JPH10230892A - 電動自転車 - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 平坦路や下り坂でパワーアシストが作動する
走行速度の規制の範囲外の速度で走行する場合に、ペダ
ルの付いたクランクを高速回転しなくても使い易い回転
速度で高速走行できる電動自転車を提供することを目的
とする。 【解決手段】 電動補助ユニット２０により駆動力を補
助する電気自転車において、ペダルクランクシャフト１
１に第１のクランクギヤ１４ａよりも減速比の大きな第
２のクランクギヤ１４ｂを設け、チェーン１７を第１の
クランクギヤ１４ａによって駆動車輪を駆動する第１の
状態と第２のクランクギヤによって駆動車輪を駆動する
第２の状態とに切り換える駆動経路切換手段１９を設
け、平坦路や下り坂でパワーアシストが作動する走行速
度の規制の範囲外の速度で走行する場合には駆動経路切
換手段を第２の状態に切り換えられる。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は電動自転車に関する
ものである。

【０００２】

【従来の技術】従来、人力による駆動力と電動補助ユニ
ットによる駆動力とを並列に設け、ペダル負荷に応じた
規定範囲内で、電動機により駆動力を補助する機能を有
する電気自転車は種々提案されている。このような電気
自転車において、電動駆動装置により補助する範囲は、
車速が０から１５km／ｈまでは５０％であり、そして１
５km／ｈから２４km／ｈ間では車速に応じて漸次減少せ
しめ、２４km／ｈにおいて０％となるよう制御しなけれ
ばならない。

【０００３】このため、電動補助ユニットは、ペダル負
荷を検出するペダル負荷検出器、ペダル回転速度を検出
するペダル速度検出器、電動機、減速機構および制御回
路から構成されている。そして、ペダル負荷検出器およ
びペダル速度検出器からの情報をもとに電動補助ユニッ
トの電動モータへの通電を制御し、前記規定内のパワー
アシストを実現している。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】このような従来の電動
自転車では、電動補助ユニットからのパワーアシストに
よって、発進時や登坂路の走行時であっても軽快なペダ
リングで走行することができる。

【０００５】しかし、電動補助ユニットからのパワーア
シストがなくても軽快なペダリングで走行することがで
きる平坦路の走行時においても、従来では電動補助ユニ
ットからのパワーアシストが作用している。

【０００６】また、パワーアシストが作動する走行速度
の規制範囲があるため、平坦路や下り坂で規制の範囲外
の速度で走行する場合には、ギヤ比が小さいためにペダ
ルの付いたクランクを高速回転しなければならない問題
がある。

【０００７】本発明は平坦路や下り坂でパワーアシスト
が作動する走行速度の規制の範囲外の速度で走行する場
合に、ペダルの付いたクランクを高速回転しなくても使
い易い回転速度で高速走行できる電動自転車を提供する
ことを目的とする。

【０００８】

【課題を解決するための手段】本発明の電動自転車は、
ペダルが取り付けられたペダルクランクシャフトと同軸
上に電動補助ユニットに連結された第１のクランクギヤ
を設け、ペダルクランクシャフトに第１のクランクギヤ
よりも減速比の大きな第２のクランクギヤを設け、第１
のクランクギヤによって駆動車輪を駆動する第１の状態
と第２のクランクギヤによって駆動車輪を駆動する第２
の状態とに切り換える駆動経路切換手段を設けたことを
特徴とする。

【０００９】この本発明によると平坦路や下り坂でパワ
ーアシストが作動する走行速度の規制の範囲外の速度で
走行する場合に、ペダルの付いたクランクを高速回転し
なくても使い易い回転速度で高速走行できる電動自転車
を実現できる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の電動自転車は、人力によ
る駆動系と電動補助ユニットによる駆動系とを並列に設
け、ペダル負荷に応じて電動補助ユニットにより駆動力
を補助する電気自転車において、ペダルが取り付けられ
たペダルクランクシャフトと同軸上に前記電動補助ユニ
ットに連結された第１のクランクギヤを設け、前記ペダ
ルクランクシャフトに第１のクランクギヤよりも減速比
の大きな第２のクランクギヤを設け、第１のクランクギ
ヤまたは第２のクランクギヤによって駆動車輪を駆動す
る動力伝達系を設け、動力伝達系を第１のクランクギヤ
によって駆動車輪を駆動する第１の状態と第２のクラン
クギヤによって駆動車輪を駆動する第２の状態とに切り
換える駆動経路切換手段を設けたことを特徴とする。

【００１１】この構成によると、平坦路や下り坂でパワ
ーアシストが作動する走行速度の規制の範囲外の速度で
走行する場合には駆動経路切換手段を第２の状態に切り
換えることによって、ペダルの付いたクランクを高速回
転しなくても使い易い回転速度で高速走行できる。

【００１２】また、電動補助ユニットの電動モータへの
通電オフの状態を検出して、駆動経路切換手段を、第１
の状態から第２の状態に切り換える制御手段を設けた場
合には、使用者が走行状態を判断して駆動経路切換手段
を手動操作しなくても、駆動経路切換手段を適切に自動
制御できる。

【００１３】以下、本発明における実施の形態を図１〜
図３に基づいて説明する。電動自転車１は、人力によっ
て駆動されるペダル駆動装置１０と、それを補助する電
動補助ユニット２０とを有する。この電動自転車１のフ
レームは、下パイプ２と立パイプ３とチェーンステー４
をモータブラケット５で一体に連結し、モータブラケッ
ト５に電動補助ユニット２０が取り付けられている。

【００１４】通常の自転車の場合は、この部分にペダル
クランクシャフトが配置されているが、本発明の電動自
転車１では、電動補助ユニット２０に、ペダル駆動装置
１０のペダルクランクシャフト１１が配置されている。
そして、ペダルクランクシャフト１１は、サドル６に座
った状態でのペダリング操作が、従来の自転車とほぼ同
等となるような位置に設定されており、電動自転車１の
操作性や乗り心地を阻害しないで重心を低くすることが
できる構造としたものである。

【００１５】ペダルクランクシャフト１１は、電動補助
ユニット２０のケース２１に挿通され、その両端にはク
ランク１２が連結され、これらクランク１２にはペダル
１３が取り付けられている。そして、ペダルクランクシ
ャフト１１に取り付けられた第１のクランクギヤとして
のフロントインナーギヤ１４ａと、後輪１５の側に設け
られたリヤスプロケット１６との間にチェーン１７が掛
けられている。これらによりペダル駆動装置１０が構成
されている。

【００１６】なお、立パイプ３の後面側には、バッテリ
ーを内部に格納したバッテリーケース１８が設けられて
いる。電動補助ユニット２０は図２に示すように構成さ
れている。

【００１７】電動補助ユニット２０のケース２１は、ボ
ックス２１Ａと、ギヤカバー２１Ｂと、モータカバー２
１Ｃと、蓋２１Ｄなどによって構成されている。これら
はガスケットによりシールされており、電動補助ユニッ
ト２０は防水構造となっている。

【００１８】ケース２１の内部でボックス２１Ａとギヤ
カバー２１Ｂとで形成される空間内には、減速機構２２
と、ペダル回転速度検出器２３と、ペダル負荷トルク検
出器２４などが設けられている。そして、ボックス２１
Ａと蓋２１Ｄとで形成される空間内には、制御回路２５
などが設けられている。また、ギヤカバー２１Ｂの凹部
とモータカバー２１Ｃとで形成される空間内には、偏平
型直流モータ２６などが設けられている。

【００１９】このような構成の電動補助ユニット２０に
よると、ペダリングにより、その回転速度をペダル回転
速度検出器２３で検出するとともに、負荷トルクをペダ
ル負荷検出器２４で検出する。次いで、これらの検出値
（情報）に基づいて、制御回路２５に内臓されているマ
イクロコンピュータが、偏平型直流モータ２６を駆動す
るためのＰＷＭ（Ｐulse Ｗidth Ｍodulation ）イン
バータ出力を決定する。そして、ＰＷＭインバータ出力
によって偏平型直流モータ２６を作動させ、減速機構２
２を通してペダル１３による人力に合力することで、回
転力は、フロントインナーギヤ１４ａから後輪１５を駆
動する動力伝達系としてのチェーン１７ならびにリヤス
プロケット１６を介して後輪１５に伝達され、電動自転
車１の推進力となる。

【００２０】さらに、この電動自転車１には第１のクラ
ンクギヤとしてのフロントインナーギヤ１４ａよりも減
速比の大きな第２のクランクギヤとしてのフロントアウ
ターギヤ１４ｂが、ペダルクランクシャフト１１にフロ
ントインナーギヤ１４ａと同軸上に取り付けられてい
る。さらに、フロントインナーギヤ１４ａとフロントア
ウターギヤ１４ｂとにチェーン１７を掛け換える駆動経
路切換手段としてのフロントディレーラ１９が図３に示
すように設けられている。

【００２１】このように構成したため、発進時や登坂路
の走行時には、フロントインナーギヤ１４ａとリヤスプ
ロケット１６とをチェーン１７で連結する第１の状態に
フロントディレーラ１９を設定してペダリングすると、
電動補助ユニットからのパワーアシストによって軽快な
ペダリングで走行できる。

【００２２】平坦路または下り坂の走行時には、電動補
助ユニット２０への通電をオフし、フロントディレーラ
１９を第２の状態に切り換えてペダリングを続ける。フ
ロントディレーラ１９の切り換えによってフロントイン
ナーギヤ１４ａよりも大きなギヤ比のフロントアウター
ギヤ１４ｂとリヤスプロケット１６とがチェーン１７で
連結され、クランク１２を高速回転しなくても使い易い
回転速度で、高速走行できる。

【００２３】また、平坦路または下り坂の走行時には、
電動補助ユニット２０への通電をオフすることによっ
て、バッテリーの省電力化を実現でき、充電回数が低減
してバッテリー寿命を延ばすことができる。

【００２４】上記の実施の形態では、フロントディレー
ラ１９と電動補助ユニット２０の電源のオン−オフの切
り換えは、使用者自身が路面状況を判断して手動操作で
切り換えたが、電動補助ユニットへの電源の供給を使用
者がオフした使用状態では、フロントディレーラ１９を
第１の状態から第２の状態に自動的に切り換える制御手
段を設けることによって、操作性の向上を期待できる。

【００２５】

【発明の効果】以上のように本発明によると、ペダルが
取り付けられたペダルクランクシャフトと同軸上に前記
電動補助ユニットに連結された第１のクランクギヤを設
け、前記ペダルクランクシャフトに第１のクランクギヤ
よりも減速比の大きな第２のクランクギヤを設け、第１
のクランクギヤまたは第２のクランクギヤによって駆動
車輪を駆動する動力伝達系を設け、動力伝達系を第１の
クランクギヤによって駆動車輪を駆動する第１の状態と
第２のクランクギヤによって駆動車輪を駆動する第２の
状態とに切り換える駆動経路切換手段を設けたため、平
坦路や下り坂でパワーアシストが作動する走行速度の規
制の範囲外の速度で走行する場合には駆動経路切換手段
を第２の状態に切り換えることによって、ペダルの付い
たクランクを高速回転しなくても使い易い回転速度で高
速走行できる。

【００２６】さらに、電動補助ユニットの電動モータへ
の通電オフの状態を検出して、駆動経路切換手段を、第
１の状態から第２の状態に切り換える制御手段を設けた
場合には、使用者が走行状態を判断して駆動経路切換手
段を手動操作しなくても、駆動経路切換手段を適切に自
動制御できる。

【図面の簡単な説明】

【図１】本発明の電動自転車の概略側面図

【図２】同実施の形態の電動補助ユニットの断面図

【図３】同実施の形態のフロントディレーラを示す要部
の側面図

【符号の説明】

１ 電動自転車 １０ ペダル駆動装置 ２０ 電動補助ユニット ２ 下パイプ ３ 立パイプ ４ チェーンステー ５ モータブラケット ６ サドル １１ ペダルクランクシャフト １２ クランク １３ ペダル １４ａ フロントインナーギヤ〔第１のクランクギ
ヤ〕 １４ｂ フロントアウターギヤ〔第２のクランクギ
ヤ〕 １５ 後輪〔駆動車輪〕 １６ リヤスプロケット １７ チェーン〔動力伝達系〕 １８ バッテリーケース １９ フロントディレーラ〔駆動経路切換手段〕 ２１ 電動補助ユニットのケース ２１Ａ ボックス ２１Ｂ ギヤカバー ２１Ｃ モータカバー ２１Ｄ 蓋 ２２ 減速機構 ２３ ペダル回転速度検出器 ２４ ペダル負荷トルク検出器 ２５ 制御回路 ２６ 偏平型直流モータ

Claims (2)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】人力による駆動系と電動補助ユニットによ
   る駆動系とを並列に設け、ペダル負荷に応じて電動補助
   ユニットにより駆動力を補助する電気自転車において、 ペダルが取り付けられたペダルクランクシャフトと同軸
   上に前記電動補助ユニットに連結された第１のクランク
   ギヤを設け、 前記ペダルクランクシャフトに第１のクランクギヤより
   も減速比の大きな第２のクランクギヤを設け、 第１のクランクギヤまたは第２のクランクギヤによって
   駆動車輪を駆動する動力伝達系を設け、 動力伝達系を第１のクランクギヤによって駆動車輪を駆
   動する第１の状態と第２のクランクギヤによって駆動車
   輪を駆動する第２の状態とに切り換える駆動経路切換手
   段を設けた電動自転車。
2. 【請求項２】電動補助ユニットの電動モータへの通電オ
   フの状態を検出して駆動経路切換手段を、第１の状態か
   ら第２の状態に切り換える制御手段を設けた請求項１記
   載の電動自転車。