JPH10231530A - 上下水道地下埋設物用下桝 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 高さの設定とその微調整が頗る容易であると
共に、上面の傾斜を調整することができ、しかも嵩上
げ、嵩下げ工事を極めて容易に行うことができる上下水
道地下埋設物用下桝を提供することを課題とするもので
ある。 【解決手段】 筒状本体１内に、上部内側に受座３を設
けた内筒２を昇降自在に螺合し、この内筒２内に、外径
を前記内筒２の上部口縁の内径より若干小さい外径とし
た蓋受枠体１０を内装する。蓋受枠体１０を昇降させる
適数本のジャッキ用ボルト８を内筒２の受座３に設け
る。受座３と蓋受枠体１０間に嵩上げ調整用スペーサー
１７、嵩上げ微調整用スペーサー１８及び受座片１９を
挿入する。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、上下水道用下桝、
詳しくは、制水弁、空気弁などの弁筐や、マンホールの
蓋受枠に関するものである。

【０００２】

【従来の技術分野】舗装路面に面一に埋設される制水弁
や空気弁などの弁筐、あるいはマンホールの蓋受枠は、
再舗装により舗装面が嵩上げされる場合は、弁筐あるい
は蓋受枠等の下桝の嵩上げを行う必要があり、また舗装
路面が沈下した場合は、嵩下げを行う必要がある。

【０００３】しかしながら、既設の下桝周辺の舗装路面
を破砕して下桝を嵩上げ、嵩下げする工事は多くの手間
がかかり、工事費が高くつく。

【０００４】また、下桝の敷設工事に際し、下桝の高さ
の設定や、傾斜した舗装路面と面一に仕上げる作業が頗
る面倒であることは周知の通りである。

【０００５】

【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、下桝
の高さの設定とその微調整が頗る容易であると共に、上
面の傾斜を調整することができ、しかも嵩上げ、嵩下げ
工事を極めて容易に行うことができるものを提供するこ
とを課題とするものである。

【０００６】

【課題を解決するための手段】本発明は上記の課題を解
決するためになされたもので、筒状本体内に、上部内側
に受座を設けた内筒を昇降自在に螺合し、この内筒内
に、外径を前記内筒の上部口縁の内径より若干小さい外
径とした蓋受枠体を内装し、且つこの蓋受枠体を前記受
座に設けた適数本のジャッキ用ボルトで昇降するように
構成したものである。

【０００７】

【作用】内筒を回動することにより下桝の高さを迅速に
設定高さにすることができ、ジャッキ用ボルトを調整す
ることにより設定高さの微調整と、上面の傾斜を調整す
ることができる。

【０００８】

【発明の実施の形態】図１は本発明を適用した制水弁用
弁筐の一部截断側面図、図２は蓋受枠体の平面図、図３
は嵩上げ微調整用スペーサーの拡大図で（ａ）図は平面
図、（ｂ）図は同正面図である。図４は嵩上げ微調整用
スペーサーの拡大図で、（ａ）図は平面図、（ｂ）図は
同正面図である。図５は受座片の拡大図で、（ａ）図は
正面図、（ｂ）図は平面図、（ｃ）図は異なる実施例の
平面図である。

【０００９】図１において、１は内筒２を昇降自在に螺
合した本体である。内筒２の上部内側には受座３と、３
箇所にバカ孔４を備えたジャッキ用ボルト取付部５，
５，５を設けると共に、前記バカ孔４を通して横穴収納
部６に挿入したナット７にそれぞれジャッキ用ボルト
８，８，８を螺合し、上部口縁９を内側に突出させてい
る。

【００１０】１０は前記内筒２内の受座３上に内装した
外径が前記内筒２の上部口縁９の内径より若干小さい外
径とした蓋受枠体で、３箇所に前記ジャッキ用ボルト８
を係合させる２股状の頭部係合部１１，１１’が２段に
設けられている。

【００１１】１２は、座金１３，１４とナット１５から
成るストッパーで、座金１３とナット１５はジャッキ用
ボルト８を回動しても軸方向には移動しないようにジャ
ッキ用ボルト８にしっかりと緊締されていて、これらス
トッパー１２を構成する部材は２段に設けた頭部係合部
１１，１１’の間に位置するように設けられる。なお１
６はボルト頭の下に設けた座金である。

【００１２】１７は前記内筒２の受座３と蓋受枠体１０
の間に挿入した嵩上げ調整用スペーサーで、図３に示す
ように形成したもので、ジャッキ用ボルト８と係合させ
るフック状部１７ａを持ったものである。

【００１３】１８は嵩上げ微調整用スペーサーで、図４
に示すように板材で作られていて、嵩上げ調整スペーサ
ー１７の腕１７ｂ，１７ｂをカットした形状としたもの
である。

【００１４】１９は、蓋受枠体１０と微調整用スペーサ
ー１８又は嵩上げ調節用スペーサー１７間に設ける受座
片で、蓋受枠体１０と球面接触する構造となっている。

【００１５】図１で例示した実施例では、蓋受枠体１０
の下面に凹面Ｐを設け、受座片１９の上面は図５に示す
ようにその凹面Ｐと係合する凸面Ｑとして、球面接合す
る構造とし、また横からジャッキ用ボルト８に係合させ
易いように切欠１９ａを設けフック状に形成されてい
る。なお図５の（ｃ）図のように蛇の目状のものとして
もよいことは勿論である。

【００１６】本実施例の組立手順について説明すれば、
先ず本体１に内筒２を螺合し、次に蓋受枠体１０の３箇
所にある頭部係合部１１，１１’に座金１６及びストッ
パー１２を付したジャッキ用ボルト８，８，８を係合さ
せた後、蓋受枠１０を外筒体１内に下し、ジャッキ用ボ
ルト８，８，８を各ナット７に螺合させ、適数枚の嵩上
げ調整用スペーサー１７及び嵩上げ微調整用スペーサー
１８と受座片１９を現場の状況に応じて装着する。

【００１７】次に、その設置作業の手順について説明す
ると、先ず、内筒２を回動しておおよその設置高さに
し、次いでジャッキ用ボルト８を調整して、微調整と上
面の傾斜を決める。

【００１８】嵩上げ調整用スペーサー１７と嵩上げ微調
整用スペーサー１８の枚数は、現場の状況により適宜決
める。この実施例において、上面を凸面Ｑとした受座片
１９を用いたのは、蓋受枠体１０を傾斜させた場合でも
しっくりと安定して固定させるためである。

【００１９】図６は異なる実施例を示すもので、この場
合は受座片１９’の上面を凹面Ｐとし、蓋受枠体１０側
をその凹面Ｐと係合する凸面Ｑとしたもので、その効果
は前記実施例の場合と同様である。

【００２０】図７は更に異なる実施例を示すもので、こ
の場合は、２枚の受座片１９１，１９２を使用し、蓋受
枠体１０には直接前記実施例の場合のように凹面Ｐ又は
凸面Ｑを設けずに受座片１９１，１９２に凹面Ｐと凸面
Ｑを設けて球面接合部を形成したもので、この場合も同
様な効果が得られる。

【００２１】更に、以上の説明から容易に理解されるよ
うに、こゝでは図示しなかったが、内筒２の受座３とそ
の上に設けた受座片（嵩上げ調整用スペーサーでもよ
い）との間に球面接合部を形成する構造を採ってもよい
ことは自明である。

【００２２】図８は本発明をマンホールの蓋受枠に適用
した場合の実施例を示すもので、本体１’と内筒２’の
構成が設計的に前記図１の実施例と相違するだけであ
り、その作用、効果は自明であるので、その説明は省略
する。

【００２３】

【発明の効果】以上のように、本発明にかゝる上下水道
地下埋設物用下桝は高さの調整及び傾斜角度の調整を内
筒２の回動とジャッキ用ボルト８の操作で、上部から簡
単に行うことができるので、嵩上げ、嵩下げ作業並びに
傾斜角調整作業を従来の技術では考えられない程短縮で
きる効果があり、実用上この種の下桝の構造として勝れ
たものである。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の実施例の一部截断側面図である。

【図２】本発明の実施例における蓋受枠体の平面図であ
る。

【図３】本発明の実施例における嵩上げ調整用スペーサ
ーの拡大図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は同正面図であ
る。

【図４】本発明実施例における嵩上げ調整用スペーサー
の拡大図で、（ａ）は平面図、（ｂ）は同正面図であ
る。

【図５】本発明実施例における受座片の拡大図を示すも
ので、（ａ）図は正面、（ｂ）図は平面図、（ｃ）図は
異なる受座片の平面図である。

【図６】本発明の異なる実施例の縦断面図である。

【図７】本発明の他の異なる実施例の縦断面図である。

【図８】本発明の更に他の異なる実施例の縦断面図であ
る。

【符号の説明】

１ 本体 ２ 内筒 ３ 受座 ４ バカ孔 ５ 取付部 ６ 横穴収納部 ７，１５ ナット ８ ジャッキ用ボルト ９ 上部口縁 １０ 蓋受枠体 １１，１１’ 頭部係合部 １２ ストッパー １３，１４，１６ 座金 １７ 嵩上げ調整用スペーサー １８ 嵩上げ微調整用スペーサー １９ 受座片

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 筒状本体内に、上部内側に受座を設けた
   内筒を昇降自在に螺合し、この内筒内に、外径を前記内
   筒の上部口縁の内径より若干小さい外径とした蓋受枠体
   を内装し、且つこの蓋受枠体を前記受座に設けた適数本
   のジャッキ用ボルトで昇降するように構成したことを特
   徴とする上下水道地下埋設物用下桝。