JPH10230566A - 接触磨耗性の改善された両面塗装基板及びその製造方法 - Google Patents
接触磨耗性の改善された両面塗装基板及びその製造方法Info
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- JPH10230566A JPH10230566A JP11015997A JP11015997A JPH10230566A JP H10230566 A JPH10230566 A JP H10230566A JP 11015997 A JP11015997 A JP 11015997A JP 11015997 A JP11015997 A JP 11015997A JP H10230566 A JPH10230566 A JP H10230566A
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- coating
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- Application Of Or Painting With Fluid Materials (AREA)
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Abstract
(57)【要約】
【課題】成型加工時やコイルの巻き取り、巻き戻し時に
疵がつき難い接触磨耗性の改善された両面塗装基板を提
供する。 【解決手段】金属板等の基板の一方面(表面)に高分子
ポリエステル等の塗料を塗装し、該基板の他方面(裏
面)に(1)水酸基を有するポリエステル樹脂若しくは
アクリル樹脂、(2)メラミン樹脂若しくは尿素樹脂お
よび(3)二級若しくは三級アミンでブロックしたスル
ホン酸化合物を含有する塗膜表面に凹凸を形成する塗料
を塗装した接触磨耗性の改善された両面塗装基板。
疵がつき難い接触磨耗性の改善された両面塗装基板を提
供する。 【解決手段】金属板等の基板の一方面(表面)に高分子
ポリエステル等の塗料を塗装し、該基板の他方面(裏
面)に(1)水酸基を有するポリエステル樹脂若しくは
アクリル樹脂、(2)メラミン樹脂若しくは尿素樹脂お
よび(3)二級若しくは三級アミンでブロックしたスル
ホン酸化合物を含有する塗膜表面に凹凸を形成する塗料
を塗装した接触磨耗性の改善された両面塗装基板。
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、接触磨耗性の改善
された両面塗装基板及びその製造方法に関するものであ
る。
された両面塗装基板及びその製造方法に関するものであ
る。
【0002】
【従来の技術】基板の一方面(表面)に塗装する上塗塗
膜の耐磨耗性、耐滑り性、耐スクラッチ性の向上を図
り、また、意匠性を付与するために、有機及び無機の充
填剤(粒状、針状、繊維状等)が上塗塗料に添加されて
いる。
膜の耐磨耗性、耐滑り性、耐スクラッチ性の向上を図
り、また、意匠性を付与するために、有機及び無機の充
填剤(粒状、針状、繊維状等)が上塗塗料に添加されて
いる。
【0003】しかしながら、例えばプレコート鋼板の場
合には、両面塗装された鋼板を取り扱う際に(コイルの
巻き戻し、成型、施工等)、プレコート鋼板の他方面
(裏面)の上塗塗膜がより硬い有機又は無機の充填剤が
添加された上塗塗料を塗装した一方面(表面)の上塗塗
膜と接触することから、他方面(裏面)の上塗塗膜が削
り取られ、スクラッチ疵がつき、さらには削り取られた
他方面(裏面)の上塗塗膜が粉状となり、それが一方面
(表面)の上塗塗膜に付着するいわゆる粉付き現象が生
ずる。
合には、両面塗装された鋼板を取り扱う際に(コイルの
巻き戻し、成型、施工等)、プレコート鋼板の他方面
(裏面)の上塗塗膜がより硬い有機又は無機の充填剤が
添加された上塗塗料を塗装した一方面(表面)の上塗塗
膜と接触することから、他方面(裏面)の上塗塗膜が削
り取られ、スクラッチ疵がつき、さらには削り取られた
他方面(裏面)の上塗塗膜が粉状となり、それが一方面
(表面)の上塗塗膜に付着するいわゆる粉付き現象が生
ずる。
【0004】また、上塗塗料として塩化ビニルゾルを塗
装した鋼板では、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂
を他方面(裏面)用の上塗塗料として塗装・焼付硬化し
た後、コイル状のまま保管する際に、塩化ビニルゾルの
可塑剤が一方面(表面)の上塗塗膜から他方面(裏面)
の上塗塗膜に移行し、他方面(裏面)の上塗塗膜が膨潤
・軟化することから、コイルの巻き戻し時や成型加工時
に他方面(裏面)の上塗塗膜に疵がつき易くなり、耐磨
耗性が低下する。そして、それが著しい場合には他方面
(裏面)の上塗塗膜が剥がれることがある。
装した鋼板では、ポリエステル系樹脂やアクリル系樹脂
を他方面(裏面)用の上塗塗料として塗装・焼付硬化し
た後、コイル状のまま保管する際に、塩化ビニルゾルの
可塑剤が一方面(表面)の上塗塗膜から他方面(裏面)
の上塗塗膜に移行し、他方面(裏面)の上塗塗膜が膨潤
・軟化することから、コイルの巻き戻し時や成型加工時
に他方面(裏面)の上塗塗膜に疵がつき易くなり、耐磨
耗性が低下する。そして、それが著しい場合には他方面
(裏面)の上塗塗膜が剥がれることがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】このような事態が生ず
るのを避けるために、高価な有機粒子を他方面(裏面)
の上塗塗膜に添加したり、可塑剤による膨潤が少ない高
価なエポキシ樹脂を主樹脂として使用する方法がある
が、いずれも他方面(裏面)の上塗塗膜としては不相応
なコストが必要となり妥当でない。そこで、本発明の目
的は、上記諸問題を解決することにある。
るのを避けるために、高価な有機粒子を他方面(裏面)
の上塗塗膜に添加したり、可塑剤による膨潤が少ない高
価なエポキシ樹脂を主樹脂として使用する方法がある
が、いずれも他方面(裏面)の上塗塗膜としては不相応
なコストが必要となり妥当でない。そこで、本発明の目
的は、上記諸問題を解決することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】本発明者は、基板の一方
面(表面)の上塗塗料として耐磨耗性塗料を塗装し、基
板の他方面(裏面)の上塗塗料として塗膜表面に凹凸を
形成する一定の塗料を塗装すれば、他方面(裏面)の塗
膜表面の硬度が向上すると共に塗膜表面の高粗度化を図
ることが可能となり、接触磨耗性の改善された両面塗装
基板が得られることを見出した。
面(表面)の上塗塗料として耐磨耗性塗料を塗装し、基
板の他方面(裏面)の上塗塗料として塗膜表面に凹凸を
形成する一定の塗料を塗装すれば、他方面(裏面)の塗
膜表面の硬度が向上すると共に塗膜表面の高粗度化を図
ることが可能となり、接触磨耗性の改善された両面塗装
基板が得られることを見出した。
【0007】すなわち、本発明は、基板の一方面(表
面)に耐磨耗性塗料を塗装し、他方面(裏面)に塗膜表
面に凹凸を形成する塗料を塗装した接触磨耗性の改善さ
れた両面塗装基板であり、塗膜表面に凹凸を形成する塗
料として、例えば、(1)水酸基を有するポリエステル
樹脂及びアクリル樹脂の少なくとも一種50〜95重量
部、(2)メラミン樹脂及び尿素樹脂の少なくとも一種
5〜50重量部及び(3)沸点50〜250℃の二級若
しくは三級アミンでブロックしたスルホン酸化合物0.
1〜15重量部(スルホン酸換算)〔但し、(3)成分
の配合量は(1)成分と(2)成分の合計量100重量
部を基準とする〕を含有する塗料を挙げることができ
る。
面)に耐磨耗性塗料を塗装し、他方面(裏面)に塗膜表
面に凹凸を形成する塗料を塗装した接触磨耗性の改善さ
れた両面塗装基板であり、塗膜表面に凹凸を形成する塗
料として、例えば、(1)水酸基を有するポリエステル
樹脂及びアクリル樹脂の少なくとも一種50〜95重量
部、(2)メラミン樹脂及び尿素樹脂の少なくとも一種
5〜50重量部及び(3)沸点50〜250℃の二級若
しくは三級アミンでブロックしたスルホン酸化合物0.
1〜15重量部(スルホン酸換算)〔但し、(3)成分
の配合量は(1)成分と(2)成分の合計量100重量
部を基準とする〕を含有する塗料を挙げることができ
る。
【0008】本発明に用いる基板は、金属板、合成樹脂
板等の基板の両面に塗料を塗装できる板材であれば足り
る。金属板としては、例えば冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ
鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アル
ミメッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ板等が挙げら
れ、金属板に表面処理を施しても施さなくともよいが、
リン酸亜鉛若しくはクロメート処理をするのが一般的で
ある。合成樹脂板としては、例えばエポキシ樹脂、ポリ
イミド樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ジアリルフタレート樹脂、これらの樹脂にガラ
ス、シリカ等の無機物を充填したもの等が挙げられる。
板等の基板の両面に塗料を塗装できる板材であれば足り
る。金属板としては、例えば冷延鋼板、溶融亜鉛メッキ
鋼板、電気亜鉛メッキ鋼板、亜鉛合金メッキ鋼板、アル
ミメッキ鋼板、ステンレス鋼板、アルミ板等が挙げら
れ、金属板に表面処理を施しても施さなくともよいが、
リン酸亜鉛若しくはクロメート処理をするのが一般的で
ある。合成樹脂板としては、例えばエポキシ樹脂、ポリ
イミド樹脂、シリコン樹脂、ポリエチレンテレフタレー
ト樹脂、ジアリルフタレート樹脂、これらの樹脂にガラ
ス、シリカ等の無機物を充填したもの等が挙げられる。
【0009】本発明に用いる耐磨耗性塗料としては、例
えば塩化ビニル樹脂、弗化ビニリデン樹脂または硬化剤
を含有する高分子ポリエステル、油変性ポリエステル、
オイルフリーポリエステル、シリコーン変性ポリエステ
ル樹脂、無変性アクリル樹脂若しくは弗素系アクリル樹
脂等が挙げられる。また、耐磨耗性塗料に、例えばガラ
ス繊維等の充填剤を添加すれば塗膜硬度、耐磨耗性をさ
らに向上させることができる。市販されている耐磨耗性
塗料としては、例えばニッペスーパーコート300HQ
ブラック、スーパーラックDIF A−55ブラック、
シリコート200HQブラック、ユニフロンCブラッ
ク、ビニゾール1000・OX−20Aクリーム等が挙
げられる。また、市販のガラス繊維としては、例えばマ
イクログラスサーフェストランドREV−1などが挙げ
られる。
えば塩化ビニル樹脂、弗化ビニリデン樹脂または硬化剤
を含有する高分子ポリエステル、油変性ポリエステル、
オイルフリーポリエステル、シリコーン変性ポリエステ
ル樹脂、無変性アクリル樹脂若しくは弗素系アクリル樹
脂等が挙げられる。また、耐磨耗性塗料に、例えばガラ
ス繊維等の充填剤を添加すれば塗膜硬度、耐磨耗性をさ
らに向上させることができる。市販されている耐磨耗性
塗料としては、例えばニッペスーパーコート300HQ
ブラック、スーパーラックDIF A−55ブラック、
シリコート200HQブラック、ユニフロンCブラッ
ク、ビニゾール1000・OX−20Aクリーム等が挙
げられる。また、市販のガラス繊維としては、例えばマ
イクログラスサーフェストランドREV−1などが挙げ
られる。
【0010】本発明に用いる塗膜表面に凹凸を形成する
塗料としては、例えば、(1)水酸基を有するポリエス
テル樹脂及びアクリル樹脂の少なくとも一種50〜95
重量部、(2)メラミン樹脂及び尿素樹脂の少なくとも
一種5〜50重量部及び(3)沸点50〜250℃の二
級若しくは三級アミンでブロックしたスルホン酸化合物
0.1〜15重量部(スルホン酸換算)〔但し、(3)
成分の配合量は(1)成分と(2)成分の合計量100
重量部を基準とする〕を含有する塗料を挙げることがで
きる。
塗料としては、例えば、(1)水酸基を有するポリエス
テル樹脂及びアクリル樹脂の少なくとも一種50〜95
重量部、(2)メラミン樹脂及び尿素樹脂の少なくとも
一種5〜50重量部及び(3)沸点50〜250℃の二
級若しくは三級アミンでブロックしたスルホン酸化合物
0.1〜15重量部(スルホン酸換算)〔但し、(3)
成分の配合量は(1)成分と(2)成分の合計量100
重量部を基準とする〕を含有する塗料を挙げることがで
きる。
【0011】ここで、水酸基を有するポリエステル樹脂
は、メラミン樹脂または尿素樹脂と反応し得る水酸基を
有するポリエステル樹脂であり、塗料用に供されるもの
であれば特に限定されない。このようなポリエステル樹
脂として、高分子ポリエステル、油変性ポリエステル、
オイルフリーポリエステル、シリコーン変性ポリエステ
ル樹脂等が挙げられ、市販されているものを使用でき
る。
は、メラミン樹脂または尿素樹脂と反応し得る水酸基を
有するポリエステル樹脂であり、塗料用に供されるもの
であれば特に限定されない。このようなポリエステル樹
脂として、高分子ポリエステル、油変性ポリエステル、
オイルフリーポリエステル、シリコーン変性ポリエステ
ル樹脂等が挙げられ、市販されているものを使用でき
る。
【0012】また、水酸基を有するアクリル樹脂は、メ
ラミン樹脂または尿素樹脂と反応し得る水酸基を有する
アクリル樹脂であり、塗料用に供されるものであれば特
に限定されない。このようなアクリル樹脂として、弗素
で変性した弗素系アクリル樹脂も使用できる。
ラミン樹脂または尿素樹脂と反応し得る水酸基を有する
アクリル樹脂であり、塗料用に供されるものであれば特
に限定されない。このようなアクリル樹脂として、弗素
で変性した弗素系アクリル樹脂も使用できる。
【0013】市販されている水酸基を有するポリエステ
ル樹脂又はアクリル樹脂としては、例えばベッコライト
M−6003−60〔大日本インキ社製〕、ベッコライ
トM−6601−60−S〔大日本インキ社製〕、バイ
ロンGK−13CS〔東洋紡績社製〕、アロプラッツ1
711〔日触アロー化学社製〕、アロセット5534−
SB60〔日本触媒社製〕等を挙げることができる。こ
れらの水酸基を有するポリエステル樹脂及びアクリル樹
脂は、それぞれ単独で使用することも、二種以上を混合
して使用することもできる。これらの樹脂の配合量は、
樹脂固形分を基準にして50〜95重量部、好ましくは
60〜90重量部である。
ル樹脂又はアクリル樹脂としては、例えばベッコライト
M−6003−60〔大日本インキ社製〕、ベッコライ
トM−6601−60−S〔大日本インキ社製〕、バイ
ロンGK−13CS〔東洋紡績社製〕、アロプラッツ1
711〔日触アロー化学社製〕、アロセット5534−
SB60〔日本触媒社製〕等を挙げることができる。こ
れらの水酸基を有するポリエステル樹脂及びアクリル樹
脂は、それぞれ単独で使用することも、二種以上を混合
して使用することもできる。これらの樹脂の配合量は、
樹脂固形分を基準にして50〜95重量部、好ましくは
60〜90重量部である。
【0014】メラミン樹脂または尿素樹脂は、メラミン
骨格若しくは尿素結合を有する樹脂であり、メラミン骨
格若しくは尿素結合を形成する窒素原子の一部に基−C
H2OR〔Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す〕が
結合しているものが好ましい。このような樹脂として
は、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂等の
メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂などが
挙げられる。市販されている樹脂としては、例えばサイ
メル300、サイメル301、サイメル303、サイメ
ル238、サイメル254、サイメル1123、サイメ
ル1128、サイメル1170、UFR−65、UFR
−300〔三井サイテック社製〕、スミマールM−40
S〔住友化学社製〕、スーパーベッカミンJ−820−
60、スーパーベッカミンL−121−60〔大日本イ
ンキ化学工業社製〕、ユーバン20SE−60〔三井東
圧社製〕等を挙げることができる。
骨格若しくは尿素結合を有する樹脂であり、メラミン骨
格若しくは尿素結合を形成する窒素原子の一部に基−C
H2OR〔Rは炭素数1〜18のアルキル基を示す〕が
結合しているものが好ましい。このような樹脂として
は、メチル化メラミン樹脂、ブチル化メラミン樹脂等の
メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、尿素樹脂などが
挙げられる。市販されている樹脂としては、例えばサイ
メル300、サイメル301、サイメル303、サイメ
ル238、サイメル254、サイメル1123、サイメ
ル1128、サイメル1170、UFR−65、UFR
−300〔三井サイテック社製〕、スミマールM−40
S〔住友化学社製〕、スーパーベッカミンJ−820−
60、スーパーベッカミンL−121−60〔大日本イ
ンキ化学工業社製〕、ユーバン20SE−60〔三井東
圧社製〕等を挙げることができる。
【0015】これらのメラミン樹脂または尿素樹脂は、
単独で使用することも、二種以上を混合して使用するこ
ともでき、その配合量は、樹脂固形分を基準にして5〜
50重量部、好ましくは10〜40重量部である。メラ
ミン樹脂または尿素樹脂の配合量が、5重量部よりも少
ない場合は、塗膜の硬化が不完全となり、また、塗膜表
面に形成される凹凸も不充分となる。一方、メラミン樹
脂または尿素樹脂の配合量が、50重量部よりも多くな
れば形成される塗膜の加工性、耐食性等が低下する弊害
が生じる。
単独で使用することも、二種以上を混合して使用するこ
ともでき、その配合量は、樹脂固形分を基準にして5〜
50重量部、好ましくは10〜40重量部である。メラ
ミン樹脂または尿素樹脂の配合量が、5重量部よりも少
ない場合は、塗膜の硬化が不完全となり、また、塗膜表
面に形成される凹凸も不充分となる。一方、メラミン樹
脂または尿素樹脂の配合量が、50重量部よりも多くな
れば形成される塗膜の加工性、耐食性等が低下する弊害
が生じる。
【0016】スルホン酸は、塗膜表面に凹凸を形成する
塗料の反応触媒であり、沸点50〜250℃の二級若し
くは三級アミンでブロックして使用される。二級若しく
は三級アミンでブロックしたスルホン酸塩とすることに
より、塗膜の硬化時における表面と内部で硬化速度に傾
斜を生じさせ、その結果塗膜表面に凹凸を形成する作用
がある。
塗料の反応触媒であり、沸点50〜250℃の二級若し
くは三級アミンでブロックして使用される。二級若しく
は三級アミンでブロックしたスルホン酸塩とすることに
より、塗膜の硬化時における表面と内部で硬化速度に傾
斜を生じさせ、その結果塗膜表面に凹凸を形成する作用
がある。
【0017】スルホン酸としては、例えばパラトルエン
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスル
ホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンジスルホン酸等が挙げられ、二種以上を併用して
使用することもできる。
スルホン酸、ドデシルベンゼンスルホン酸、メタンスル
ホン酸、ジノニルナフタレンスルホン酸、ジノニルナフ
タレンジスルホン酸等が挙げられ、二種以上を併用して
使用することもできる。
【0018】沸点50〜250℃の二級若しくは三級ア
ミンとしては、特に限定されないが、例えばジエチルア
ミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジア
ミルアミン、ジアリルアミン、ジ−sec−ブチルアミ
ン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N
−メチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ピ
ペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペ
コリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、
3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジアリ
ルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアリルアミン、
Nーメチルピペリジン、4−エチルピリジン、N−メチ
ルピペラジン、Nーメチルモルホリンが挙げられ、二種
以上を併用して使用することもできる。より好ましくは
沸点70〜220℃の二級若しくは三級アミンを使用す
る。
ミンとしては、特に限定されないが、例えばジエチルア
ミン、ジ−n−プロピルアミン、ジイソプロピルアミ
ン、ジイソブチルアミン、ジ−n−ブチルアミン、ジア
ミルアミン、ジアリルアミン、ジ−sec−ブチルアミ
ン、N−エチル−1,2−ジメチルプロピルアミン、N
−メチルヘキシルアミン、ジ−n−オクチルアミン、ピ
ペリジン、2−ピペコリン、3−ピペコリン、4−ピペ
コリン、2,4−ルペチジン、2,6−ルペチジン、
3,5−ルペチジン、3−ピペリジンメタノール、トリ
エチルアミン、トリブチルアミン、トリアリルアミン、
N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチルジアリ
ルアミン、ピリジン、N,N−ジメチルアリルアミン、
Nーメチルピペリジン、4−エチルピリジン、N−メチ
ルピペラジン、Nーメチルモルホリンが挙げられ、二種
以上を併用して使用することもできる。より好ましくは
沸点70〜220℃の二級若しくは三級アミンを使用す
る。
【0019】二級若しくは三級アミンでブロックしたス
ルホン酸化合物は、例えば二級若しくは三級アミンとス
ルホン酸を20〜30℃で10〜20分間かき混ぜるこ
とにより、容易にスルホン酸塩として得られる。
ルホン酸化合物は、例えば二級若しくは三級アミンとス
ルホン酸を20〜30℃で10〜20分間かき混ぜるこ
とにより、容易にスルホン酸塩として得られる。
【0020】沸点50〜250℃の二級若しくは三級ア
ミンでブロックしたスルホン酸化合物は、塗膜表面に凹
凸を形成するのに有効な反応触媒であり、樹脂合計量1
00重量部に対してスルホン酸換算で0.1〜15重量
部、好ましくは1〜10重量部添加する。スルホン酸化
合物の添加量が0.1重量部(スルホン酸換算)未満で
あれば、塗膜表面における凹凸の形成が不充分であり、
また、15重量部を超えると耐薬品性が低下する。この
反応触媒については、すべてのスルホン酸基は必ずしも
二級若しくは三級アミンでブロックされている必要がな
く、二級若しくは三級アミンはスルホン酸に対する当量
比で0.5倍以上使用するのが好ましい。
ミンでブロックしたスルホン酸化合物は、塗膜表面に凹
凸を形成するのに有効な反応触媒であり、樹脂合計量1
00重量部に対してスルホン酸換算で0.1〜15重量
部、好ましくは1〜10重量部添加する。スルホン酸化
合物の添加量が0.1重量部(スルホン酸換算)未満で
あれば、塗膜表面における凹凸の形成が不充分であり、
また、15重量部を超えると耐薬品性が低下する。この
反応触媒については、すべてのスルホン酸基は必ずしも
二級若しくは三級アミンでブロックされている必要がな
く、二級若しくは三級アミンはスルホン酸に対する当量
比で0.5倍以上使用するのが好ましい。
【0021】塗膜表面に凹凸を形成する塗料には、さら
に、ワックス(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
パラフィン、カルナウバ、マイクロクリスタリン及びこ
れらの変性物等)、表面調整剤(例えばアクリル系、シ
リコーン系及び弗素系の界面活性剤等)、顔料、金属フ
レーク(アルミニウム、ステンレス、銅等)、顔料分散
剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリカ粉
に代表される艶消剤、溶剤などを添加することができ
る。顔料としては、例えば二酸化チタン、カーボンブラ
ック、酸化鉄、黄鉛等の無機顔料、アゾ系、フタロシア
ニン系、キナクリドン系、ペリレン系等の有機顔料、ナ
イロン、メラミン、アクリル、ポリエステル、フッ素、
ポリエチレン、シリコン等の有機ビーズ、ガラス等の無
機ビーズ、炭素、ガラス、チタン酸カリウム等の繊維、
アルミ、ステンレス、銅等の金属フレーク、硫酸バリウ
ム、硅酸アルミ、炭酸カルシウム、タルク、硅砂、石
英、亜鉛華、雲母、長石等の体質顔料、ストロンチウム
クロメート、カルシウムクロメート、ジンククロメート
等の防錆顔料などが挙げられる。顔料の配合量は、塗料
樹脂100重量部に対して300重量部以下であること
が好ましい。300重量部を超えると加工性が低下す
る。
に、ワックス(例えばポリエチレン、ポリプロピレン、
パラフィン、カルナウバ、マイクロクリスタリン及びこ
れらの変性物等)、表面調整剤(例えばアクリル系、シ
リコーン系及び弗素系の界面活性剤等)、顔料、金属フ
レーク(アルミニウム、ステンレス、銅等)、顔料分散
剤、沈降防止剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、シリカ粉
に代表される艶消剤、溶剤などを添加することができ
る。顔料としては、例えば二酸化チタン、カーボンブラ
ック、酸化鉄、黄鉛等の無機顔料、アゾ系、フタロシア
ニン系、キナクリドン系、ペリレン系等の有機顔料、ナ
イロン、メラミン、アクリル、ポリエステル、フッ素、
ポリエチレン、シリコン等の有機ビーズ、ガラス等の無
機ビーズ、炭素、ガラス、チタン酸カリウム等の繊維、
アルミ、ステンレス、銅等の金属フレーク、硫酸バリウ
ム、硅酸アルミ、炭酸カルシウム、タルク、硅砂、石
英、亜鉛華、雲母、長石等の体質顔料、ストロンチウム
クロメート、カルシウムクロメート、ジンククロメート
等の防錆顔料などが挙げられる。顔料の配合量は、塗料
樹脂100重量部に対して300重量部以下であること
が好ましい。300重量部を超えると加工性が低下す
る。
【0022】塗膜表面に凹凸を形成する塗料は、上記の
各成分を混合して製造され、必要によりキシロール等の
溶剤で希釈して乾燥膜厚2〜50μmの範囲で塗装する
ことが好ましい。塗装後の焼付は、180〜300℃で
10〜300秒間行うことにより、塗膜表面に凹凸を形
成することができる。また、塗膜表面に凹凸を形成する
塗料は、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アル
ミニウム板等の基板に直接塗装してもよく、プレコート
鋼板上に塗装してもよい。
各成分を混合して製造され、必要によりキシロール等の
溶剤で希釈して乾燥膜厚2〜50μmの範囲で塗装する
ことが好ましい。塗装後の焼付は、180〜300℃で
10〜300秒間行うことにより、塗膜表面に凹凸を形
成することができる。また、塗膜表面に凹凸を形成する
塗料は、鋼板、亜鉛メッキ鋼板、ステンレス鋼板、アル
ミニウム板等の基板に直接塗装してもよく、プレコート
鋼板上に塗装してもよい。
【0023】本発明の耐磨耗性塗料及び塗膜表面に凹凸
を形成する塗料を塗装する前に、必要に応じてあらかじ
め下塗塗料を塗装することができる。
を形成する塗料を塗装する前に、必要に応じてあらかじ
め下塗塗料を塗装することができる。
【0024】本発明の耐磨耗性塗料及び塗膜表面に凹凸
を形成する塗料は、例えば基板(鋼板)の両面若しくは
片面に下塗塗料を塗装し、180〜300℃で10〜3
00秒間焼付乾燥後、ロールコーターにより基板の両面
に耐磨耗性塗料及び塗膜表面に凹凸を形成する塗料を同
時にまたは相前後して塗装した後、180〜300℃で
10〜300秒間焼付乾燥することによって得られる。
を形成する塗料は、例えば基板(鋼板)の両面若しくは
片面に下塗塗料を塗装し、180〜300℃で10〜3
00秒間焼付乾燥後、ロールコーターにより基板の両面
に耐磨耗性塗料及び塗膜表面に凹凸を形成する塗料を同
時にまたは相前後して塗装した後、180〜300℃で
10〜300秒間焼付乾燥することによって得られる。
【0025】本発明の耐磨耗性塗料及び塗膜表面に凹凸
を形成する塗料は、バーコーター、フローコーター、ロ
ールコーター、ロールフローコーター、スプレーガンな
どで塗装することができ、必要により塗装後更にエンボ
ス加工することもできる。
を形成する塗料は、バーコーター、フローコーター、ロ
ールコーター、ロールフローコーター、スプレーガンな
どで塗装することができ、必要により塗装後更にエンボ
ス加工することもできる。
【0026】
【実施例】つぎに、実施例及び比較例を掲げて本発明を
説明する。参考例A及びBにおける表中の数字は、特に
断らない限り部は固形分の重量(g)を示す。但し、ア
ミンは有効成分重量を示す。
説明する。参考例A及びBにおける表中の数字は、特に
断らない限り部は固形分の重量(g)を示す。但し、ア
ミンは有効成分重量を示す。
【0027】参考例A 耐磨耗性塗料〔A−1〜7〕を表1に示す配合で調製し
た。参考例A−1〜4及び6で使用されるガラス繊維
は、日本硝子繊維社製のマイクログラスサーフェストラ
ンドREV−1(平均繊維長:35μm 平均直径:1
3μm)である。参考例A−6では、ビニゾールにガラ
ス繊維を配合し、ディゾルバーで30分攪拌し、均一に
混合した塗料を減圧脱泡機で30分間脱泡した。
た。参考例A−1〜4及び6で使用されるガラス繊維
は、日本硝子繊維社製のマイクログラスサーフェストラ
ンドREV−1(平均繊維長:35μm 平均直径:1
3μm)である。参考例A−6では、ビニゾールにガラ
ス繊維を配合し、ディゾルバーで30分攪拌し、均一に
混合した塗料を減圧脱泡機で30分間脱泡した。
【0028】
【表1】
【0029】注)*1:日本ペイント社製 *2:日本硝子繊維社製 *3:日本ペイント社製 *4:日本ペイント社製 *5:日本ペイント社製 *6:日本ペイント社製
【0030】参考例B 塗膜表面に凹凸を形成する塗料〔B−1〜9〕を表2〜
3に示す配合で調製した。
3に示す配合で調製した。
【0031】
【表2】
【0032】注)*1:ベッコライトM−6003−6
0(数平均分子量3000,不揮発分60%〔大日本イ
ンキ社製〕 *2:バイロンGK−13CS(数平均分子量800
0,不揮発分51%〔東洋紡績社製〕 *3:アロセット5534−SB60(数平均分子量8
000,不揮発分60%〔日本触媒社製〕 *4:サイメル303(不揮発分100%)〔三井サイ
テック社製〕 *5:スーパーベッカミンJ−820−60(不揮発分
60%)〔大日本インキ化学工業社製〕 *6:UFR−65(不揮発分100%)〔三井サイテ
ック社製〕 *7:キャタリスト6000(ドデシルベンゼンスルホ
ン酸40%)〔三井東圧社製〕 *8:三菱ガス化学社製 *9:広栄化学工業社製
0(数平均分子量3000,不揮発分60%〔大日本イ
ンキ社製〕 *2:バイロンGK−13CS(数平均分子量800
0,不揮発分51%〔東洋紡績社製〕 *3:アロセット5534−SB60(数平均分子量8
000,不揮発分60%〔日本触媒社製〕 *4:サイメル303(不揮発分100%)〔三井サイ
テック社製〕 *5:スーパーベッカミンJ−820−60(不揮発分
60%)〔大日本インキ化学工業社製〕 *6:UFR−65(不揮発分100%)〔三井サイテ
ック社製〕 *7:キャタリスト6000(ドデシルベンゼンスルホ
ン酸40%)〔三井東圧社製〕 *8:三菱ガス化学社製 *9:広栄化学工業社製
【0033】
【表3】
【0034】実施例1〜18及び比較例1〜2 厚さ0.5mmの溶融亜鉛メッキ鋼板の一方面若しくは
両面に下塗塗料をバーコーターで塗装し、塗装鋼板を2
10〜215℃で40〜60秒間焼き付けて、乾燥塗膜
厚3〜5μmの塗膜を得た。実施例1〜6、9、11、
13〜18及び比較例1は下塗塗料としてスーパーラッ
クDIF Pー01プライマー〔C−1〕を使用して2
10℃で40秒間焼き付け、実施例5はユニフロンN
o.2プライマー〔C−2〕を使用して215℃で60
秒間焼き付け、また、実施例7、8、10、12及び比
較例2はビニゾール1600プライマー〔C−3〕を使
用して215℃で60秒間焼き付けた。
両面に下塗塗料をバーコーターで塗装し、塗装鋼板を2
10〜215℃で40〜60秒間焼き付けて、乾燥塗膜
厚3〜5μmの塗膜を得た。実施例1〜6、9、11、
13〜18及び比較例1は下塗塗料としてスーパーラッ
クDIF Pー01プライマー〔C−1〕を使用して2
10℃で40秒間焼き付け、実施例5はユニフロンN
o.2プライマー〔C−2〕を使用して215℃で60
秒間焼き付け、また、実施例7、8、10、12及び比
較例2はビニゾール1600プライマー〔C−3〕を使
用して215℃で60秒間焼き付けた。
【0035】つぎに、この塗装鋼板の一方面(表面)に
耐磨耗性塗料を、他方面(裏面)に塗膜表面に凹凸を形
成する塗料をバーコーターでそれぞれ塗装し、塗装鋼板
を210〜250℃で60〜90秒間焼き付けて、一方
面(表面)の乾燥塗膜厚が17〜200μmで、他方面
(裏面)の乾燥塗膜厚が5〜10μmである両面塗装基
板を得た。上記操作によって得られた両面塗装基板につ
いて以下に示す各種の試験を行った。これらの結果を表
4〜7に示す。
耐磨耗性塗料を、他方面(裏面)に塗膜表面に凹凸を形
成する塗料をバーコーターでそれぞれ塗装し、塗装鋼板
を210〜250℃で60〜90秒間焼き付けて、一方
面(表面)の乾燥塗膜厚が17〜200μmで、他方面
(裏面)の乾燥塗膜厚が5〜10μmである両面塗装基
板を得た。上記操作によって得られた両面塗装基板につ
いて以下に示す各種の試験を行った。これらの結果を表
4〜7に示す。
【0036】1.粉付き性試験 基板の一方面(表面)に耐磨耗性塗料を塗装し、他方面
(裏面)に塗膜表面に凹凸を形成する塗料を塗装した両
面塗装基板を5cm×5cmに切断して、一方面(表面)の
塗膜面と他方面(裏面)の塗膜面を重ね合わせ6kg/cm2
の荷重をかけ、90度回転させた後、その塗膜面を観察
する。 ○:他方面(裏面)の塗膜が削れていない ×:他方面(裏面)の塗膜が削れ、粉状物が一方面(表
面)の塗膜に付着している
(裏面)に塗膜表面に凹凸を形成する塗料を塗装した両
面塗装基板を5cm×5cmに切断して、一方面(表面)の
塗膜面と他方面(裏面)の塗膜面を重ね合わせ6kg/cm2
の荷重をかけ、90度回転させた後、その塗膜面を観察
する。 ○:他方面(裏面)の塗膜が削れていない ×:他方面(裏面)の塗膜が削れ、粉状物が一方面(表
面)の塗膜に付着している
【0037】2.コインスクラッチ試験 両面塗装基板の他方面(裏面)の塗膜に10円玉を45
度の角度で当て、500gの荷重をかけて3cm移動させ
た後、塗膜面の疵つき状態を観察する。 ○:塗膜表面にスリキズがみとめられるが、素地との剥
離はない ×:素地と剥離している
度の角度で当て、500gの荷重をかけて3cm移動させ
た後、塗膜面の疵つき状態を観察する。 ○:塗膜表面にスリキズがみとめられるが、素地との剥
離はない ×:素地と剥離している
【0038】3.可塑剤移行性試験 両面塗装基板を10cm×10cmに切断して、他方面(裏
面)の塗膜面と一方面(表面)の塗膜面を重ね合わせ1
00kg/cm2の荷重をかけ、40℃で72時間経過後の重
量の変化(mg)を試験する。また、この可塑剤移行性
試験の前後における両面塗装基板の他方面(裏面)の塗
膜について、鉛筆硬度試験〔JISK−5400−8−
4−1(5)−(b)〕およびコインスクラッチ試験を
行った。なお、可塑剤移行性試験は、耐磨耗性塗料とし
てビニゾール系樹脂を用いた場合について実施した。
面)の塗膜面と一方面(表面)の塗膜面を重ね合わせ1
00kg/cm2の荷重をかけ、40℃で72時間経過後の重
量の変化(mg)を試験する。また、この可塑剤移行性
試験の前後における両面塗装基板の他方面(裏面)の塗
膜について、鉛筆硬度試験〔JISK−5400−8−
4−1(5)−(b)〕およびコインスクラッチ試験を
行った。なお、可塑剤移行性試験は、耐磨耗性塗料とし
てビニゾール系樹脂を用いた場合について実施した。
【0039】
【表4】
【0040】
【表5】
【0041】
【表6】
【0042】
【表7】
【0043】
【発明の効果】本発明の基板の一方面(表面)に耐磨耗
性塗料を塗装し、他方面(裏面)に塗膜表面に凹凸を形
成する塗料を塗装した両面塗装基板は、両面塗装したコ
イルを巻取り保管する場合等一方面(表面)の塗膜と他
方面(裏面)の塗膜が接触しても、他方面(裏面)の塗
膜が削り取られて一方面(表面)の塗膜に付着するいわ
ゆる粉付き現象を生ずることがない。これは他方面(裏
面)の塗膜の高硬度化及び一方面(表面)の塗膜との接
触面積の低下を図ることによって達成できたものであ
り、高価な有機粒子やエポキシ樹脂を使用せずとも本発
明の課題(低コスト化、裏面におけるスクラッチ疵の発
生防止、他方面(裏面)の塗膜の軟化防止、粉付き現象
の防止等)が解決される。
性塗料を塗装し、他方面(裏面)に塗膜表面に凹凸を形
成する塗料を塗装した両面塗装基板は、両面塗装したコ
イルを巻取り保管する場合等一方面(表面)の塗膜と他
方面(裏面)の塗膜が接触しても、他方面(裏面)の塗
膜が削り取られて一方面(表面)の塗膜に付着するいわ
ゆる粉付き現象を生ずることがない。これは他方面(裏
面)の塗膜の高硬度化及び一方面(表面)の塗膜との接
触面積の低下を図ることによって達成できたものであ
り、高価な有機粒子やエポキシ樹脂を使用せずとも本発
明の課題(低コスト化、裏面におけるスクラッチ疵の発
生防止、他方面(裏面)の塗膜の軟化防止、粉付き現象
の防止等)が解決される。
Claims (7)
- 【請求項1】基板の一方面(表面)に耐磨耗性塗料を塗
装し、他方面(裏面)に塗膜表面に凹凸を形成する塗料
を塗装した接触磨耗性の改善された両面塗装基板。 - 【請求項2】基板が、金属板または合成樹脂板である請
求項1記載の接触磨耗性の改善された両面塗装基板。 - 【請求項3】耐磨耗性塗料が、塩化ビニル樹脂、弗化ビ
ニリデン樹脂または硬化剤を含有する高分子ポリエステ
ル、油変性ポリエステル、オイルフリーポリエステル、
シリコーン変性ポリエステル樹脂、無変性アクリル樹脂
若しくは弗素系アクリル樹脂である請求項1記載の接触
磨耗性の改善された両面塗装基板。 - 【請求項4】塗膜表面に凹凸を形成する塗料が、(1)
水酸基を有するポリエステル樹脂及びアクリル樹脂の少
なくとも一種50〜95重量部、(2)メラミン樹脂及
び尿素樹脂の少なくとも一種5〜50重量部及び(3)
沸点50〜250℃の二級若しくは三級アミンでブロッ
クしたスルホン酸化合物0.1〜15重量部(スルホン
酸換算)〔但し、(3)成分の配合量は(1)成分と
(2)成分の合計量100重量部を基準とする〕を含有
する塗料である請求項1記載の接触磨耗性の改善された
両面塗装基板。 - 【請求項5】基板の一方面(表面)に塗装した耐磨耗性
塗料の膜厚が、他方面(裏面)に塗装した塗膜表面に凹
凸を形成する塗料の膜厚よりも大きい請求項1記載の接
触磨耗性の改善された両面塗装基板。 - 【請求項6】請求項1〜5記載の耐磨耗性塗料及び塗膜
表面に凹凸を形成する塗料を基板に塗装後、更にエンボ
ス加工して得られる接触磨耗性の改善された両面塗装基
板。 - 【請求項7】基板の一方面(表面)に耐磨耗性塗料を塗
装し、他方面(裏面)に塗膜表面に凹凸を形成する塗料
を塗装する接触磨耗性の改善された両面塗装基板の製造
方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP11015997A JPH10230566A (ja) | 1996-12-17 | 1997-04-11 | 接触磨耗性の改善された両面塗装基板及びその製造方法 |
Applications Claiming Priority (3)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP8-354004 | 1996-12-17 | ||
JP35400496 | 1996-12-17 | ||
JP11015997A JPH10230566A (ja) | 1996-12-17 | 1997-04-11 | 接触磨耗性の改善された両面塗装基板及びその製造方法 |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JPH10230566A true JPH10230566A (ja) | 1998-09-02 |
Family
ID=26449837
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP11015997A Pending JPH10230566A (ja) | 1996-12-17 | 1997-04-11 | 接触磨耗性の改善された両面塗装基板及びその製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JPH10230566A (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013184397A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Nisshin Steel Co Ltd | 塗装金属板 |
JP2014144604A (ja) * | 2013-01-30 | 2014-08-14 | Nisshin Steel Co Ltd | 塗装金属板 |
WO2022065922A1 (ko) * | 2020-09-28 | 2022-03-31 | 주식회사 포스코 | 내후성 및 열방사 특성이 우수한 복합수지 조성물, 복합수지 코팅강판 및 이의 제조방법 |
-
1997
- 1997-04-11 JP JP11015997A patent/JPH10230566A/ja active Pending
Cited By (4)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2013184397A (ja) * | 2012-03-08 | 2013-09-19 | Nisshin Steel Co Ltd | 塗装金属板 |
JP2014144604A (ja) * | 2013-01-30 | 2014-08-14 | Nisshin Steel Co Ltd | 塗装金属板 |
WO2022065922A1 (ko) * | 2020-09-28 | 2022-03-31 | 주식회사 포스코 | 내후성 및 열방사 특성이 우수한 복합수지 조성물, 복합수지 코팅강판 및 이의 제조방법 |
CN116249748A (zh) * | 2020-09-28 | 2023-06-09 | 浦项股份有限公司 | 耐候性和热辐射特性优异的复合树脂组合物、复合树脂涂覆钢板及其制造方法 |
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