JP3827826B2 - 放射線画像情報読取方法および装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、医療診断等に用いられる蓄積性螢光体利用の放射線画像読取方法および装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光記録媒体(例えば、蓄積性蛍光体シート等。以下、単に「記録媒体」と称す。)にX線等の励起光を照射し、この記録媒体に蓄積記録された前記放射線画像情報に応じて輝尽発光する輝尽発光光を検出してこの放射線画像情報を読み取る画像情報読取装置の一種である放射線画像情報読取装置が知られている(特開昭62-18536号等)。
【0003】
このような放射線画像情報読取装置において、放射線画像情報が蓄積記録された記録媒体から放射線画像情報を読み取る具体的な方法として、例えば、記録媒体上をレーザビーム等の光ビームで2次元的に走査し、そのときに発生された輝尽発光光をフォトマル等の光電変換手段で時系列的に読み取って画像信号を得る方法がある。
【0004】
ところで、記録媒体は励起光を照射すると蛍光体中に蓄積されている放射線エネルギーを輝尽発光光として放出する性質を有するが、輝尽発光光は励起光照射開始時点から急速に(例えば数ns後に)ほぼ最高の発光強度に達し、その後発光強度はゆっくりと低下し、励起光照射が終わってもいわゆる残光としてその蛍光体特有の応答時間だけ発光が続くという性質を有している(このような残光を輝尽発光残光と称している。)。したがって、記録媒体を励起光で走査し、時系列的に発光された輝尽発光光を光電的に読み取ると、励起光照射中の画素からの発光成分ばかりでなく、既に励起光の照射が終わった画素からの残光成分も照射中の画素の放射線画像情報成分として読み取ることになるので、画素間の信号の分離が完全になされず、得られる画像の鮮鋭度が低下してしまう。したがって、励起に対して輝尽発光残光の長い蛍光体を使用した場合には、画像の鮮鋭度が低下し、実用上十分に満足のいく高い鮮鋭度を有する放射線画像を得ることができない。
【0005】
また、このような現象は記録媒体への単位面積当たりの励起光の照射量(照射エネルギ)言い換えれば輝尽発光光の発光量におよそ比例して生じるものであり、これより、例えば、輝尽発光光の高発光量の部分に引き続いて低発光量の部分が存在する場合においては、高発光量の画素からの残光成分が低発光量の画素の信号成分として本来の信号成分に重畳されて読み取られる。このため高発光量の部分に引き続いて低発光量の部分が読み取られる場合に低発光量部分の信号差が小さくなり、相対的にコントラストが低下した画像として観察されるようになる。すなわち、画像信号のS/Nを劣化させる原因にもなる。
【0006】
上記のような輝尽発光残光の問題を解決する方法として、例えば、励起光の走査によって得られた画素単位の時系列信号に、その信号の微分値を加算することにより、記録媒体の輝尽発光光の応答特性(例えば、減衰特性)による画素単位の信号間の干渉を電気的に補正する方法が提案されている(特公平2-15154号参照))。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記特公平2-15154号にて提案されている方法は、輝尽発光光の応答特性を考慮して、数値演算により画素単位の信号間の干渉を補正するものであり多大な計算を必要とするという問題があり、さらに放射線画像の鮮鋭度の低下やコントラストの低下を解消し得るものの、残光成分を演算によって除去しているに過ぎず、画像信号としてはS/Nの劣化という問題を解消することはできない。
【0008】
本発明は上記の事情に鑑みてなされたものであり、上記のような輝尽発光残光の問題を、S/Nの劣化という問題をも含めて、簡易な方法で解消することができ、走査速度を高めたりしても高速且つ高精度で読み取りのできる放射線画像情報読取方法および装置を提供することを目的とするものである。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明にかかる放射線画像情報読取方法は、被写体の放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光記録媒体に励起光を照射して、該記録媒体から輝尽発光光を発光せしめ、前記記録媒体から発光される前記輝尽発光光を光電変換手段で読み取ることにより、前記被写体の画像情報を読み取る放射線画像情報読取方法であって、
前記記録媒体に蓄積記録された前記放射線画像情報の素抜け部から発光される前記輝尽発光光の光量が、前記光電変換手段の画像収録可能域の上限に対応する光量より大きくなるように、該光電変換手段の読取感度を設定し、
前記光電変換手段により前記素抜け部から発光される前記輝尽発光光を読み取った信号レベルが、該光電変換手段の読取信号域の上限より大きい範囲内で小さくなるように、前記励起光の照射エネルギを制御することを特徴とするものである。
【0010】
ここで「素抜け部」とあるのは、記録時において、放射線が被写体を透過せずに、前記記録媒体に直接爆射された部分をいう。また、「画像収録可能域」とあるのは、前記光電変換手段が信号として出力できる記録媒体から発光される所望とする輝尽発光光の光量の範囲を意味する。
【0011】
また、「励起光の照射エネルギを制御する」とあるのは、前記記録媒体が単位面積当たりに受ける励起光の有効エネルギを制御することを意味し、例えば、レーザ光源等の励起光光源より放射された励起光をその光路においてAOM(音響光学光変調器)等によって減衰させる方法、半導体レーザ等の場合に入力電圧を制御することによって光量を制御する方法或いはレーザ光の走査速度を速くする方法等が挙げられる。
【0012】
上記本発明にかかる放射線画像情報読取方法においては、前記被写体の画像情報の読み取りに先立って、前記記録媒体から発光される輝尽発光光の先読みを行い、該先読みにより得られた画像情報に基づいて前記読取感度を設定することが望ましい。
【0013】
ここで、「先読み」とあるのは、前記記録媒体から画像情報を読み取るいわゆる本読みに先立って、予め記録媒体に蓄積記録されている画像情報の概略を把握するもので、例えば、本読みの際の励起光よりも低レベルの励起光により記録媒体を照射(例えば、走査)し、この照射により記録媒体から発せられる輝尽発光光を読み取ることを意味する。この「先読み」は、この技術分野では周知の手法であり、多数の公報に記載がある(例えば、特開昭58-67241号,特開昭58-67243号,特開昭58-83937号等参照)
また、上記本発明にかかる放射線画像情報読取方法においては、前記被写体の複数の異なる撮影メニューに対応させて、複数の前記読取感度の感度レベルを予め登録し、
登録された複数の感度レベルの中から、読み取られる放射線画像情報の撮影メニューに対応する前記感度レベルを、前記読取感度として設定するようにしてもかまわない。
【0014】
ここで、「撮影メニュー」とあるのは、撮影部位や撮影方法を意味し、例えば、胸部撮影,頭部撮影,血管造影撮影等が挙げられる。
【0015】
一方、本発明にかかる放射線画像情報読取装置は、被写体の放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光記録媒体に励起光を照射して該記録媒体から輝尽発光光を発光せしめる励起光照射手段と、前記記録媒体から発光された前記輝尽発光光を読み取る光電変換手段とを備えた放射線画像情報読取装置であって、
前記記録媒体に蓄積記録された前記放射線画像情報の素抜け部から発光される前記輝尽発光光の光量が、前記光電変換手段の画像収録可能域の上限に対応する光量より大きくなるように、該光電変換手段の読取感度を設定する感度設定手段と、
前記光電変換手段で前記素抜け部から発光される前記輝尽発光光を読み取った信号レベルが該光電変換手段の読取信号域の上限より大きい範囲内で小さくなるように、前記励起光の照射エネルギを制御する照射エネルギ制御手段とを備えたことを特徴とするものである。
【0016】
上記本発明にかかる放射線画像情報読取装置においては、前記被写体の画像情報の読み取りに先立って、前記記録媒体から発光される輝尽発光光の先読みを行う先読み手段を備え、
前記感度設定手段が、該先読みにより得られた画像情報に基づいて前記読取感度を設定するものであることが望ましい。
【0017】
また、上記本発明にかかる放射線画像情報読取装置においては、前記被写体の複数の異なる撮影メニューに対応させて、複数の前記読取感度の感度レベルを予め登録しておく登録手段を備え、
前記感度設定手段が、登録された複数の感度レベルの中から、読み取られる放射線画像情報の撮影メニューに対応する前記感度レベルを、前記読取感度として設定するものとしてもかまわない。
【0018】
【発明の効果】
本発明にかかる放射線画像情報読取方法および装置によれば、放射線画像情報の素抜け部から発光される輝尽発光光の光量が、光電変換手段の画像収録可能域の上限に対応する光量より大きくなるように、光電変換手段の読取感度を設定して、光電変換手段により素抜け部から発光される輝尽発光光を検出した信号レベルが、光電変換手段の読取信号域の上限より大きい範囲内で小さくなるように、そして素抜け部以外は正常なレベルとなるように励起光の照射エネルギを制御するようにしているので、素抜け部以外から発光される輝尽発光光を正常レベルに保ったまま、素抜け部から発光する輝尽発光光による残光成分を低減することができ、また、残光成分そのものを低減させているから、残光成分に起因するノイズを少なくすることができ、読取信号のS/Nを改善することも可能となる。また、素抜け部以外は正常レベルの励起光とすることができるから、診断に際して必要とされる被写体部の画像情報は適正な品位でもって得ることができきる。
【0019】
また、本読みに先立って先読みを行い読取感度の設定をするようにすれば、より容易に読取条件の設定を行うことが可能となる。また、撮影メニューに応じて読取感度を自動的に設定するようにすることもでき、このようにすれば簡単に読取条件の設定を行うことができるようになる。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明にかかる放射線画像情報読取方法および装置の具体的な実施の形態について図面を参照して説明する。
【0021】
図1は本発明にかかる放射線画像情報読取装置の概略構成を示すブロック図である。本構成による放射線画像情報読取装置は、励起光(レーザ光A)をシート1上に走査させて照射する励起光照射手段10、レーザ光Aを受けてシート1から発せられる輝尽発光光Bを光電的に読み取り電気信号(画像信号)に変換する光電変換手段20、光電変換手段20により読み取られた画像信号V0に所定の画像信号処理を施す信号処理手段30、光電変換手段20の読取感度を設定する感度設定手段30、レーザ光Aのシート1への単位面積当たりの照射量(照射エネルギ)を制御する照射エネルギ制御手段40、先読み手段50、およびシート1を載置して図中矢印X0,X1に示すように矢印Yと垂直で且つ前後に搬送可能な搬送手段60とから構成されている。
【0022】
励起光照射手段10は、所定の波長のレーザ光Aを出射する半導体励起固体レーザのSHGレーザからなるレーザ光源11、この出射されたレーザ光Aを反射偏向する回転多面鏡12、この回転多面鏡12を回転駆動するモータ13、レーザ光Aを集光するfθレンズ14、集光されたレーザ光Aを反射して向きを変える反射光学系15からなる励起光照射手段とからなる。
【0023】
光電変換手段20は、レーザ光Aの照射によってシート1上に蓄積記録されている放射線画像情報に応じた光量で発光する輝尽発光光Bを集光する光ガイド22、集光された輝尽発光光Bを増幅して光電変換するフォトマル24とからなる。
【0024】
信号処理手段30は、対数増幅器32、A/D変換回路33、画像信号処理回路34とからなり、シート1上に蓄積記録された放射線画像情報が、光電変換手段20により読み取られて、該信号処理手段30において所定の信号処理が成された後、可視画像として表示装置(図示せず)に表示されたり、或いはデジタルデータとして記憶装置(図示せず)に記憶され後の処理に供される。
【0025】
照射エネルギ制御手段40は、対数増幅器32の出力信号V1を監視するモニタ回路42、励起系制御回路44、レーザ光源11から出射されたレーザ光Aを強度変調するAOM(音響光学光変調器)46とからなる。
【0026】
次に本実施の形態の放射線画像情報読取装置の作用について説明する。図示しない放射線画像情報記録装置等によって放射線画像情報が蓄積記録されたシート1は、搬送手段60に載置されて図中矢印X0方向に搬送され、励起光照射手段10、光電変換手段20からなる読取部に搬入される。読取部においては、レーザ光源11より出射したレーザ光Aは光路上に配されたAOM46を通過し、モータ13により高速回転駆動される回転多面鏡12により所定の方向に偏向され、この偏向されたレーザ光Aはfθレンズ14により集光され、さらに反射光学系15により反射されてシート1を照射する。このとき回転多面鏡12の矢印K方向への回転により、レーザ光Aはシート1を矢印Y方向に主走査し、シート1は、この主走査と搬送手段60の矢印X方向への移動(副走査)とが組み合わされて、均一にレーザ光Aを照射される。
【0027】
レーザ光Aが照射されたシート1の表面からは、蓄積記録された放射線画像情報に応じた輝尽発光光Bが発光し、この輝尽発光光Bはシート1の上面に配された光ガイド22によって集光されて、光電変換手段24により光電変換されることによって、シート1に記録された画像情報を担持する画像信号V0が読み取られる。
【0028】
次に、当該放射線画像情報読取装置の読取条件を決定する方法について説明する。なお、読取条件とは、光電変換手段20により読み取られた輝尽発光光Bの画像情報範囲の最大輝尽発光光量S1および最小輝尽発光光量S2が、夫々可視画像として適正な濃度範囲で表示されるように、信号処理手段30における入力信号範囲の最大信号レベルQ1および最小信号レベルQ2に対応するように、読み取りにおける輝尽発光光Bの光量と当該放射線画像情報読取装置の出力との関係に影響を与える各種条件、例えば、入出力の関係を定める読取感度、スケールファクタ、或いは読み取りにおける励起光の照射エネルギ等を意味する。
【0029】
本構成例では、通常の画像情報の読み取り(本読み)に先だって、本読みにおいて用いられるレーザ光Aよりも低いエネルギのレーザ光Aをシート1に照射して、放射線画像情報を読み取る先読みを行い、この先読みにより得られた画像情報に基づいて後述のような解析を行って本読みにおける読取条件を決定する。以下、この方法について説明する。
【0030】
先読みのための励起光照射手段や搬送手段は、本構成例においては特に専用で設けておらず、以下のようにレーザ光Aの照射エネルギを低下させる点を除いては、本読みと略同様の読み取りを行うことによって、この先読みが行われる。まず、AOM46によりレーザ光源11から出射されたレーザ光Aを強度変調することにより、レーザ光Aのシート1への照射強度を弱めて、レーザ光Aのシート1を照射する単位面積当たりの照射エネルギを本読みのときよりも減衰させる。このような状態で、上述のようにシート1上をレーザ光で走査し、これにより発せられる輝尽発光光Bを光電変換手段20で読み取って、この先読みにより得られた画像信号V0を対数増幅回路32により対数化する。対数化された画像信号V1はA/D変換器33によりデジタル化された画像信号V2に変換され、この画像信号V2は先読み手段50に送られる。なお、本構成例のように先読みに際して本読みと同様の手段を用いることなく、先読みのための励起光照射手段や搬送手段先読み手段を本読み用のそれらとは別個に専用に設ける構成をとることができることは勿論である(例えば、特開平4−1745号参照)。また、レーザ光Aのシート1を照射する単位面積当たりの照射エネルギを本読みのときよりも減衰させる方法として、本構成例ではレーザ光Aのシート1への照射強度を弱める方法を採っているが、必ずしもこのようなものに限らず、本読みに先立って予めシート1に蓄積記録されている画像情報の概略を把握し、これに基づいて後述のような読取条件を決定し得るものである限りいかなる方法を用いてもかまわない。
【0031】
図2は先読みにより得られた画像情報に基づいて、先読み手段50において、本読みにおける光電変換手段20の読取条件(特に、読取感度)を決定する例を示したものである。先読みにより得られた画像信号V2は、画素毎の画像信号の強度のヒストグラム(すなわち輝尽発光光量のヒストグラム)を作成するヒストグラム作成手段54に送られる。ヒストグラム作成手段54において作成されたヒストグラムはヒストグラム解析手段56に送られて解析される。図3(A)は胸部撮影の場合のヒストグラムのパターンを表したものであり、このうち、例えばFは縦隔部、Gは心臓部、Hは肺野部、Iは皮膚および軟部、Jは被写体外(すなわち素抜け部)であることを知ることができ、このようにヒストグラムを解析することにより、シート全体に蓄積された蓄積エネルギの概要、すなわち所望画像情報範囲(例えば縦隔部から軟部まで)である最大輝尽発光光量S1および最小輝尽発光光量S2を求めることができ、これに基づいて以下のようにして光電変換手段20の読取感度が設定される。なお、図3(B)はヒストグラム作成手段54において作成されたヒストグラムを、輝尽発光光Bの光量と光電変換手段20の出力値との関係を示す図上に表したものである。この図3(B)において、横軸はシート1の輝尽発光光Bの光量を示し、縦軸は光電変換手段20の出力値をデジタル値(つまり、A/D変換回路33の出力信号V2)で示したものである。
【0032】
このようにして、先読みにより輝尽発光光量のヒストグラムを作成し、ヒストグラムから所望画像情報範囲の最大輝尽発光光量S1および最小輝尽発光光量S2を求め、S1,S2が夫々適正な出力画像となるようにS1,S2に対応して信号処理手段30の入力信号範囲(すなわち光電変換手段20の出力信号範囲)であるQ1,Q2を決定する。
【0033】
所望とする輝尽発光光量の範囲の大きさ(S1−S2)に応じて、求められたS1,S2およびQ1,Q2から表されるスケールファクタを変化させることによって、常時信号処理手段30への入力信号レベルの範囲の大きさを所望入力信号レベルの大きさ(Q1−Q2)に一致させることができる。次に、常時入力信号レベルの範囲の位置を所望入力信号レベルの範囲の位置に一致するように読取感度を変化させる。
【0034】
本構成例では、光電変換手段20で読み取られた画像信号V0を対数増幅器32で対数化し、この対数化された画像信号V1をA/D変換回路33で10ビット分(デジタル値0から1023)のデジタル信号V2とする。そこで、光電変換手段20が画像信号として出力できるシート1から発光される輝尽発光光Bの光量の範囲の大きさ(S1−S2)を、この10ビット分のデジタル信号V2にと対応するように、かつ、シート1に蓄積記録された放射線画像情報の素抜け部(図3(A)のJ部)から発光される輝尽発光光Bの光量(図3(B)のS3)が、光電変換手段20の画像収録可能域(本例では、デジタル値0から1023を与え得る輝尽発光光量の範囲)Lの上限に対応する光量より大きくなるように読取感度を設定する。読取感度は光電変換手段20の高圧電圧HVを変化させることによって調整することができる。そこで、上記のようにして求められたヒストグラム解析に基づく制御信号V3を求め、この制御信号V3を感度設定手段30に送り、光電変換手段20に印加される高圧電圧HVを変更することによって、光電変換手段20の読取感度を設定する。
【0035】
なお、このような先読みにおいて後述の本読みにおける素抜け部以外の画像領域を走査しているとき(以下「定常状態」と称する。)のレーザ光Aの照射量P0を予め求めておくこともできる。
【0036】
次に図4を参照して、本読みにおいてレーザ光Aのシート1への照射量を制御する方法について説明する。まず、上記のようにして読取感度が設定されたら、本読みを行うに先だって、搬送手段60の搬送方向を逆転させて(図1のX1方向)、シート1を元の位置(先読みを行う前の位置)に戻しておく。最初は、レーザ光Bの照射量を本読みにおける定常状態の値P0に設定しておく。この値P0は、上述のように先読みよって求められたヒストグラムを解析することにより求めることもできるし、撮影メニューに対応させて所定の値を設定することもできる。このような状態で、上述のようにしてレーザ光Aをシート1上に走査させ、シート1に蓄積記録されている放射線画像情報を光電変換手段20で読み取る。
【0037】
図4(A)はシート1上に蓄積記録されている被写体像K0を示したものであり、K1が素抜け部である。また、図4(B)はレーザ光Aが図4(A)の破線部分を走査したときにシート1から発せられる輝尽発光光Bの光量値の変化を示すものであり、図4(C)はシート1上に照射されるレーザ光Aの単位面積当たりの照射量、すなわちレーザ光Aの照射エネルギの変化を示すものであり、図4(D)は光電変換手段20で読み取られた画像信号(本構成では、対数増幅器32の出力V1)の変化を示したものである。また、図4(E)はこの画像信号V1をA/D変換回路33でデジタル化した値V2の変化を示したものである。なお、図4(B)〜(E) において実線で示されているのは、本願発明にかかる励起光制御、すなわちレーザ光Bのシート1への照射量を制御するということを行わない場合の特性を示している。
【0038】
モニタ回路42により対数増幅器32の出力信号V1を監視し、モニタ回路42の出力に基づいて素抜け部K1から発光される輝尽発光光Bの光量を検出した出力信号レベルが、光電変換手段20の読取信号域の上限より大きい範囲内でできるだけ小さくなるように、励起系制御回路44によってAOM46を制御してレーザ光Aの光量を減衰させる。このようにして、AOM46を通過したレーザ光Aの光量を変化させる(減衰させる)ことによって、レーザ光Aのシート1に照射される単位面積当たりの照射量、すなわちシート1上のレーザ光Aの励起エネルギを低下させることができる。上述のように、輝尽発光光の発光量はシート1の単位面積当たりの励起光(レーザ光A)のエネルギ量によって変化するから、モニタ回路42で画像信号V1を監視することにより、素抜け部K1において輝尽発光光Bの光量が多いということを励起系制御回路44が判断したら、AOM46を通過したレーザ光Aの光量を減衰させることによって、素抜け部K1から発せられる輝尽発光光の光量を低下させることができる。このような走査を繰り返すことによって、素抜け部K1から発せられる輝尽発光光の光量は急速に低下する。上述のように、輝尽発光光の光量が少なければ少ないほど輝尽発光残光も少なくなるので、従来問題となっていた輝尽発光残光の問題から解消され、高速且つ正確な読み取りを実現することができるようになる。また、励起光(レーザ光A)を減衰させて輝尽発光残光そのものの発生を防止しているので、S/Nの改善をも成し得るようになる。上記のように励起光の制御を行ったときの輝尽発光光Bの光量の変化等を図4(B)〜4(E)では破線で示す。
【0039】
一方、素抜け部以外の所K0においては、レーザ光Aの照射エネルギは定常状態の値P0とすることにより、診断に際して必要とされる画像情報としては適正な信号レベルで画像信号V1等を得ることができるから、適正な階調でもって可視画像として表示装置に表示させることができる。
【0040】
上記説明は、励起光(レーザ光A)のエネルギ量を制御するに際して、シート1に照射される光量をAOM46によって減衰させる方法について説明したが、必ずしもこれに限るものではなく、レーザ光源11として可視半導体レーザを使用し、該可視半導体レーザより発せられるレーザ光Aの発光強度を直接に強度変調するように構成することもでき、さらに、搬送手段60により搬送速度を変える、或いはレーザ光Aの走査速度を変える等、励起光のシート1に対する相対的な速度を変えるという方法を用いることもできる。
【0041】
また、上記説明は光電変換手段20の読取感度を設定するに際して、本読みに先立って先読みを行う方法について説明したが、必ずしも先読みを行うものである必要はない。例えば、被写体が胸部であるとか、心臓部であるとかいった、被写体の撮影メニューによって読み取りに際しての望ましい読取感度のレベルが予め判るので、これら被写体の複数の異なる撮影メニューに対応させて、複数の読取感度の感度レベルを予め登録しておき、登録された複数の感度レベルの中から、読み取られる放射線画像情報の撮影メニューに対応する感度レベルをもって、読取感度として設定するようにしてもよい。
【0042】
なお、読み取りの終了したシートの残留エネルギーを消去するに際して、読取信号のレベルに対して所定の信号処理を行って、消去エネルギの算出を行うことがあるが、このような場合に本願発明を適用すると、素抜け部の信号レベルが低下して読み取られるため、従来の算出方法をそのまま用いたのでは、正しい消去エネルギのレベルを算出できない恐れがある。一方、本願発明のように励起光のエネルギ量を制御することにより、素抜け部K1から発光される輝尽発光光は、光電変換手段20の読取信号域の上限より大きい範囲内でできるだけ小さくなるように制御されるから、むしろ素抜け部の読取信号レベルが大きくて光電変換手段の読み取りの線形範囲を越えるという問題から解消されるようになり、正しい信号レベルを認識できなくなるという問題がなくなる。そのため、励起光をどれだけ減衰させたかという情報を、消去エネルギを算出する際に参照することによって、従来より精度のよい消去エネルギの算出を行うことも可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる放射線画像情報読取装置の概略ブロック図
【図2】上記放射線画像情報読取装置の先読み手段の作用について説明する図
【図3】輝尽発光光の光量と光電変換手段で読み取った信号との関係を表す図
【図4】励起光のエネルギの制御方法を説明する図
【符号の説明】
10 励起光照射手段
20 光電変換手段
30 信号処理手段
40 照射エネルギ制御手段
50 先読み手段
Claims (6)
- 被写体の放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光記録媒体に励起光を照射して、該記録媒体から輝尽発光光を発光せしめ、前記記録媒体から発光される前記輝尽発光光を光電変換手段で読み取ることにより、前記被写体の画像情報を読み取る放射線画像情報読取方法において、
前記記録媒体に蓄積記録された前記放射線画像情報の素抜け部から発光される前記輝尽発光光の光量が、前記光電変換手段の画像収録可能域の上限に対応する光量より大きくなるように、該光電変換手段の読取感度を設定し、
前記光電変換手段により前記素抜け部から発光される前記輝尽発光光を読み取った信号レベルが、該光電変換手段の読取信号域の上限より大きい範囲内で小さくなるように、前記励起光の照射エネルギを制御することを特徴とする放射線画像情報読取方法。 - 前記被写体の画像情報の読み取りに先立って、前記記録媒体から発光される輝尽発光光の先読みを行い、該先読みにより得られた画像情報に基づいて前記読取感度を設定することを特徴とする請求項1記載の放射線画像情報読取方法。
- 前記被写体の複数の異なる撮影メニューに対応させて、複数の前記読取感度の感度レベルを予め登録し、
登録された複数の感度レベルの中から、読み取られる放射線画像情報の撮影メニューに対応する前記感度レベルを、前記読取感度として設定することを特徴とする請求項1記載の放射線画像情報読取方法。 - 被写体の放射線画像情報が蓄積記録された蓄積性蛍光記録媒体に励起光を照射して該記録媒体から輝尽発光光を発光せしめる励起光照射手段と、前記記録媒体から発光された前記輝尽発光光を読み取る光電変換手段とを備えた放射線画像情報読取装置において、
前記記録媒体に蓄積記録された前記放射線画像情報の素抜け部から発光される前記輝尽発光光の光量が、前記光電変換手段の画像収録可能域の上限に対応する光量より大きくなるように、該光電変換手段の読取感度を設定する感度設定手段と、
前記光電変換手段で前記素抜け部から発光される前記輝尽発光光を読み取った信号レベルが該光電変換手段の読取信号域の上限より大きい範囲内で小さくなるように、前記励起光の照射エネルギを制御する照射エネルギ制御手段とを備えたことを特徴とする放射線画像情報読取装置。 - 前記被写体の画像情報の読み取りに先立って、前記記録媒体から発光される輝尽発光光の先読みを行う先読み手段を備え、
前記感度設定手段が、該先読みにより得られた画像情報に基づいて前記読取感度を設定するものであることを特徴とする請求項4記載の放射線画像情報読取装置。 - 前記被写体の複数の異なる撮影メニューに対応させて、複数の前記読取感度の感度レベルを予め登録しておく登録手段を備え、
前記感度設定手段が、登録された複数の感度レベルの中から、読み取られる放射線画像情報の撮影メニューに対応する前記感度レベルを、前記読取感度として設定するものであることを特徴とする請求項4記載の放射線画像情報読取装置。
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