JPH10232468A - ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法 - Google Patents

ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法

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JPH10232468A
JPH10232468A JP3499397A JP3499397A JPH10232468A JP H10232468 A JPH10232468 A JP H10232468A JP 3499397 A JP3499397 A JP 3499397A JP 3499397 A JP3499397 A JP 3499397A JP H10232468 A JPH10232468 A JP H10232468A
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JP
Japan
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processing agent
thiosulfate
solid processing
granules
granulation
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JP3499397A
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English (en)
Inventor
Hiroshi Yoshimoto
博 吉本
Masabumi Iorishita
正文 庵下
Wataru Satake
亘 佐竹
Hiroshi Yamashita
博 山下
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明の目的は、チオ硫酸塩及び炭酸塩を含
有する組成物を流動層造粒機を用いて造粒する場合にお
いて、固体処理剤のpHのバラツキの少ないハロゲン化
銀写真感光材料用顆粒状固体処理剤の製造方法、およ
び、得られた顆粒状固体処理剤を用い圧縮成形するにあ
たり抜き圧が安定して低く高速打錠可能なハロゲン化銀
写真感光材料用錠剤状固体処理剤の製造方法を提供する
ことにある。 【解決手段】 少なくともチオ硫酸塩及び炭酸アルカリ
塩を含有する粉粒体を吸気空気により流動層状態に保ち
結合水を用いて噴霧造粒するに当たり、造粒中の粉粒体
温度を30℃〜60℃に保ち且つ吸気する空気温度が6
5℃以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料用顆粒状固体処理剤の製造方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ハロゲン化銀写真
感光材料用の顆粒状固体処理剤及び錠剤状固体処理剤の
製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】ハロゲン化銀写真感光材料は、露光後、
現像、脱銀、洗浄、安定化等の工程により処理される。
処理は通常自動現像機にて行われ、その場合は、処理槽
内の処理液の活性度を一定に保つために補充液補充方式
が一般に広く用いられている。これにより、感光材料か
らの溶出物の希釈、蒸発量の補正及び消費成分の補充を
行うため、廃液が多量に発生する。
【0003】一方近年、写真廃液の海洋投棄禁止やプラ
スチック材料の廃棄規制が世界的に強まっている。写真
廃液を低減し液体処理剤用プラスチックボトルの使用も
避けられるシステムの開発が求められている。
【0004】更には、液体危険物の輸送に関する安全性
確保のための包装材料に対する安全規制が強化されて輸
送コストが上昇したり、近年急増しているミニラボ店で
は、プリントの露光制御技術の進歩で誰でも簡単にプリ
ントができるシステムが導入されてたために、作業者を
パートやアルバイトとしている所が多い。しかし、補充
液の溶解作業や処理液管理は従来と変わらず難しく、処
理剤の種類を間違えて溶解し、補充してしまうという極
めて重大なミスが起こりやすくこの事から従来の補充形
式に対する苦情が多くなってきた。
【0005】従って、写真処理業界においては、処理剤
用ボトルが不要で、入手による溶解作業を無くす事がで
きる固体処理剤の開発が強く求められた。この要望に答
えるべく特開平5−119454号等には、殆ど全ての
処理剤成分を固体化し直接に処理槽に投入する方法が開
示されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、固体処
理剤の製造においては、生産性、製造コスト及び安定生
産性に劣るという問題がある。この問題を解決する方法
として特願平6−277980号、特願平6−2779
81号、特願平6−277979号等に流動層造粒技術
を用いた固体処理剤製造方法が開示されている。確かに
収率に優れ、造粒機の缶対付着、その顆粒をもちいた打
錠工程でのキャッピング及び充填量のバラツキが少なく
なることが判った。
【0007】しかし、チオ硫酸塩と炭酸アルカリ塩を含
有する固体処理剤の製造ではpHが安定しないという大
きな問題が発生した。また、この固体処理剤を用い打錠
したとき打錠時の抜き圧が高く不安定となり打錠できな
いという新たな問題も発生した。
【0008】本発明は、上記の事情によりなされたもの
であり、本発明の目的は、チオ硫酸塩及び炭酸アルカリ
塩を含有する組成物を流動層造粒機を用いて造粒する場
合において、固体処理剤のpHのバラツキの少ないハロ
ゲン化銀写真感光材料用顆粒状固体処理剤の製造方法、
および、得られた顆粒状固体処理剤を用い圧縮成形する
にあたり抜き圧が安定して低く高速打錠可能なハロゲン
化銀写真感光材料用錠剤状固体処理剤の製造方法を提供
することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明の上記目的は、下
記構成により達成された。
【0010】(1).少なくともチオ硫酸塩及び炭酸ア
ルカリ塩を含有する粉粒体を吸気空気により流動層状態
に保ち結合水を用いて噴霧造粒するに当たり、造粒中の
粉粒体温度を30℃〜60℃に保ち且つ吸気空気温度が
65℃以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感
光材料用顆粒状固体処理剤の製造方法。
【0011】(2).前記炭酸アルカリ塩の重量平均粒
径が125μm以上である事を特徴とする(1)記載の
ハロゲン化銀写真感光材料用顆粒状固体処理剤の製造方
法。
【0012】(3).前記チオ硫酸塩と炭酸アルカリ塩
の比率が下記であることを特徴とする(1)または
(2)記載のハロゲン化銀写真感光材料用顆粒状固体処
理剤の製造方法。
【0013】1重量%≦{炭酸アルカリ塩/チオ硫酸
塩}≦10重量% (4).上記(1)、(2)および(3)から選ばれる
少なくとも1つに記載の製造方法により得られる顆粒状
固体処理剤を圧縮停滞時間が0.02秒以上1.0秒以
下で圧縮成形する事を特徴とするハロゲン化銀写真感光
材料用錠剤状固体処理剤の製造方法。
【0014】即ち、本発明者らは、少なくともチオ硫酸
塩及び炭酸アルカリ塩を含有する固体処理剤を結合水を
供給して流動層にて造粒する場合、粉粒体温度を30〜
60℃になるように噴霧速度及び吸気空気温度をコント
ロールしただけでは生産ロット毎のpHのバラツキをコ
ントロールすることができなく、吸気空気の温度を65
℃以下とすることでpHのバラツキが安定する事が判っ
た。おそらくチオ硫酸塩も炭酸アルカリ塩も非常に水溶
性が高く粉粒体の温度が30〜60℃の時造粒された粒
子の表面は反応に関与可能に濡れている。そこに65℃
を超える空気が送られて来た場合乾燥するよりも相互に
反応し炭酸アルカリ塩が消費される。しかし65℃以下
の場合は、このバランスがうまく取れ、反応し炭酸アル
カリ塩が消費されるよりも乾燥及びその他の顆粒との結
合が優先する。そこで、生産した固体処理剤の炭酸アル
カリ塩の含有量が変化せずpHが安定している。炭酸ア
ルカリ塩の消費速度はおそいものの、長い乾燥時間も必
要で結局pHは不安定になる。また、炭酸アルカリ塩の
重量平均粒径が125μm以上であると本発明の効果を
良好に奏する。おそらく炭酸アルカリ塩の反応に関係す
る表面積の量がこの重量平均粒径で大きく変化するもの
と推定される。またチオ硫酸塩と炭酸アルカリ塩の比率
(炭素アルカリ塩/チオ硫酸塩)が1%以上10%以下
が本発明の効果を良好に奏する。このように作成した顆
粒は高速打錠時の抜き圧が低く安定であり、これは驚く
べき事であった。
【0015】以下、本発明を詳述する。
【0016】本発明の固体処理剤の製造方法は、流動層
造粒法によるものである。流動層造粒法とは、粉体層を
流動状態に保ち、この流動層に結合剤を含んだ溶液を噴
霧して粉体どうしをその結合剤によって凝集造粒させる
造粒法をいう(造粒ハンドブック,日本粉体工業技術協
会編)。即ち、気流により粉粒体を流動状態に保ち、こ
こに結合剤等を含有する溶液を噴霧して粉体同士の結着
力により凝集させて造粒するもので、原材料の混合、造
粒、乾燥を密閉した同一容器内で行えることが特徴であ
る。得られる顆粒は非常にポーラスで溶解性に優れ、錠
剤成形用顆粒として好適である。
【0017】本発明でいう粉粒体とは、粉体、結晶又は
顆粒から選ばれる単体、及びそれらの混合物をいう。
又、顆粒とは、粉粒体又は微細結晶を造粒したもので、
粒径53〜2830μmの粒状物を言う。
【0018】本発明で得られる顆粒状の固体処理剤の重
量平均粒径は、その用途から200〜600μmが好ま
しい。ここに重量平均粒径Dは、複数のJIS標準篩を
用い、各々の目開きの中央値をd、粒子の重量頻度をn
とするとD=(Σn・d)/Σnである。
【0019】造粒する前の粉粒体の重量平均粒径は20
〜350μm、好ましくは50〜250μmである。即
ち、20μm未満であると、写真用処理剤の原材料は吸
湿し易いので、ブロッキングにより均一に流動しなかっ
たり装置のフィルターの目詰まりを発生し易い。350
μmを超えると造粒の均一性が多少悪くなる。原材料に
粗大粒子が含まれる場合は、予め粉砕又は整粒すること
が好ましく、ハンマーミル、ピンミル、ロールミル、ス
クリーンミル等の粉砕機又は整粒機を用いることができ
る。
【0020】結合水の添加剤濃度としては、ミストや顆
粒の均一性、ノズルの詰まり等の理由により1〜60重
量%であることが好ましく、特に5〜30重量%が好ま
しい。また、結合水の噴霧総量は、所望の顆粒とするた
めには、粉粒体の仕込み量に対して1〜50重量%であ
ることが好ましく、特に5〜25重量%である。
【0021】次に本発明に係わる固体処理剤が含有する
化合物群について述べる。
【0022】チオ硫酸塩として好ましいものは、チオ硫
酸アンモニウム、チオ硫酸ナトリウム、チオ硫酸カリウ
ムである。
【0023】炭酸アルカリ塩として好ましいものは、炭
酸カリウム、炭酸ナトリウムである。
【0024】亜硫酸塩を含有しても良い。亜硫酸塩とし
て好ましいものは、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸カリウ
ム、亜硫酸ナトリウムである。
【0025】重亜硫酸塩を含有しても良い。重亜硫酸塩
として好ましいものは、重亜硫酸アンモニウム、重亜硫
酸カリウム、重亜硫酸ナトリウムである。
【0026】本発明化合物に、m−ベンズスルフィン酸
を含有すると本発明の効果を奏する。
【0027】次に本発明の製造方法における圧縮停滞時
間について説明する。
【0028】圧縮によって粒体及び/又は顆粒から錠剤
を製造するためには、圧縮装置内の錠剤に形成される前
記粒体及び/又は顆粒(以下「成形固体処理剤」ともい
う)が存在する初期空間を所定の錠剤の形状と同じにな
るまで変化させる工程を経ることが必要となるが、その
方法は任意に選ぶことができる。
【0029】例えば、上下に可動し、前記成形固体処理
剤を上下から圧縮する杵状のものを有する圧縮装置を用
いることができ、圧縮作用があれば、上下杵のいずれか
一方が固定され、所謂「臼」の状態であってもよい。ま
た、圧縮方向は作業性の観点から上下方向からのものが
好ましいが、何ら圧力を加えられていない粒体及び/又
は顆粒を所定の錠剤の形状にまで圧縮することが可能で
あればその方法は任意に選ばれる。
【0030】本発明における圧縮停滞時間とは、成形固
体処理剤を、前に述べたように任意に選ばれる方法によ
って圧縮するときに、前記初期空間が所定の錠剤の形
状(設定空間とする)まで達した瞬間から前記設定空
間から元の初期空間に戻そうとする瞬間までの時間をい
う。前記の時点よりさらに、空間の圧縮を進めて(最
終的な圧縮の終点における空間を圧縮終点空間とする)
から初期空間に戻す場合には、前記圧縮終点空間から前
記設定空間を経た後に前記初期空間に戻ることになるか
ら、この場合前記設定空間を経る瞬間を前記の時点と
することができる。また、前記設定空間に達した瞬間が
前記の時点であることもありうるが、この態様は圧縮
停滞時間が0となり本発明外である。
【0031】以下に圧縮停滞時間を算出する方法とし
て、ロータリー打錠機を例にとって説明する。
【0032】ロータリー打錠機の一例の概略構成を図1
に示す。粒体及び/又は顆粒T1はホッパー1から矢印
A方向に水平に回転するターンテーブル2に設けた臼3
に供給され、ターンテーブル2の回転により臼3内で上
杵4と下杵5とで挟まれ圧縮成形されて錠剤となる。6
は上杵4を下方へ押動する上圧縮ローラ、7は下杵5を
上方へ押動する下圧縮ローラである。
【0033】ロータリー打錠機で粒体及び/又は顆粒を
圧縮して錠剤に成形する過程の一例を図2の(A)、
(B)及び(C)で示す。(A)は上圧縮ローラ13と
下圧縮ローラ14によって上杵11と下杵12が互いに
接近して臼10内の粒体及び/又は顆粒T1を圧縮する
状態を示し、(B)は上圧縮ローラ13の最下端と下圧
縮ローラ14の最上端に沿って上杵11と下杵12とが
それぞれ水平に移動している状態、すなわち圧縮停滞時
間における状態を示し、(C)は圧縮停滞時間以後の状
態、すなわち錠剤T2に対する圧縮が解除されている状
態を示している。9はターンテーブルである。上杵11
の上圧縮ローラ13と接触する面及び下杵12の下圧縮
ローラ14と接触する面は図示のようにターンテーブル
9の回転面と平行な底面11a、12aをそれぞれ有
し、底面11aと上圧縮ローラ13の最下点13aとが
接触している間は上杵11が水平に移動する。下杵12
についても同様である。
【0034】図2中の下杵12と下圧縮ローラ14の部
分拡大断面図を図3に示す。(A)は下杵12の底面1
2aが下圧縮ローラ14の最上点14aと接触し始めた
時点(「t1」とする)、(B)は下杵12の底面12
aが下圧縮ローラ14の最上点14aと離れる時点
(「t2」とする)をそれぞれ示している。図示しない
が、上杵11の底面11aが上圧縮ローラ13の最下点
13aと接触し始める時点はt1、上杵11の底面11
aが上圧縮ローラ13の最下点13aと離れる時点はt
2である。同図に示す例において、圧縮停滞時間は
(A)の状態から(B)の状態になるまでの時間であ
る。
【0035】図2に示す装置の場合、圧縮停滞時間は、
上下の杵の各底面が上下の圧縮ローラのそれぞれ最下端
と最上端となる点と接触し始めた時から離れる瞬間まで
の時間であって、該時間はターンテーブルが上下杵の底
面の径の距離だけ回転した時間に等しいから、杵の底面
11a、12aの径(図2、図3におけるx)、臼孔セ
ンターのピッチ円半径(ターンテーブルの回転軸と臼の
孔の中心線の距離)、ターンテーブルの回転数及び圧縮
停滞時間の関係は下記の関係式で表される。
【0036】de=2πRNt/60 上記関係式において、deは杵の底面の径(cm)、R
は臼孔センターのピッチ円半径(cm)、Nはターテー
ブルの回転数(rpm)、tは圧縮停滞時間(秒)を表
す。
【0037】本発明の抜き圧について説明する。
【0038】抜き圧とは、圧縮成形工程が終了し、錠剤
を圧縮装置内から放出する時の力を意味する。例えば単
位はkg/cm2あるいはN/cm2である。
【0039】この抜き圧が高いと、錠剤を放出するため
の時間がかかり安定に打錠成形するためには打錠速度を
落としてゆっくりと打錠しなければならない。即ち、生
産性が悪くなることを意味する。この抜き圧の大きさ
は、顆粒の表面物性及び顆粒の強度に関係する。本発明
の顆粒状固体処理剤は、この抜き圧が小さく、放出速度
が速くそのため高速打錠可能である。
【0040】図4は流動層造粒装置の一例の概略図であ
り、これを参照しながら本発明の製造方法のプロセスに
ついて解説する。
【0041】送風ファンFにより吸引されたエアは、化
学繊維等で構成される給気フィルターEを通じて清浄化
された後、熱交換機Dにより所定の温度まで加熱され、
整流板44を通して流動槽本体41へ送入される。この
熱風は粉粒体を懸濁状態に保ち、圧縮エアB、液送装置
C及びスプレー装置43により霧化される液滴と均一に
接触せしめるとともに、噴霧加湿された流動層の蒸発乾
燥の熱源として作用する。上部に飛散する微粉末は集塵
フィルター42により捕集され、流動層内に払い落とさ
れる。ここで濾過された空気は排気ファンAにより系外
に排出される。
【0042】給気されるエアは窒素や不活性ガスであっ
てもよいが、コストの点から空気であることが望まし
く、更に除湿手段を設けて、絶対水分量が0.015k
gH2O/kg以下の空気により粉粒体を流動させる
と、粉粒体及び造粒されている造粒物の水分の蒸発を制
御しやすく、本発明の効果を良好に奏する。
【0043】又、整流板による開口率は流動性を考える
と1〜20%であることが好ましく、より好ましくは5
〜15%である。
【0044】集塵フィルターは造粒中に流動を停止しな
くても良いように2つに分離したものが好ましい。
【0045】流動層造粒装置は市販のものとして容易に
入手でき、具体的にはパウレック(株)製;マルチプレ
ックスシリーズ,GPCGシリーズ,WST/WSGシ
リーズ、不二パウダル(株)製;ニューマルメライザー
シリーズ、(株)大川原製作所製;ミクスグラードシリ
ーズ、フロイント産業(株)製;スパイラフローシリー
ズ,フローコーターシリーズ等が挙げられる。
【0046】流動する粉粒体に結合水を噴霧するには、
加圧ノズル、回転円盤、2流体ノズル等を用いることが
できる。加圧ノズルは、結合水に圧力を加えて高速の流
体として大気中に噴出させ、大気との相対速度によって
細かい液滴を得るものである。回転円盤は、高速で回転
している円盤の中心に液を注ぎ、遠心力によって円盤の
周辺で液滴に微粒化させるものである。2流体ノズル
は、空気、窒素ガス又は水蒸気等の圧縮性の気体では比
較的低い圧力で高速の気流が得られることを利用して、
液体を分散させ細かい液滴を得るものである。
【0047】本発明においては、2流体ノズルにより結
合水を噴霧する方法が液滴の乾燥が速く、圧縮成形に適
した顆粒を得やすいので好ましい。この場合、単位時間
当たりにノズルから吐出する霧化エア容量と結合水容量
との比、即ち(単位時間当たりの霧化エア容量)/(単
位時間当たりの結合水容量)を気液比と定義すると、気
液比は100以上、10000以下であることが好まし
く、特に1000以上、5000以下が好ましい。
【0048】本発明で結合水とは、溶媒単独であっても
よいが、好ましくはバインダー等を含有する溶液のこと
を言う。溶媒としては水や水とアルコール類との混合溶
媒を採用できるが、感光材料処理性能への影響、安全
性、コスト等の理由により水であることが好ましい。ア
ルコール類としては、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール等が挙げられる。バインダーとは、粉
粒体を結着させる作用を有するもので、溶解性や感光材
料処理性能等の理由により糖類、水溶性高分子等、具体
的には糖アルコール、単糖類、二糖類、デキストリン
類、セルロース類、ポリアルキレングリコール類、ポリ
ビニルピロリドン類等であることが好ましく、特にデキ
ストリン類とポリアルキレングリコール類が好ましい。
本発明においては、結合水中のバインダーの量が1.0
〜60重量%程度であることが、粉粒体及び造粒されて
いる造粒物の水分の蒸発を制御しやすく好ましい。又、
本発明の効果を損なわない程度に、酸化剤、還元剤、ア
ルカリ剤、バッファー剤等を添加することもできる。こ
れら結合水に含有せしめる各種添加剤は市販品として容
易に入手できる。
【0049】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。
【0050】 実施例1 (操作1)カラーネガフィルム定着用顆粒状固体処理剤の作成 チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム混合物(重量比90/10) 60.0kg 亜硫酸ナトリウム 12.5kg エチレンジアミン四酢酸二ナトリウム 1.4kg 無水炭酸カリウム 1.4kg 無水炭酸カリウムは、ニュースピードミル(岡田精工社
製)を用い、スクリーン目開きを0.5mmとして整粒
し重量平均粒度250μmを得た。
【0051】その他の上記化合物は、市販のハンマーミ
ルにより重量平均粒径が50〜150μmとなるように
粉砕した。得られた粉体を流動層造粒機(パウレック
(株)製:GPCG−60型)に入れ、吸気空気温度は
表1に示す様に設定した。そして吸気風量40m3/m
inで流動させた。排気温度が45℃になるまで予熱
し、次いでパインフロー(松谷化学社製)の15重量%
水溶液を2流体ノズルにより噴霧速度を変化し造粒中の
粉粒体温度を表1記載のようになるようにコントロール
した。結合水総量は、粉体の仕込み量の15重量%に達
するまで噴霧した。噴霧終了後、吸気空気温度および風
量の設定はそのままに約1時間流動乾燥して、カラーネ
ガフィルム定着用顆粒状固体処理剤として顆粒1−1〜
1−15を作成した。
【0052】 《固体処理剤溶解後のΔpHの評価方法》 作成した顆粒 99.8g チオ硫酸アンモニウム/ナトリウム混合物(90/10) 99.8g を水に溶解し1000mlに仕上げ25℃にて市販のpH測定器にて測定した。
【0053】別に、基準として、造粒しない粉粒体と造
粒に必要なパインフローおよびチオ硫酸アンモニウム/
ナトリウム混合物(90/10)を用いて上記と同様に
して基準のpHを測定した。
【0054】そして、下式にてΔpHを求めた。
【0055】ΔpH=|(作成した固体処理剤のpH)
−(基準のpH)| 結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】表1から明らかなように、請求項1の発明
がpHのバラツキが少ないことがわかる。実験1−8、
1−9は造粒が完全でなく偏析(非均一)が発生したた
めである。また、実験1−1、1−2、1−14、1−
15は水に溶解した際、微量ではあるが不溶解が確認さ
れた。
【0058】実施例2 (操作2)カラーネガフィルム定着用錠剤状固体処理剤
の作成 チオ硫酸アンモニウム/チオ硫酸ナトリウム混合物(重
量比/10)100kgをニュースピードミル(岡田精
工社製)を用い、スクリーン目開きを0.5mmとして
整粒した。この整粒物と実施例1で作成した顆粒および
粉砕したソイポンSLP(川研ファインケミカル社製)
を300:200:1の重量比率で市販のクロスロータ
リ混合機を用いて約10分間混合した。
【0059】このようにして得られた混合物を菊水製作
所(株)製クリーンプレスコレクト18Kを改造した打
錠機を用い、1錠当たりの充填量を11gとし、直径3
0mmの隅角平円筒状の臼杵を用い、打錠本圧1.2t
on/cm2、圧縮停滞時間0.07秒で圧縮成形し錠
剤を作成した。
【0060】結果をまとめて表2に示す。
【0061】
【表2】
【0062】表2の結果から明らかなように、請求項1
の発明の顆粒を用いた打錠は抜き圧が低く、生産性があ
ることがわかる。実験No.2−1、2−2、2−1
4、2−15は抜き圧が高く、約100錠の錠剤を作成
した時点で錠剤を作成できなくなった。
【0063】実施例3 (操作3)実施例1の実験No.1−5において、ニュ
ースピードミルのスクリーンの目開きを変え、無水炭酸
カリウムの重量平均粒径を表3記載の様に変化させた以
外は同様にして定着用顆粒を作成し、同様にして評価し
た。
【0064】また、ここで作成した顆粒を用いて実施例
2の実験No.2−5と同様にして定着用錠剤を作成
し、同様にして評価した。
【0065】結果をまとめて表3に示す。
【0066】
【表3】
【0067】表3の結果から明らかなように、無水炭酸
カリウムの重量平均粒径125μm以上750μm以下
(請求項2の発明)が本発明の効果をより良好に奏する
ことがわかる。
【0068】実施例4 実施例1の実験No.1−5において、チオ硫酸塩の量
を固定し、無水炭酸カリウムの量を下記Aの値が表4記
載の様になるように変化させた以外は同様にして定着用
顆粒を作成し、同様にして評価した。
【0069】結果をまとめて表4に示す。
【0070】A={無水炭酸カリウム(kg)/チオ硫
酸アンモニウム(kg)}×100 また、ここで作成した顆粒を用いて実施例2の実験N
o.2−5と同様にして定着用錠剤を作成し、同様にし
て評価した。
【0071】結果をまとめて表4に示す。
【0072】
【表4】
【0073】表4の結果から明らかなように、本発明の
うち、1.0≦A≦10.0(請求項3の発明)が本発
明の効果をより良好に奏することがわかる。
【0074】実施例5 実施例2の実験No.5の条件で打錠時の圧縮停滞時間
を表5のように変化させた以外は同様にして定着用錠剤
を作成し、同様にして評価した。
【0075】結果を表5に示す。
【0076】
【表5】
【0077】表5の結果から明らかなように圧縮停滞時
間が0.02から1.00(秒)(請求項5の発明)が
本発明の効果を良好に奏する。
【0078】
【発明の効果】本発明により、チオ硫酸塩及び炭酸塩を
含有する組成物を流動層造粒機を用いて造粒する場合に
おいて、固体処理剤のpHのバラツキの少ないハロゲン
化銀写真感光材料用顆粒状固体処理剤の製造方法、およ
び、得られた顆粒状固体処理剤を用い圧縮成形するにあ
たり抜き圧が安定して低く高速打錠可能なハロゲン化銀
写真感光材料用錠剤状固体処理剤の製造方法を提供する
ことができた。
【図面の簡単な説明】
【図1】ロータリー打錠機の一例を示す概略斜視図であ
る。
【図2】ロータリー打錠機で錠剤を形成する過程を説明
するための概略部分断面図である。(A)は圧縮時、
(B)は最大圧縮時、(C)は圧縮解除時。
【図3】図2の一部拡大断面図である。(A)は圧縮停
滞時間の開始時、(B)は圧縮停滞時間の終了時。
【図4】流動層造粒装置の一例の概略図。
【符号の説明】
1 ホッパー 2,9 ターンテーブル 3,10 臼 4,11 上杵 5,12 下杵 6,13 上圧縮ローラ 7,14 下圧縮ローラ 41 流動槽本体 42 集塵フィルター 43 スプレー装置 44 整流板 A 排気ファン B 圧縮エア C 液送装置 D 熱交換機 E 給気フィルター F 送風ファン
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 山下 博 東京都日野市さくら町1番地コニカ株式会 社内

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくともチオ硫酸塩及び炭酸アルカリ
    塩を含有する粉粒体を吸気空気により流動層状態に保ち
    結合水を用いて噴霧造粒するに当たり、造粒中の粉粒体
    温度を30℃〜60℃に保ち且つ吸気空気温度が65℃
    以下であることを特徴とするハロゲン化銀写真感光材料
    用顆粒状固体処理剤の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記炭酸アルカリ塩の重量平均粒径が1
    25μm以上である事を特徴とする請求項1記載のハロ
    ゲン化銀写真感光材料用顆粒状固体処理剤の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記チオ硫酸塩と炭酸アルカリ塩の比率
    が下記であることを特徴とする請求項1または2記載の
    ハロゲン化銀写真感光材料用顆粒状固体処理剤の製造方
    法。 1重量%≦{炭酸アルカリ塩/チオ硫酸塩}≦10重量
  4. 【請求項4】 上記請求項1、2および3から選ばれる
    少なくとも1つに記載の製造方法により得られる顆粒状
    固体処理剤を圧縮停滞時間が0.02秒以上1.0秒以
    下で圧縮成形する事を特徴とするハロゲン化銀写真感光
    材料用錠剤状固体処理剤の製造方法。
JP3499397A 1997-02-19 1997-02-19 ハロゲン化銀写真感光材料用固体処理剤の製造方法 Pending JPH10232468A (ja)

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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2000141097A (ja) * 1998-11-12 2000-05-23 Konica Corp 錠剤圧縮成形方法及び錠剤圧縮成形装置

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JP2000141097A (ja) * 1998-11-12 2000-05-23 Konica Corp 錠剤圧縮成形方法及び錠剤圧縮成形装置

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