JPH10229721A - 刈払機用カッター - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 【課題】 回転カッターで雑草等を刈り取る際、石等の
障害物に刃、刃先が接触して該刃、刃先を傷める。 【解決手段】 動力で円板状のカッターを回転させ、草
を該カッターの回転で刈り取るようにした刈払機におい
て、カッター２０は、その外周部に複数の刈刃２３を備
える円板状の少刃数の丸鋸状をなし、カッター外周部
で、刈刃の回転方向後方には、該刈刃の刃先２３の回転
軌跡Ｌよりも径方向外方に突出する凸部２４を設けた刈
払機用カッター。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】

【発明の属する技術分野】本発明は、動力で回転するカ
ッターを備え、操作者が手で把持し、先端部の回転カッ
ターを草に臨ませ、該草を刈り採るようにした刈払機の
カッターに関するものである。

【０００２】

【従来の技術】エンジンで駆動される回転カッターを備
え、エンジン部を肩で担ぎ、軸状部材にハンドル部を備
え、軸状部材の先端部の回転カッターを雑草等に臨ま
せ、雑草等を刈り取る動力式の刈払機は特公昭３８−１
５９０８号他で知られている。

【０００３】この種の刈払機の刈り取り用カッターは一
般的には円板状で、外周部に複数の刈刃を備えるタイプ
が多く、実開平５−２６２５号開示のものは、回転板外
周に径方向外方に二本の刈払刃を対称的に突設するタイ
プもある。

【０００４】

【発明が解決しようとする課題】以上の刈払機のカッタ
ーにおいて、円板状のものは、その外周部に円周方向に
離して複数の刈刃を備え、カッターの回転で刈刃により
雑草等を切断し、刈り取る。従来のカッターは、円板状
のカッター本体外周部に複数の刈刃のみが設けられてい
るので、刈刃のカッターの回転による雑草等の切断作用
に際し、刈刃が直接雑草等に接し、雑草の切断、刈り取
り作業を行なう。

【０００５】ところで、刈払機は、重量のあるエンジン
を肩で担ぎ、長い軸状部材に設けたハンドルを把持し、
軸状部材の先端に臨む回転カッターを雑草等に臨ませて
刈り取り作業を行なう。このため、カッターと操作者と
の間には距離があること、カッターが回転しているので
カッターを含む刈払機の先端部が振れたりすること、エ
ンジン部分を担いで操作する必要があること等から、カ
ッター部分の正確な雑草等に倣った操作が難しい。

【０００６】このため、例えば、縁石等に近い雑草等を
刈り取る場合、カッター部が振れたりして操作しにくい
ことから、縁石等に刈刃ーが触れたりする虞があり、こ
の結果、刈刃、特に刈刃の刃先を傷める虞がある。又雑
草等の中に小石や庭石等が混じっていたりする場合もあ
り、これ等の石等に刈刃が接し、刈刃を傷める虞があ
る。

【０００７】本発明は以上の課題を解決すべくなされた
ものである。本発明の目的とする処は、刈払機の回転カ
ッターにおいて、回転カッターによる雑草等刈り取り時
に、刈刃の石等の障害物へ接触し、損傷する可能性があ
ることを操作者に予め検出、感得せしめ、刈刃の石等へ
の接触を未然に防止し、刈刃の損傷を防止し、刈刃の保
護、寿命の向上等を図ることができるようにし、以上の
損傷防止機構を簡素な構造で達成し、且つ刈刃の障害物
への接触検出、感得を確実に行ない得るようにした刈払
機用回転カッターを提供することにある。

【０００８】

【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に請求項１は、動力で円板状のカッターを回転させ、草
を該カッターの回転で刈り取るようにした刈払機におい
て、カッターは、その外周部に複数の刈刃を備え、カッ
ター外周部で、前記刈刃の回転方向後方には、該刈刃の
刃先の回転軌跡よりも径方向外方に突出する凸部を設け
た。

【０００９】請求項１においては、カッターの回転によ
る雑草等の刈り取り作業時ににおいて、刈刃の刃先より
も径方向外方に突出させた凸部が、該刈刃の刃先よりも
先に障害物に接触するので、障害物の有無、特に障害物
が有ることを検出、感得することができ、カッターの操
作をコントロールすることで刃先の障害物への接触を未
然に防止することができる。又刈刃の刃先よりも先に凸
部が障害物に接触するので、刈刃刃先の障害物への接触
を防止することができ、刈刃を障害物から保護すること
ができる。

【００１０】

【発明の実施の形態】本発明の実施の形態を添付図に基
づいて以下に説明する。なお、図面は符号の向きに見る
ものとする。図１は刈払機の一例を示す斜視図、図２は
刈払機のカッター部分の拡大縦断側面図、図３はカッタ
ーの平面図、図４はカッター要部の拡大図である。

【００１１】図１は刈払機１の一例を示し、直線状の管
体２の上端部にはエンジン３を備え、エンジン３はクラ
ンクケース部４、シリンダヘッド部５を備え、シリンダ
ヘッド部５はシリンダヘッドカバー５ａで外側をカバー
されており、クランクケース部４の後部には実施例では
リコイルスタータ６を備える。

【００１２】クランクケース部４の正面には出力軸外周
を保持して覆う筒状延出部７を備え、筒状延出部７に前
記した管体２の上端部が嵌合等して接合され、管体２内
を出力軸に上端部を連結した駆動軸８が嵌合、保持され
ている。駆動軸８の出力端部、即ち下端部８ａを図２で
示した。

【００１３】管体２の中間上部にはバー式のハンドル９
を設け、ハンドル９は略々Ｕ字型をなし、両端部にグリ
ップ部９ａ，９ａを備え、中央部のハンドルブラケット
９ｂで管体２に固着されている。ハンドル９の一方のグ
リップ部近傍には、エンジンの回転数を制御するスロッ
トルレバー１０が設けられている。

【００１４】管体２の下端部２ａを、図２に示すように
側面視略々Ｌ型のギヤケース１０の斜後上傾する筒状一
端部１０ａに嵌合して固定し、一端部１０ａ内に臨む駆
動軸８の下端部８ａにはスプライン係合部８ｂを延出
し、該係合部８ｂを介してギヤケース１０内に配設した
駆動傘歯車１１の基部１１ａを係合する。傘歯車１１の
軸部１１ａ外周は、ギヤケース１０の一端部１０ａの基
部内に設けた軸受け１２で回転可能に保持する。

【００１５】ギヤケース１０の縦向きの筒状他端部１０
ｂ内には被動軸である回転軸１３を縦向きに収納、配設
し、該回転軸１３の上下を軸受け１４，１５で回転可能
に支持し、回転軸１３の上部軸受け１４の直下には被動
傘歯車１６を設ける。回転軸１３の傘歯車１６と前記駆
動軸８下端部の傘歯車１１とを相噛合し、駆動軸８の動
力を回転軸１３に伝達する。

【００１６】回転軸１３の下端部を筒状他端部１０ａの
下方に突出して取付ボス部１３ａを構成し、取付ボス部
１３ａは小径の段部１３ｂを備え、段部１３ｂの先の取
付部１３ｃにカッター２０の中心部に設けた取付孔２１
を下から嵌合し、下方からワッシャ１７を介してボルト
１８を回転軸１３の軸方向に設けたネジ穴１３ｄに螺合
し、カッター２０を回転軸１３に脱着自在に固定する。

【００１７】以上のカッター２０を備える管体２先端部
のケース１０の手前には、ガード板１９を設け、ガード
板１９は、カッター２０の径よりも若干大きい左右方向
の幅を有し、上下方向の寸法は小さく、上からカッター
２０を容易に確認し得るように構成し、ガード板１９
は、中央部上部に設けた左右割のボス部１９ａで管体２
の下部に緊締、固定され、緊締を緩めることで管体２の
軸方向に移動可能であり、ガード板１９の位置を調節す
ることが可能である。

【００１８】図３はカッター２０の全体平面図であり、
カッター２０は、円板状で刃数の少ない丸鋸状をなす。
カッター２０の外周部には、放射状に複数の刈刃２２…
を備え、各刈刃２２…の各刃先２３…が最も外周に位置
する。又前記したようにカッター２０の中心部には取付
孔２１を備える。

【００１９】以上の各刈刃２２…の先端部の刃先２３…
の回転軌跡Ｌは、図４に示したように一致する。以上に
おいて、カッター２０は、図３、図４において、矢印で
示すように反時計方向に回転するものとし、かかるカッ
ター２０の前記した各刃刈２２…の回転方向後方で、刃
先２３…の回転方向後方に凸部２４…を設ける。

【００２０】凸部２４…は、図４に拡大して示したよう
に、前半部２４ａがカッターの外周部から回転方向後方
に急に立上がる（径方向外方に突出する）弧状で、後半
部２４ｃが頂部２４ｂから回転方向後方に緩やかに弧状
をなしてカッターの外周部に合流し、所謂涙滴形状を半
分にした形状をなす。凸部２４をこのような形状とする
ことで、凸部２４の剛性を高めることができる。

【００２１】又凸部２４…は、各刃先２３…の回転軌跡
Ｌよりも、少なくともその頂部２４ｂ、実際には突出量
の半分程が径方向外方に所定長さ突出する。そして、凸
部２４…は、カッター２０の外周部で、各刃先２３…の
回転方向後方の直後に設ける。図４で示したように、前
の刈刃Ａの刃先２３の直後の外周で、回転方向直後の刃
Ｂと当該凸部２４との間に所定の円周方向の間隔を開け
る。

【００２２】以上において、ハンドル９のグリップ部９
ａ，９ａを操作者は把持し、刈払機１を操作する。カッ
ター２０は、エンジン３による駆動軸８の駆動で傘歯車
１１，１６を介して回転駆動し、カッター２０を雑草等
を刃２２…で切断し、刈り取る。

【００２３】以上のカッター２０による雑草等の刈り取
り作業に際し、刈刃２２…が雑草等に臨んでこれを切断
するが、雑草等の中に石等の障害物が存在している場
合、或いは、縁石等に近い部分の雑草等を刈り取る場
合、カッター２０の刃先２３…の回転軌跡Ｌの外側に凸
部２４…が突出しているので、刃先２３…が障害物に触
れる以前に先ず凸部２４…が障害物に触れる。

【００２４】この結果、凸部２４…の障害物への接触
は、カッター２０を通して小さな衝撃としてカッター２
０、ギヤボックス１０、管体２を介して操作者の手元に
ハンドル９に伝わり、カッター２０が障害物に接触して
いることを検出、感得することができる。又、凸部２４
…の障害物への接触で接触音が生じ、異音として操作者
に伝わり、カッター２０が障害物に接触していることを
検出、感得することができる。

【００２５】以上のように、カッター２０を回転、駆動
して雑草等を刈り取るに際し、カッター２０の外周部が
石等の障害物に臨んだ場合、刈刃２２…、或いは刃先２
３…が障害物に接触する以前に、外周部の刃先２３…よ
りも径方向外方にある凸部２４…が障害物に接触するこ
とで、カッター２０が障害物に干渉しつつあることを、
操作者に凸部２４…と障害物との接触による振動、違和
感、音で検出、感得させ、カッター２０の刃先２３…や
刈刃２２…が障害物に接触、干渉することを未然に防止
することができる。

【００２６】以上のカッター２０の障害物検知、感得作
用は、凸部２４…が刃先よりも径方向外方に突出してい
ることから、刃先２３…を含む刈刃２２…よりも必ず凸
部２４…が障害物に接触し、確実になされ、確実で、信
頼性が高い障害物検知、感得機能を得ることができ、カ
ッターの雑草等の刈り取り時の障害物回避を確実に行う
ことができる。

【００２７】尚、凸部２４…は、各刈刃２２…毎に設け
たが、各刃先２３…直後に各設けることで、各刃先２３
…が干渉する以前における障害物の検知、感得機能を確
実ならしめることができる。

【００２８】

【発明の効果】本発明は上記構成により次の効果を発揮
する。請求項１は、動力で円板状のカッターを回転さ
せ、草を該カッターの回転で刈り取るようにした刈払機
において、カッターは、その外周部に複数の刈刃を備え
る円板状の少刃数の丸鋸状をなし、カッター外周部で、
前記刈刃の回転方向後方には、該刈刃の刃先の回転軌跡
よりも径方向外方に突出する凸部を設けたので、カッタ
ーの回転、駆動による雑草等の刈り取り時に、雑草等に
石等の障害物があった場合、刈刃や刃先が障害物に接触
する以前に凸部が障害物に接触し、障害物がカッターと
干渉しつつあることを検出、感得することができる。

【００２９】従って本発明は、カッター外周部の凸部の
障害物との接触が、刈刃、刃先よりも以前になされるこ
とから、カッターが障害物と干渉しつつあり、しかも刈
刃、刃先が障害物と接触する前に操作者に確実に感得せ
しめ、カッターを障害物から回避動させることができ、
刈り、刃先と障害物との干渉を未然に防止させることが
できる。このため、従来のように回転するカッターで雑
草等を刈り取る際に石等との干渉で発生した刈刃、刃先
の損傷を未然に防止することができ、結果的にカッター
の保護を図り、カッターの寿命、耐久性を向上させるこ
とが可能である。

【００３０】又本発明は、回転カッターによる雑草刈り
取り時の障害物検出、感得機構を、カッターの刃先の回
転軌跡外に突出する凸部を一体、或いは一体的に外周部
に設けることにより構成し、凸部をカッター外周部に突
出するように設けるのみで足りるので、別個の検出機構
を設ける必要なく、簡素な構造で初期の目的、効果を達
成することができる。又カッターの外周部に凸部を設け
るだけなので、製作上も簡素であり、カッター成形時に
凸部を一体的に設けるので、カッター成形時に副次的に
成形することができ、製作上も簡素であり、障害物検
知、感得機能を有するカッターを安価に得ることができ
る。

【図面の簡単な説明】

【図１】刈払機の一例を示す斜視図

【図２】刈払機のカッター部分の拡大縦断側面図

【図３】カッターの平面図

【図４】カッター要部の拡大図

【符号の説明】

１…刈払機、 ３…動力源であるエンジン、 ２０…カ
ッター、 ２２…刈刃、 ２３…刃先、 ２４…凸部、
Ｌ…回転軌跡。

Claims (1)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 動力で円板状のカッターを回転させ、草
   を該カッターの回転で刈り取るようにした刈払機におい
   て、 前記カッターは、その外周部に複数の刈刃を備える円板
   状の少刃数の丸鋸状をなし、 前記カッター外周部で、前記刈刃の回転方向後方には、
   該刈刃の刃先の回転軌跡よりも径方向外方に突出する凸
   部を設けた、 ことを特徴とする刈払機用カッター。