された電気メッキ層の
膜厚(2つのメッキ層の合計)はメッキの部位(例えば
コアの表面と裏面)ごとにばらつきがあるので、電気メ
ッキ層の膜厚の評価のため、その膜厚に相関的に関係す
るところの「電気メッキ量」(コア全体に塗被された銅
及びニッケル量の合計、g)を基準として採用した。こ
れは、次のような評価試験の結果に基づくものである。
【0030】前記例2に記載したものと同様な手法に従
ってA4ノート型パソコン「CINNAMON」用のA
BS樹脂製コアの全面に銅メッキ層及びニッケルメッキ
層を順次塗被した。本例では、電気メッキ層を異なる膜
厚で形成するため、銅及びニッケルのメッキ量をいろい
ろに変更した。その都度、形成された電気メッキ層の膜
厚(コアの表面及び裏面の銅メッキ層及びニッケルメッ
キ層の膜厚の合計の平均値、μm )と電気メッキ量(コ
ア全体に塗被された銅及びニッケル量の合計、g)を測
定し、プロットしたところ、図10に示すような結果が
得られた。図10から、電気メッキ厚さと電気メッキ重
量の間には直線的な関係があり、また、この関係は、電
気メッキ厚さをx、電気メッキ重量をyとすると、次
式: y=0.8354x − 4.2816 により表すことができる。例4: 本例では、電気メッキの条件とそれにより筐体コ
ア上に形成される電気メッキ層の膜厚との関係を評価し
た。
【0031】本発明者らが「CINNAMON」と呼称
しているA4サイズのノート型パソコン用のABS樹脂
製コアを用意し、その全面に前記例1と同様な手法に従
って銅メッキ層及びニッケルメッキ層を順次塗被した。
本例では、異なる膜厚を有する電気メッキ層を得るた
め、以下に記載するような9種類の異なる電気メッキ条
件を適用して供試筐体A〜Iを作製した: 供試筐体A(中庸膜厚製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに4個のコアを吊り下
げてCu電流値=6000アンペアで通電。 供試筐体B(薄膜製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに6個のコアを吊り下
げてCu電流値=5000アンペアで通電。 供試筐体C(中庸膜厚製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに4個のコアを吊り下
げてCu電流値=6000アンペアで通電。 供試筐体D(厚膜製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに6個のコアを吊り下
げてCu電流値=8000アンペアで通電。 供試筐体E(中庸膜厚製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに1個のコアを吊り下
げてCu電流値=6000アンペアで通電。 供試筐体F(厚膜製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに3個のコアを吊り下
げてCu電流値=8000アンペアで通電。 供試筐体G(厚膜製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに2個のコアを吊り下
げてCu電流値=8000アンペアで通電。 供試筐体H(薄膜製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに1個のコアを吊り下
げてCu電流値=5000アンペアで通電。 供試筐体I(薄膜製品) 電気メッキ条件…1個のハンガーに4個のコアを吊り下
げてCu電流値=5000アンペアで通電。
【0032】得られた供試筐体のそれぞれについて、コ
ア上に形成された電気メッキ層の膜厚を測定した。な
お、電気メッキ層の膜厚の測定は、コアの表面と裏面に
ついて別々に行い、また、それぞれの面において最大膜
厚S-Max. (表面)及びB-Max. (裏面)、最小膜厚S
-Min. (表面)及びB-Min. (裏面)、そして平均膜厚
S-Av.(表面)及びB-Av.(裏面)を測定した。図11
は、このようにして実施した評価試験の結果をプロット
したものである。図11の結果から、1個のハンガーに
セットする筐体コアの数が多ければ多いほどメッキの被
着量が低下し、薄膜となること、電気メッキの際に通電
する電流値が高ければ高いほど厚膜となること、そして
通電する電流値及び筐体コアの数をコントロールするこ
とを通じて得られる筐体の電気メッキ層の膜厚を任意に
制御できるということがわかる。例5: 本例では、筐体の高強度化及び軽量化について説
明する。
【0033】以下に記載する5種類の異なる筐体を用意
あるいは作製した。なお、用意及び作製した筐体は、い
ずれも前記例2において作製したA4ノート型パソコン
「CINNAMON」用の筐体と同様の形状及び寸法を
有するものであった。また、電気メッキ層(Cu+N
i)は、前記例1に記載の手法に従って実施した。 ABS…ABS樹脂(三菱レイヨン社製のダイヤペッ
ト、品番:3001MF)のみからなる筐体(従来品) FR−H…マイカ粉末添加の6−ナイロン樹脂(ユニチ
カ社製のFR−RUN10A)のみからなる筐体(従来
品) FR−H+M…マイカ粉末添加の6−ナイロン樹脂(ユ
ニチカ社製のFR−RUN10A)のみからなる筐体に
マイカ板を併用したもの(従来品) ABS+EC20…ABS樹脂(三菱レイヨン社製のダ
イヤペット、品番:3001MF)からなるコアに電気
メッキ層(Cu+Ni)を厚膜で施した筐体(本発明
品) ABS+EC3…ABS樹脂(三菱レイヨン社製のダイ
ヤペット、品番:3001MF)からなるコアに電気メ
ッキ層(Cu+Ni)を薄膜で施した筐体(標準メッキ
品;比較品) それぞれの筐体の強度を曲げ弾性率に関して前記例1に
記載の手法に従って測定したところ、次の第1表に記載
しかつ添付の図12に棒グラフで示すような結果が得ら
れた。なお、図12において、棒Aはカタログ値であ
り、棒Bは推測値(圧縮試験の結果からの、ABSを2
5,000とした時の推測値)である。
【0034】 第1表 曲げ弾性率(kg/cm2 筐体の種類 カタログ値 推測値 ABS 25,000 (25,000) FR−H 100,000 72,000 FR−H+M − 100,500 ABS+EC20 − 125,000 ABS+EC3 − 76,000 上記第1表及び図12の結果から理解されるように、本
発明に従うと、従来品あるいは比較品に較べて顕著に優
れた強度を有する筐体を得ることができる。例えば、本
発明による筐体は、ABS筐体に比較して約74%の強
度の向上を図ることができる。
【0035】また、本発明による筐体(ABS+EC2
0)は、ABS筐体に比較して大幅な軽量化を図ること
もできる。すなわち、ABS筐体の重量が208gであ
ったのに反して、本発明による筐体の重量は160gで
あった。このことは、本発明に従い実に23%の軽量化
が達成されたことを示している。参考までにこの重量比
較の結果を示すと、図13にグラフで示すようになる。例6: 本例では、本発明による筐体の優れた強度につい
て説明する。プラスチック筐体の製作 前記例1に記載の手法を繰り返した。しかし、本例では
供試筐体として以下に記載する5種類の異なる筐体を用
意あるいは作製した。なお、用意及び作製した筐体は、
いずれも前記例2において作製したA4ノート型パソコ
ン「CINNAMON」用の筐体と同様の形状及び寸法
を有するものであった。また、電気メッキ層(Cu+N
i)は、前記例1に記載の手法に従って実施した。
【0036】ABS…ABS樹脂(三菱レイヨン社製の
ダイヤペット、品番:3001MF)のみからなる筐体
(従来品) FR−H…マイカ粉末添加の6−ナイロン樹脂(ユニチ
カ社製のFR−RUN10A)のみからなる筐体(従来
品) FR−H+M…マイカ粉末添加の6−ナイロン樹脂(ユ
ニチカ社製のFR−RUN10A)のみからなる筐体に
マイカ板を併用したもの(従来品) ABS+EC20…ABS樹脂(三菱レイヨン社製のダ
イヤペット、品番:3001MF)からなるコアに電気
メッキ層(Cu+Ni)を厚膜で施した筐体(本発明
品) ABS+EC3…ABS樹脂(三菱レイヨン社製のダイ
ヤペット、品番:3001MF)からなるコアに電気メ
ッキ層(Cu+Ni)を薄膜で施した筐体(標準メッキ
品;比較品)評価試験 上記のようにして用意あるいは作製した筐体の強度を前
記例1に記載の手法に従って曲げ弾性率に関して測定し
たところ、添付の図14〜図18にプロットするような
結果が得られた。なお、本例で実施した圧縮試験では、
下記のような条件を適用した。
【0037】スパン 200mm チャートスピード 50mm/分 フルスケール 50kg クロスヘッド 5mm/分 得られた試験結果をプロットしたものが添付の図14〜
図18であり、縦軸には負荷された荷重(kg)が、横軸
には測定されたたわみ量(mm)がプロットされている。
図14〜図18の結果から理解されるように、本発明に
従うと、従来品あるいは比較品に較べて顕著に優れた強
度を有する筐体を得ることができる。例7: 本例では、本発明による筐体の優れた難燃性につ
いて説明する。なお、難燃性の評価は、UL規格のうち
プラスチックの燃焼性に関して規定したUL94、垂直
燃焼試験(94V−0〜94V−2の難燃グレードを規
定)に従って実施した。
【0038】ABS樹脂(三菱レイヨン社製のダイヤペ
ット、品番:3001MF)からなる125mm×13mm
×1mmの短冊を射出成形により作製し、さらにその全面
に電気メッキ層(Cu+Ni)を前記例1に記載の手法
に従って被覆した。ここで、電気メッキ層の膜厚は、そ
の膜厚が難燃性に及ぼす影響を評価するため、下記の第
2表に記載するようにいろいろな試験片厚さ(mm)とな
るように変更した。
【0039】短冊状の試験片1〜17のそれぞれを鉛直
に立て、バーナーの青色炎を試験片下部中央部に接炎
後、有炎燃焼時間(フレーミング時間)を測定した。そ
の後、さらに10秒間にわたって接炎し、バーナーを取
り去り、フレーミング時間と無炎燃焼時間(グローイン
グ時間)を測定した。なお、試験片の直下に外科用綿を
置き、溶融滴下物による発火の有無も確認した。得られ
た試験結果を認定基準に照らして、94V−0級、94
V−1級又は94V−2級の判定をした。次の第2表
は、得られた判定結果をまとめたものである。
【0040】 第2表 試験片の番号 試験片の厚さ(mm) 難燃性の判定 1 1.058 〜1.067 不可(7秒で膜破損) 2 1.093 〜1.061 94V−0クリア 3 1.063 〜1.072 不可 4 1.064 〜1.065 不可 5 1.061 〜1.060 不可 6 1.162 〜1.112 94V−2クリア 7 1.108 〜1.104 94V−0クリア 8 1.114 〜1.120 94V−2クリア 9 1.124 〜1.129 94V−0クリア 10 1.105 〜1.156 94V−0クリア 11 1.213 〜1.214 94V−2クリア 12 1.166 〜1.110 94V−0クリア 13 1.202 〜1.154 94V−0クリア 14 1.187 94V−0クリア 15 1.058 94V−2クリア 16 1.119 94V−0クリア 17 1.107 94V−0クリア 上記第2表の結果から理解されるように、本発明に従う
と、メッキ層が薄膜である比較品に較べて顕著に優れた
難燃性を有する筐体を得ることができる。本発明による
筐体は、したがって、高度の難燃性を有することが要求
される技術分野において有利に利用し得るということを
示している。
【0041】
【発明の効果】以上の説明から理解されるように、本発
明に従うと、特にプラスチック材料からなる本体の外側
に厚膜(20μm以上)で多層構造の形でメッキ又は金
属層を施してプラスチック筐体を形成するので、 1.高剛性を得ることができ、したがって、強化材、充
填材等の添加が不要となり、ABS樹脂などの一般的な
プラスチック材料を採用することが可能になり、また、
補強材などを取り付けることも不要となる、 2.一般的なプラスチック材料の採用が可能となった結
果、軽量かつ安価で容易に入手可能なプラスチック材料
を使用することができるようになり、また、 3.得られる筐体及びしたがってそれを使用した電子機
器の低コスト化も実現することができ、 4.筐体の成形に使用する金型の焼き入れ、窒化処理な
どが不要となり、金型コスト及びしたがって製造コスト
の低減を図ることができ、 5.成形品における反り等の問題が発生しにくい、など
の効果を得ることができる。
【0042】また、本発明に従うと、プラスチック材料
として特にメッキ用ABS樹脂を使用した場合に顕著な
効果を得ることができたけれども、これは、ABS樹脂
中に含まれるブタジエンが電気メッキに先がけて実施し
た前処理で溶出せしめられ、メッキ層の被着に有効に作
用した結果であると理解される。さらに、本発明に従う
と、従来の技術で無電解ニッケルメッキ、導電塗装、シ
ールド板等の使用で達成していたものと同等もしくはそ
れ以上のレベルのシールド効果、グランドプレーン性能
を確保することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の好ましい1態様に従う2層構造メッキ
層の構成を示した断面図である。
【図2】本発明の好ましい1態様に従う3層構造メッキ
層の構成を示した断面図である。
【図3】本発明による電子機器の好ましい1例であるノ
ート型パソコンの外観を示した斜視図である。
【図4】図3に示したノート型パソコンにおいて用いら
れている本発明によるプラスチック筐体を示した斜視図
である。
【図5】図4に示したプラスチック筐体のメッキ層の構
成を示した断面図である。
【図6】本発明の実施において用いられる電気メッキの
標準動作を説明するフローシートである。
【図7】筐体の曲げ強度を評価するために行われた圧縮
試験の概要を示す略示図である。
【図8】筐体に付加される荷重とそれに対する筐体の曲
げ強度の結果をプロットしたグラフである。
【図9】電気メッキ層の膜厚の関数としての電気メッキ
重量と筐体の曲げ弾性率の関係をプロットしたグラフで
ある。
【図10】電気メッキ層のメッキ厚さと電気メッキ重量
の関係をプロットしたグラフである。
【図11】異なる電気メッキ条件下における電気メッキ
層のメッキ厚さの変動をプロットしたグラフである。
【図12】異なる筐体における曲げ弾性率の変動を示し
たグラフである。
【図13】本発明品及び従来品に関してそれらの製品重
量を比較したグラフである。
【図14】ABS樹脂のみからなる筐体(従来品)に付
加される荷重とそれに対する筐体の曲げ強度の結果をプ
ロットしたグラフである。
【図15】マイカ粉末添加の6−ナイロン樹脂のみから
なる筐体(従来品)に付加される荷重とそれに対する筐
体の曲げ強度の結果をプロットしたグラフである。
【図16】マイカ粉末添加の6−ナイロン樹脂にマイカ
板を併用した筐体(従来品)に付加される荷重とそれに
対する筐体の曲げ強度の結果をプロットしたグラフであ
る。
【図17】ABS樹脂からなるコアに電気メッキ層を厚
膜で施した筐体(本発明品)に付加される荷重とそれに
対する筐体の曲げ強度の結果をプロットしたグラフであ
る。
【図18】ABS樹脂からなるコアに電気メッキ層を薄
膜で施した筐体(比較品)に付加される荷重とそれに対
する筐体の曲げ強度の結果をプロットしたグラフであ
る。
【符号の説明】
1…筐体のコア 2…電気銅メッキ層 3…電気ニッケルメッキ層 4…クロムメッキ層 5…塗装被膜 11…キーボード 12…ポインティングデバイス 13…液晶ディスプレイ 14…プラスチック筐体 15…加圧ロッド
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年12月17日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【請求項】 前記メッキ層が少なくとも20μmの平
均膜厚を有していることを特徴とする請求項に記載の
筐体。
【請求項】 前記メッキ層が、前記コアの表面から順
に、銅メッキ層及びニッケルメッキ層の順に形成された
2層構造メッキ層であることを特徴とする請求項1又は
に記載の筐体。
【請求項】 前記メッキ層が、前記コアの表面から順
に、銅メッキ層、ニッケルメッキ層及びクロムメッキ層
の順に形成された3層構造メッキ層であることを特徴と
する請求項1又は2に記載の筐体。
【請求項】 前記メッキ層が前記筐体の全面にそれを
覆う形で被覆されていることを特徴とする請求項1〜
のいずれか1項に記載の筐体。
【請求項】 請求項1〜のいずれか1項に記載の筐
体と、その筐体の内部に収容された電子機器部品等とを
含むことを特徴とする電子機器。
【請求項】 携帯可能な情報処理機器であることを特
徴とする請求項に記載の電子機器。
【請求項】 電子機器部品等を内蔵するための筐体で
あって、前記筐体がプラスチックから構成され、前記筐
体の少なくとも一部は、前記プラスチックに多層構造の
金属層を被覆したことを特徴とする筐体。
【請求項】 前記金属層が少なくとも20μmの平均
膜厚を有していることを特徴とする請求項に記載の筐
体。
【請求項10】 前記多層構造は、前記プラスチックか
ら順に、銅層及びニッケル層の順に形成される2層構造
であることを特徴とする請求項又はに記載の筐体。
【請求項11】 前記多層構造は、前記プラスチックか
ら順に、銅層、ニッケル層及びクロム層の順に形成され
る3層構造であることを特徴とする請求項又はに記
載の筐体。
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【課題を解決するための手段】本発明は、その1つの面
において、電子機器部品等を内蔵するための筐体であっ
て、該筐体のコアが実質的に強化材を有しないプラスチ
ック材料から構成されており、かつ該筐体の少なくとも
一部に多層構造を有しているメッキ層が被覆されている
ことを特徴とする筐体にある。本発明は、そのもう1つ
の面において、電子機器部品等を内蔵するための筐体で
あって、前記筐体がプラスチックから構成され、前記筐
体の少なくとも一部は、前記プラスチックに多層構造の
金属層を被覆したことを特徴とする筐体にある。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】また、本発明は、そのもう1つの面におい
て、筐体と、その内部に収容された電子機器部品等とを
含む電子機器であって、前記筐体のコアが実質的に強化
材を有しないプラスチック材料から構成されており、か
つ前記筐体の少なくとも一部に多層構造を有しているメ
ッキ層が被覆されていることを特徴とする電子機器にあ
る。本発明による筐体は、その優れた特性を利用して、
その筐体に電子機器部品等を内蔵させて電子機器、好ま
しくは携帯可能な電子機器を完成することができる。本
発明により具体的に実施可能な携帯可能な電子機器とし
ては、例えば、いずれも携帯して利用することのでき
る、ノート型パソコン、複写機、携帯電話などを挙げる
ことができる。例えばノート型パソコンにおける本発明
の筐体の利用例について示すと、液晶ディスプレイ部や
キーボード部に本発明の筐体を有利に利用することがで
きる。また、本発明の筐体は、必要に応じて、携帯を目
的としない電子機器、すなわち、据え置き型の電子機器
の製作にも有利に利用することができる。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0037
【補正方法】変更
【補正内容】
【0037】スパン 200mmチャートスピ
ード 50mm/分フルスケール 50kgクロス
ヘッド 5mm/分得られた試験結果をプロット
したものが添付の図14〜図18であり、縦軸には負荷
された荷重(kg)が、横軸には測定されたたわみ量(m
m)がプロットされている。図14〜図18の結果から
理解されるように、本発明に従うと、従来品あるいは比
較品に較べて顕著に優れた強度を有する筐体を得ること
ができる。
【手続補正5】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0038
【補正方法】削除
【手続補正6】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0039
【補正方法】削除
【手続補正7】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0040
【補正方法】削除

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 電子機器部品等を内蔵するための筐体で
    あって、該筐体の少なくとも一部にメッキ層が被覆され
    ていることを特徴とする筐体。
  2. 【請求項2】 前記メッキ層が多層構造を有しているこ
    とを特徴とする請求項1に記載の筐体。
  3. 【請求項3】 前記メッキ層が少なくとも20μmの平
    均膜厚を有していることを特徴とする請求項2に記載の
    筐体。
  4. 【請求項4】 前記筐体のコアが実質的に強化材を有し
    ないプラスチック材料から構成されていることを特徴と
    する請求項1〜3のいずれか1項に記載の筐体。
  5. 【請求項5】 前記メッキ層が、前記コアの表面から順
    に、銅メッキ層及びニッケルメッキ層の順に形成された
    2層構造メッキ層であることを特徴とする請求項4に記
    載の筐体。
  6. 【請求項6】 前記メッキ層が、前記コアの表面から順
    に、銅メッキ層、ニッケルメッキ層及びクロムメッキ層
    の順に形成された3層構造メッキ層であることを特徴と
    する請求項4に記載の筐体。
  7. 【請求項7】 前記メッキ層が前記筐体の全面にそれを
    覆う形で被覆されていることを特徴とする請求項1〜6
    のいずれか1項に記載の筐体。
  8. 【請求項8】 請求項1〜7のいずれか1項に記載の筐
    体と、その筐体の内部に収容された電子機器部品等とを
    含むことを特徴とする電子機器。
  9. 【請求項9】 携帯可能な情報処理機器であることを特
    徴とする請求項8に記載の電子機器。
  10. 【請求項10】 電子機器部品等を内蔵するための筐体
    であって、前記筐体がプラスチックから構成され、前記
    筐体の少なくとも一部は、前記プラスチックに金属層を
    被覆したことを特徴とする筐体。
  11. 【請求項11】 前記金属層が多層構造であることを特
    徴とする請求項10に記載の筐体。
  12. 【請求項12】 前記金属層が少なくとも20μmの平
    均膜厚を有していることを特徴とする請求項10又は1
    1に記載の筐体。
  13. 【請求項13】 前記多層構造は、前記プラスチックか
    ら順に、銅層及びニッケル層の順に形成される2層構造
    であることを特徴とする請求項11又は12に記載の筐
    体。
  14. 【請求項14】 前記多層構造は、前記プラスチックか
    ら順に、銅層、ニッケル層及びクロム層の順に形成され
    る3層構造であることを特徴とする請求項11又は12
    に記載の筐体。
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