JPH10229064A - 半導体基板の洗浄方法 - Google Patents

半導体基板の洗浄方法

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JPH10229064A
JPH10229064A JP3080597A JP3080597A JPH10229064A JP H10229064 A JPH10229064 A JP H10229064A JP 3080597 A JP3080597 A JP 3080597A JP 3080597 A JP3080597 A JP 3080597A JP H10229064 A JPH10229064 A JP H10229064A
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semiconductor substrate
substrate
hydrofluoric acid
cleaning
oxide film
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JP3080597A
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Youki Ogawa
洋輝 小川
Yuka Hayami
由香 早見
Shuzo Fujimura
修三 藤村
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Fujitsu Ltd
Original Assignee
Fujitsu Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 基板表面に付着したパーティクルを除去する
とともに、パーティクルの再付着を抑制し、半導体装置
の歩留りを向上できる半導体基板の洗浄方法を提供す
る。 【解決手段】 フッ酸と硝酸との混合溶液により半導体
基板を洗浄する。この場合、混合溶液は、表層がシリコ
ンからなる部材を浸漬したときに、混合溶液中の硝酸に
より部材表面に生成される化学酸化物の生成速度が、前
記混合液中のフッ酸による前記化学酸化物のエッチング
速度よりも速くなるように、フッ酸と硝酸との混合比及
び温度が設定されていることが必要である。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、半導体基板の表面
に付着したパーティクルを除去するとともに、基板表面
へのパーティクルの再付着を防止する半導体基板の洗浄
方法に関する。
【0002】
【従来の技術】近年、半導体装置の微細化及び高密度化
が促進されており、不良の発生を防止するために、半導
体基板の表面に付着した異物(パーティクル)及び重金
属不純物の除去が極めて重要になってきている。従来
は、パーティクル及び重金属不純物が半導体基板に付着
することを回避するために、クリーンルームの清浄度を
高めたり、成膜に使用するガスや洗浄用の薬品に高純度
のものを使用するなどの対策がなされている。しかし、
半導体装置の高集積化に伴って、許容されるパーティク
ルのサイズはますます小さく(直径約0.1μm以下)
なってきており、また、表面の重金属不純物の許容され
る濃度も低くなってきている。
【0003】従来、半導体装置の製造工程では、RCA
法といわれる洗浄方法が一般的に使用されている。この
方法では、まず、SC1といわれるアンモニア水と過酸
化水素水と水との混合溶液で半導体基板の表面に付着し
ているパーティクルを除去する。次に、フッ酸(HF)
溶液によって基板表面の酸化物を除去する。最後に、S
C2といわれる塩酸水と過酸化水素水と水との混合溶液
で基板表面の重金属不純物を除去する。RCA法は、こ
れらの3つの工程により構成されている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上述し
たRCA法では、SC1溶液により基板表面のパーティ
クルを除去した後、フッ酸溶液及びSC2溶液で処理す
る際に、基板表面にパーティクルが再付着してしまうと
いう欠点がある。パーティクルを除去するためにSC1
溶液による処理とSC2溶液による処理とを入れ替える
ことも考えられるが、そうすると、SC1溶液では重金
属不純物の除去が十分にできないため、基板表面を清浄
にすることができない。
【0005】本発明の目的は、表面に付着したパーティ
クルを除去するとともに、パーティクルの再付着を抑制
し、半導体装置の歩留りを向上できる半導体基板の洗浄
方法を提供することである。
【0006】
【課題を解決するための手段】上記した課題は、フッ酸
と硝酸との混合溶液により半導体基板を洗浄する半導体
基板の洗浄方法であって、表層がシリコンからなる部材
を前記混合溶液に浸漬したときに、前記混合溶液中の硝
酸により前記部材表面上に生成される化学酸化物の生成
速度が、前記混合液中のフッ酸による前記化学酸化物の
エッチング速度よりも速くなるような混合比及び温度の
混合溶液により、前記半導体基板を洗浄することを特徴
とする半導体基板の洗浄方法により解決する。
【0007】以下、本発明の作用について説明する。溶
液中で半導体基板及びパーティクルとの間に働くエネル
ギーWtotal は、下記式(1)で示すように、両者の間
に働くファンデルワールス力に基づくエネルギーWvdw
と、溶液中で基板とパーティクル表面に形成される電気
二重層に基づくエネルギーWedl との和で表される。
【0008】Wtotal =Wedl +Wvdw …(1) 一般的に、物質間に働くファンデルワールス力は引力で
あり、物質の誘電率が大きいほどファンデルワールス力
は大きくなる。一方、電気二重層に基づく相互作用力
は、溶液のpH(イオン濃度)や物質表面の電位(ゼー
タ電位)に依存して、引力にも斥力にもなる。従って、
電気二重層に基づく相互作用力が斥力であり、且つその
斥力がファンデルワールス力よりも大きければ、基板表
面へのパーティクルの付着が防止される。また、基板と
パーティクルとの間に働くファンデルワールス力を小さ
くできれば、基板表面にパーティクルが付着することが
抑制される。
【0009】ファンデルワールス力に基づくエネルギー
Wvdw は、図1に示すような平板状の基板1と球形のパ
ーティクル2との場合には、下記式(2)で表される。 Wvdw =(AR)/(6D) …(2) 但し、Rはパーティクル2の半径、Dはパーティクル2
と基板1との間の距離である。また、Aはハーマーカー
(Hamaker )定数である。この、ハーマーカー定数A
は、基板1及びパーティクル2の誘電率及び屈折率が大
きいほど大きな値となる。
【0010】上記の式(2)より、ファンデルワールス
力を小さくするためにはハーマーカー定数Aを小さくす
ればよいことがわかる。ハーマーカー定数Aを小さくす
るためには、基板又はパーティクルの実効的な誘電率及
び屈折率を低くすればよい。そこで、本発明において
は、硝酸(HNO3 )を含む混合溶液により半導体基板
を洗浄する。硝酸にはシリコンを酸化させて化学酸化物
(シリコン酸化物)を生成するという作用がある。この
化学酸化物はシリコンに比べて誘電率が低いため、半導
体基板とパーティクルとの間のファンデルワールス力が
低減され、基板表面へのパーティクルの付着が防止され
る。
【0011】また、本発明においては、混合溶液中にフ
ッ酸(HF)が含まれている。このフッ酸により、前記
化学酸化物がエッチングされ、基板表面に付着していた
パーティクルも同時に除去される。本発明においては、
上述のように硝酸により基板表面に化学酸化膜を形成す
る一方で、前記化学酸化膜をフッ酸によりエッチングす
る。この場合、化学酸化膜の生成速度よりもエッチング
速度のほうが速いと、基板表層のシリコンが露出してフ
ァンデルワールス力を低減する効果がなくなってしま
う。従って、表層がシリコンからなる部材を混合溶液に
浸漬したときに、硝酸による化学酸化膜の生成速度が、
フッ酸による化学酸化膜のエッチング速度よりも大きく
なる条件で基板を処理する必要がある。
【0012】硝酸による化学酸化膜の生成速度及びフッ
酸による化学酸化膜のエッチング速度は、溶液中の硝酸
とフッ酸との混合比と、溶液の温度とに関係する。従っ
て、硝酸による化学酸化膜の生成速度がフッ酸による化
学酸化膜のエッチング速度よりも大きくなるように、溶
液中の硝酸とフッ酸との混合比及び溶液の温度を調整す
ることが必要である。
【0013】なお、本発明において、実際に洗浄する基
板は表層がシリコンからなる半導体基板に限定されるも
のではなく、例えば表層にシリコン酸化膜を有する半導
体基板に適用することもできる。この場合、シリコン酸
化膜の厚さが十分であれば、硝酸による化学酸化膜の生
成は殆どない。しかし、前述の条件で基板を洗浄するこ
とにより、シリコン酸化膜上へのパーティクルの付着が
抑制されるとともに、フッ酸によりシリコン酸化膜がエ
ッチングされて、表面に付着していたパーティクルが除
去される。
【0014】
【発明の実施の形態】以下、本発明について、更に詳細
に説明する。本発明においては、硝酸とフッ酸との混合
溶液で基板を洗浄する。そうすると、混合溶液中の硝酸
により基板表面に厚さが約1nmの化学酸化物(シリコ
ン酸化物)の膜が形成される。基板表面へのパーティク
ルの付着しやすさの程度は、基板とパーティクルとの間
に働くファンデルワールス力に関係する。
【0015】ファンデルワールス力は、前述の式(2)
で示すように、ハーマーカー定数に関係する。このハー
マーカー定数は基板表面の誘電率に関係する。すなわ
ち、基板表面にシリコン酸化膜を形成し、基板表面の誘
電率を変えることにより、ファンデルワールス力による
パーティクルの付着を抑制することができる。シリコン
からなる半導体基板(図1参照)とパーティクルとの間
の相互作用エネルギーの距離依存性、及び図2に示すよ
うに表層がシリコン酸化膜1aからなる半導体基板1と
パーティクル2との間の相互作用エネルギーを前述の式
(2)を用いて計算した。
【0016】図3は、その計算結果を示す図である。こ
の図3は、横軸に基板表面からパーティクルまでの距離
をとり、縦軸に相互作用エネルギーをとって、表層がシ
リコンからなる基板とパーティクルとの間の相互作用エ
ネルギーの距離依存性及び表層がシリコン酸化膜からな
る基板とパーティクルとの間の相互作用エネルギーの距
離依存性を示す。但し、パーティクルの材質はSiO2
とし、パーティクルの直径は0.2μmとした。
【0017】この図3から、パーティクルと基板との間
に働くファンデルワールス力に基づく相互作用エネルギ
ーは負の値であり、従ってパーティクルと基板との間の
ファンデルワールス力は引力であることがわかる。ま
た、半導体基板とパーティクルとの間の距離が短くなる
ほど、ファンデルワールス力に基づく相互作用エネルギ
ーの絶対値が大きくなるが、特に基板表層がシリコン酸
化膜からなる場合は、基板表層がシリコンからなる場合
に比較して、ファンデルワールス力に基づくエネルギー
の絶対値が小さくなる。このことから、半導体基板の表
面にシリコン酸化膜を形成することにより、基板とパー
ティクルとの間に働くファンデルワールス力が小さくな
るということががわかる。
【0018】(実施例)まず、シリコン半導体基板をフ
ッ酸溶液に浸漬して、基板表面のシリコンの大部分を水
素で終端された状態とした。なお、この終端処理には、
フッ酸溶液に替えて、緩衝フッ酸(フッ酸とフッ化アン
モニウムとの混合液)を使用してもよい。また、フッ素
や塩素等のハロゲン系原子、又は水酸基等の分子で終端
処理してもよい。
【0019】一方、基板洗浄液として、フッ酸と硝酸と
の混合溶液を用意した。この場合、フッ酸の濃度が異な
る複数の混合溶液を用意した。これらの混合液中の硝酸
の濃度はいずれも9.5mol /リットルであり、フッ酸の濃
度は5×10-3mol /リットル、10-2mol /リットル、2×1
-2mol /リットル又は5×10-2mol /リットルである。これ
らの混合溶液中にシリコン半導体基板を浸漬して、基板
表面を洗浄した。なお、基板洗浄時の混合溶液の温度は
室温である。
【0020】(フッ酸によるエッチングレート)上記の
実施例において使用した混合溶液によるシリコン基板の
エッチングレートを測定した。図4は、横軸に混合溶液
中のフッ酸(HF)の濃度をとり、縦軸にシリコン半導
体基板のエッチングレートをとって、両者の関係を示す
図である。但し、洗浄前のシリコン半導体基板は、いず
れもフッ酸による表面終端処理が施されている。また、
混合溶液の温度は室温である。
【0021】図4に示すように、フッ酸の濃度が5×1
-3〜5×10-2mol /リットルの範囲では、フッ酸濃度と
ともにエッチングレートが増加する。また、この濃度範
囲では、いずれも硝酸により生成される化学酸化膜の生
成速度よりもフッ酸によるエッチング速度が小さく、基
板表面は常に化学酸化膜で覆われた状態であり、基板の
厚さの変化速度(エッチング速度)はフッ酸によるシリ
コン酸化膜のエッチング速度と同じである。換言する
と、半導体基板のエッチング速度は、フッ酸によるシリ
コン酸化膜のエッチング速度により律速された状態とな
っている。
【0022】このように、混合溶液中のフッ酸により、
基板表面がエッチングされるので、基板表面に付着した
パーティクルが除去される。図5は、横軸に混合溶液の
温度をとり、縦軸に半導体基板のエッチング速度をとっ
て、両者の関係を示す図である。但し、混合溶液中の硝
酸の濃度は9.5mol /リットル、フッ酸の濃度は5×10
-3mol /リットルである。
【0023】この図5に示すように、フッ酸による基板
のエッチング速度は温度により変化する。すなわち、基
板表面に形成されたシリコン酸化膜のフッ酸によるエッ
チング速度は、フッ酸と硝酸との混合比だけでなく、混
合溶液の温度にも依存する。 (化学酸化膜の検出方法1)洗浄処理前の半導体基板、
すなわち、フッ酸による水素終端処理を施した半導体基
板と、前述の実施例により洗浄処理した半導体基板の表
面に水を滴下し、各半導体基板表面の親水性を調べた。
その結果、洗浄処理前の基板表面の水滴の接触角が約8
0°であるのに対し、洗浄処理後の基板表面の水滴の接
触角は約15〜20°であった。
【0024】半導体基板の表面にシリコン酸化膜が形成
されている場合には親水性を示す。従って、接触角の測
定結果から、前述の実施例により洗浄処理した基板表面
には、いずれもシリコン酸化膜が形成されていることが
わかる。すなわち、前述の実施例に記載した洗浄条件
(混合溶液中のフッ酸と硝酸との混合比及び温度)で基
板を洗浄することにより、基板表面にシリコン酸化膜
(化学酸化膜)が形成され、パーティクルの付着が抑制
される。
【0025】(化学酸化膜の検出方法2)図6は、X線
光電子分光法により測定した基板表面から放出される光
電子のスペクトルを示す図である。この図6において、
実施例1は濃度が0.04mol /リットルのフッ酸と濃度が
9.5mol /リットルの硝酸との混合溶液で洗浄処理した後
の基板表面から放出される光電子のスペクトル、比較例
1は濃度が1mol /リットルのフッ酸と濃度が9.5mol /
リットルの硝酸との混合液で洗浄処理した後の基板表面から
放出される光電子のスペクトルである。なお、いずれの
基板も洗浄処理する前にフッ酸溶液により処理し、基板
表面のシリコンの大部分が水素で終端されている状態と
した。また、洗浄処理時の混合溶液の温度はいずれも室
温である。
【0026】この図6から明らかなように、実施例1で
はシリコンと酸素との結合を示すシリコンの2p軌道か
ら放出される光電子による約103.7eVのピークが
検出され、このことから洗浄処理により基板表面に化学
酸化膜が形成されていることが確認できた。一方、比較
例1は、いずれもシリコン(Si)による約99.5e
Vのピークがあるものの、シリコンの2p軌道から放出
される光電子によるピークがない。また、洗浄処理前の
半導体基板の光電子のスペクトルを測定したところ、比
較例1と同様のスペクトルが得られた。このことから、
比較例1の基板表面には酸化膜が形成されていないこと
が明らかである。
【0027】このシリコンの2p軌道からの光電子を検
出するX線光電子分光法によっても、洗浄処理後の基板
表面に化学酸化膜が形成されているか否かを調べること
ができる。これにより、洗浄処理に使用する混合溶液中
のフッ酸と硝酸との混合比及び混合溶液の温度が適正か
否かを判断することができる。図7は、同じくX線光電
子分光法により測定した実施例1の基板の表面から放出
される光電子のスペクトルを示す図である。この図7か
ら、実施例1の基板では、シリコン酸化膜を構成する酸
素の1s軌道から放出される光電子のピークが検出され
る。このことからも、実施例1の基板の表面にはシリコ
ン酸化膜が形成されていることが明らかである。
【0028】一方、比較例1の基板及び洗浄処理前の基
板では、いずれも酸素の1s軌道からの光電子のピーク
が検出されない。このことから、比較例1の基板は、表
面に酸化膜を有しないことが明らかである。この酸素の
1s軌道から放出される光電子を検出するX線光電子分
光法によっても、洗浄処理に使用する混合溶液中のフッ
酸と硝酸との混合比及び混合溶液の温度が適正か否かを
判断することができる。
【0029】(化学酸化膜の検出方法3)図8は、横軸
に波数をとり、縦軸に反射率をとって、赤外分光法によ
り測定した実施例1の半導体基板の赤外吸収スペクトル
を示す図である。この赤外吸収スペクトルは、シリコン
と酸素との結合の伸縮振動に由来する。この図8は、フ
ッ酸と硝酸との混合溶液による洗浄処理前の試料を参照
試料として実施例1の半導体基板の表面における赤外線
吸収スペクトルを得たものである。
【0030】この図8からも、実施例1の半導体基板の
表面に酸化膜が形成されていることがわかる。この赤外
吸収スペクトルを測定する方法によっても、洗浄処理に
使用する混合溶液中のフッ酸と硝酸との混合比及び混合
溶液の温度が適正か否かを判断することができる。 (従来例との比較)次に、実際に本発明方法によりシリ
コン半導体基板を洗浄処理し、パーティクルの除去効果
を調べた結果について説明する。
【0031】まず、従来例及び実施例としてそれぞれ5
個づつのシリコン半導体基板を用意した。そして、フッ
酸溶液にシリコン半導体基板を浸漬して基板表面の酸化
物を除去した。その後、パーティクルとして粒径が0.
3μmのシリカ粒子を入れた水洗槽に半導体基板を浸漬
し、基板表面にシリカ粒子を付着させた。そして、実施
例の基板については、フッ酸と硝酸との混合溶液により
洗浄処理した後、基板表面に残留している粒径が0.2
μm以上のシリカ粒子の数を数え、残留率を算出した。
なお、混合液中のフッ酸の濃度は5×10-3mol /リット
ル、硝酸の濃度は9.5mol /リットルである。また、従来
例の基板については、SC1溶液により洗浄処理した
後、基板表面に残留している半径が0.2μm以上のシ
リカ粒子の数を数え、残留率を算出した。
【0032】下記表1に従来例のパーティクル残留率を
示し、表2に実施例のパーティクル残留率を示す。
【0033】
【表1】
【0034】
【表2】
【0035】この表1,2に示すように、本発明の洗浄
方法では、SC1溶液による洗浄とほぼ同様のパーティ
クル除去効果が得られた。 (重金属不純物の除去)次に、本発明方法による重金属
不純物の除去効果を調べた結果について説明する。
【0036】まず、シリコン半導体基板の表面にFeを
強制付着させ、その後にシリコン半導体基板の表面に付
着しているFeの濃度を測定した。このとき、Feの表
面密度は約1014cm-2であった。そして、この半導体
基板をフッ酸と硝酸との混合溶液により洗浄した後、基
板表面のFe濃度を調べた。なお、混合液中のフッ酸の
濃度は5×10-3mol /リットル、硝酸の濃度は9.5mol
/リットルである。また、洗浄処理混合溶液の温度は25
℃、処理時間は10分間である。
【0037】また、比較のために、表面にFeを強制付
着させたシリコン半導体基板を、濃度が9.5mol /リッ
トルの硝酸で洗浄処理した後、基板表面のFe濃度を調べ
た。洗浄処理時の硝酸溶液の温度は25℃、処理時間は
10分間である。なお、硝酸は、従来から重金属不純物
の除去に使用されている。そして、洗浄処理前の基板表
面のFeの濃度を1として、洗浄処理後の基板表面のF
e濃度を算出した。図9は、その結果を示す図である。
この図9に示すように、フッ酸と硝酸との混合溶液で処
理することにより、Fe濃度を処理前の約1/4に低減
することができた。このことから、本発明方法は、基板
表面の重金属不純物を除去する効果があることが明らか
である。
【0038】以上説明したように、本発明方法では、基
板表面に付着したパーティクル及び重金属不純物を除去
することができる。従って、従来のRCA法に比べて、
本発明方法では洗浄工程を簡略化することができる。ま
た、本発明方法では、洗浄処理後もパーティクルが付着
しにくいという利点がある。また、本発明方法は、他の
洗浄方法と組み合わせて実施してもよい。例えば、従来
のRCA法のSC1溶液による洗浄に替えて本発明方法
を実施し、その後、フッ酸溶液による洗浄及びSC2溶
液による洗浄を実施してもよい。
【0039】更に、本発明方法は、表層がシリコンから
なる基板だけでなく、表層がシリコン酸化物等からなる
基板に適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上説明したように、本発明方法によれ
ば、フッ酸と硝酸との混合溶液により半導体基板を洗浄
するので、硝酸により基板表面に低誘電率の化学酸化膜
が形成される。これにより、基板とパーティクルとの間
のファンデルワールス力が低減され、基板表面へのパー
ティクルの付着が防止される。また、混合溶液中のフッ
酸により前記化学酸化膜がエッチングされる。これによ
り、基板表面に付着していたパーティクルが除去され
る。従って、半導体装置の製造歩留まりが向上するとと
もに、製品の信頼性が向上するという効果が得られる。
更に、混合溶液中の硝酸により、基板表面の重金属不純
物が除去されるという効果もある。
【0041】更にまた、本発明方法によれば、基板表面
のパーティクルを除去できるとともに、基板表面の重金
属不純物も除去できる。従って、基板の洗浄工程が簡略
されるという効果が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】溶液中における基板とパーティクルとの間のフ
ァンデルワールス力を示す模式図である。
【図2】表面に酸化膜を有する基板とパーティクルとの
間のファンデルワールス力を示す模式図である。
【図3】基板とパーティクルとの間の相互作用エネルギ
ーの距離依存性を示す図である。
【図4】混合溶液中のフッ酸の濃度とシリコン半導体基
板のエッチングレートとの関係を示す図である。
【図5】混合溶液の温度と半導体基板のエッチング速度
との関係を示す図である。
【図6】X線光電子分光法により測定した基板表面から
放出される光電子のスペクトルを示す図(その1)であ
る。
【図7】X線光電子分光法により測定した基板表面から
放出される光電子のスペクトルを示す図(その2)であ
る。
【図8】赤外分光法により測定した半導体基板の赤外吸
収スペクトルを示す図である。
【図9】硝酸溶液及びフッ酸と硝酸との混合溶液の重金
属不純物の除去効果を示す図である。
【符号の説明】
1 基板 1a シリコン酸化膜 2パーティクル

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 フッ酸と硝酸との混合溶液により半導体
    基板を洗浄する半導体基板の洗浄方法であって、 表層がシリコンからなる部材を前記混合溶液に浸漬した
    ときに、前記混合溶液中の硝酸により前記部材表面上に
    生成される化学酸化物の生成速度が、前記混合液中のフ
    ッ酸による前記化学酸化物のエッチング速度よりも速く
    なるような混合比及び温度の混合溶液により、前記半導
    体基板を洗浄することを特徴とする半導体基板の洗浄方
    法。
  2. 【請求項2】 前記半導体基板の表層がシリコンからな
    ることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板の洗浄
    方法。
  3. 【請求項3】 前記半導体基板の表層がシリコン酸化物
    からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体基板
    の洗浄方法。
  4. 【請求項4】 前記部材を前記混合溶液に浸漬した後、
    部材表面に化学酸化膜が形成されているか否かを調べて
    前記混合溶液中のフッ酸と硝酸との混合比及び温度の適
    否を判定することを特徴とする請求項1に記載の半導体
    基板の洗浄方法。
  5. 【請求項5】 前記部材表面に化学酸化膜が形成されて
    いるか否かは、前記部材表面の親水性により判定するこ
    とを特徴とする請求項4に記載の半導体基板の洗浄方
    法。
  6. 【請求項6】 前記部材表面に化学酸化膜が形成されて
    いるか否かは、X線光電子分光法により前記部材表面の
    シリコンの2p軌道から放出される光電子又は酸素の1
    s軌道から放出される光電子を検出し、その検出結果に
    より判定することを特徴とする請求項4に記載の半導体
    基板の洗浄方法。
  7. 【請求項7】 前記部材表面に化学酸化膜が形成されて
    いるか否かは、前記部材表面の赤外分光スペクトルによ
    り判定することを特徴とする請求項4に記載の半導体基
    板の洗浄方法。
JP3080597A 1997-02-14 1997-02-14 半導体基板の洗浄方法 Withdrawn JPH10229064A (ja)

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2003081613A (ja) * 2001-09-05 2003-03-19 Daikin Ind Ltd フッ化水素の回収方法
US8183670B2 (en) 2002-12-02 2012-05-22 Foundation For Advancement Of International Science Semiconductor device and method of manufacturing the same

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