JPH10232453A - 放射線画像情報読取方法および読取装置 - Google Patents

放射線画像情報読取方法および読取装置

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JPH10232453A
JPH10232453A JP3581497A JP3581497A JPH10232453A JP H10232453 A JPH10232453 A JP H10232453A JP 3581497 A JP3581497 A JP 3581497A JP 3581497 A JP3581497 A JP 3581497A JP H10232453 A JPH10232453 A JP H10232453A
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JP
Japan
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afterglow
image data
stimulable phosphor
light
sheet
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JP3581497A
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English (en)
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Hiroaki Yasuda
裕昭 安田
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Fujifilm Holdings Corp
Original Assignee
Fuji Photo Film Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 放射線画像情報読取装置において、輝尽発光
残光補正処理の演算処理負荷を低減させる。 【解決手段】 蓄積性蛍光体シート50の表面および裏面
の各蓄積性蛍光体層の種類をシート種類検出手段31によ
り検出し、このシートの種類に応じて、表裏各面からそ
れぞれ読み取られた画像データQ1,Q2を、第2の残
光補正手段33bにより各別に残光補正処理した後に第2
の加算器23bにより加算処理するか、第1の加算器23a
により加算処理した後に第1の残光補正手段33aにより
残光補正処理するか、を選択手段32により択一的に選択
することにより、同一種類の場合における残光補正処理
の演算負荷を低減する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は放射線画像情報が蓄
積記録されている蓄積性蛍光体シートに励起光を照射
し、この蓄積性蛍光体シートの両面からそれぞれ発せら
れた輝尽発光光を各別に光電的に検出して放射線画像情
報を示す2つの画像信号を得、これら2つの画像信号を
加算して重合せ画像信号を得る放射線画像情報読取方法
および装置に関し、詳細には輝尽発光(PSL)残光の
影響を補正して、走査点の画像データを正確に得るよう
にした放射線画像情報読取方法および装置に関するもの
である。
【0002】
【従来の技術】放射線(X線、α線、β線、γ線、電子
線、紫外線等)を照射すると、この放射線エネルギーの
一部が蓄積され、その後可視光等の励起光を照射すると
蓄積されたエネルギーに応じて輝尽発光を示す蓄積性蛍
光体(輝尽性蛍光体)を利用して、人体等の被写体の放
射線画像情報を一旦シート状の蓄積性蛍光体(蓄積性蛍
光体シート)に記録し、この蓄積性蛍光体シートにレー
ザー光を走査して輝尽発光光を生じせしめ、得られた輝
尽発光光を光電的に読み取って画像信号を得、この画像
信号に基づき写真感光材料等の記録媒体、CRT等の表
示装置に被写体の放射線画像を可視像として出力させる
放射線画像情報記録再生システムがすでに知られている
(特開昭55-12429号、同56-11395号、同56-11397号な
ど)。
【0003】このシステムは、従来の銀塩写真を用いる
放射線写真システムと比較して極めて広い放射線露出域
にわたって画像を記録しうるという実用的な利点を有し
ている。
【0004】上記放射線画像情報記録再生システムにお
いて、蓄積性蛍光体シートから放射線画像情報を読み取
る具体的な方法としては、画像情報が記録された蓄積性
蛍光体シートをレーザビーム等の光ビームで2次元的に
走査し、そのときシートから発せられた輝尽発光光を、
主走査線に沿って延びる光入射端面を有する集光体を介
してフォトマルチプライヤー等の光検出器に伝え、この
光検出器によって輝尽発光光を時系列的に検出して画素
単位の画像信号を得るようにしている。
【0005】ところで、蓄積性蛍光体は前述したように
励起光を照射すると蛍光体中に蓄積されている放射線エ
ネルギーを輝尽発光光として放出する性質を有するが、
この輝尽発光光は図2に示すように、励起光照射開始時
点t0から急速に(例えば数ナノ秒で)ほぼ最高の発光
強度p0に達し、その後、発光強度はゆっくりと低下
し、励起光照射が終ってもいわゆる残光(輝尽発光残
光;単にPSL残光ということもある)としてその蛍光
体特有の応答時間だけ発光が続く。
【0006】したがって蓄積性蛍光体シートを励起光で
走査し、輝尽発光光を前述のような集光体を介して光検
出器に送ると、光検出器は励起光照射中の走査点(画
素)からの発光成分だけでなく、既に励起光照射が終っ
た画素からの残光成分も励起光照射中の画素の放射線画
像情報成分として検出するため、画素間の信号の分離が
完全になされず、再生される画像の鮮鋭度が低下すると
いう問題がある。
【0007】このような、複数の画素間の輝尽発光強度
の検出の分解能は、励起光の走査速度と蛍光体の応答時
間が大きくなるほど低下する。したがって、励起に対し
て応答の遅い(輝尽発光残光の長い)蛍光体を使用した
場合、あるいは走査速度を高めた場合は、再生画像の鮮
鋭度が低下し、実用上十分に高画質の放射線画像を得る
ことができないという問題が生じることになる。
【0008】一方、医療分野等においては短時間に多量
の蓄積性蛍光体シートを処理しうる読取装置の出現が望
まれている。このためには励起光走査速度を高めて高速
読取りを実現するか、あるいは蛍光体自体を改良してそ
の輝尽発光残光特性を改善することが必要であるが、こ
の残光特性の改善については実在する蛍光体に限りがあ
るため実質的に限界が存在する。したがって、上記放射
線画像の鮮鋭度低下を防止しつつ励起光の走査速度を高
めた読取方法を実現する必要がある。
【0009】そこで特開昭59-105759 号、同59-232337
号、同62-18536号、特開平3-219229号、同3-245137号、
同7-129764号、同7-225437号等において、得られた画像
データからPSL残光成分を除去する補正を行なうこと
が提案されている。
【0010】また、この蓄積性蛍光体シートを利用する
放射線画像情報記録再生システムでは、輝尽発光光を光
電的に読み取る方法として、蓄積性蛍光体シートの両面
に光電読取手段を配して、蓄積性蛍光体シートの両面ま
たは片面にのみ励起光を走査し、この励起光走査により
発せられた輝尽発光光を蓄積性蛍光体シートの両面から
光電的に読み取る両面集光読取方法が提案されている
(例えば、特開昭55-87970号)。このような両面集光読
取方法は、蓄積性蛍光体シートに1つの放射線画像が蓄
積記録され、かつシートの両面から輝尽発光光を集光す
るようにしたものであるので集光効率が向上し、S/N
がより改善される。なお、このように両面からそれぞれ
読み取られた画像データは対応する画素ごとにそれぞれ
加算されて重合せ画像データが求められる。この重合せ
画像データによれば、各画像データにランダムに発生し
ていた高周波ノイズが加算処理によって平滑化されるた
め、重合せ画像データに基づく再生画像は見易い画像と
なる。
【0011】このようにシートの両面から画像情報を読
み取る場合は、シートの各面に蓄積性蛍光体層が設けら
れていることを要するが、この各面の蛍光体層について
は、両面で同一のものである態様や、各面で全く異なる
種類のものである態様等がある。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】しかし従来は、上記両
面集光読取方法においてはPSL残光補正処理がなされ
ていなかった。一方、輝尽発光光の残光特性は蓄積性蛍
光体の種類に応じた差異があり、残光補正処理を適用す
る場合にも、シートの両面に使用されている蛍光体層の
種類を考慮する必要がある。
【0013】本発明は上記事情に鑑みなされたものであ
って、蓄積性蛍光体シートの両面から画像データを読み
取る場合において、適切なPSL残光補正を行なうこと
を可能にした放射線画像情報読取方法および装置を提供
することを目的とするものである。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明の放射線画像情報
読取方法および装置は、蓄積性蛍光体シートの表面およ
び裏面の各蓄積性蛍光体層の種類に応じて、表裏各面か
らそれぞれ読み取られた画像データを、各別に残光補正
処理した後に加算処理とするか、加算処理した後に残光
補正処理とするか、を択一的に選択することにより、同
一種類の場合における残光補正処理の演算負荷を低減す
るものである。
【0015】すなわち本発明の放射線画像情報読取方法
は、被写体の放射線画像情報が蓄積記録されている蓄積
性蛍光体シートに励起光を走査して前記シートから発光
された輝尽発光光を該シートの両面からそれぞれ時系列
的にかつ光電的に読み取って表面画像信号および裏面画
像信号を得、該両画像信号をそれぞれサンプリングして
表面画像データおよび裏面画像データを得、該両画像デ
ータを対応する画素ごとに加算して重合せ画像データを
得る放射線画像情報読取方法において、前記表面側の蓄
積性蛍光体と裏面側の蓄積性蛍光体とが同一種類である
場合は、前記得られた重合せ画像データに対して、前記
輝尽発光光の残光に基づく影響を除去する、前記表面側
または裏面側の蓄積性蛍光体の種類に応じた残光補正処
理を施し、前記表面側の蓄積性蛍光体と裏面側の蓄積性
蛍光体とが異種類である場合は、前記重合せ画像データ
を算出するのに先だって、前記表面画像データに対して
前記表面側の蓄積性蛍光体の種類に応じた、前記輝尽発
光光の残光に基づく影響を除去する残光補正処理を施
し、前記裏面画像データに対して前記裏面側の蓄積性蛍
光体の種類に応じた、前記輝尽発光光の残光に基づく影
響を除去する残光補正処理を施し、該残光補正処理を各
別に施された表面画像データと裏面画像データとから前
記重合せ画像データを得ることを特徴とするものであ
る。
【0016】なお、前記表面側の蓄積性蛍光体の種類と
裏面側の蓄積性蛍光体の種類については、それらの種類
が予め分かっている場合には外部からその種類を入力す
るようにしてもよいし、また予め分かっていない場合に
は、シートの種類をシートに付されたシート識別マーク
等を読み取って検出するようにしてもよい。
【0017】また上記残光補正処理としては、蓄積性蛍
光体層の種類ごとの輝尽発光光の残光特性と励起光の走
査速度とに基づいて、励起光を走査している走査点xよ
りも以前に走査した走査点による輝尽発光残光の光量f
(n)と該励起光を走査している走査点までの画素数n
とを対応付けて予めテーブルを作成し、該走査点xにお
いて検出された輝尽発光の光量y(x)を、該走査点x
において得られた対数変換後の画像データQ(x)に基
づき、下記式(1)にしたがって求め、
【0018】
【数1】
【0019】該走査点xにおける、前記輝尽発光残光の
影響を補正した補正後光量y(x)’を、前記テーブル
を参照しつつ、下記式(2)にしたがって求め、
【0020】
【数2】
【0021】該走査点xにおける、前記輝尽発光残光の
影響を補正した補正後画像データQ(x)’を下記式
(3)にしたがって求める処理とするのが望ましい。
【0022】
【数3】
【0023】なお上記残光特性は蓄積性蛍光体層の種類
ごとに相違するため、上記テーブルも蓄積性蛍光体層の
種類ごとに複数準備しておく必要がある。
【0024】このような処理によれば、従来より知られ
ている残光成分を除去する補正処理(以下、単に残光補
正処理という)は、計算処理の負荷が大きいという問題
を解決できる。すなわち、前述した放射線画像情報記録
再生システムにおいては検出された輝尽発光の光量に対
応する画像信号をデジタル画像データ化する場合、まず
画像信号をログ変換(対数変換)し、その後にA/D変
換を行なうことによって、画像信号の広いダイナミック
レンジをデジタル画像データにおいても確保している。
しかし上記残光補正処理は、デジタル画像データをアン
チログ変換した領域で行なう必要があるため、デジタル
画像データの全体を一旦アンチログ変換し、この変換し
た領域で補正処理を行ない、再度ログ変換するという計
算処理を行なわなければならない。
【0025】つまり補正画像データQ(x)’を求める
に際して、得られた画像データQ(x)は対数変換され
た画像データであるため、まずこれを例えば式(1)に
したがってアンチログ変換し、アンチログ変換された領
域のデータy(x)、すなわち輝尽発光の光量を表すデ
ータを得る。
【0026】
【数1】
【0027】次いで、走査点xにおける、輝尽発光残光
の影響を補正した補正後光量y(x)’を、輝尽発光残
光の光量f(n)と励起光を走査している走査点までの
画素数nとが予め対応付けられたテーブルを参照しつ
つ、下記式(2)にしたがって求める。
【0028】
【数2】
【0029】この得られた補正後光量y(x)’を式
(1)の逆変換、すなわち式(4)に示すログ変換する
ことにより補正画像データQ(x)’を得る。
【0030】
【数4】
【0031】また本発明の放射線画像情報読取装置は、
被写体の放射線画像情報が蓄積記録されている蓄積性蛍
光体シートに励起光を走査して前記シートから発光され
た輝尽発光光を該シートの両面からそれぞれ時系列的に
かつ光電的に読み取って表面画像信号および裏面画像信
号を得、該両画像信号をそれぞれサンプリングして表面
画像データおよび裏面画像データを得、該両画像データ
を対応する画素ごとに加算して重合せ画像データを得る
放射線画像情報読取装置において、前記重合せ画像デー
タに対して、前記輝尽発光光の残光に基づく影響を除去
する、前記表面側または裏面側の蓄積性蛍光体の種類に
応じた残光補正処理を施す第1の残光補正処理手段と、
前記表面画像データに対して前記表面側の蓄積性蛍光体
の種類に応じた、前記輝尽発光光の残光に基づく影響を
除去する残光補正処理を施し、前記裏面画像データに対
して前記裏面側の蓄積性蛍光体の種類に応じた、前記輝
尽発光光の残光に基づく影響を除去する残光補正処理を
施す第2の残光補正処理手段と、前記表面側の蓄積性蛍
光体と裏面側の蓄積性蛍光体とが同一種類である場合
は、前記第1の残光補正処理手段を選択し、前記表面側
の蓄積性蛍光体と裏面側の蓄積性蛍光体とが異種類であ
る場合は、前記第2の残光補正処理手段を選択する選択
手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0032】なお、前記表面側の蓄積性蛍光体の種類と
裏面側の蓄積性蛍光体の種類については、それらの種類
が予め分かっている場合にはその種類を予めメモリ等に
記憶させておけばよく、若しくは外部から入力手段を用
いて入力するようにしてもよいし、また予め分かってい
ない場合には、シートの種類をシートに付されたシート
識別マーク等を読み取って検出する蛍光体種類検出手段
をさらに備えた構成を採ることができる。
【0033】ここで上記第1の残光補正処理手段および
第2の残光補正処理手段は、前記蓄積性蛍光体層の種類
ごとの輝尽発光光の残光特性と前記励起光の走査速度と
に基づいて、前記励起光を走査している走査点xよりも
以前に走査した走査点による輝尽発光残光の光量f
(n)と該励起光を走査している走査点までの画素数n
とが予め対応付けられたテーブルと、該走査点xにおい
て検出された輝尽発光の光量y(x)を、該走査点xに
おいて得られた画像データQ(x)に基づき、下記式
(1)にしたがって求める光量算出手段と、
【0034】
【数1】
【0035】該走査点xにおける、前記輝尽発光残光の
影響を補正した補正後光量y(x)’を、前記テーブル
を参照しつつ、下記式(2)にしたがって求める補正後
光量算出手段と、
【0036】
【数2】
【0037】該走査点xにおける、前記輝尽発光残光の
影響を補正した補正後画像データQ(x)’を下記式
(3)にしたがって求める補正後画像データ算出手段と
を備えたものとするのが好ましい。
【0038】
【数3】
【0039】なお、上記第1の残光補正処理手段と第2
の残光補正処理手段とは、1つの残光補正処理手段によ
り兼用されるものであってもよい。適用されるテーブル
が相違し、また演算処理が2つの画像データの加算前か
後かの相違に過ぎないため、両手段の機能を、1つの手
段を内部で切り替えることにより果たすことができるか
らである。
【0040】
【発明の効果】本発明の放射線画像情報読取方法または
読取装置によれば、蓄積性蛍光体シートの表面および裏
面の各蓄積性蛍光体層の種類に応じて、表裏各面からそ
れぞれ読み取られた画像データを、各別に残光補正処理
した後に加算処理とするか、加算処理した後に残光補正
処理とするか、を択一的に選択することにより、同一種
類の場合における残光補正処理の演算負荷を低減するも
のである。
【0041】すなわち、蓄積性蛍光体による輝尽発光光
の残光特性はその蓄積性蛍光体の種類に応じて相異なる
ものであるから、2種類の蓄積性蛍光体については2種
類の残光特性が存在し、一方この輝尽発光光の残光の補
正処理は残光特性に基づいて行なうため、2種類の蓄積
性蛍光体について残光補正処理を行なうときは、2つの
残光補正演算を行なう必要がある。
【0042】ここで蓄積性蛍光体シートに記録された画
像情報を当該シートの両面から読み取る方式において
は、両面にそれぞれ蓄積性蛍光体層が形成された蓄積性
蛍光体層が用いられる。したがって両面の蓄積性蛍光体
のそれぞれについて各別に残光補正処理を行なう必要が
あるが、本発明の放射線画像情報読取方法および読取装
置は、シートの両面からそれぞれ得られたこれら2つの
画像情報を互いに加算して重合わせ画像信号を得るもの
であり、シートの両蓄積性蛍光体層の種類が同一である
ときは、両蓄積性蛍光体層から得られた2つの画像デー
タを加算した後の重合わせ画像データに対して残光補正
処理を行なうため、従来のように各別に2つの残光補正
処理を行なうよりも演算処理の負荷を低減させることが
できる。
【0043】また、上記式(3)に示すように、得られ
た対数化された後の画像データQ(x)から、計算によ
り求められた補正分を減算するだけでよく、その補正分
についてのみ画像データQ(x)をアンチログ変換して
求めるため、従来の式(4)に示すごとく、画像データ
Q(x)をアンチログ変換したのちの再度のログ変換処
理を行なうことがないため、変換処理に伴う誤差の集積
度合が少なく、より精度の高い補正を行なうことができ
るとともに、補正前の原画像データQ(x)はそのまま
(式(3)第1項)で、これから補正分を減算するだけ
で補正後画像データQ(x)’を求めることができるた
め、つまり補正後画像データQ(x)’への影響度が補
正分に比べてはるかに大きい原画像データQ(x)の精
度がもとのまま確保されているため、従来よりも精度の
高い補正後画像データQ(x)’を得ることができる。
すなわち[補正分<<原画像データQ(x)]であるた
め、計算の過程において補正分に割り当るデジタルデー
タのビット精度を高くすることができる。
【0044】
【発明の実施の形態】以下、本発明の放射線画像情報読
取装置の具体的な実施の形態について、図面を用いて説
明する。
【0045】図1は本発明の第1の放射線画像情報読取
装置の一実施形態の構成を示すブロック図、図2は蓄積
性蛍光体の輝尽発光光の残光特性を示す特性図である。
【0046】ここで図1に示した放射線画像情報読取装
置は、蓄積性蛍光体層が表面側および裏面側の両方に形
成された蓄積性蛍光体シートから、放射線画像情報をそ
のシートの両面からそれぞれ読み取る装置である。なお
上記表面、裏面とは、単に一方の面と他方の面とを識別
して説明する便宜上の区別であり、どちらの面を表面と
称してもよい。本実施形態においては、放射線画像情報
が記録された際の、放射線の入射側の面を表面、その裏
側の面すなわち放射線が出射した側の面を裏面と称する
ものとする。
【0047】図示の放射線画像情報読取装置は、図示し
ないモータにより回転せしめられる2つのエンドレスベ
ルト19a,19b上に蓄積性蛍光体シート(以下、シート
という)50が配置され、シート50の上方には、シート50
を励起するレーザ光Lを発するレーザ光源11と、そのレ
ーザ光Lを反射偏向する回転多面鏡13と、この回転多面
鏡13を回転させるモータ12と、回転多面鏡13で反射偏向
されたレーザ光Lをシート50上に収束し、かつ等速度で
走査させる走査レンズ14が配されている。
【0048】さらに、レーザ光Lが走査されるシート50
の表面(図示上面側)直上には、そのレーザ光Lによる
励起でシート50の上面から発せられる輝尽発光光M1を
集光する光ガイド15aが近接して配置されている。光ガ
イド15aには集光した輝尽発光光M1を光電的に検出し
てアナログ画像信号y1に変換するフォトマルチプライ
ヤ(光電子増倍管)16aが接続されている。
【0049】また、フォトマルチプライヤ16aには対数
増幅器21aが接続され、対数増幅器21aはアナログ画像
信号y1をログ変換して対数化画像信号q1を出力す
る。対数増幅器21aにはさらにアナログ/デジタル変換
回路(以下、A/D変換回路という)22aが接続され、
このA/D変換回路22aにより対数化画像信号q1は所
定のサンプリング周期Tでサンプリングされ、デジタル
画像データQ1に変換される。
【0050】一方、レーザ光Lが走査されるシート50の
面の裏側(図示下面側)にも、レーザ光Lによる励起で
シート50の下面から発せられる輝尽発光光M2を集光す
る光ガイド15bが近接して配置されている。光ガイド15
bには集光した輝尽発光光M2を光電的に検出してアナ
ログ画像信号y2に変換するフォトマルチプライヤ(光
電子増倍管)16bが接続されている。
【0051】また、フォトマルチプライヤ16bには対数
増幅器21bが接続され、対数増幅器21bはアナログ画像
信号y2をログ変換して対数化画像信号q2を出力す
る。対数増幅器21bにはさらにアナログ/デジタル変換
回路(以下、A/D変換回路という)22bが接続され、
このA/D変換回路22bにより対数化画像信号q2は所
定のサンプリング周期Tでサンプリングされ、デジタル
画像データQ2に変換される。
【0052】さらにA/D変換回路22a,22bには第1
の加算器23bおよび第2の残光補正手段33bが接続さ
れ、第1の加算器23bはA/D変換回路22aの出力であ
る表面画像データQ1とA/D変換回路22bの出力であ
る裏面画像データQ2とを画素を対応させて加算処理す
る。
【0053】さらにまた、シート50の表面側および裏面
側の各蓄積性蛍光体層の種類をそれぞれ検出するシート
種類検出手段31と、第1の加算器23aにより加算された
重ね合わせ画像データQaから輝尽発光光の残光成分を
除去して補正後画像データ(デジタル)Q′を外部に出
力する処理をなす第1の残光補正手段33aと、加算前の
表面画像データQ1と裏面画像データQ2に対してそれ
ぞれ各別に輝尽発光光の残光成分を除去して補正後表面
画像データ(デジタル)Q′1および補正後裏面画像デ
ータ(デジタル)Q′2を第2の加算器23bに出力する
処理をなす第2の残光補正手段33bと、第2の残光補正
手段33bにより補正処理された補正後表面画像データ
Q′1と補正後裏面画像データQ′2とを画素を対応さ
せて加算処理して補正後画像データQ″を出力する第2
の加算器23bとを備えている。
【0054】ここで上記第1の残光補正手段33aおよび
第2の残光補正手段33bについて以下に詳しく説明す
る。
【0055】シート50から発せられる輝尽発光光M1,
M2は例えば図2に示すごとく、レーザー光Lの照射開
始時点t0から急速に(例えば数ナノ秒で)ほぼ最高の
発光強度p0に達し、その後、発光強度は時間の経過と
ともにゆっくりと低下し、レーザー光Lの照射が終って
も残光としてその蛍光体特有の応答時間だけ発光が続
く。したがってレーザー光の照射後の時刻t1において
は発光強度p1の残光成分、時刻t2においては発光強
度p2の残光成分、時刻t3においては発光強度p3の
残光成分、…、というようにレーザー光照射後の経過時
間に依存した発光強度の残光が検出される。
【0056】そこで第1の残光補正手段33aおよび第2
の残光補正手段33bはこれらの輝尽発光残光による影響
を計算処理により除去する。なお図2に示した残光特性
は蓄積性蛍光体の種類に応じて異なる。
【0057】次に本実施形態の放射線画像情報読取装置
の作用について説明する。
【0058】放射線画像情報の蓄積記録された蓄積性蛍
光体シート50は、エンドレスベルト19a上の所定の位置
にセットされる。この所定位置にセットされたシート50
は、エンドレスベルト19aおよび19bにより、矢印Y方
向に搬送(副走査)される。
【0059】一方、レーザ光源11から発せられたレーザ
ー光Lは、モータ12により駆動され矢印方向に高速回転
する回転多面鏡13によって反射偏向され、この偏向され
たレーザー光Lは走査レンズ14によりシート50の表面上
で収束され、かつ等速度で走査されて、このシート50の
表面を矢印X方向に主走査する。レーザー光Lの主走査
とシート50の副走査とにより、シート50は全面に亘って
レーザー光Lが照射されることになる。
【0060】シート50を照射したレーザー光Lはシート
50の蓄積性蛍光体を励起し、シート50の表面からは蓄積
記録されている放射線画像情報に応じた輝尽発光光M1
が発光し、シート50の裏面からは蓄積記録されている放
射線画像情報に応じた輝尽発光光M2が発光される。
【0061】まずシート50の表面から発光した輝尽発光
光M1はシート50の上面に近接して配された光ガイド15
aによってフォトマルチプライヤ16aに導かれ、フォト
マルチプライヤ16aによって光電的に検出される。光ガ
イド15aはアクリル板等の導光性材料を成形して作られ
たものであり、直線状をなす入射端面が蓄積性蛍光体シ
ート50上の主走査線に沿って延びるように配され、円環
状に形成された出射端面に上記フォトマルチプライヤ16
aの受光面が結合されている。上記入射端面から光ガイ
ド15a内に入射した輝尽発光光M1は、該光ガイド15a
の内部を全反射を繰り返して進み、出射端面から出射し
てフォトマルチプライヤ16aに受光され、放射線画像情
報を表わす輝尽発光光M1の光量pがフォトマルチプラ
イヤ16aによってアナログ画像信号y1に変換される。
【0062】フォトマルチプライヤ16aから出力された
アナログ信号y1は対数増幅器21aで対数的に増幅され
て、対数化画像信号q1に変換される。
【0063】このように対数増幅された対数化画像信号
q1はA/D変換回路22aに入力され、A/D変換回路
22aによりデジタル画像データQ1に変換されて第1の
加算器23aと第2の残光補正手段33bに入力される。
【0064】一方、シート50の裏面から発光した輝尽発
光光M2はシート50の下面に近接して配された光ガイド
15bによってフォトマルチプライヤ16bに導かれ、フォ
トマルチプライヤ16bによって光電的に検出される。光
ガイド15bもアクリル板等の導光性材料を成形して作ら
れたものであり、直線状をなす入射端面が蓄積性蛍光体
シート50上の主走査線に沿って延びるように配され、円
環状に形成された出射端面に上記フォトマルチプライヤ
16bの受光面が結合されている。上記入射端面から光ガ
イド15b内に入射した輝尽発光光M2は、該光ガイド15
bの内部を全反射を繰り返して進み、出射端面から出射
してフォトマルチプライヤ16bに受光され、放射線画像
情報を表わす輝尽発光光M2の光量p′がフォトマルチ
プライヤ16bによってアナログ画像信号y2に変換され
る。
【0065】フォトマルチプライヤ16bから出力された
アナログ信号y2は対数増幅器21bで対数的に増幅され
て、対数化画像信号q2に変換される。
【0066】このように対数増幅された対数化画像信号
q2はA/D変換回路22bに入力され、A/D変換回路
22bによりデジタル画像データQ2に変換されて第1の
加算器23aと第2の残光補正手段33bに入力される。第
1の加算器23aは入力された2つの画像データQ1とQ
2とを画素を対応させて加算処理し、その加算結果を重
ね合わせ画像データQaとして第1の残光補正手段33a
に入力される。
【0067】ここで上述の作用と並行してエンドレスベ
ルト19aの近傍において、シート種類検出手段31が、エ
ンドレスベルト19a,19b上を搬送されるシート50の表
面側および裏面側の各蓄積性蛍光体層の種類をそれぞれ
検出する。この検出結果は選択手段32に入力され、選択
手段32はこの入力された結果に基づいて、シート50の表
面側と裏面側とで蓄積性蛍光体層の種類が同一か否かを
判定し、同一と判定した場合は第1の残光補正手段33a
を選択し、一方、同一でないと判定した場合には第2の
残光補正手段33bを選択する。このとき選択手段32は、
シート種類検出手段31から入力されたシート50の上下両
蛍光体層の種類を表す信号をも、残光補正手段33a,33
bに入力する。
【0068】ここでまず第1の残光補正手段33aが選択
された場合についての作用を説明する。
【0069】選択手段32は第1の残光補正手段33aを選
択すると、この第1の残光補正手段33aに、シート50の
上下両蛍光体層の種類を表す信号も入力される。ここで
第1の残光補正手段33aが選択される場合は上下両蛍光
体層の種類が同一の場合であるから、例えばユーロピウ
ム系またはシリウム系などの種類を表す信号のうち、唯
一つの種類だけが第1の残光補正手段33aに入力され
る。
【0070】第1の残光補正手段33aは入力された蛍光
体層の種類に対応する残光補正処理をその内部から選択
し、その選択された残光補正処理にしたがって、既に入
力されている重ね合わせ画像データQaに残光補正処理
を施し、この補正後の画像データQ′が外部の画像処理
装置等に出力される。一方、選択されなかった第2の残
光補正手段33bは何らの作用もなさず、出力もしない。
【0071】ここで第1の残光補正手段33aは、表面画
像データQ1と裏面画像データQ2とを加算して得られ
た重ね合わせ画像データQaのみに対して残光補正処理
をなすため、表面画像データQ1と裏面画像データQ2
に対してそれぞれ別個に残光補正処理をなす場合に比し
て演算処理負荷を低減することができる。一方、この場
合、シート50の両蓄積性蛍光体層は同一種であるため残
光特性は同一であり、このため、加算前に各別に補正処
理を行ない、その後に加算した場合と、加算前には補正
処理は行なわずに、加算後に補正処理をした場合とで
は、同一の結果となる。したがってシート50の両蓄積性
蛍光体層が同一種であるときは、本実施形態の放射線画
像情報読取装置によれば残光補正処理の演算負荷を略半
減することができる。
【0072】なお、シート50の両蓄積性蛍光体層の種類
が異なるために、第2の残光補正手段33bが選択された
場合は、第2の残光補正手段33bにすでに各別に入力さ
れている表面画像データQ1および裏面画像データQ2
に対して第2の残光補正手段33bは、それぞれ各別の残
光補正処理をそれぞれに対応する施す。すなわち選択手
段32から入力された表面側蓄積性蛍光体層の種類に対応
した残光特性に基づいた残光補正処理を表面画像データ
Q1に施して表面補正画像データQ′1を得、一方、裏
面側蓄積性蛍光体層の種類に対応した残光特性に基づい
た残光補正処理を裏面画像データQ2に施して裏面補正
画像データQ′2を得る。
【0073】このように各別に残光補正処理がなされて
得られた表面補正画像データQ′1と裏面補正画像デー
タQ′2とはそれぞれ第2の加算器23bに出力され、第
2の加算器23bはこれら入力された2つの補正済み画像
データQ′1とQ′2とを画素を対応させて加算処理
し、補正画像データQ″を算出し、この補正画像データ
Q″を外部の画像処理装置等に出力する。
【0074】このように本実施形態の放射線画像情報読
取装置は、シートの両面からそれぞれ得られた2つの画
像情報を互いに加算して重合わせ画像信号を得るもので
あり、シートの両蓄積性蛍光体層の種類が同一であると
きは、両蓄積性蛍光体層から得られた2つの画像データ
を加算した後の重合わせ画像データに対して残光補正処
理を行なうため、従来のように各別に2つの残光補正処
理を行なうよりも演算処理の負荷を低減させることがで
きる。
【0075】なお上記実施形態においてはシート種類検
出手段31がシートの種類を検出する構成としたが、この
ような検出装置を用いない構成であっても、例えば操作
者が目視等で確認して、その種類を入力し得る形態とし
てもよい。
【0076】ここで、上記第1および第2の残光補正手
段33a,33bによる残光補正処理を具体的に説明する。
【0077】第1の残光補正手段33aは、図3(1)に
示すように、入力された重合わせ画像データQ(x)
(上記説明中で用いたQaと同じであるが、以下の式等
の説明の便宜のためQ(x)をQaの意として用いる)
に基づいて下記式(1)にしたがって当該画像データQ
(x)に相当する輝尽発光光の光量y(x)を求める光
量算出手段34aと、
【0078】
【数1】
【0079】図4に示すように励起光走査中の画素xか
ら既に走査が終わった画素までの画素数kと蓄積性蛍光
体の種類ごとの残光特性に基づく残光光量pkとが予め
対応付けられた蓄積性蛍光体の種類ごとの参照テーブル
(図示では2種類)が記憶されたメモリ35aと、該走査
点xにおける、前記輝尽発光残光の影響を補正した補正
後光量y(x)’を、選択手段32から入力される蓄積性
蛍光体の種類に対応するテーブルを参照しつつ、下記式
(2)にしたがって求める補正後光量算出手段36aと、
【0080】
【数2】
【0081】走査点xにおける、前記輝尽発光残光の影
響を補正した補正後画像データQ(x)’を下記式
(3)にしたがって求める補正後画像データ算出手段37
aとを備えた構成である。
【0082】
【数3】
【0083】なお、第1の残光補正手段33aによる重ね
合わせ画像データQaに対する残光補正処理、第2の残
光補正手段33bによる表面画像データQ1に対する残光
補正処理および裏面画像データQ2に対する残光補正処
理は、適用すべき残光特性が相異なるのみであり、演算
処理手順は基本的に全ての場合で同一である。したがっ
て第2の残光補正手段33bの構成は、図3(2)に示す
ように、入力された2つの画像データQ1(x),Q2
(x)(上記説明中で用いたQ1,Q2と同じである
が、以下の式等の説明の便宜のためQ1(x)をQ1の
意として、Q2(x)をQ2の意として用いる)に基づ
いて下記式(1)にしたがって当該各画像データQ1
(x),Q2(x)に相当する輝尽発光光の光量y1
(x),y2(x)を求める光量算出手段34bと、
【0084】
【数1】
【0085】図4に示すように励起光走査中の画素xか
ら既に走査が終わった画素までの画素数kと蓄積性蛍光
体の種類ごとの残光特性(図示では(1)と(2)にそ
れぞれ示す2種類)に基づく残光光量pkとが予め対応
付けられた蓄積性蛍光体の種類ごとの参照テーブル(図
示では2種類)が記憶されたメモリ35bと、該走査点x
における、前記輝尽発光残光の影響を補正した補正後光
量y1(x)’,y2(x)’を、選択手段32から入力
される蓄積性蛍光体の種類に対応するテーブルを参照し
つつ、下記式(2)にしたがってそれぞれ求める補正後
光量算出手段36bと、
【0086】
【数2】
【0087】走査点xにおける、前記輝尽発光残光の影
響を補正した補正後画像データQ1(x)’,Q2
(x)’を下記式(3)にしたがってそれぞれ求める補
正後画像データ算出手段37bとを備えた構成である。
【0088】
【数3】
【0089】なお、上記式の適用にあたっては、表面画
像データQ1,裏面画像データQ2に対応させるべく、
各記号の添字「1」,「2」を付加するものとする。
【0090】以下、これら第1の残光補正手段33aによ
る重ね合わせ画像データQaに対する残光補正処理、第
2の残光補正手段33bによる表面画像データQ1に対す
る残光補正処理および裏面画像データQ2に対する残光
補正処理について説明するにあたっては、これらの各補
正処理は適用すべき残光特性が相異なるのみであり、演
算処理手順は全ての場合で同一であるから、以下、第1
の残光補正手段33aによる重合わせ画像データQaに対
する残光補正処理を代表して説明する。
【0091】まず選択手段32から第1の残光補正手段33
aに蓄積性蛍光体層の種類が入力されると、メモリ34a
に記憶された2つの参照テーブルのうち、この蛍光体層
の種類に対応する参照テーブル(図4(1)又は(2)
のいずれか一方)が選択される。
【0092】ここで画像データQa(x)を主走査方向
の位置x(主走査方向の第x番目の画素とする)におい
て検出された輝尽発光の光量y(x)に基づくものであ
るとしたとき、この画像データQa(x)には、同一の
主走査ライン上であって、既に走査が終わった第x−1
番目の画素,第x−2番目の画素,…,第2番目の画
素,第1番目の画素から発せられた輝尽発光光の残光が
重畳している。
【0093】すなわち図2に示すように、例えば第x−
1番目の画素が時刻t0において励起されたとき、励起
と略同時の時刻t0において第x−1番目の画素からは
発光強度p0の輝尽発光光が発せられるが、その後の時
刻t1′においてレーザー光Lが第x−1番目の画素の
次の画素である第x番目の画素を励起しているときにあ
っては、その第x番目の画素から発せられる強度p0の
輝尽発光光の他に、第x−1番目の画素からの強度p
1′の残光が検出される。
【0094】そこで、得られた画像データQ(x)は光
量算出手段34aに入力されて、上記式(1)にしたがっ
たアンチログ変換がなされ、検出された輝尽発光の光量
y(x)に相当するデジタル値が算出される。
【0095】次いでこの光量y(x)に相当するデジタ
ル値は補正後光量算出手段36aに入力され、補正後光量
算出手段36aは入力された光量y(x)を選択された参
照テーブルを参照しつつ式(2)にしたがって補正後光
量y(x)’に変換する。
【0096】すなわちまず画像データQaにおける主走
査ライン(Qaは重合わせ画像データであるため主走査
ラインは存在しないが、重合わせ画像データを算出する
ために用いられた表面画像データまたは裏面画像データ
における主走査ラインに相当するものを意味する)上で
最初に走査する画素である第1画素についての補正後光
量y(1)’は、第1画素よりも以前に走査した同一主
走査ライン上の画素は存在しないため、補正前の光量y
(1)に等しい。したがって、まず光量y(1)がその
ときの画像データQ(1)に基づいて光量算出手段36a
により式(1)にしたがって算出され、y(1)’が求
められる。
【0097】次いで第2画素以降の補正後光量y
(2)’、y(3)’、…、y(x)’が式(2)にし
たがって順次求められる。
【0098】このようにして第x画素以前までの画素
(第1画素〜第x−1画素)に対応した補正後光量y
(1)’、y(2)’、y(3)’、…、y(x−
1)’と、第x画素における原画像データQ(x)と、
この原画像データQ(x)に対応する補正前光量y
(x)とに基づいて、補正後画像データ算出手段37aが
式(3)にしたがって、輝尽発光残光の影響を補正した
補正後画像データQ(x)’を算出する。
【0099】以上の作用により算出された補正後画像デ
ータQ(x)’は、この放射線画像情報読取装置から出
力される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の放射線画像情報読取装置の一実施形態
を示す図
【図2】輝尽発光光の残光特性を示すグラフ
【図3】残光補正手段の詳細な構成を示すブロック図
【図4】蓄積性蛍光体の種類ごとの残光特性および参照
テーブルの例を示す図
【符号の説明】
11 レーザ光源 12 モータ 13 回転多面鏡 14 走査用レンズ 15a,15b 光ガイド 16a,16b フォトマルチプライヤ 19a,19b エンドレスベルト 21a,21b 対数増幅器 22a,22b A/D変換回路 23a,23b 加算器 31 シート種類検出手段 32 選択手段 33a,33b 残光補正手段 34b 光量算出手段 35a テーブル 35c 補正後光量算出手段 36d 補正後画像データ算出手段 50 蓄積性蛍光体シート L レーザー光 M1,M2 輝尽発光光 y1,y2 アナログ画像信号 q 対数化画像信号

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 被写体の放射線画像情報が蓄積記録され
    ている蓄積性蛍光体シートに励起光を走査して前記シー
    トから発光された輝尽発光光を該シートの両面からそれ
    ぞれ時系列的にかつ光電的に読み取って表面画像信号お
    よび裏面画像信号を得、該両画像信号をそれぞれサンプ
    リングして表面画像データおよび裏面画像データを得、 該両画像データを対応する画素ごとに加算して重合せ画
    像データを得る放射線画像情報読取方法において、 前記表面側の蓄積性蛍光体と裏面側の蓄積性蛍光体とが
    同一種類である場合は、前記得られた重合せ画像データ
    に対して、前記輝尽発光光の残光に基づく影響を除去す
    る、前記表面側または裏面側の蓄積性蛍光体の種類に応
    じた残光補正処理を施し、前記表面側の蓄積性蛍光体と
    裏面側の蓄積性蛍光体とが異種類である場合は、前記重
    合せ画像データを算出するのに先だって、前記表面画像
    データに対して前記表面側の蓄積性蛍光体の種類に応じ
    た、前記輝尽発光光の残光に基づく影響を除去する残光
    補正処理を施し、前記裏面画像データに対して前記裏面
    側の蓄積性蛍光体の種類に応じた、前記輝尽発光光の残
    光に基づく影響を除去する残光補正処理を施し、該残光
    補正処理を各別に施された表面画像データと裏面画像デ
    ータとから前記重合せ画像データを得ることを特徴とす
    る放射線画像情報読取方法。
  2. 【請求項2】 前記残光補正処理は、 前記蓄積性蛍光体層の種類ごとの輝尽発光光の残光特性
    と前記励起光の走査速度とに基づいて、前記励起光を走
    査している走査点xよりも以前に走査した走査点による
    輝尽発光残光の光量f(n)と該励起光を走査している
    走査点までの画素数nとを対応付けて予めテーブルを作
    成し、 該走査点xにおいて検出された輝尽発光の光量y(x)
    を、該走査点xにおいて得られた対数変換後の画像デー
    タQ(x)に基づき、下記式(1)にしたがって求め、 【数1】 該走査点xにおける、前記輝尽発光残光の影響を補正し
    た補正後光量y(x)’を、前記テーブルを参照しつ
    つ、下記式(2)にしたがって求め、 【数2】 該走査点xにおける、前記輝尽発光残光の影響を補正し
    た補正後画像データQ(x)’を下記式(3)にしたが
    って求めるものであることを特徴とする請求項1記載の
    放射線画像情報読取方法。 【数3】
  3. 【請求項3】 被写体の放射線画像情報が蓄積記録され
    ている蓄積性蛍光体シートに励起光を走査して前記シー
    トから発光された輝尽発光光を該シートの両面からそれ
    ぞれ時系列的にかつ光電的に読み取って表面画像信号お
    よび裏面画像信号を得、該両画像信号をそれぞれサンプ
    リングして表面画像データおよび裏面画像データを得、 該両画像データを対応する画素ごとに加算して重合せ画
    像データを得る放射線画像情報読取装置において、 前記重合せ画像データに対して、前記輝尽発光光の残光
    に基づく影響を除去する、前記表面側または裏面側の蓄
    積性蛍光体の種類に応じた残光補正処理を施す第1の残
    光補正処理手段と、 前記表面画像データに対して前記表面側の蓄積性蛍光体
    の種類に応じた、前記輝尽発光光の残光に基づく影響を
    除去する残光補正処理を施し、前記裏面画像データに対
    して前記裏面側の蓄積性蛍光体の種類に応じた、前記輝
    尽発光光の残光に基づく影響を除去する残光補正処理を
    施す第2の残光補正処理手段と、 前記表面側の蓄積性蛍光体と裏面側の蓄積性蛍光体とが
    同一種類である場合は、前記第1の残光補正処理手段を
    選択し、前記表面側の蓄積性蛍光体と裏面側の蓄積性蛍
    光体とが異種類である場合は、前記第2の残光補正処理
    手段を選択する選択手段とを備えたことを特徴とする放
    射線画像情報読取装置。
  4. 【請求項4】 前記第1の残光補正処理手段および第2
    の残光補正処理手段は、 前記蓄積性蛍光体層の種類ごとの輝尽発光光の残光特性
    と前記励起光の走査速度とに基づいて、前記励起光を走
    査している走査点xよりも以前に走査した走査点による
    輝尽発光残光の光量f(n)と該励起光を走査している
    走査点までの画素数nとが予め対応付けられたテーブル
    と、 該走査点xにおいて検出された輝尽発光の光量y(x)
    を、該走査点xにおいて得られた画像データQ(x)に
    基づき、下記式(1)にしたがって求める光量算出手段
    と、 【数1】 該走査点xにおける、前記輝尽発光残光の影響を補正し
    た補正後光量y(x)’を、前記テーブルを参照しつ
    つ、下記式(2)にしたがって求める補正後光量算出手
    段と、 【数2】 該走査点xにおける、前記輝尽発光残光の影響を補正し
    た補正後画像データQ(x)’を下記式(3)にしたが
    って求める補正後画像データ算出手段とを備えたことを
    特徴とする請求項3記載の放射線画像情報読取装置。 【数3】
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