JP2001051202A - 走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法及びコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体 - Google Patents

走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法及びコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体

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JP2001051202A
JP2001051202A JP2000163479A JP2000163479A JP2001051202A JP 2001051202 A JP2001051202 A JP 2001051202A JP 2000163479 A JP2000163479 A JP 2000163479A JP 2000163479 A JP2000163479 A JP 2000163479A JP 2001051202 A JP2001051202 A JP 2001051202A
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JP2000163479A
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Kotaro Shimizu
光太朗 清水
Yasutada Miura
靖忠 三浦
Hidekazu Yokoyama
秀和 横山
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Olympus Corp
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Olympus Optical Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】本発明は、測定パラメータを決定するまでに必
要な走査回数を最小限に抑えて標本に与えるダメージを
小さくし、かつ測定パラメータの決定操作を容易にして
操作者の負担を軽減し、確実に最適な測定パラメータを
決定する。 【解決手段】測定パラメータを初期設定したときに取得
される標本画像データからダイナミックレンジDiffを
算出し、標本画像データの最大輝度値ImaxがA/D変
換での変換可能な最大値ADmaxを超えず、かつダイナ
ミックレンジDiffが予め設定されたダイナミックレン
ジの範囲(Diffmin<Diff、Diff≦Diffmax)内にな
る条件を満足するようにフォトマルチプライヤ3への印
加電圧HV及びオフセット演算部4のオフセット値Off
setを算出し直し、この条件を満足するダイナミックレ
ンジに基づいてフォトマルチプライヤ3への印加電圧H
V及びオフセット演算部4のオフセット値Offsetを算
出し、決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、レーザ光を標本に
走査したときの標本からの反射光、蛍光又は透過光を受
光素子で受光して標本画像データを得る走査型顕微鏡に
係わり、標本画像の明るさ等を最適化するために受光素
子の印加電圧やこの受光素子から出力されるアナログ電
気信号のゲイン、オフセットなどの測定パラメータを決
定する走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法、及びこ
の測定パラメータ決定方法のプログラムを記憶したコン
ピュータにより読み取り可能な記憶媒体に関する。
【0002】
【従来の技術】現在、走査型顕微鏡には、生物標本を観
察等するために使用する生物用レーザ走査型顕微鏡や半
導体ウエハ検査等に使用する工業用レーザ走査型顕微鏡
等がある。いずれの走査型顕微鏡においても持っている
能力を最大限に引き出すために受光感度やゲイン、オフ
セットなどの各種測定パラメータを標本の状態に合わせ
て最適に調整しなければならない。
【0003】このうち工業用レーザ走査型顕微鏡では、
次のように測定パラメータを決定している。先ず、標本
像を撮像する受光素子へ通じる光路上にシャッタを設
け、このシャッタを閉じて光を遮断した状態で、受光素
子の出力信号に対するオフセットを決める。
【0004】次に、シャッタを開放し、標本像を1枚撮
像して受光素子から出力される画像信号を取り込み、こ
の画像信号から標本像中の最大輝度値と最小輝度値とを
求め、これら最大輝度値と最小輝度値との差であるダイ
ナミックレンジを求める。
【0005】次に、このダイナミックレンジが最適にな
るように測定パラメータを変更、例えばゲイン及びND
フィルタのフィルタ値を1段階上げ、再び、標本像を1
枚撮像して受光素子の出力信号から標本像中の最大輝度
値と最小輝度値とを求め、これら最大輝度値と最小輝度
値との差であるダイナミックレンジを求める。
【0006】そして、以上のような標本像の取込みと測
定パラメータの変更とをダイナミックレンジが工業用レ
ーザ走査型顕微鏡の入力有効範囲の最大となるまで繰り
返される。
【0007】一方、生物用レーザ走査型顕微鏡において
も、上記工業用レーザ走査型顕微鏡での測定パラメータ
の決定と同様にして、測定パラメータの決定が行われ
る。
【0008】又、測定パラメータの決定方法としては、
例えば特開平9−236750号公報に記載されている
ように、以下のステップ(a)〜(e)を含む技術がある。す
なわち、(a)受光素子の出力を複数段で設定できるよう
に入力制御量を求めるステップ、(b)受光素子にステッ
プ(a)で求めた入力制御量を設定して標本画像データを
取り込むステップ、(c)標本画像データの最大値が所定
条件を満たすまで入力制御量を変えてステップ(b)を繰
り返しダイナミックレンジを求めるに適した入力制御量
を選択するステップ、(d)選択した入力制御量を受光素
子に設定して出力電流のダイナミックレンジを測定する
ステップ、(e)A/D変換手段でディジタル変換可能な
最大値とステップ(d)で求めたダイナミックレンジとか
らオフセット及びゲインを決定するステップである。
【0009】これらステップ(a)〜(e)により、標本に対
するレーザ光の走査回数を、受光素子に設定する印加電
圧決定のために所定回数だけにすることで、標本に与え
るダメージを小さくすると共に、測定パラメータの決定
操作を容易にすることができる。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記技
術では、受光素子のゲインを決定するための印加電圧の
設定範囲が予め複数段に限定され、これら複数段の印加
電圧を1段づつ変更を繰り返して受光素子のダイナミッ
クレンジが最適になるようにしている。
【0011】このため、受光素子のゲインが複数段に離
散的にしか設定できず、ゲインを高精度に設定すること
ができない。又、最適なダイナミックレンジになるまで
印加電圧の設定を繰り返すので、測定パラメータの決定
に時間がかかる。
【0012】特に生物用レーザ走査型顕微鏡では、生物
標本を蛍光観察等する場合、標本に対するレーザ照射時
間が長くなると、標本に与えるダメージが大きくたるた
めに、レーザ照射時間すなわち測定回数をできるだけ少
なくすることが望ましい。
【0013】しかしながら、ゲイン等の測定パラメータ
を設定するために標本に対してレーザ光を繰り返し走査
するので、標本に対するレーザ照射時間が長くなり、標
本に与えるダメージが大きくなるおそれがある。
【0014】そこで本発明は、測定パラメータを決定す
るまでに必要な走査回数を最小限に抑えて標本に与える
ダメージを小さくし、かつ測定パラメータの決定操作を
容易にし、確実に最適な測定パラメータを決定できる走
査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法を提供することを
目的とする。
【0015】又、本発明は、測定パラメータを決定する
までに必要な走査回数を最小限に抑えて標本に与えるダ
メージを小さくし、かつ測定パラメータの決定操作を容
易にし、確実に最適な測定パラメータを決定できるため
のプログラムを記憶したコンピュータにより読み取り可
能な記憶媒体を提供することを目的とする。
【0016】
【課題を解決するための手段】請求項1記載による本発
明は、レーザ光を標本に走査したときの前記標本からの
光を光電変換し、この電気信号に対して測定パラメータ
による調整を行った後にA/D変換して標本画像データ
を得る走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法におい
て、前記測定パラメータを初期設定したときに取得され
る前記標本画像データからダイナミックレンジを算出
し、前記標本画像データの最大輝度値が前記A/D変換
での変換可能な最大値を超えず、かつ前記ダイナミック
レンジが予め設定されたダイナミックレンジの範囲内に
なる条件を満足するように前記測定パラメータを算出し
直し、この条件を満足するダイナミックレンジに基づい
て前記測定パラメータを算出し、決定することを特徴と
する走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法である。
【0017】請求項2記載による本発明は、レーザ光を
標本に走査し、前記標本からの光を受光素子で受光し、
この受光素子から出力されるアナログ電気信号に対して
測定パラメータによる調整を行った後にディジタル変換
して標本画像データを得る走査型顕微鏡の測定パラメー
タ決定方法において、前記測定パラメータを初期設定し
たときに、前記標本に前記レーザ光を仮走査したときの
前記標本画像データを取得するステップと、このステッ
プで取得した前記標本画像データの最大輝度値と最小輝
度値とからダイナミックレンジを算出するステップと、
前記標本画像データの最大輝度値が前記ディジタル変換
での変換可能な最大値を超えていれば、前記ダイナミッ
クレンジを数倍と仮定して前記測定パラメータを算出し
直し、再び前記標本画像データを取得するステップと、
前記ダイナミックレンジが予め設定されたダイナミック
レンジの最大値と最小値との範囲内にあるかを判断し、
この判断の結果、前記ダイナミックレンジが前記範囲外
であれば、現在のダイナミックレンジに基づいて再度前
記測定パラメータを算出し直して再び前記標本画像デー
タを取得するステップと、前記標本画像データの最大輝
度値が前記ディジタル変換での変換可能な最大値を超え
ないで、かつ前記ダイナミックレンジが前記範囲内にあ
れば、このときのダイナミックレンジに基づいて前記測
定パラメータを算出して決定するステップと、を有する
ことを特徴とする走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方
法である。
【0018】請求項3記載による本発明は、請求項2記
載の走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法において、
前記測定パラメータは、前記標本画像データから算出し
たダイナミックレンジをDiff、予め決められたダイナ
ミックレンジの最大値をDiff max、前記受光素子への印
加電圧をHV、前記標本画像データの最小輝度値をIm
in、前記ディジタル変換を行うA/D変換器でA/D変
換される最低輝度値をADmin、前記受光素子の受光感
度をG、定数をα、nとすると、 G=Diffmax/Diff となり、新たに設定すべき前記受光素子への印加電圧H
及び前記受光素子のオフセットOffsetは、現時点
での印加電圧をHVとすると、 HV=HV・G(1/αn) Offset=G・Imin−ADmin として算出されることを特徴とする。
【0019】請求項4記載による本発明は、請求項1又
は2記載の走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法にお
いて、算出し、決定された前記測定パラメータに基づい
て再び前記標本に前記レーザ光を仮走査して前記標本画
像データを再取得するステップと、この再取得された前
記標本画像データから前記測定パラメータの妥当性を判
断するステップと、この判断の結果、前記測定パラメー
タが妥当でなかった場合、この測定パラメータと妥当で
なかった前記測定パラメータが算出・設定される直前に
設定されていた測定パラメータとの間から最適な測定パ
ラメータを探索するステップと、を有することを特徴と
する。
【0020】請求項5記載による本発明は、請求項1又
は2記載の走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法にお
いて、前記測定パラメータの妥当性は、再取得された前
記標本画像データの最大輝度値が前記A/D変換での変
換可能な最大値を超えているか又は超えていないかによ
り判断し、かつ最適な前記測定パラメータの探索は、妥
当でなかった前記測定パラメータと妥当でなかった前記
測定パラメータが算出・設定される直前に設定されてい
た測定パラメータとの間を2分探索法により探索し決定
する、ことを特徴とする。
【0021】請求項6記載による本発明は、請求項4記
載の走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法において、
前記2分探索法による前記測定パラメータの探索、決定
は、妥当でなかった前記測定パラメータを探索範囲の上
限とすると共に、妥当でなかった前記測定パラメータが
算出・設定される直前に設定されていた測定パラメータ
を前記探索範囲の下限値とするステップと、前記探索範
囲の前記上限値と前記下限値との平均値を求めて測定パ
ラメータとして設定するステップと、この測定パラメー
タに基づいて前記標本に前記レーザ光を仮走査して前記
標本画像データを取得するステップと、この取得された
標本画像データの最大輝度値が前記A/D変換での変換
可能な最大値を超えているか又は超えていないかを判断
するステップと、前記標本画像データの前記最大輝度値
が前記A/D変換での変換可能な最大値を超えている場
合、現在の前記測定パラメータを前記探索範囲の前記上
限値とするステップと、前記標本画像データの前記最大
輝度値が前記A/D変換での変換可能な最大値を超えて
いない場合、現在の前記測定パラメータを前記探索範囲
の前記下限値とするステップと、前記探索範囲の前記上
限値と前記下限値との差が予め設定された収束条件値内
に収束したか否かを判断するステップと、この収束した
か否かの判断の結果、収束していれば、前記探察範囲の
下限値を最適な前記測定パラメータとして設定し、収束
していなければ、前記探索範囲の前記上限値と前記下限
値との平均値を前記測定パラメータとして設定するステ
ップに戻すステップと、を有することを特徴とする。
【0022】請求項7記載による本発明は、レーザ光を
標本に走査したときの前記標本からの光を光電変換し、
この電気信号に対して測定パラメータによる調整を行っ
た後にA/D変換して標本画像データを得る走査型顕微
鏡に対し、前記測定パラメータを初期設定したときに取
得される前記標本画像データからダイナミックレンジを
算出させ、前記標本画像データの最大輝度値が前記A/
D変換での変換可能な最大値を超えず、かつ前記ダイナ
ミックレンジが予め設定されたダイナミックレンジの範
囲内になる条件を満足するように前記測定パラメータを
算出し直させ、この条件を満足するダイナミックレンジ
に基づいて前記測定パラメータを算出させ、決定させる
プログラムを記憶したことを特徴とするコンピュータに
より読み取り可能な記憶媒体である。
【0023】請求項8記載による本発明は、請求項7記
載のコンピュータにより読み取り可能な記憶媒体におい
て、算出させ、決定させた前記測定パラメータに基づい
て再び前記標本に前記レーザ光を仮走査させて前記標本
画像データを再取得させ、この再取得させた前記標本画
像データから前記測定パラメータの妥当性を判断させ、
この判断の結果、前記測定パラメータが妥当でなかった
場合、この測定パラメータと妥当でなかった前記測定パ
ラメータが算出・設定される直前に設定されていた測定
パラメータとの間から最適な測定パラメータを探索させ
ることを特徴とする。
【0024】
【発明の実施の形態】(1)以下、本発明の第1の実施
の形態について図面を参照して説明する。
【0025】図1はレーザ走査型顕微鏡のシステム構成
図である。このレーザ走査型顕微鏡は、レーザ装置から
なる光源1から出力されたレーザ光を走査光学系2に入
射し、この走査光学系2を通過するレーザ光を所定方向
に走査しながら対物レンズを通して標本に照射する。
【0026】この標本からの反射光、蛍光又は透過光
は、受光素子3で受光されてアナログ電気信号に変化さ
れる。この後、このアナログ電気信号は、オフセット演
算部4に入力され、このオフセット演算部4に設定され
ているオフセットが加えられる。
【0027】次に、オフセット演算部4から出力された
アナログ電気信号は、アナログ増幅器5に入力され、こ
のアナログ増幅器5に設定されているゲインで調整さ
れ、この後にA/D変換器6でディジタル電気信号に変
換されてシステム制御用計算機7に送られる。
【0028】このシステム制御用計算機7は、A/D変
換器6からのディジタル電気信号を取り込み、このディ
ジタル電気信号を処理して標本画像データを画像として
表示するとともに、標本画像データに対して必要な解析
処理を行う機能を有している。
【0029】又、システム制御用計算機7は、走査光学
系2、受光素子3、オフセット演算部4、アナログ増幅
器5及びA/D変換器6をそれぞれ制御し、これらに測
定パラメータを設定する機能を有している。
【0030】図2はシステム制御用計算機7の具体的な
機能ブロック図である。このシステム制御用計算機7
は、演算処理部7aから発せられる指令によりデバイス
I/O部7b、入出力装置7c及び記憶媒体7dが作動
するものとなっている。デバイスI/O部7bは、演算
処理部7aにより走査光学系2、受光素子3、オフセッ
ト演算部4、アナログ増幅器5及びA/D変換器6の動
作をそれぞれ制御し、かつA/D変換器6からのディジ
タル電気信号を取り込むための機能を有している。
【0031】入出力装置7cは、モニター等からなるも
ので、A/D変換器6からデバイスI/O部7bを介し
て取り込んだディジタル電気信号を演算処理分7aが処
理し、構築した標本画像データを画像として表示する機
能を有している。
【0032】記憶媒体7dは、コンピュータにより読み
取り可能、すなわち演算処理部7aにより読み取り可能
なもので、レーザ走査型顕微鏡における受光感度やゲイ
ン、オフセットなどの各種測定パラメータを初期設定し
たときに取得される標本画像データからダイナミックレ
ンジを算出させ、標本画像データの最大輝度値がA/D
変換器6での変換可能な最大値を超えず、かつダイナミ
ックレンジが予め設定されたダイナミックレンジの範囲
内になる条件を満足するように測定パラメータを算出し
直させ、この条件を満足するダイナミックレンジに基づ
いて測定パラメータを算出させ、決定させるプログラム
が記憶されている。又、このようなプログラムは、コン
ピュータに接続可能なネットワーク等通信媒体を介して
遠隔地にあるサーバコンピュータからダウンロードして
実行することも可能である。
【0033】演算処理部7aは、記憶媒体7dに記憶さ
れているプログラムを実行し、上記の如く走査光学系
2、受光素子3、オフセット演算部4、アナログ増幅器
5及びA/D変換器6をそれぞれ制御し、これらに測定
パラメータを設定する機能を有している。
【0034】受光素子3は、システム制御用計算機7か
ら与えられる測定パラメータとしての受光感度の調整の
ための印加電圧の設定によってその出力電流が制御され
るものとなる。
【0035】オフセット演算部4は、システム制御用計
算機7から与えられる測定パラメータとしてのオフセッ
ト設定値によってアナログ電気信号に対して加算/減算
するオフセット量を変化させるものとなる。
【0036】アナログ増幅器5は、システム制御用計算
機7から与えられる測定パラメータとしてのゲイン設定
値によって入力されるアナログ電気信号に対する増幅率
を変化させるものとなっている。
【0037】次に、以上のようなレーザ走査型顕微鏡に
おいて、アナログ増幅器5のゲイン設定値を1倍とし、
ゲイン量の調整を受光素子3の受光感度で調整する場合
のシステム構成は、図3に示す通りとなる。なお、受光
素子3の受光感度は、受光素子3への印加電圧にて調整
し得る。
【0038】そこで、かかるシステム構成でのフォトマ
ルチプライヤ3の印加電圧、オフセット演算部4のオフ
セット値の各測定パラメータの決定方法について図4及
び図5に示す測定パラメータ決定フローチャートに従っ
て説明する。なお、受光素子3は、以下、フォトマルチ
プライヤ3として説明する。
【0039】なお、システム制御用計算機7は、演算処
理部7aにより記憶媒体7dに記憶されているプログラ
ムを実行してフォトマルチプライヤ3の印加電圧、オフ
セット演算部4のオフセット値の各測定パラメータを決
定するが、以下では、説明が煩雑となるのを避けるため
にシステム制御用計算機7の処理として説明する。
【0040】ここで、例えば、A/D変換器6の分解能
を12ビットとすれば、4096段階の精度でダイナミ
ックレンジを測ることができる。このダイナミックレン
ジを精度高くかつノイズの影響を避けて測れるようにす
るためには、フォトマルチプライヤ3の出力電流から得
られる標本画像データの最大輝度値Imaxをできる限り
A/D変換器6でA/D変換可能な最大値ADmaxに近
付け、かつこの最大値ADmaxを超えないようなフォト
マルチプライヤ3への印加電圧値HVを設定する必要が
ある。
【0041】このために、先ず、システム制御用計算機
7は、ステップS1において、フォトマルチプライヤ3
に対して印加電圧値HVを、標本の状態に適するであろ
うと思われる値を初期値HVinitとして設定する。この
初期値HVinitが分からない場合には、フォトマルチプ
ライヤ3に印加できる電圧範囲で受光感度が中間レベル
となるような印加電圧値を設定する。
【0042】これと共にシステム制御用計算機7は、同
ステップS1において、オフセット演算部4のオフセッ
ト値Offsetを「0」に初期設定する。但し、ここでの
オフセット値は、フォトマルチプライヤ3の暗電流分を
差し引いた後の値とする。
【0043】次に、システム制御用計算機7は、ステッ
プS2において、光源1を動作させると共に走査光学系
2を駆動し、レーザ光を標本に仮走査して標本画像デー
タを取得する。すなわち、光源1からレーザ光が出力さ
れると、このレーザ光は、走査光学系2により所定方向
に走査されながら対物レンズを通して標本に照射され
る。この標本からの反射光、蛍光又は透過光は、フォト
マルチプライヤ3で受光されて初期設定された受光感度
でアナログ電気信号に変化され、この後、オフセット演
算部4により初期設定されたオフセット値「0」が加え
られ、A/D変換器6によりディジタル電気信号に変換
されてシステム制御用計算機7に送られる。このシステ
ム制御用計算機7は、A/D変換器6からのディジタル
電気信号を取り込み、このディジタル電気信号を処理し
て標本画像データを取得する。
【0044】次に、システム制御用計算機7は、ステッ
プS3において、取得した標本画像データから最小輝度
値Iminと最大輝度値Imaxとを求め、最大輝度値Imax
から最小輝度値Iminを差し引くことで標本画像データ
のダイナミックレンジDiffを算出する。なお、このス
テップS3の処理は、上記ステップS2の処理中に、標
本に対してレーザ光を走査しながら行ってもよい。
【0045】次に、システム制御用計算機7は、ステッ
プS4において、上記ステップS3で算出した標本画像
データの最大輝度値ImaxとA/D変換器6でA/D変
換可能な最大値ADmax(例えばADmax=4095)と
を比較し、最大輝度値ImaxがA/D変換可能な最大値
ADmaxを超えているか又は等しいか否かを判断する。
【0046】この判断の結果、最大輝度値ImaxがA/
D変換可能な最大値ADmaxを超えていなければ、シス
テム制御用計算機7は、ステップS5に進み、図6に示
すように上記ステップS3で算出したダイナミックレン
ジDiffが予め設定されたダイナミックレンジの最小値
Diffmin(例えばDiffmin=50)よりも小さいか否か
を判断する。
【0047】一方、最大輝度値ImaxがA/D変換可能
な最大値ADmaxを超えているか又は等しければ、シス
テム制御用計算機7は、ステップS9に移り、上記ステ
ップS3で算出したダイナミックレンジDiffを2倍
(2・Diff)に設定し、ステップS8に移ってフォト
マルチプライヤ3への印加電圧値HV及びオフセット演
算部4のオフセット値Offsetを算出し直し、再びステ
ップS2に戻る。
【0048】次に、システム制御用計算機7は、ステッ
プS5での判断の結果、ダイナミックレンジDiffが最
小値Diffminよりも大きければ、システム制御用計算機
7は、ステップS6に進み、図6に示すようにダイナミ
ックレンジDiffが予め設定されたダイナミックレンジ
の最大値Diffmax(例えばDiffmax=4000)よりも
小さいか又は等しいか否かを判断する。
【0049】上記ステップS5での判断は、あまりにも
ダイナミックレンジDiffが小さいときに、不適切なフ
ォトマルチプライヤ3への印加電圧HV及びオフセット
演算部4のオフセット値Offsetが算出されて設定され
ないようにするためである。
【0050】一方、ダイナミックレンジDiffが最小値
Diffminよりも小さければ、システム制御用計算機7
は、ステップS10に移り、上記ステップS3で算出し
たダイナミックレンジDiffを、予め定められたダイナ
ミックレンジの最小値Diffminに設定し、上記ステップ
S8に移ってフォトマルチプライヤ3への印加電圧値H
V及びそのオフセット値Offsetを算出し直し、再びス
テップS2に戻る。
【0051】次に、システム制御用計算機7は、ステッ
プS6での判断の結果、ダイナミックレンジDiffが予
め設定されたダイナミックレンジの最大値Diffmaxより
も小さいか又は等しければ、システム制御用計算機7
は、ステップS7に進み、現在のダイナミックレンジD
iffに基づいてフォトマルチプライヤ3への印加電圧値
HV及びそのオフセット値Offsetを算出する。
【0052】上記ステップS6での判断は、不当にダイ
ナミックレンジが大きいと、A/D変換器6に入力され
るノイズ分に埋もれたアナログ電気信号もA/D変換さ
れるので、それを避けるためである。
【0053】一方、ダイナミックレンジDiffが最大値
Diffmaxよりも大きければ、システム制御用計算機7
は、上記ステップS8に移ってフォトマルチプライヤ3
への印加電圧値HV及びそのオフセット値Offsetを算
出し直し、再びステップS2に戻る。
【0054】以上のようにシステム制御用計算機7は、
ステップS4での判断の結果、標本画像データの最大輝
度値ImaxがA/D変換可能な最大値ADmaxと等しいか
又は超えている場合、ステップS5及びS6での判断の
結果、ダイナミックレンジDiffがダイナミックレンジ
の最大値Diffmaxと最小値Diffminとの範囲を超えてい
る場合に、それぞれフォトマルチプライヤ3への印加電
圧値HV及びそのオフセット値Offsetを算出し直して
いる。
【0055】すなわち、取り込む標本画像データの最大
輝度値Imaxも含めてA/D変換後の値がオーバーフロ
ーしないようにしている。このためにフォトマルチプラ
イヤ3の受光感度は、標本画像データ内の最大輝度値I
maxに対応した出力電流の最大値ができるだけA/D変
換器6でA/D変換できる最大値ADmaxに近く、かつ
この最大値ADmaxを超えないように設定される。
【0056】ここで、上記ステップS7及びS8におけ
るフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HV及びその
オフセット値Offsetの算出について上記図5に示す測
定パラメータの算出フローチャートに従って説明する。
【0057】システム制御用計算機7は、ステップS2
0において、フォトマルチプライヤ3への印加電圧値H
V及びオフセット演算部4のオフセット値Offsetを算
出する。
【0058】フォトマルチプライヤ3の受光感度Gは、
係数をK、印加電圧をHV、フォトマルチプライヤ3の
電極の材質、構成により設定される定数をα(通常0.
7〜0.8)、フォトマルチプライヤ3の内部のダイノ
ードの段数をnとすると、 G=K・HVαn …(1) により表される。なお、定数αやダイノードの段数n
は、フォトマルチプライヤ3の受光感度特性を実験的に
測定して、そこから算出された値を採用してもよい。
【0059】現時点でのA/D変換された後の標本画像
データのダイナミックレンジDiffを、A/D変換器6
でディジタル値として扱える最大値Diffmaxまで引き上
げるためのフォトマルチプライヤ3の受光感度Gは、 G=Diffmax/Diff =K・HV αn/K・HV αn =(HV/HVαn …(2) となる。ここで、HVは新たに設定すべきフォトマル
チプライヤ3への印加電圧値、HVは現時点でのフォ
トマルチプライヤ3への印加電圧値である。
【0060】よって、新たに設定すべきフォトマルチプ
ライヤ3への印加電圧値HVは、 HV=HV・G(1/αn) …(3) となる。
【0061】又、A/D変換された後の最低輝度値をA
minとし、いつもこの最低輝度値をADminの前後に保
つようにしたとき、オフセット演算部4で調整すべきオ
フセット値Offsetは、 Offset=G・Imin−ADmin …(4) となる。
【0062】次に、システム制御用計算機7は、ステッ
プS21において、オフセット値Offsetが「0」より
も小さいか否かを判断し、この判断の結果、オフセット
値Offsetが「0」よりも大きければ、ステップS22
に進んでフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HV
及びオフセット演算部4のオフセット値Offsetを設定
する。
【0063】一方、オフセット値Offsetが「0」より
も小さければ、システム制御用計算機7は、ステップS
23に移ってオフセット値Offsetを「0」に設定し、
ステップS22に進んでフォトマルチプライヤ3への印
加電圧値HV及びオフセット演算部4のオフセット値
Offsetを設定する。
【0064】このように上記第1の実施の形態において
は、フォトマルチプライヤ3に対して印加電圧値HVを
初期値に設定したときに取得される標本画像データから
ダイナミックレンジDiffを算出し、標本画像データの
最大輝度値ImaxがA/D変換での変換可能な最大値A
maxを超えず、かつダイナミックレンジDiffが予め設
定されたダイナミックレンジの範囲(Diffmin<Dif
f、Diff≦Diffmax)内になる条件を満足するようにフ
ォトマルチプライヤ3への印加電圧値HV及びオフセッ
ト演算部4のオフセット値Offsetを算出し直し、この
条件を満足するダイナミックレンジに基づいてフォトマ
ルチプライヤ3への印加電圧値HV及びオフセット演算
部4のオフセット値Offsetを算出し、決定するように
したので、フォトマルチプライヤ3の受光感度を、その
電流出力値が後段側のA/D変換器6での入力レンジに
応じた最適な値に設定できる。
【0065】又、標本画像データの最大輝度値Imax
A/D変換可能な最大値ADmaxを超えず、かつダイナ
ミックレンジDiffが予め設定されたダイナミックレン
ジの範囲(Diffmin<Diff、Diff≦Diffmax)内にな
る条件を満足するように追い込みながらフォトマルチプ
ライヤ3への印加電圧値HV及びオフセット演算部4の
オフセット値Offsetを決定するので、標本へのレーザ
光の走査回数を最小限に削減でき、生物標本に与えるダ
メージを小さくできる。
【0066】これにより、フォトマルチプライヤ3への
印加電圧値HV及びオフセット演算部4のオフセット値
Offsetの決定操作を容易にして操作者の負担を軽減
し、確実に最適な測定パラメータを決定できる。
【0067】(2)以下、本発明の第2の実施の形態に
ついて図面を参照して説明する。なお、図1及び図2と
同一部分には同一符号を付してその詳しい説明は省略す
る。
【0068】図7はレーザ走査型顕微鏡のシステム構成
図である。このレーザ走査型顕微鏡は、アナログ増幅器
5のゲイン設定値を1倍とし、ゲイン量の調整をフォト
マルチプライヤ3の受光感度で調整する場合の構成図で
ある。システム制御用計算機8は、上記図2に示す構成
と同様に、演算処理部7aから発せられる指令によりデ
バイスI/O部7b、入出力装置7c及び記憶媒体7d
が作動するものとなっている。
【0069】記憶媒体7dは、コンピュータにより読み
取り可能すなわち演算処理部7aにより読み取り可能な
もので、レーザ走査型顕微鏡における受光感度やゲイ
ン、オフセットなどの各種測定パラメータを初期設定し
たときに取得される標本画像データからダイナミックレ
ンジを算出させ、標本画像データの最大輝度値がA/D
変換器6での変換可能な最大値を超えず、かつダイナミ
ックレンジが予め設定されたダイナミックレンジの範囲
内になる条件を満足するように測定パラメータを算出し
直させ、この条件を満足するダイナミックレンジに基づ
いて測定パラメータを算出させ、決定させ、さらにこの
決定させた測定パラメータに基づいて再び標本にレーザ
光を仮走査させて標本画像データを再取得させ、この再
取得させた標本画像データから測定パラメータの妥当性
を判断させ、この判断の結果、測定パラメータが妥当で
なかった場合、この測定パラメータと妥当でなかった測
定パラメータが算出・設定される直前に設定されていた
測定パラメータとの間から最適な測定パラメータを2分
探索法により探索させるためのプログラムが記憶されて
いる。
【0070】次に、上記システム構成でのフォトマルチ
プライヤ3の印加電圧、オフセット演算部4のオフセッ
ト値の各測定パラメータの決定方法について図8乃至図
10に示す測定パラメータ決定フローチャートに従って
説明する。
【0071】なお、システム制御用計算機8は、演算処
理部7aにより記憶媒体7dに記憶されているプログラ
ムを実行してフォトマルチプライヤ3の印加電圧、オフ
セット演算部4のオフセット値の各測定パラメータを決
定するが、以下では、上記第1の実施の形態と同様に説
明が煩雑となるのを避けるためにシステム制御用計算機
8の処理として説明する。
【0072】先ず、システム制御用計算機8は、ステッ
プS100において、上記第1の実施の形態におけるス
テップS1〜S10の処理を実行して、フォトマルチプ
ライヤ3への印加電圧HV及びオフセット演算部4の
オフセット値Offsetを設定する。なお、これらステッ
プS1〜S10の処理は、上記第1の実施の形態と同様
な処理なので、その説明は重複を避けるために省略す
る。
【0073】但し、本発明のシステム構成では、上記ス
テップS7及びS8においてフォトマルチプライヤ3へ
の印加電圧値HV及びオフセット演算部4のオフセット
値Offsetを演算し求める前に、システム制御用計算機
8は、図9に示すフォトマルチプライヤ3への印加電圧
値HVの保存処理を実行する。すなわち、システム制御
用計算機8は、ステップS120において、現在のフォ
トマルチプライヤ3への印加電圧値HVをHVoldとし
て記憶する。このHVoldの初期値は、上記ステップS
1におけるフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HV
initに等しい。
【0074】次に、システム制御用計算機8は、ステッ
プS121において、上記図5に示すステップS20〜
S23の処理を実行してフォトマルチプライヤ3への印
加電圧HV及びオフセット演算部4のオフセット値Off
setを求めるものとなっている。
【0075】次に、システム制御用計算機8は、ステッ
プS101において、上記ステップS100(S1〜S
10)において設定されたフォトマルチプライヤ3への
印加電圧値HV及びオフセット演算部4のオフセット
値Offsetを用いて、再び標本を仮走査して標本画像デ
ータを取得する。すなわち、光源1からレーザ光が出力
されると、このレーザ光は、走査光学系2により所定方
向に走査されながら対物レンズを通して標本に照射され
る。この標本からの反射光、蛍光又は透過光は、フォト
マルチプライヤ3で受光されて初期設定された受光感度
でアナログ電気信号に変換され、この後、オフセット演
算部4により初期設定されたオフセット値「0」が加え
られ、A/D変換器6によりディジタル電気信号に変換
されてシステム制御用計算機8に送られる。このシステ
ム制御用計算機8は、A/D変換器6からのディジタル
電気信号を取り込み、このディジタル電気信号を処理し
て標本画像データを取得する。
【0076】次に、システム制御用計算機8は、ステッ
プS102において、上記取得した標本画像データから
最大輝度値Imaxを算出する。この最大輝度値Imaxを求
める処理は、上記ステップS101において標本に対し
てレーザ光を走査しながら行ってもよい。
【0077】次に、システム制御用計算機8は、ステッ
プS103において、上記ステップS102で算出した
標本画像データの最大輝度値ImaxとA/D変換器6で
A/D変換可能な最大値ADmax(例えば、ADmax=4
095)とを比較し、最大輝度値ImaxがA/D変換可
能な最大値ADmaxを超えているか又は等しいかを判断
する。
【0078】この判断の結果、最大輝度値ImaxがA/
D変換可能な最大値ADmaxを超えていなければ、シス
テム制御用計算機8は、現在設定されているフォトマル
チプライヤ3への印加電圧値HV(上記第1の実施の形
態におけるHV)を、最適な印加電圧として判断し
て、このフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVを
決定して処理を終了する。
【0079】一方、上記判断の結果、最大輝度値Imax
がA/D変換可能な最大値ADmaxを超えているか又は
等しければ、システム制御用計算機8は、現在設定され
ているフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HV(上
記第1の実施の形態におけるHV)を最適な印加電圧
とは判断せず、ステップS104に移って、2分探索法
によりフォトマルチプライヤ3への最適な印加電圧値H
Vを決定する。
【0080】次に、2分探索法によるフォトマルチプラ
イヤ3への最適な印加電圧値HVの決定方法について図
10に示す2分探索法のフローチャートに従って説明す
る。
【0081】システム制御用計算機8は、ステップS1
30において、上記ステップS120において記憶した
現在のフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVold
を、2分探索法でフォトマルチプライヤ3への最適な印
加電圧値を探索する際の探索範囲の下限値HVminに設
定する。
【0082】又、システム制御用計算機8は、同ステッ
プS130において、現在設定されているフォトマルチ
プライヤ3への印加電圧値HVを、2分探索法でフォト
マルチプライヤ3への最適な印加電圧値を探索する際の
探索範囲の上限値HVmaxに設定する。
【0083】ここで、上記フォトマルチプライヤ3への
印加電圧値HVold(=HVmin)は、上記ステップS7
でフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVが算出さ
れる前に設定されていた印加電圧値であり、上記ステッ
プS4〜S6の条件を全て満たしているフォトマルチプ
ライヤ3への印加電圧値である。
【0084】すなわち、図11に示すようにフォトマル
チプライヤ3への印加電圧値HVoldにて取得された標
本画像データの最大輝度値Imax(HVmin)は、A/D
変換器6の最大値ADmaxを超えないはずである。
【0085】又、同図に示すように現在設定されている
フォトマルチプライヤ3への印加電圧値HV(=HV
max)は、上記ステップS103において取得した標本
画像データの最大輝度値Imax(HVmax)がA/D変換
器6の最大値ADmaxを超えているか又は等しいと判断
された際のフォトマルチプライヤ3への印加電圧値であ
る。
【0086】従って、標本画像データの最大輝度値I
maxがA/D変換器6の最大値ADmaxを超えず、かつ最
も近い値となるような最適なフォトマルチプライヤ3へ
の印加電圧値は、探索範囲の上限値HVmaxと下限値H
minとの間に必ず存在する筈である。
【0087】しかるに、システム制御用計算機8は、ス
テップS131において、上記ステップS130におい
て求めた探索範囲の上限値HVmaxと下限値HVminとの
中間の値(平均値) (HVmax+HVmin)/2 を算出し、フォトマルチプライヤ3への印加電圧値とし
て設定する。
【0088】次に、システム制御用計算機8は、ステッ
プS132において、上記同様に標本を仮走査して標本
画像データを取得し、次のステップS133において、
取得した標本画像データの最大輝度値Imaxを求める。
【0089】次に、システム制御用計算機8は、ステッ
プS134において、標本画像データの最大輝度値I
maxがA/D変換器6の最大値ADmaxを超えているか又
は等しいかを判断する。
【0090】この判断の結果、標本画像データの最大輝
度値ImaxがA/D変換器6の最大値ADmaxを超えてい
るか又は等しい場合、システム制御用計算機8は、現在
設定されているフォトマルチプライヤ3への印加電圧値
HVが不適切であると判断し、最適な印加電圧値HVは
少なくとも現在設定されている印加電圧値HVよりも低
い値の筈であることから、ステップS135において、
現在設定されている印加電圧値HVを最適な印加電圧値
の探索範囲の上限値HVmaxに設定し直す。
【0091】一方、標本画像データの最大輝度値Imax
がA/D変換器6の最大値ADmaxを超えていない場
合、最適な印加電圧値HVは少なくとも現在設定されて
いる印加電圧値HVよりも高い値の筈であることから、
システム制御用計算機8は、ステップS136におい
て、現在設定されている印加電圧値HVを最適な印加電
圧値の探索範囲の下限値HVminに設定し直す。
【0092】図11を参照して説明すると、1回目の探
索では、フォトマルチプライヤ3に対する印加電圧値H
V(=(HVmin+HVmax)/2)のときの標本画像デ
ータの最大輝度値Imax(HV)がA/D変換器6の最
大値ADmaxを超えていないので、現在のフォトマルチ
プライヤ3への印加電圧値HVを、最適な印加電圧値探
索範囲の下限値HVminに設定し直している。
【0093】2回目の探索では、フォトマルチプライヤ
3に対する印加電圧値HV(=(HVmin+HVmax)/
2)のときの標本画像データの最大輝度値Imax(H
V)がA/D変換器6の最大値ADmaxを超えているの
で、現在のフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HV
を、最適な印加電圧値探索範囲の上限値HVmaxに設定
し直している。
【0094】次に、システム制御用計算機8は、ステッ
プS137において、最適な印加電圧値探索範囲の上限
値HVmaxと下限値HVminとの差の絶対値が予め設定さ
れているフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVの
収束条件値dHVと比較する。
【0095】|HVmax−HVmin|≦dHV なお、収束条件値dHVは、例えばフォトマルチプライ
ヤ3から出力される出力電流の振動が発生しない程度の
値に設定される。
【0096】この比較の結果、印加電圧値探索範囲の上
限値HVmaxと下限値HVminとの差の絶対値が収束条件
値dHVよりも大きければ、最適なフォトマルチプライ
ヤ3への印加電圧値HVは未だ探索範囲内にあるので、
システム制御用計算機8は、再びステップS131〜S
137の処理を繰り返す。
【0097】一方、印加電圧値探索範囲の上限値HV
maxと下限値HVminとの差の絶対値が収束条件値dHV
以下ならば、最適なフォトマルチプライヤ3への印加電
圧値HVが探索範囲の下限値HVminと判断できるの
で、システム制御用計算機8は、ステップS138に移
って、探索範囲の下限値HVminをフォトマルチプライ
ヤ3への印加電圧値HVとして設定し、最適なフォトマ
ルチプライヤ3への印加電圧値HVの探索を終了する。
【0098】このように上記第2の実施の形態において
は、上記第1の実施の形態で説明したようにフォトマル
チプライヤ3の電極の材質、構成により設定される定数
α、フォトマルチプライヤ3の内部のダイノードの段数
nなどからなる理論的な上記式(3)を演算してフォトマ
ルチプライヤ3への最適な印加電圧値HVを求め、この
後に、この理論的に決定させたフォトマルチプライヤ3
への印加電圧値HVに基づいて再び標本にレーザ光を仮
走査させて標本画像データを再取得し、この再取得させ
た標本画像データからフォトマルチプライヤ3への印加
電圧値HVの妥当性を判断し、この判断の結果、フォト
マルチプライヤ3への印加電圧値HVが妥当でなかった
場合、この印加電圧値HVと妥当でなかった印加電圧H
Vが算出・設定される直前にフォトマルチプライヤ3に
設定されていた印加電圧HV(Hvold)との間から最適
なフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVを2分探
索法により探索させるようにしたので、フォトマルチプ
ライヤ3の有する特性値、すなわちフォトマルチプライ
ヤ3の電極の材質、構成により設定される定数α、フォ
トマルチプライヤ3の内部のダイノードの段数nなどの
特性値が正確に把握、設定されておらず、理論的に決定
させたフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVが実
際には最適な値ではなかった場合でも、フォトマルチプ
ライヤ3への印加電圧値HVの妥当性を判断して2分探
索法により最適なフォトマルチプライヤ3への印加電圧
値HVを算出し、決定できる。
【0099】従って、フォトマルチプライヤ3の個体差
による特性値のばらつきに影響されずに最適なフォトマ
ルチプライヤ3への印加電圧値HVを算出し決定でき、
従って、レーザ走査型顕微鏡に搭載されている個々のフ
ォトマルチプライヤ3の特性値を正確に調べて、その電
極の材質、構成により設定される定数α、ダイノードの
段数nなどを設定する必要がない。
【0100】又、最適なフォトマルチプライヤ3への印
加電圧値HVを決定するのに、理論的な上記式(3)を演
算してフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVをあ
る程度絞り込んで最適なフォトマルチプライヤ3への印
加電圧値HVの探索範囲を狭い範囲に限定した状態で2
分探索法により探索するので、フォトマルチプライヤ3
への全印加電圧の調整範囲から最適な印加電圧値HVを
探索するよりも短時間でかつ少ない走査回数で最適なフ
ォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVを探索でき、
スループットの向上及びレーザ光による標本へのダメー
ジを軽減できる。
【0101】なお、本発明は、上記第1及び第2の実施
の形態に限定されるものでなく次の通り変形してもよ
い。
【0102】上記第1及び第2の実施の形態では、シス
テム制御用計算機7によりステップS4において標本画
像データの最大輝度値ImaxとA/D変換器6でA/D
変換可能な最大値ADmaxとを比較し、最大輝度値Imax
がA/D変換可能な最大値ADmaxを超えているか又は
等しい否かを判断し、ステップS5においてダイナミッ
クレンジDiffが予め設定されたダイナミックレンジの
最小値Diffmin(例えばDiffmin=50)よりも小さい
か否かを判断し、続くステップS6においてダイナミッ
クレンジDiffが予め設定されたダイナミックレンジの
最大値Diffmaxよりも小さいか又は等しいか否かを判断
しているが、これらステップS4とステップS5,S6
との処理の順序を、ステップS5,S6の処理を行って
からステップS4の処理を行うようにしてもよい。
【0103】又、上記第2の実施の形態では、最適なフ
ォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVの探索に2分
探索法を用いているが、これに限らず、探索範囲の上限
値又は下限値のいずれか一方から値を1つずつずらして
探索する方法を用いてもよい。
【0104】又、上記第2の実施の形態では、最適なフ
ォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVの探索終了
を、印加電圧値探索範囲の上限値HVmaxと下限値HV
minとの差の絶対値が収束条件値dHV内に収まったか
否かを判断して決めているが、上記ステップS131か
らS135、又はステップS136を繰り返した回数が
予め設定された最大繰り返し回数に達したか否かで判断
してもよい。
【0105】又、上記第2の実施の形態は、上記第1の
実施の形態(ステップS100)のように理論的な上記
式(3)を演算してフォトマルチプライヤ3への最適な印
加電圧値HVを求め、この後に、この理論的に決定させ
たフォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVに基づい
て再び標本にレーザ光を仮走査させて標本画像データを
再取得し、この再取得させた標本画像データからフォト
マルチプライヤ3への印加電圧値HVの妥当性を判断
し、フォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVが妥当
でなかった場合、この印加電圧値HVと妥当でなかった
印加電圧HVが算出・設定される直前にフォトマルチプ
ライヤ3に設定されていた印加電圧HV(Hvold)との
間から最適なフォトマルチプライヤ3への印加電圧値H
Vを2分探索法により探索しているが、これに限らず、
上記ステップS100内において、少なくとも1回は、
上記ステップS5、S10、若しくはステップS6の判
断処理を経てステップS120におけるフォトマルチプ
ライヤ3への印加電圧値HVの保存と印加電圧値HVの
算出処理とを実行した状態、すなわち標本画像データの
最大輝度値がA/D変換器6の最大値を超えないような
フォトマルチプライヤ3への印加電圧値HVが1度は求
まっている状態で、フォトマルチプライヤ3への印加電
圧値HVで標本を仮走査して取得された標本画像データ
の最大輝度値がA/D変換器6の最大値を超えた場合
(上記ステップS4)に、上記ステップS9、S8を実
行せずに、2分探索法により最適なフォトマルチプライ
ヤ3への印加電圧値HVを探索し、決定(上記ステップ
S104)するようにしてもよい。
【0106】
【発明の効果】以上詳記したように本発明によれば、測
定パラメータを決定するまでに必要な走査回数を最小限
に抑えて標本に与えるダメージを小さくし、かつ測定パ
ラメータの決定操作を容易にし、確実に最適な測定パラ
メータを決定できる走査型顕微鏡の測定パラメータ決定
方法を提供できる。
【0107】又、本発明によれば、レーザ光を標本に走
査したときの標本からの反射光、蛍光又は透過光を光電
変換する測定手段が有する特性の固体差に影響されず
に、最適な測定パラメータを確実に決定できる走査型顕
微鏡の測定パラメータ決定方法を提供できる。
【0108】又、本発明によれば、測定パラメータを決
定するまでに必要な走査回数を最小限に抑えて標本に与
えるダメージを小さくし、かつ測定パラメータの決定操
作を容易にし、確実に最適な測定パラメータを決定でき
るためのプログラムを記憶したコンピュータにより読み
取り可能な記憶媒体を提供できる。
【0109】又、本発明によれば、レーザ光を標本に走
査したときの標本からの反射光、蛍光又は透過光を光電
変換する測定手段が有する特性の固体差に影響されず
に、最適な測定パラメータを確実に決定できるためのプ
ログラムを記憶したコンピュータにより読み取り可能な
記憶媒体を提供できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第1の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡のシステム構成図。
【図2】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第1の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡におけるシステム制御用計算機の具体的な機能ブロ
ック図。
【図3】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第1の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡におけるアナログ増幅器のゲイン設定値を1倍とし
た場合のシステム構成図。
【図4】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第1の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡の測定パラメータ決定フローチャート。
【図5】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第1の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡における測定パラメータ決定フローチャートにおけ
るフォトマルチプライヤへの印加電圧及びオフセットの
算出を示すフローチャート。
【図6】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第1の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡において標本画像データのダイナミックレンジが最
大値と最小値との範囲内にあるかの判断を示す模式図。
【図7】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第2の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡におけるアナログ増幅器のゲイン設定値を1倍とし
た場合のシステム構成図。
【図8】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第2の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡の測定パラメータ決定フローチャート。
【図9】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメータ
決定方法の第2の実施の形態を適用したレーザ走査型顕
微鏡の測定パラメータ決定フローチャートにおけるフォ
トマルチプライヤの印加電圧値の保存のフローチャー
ト。
【図10】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメー
タ決定方法の第2の実施の形態を適用したレーザ走査型
顕微鏡の測定パラメータ決定フローチャートにおける2
分探索法のフローチャート。
【図11】本発明に係わる走査型顕微鏡の測定パラメー
タ決定方法の第2の実施の形態を適用したレーザ走査型
顕微鏡における2分探索法によるフォトマルチプライヤ
の最適な印加電圧値の決定例を示す図。
【符号の説明】
1:光源 2:走査光学系 3:受光素子(フォトマルチプライヤ) 4:オフセット演算部 5:アナログ増幅器 6:A/D変換器 7,8:システム制御用計算機
【手続補正書】
【提出日】平成12年6月1日(2000.6.1)
【手続補正1】
【補正対象書類名】図面
【補正対象項目名】図3
【補正方法】変更
【補正内容】
【図3】

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 レーザ光を標本に走査したときの前記標
    本からの光を光電変換し、この電気信号に対して測定パ
    ラメータによる調整を行った後にA/D変換して標本画
    像データを得る走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法
    において、 前記測定パラメータを初期設定したときに取得される前
    記標本画像データからダイナミックレンジを算出し、前
    記標本画像データの最大輝度値が前記A/D変換での変
    換可能な最大値を超えず、かつ前記ダイナミックレンジ
    が予め設定されたダイナミックレンジの範囲内になる条
    件を満足するように前記測定パラメータを算出し直し、
    この条件を満足するダイナミックレンジに基づいて前記
    測定パラメータを算出し、決定することを特徴とする走
    査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法。
  2. 【請求項2】 レーザ光を標本に走査し、前記標本から
    の光を受光素子で受光し、この受光素子から出力される
    アナログ電気信号に対して測定パラメータによる調整を
    行った後にディジタル変換して標本画像データを得る走
    査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法において、 前記測定パラメータを初期設定したときに、前記標本に
    前記レーザ光を仮走査したときの前記標本画像データを
    取得するステップと、 このステップで取得した前記標本画像データの最大輝度
    値と最小輝度値とからダイナミックレンジを算出するス
    テップと、 前記標本画像データの最大輝度値が前記ディジタル変換
    での変換可能な最大値を超えていれば、前記ダイナミッ
    クレンジを数倍と仮定して前記測定パラメータを算出し
    直し、再び前記標本画像データを取得するステップと、 前記ダイナミックレンジが予め設定されたダイナミック
    レンジの最大値と最小値との範囲内にあるかを判断し、
    この判断の結果、前記ダイナミックレンジが前記範囲外
    であれば、現在のダイナミックレンジに基づいて再度前
    記測定パラメータを算出し直して再び前記標本画像デー
    タを取得するステップと、 前記標本画像データの最大輝度値が前記ディジタル変換
    での変換可能な最大値を超えないで、かつ前記ダイナミ
    ックレンジが前記範囲内にあれば、このときのダイナミ
    ックレンジに基づいて前記測定パラメータを算出して決
    定するステップと、を有することを特徴とする走査型顕
    微鏡の測定パラメータ決定方法。
  3. 【請求項3】 前記測定パラメータは、前記標本画像デ
    ータから算出したダイナミックレンジをDiff、予め決
    められたダイナミックレンジの最大値をDiff max、前記
    受光素子への印加電圧をHV、前記標本画像データの最
    小輝度値をIm in、前記ディジタル変換を行うA/D変
    換器でA/D変換される最低輝度値をADmin、前記受
    光素子の受光感度をG、定数をα、nとすると、 G=Diffmax/Diff となり、新たに設定すべき前記受光素子への印加電圧H
    及び前記受光素子のオフセットOffsetは、現時点
    での印加電圧をHVとすると、 HV=HV・G(1/αn) Offset=G・Imin−ADmin として算出されることを特徴とする請求項2記載の走査
    型顕微鏡の測定パラメータ決定方法。
  4. 【請求項4】 算出し、決定された前記測定パラメータ
    に基づいて再び前記標本に前記レーザ光を仮走査して前
    記標本画像データを再取得するステップと、 この再取得された前記標本画像データから前記測定パラ
    メータの妥当性を判断するステップと、 この判断の結果、前記測定パラメータが妥当でなかった
    場合、この測定パラメータと妥当でなかった前記測定パ
    ラメータが算出・設定される直前に設定されていた測定
    パラメータとの間から最適な測定パラメータを探索する
    ステップと、を有することを特徴とする請求項1又は2
    記載の走査型顕微鏡の測定パラメータ決定方法。
  5. 【請求項5】 前記測定パラメータの妥当性は、再取得
    された前記標本画像データの最大輝度値が前記A/D変
    換での変換可能な最大値を超えているか又は超えていな
    いかにより判断し、 かつ最適な前記測定パラメータの探索は、妥当でなかっ
    た前記測定パラメータと妥当でなかった前記測定パラメ
    ータが算出・設定される直前に設定されていた測定パラ
    メータとの間を2分探索法により探索し決定する、こと
    を特徴とする請求項1又は2記載の走査型顕微鏡の測定
    パラメータ決定方法。
  6. 【請求項6】 前記2分探索法による前記測定パラメー
    タの探索、決定は、妥当でなかった前記測定パラメータ
    を探索範囲の上限とすると共に、妥当でなかった前記測
    定パラメータが算出・設定される直前に設定されていた
    測定パラメータを前記探索範囲の下限値とするステップ
    と、 前記探索範囲の前記上限値と前記下限値との平均値を求
    めて測定パラメータとして設定するステップと、 この測定パラメータに基づいて前記標本に前記レーザ光
    を仮走査して前記標本画像データを取得するステップ
    と、 この取得された標本画像データの最大輝度値が前記A/
    D変換での変換可能な最大値を超えているか又は超えて
    いないかを判断するステップと、 前記標本画像データの前記最大輝度値が前記A/D変換
    での変換可能な最大値を超えている場合、現在の前記測
    定パラメータを前記探索範囲の前記上限値とするステッ
    プと、 前記標本画像データの前記最大輝度値が前記A/D変換
    での変換可能な最大値を超えていない場合、現在の前記
    測定パラメータを前記探索範囲の前記下限値とするステ
    ップと、 前記探索範囲の前記上限値と前記下限値との差が予め設
    定された収束条件値内に収束したか否かを判断するステ
    ップと、 この収束したか否かの判断の結果、収束していれば、前
    記探察範囲の下限値を最適な前記測定パラメータとして
    設定し、収束していなければ、前記探索範囲の前記上限
    値と前記下限値との平均値を前記測定パラメータとして
    設定するステップに戻すステップと、 を有することを特徴とする請求項4記載の走査型顕微鏡
    の測定パラメータ決定方法。
  7. 【請求項7】 レーザ光を標本に走査したときの前記標
    本からの光を光電変換し、この電気信号に対して測定パ
    ラメータによる調整を行った後にA/D変換して標本画
    像データを得る走査型顕微鏡に対し、前記測定パラメー
    タを初期設定したときに取得される前記標本画像データ
    からダイナミックレンジを算出させ、前記標本画像デー
    タの最大輝度値が前記A/D変換での変換可能な最大値
    を超えず、かつ前記ダイナミックレンジが予め設定され
    たダイナミックレンジの範囲内になる条件を満足するよ
    うに前記測定パラメータを算出し直させ、この条件を満
    足するダイナミックレンジに基づいて前記測定パラメー
    タを算出させ、決定させるプログラムを記憶したことを
    特徴とするコンピュータにより読み取り可能な記憶媒
    体。
  8. 【請求項8】 算出させ、決定させた前記測定パラメー
    タに基づいて再び前記標本に前記レーザ光を仮走査させ
    て前記標本画像データを再取得させ、この再取得させた
    前記標本画像データから前記測定パラメータの妥当性を
    判断させ、この判断の結果、前記測定パラメータが妥当
    でなかった場合、この測定パラメータと妥当でなかった
    前記測定パラメータが算出・設定される直前に設定され
    ていた測定パラメータとの間から最適な測定パラメータ
    を探索させることを特徴とする請求項7記載のコンピュ
    ータにより読み取り可能な記憶媒体。
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