JPH10233514A - 薄膜トランジスタ - Google Patents

薄膜トランジスタ

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JPH10233514A
JPH10233514A JP11615497A JP11615497A JPH10233514A JP H10233514 A JPH10233514 A JP H10233514A JP 11615497 A JP11615497 A JP 11615497A JP 11615497 A JP11615497 A JP 11615497A JP H10233514 A JPH10233514 A JP H10233514A
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JP
Japan
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thin film
film
semiconductor thin
insulating film
insulating
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JP11615497A
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Masabumi Kunii
正文 国井
Hiroyuki Ikeda
裕幸 池田
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Sony Corp
Original Assignee
Sony Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 薄膜トランジスタに含まれる絶縁膜を改質し
て長期信頼性を確保する。 【解決手段】 薄膜トランジスタは半導体薄膜5と、そ
の下面側に接して形成されたゲート酸化膜3と、半導体
薄膜5の上面側に接して形成されたエッチングストッパ
ー膜6と、ゲート酸化膜3を介して半導体薄膜5の直下
に位置するゲート電極1とを含む積層構造を有し、60
0℃以下のプロセス温度で絶縁基板0上に形成される。
エッチングストッパー膜6はその膜質を表わすフラット
バンド電圧の絶対値がゲート酸化膜3のフラットバンド
電圧の絶対値と実質的に同等に形成されている。半導体
薄膜5は多結晶シリコンからなり、ゲート酸化膜3及び
エッチングストッパー膜6は二酸化シリコンからなる。
これら二酸化シリコンのフラットバンド電圧の絶対値が
2V以下に制御されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は絶縁基板上に形成さ
れた多結晶シリコンなどの半導体薄膜を活性層とする薄
膜トランジスタに関する。より詳しくは、低温プロセス
(例えばプロセス最高温度が600℃以下)で作成され
る薄膜トランジスタに関する。更に詳しくは、薄膜トラ
ンジスタに含まれる絶縁膜の改質技術に関する。
【0002】
【従来の技術】アクティブマトリクス型液晶ディスプレ
イのスイッチング素子として薄膜トランジスタが広く用
いられている。特に、薄膜トランジスタの活性層となる
半導体薄膜には従来から多結晶シリコンが採用されてい
る。多結晶シリコン薄膜トランジスタは、スイッチング
素子に用いられるばかりでなく、回路素子としても利用
でき、同一基板上にスイッチング素子と合わせて周辺駆
動回路を内蔵できる。また、多結晶シリコン薄膜トラン
ジスタは微細化が可能な為、画素構造におけるスイッチ
ング素子の専有面積を縮小でき画素の高開口率化が達成
できる。ところで、従来多結晶シリコン薄膜トランジス
タは製造工程上プロセス最高温度が1000℃程度に達
し、耐熱性に優れた石英ガラスなどが絶縁基板として用
いられていた。製造プロセス上比較的低融点のガラス基
板を使用することは困難であった。しかしながら、液晶
ディスプレイの低コスト化の為には低融点ガラス板材料
の使用が必要不可欠である。そこで、近年プロセス最高
温度が600℃以下になる所謂低温プロセスの開発が進
められている。特に、低温プロセスは大型の液晶ディス
プレイを製造する時、コスト面から極めて有利になる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】薄膜トランジスタの低
温プロセス化を行なう為、従来の熱酸化法に代えて、ゲ
ート絶縁膜をプラズマCVD法又は減圧CVD法で形成
する方法が一般的に採用されている。なお、原料ガスと
しては例えばSiH4 が用いられる。しかしながら、こ
れらの従来方法では600℃以下の低温プロセスで熱酸
化膜に匹敵する高品質のSiO2 膜を形成することが困
難である。例えば、膜中の欠陥準位に起因する薄膜トラ
ンジスタの閾電圧(Vth)のシフトを招き、長期信頼
性を維持することが困難であった。また、従来のプラズ
マCVD法で形成したSiO2 膜では、例えばnチャネ
ル型の薄膜トランジスタがオン状態にある時、チャネル
のドレイン端近傍に接するゲート絶縁膜や、半導体薄膜
を介してゲート絶縁膜に対向する対向絶縁膜中にホット
エレクトロンが飛び込むことにより、これらの絶縁膜中
に負の電荷に誘起される。これによりドレイン端近傍の
チャネル領域が弱反転となり、チャネル抵抗が高くな
る。このホットエレクトロンの蓄積により薄膜トランジ
スタのオン電流が低下し、長期信頼性を確保できないと
いう深刻な問題点を有していた。この対策としては、例
えばドレイン端に低濃度不純物領域(LDD領域)を設
けることにより、ドレイン端での電界集中を緩和させ、
ホットエレクトロンなどのホットキャリアの影響を抑制
する方法が取られていた。しかしながら、この対策では
LDD領域の抵抗が高い為、結局薄膜トランジスタのオ
ン電流減少という問題を抜本的に解決することはできな
い。低温プロセスによる薄膜トランジスタの長期信頼性
を確保する為には、ゲート絶縁膜の改質が急務となって
いる。ところで、薄膜トランジスタを構成する半導体薄
膜のゲート電極側の界面にゲート絶縁膜が接している
が、反対側(バックゲート側)の界面にも対向絶縁膜が
接している。ホットキャリアの蓄積はゲート絶縁膜ばか
りでなくバックゲート側の対向絶縁膜にも起こる為、そ
の改質も必要である。しかしながら、従来バックゲート
側の対向絶縁膜の改質については何ら考慮が払われてい
なかった。
【0004】
【課題を解決する為の手段】上述した従来の技術の課題
に鑑み、本発明はホットキャリアの影響を除去し且つ高
オン電流を確保可能な薄膜トランジスタを提供すること
を目的とする。係る目的を達成する為に以下の手段を講
じた。即ち、本発明に係る薄膜トランジスタは基本的
に、半導体薄膜と、その一面側に接して形成されたゲー
ト絶縁膜と、該半導体薄膜の他面側に接して形成されゲ
ート絶縁膜に対向する対向絶縁膜と、該ゲート絶縁膜を
介して該半導体薄膜に重ねられたゲート電極とを含む積
層構造を有し、600℃以下のプロセス温度で絶縁基板
上に形成される。特徴事項として、前記対向絶縁膜はそ
の膜質を表わすフラットバンド電圧の絶対値が前記ゲー
ト絶縁膜のフラットバンド電圧の絶対値と実質的に同等
に形成されている。具体的には、前記半導体薄膜は非単
結晶性のシリコン(例えば多結晶シリコン)からなり、
前記ゲート絶縁膜及び前記対向絶縁膜は二酸化シリコン
(SiO2 )からなり、且つそのフラットバンド電圧の
絶対値が2V以下である。例えば、前記二酸化シリコン
は有機系シラン化合物のプラズマ分解によって450℃
以下の温度で成膜される。なお、前記対向絶縁膜は該絶
縁基板と該半導体薄膜との間に介在する下地膜であり、
前記ゲート電極は該半導体薄膜の上方に位置するトップ
ゲート構造である。あるいは、前記対向絶縁膜は該半導
体薄膜の上に位置するエッチングストッパー膜であり、
前記ゲート電極は該半導体薄膜の下方で該絶縁基板の上
に位置するボトムゲート構造であってもよい。
【0005】本発明の他の側面によれば、薄膜トランジ
スタは基本的に、半導体薄膜と、その下面側に接して形
成された第1の絶縁膜と、該半導体薄膜の上面側に接し
て形成された第2の絶縁膜と、第1又は第2の絶縁膜を
介して該半導体薄膜に重なったゲート電極とを含む積層
構造を有し、600℃以下のプロセス温度で絶縁基板上
に形成される。特徴事項として、前記半導体薄膜はレー
ザ光の照射を用いたレーザアニールにより結晶化されて
いる。又、前記第1の絶縁膜はレーザアニールの影響を
受けて膜質が改善されている。更に、前記第2の絶縁膜
はその膜質を表わすフラットバンド電圧の絶対値が前記
第1の絶縁膜のフラットバンド電圧の絶対値と実質的に
同等に形成されている。例えば、前記第1の絶縁膜は二
酸化シリコンからなりレーザアニールの影響を受けてフ
ラットバンド電圧の絶対値が2V以下になる。一方、前
記第2の絶縁膜は有機系シラン化合物のプラズマ分解に
よって450℃以下の温度で成膜された二酸化シリコン
からなり、フラットバンド電圧の絶対値が2V以下であ
る。
【0006】本発明によれば、600℃以下の低温プロ
セスで作成される薄膜トランジスタにおいて、チャネル
領域を含む半導体薄膜は上面及び下面の両方が、フラッ
トバンド電圧の絶対値が2V以下である絶縁膜に接して
いる。このフラットバンド電圧は金属/絶縁膜/半導体
のMIS構造で測定される電圧値であって絶縁膜の膜質
を表わす指標である。従来のプラズマCVD法により成
膜された絶縁膜のフラットバンド電圧の絶対値は10V
程度であり、従来の熱酸化膜のフラットバンド電圧の絶
対値はほぼ0Vである。本発明ではチャネル領域を上下
から挟む絶縁膜のフラットバンド電圧の絶対値が2V以
下であり熱酸化膜に近い緻密な膜質を有している。これ
により、ホットキャリアによる劣化モードを抑制し薄膜
トランジスタの信頼性を大幅に改善できる。特に、ゲー
ト絶縁膜だけでなくバックゲート側の対向絶縁膜も改質
されており、充分な長期信頼性を確保することが可能で
ある。フラットバンド電圧の絶対値が2V以下の絶縁膜
としては、例えば有機系シラン化合物のプラズマ分解に
よって450℃以下の温度で成膜された二酸化シリコン
を用いることができる。あるいは、通常の無機シランを
原料として化学気相成長した二酸化シリコンであって
も、後工程のレーザアニールにより緻密化された場合に
はフラットバンド電圧の絶対値が2V以下となるので、
これをゲート絶縁膜又は対向絶縁膜に利用することがで
きる。
【0007】
【発明の実施の形態】以下図面を参照して本発明の最良
な実施形態を詳細に説明する。図1は、本発明に係る薄
膜トランジスタの第1実施形態を示す模式的な断面図で
ある。図示する様に、本薄膜トランジスタはボトムゲー
ト型の積層構造を有し600℃以下のプロセス温度でガ
ラスなどからなる絶縁基板0上に形成されたものであ
る。絶縁基板0の上には下から順にゲート電極1、ゲー
ト窒化膜2、ゲート酸化膜3、半導体薄膜5、エッチン
グストッパー膜6が重ねられている。即ち、本薄膜トラ
ンジスタは半導体薄膜5とその一面側(下面側)に接し
て形成されたゲート絶縁膜(ゲート酸化膜3)と、半導
体薄膜5の他面側(上面側)に接して形成された対向絶
縁膜(エッチングストッパー膜6)と、ゲート絶縁膜を
介して半導体薄膜5に重ねられたゲート電極1とを含む
積層構造を有する。半導体薄膜5はエッチングストッパ
ー膜6の直下に位置するチャネル領域Chとその両側に
位置するドレイン領域D及びソース領域Sとに分かれて
いる。また、チャネル領域Chとドレイン領域Dとの間
には低濃度不純物領域(LDD領域)が介在している。
同様に、チャネル領域Chとソース領域Sとの間にもL
DD領域が介在している。係る構成を有する薄膜トラン
ジスタは層間絶縁膜7及びパシベーション膜8により順
に被覆されている。パシベーション膜8の上には配線電
極9がパタニング形成されており、コンタクトホールを
介してソース領域Sに接続している。最上層には平坦化
層10が塗工されており、その上には画素電極11がパ
タニング形成されている。画素電極11はコンタクトホ
ールを介してドレイン領域Dに接続している。この様
に、本実施形態では薄膜トランジスタは画素電極11の
スイッチング駆動に用いられている。この関係で、リー
ク電流を抑制する必要があり所謂LDD構造を採用して
いる。しかしながら、本発明は必ずしもLDD領域を必
須の構成要素とするものではなく、薄膜トランジスタを
駆動回路等に形成する場合には寧ろLDD領域を取り去
ることが可能である。下側の絶縁基板0には所定の間隙
を介して上側の絶縁基板20が接合している。上側の絶
縁基板20はガラスなどからなりその内表面には対向電
極21が形成されている。両絶縁基板0,20の間隙に
は液晶などからなる電気光学物質22が保持されてい
る。
【0008】本発明の特徴事項として、半導体薄膜5の
チャネル領域Chの上面に接するエッチングストッパー
膜6(対向絶縁膜)はその膜質を表わすフラットバンド
電圧の絶対値が、同じくチャネル領域Chの下面側に接
するゲート酸化膜3(ゲート絶縁膜)のフラットバンド
電圧の絶対値と実質的に同等に形成されている。半導体
薄膜5は非単結晶性のシリコン(例えば多結晶シリコ
ン)からなり、その上下に位置するエッチングストッパ
ー膜6及びゲート酸化膜3は二酸化シリコン(SiO
2 )からなり、且つ両者のフラットバンド電圧の絶対値
が2V以下である。即ち、エッチングストッパー膜6及
びゲート酸化膜3の膜質は従来の熱酸化膜に近く、高品
質且つ緻密でありホットキャリアの蓄積による長期信頼
性の低下を抑制可能である。これらの二酸化シリコン膜
は例えば有機系シラン化合物のプラズマ分解によって4
50℃以下の温度で成膜可能である。あるいは、電子線
サイクロトン共鳴−CVD法(ECR−CVD法)で作
成したSiO2 を用いてもよい。この場合、原料ガスと
しては例えばSiH4 を用いることができ、フラットバ
ンド電圧の絶対値を2V以下に制御可能である。前述し
た様に、本実施形態では、対向絶縁膜は半導体薄膜5の
上に位置するエッチングストッパー膜6であり、ゲート
電極1は半導体薄膜5の下方で絶縁基板0の上に位置す
るボトムゲート構造となっている。なお、本実施形態で
はフラットバンド電圧の絶対値が2V以下である絶縁膜
として、有機系シラン化合物のプラズマ分解によって4
50℃以下の温度で成膜された二酸化シリコン膜を用い
ているが、これに代えてレーザアニールの影響により緻
密化した二酸化シリコンを用いることもできる。本来、
レーザアニールはレーザ光を半導体薄膜に照射してこれ
を結晶化する処理である。このレーザアニールにより半
導体薄膜と接する絶縁膜も瞬間的に1000℃以上の温
度に加熱される。この影響で二酸化シリコンからなる絶
縁膜の表面が緻密化し、フラットバンド電圧の絶対値が
2V以下になる。
【0009】次に図2を参照して、図1に示した薄膜ト
ランジスタの製造方法を詳細に説明する。なお、本例で
は便宜上nチャネル型の薄膜トランジスタの製造方法を
示すが、pチャネル型でも不純物種(ドーパント種)を
変えるだけで全く同様である。まず(a)に示す様に、
ガラスなどからなる絶縁基板0の上にAl,Mo,T
a,Ti,Cr,Wなどの金属、又は高濃度ドープ多結
晶シリコンと前記金属の積層構造、または前記金属同志
の積層構造又は合金を成膜し、所定の形状にパタニング
してゲート電極1に加工する。
【0010】次いで(b)に示す様に、ゲート電極1の
上にゲート絶縁膜を形成する。本実施形態では、ゲート
絶縁膜はゲート窒化膜2(SiNx )/ゲート酸化膜3
(SiO2 )の2層構造を用いた。ゲート窒化膜2はS
iH4 ガスとNH3 ガスの混合物を原料気体として用
い、プラズマCVD法(PCVD法)で成膜した。プラ
ズマを誘起する為の高周波(RF)は13.56MHz
の周波数に設定し、パワーは0.06W/cm2 に設定
し、基板温度は300乃至350℃に設定して、50乃
至150nmの厚みで成膜した。ゲート酸化膜3の形成
には、原料気体として有機系シランガスのTEOS(S
i(C2544 )を用い、RFが10乃至30M
Hzでパワーを0.5W/cm2 以上に設定し、基板温
度を300乃至450℃に設定して50乃至100nm
の厚みで成膜した。次いで、ゲート酸化膜3の上に非晶
質シリコンからなる半導体薄膜4を30乃至50nmの
厚みで成膜した。二層構造のゲート絶縁膜と非晶質半導
体薄膜4は成膜チャンバーの真空系を破らず連続成膜し
た。TEOSを用いたゲート酸化膜3の成膜の際、RF
周波数を13.56MHz以下、RFパワーを0.2W
/cm2 未満で行なうと、得られる絶縁膜の耐圧が低
く、また膜中の欠陥準位も多くなるので良好なゲート酸
化膜3の形成ができない。この為、RF周波数は13.
56MHzを越え、且つRFパワーは0.2W/cm2
以上が必要である。望ましくは、周波数が27.12M
Hz程度でパワーが0.5W/cm2 程度がよい。ま
た、有機系シランガスとしてはTEOSに代えてTRI
ES(Si(C25 )O3 H)を用いてもよい。この
様な成膜条件でSiO2 を形成し、後工程で300℃以
上のアニールを通過させることにより、フラットバンド
電圧(Vfb)の絶対値が2V以下に制御された高品質
のゲート酸化膜3が得られる。フラットバンド電圧はホ
ットキャリアに対するデバイスの信頼性を表わす重要な
指標である。
【0011】次いで(c)に示す様に、400℃の温度
で窒素雰囲気中2時間程度加熱処理を行ない、非晶質半
導体薄膜4に含有されていた水素を放出する。所謂脱水
素アニールを行なう。この後、エキシマレーザビームな
どを照射して非晶質半導体薄膜4を結晶化させ、多結晶
半導体薄膜5に転換する。所謂レーザアニールは600
℃以下のプロセス温度で多結晶半導体薄膜5を形成する
為の有力な手段である。この後、多結晶シリコンからな
る半導体薄膜5の上に再びTEOSを用いたプラズマC
VD法でSiO2 を約100nmの厚みで成膜する。こ
のSiO2 を所定の形状にパタニングしてエッチングス
トッパー膜6に加工する。この場合、裏面露光技術を用
いてゲート電極1と整合する様にエッチングストッパー
膜6をパタニングしている。このエッチングストッパー
膜6は後工程で多結晶半導体薄膜5をエッチングする
際、直下のチャネル領域を保護する役目を果たす。この
エッチングストッパー膜6もホットキャリアの影響を受
け、従来のSiO2 膜では薄膜トランジスタの動作時に
固定電荷をストッパー膜6中に誘起する。この為、信頼
性を向上するにはTEOSを用いたエッチングストッパ
ー膜6を形成する必要がある。
【0012】最後に(d)に示す様に、エッチングスト
ッパー膜6をマスクとしてイオンドーピングにより不純
物(例えばP)を半導体薄膜5に注入し、LDD領域を
形成する。更にストッパー膜6及びその両側のLDD領
域を被覆する様にフォトレジストをパタニング形成した
後、これをマスクとして不純物(例えばP)を高濃度で
イオンドーピングし、ソース領域S及びドレイン領域D
を形成する。この後、レーザアニール又は熱アニールで
半導体薄膜5に注入された不純物を活性化させる。この
段階で半導体薄膜5をエッチングにより所定の形状にパ
タニングする。続いてSiO2 を約200乃至600n
mの厚みで成膜し層間絶縁膜7とする。この層間絶縁膜
7の成膜方法はプラズマCVD法でも、常圧CVD法、
減圧CVD法、スパッタ法いずれの方法でもよい。しか
しながら、好ましくはTEOSを原料ガスとしたプラズ
マCVD法により層間絶縁膜7を形成する。なぜなら、
TEOS−SiO2 は段差の被覆性に優れ、層間の段差
に起因するクラックなどを防ぎ、層間リークを減少させ
るからである。層間絶縁膜7の形成後、SiNx をプラ
ズマCVD法で約100乃至400nm成膜し、パシベ
ーション膜(キャップ膜)8とする。この段階で窒素ガ
ス又はフォーミングガス又は真空中雰囲気下で300乃
至400℃の加熱処理を1乃至2時間行ない、層間絶縁
膜7に含まれる水素原子を半導体薄膜5中に拡散させ
る。なお、このパシベーション膜(キャップ膜)8は必
ずしも必要ではなく、層間絶縁膜7のみの状態でアニー
ルしてもよい。この後、コンタクトホールを開口し、M
o,Alなどをスパッタした後所定の形状にパタニング
して配線電極9に加工する。更に、アクリル樹脂などか
らなる平坦化層10を塗布した後コンタクトホールを開
口する。平坦化層10の上にITOなどからなる透明導
電膜をスパッタした後、所定の形状にパタニングして画
素電極11に加工する。
【0013】続いて、図2に示した製造方法の変形例を
説明する。先の例では、ゲート酸化膜3としてTEOS
−SiO2 を用いたが、本例ではこれに代えて通常の無
機シランを原料に用いて化学気相成長したSiO2 をゲ
ート酸化膜3としている。具体的には、原料ガスとして
SiH4 を用い、これにO2 を混合させて、ゲート窒化
膜2上に連続してプラズマCVD法によりゲート酸化膜
3を堆積する。例えば、RF=13.56MHz、パワ
ー=0.06W/cm2 、基板温度300乃至350℃
の条件でゲート酸化膜3を50乃至100nm成膜す
る。この段階では、ゲート酸化膜3のフラットバンド電
圧の絶対値は2V以上となっている。次いで、ゲート酸
化膜3上に非晶質シリコンからなる半導体薄膜4を30
乃至50nmの厚みで成膜する。二層のゲート窒化膜
2、ゲート酸化膜3と非晶質半導体薄膜4は成膜チャン
バの真空系を破らずに連続成膜できる。非晶質半導体薄
膜4を成膜した後、400℃で2時間程度脱水素アニー
ルを行なう。ここで、レーザ光を照射して非晶質半導体
薄膜4を多結晶半導体薄膜5に転換する。例えば、30
0乃至440mJ/cm2 のエネルギー密度を有するエ
キシマレーザビームを照射する。この時のレーザビーム
の波長は例えば308nmであり、エキシマレーザビー
ムのパルス周波数は200Hzであり、パルス継続時間
は25nsである。このレーザアニールにより非晶質半
導体薄膜4の下方に接するゲート酸化膜3も数十nsの
オーダーで瞬間的に1000℃以上に加熱される。この
影響で、ゲート酸化膜3の表面が緻密化し、フラットバ
ンド電圧がTEOS−SiO2 と実質的に同等になる。
この後は、先の例と同様に、多結晶半導体薄膜5の上に
TEOSを用いたプラズマCVD法でSiO2 を約10
0nmの厚みで成膜する。このSiO2 を所定の形状に
パタニングしてエッチングストッパー膜6に加工する。
この場合、裏面露光技術を用いてゲート電極1と整合す
る様にエッチングストッパー膜6をパタニングしてい
る。このエッチングストッパー膜6もホットキャリアの
影響を受け、従来のSiO2 膜では薄膜トランジスタの
動作時に固定電荷をストッパー膜6中に誘起する。この
為、信頼性を向上する目的でTEOSを用いたエッチン
グストッパー膜6を形成している。
【0014】更に、図2に示した製造方法の他の変形例
を説明する。先の例では、エッチングストッパー膜6と
してTEOS−SiO2 を用いていた。これに代えて、
レーザアニールにより緻密化されたSiO2 膜を用いる
ことができる。この場合、エッチングストッパー膜6と
なるSiO2 の膜質を改善する為、追加のレーザアニー
ル工程が行なわれることになる。前の変形例の様に、レ
ーザアニールの対象となるSiO2 が半導体薄膜の下面
側に接している場合には、半導体薄膜の結晶化を目的と
したレーザアニールがそのままSiO2 の緻密化に利用
できる。しかしながら、本変形例ではSiO2 が既にレ
ーザアニールの施された多結晶半導体薄膜5の上に成膜
されるので、追加のレーザアニールが必要になる。以上
の様に、本発明に係る薄膜トランジスタは半導体薄膜5
と、その下面側に接して形成された第1の絶縁膜(ゲー
ト酸化膜3)と、半導体薄膜5の上面側に接して形成さ
れた第2の絶縁膜(エッチングストッパー膜6)と、第
1又は第2の絶縁膜を介して半導体薄膜5に重なったゲ
ート電極1とを含む積層構造を有している。半導体薄膜
5はレーザ光の照射を用いたレーザアニールにより結晶
化されており、第1の絶縁膜(ゲート酸化膜3)はレー
ザアニールの影響を受けて膜質が改善されている。第2
の絶縁膜(エッチングストッパー膜6)はその膜質を表
わすフラットバンド電圧の絶対値が第1の絶縁膜のフラ
ットバンド電圧の絶対値と実質的に同等に形成されてい
る。第1の絶縁膜(ゲート酸化膜3)はレーザアニール
の影響を受けてフラットバンド電圧の絶対値が2V以下
になる。第2の絶縁膜(エッチングストッパー膜6)は
有機系シラン化合物のプラズマ分解によって450℃以
下の温度で成膜された二酸化シリコンからなり、フラッ
トバンド電圧の絶対値が2V以下である。あるいは、第
2の絶縁膜は追加のレーザアニールによってフラットバ
ンド電圧の絶対値が2V以下に制御された二酸化シリコ
ンを用いてもよい。
【0015】図3は、本発明に係る薄膜トランジスタの
第2実施形態の製造方法を示す工程図である。第1実施
形態と異なり、本実施形態はトップゲート構造を有して
いる。まず(a)に示す様に、絶縁基板0の上にバッフ
ァ層となる二層の下地膜6a,6bをプラズマCVD法
により連続成膜する。1層目の下地膜6aはSiNx
らなり、SiH4 ガスとNH3 ガスの混合物を原料気体
として用い、RF=13.56MHz、パワー=0.0
6W/cm2 以上、基板温度300乃至350℃で成膜
した。2層目の下地膜6bはSiO2 からなり、原料気
体としてTEOSを用いたプラズマCVD法により成膜
した。膜厚は1層目の下地膜6aが50nm程度であ
り、2層目の下地膜6bが100nm乃至2000nm
程度である。このTEOS−SiO2 からなる下地膜6
bの上に非晶質シリコンからなる半導体薄膜4を約40
nmの厚みで成膜する。この後400℃で2時間程度脱
水素アニールを行なった後、レーザビームを照射して非
晶質半導体薄膜4を多結晶半導体薄膜5に転換する。
【0016】次に(b)に示す様に、この多結晶半導体
薄膜5をアイランド状にパタニングした後、その上に再
びTEOS−SiO2 を100nm程度の厚みで成膜
し、ゲート酸化膜3とする。
【0017】最後に(c)に示す様に、ゲート酸化膜3
上に、Al,Mo,Ta,Ti,Cr,Wなどの金属を
成膜し、所定の形状にパタニングしてゲート電極1に加
工する。なお、ゲート電極1の材料としては高濃度ドー
プ多結晶シリコンと前記金属又は前記金属同志の積層構
造又は合金を用いることもできる。この後、ゲート電極
1をマスクとしてイオンドーピングなどにより不純物を
注入し、半導体薄膜5中にソース領域S及びドレイン領
域Dを形成する。この結果、ゲート電極1の直下にはチ
ャネル領域Chが残されることになる。次いでゲート電
極1を被覆する様にSiO2 からなる層間絶縁膜7を約
400nmの厚みで成膜する。この層間絶縁膜7は必ず
しもTEOS−SiO2 を用いなくてもよい。この層間
絶縁膜7の成膜後、SiNx をプラズマCVD法で約1
00乃至400nm堆積しパシベーション膜(キャップ
膜)8とする。この段階で窒素ガス、フォーミングガ
ス、又は真空中で300乃至400℃の温度下1乃至2
時間程度アニールし、層間絶縁膜7に含有された水素を
半導体薄膜5中に拡散させる。この後コンタクトホール
を開口する。更にパシベーション膜8の上にMo,Al
などをスパッタリングで成膜した後所定の形状にパタニ
ングして配線電極9に加工する。更にアクリル樹脂など
からなる平坦化層10を塗工後、これにコンタクトホー
ルを開口する。平坦化層10の上にITOなどからなる
透明導電膜をスパッタリングし、所定の形状にパタニン
グして画素電極11に加工する。第1実施形態と同様
に、本第2実施形態でも、半導体薄膜5は非単結晶性の
シリコン(多結晶シリコン)からなり、ゲート酸化膜3
及び対向絶縁膜(下地膜6b)は二酸化シリコンからな
り、且つこれら二酸化シリコンのフラットバンド電圧の
絶対値は2V以下に制御されている。即ち、これらの二
酸化シリコンは有機系シラン化合物のプラズマ分解によ
って450℃以下の温度で成膜されたものである。対向
絶縁膜は絶縁基板0と半導体薄膜5との間に介在する下
地膜6bであり、ゲート電極1は半導体薄膜5の上方に
位置するトップゲート構造を有している。
【0018】次に、図3に示した製造方法の変形例を説
明する。まず、絶縁基板0の上にバッファ層となる二層
の下地膜6a,6bをプラズマCVD法により連続成膜
する。1層目の下地膜6aはSiNx からなり、SiH
4 ガスとNH3 ガスの混合物を原料気体として用い、R
F=13.56MHz、パワー=0.06W/cm2
上、基板温度300乃至350℃で成膜した。ここまで
は先の例と同様である。この後、先の例と異なりTEO
S−SiO2 に代えて通常の無機シランを原料として下
地膜6bを成膜した。具体的には、原料としてSiH4
ガスを用い、これにO2 ガスを混合してプラズマCVD
法によりSiO2 を成膜した。この時の条件は、RF=
13.56MHz、パワー=0.06W/cm2 、基板
温度300乃至350℃である。又、SiO2 からなる
下地膜6bの膜厚は100nm乃至2000nmであ
る。この下地膜6bの上に非晶質シリコンからなる半導
体薄膜4を約40nmの厚みで成膜する。この後400
℃で2時間程度脱水素アニールを行なった後、レーザビ
ームを照射して半導体薄膜4を非晶質から多結晶に転換
する。この時、レーザアニールの影響を受けて下地膜6
bを構成するSiO2の表面が緻密化し、フラットバン
ド電圧がTEOS−SiO2 と実質的に同等若しくはそ
れ以下となる。この後、多結晶シリコン半導体薄膜5を
アイランド状にパタニングし、その上にTEOS−Si
2 を100nm程度の厚みで成膜し、ゲート酸化膜3
とする。なお、このゲート酸化膜3はTEOS−SiO
2 に代えて、通常の無機シランを原料としたプラズマC
VD法により成膜されるSiO2を用いることもでき
る。但し、この場合には追加のレーザアニールを行なっ
て、SiO2 を緻密化する必要がある。
【0019】従来のSiH4 などを原料気体として用い
且つプラズマCVD法で成膜したSiO2 をゲート絶縁
膜に用いた多結晶シリコン薄膜トランジスタでは、特に
nチャネル型の場合、ホットキャリア(ホットエレクト
ロン)による絶縁膜の劣化に起因するオン電流の低下と
いう深刻な問題を抱えていた。ホットキャリアの影響を
受けない様にするには、絶縁膜を構成するSiO2 を緻
密化して、熱酸化膜に近い特性を持つ膜を600℃以下
の低温で作成することが必要である。ホットキャリアに
対する耐性に係わる絶縁膜の緻密性は、フラットバンド
電圧Vfbと密接に関係していることが見い出された。
フラットバンド電圧はアルミニウム電極とシリコン基板
(n型)との間にSiO2 を挟んだMIS構造で測定さ
れる。SiO2 を両側からアルミニウム電極とシリコン
基板で挟んだ場合、SiO2 の膜質に依存して電位差が
生じる。この電位差を打ち消す為に必要な印加電圧をフ
ラットバンド電圧と呼んでいる。従って、フラットバン
ド電圧はSiO2 の膜質(欠陥密度)を示す指標であ
り、ひいては膜の緻密性を表わしている。フラットバン
ド電圧の絶対値が0に近い程膜質がよいとされている。
因みに、SiH4 を用いた通常のプラズマCVD法で作
成したSiO2 膜のフラットバンド電圧は−20V≦V
fb<−2V程度である。即ち、Vfbの絶対値は2V
を越え、20V程度までになることがある。この様な膜
は内部組成が疎な状態である為ホットエレクトロンが注
入され易く絶縁膜中に負の電荷が誘起される。これによ
りドレイン端近傍のチャネル領域が弱反転となり、チャ
ネル抵抗が高くなる。図4の(a)に従来のnチャネル
型多結晶シリコン薄膜トランジスタのドレイン電圧VD
S/ドレイン電流IDS特性を示す。ホットエレクトロ
ンの影響が表われ易い領域は、ゲート電圧Vgが小さく
且つVDSが大きい領域である。例えば、あらかじめV
gs=0VでVDSを0Vから20Vまで掃引した後、
VDS/IDS特性を測定すると、図4の(a)示す様
に、ホットエレクトロンの影響が顕著に表われる。ゲー
ト電圧をパラメータにしたVDS/IDS曲線群は下に
凸の形状を示している。特に、VDSが小さい領域(3
V以下)で電流が流れにくいことが分かる。図中、ゲー
ト電圧は5Vから5Vステップで15Vまで増加させて
いる。
【0020】これに対し、TEOS−SiO2 膜を用い
た最適条件下では、ゲート絶縁膜及び対向絶縁膜のフラ
ットバンド電圧Vfbは−0.9V程度である。このT
EOS−SiO2 をゲート絶縁膜及び対向絶縁膜に用い
た多結晶シリコン薄膜トランジスタのVDS/IDS特
性を図4の(b)に示す。VDS/IDS曲線群は上に
凸の形状を示し、オン電流の低下現象は見られなかっ
た。即ち、フラットバンド電圧の絶対値が2V以下の条
件を満たす膜を少くともゲート絶縁膜に用いた薄膜トラ
ンジスタでは、ホットエレクトロンの影響は出ないこと
が分かる。TEOS−SiO2 の様にフラットバンド電
圧の絶対値が2V以下の条件を満たす膜は緻密に形成さ
れており、ホットエレクトロンによる欠陥準位の発生確
率が小さい。また、ゲート絶縁膜ばかりでなくその反対
側(バックゲート側)に位置する対向絶縁膜もホットキ
ャリアの影響を受けるので、これもフラットバンド電圧
の絶対値が2V以下となる様に形成することが好まし
い。前述した様にこの対向絶縁膜はボトムゲート構造で
はエッチングストッパー膜であり、トップゲート構造で
は下地膜である。この様に、半導体薄膜のチャネル領域
に接するSiO2 膜は上下含めて全てフラットバンド電
圧の絶対値が2V以下の条件を満たす様に作成すること
が望ましい。なお、フラットバンド電圧の絶対値が2V
以下となる絶縁膜としては、TEOS−SiO2 膜の他
に、前述した様にレーザアニールで膜質が改善されたS
iO2 を用いることもできる。例えば、無機シランを原
料に用いた通常のプラズマCVDにより成膜されたSi
2 にレーザアニールを施した場合、そのフラットバン
ド電圧は−0.7V程度になる。この値はTEOS−S
iO2 とほぼ同等である。
【0021】最後に、図5を参照して第1実施形態又は
第2実施形態に係る薄膜トランジスタを用いたアクティ
ブマトリクス型液晶表示装置の一例を説明する。図示す
る様に、本表示装置は一対の絶縁基板101,102と
両者の間に保持された電気光学物質103とを備えたパ
ネル構造を有する。電気光学物質103としては液晶材
料が広く用いられている。下側の絶縁基板101には画
素アレイ部104と駆動回路部とが集積形成されてい
る。駆動回路部は垂直駆動回路105と水平駆動回路1
06とに分かれている。また、絶縁基板101の周辺部
上端には外部接続用の端子部107が形成されている。
端子部107は配線108を介して垂直駆動回路105
及び水平駆動回路106に接続している。画素アレイ部
104には行状のゲート配線109と列状の信号配線1
10が形成されている。両配線の交差部には画素電極1
11とこれを駆動する薄膜トランジスタ112が形成さ
れている。薄膜トランジスタ112のゲート電極は対応
するゲート配線109に接続され、ドレイン領域は対応
する画素電極111に接続され、ソース領域は対応する
信号配線110に接続している。ゲート配線109は垂
直駆動回路105に接続する一方、信号配線110は水
平駆動回路106に接続している。画素電極111をス
イッチング駆動する薄膜トランジスタ112及び垂直駆
動回路105と水平駆動回路106に含まれる薄膜トラ
ンジスタは、本発明に従って作成されたものである。即
ち、半導体薄膜は非単結晶性のシリコンからなり、ゲー
ト絶縁膜及び対向絶縁膜は二酸化シリコンからなり、且
つこれらのフラットバンド電圧の絶対値が2V以下に設
定されている。この薄膜トランジスタはホットエレクト
ロンの悪影響を受けにくい為、特にLDD構造を採用す
ることなく信頼性を維持できる。従って、垂直駆動回路
105や水平駆動回路106に薄膜トランジスタを用い
る場合、LDD構造を採用する必要がなくなり充分なオ
ン電流を確保することが可能である。
【0022】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に係る薄膜
トランジスタは、高品質のSiO2 からなる絶縁膜が上
下からチャネル領域に接している為、ホットキャリアの
悪影響を抑制することができ、LDD構造の様な手段を
用いなくても信頼性の高い薄膜トランジスタを得ること
ができる。即ち、薄膜トランジスタのオン電流を低下さ
せることなく信頼性の向上を図ることが可能になり、複
雑な集積回路構成を必要とする液晶ディスプレイの周辺
回路にも薄膜トランジスタを応用することができ、ガラ
スなどの絶縁基板上に形成される大規模なシステムの実
現に大きく貢献できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る薄膜トランジスタの第1実施形態
を示す部分断面図である。
【図2】第1実施形態に係る薄膜トランジスタの製造方
法を示す工程図である。
【図3】本発明に係る薄膜トランジスタの第2実施形態
の製造方法を示す工程図である。
【図4】薄膜トランジスタのドレイン電圧/ドレイン電
流特性を示すグラフである。
【図5】本発明の応用例であるアクティブマトリクス型
液晶表示装置の一例を示す斜視図である。
【符号の説明】
0・・・絶縁基板、1・・・ゲート電極、2・・・ゲー
ト窒化膜、3・・・ゲート酸化膜、5・・・半導体薄
膜、6・・・エッチングストッパー膜、7・・・層間絶
縁膜、8・・・パシベーション膜、9・・・配線電極、
10・・・平坦化層、11・・・画素電極、20・・・
絶縁基板、21・・・対向電極、22・・・電気光学物

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 半導体薄膜と、その一面側に接して形成
    されたゲート絶縁膜と、該半導体薄膜の他面側に接して
    形成され該ゲート絶縁膜に対向する対向絶縁膜と、該ゲ
    ート絶縁膜を介して該半導体薄膜に重ねられたゲート電
    極とを含む積層構造を有し600℃以下のプロセス温度
    で絶縁基板上に形成される薄膜トランジスタであって、 前記対向絶縁膜はその膜質を表わすフラットバンド電圧
    の絶対値が前記ゲート絶縁膜のフラットバンド電圧の絶
    対値と実質的に同等に形成されていることを特徴とする
    薄膜トランジスタ。
  2. 【請求項2】 前記半導体薄膜は非単結晶性のシリコン
    からなり、前記ゲート絶縁膜及び前記対向絶縁膜は二酸
    化シリコンからなり且つそのフラットバンド電圧の絶対
    値が2V以下であることを特徴とする請求項1記載の薄
    膜トランジスタ。
  3. 【請求項3】 前記二酸化シリコンは、有機系シラン化
    合物のプラズマ分解によって450℃以下の温度で成膜
    されたものであることを特徴とする請求項2記載の薄膜
    トランジスタ。
  4. 【請求項4】 前記対向絶縁膜は該絶縁基板と該半導体
    薄膜との間に介在する下地膜であり、前記ゲート電極は
    該半導体薄膜の上方に位置するトップゲート構造である
    ことを特徴とする請求項1記載の薄膜トランジスタ。
  5. 【請求項5】 前記半導体薄膜はレーザ光の照射を用い
    たレーザアニールにより結晶化されており、半導体薄膜
    の下方に位置する前記下地膜はレーザアニールの影響を
    受けて膜質が改善されていることを特徴とする請求項4
    記載の薄膜トランジスタ。
  6. 【請求項6】 前記対向絶縁膜は該半導体薄膜の上に位
    置するエッチングストッパー膜であり、前記ゲート電極
    は該半導体薄膜の下方で該絶縁基板の上に位置するボト
    ムゲート構造であることを特徴とする請求項1記載の薄
    膜トランジスタ。
  7. 【請求項7】 前記半導体薄膜はレーザ光の照射を用い
    たレーザアニールにより結晶化されており、該半導体薄
    膜の下方に位置する前記ゲート絶縁膜はレーザアニール
    の影響を受けて膜質が改善されていることを特徴とする
    請求項6記載の薄膜トランジスタ。
  8. 【請求項8】 所定の間隙を介して互いに接合した一対
    の絶縁基板と該間隙に保持された電気光学物質とからな
    り、一方の絶縁基板には画素電極とこれを駆動する薄膜
    トランジスタとが形成され、他方の絶縁基板には対向電
    極が形成されている表示装置であって、 前記薄膜トランジスタは、半導体薄膜と、その一面側に
    接して形成されたゲート絶縁膜と、該半導体薄膜の他面
    側に接して形成され該ゲート絶縁膜に対向する対向絶縁
    膜と、該ゲート絶縁膜を介して該半導体薄膜に重ねられ
    たゲート電極とを含む積層構造を有し600℃以下のプ
    ロセス温度で絶縁基板上に形成され、 前記対向絶縁膜はその膜質を表わすフラットバンド電圧
    の絶対値が前記ゲート絶縁膜のフラットバンド電圧の絶
    対値と実質的に同等に形成されていることを特徴とする
    表示装置。
  9. 【請求項9】 半導体薄膜と、その下面側に接して形成
    された第1の絶縁膜と、該半導体薄膜の上面側に接して
    形成された第2の絶縁膜と、第1又は第2の絶縁膜を介
    して該半導体薄膜に重なったゲート電極とを含む積層構
    造を有し600℃以下のプロセス温度で絶縁基板上に形
    成される薄膜トランジスタであって、 前記半導体薄膜はレーザ光の照射を用いたレーザアニー
    ルにより結晶化されており、 前記第1の絶縁膜はレーザアニールの影響を受けて膜質
    が改善されており、 前記第2の絶縁膜はその膜質を表わすフラットバンド電
    圧の絶対値が前記第1の絶縁膜のフラットバンド電圧の
    絶対値と実質的に同等に形成されていることを特徴とす
    る薄膜トランジスタ。
  10. 【請求項10】 前記第1の絶縁膜は二酸化シリコンか
    らなりレーザアニールの影響を受けてフラットバンド電
    圧の絶対値が2V以下になることを特徴とする請求項9
    記載の薄膜トランジスタ。
  11. 【請求項11】 前記第2の絶縁膜は有機系シラン化合
    物のプラズマ分解によって450℃以下の温度で成膜さ
    れた二酸化シリコンからなりフラットバンド電圧の絶対
    値が2V以下であることを特徴とする請求項9記載の薄
    膜トランジスタ。
  12. 【請求項12】 所定の間隙を介して互いに接合した一
    対の絶縁基板と該間隙に保持された電気光学物質とから
    なり、一方の絶縁基板には画素電極とこれを駆動する薄
    膜トランジスタとが形成され、他方の絶縁基板には対向
    電極が形成されている表示装置であって、 前記薄膜トランジスタは、半導体薄膜と、その下面側に
    接して形成された第1の絶縁膜と、該半導体薄膜の上面
    側に接して形成された第2の絶縁膜と、第1又は第2の
    絶縁膜を介して該半導体薄膜に重なったゲート電極とを
    含む積層構造を有し600℃以下のプロセス温度で絶縁
    基板上に形成される薄膜トランジスタであって、 前記半導体薄膜はレーザ光の照射を用いたレーザアニー
    ルにより結晶化されており、 前記第1の絶縁膜はレーザアニールの影響を受けて膜質
    が改善されており、 前記第2の絶縁膜はその膜質を表わすフラットバンド電
    圧の絶対値が前記第1の絶縁膜のフラットバンド電圧の
    絶対値と実質的に同等に形成されていることを特徴とす
    る表示装置。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2007081414A (ja) * 2006-10-10 2007-03-29 Seiko Epson Corp 半導体装置の製造方法
JP2010067648A (ja) * 2008-09-08 2010-03-25 Fujifilm Corp 薄膜電界効果型トランジスタ及びその製造方法
KR20140111964A (ko) 2013-03-12 2014-09-22 제이에스알 가부시끼가이샤 게이트 절연막, 조성물, 경화막, 반도체 소자, 반도체 소자의 제조 방법 및 표시 장치

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