JPH10229028A - 積層電子部品の製造方法および積層セラミクスコンデンサ - Google Patents

積層電子部品の製造方法および積層セラミクスコンデンサ

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JPH10229028A
JPH10229028A JP9033759A JP3375997A JPH10229028A JP H10229028 A JPH10229028 A JP H10229028A JP 9033759 A JP9033759 A JP 9033759A JP 3375997 A JP3375997 A JP 3375997A JP H10229028 A JPH10229028 A JP H10229028A
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JP
Japan
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container
forming
slurry
internal electrode
sheet
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Application number
JP9033759A
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English (en)
Inventor
Yohachi Yamashita
洋八 山下
Hideyuki Kanai
秀之 金井
Taisei Shoji
大成 東海林
Haruhiko Matsushita
晴彦 松下
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Toshiba Corp
Nippon Chemi Con Corp
Original Assignee
Toshiba Corp
Nippon Chemi Con Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 デラミネーション等を発生させることなく、
高信頼性の部品を、効率良く高歩留まりで生産可能でか
つ環境性にも優れた製造方法を提供する。 【解決手段】 側壁を有する容器1内にセラミクススラ
リーを導入して乾燥し、ボトムカバーシート10を成形
し、電極21〜23を形成する工程と、セラミクススラ
リーの導入・乾燥により誘電体シート11〜13を成形
する工程を交互に複数回繰り返した後、トップカバーシ
ート14を形成する。形成した積層体をラミネートし、
切断した後、脱脂、焼成して積層セラミクスコンデンサ
を作製する。各カバーシート10,14と誘電体シート
11〜13を成形する工程においては、スラリー5を滴
下しながら、回転手段2によって容器1を回転させると
共に、超音波印加・エアー吹き付け手段3によって超音
波6の印加とエアー7の吹き付けを行い、スラリーを平
坦化する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、セラミック積層電
子部品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】積層型のセラミクス電子部品である積層
コンデンサや積層圧電体は、内部電極と誘電体を交互に
積層して積層体を形成し、形成した積層体をラミネート
(熱圧着)した後に焼成して構成される。このような従
来の積層電子部品の製造方法の典型的な一例について、
以下に説明する。
【0003】まず、無機誘電体の粉末を、有機溶剤(ま
たは水系溶剤)とバインダ(通常はポリビニールブチラ
ールやアクリル樹脂)および可塑剤(DOP、DBP)
に分散させてスラリーを作製し、このスラリーを、PE
T等からなるキャリアフィルム上に所定の厚み(例えば
5〜100μm)で塗布し、乾燥させてグリーンシート
を形成する。このグリーンシートをキャリアフィルムか
ら剥離し、このグリーンシート上に金属粉とバインダ
(通常はエチルセルロースやアクリル樹脂)および有機
溶剤からなる金属ペーストを、スクリーン印刷機などを
用いて所定の厚み(例えば1−5μm)で印刷する。こ
の印刷はキャリアフィルムからの剥離前に行う場合もあ
る。さらにこれらのキャリアフィルムを剥離したグリー
ンシートを多数に積層して積層体を形成する。なお、積
層体を形成するためのその他の方法としては、電極ペー
ストと誘電体ペーストを作製し、交互にスクリーン印刷
を繰り返して積層体を形成する方法もよく知られてい
る。
【0004】そして、以上のようにして形成した積層体
を金型に入れ、50〜200℃の温度、10〜200M
paの圧力でラミネート(熱圧着)した後、レザーブレ
ードや回転式のダイサーで切断して個別のチップを製造
する。そして、この個別のチップを250〜500℃の
温度で脱脂し、その後に1000℃〜1400℃の温度
で焼成して一体化する。焼成後は、表面や角部のバリを
削除するためにバレル処理を行い、さらに、この素子に
外部電極をディップ法などにより塗布し、焼成して完成
させている。
【0005】なお、以上のような製造工程のうち、誘電
体形成にはドクターブレード方法やダイコータによるシ
ート形成法が一般的に用いられ、電極形成にはスクリー
ン印刷が一般的に用いられている。また、最近の電子部
品に対する小型・大容量化の要求に伴い、積層セラミク
スコンデンサにおいても、1層厚みが5μm以下のグリ
ーンシート(焼成後の厚みが4−4.5μm)を200
層以上も積層して、小型・大容量で信頼性の高いコンデ
ンサを製造することが要求されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
[1.従来方法の問題点]しかしながら、上記のような
従来の積層電子部品の製造方法を使用して、現在要求さ
れているような小型・大容量のコンデンサを製造するた
めに、グリーンシートを5μm以下に薄層化しようとし
ても、生産性や信頼性、あるいは環境性等の面から多く
の問題点を生じてしまう。以下には、これらの問題点に
ついて説明する。
【0007】[1−1.位置合わせの困難性とキャリア
フィルムの廃棄の問題]誘電体のグリーンシート厚みが
5μm以下になると、機械的な強度の低いシートを効率
よく剥離して印刷や位置合わせをすることが極めて困難
となる。また、キャリアフィルムとして使用するPET
等の廃棄量が増加し、環境上の問題が多い。このような
問題を解決するために、例えば数層のグリーンシートを
PETキャリアフィルム上に立体的に積層し、その後に
剥離を行う方法も提案(特開平8−167544号公
報)されているが、この方法では、キャリアフィルム上
における複数の内部電極層の立体的な位置合わせが極め
て困難であり、はなはだ生産性が悪い。
【0008】[1−2.切り屑等による信頼性の低下]
PETキャリアフィルムやグリーンシートを所定の形状
に切り出したり、打ち抜く必要性があるために、これら
の切り屑の発生が避けられず、そのような切り屑が誘電
体層間に紛れ込み、信頼性を低下させる原因となってい
た。また、PETキャリアフィルム上のグリーンシート
は剥離の際に静電気が生じ、ハンドリングが困難なばか
りでなく破れや曲がりが生じやすい欠点もあった。ま
た、静電気により周囲のゴミを吸着し、これらが焼結体
中のポアの原因となることがあり、耐圧の低下や信頼性
の低下につながっていた。
【0009】[1−3.シートの低有効率]グリーンシ
ートの成形時から切断によるチップの製造までにその形
状が大きく変化するために、グリーンシートの有効率が
低い欠点がある。具体的には、グリーンシートの有効率
は30〜50%にしかすぎす、残りのグリーンシートは
回収または廃棄される。このことは、生産性と環境性の
両面で問題である。
【0010】[1−4.シート間の段差]グリーンシー
ト厚みが5μm以下になると、電極のある部分とない部
分の段差が生じる。そして、積層数が100層を越える
と、この段差が極めて大きくなり、積層が極めて困難に
なるばかりでなく、焼結後に層剥がれ(デラミネーショ
ン)を生じ、耐圧や絶縁抵抗が低下してしまう。
【0011】[1−5.脱脂工程の長時間化]十分な強
度を持つグリーンシートを形成するためには、誘電体ス
ラリーの無機固形分に対してバインダや可塑剤を重量で
7〜13wt%、体積で30〜60vol%程度含ませ
る必要がある。その結果、多層に積層されたチップから
多量の有機物を焼成前に完全に熱分解させるための脱脂
工程が必要となる。しかしながら、このような多量の有
機物の脱脂工程は、20℃/時間以下の昇温速度で行う
必要があることから、この工程に1日〜数日もの長時間
を要するため、生産性を低下させる。特に、最近では、
環境面から、脱脂工程や焼成工程によって生じる各種の
廃棄物量の低減が求められており、生産性と環境性の両
面から、脱脂工程や焼成工程を短縮することが要求され
ている。
【0012】[1−6.収縮による信頼性の低下]前述
したような従来の製造方法においては、使用するスラリ
ーに300〜500cps程度の高い粘性が要求される
ため、作製された積層体は多量の有機物を必然的に含
む。このことから、積層体をラミネートしてもその成形
密度を上げることが難しく、焼成後の収縮が大きいため
に、セラミクスの焼結性および焼結後の寸法精度が低く
なる。また、焼結後の層剥がれ(デラミネーション)が
起きやすい上、焼結後の誘電体層にポアが生じやすく、
耐圧に劣るなどの問題もある。そしてまた、このような
従来方法で作製した電子部品においては、バレル処理な
どにおいてさらに耐圧が低下したり、層剥がれ(デラミ
ネーション)が起きやすいという欠点もある。
【0013】[1−7.スクリーン印刷による積層体形
成の問題]電極ペーストと誘電体ペーストを使用して、
交互に印刷、乾燥を繰り返し、積層体を形成する方法に
おいては、グリーンシートを使用した場合のように、グ
リーンシートやPETキャリアフィルムの切り屑は発生
しないものの、印刷によって5μm以下の均一な誘電体
膜を形成することは困難である。すなわち、スクリーン
印刷に使用されるスクリーンメッシュには限界(#40
0は約38μm)があり、このようなスクリーンメッシ
ュによって5μm以下の均一な誘電体膜を形成すること
は困難である。
【0014】一方、スクリーン印刷を行う場合、印刷イ
ンクは、スクリーンメッシュ上でインクを保持するため
に、例えば1000cps程度の高い粘性が要求され
る。また、印刷インクは、乾燥を防ぐために高沸点の溶
剤(例えばターピネオール等)を含む必要もある。その
結果、印刷インクは多量の有機物と高沸点の溶剤を含ん
だものとなり、その乾燥や脱脂に多大な時間を要するた
め、このことが生産性を低下させてしまう。
【0015】[2.他の従来方法とその問題点]本発明
者は、特公平5−42131号公報においてこれらの欠
点をある程度改善可能な積層電子部品の製造方法を提案
している。この方法は、円板と該円板と連動せずに該円
板周囲の任意の箇所に一端を固定しかつ上下移動が可能
なブレードを用いてスラリーの表面を平坦化する方法で
ある。しかしながら、この方法では、側壁がないため
に、使用するスラリーの粘性を高くする必要があり、ス
ラリー中の有機物を減らすことができないという欠点が
ある。また、ブレードによる平坦化では、外周部と内周
部のブレードの移動速度が異なるために厚みの精度が十
分に得られないという欠点もある。そしてまた、ブレー
ドの仕上げ精度には限界があるが、ブレードが常にスラ
リーと接触しているためにブレードの仕上げ精度の限界
が、形成されたグリーンシートの傷等の原因となってし
まい、5μm以下のグリーンシートの品質を十分に保つ
ことは困難である。さらに、シート成形後にブレードが
シート面と離れる際にシート面に傷が発生して段差が残
りやすいという欠点もある。
【0016】[3.本発明の目的]本発明は、以上のよ
うな従来技術の問題点を解決するために提案されたもの
であり、その目的は、グリーンシートを5μm以下に薄
層化可能とすることにより、デラミネーション等の発生
を防止可能な高信頼性を有する積層電子部品を、短時間
に効率良く高歩留まりで生産可能でかつ環境性にも優れ
た製造方法を提供することである。そしてまた、このよ
うな優れた製造方法によって、5μm以下のグリーンシ
ートを200層以上積層し、小型・大容量の高信頼性を
有する積層セラミクスコンデンサを提供することであ
る。
【0017】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決するため
に、本発明の積層電子部品の製造方法は、側壁を有する
容器内で生セラミクスシートの成形と内部電極層の形成
を繰り返して積層体を形成し、特に、生セラミクスシー
トを成形する際に、容器の動作等の物理力を付加するこ
とによりセラミクススラリーの平坦化を行うようにした
ものである。
【0018】請求項1に記載の製造方法は、内部電極と
誘電体を交互に積層して積層体を形成し、形成した積層
体をラミネートした後に焼成して積層電子部品を製造す
る方法において、側壁を有する容器内にセラミクススラ
リーを導入して乾燥し、第1の生セラミクスシートを成
形する工程と、第1の生セラミクスシート上に内部電極
層を形成する工程と、表面に内部電極層が形成された第
1の生セラミクスシート上にセラミクススラリーを導入
して乾燥し、第2の生セラミクスシートを成形する工程
と、内部電極層を形成する工程および第2の生セラミク
スシートを成形する工程を交互に複数回繰り返す工程を
有する。そして、生セラミクスシートを成形する工程に
おいて、セラミクススラリーの導入を滴下とスプレーの
いずれかの方法で行い、かつ、容器の回転、容器の振
動、超音波印加、およびエアー吹き付けの中から選択さ
れた方法によりセラミクススラリーの平坦化を行うこと
を特徴とする。
【0019】以上のような構成を有する請求項1に記載
の製造方法によれば、側壁を有する容器内にセラミクス
スラリーを導入し、乾燥することにより、スラリーの表
面張力によって、均一な厚みを有する生セラミクスシー
トを成形できる。特に、生セラミクスシートの成形の際
には、容器の回転、容器の振動、超音波印加、およびエ
アー吹き付けの任意の一つ以上の方法を使用してセラミ
クススラリーの平坦化を行うことができるため、5μm
以下に薄層化した場合でも、表面が平滑で均一な厚みを
有する高品質の生セラミクスシートを成形できる。
【0020】また、従来方法では使用が困難であった粘
性の低いセラミクススラリーを使用できるため、セラミ
クススラリー中のバインダの量を減少させることができ
る。その結果、焼成後の収縮を低減することができ、セ
ラミクスの焼結性および焼結後の寸法精度を向上できる
と共に、昇温速度を高くして脱脂できるため、従来方法
で長時間を要していた脱脂工程を大幅に短縮することが
できる。さらに、従来方法でキャリアフィルムの使用に
伴って発生していた切り屑の付着や静電気の発生等の問
題を解消でき、それに起因するシートの劣化を防止でき
る。
【0021】このように、請求項1に記載の製造方法に
よれば、表面平滑性や膜厚の均一性に優れた高品質の誘
電体層を形成できるため、デラミネーションや電界の集
中による耐圧の低下を生じることのない優れた積層電子
部品を製造できる。また、脱脂工程の大幅な短縮等によ
り製造工程の生産性を大幅に向上できる。そして、脱脂
工程の短縮やキャリアフィルムの非使用等により、各種
の廃棄物量を低減できるため、環境性についても大幅に
向上できる。
【0022】請求項2〜14に記載の製造方法は、請求
項1に記載の製造方法において、さらに、製造工程にお
ける各種の条件を具体的に限定したものである。請求項
2に記載の製造方法は、生セラミクスシートを成形する
工程において、成形された生セラミクスシートの乾燥後
の1層の厚みが2〜500μmとなるように生セラミク
スシートを成形し、内部電極層を形成する工程におい
て、形成された内部電極層の乾燥後の1層の厚みが0.
5〜50μmとなるように内部電極層を形成することを
特徴とする。
【0023】この製造方法によれば、次のような作用が
得られる。すなわち、前述した請求項1に記載の製造方
法においては任意の厚みの誘電体層や内部電極層を形成
できるが、具体的には、請求項2に記載のように無機誘
電体の1層の厚みは2〜500μmが適当であり、特に
2〜10μmの厚みがより有効である。また、全ての層
を一定の厚みで形成することも可能であるが、供給する
スラリー量を変えることによって、層間の厚みを自由に
変化させることができる。一方、金属粉体からなる内部
電極層の厚みは、請求項2に記載のように、0.5〜5
0μmが適当であるが、特に好ましくは1〜5μmであ
る。そして、本発明の製造方法によれば、以上のような
薄い層を任意の数だけ積層することが可能であり、例え
ば、1000層を越えるような多層でも極めて容易に効
率よく製造できる。
【0024】請求項3に記載の製造方法は、容器が少な
くとも3カ所の位置合わせマークを有し、内部電極層を
形成する工程において、位置合わせマークを読み取って
位置合わせを行い、同一位置にセットされた後にエンド
マージン分を直線的にずらして内部電極層のA−Bパタ
ーンを交互に印刷することを特徴とする。
【0025】この製造方法によれば、容器に設けられた
少なくとも3カ所の位置合わせマークを利用して、容器
と印刷用の装置との間の位置合わせを高精度に行うこと
ができる。この場合、エンドマージン分を直線的にずら
すことにより、エンドマージンを得る以外の不都合なず
れを生じることがなく、位置合わせの精度をより向上で
きる。
【0026】請求項4に記載の製造方法は、内部電極層
を形成する工程において、電極を転写して印刷すること
を特徴とする。この製造方法によれば、次のような作用
が得られる。すなわち、前述した請求項1に記載の製造
方法においては任意の方法で電極を形成可能であり、具
体的には、転写やインクジェット、スクリーン塗布方法
等を使用可能であるが、生産性と均一性の観点からは、
請求項4に記載のように転写が望ましい。
【0027】請求項5に記載の製造方法は、内部電極層
の電極材料として、ニッケル、銅、銀、パラジウムの少
なくとも1種類からなる材料を使用することを特徴とす
る。請求項6に記載の製造方法は、内部電極層を形成す
る工程において、電極を印刷して乾燥した後に、300
〜600℃で加熱して電極中の樹脂の脱脂を行うことを
特徴とする。
【0028】請求項7に記載の製造方法は、生セラミク
スシートを成形する工程において、セラミクススラリー
として、水系からなり、粉体/溶剤比が10〜50wt
%、乾燥後の有機物固形分/粉体比が1〜8wt%であ
るセラミクススラリーを、60℃以上に加熱して用いる
ことを特徴とする。
【0029】この製造方法によれば、次のような作用が
得られる。すなわち、前述した請求項1に記載の製造方
法において、セラミクススラリーの溶媒は、水系と有機
溶剤系のいずれとすることも可能であるが、無機誘電体
粒子を分散させる溶媒は、請求項7に記載のように、水
系が望ましく、この場合には、金属粉体を形成するパタ
ーンが有機溶剤系であることが望ましい。しかしなが
ら、この逆でも差し支えない。また、スラリーを予め6
0℃以上に加熱することにより、その後の乾燥時間を短
縮することができる。
【0030】請求項8に記載の製造方法は、生セラミク
スシートを成形する工程において、セラミクススラリー
中の粒子の沈殿を促進する沈殿促進剤を添加することを
特徴とする。このように沈殿促進剤を使用することによ
り、スラリーの沈殿速度を速め、生セラミクスシートを
効率良く成形することができる。なお、沈殿促進剤とし
ては、例えば、例えばアンモニア水やpH調整剤を使用
可能である。
【0031】請求項9に記載の製造方法は、セラミクス
スラリーに使用する無機誘電体粒子が、ペロブスカイト
化合物であるチタン酸バリウムおよびマグネシウムニオ
ブ酸鉛を主体とした無機誘電体であることを特徴とす
る。すなわち、前述した請求項1に記載の製造方法にお
いて、セラミクススラリーに使用する無機誘電体粒子の
材料は自由に選択可能であるが、中でも、ペロブスカイ
ト化合物が望ましく、特に、チタン酸バリウムおよびマ
グネシウムニオブ酸鉛を主体とした無機誘電体を使用す
ることが望ましい。
【0032】請求項10に記載の製造方法は、セラミク
ススラリーに使用する無機誘電体粒子の平均粒子径が
0.1μm〜1.0μmであり、前記内部電極の成形に
使用する金属粒子径が0.1μm〜1.0μmであるこ
とを特徴とする。このような粒子径の材料を使用するこ
とにより、表面平滑性や膜厚の均一性に優れた高品質の
誘電体層および内部電極層を実現することができる。
【0033】請求項11に記載の製造方法は、生セラミ
クスシートと内部電極層を交互に積層して積層体を形成
した後に、この積層体を、当該容器を用いて10〜20
0MPa/cm2 の圧力でラミネートする工程を有する
ことを特徴とする。請求項12に記載の製造方法は、容
器が、生セラミクスシートの成形時から積層体のラミネ
ート時まで一貫して用いられることを特徴とする。請求
項11、12に記載のように、積層体の形成に使用した
容器をそのまま使用して積層体のラミネートを行うこと
により、製造工程の移行を容易に行うことができ、ま
た、容器からの積層体の取り出しに伴う損傷や不良の発
生等を防止することができる。さらに、ラミネートの際
の圧力は自由に選択可能であるが、一般的には、請求項
11に記載のように、10〜200MPa/cm2 の圧
力が望ましい。
【0034】請求項13に記載の製造方法は、生セラミ
クスシートと内部電極層を交互に積層して積層体を形成
し、ラミネートした後に、この積層体を、25〜100
℃/時間の昇温速度で昇温し、300〜500℃の温度
によって4時間以内で脱脂を行う工程を有することを特
徴とする。
【0035】すなわち、前述した請求項1に記載の製造
方法で形成された積層体は、従来方法で形成された積層
体に比べてバインダ量を大幅に低減できるため、この積
層体の脱脂工程は、従来のように20℃/時間以下の昇
温速度で行う必要がなく、請求項13に記載のように、
25〜100℃/時間という高い昇温速度で昇温でき、
300〜500℃の温度により4時間以内で脱脂を完了
することができる。このように、従来方法では1日〜数
日もの長時間を要していた脱脂工程を4時間以内と大幅
に短縮できるため、生産性を大幅に向上できる。
【0036】請求項14に記載の製造方法は、積層電子
部品が積層セラミクスコンデンサであることを特徴とす
る。請求項15に記載の積層セラミクスコンデンサは、
請求項1から請求項13に記載の方法の中から選択され
た方法により製造されたことを特徴とする。すなわち、
前述した請求項1〜13の各製造方法は、各種の積層電
子部品の製造方法として適用可能である。すなわち、本
発明の製造方法は、例えば、積層セラミクスコンデンサ
や積層電圧アクチュエータや積層抵抗体、積層多層基板
およびこれらを組み合わせた製品の製造に用いることが
できるが、特に、請求項14に示すように積層セラミク
スコンデンサの製造には最適であり、5μm以下のグリ
ーンシートを200層以上積層して、小型・大容量で信
頼性の高い積層セラミクスコンデンサを提供することが
できる。
【0037】
【実施例】以下には、上述したような本発明を適用した
実施例について、図面を参照して具体的に説明する。な
お、各図面は、本発明による製造工程の各工程を示す模
式図であり、各部の寸法比等は、実際のスケールとは異
なっている。また、完成品の誘電体シートと電極の数に
ついても、便宜上3層のみ記載した(図8〜図14)
が、実際には、任意の数の誘電体シートが積層される。
【0038】[1.製造工程] [a.スラリーの作製工程]まず、セラミック粉末とし
て、市販の積層コンデンサ用チタン酸バリウム(JIS
規格:JB特性、誘電率2500、焼成温度1120
℃)を用意した。なお、このチタン酸バリウム粉末の平
均粒径は約0.5μmである。そして、このチタン酸バ
リウム粉末300gに対して、水:エチルアルコール:
分散剤を、80:19:1の割合で混合した溶剤700
gを混入し、超音波洗浄機を用いて分散させた。この混
合物を、通常の良く知られている分散方法であるボール
ミルやアトリッションミルを用いて20時間分散させた
後、さらにその中に、水性エマルジョンとポリビニール
アルコールと可塑剤(DBP)を含む溶液を混入し、無
機固形分が約25wt%、有機固形分が1〜10wt%
になるスラリーを作製した。なお、このスラリーの粘性
は、約100cpsに調整した。
【0039】[b.ボトムカバーシートの成形工程]図
1に示すような、4カ所に位置合わせマークMを有する
直径10cmの円形の金属製の容器1を用意した。そし
て、図2に示すように、回転手段2によってこの容器1
を回転可能に支持すると共に、容器1に対して超音波印
加・エアー吹き付け手段3とスラリー供給口4をセット
した。この状態で、前記工程aで作製したスラリーを7
0℃に加熱し、このスラリーを容器1内に滴下した。す
なわち、図2に示すように、スラリー供給口4から16
ccのスラリー5を滴下し、回転手段2によって容器1
を20rpmで回転させながら、超音波印加・エアー吹
き付け手段3によって超音波6を印加すると共にエアー
7の吹き付けを行い、スラリー5の平坦化を行った。
【0040】次に、この容器1を平滑面を有する台(図
示せず)上に適当な時間(1〜5分)の間静止してスラ
リー5を沈殿させた。この場合、沈殿を促進させるため
にpH調整剤を添加した。このような沈殿後、上部の溶
媒である水8を吸着紙等を用いて吸着し、続いて、赤外
線ランプを用いてスラリー5を乾燥させて、図3に示す
ようにボトムカバーシート10を成形した。
【0041】[c.電極の形成工程]以上の工程bによ
ってボトムカバーシート10を成形した後、図4に示す
ように、予め転写が可能な材質の転写板9に、70%銀
−30%パラジウムからなるペーストを塗布して、10
0℃の熱風で乾燥させて電極21を形成し、図5に示す
ように、この電極21をボトムカバーシート10上に転
写した。この電極21の形成に際しては、赤外線ランプ
を用いて400℃で2分間の熱処理を行うことにより、
電極インク中の有機物をほとんど分解した。この熱処理
の採用により、後の工程で急速に脱脂を行ってもデラミ
ネーションやクラックなどが生じない成形体を作製でき
る。なお、この場合、形成された電極21の厚みは約3
μmである。
【0042】[d.誘電体シートの成形工程]以上の工
程cによって電極21を形成した後、図6に示すよう
に、この容器1を再び回転手段2に支持すると共に、超
音波印加・エアー吹き付け手段3をセットした。この状
態で、スラリー供給口4から70℃に加熱した0.80
ccのスラリー5を滴下し、回転手段2による20pp
mの回転、超音波印加・エアー吹き付け手段3による超
音波6の印加とエアー7の吹き付けにより、スラリー5
を平坦化した。
【0043】次に、この容器1を平滑面を有する台(図
示せず)上に適当な時間(1〜2分)の間静止してスラ
リー5を沈殿させ、上部の溶媒である水8を赤外線ラン
プで乾燥させた。その結果、図7に示すように、厚みが
5.0±0.2μmの均一な誘電体シート11が成形さ
れた。なお、このような誘電体シート11の成形は、ス
ラリーの1回の導入と乾燥によって行ってもよいが、望
ましくは、複数回の導入と乾燥を繰り返すことにより、
有効に電極と誘電体シートの段差を解消でき、また、ピ
ンホールのない良質な誘電体シートを作製できる。
【0044】[e.積層体の形成工程]以上の工程c
(電極の形成工程)と工程d(誘電体シートの成形工
程)を、必要な回数だけ繰り返し、図8に示すように、
複数の誘電体シート11〜13と電極21〜23を有す
る積層体を作製した。なお、図8〜図14においては説
明の便宜上、3層の誘電体シート11〜13と3層の電
極21〜23のみを示しているが、実際には、例えば、
工程cと工程dを200回繰り返し、焼成前の時点で誘
電体シートの厚みが5μmで積層数が200層の積層体
を作製した。なお、積層コンデンサでは、A−Bの両方
のパターンを交互に印刷する必要があるが、この場合の
位置決めは、容器1の4カ所に設けた位置合わせマーク
Mを用いて行った。すなわち、常に同一位置にセットし
た後に、エンドマージン分を直線的にずらしてA−Bパ
ターンを交互に印刷した。
【0045】そして、以上のような200層の積層体を
作製した後に、図9に示すように、同一の容器1に再び
16ccのスラリーを滴下し、回転手段2によって容器
1を20rpmで回転させながら、超音波印加・エアー
吹き付け手段3によって超音波6を印加すると共にエア
ー7の吹き付けを行い、スラリー5の平坦化を行った。
そして、この容器1を平滑面を有する台(図示せず)上
に適当な時間(1〜5分)の間静止してスラリー5を沈
殿させた後、上部の溶媒である水8を吸着紙等を用いて
吸着し、その後に乾燥させて、図10に示すように、ト
ップカバーシート14を形成した。このトップカバーシ
ート14の上部に、切断時の位置決め用のカットマーク
(図示せず)をカーボンペーストを用いて転写印刷し
た。
【0046】[f.ラミネート・切断・脱脂・焼成工
程]以上の工程eに続いて、図11に示すように、作製
した積層体を容器1内に保持したまま、金型31を用い
て、80〜120℃の温度、50MPa/cm2 の圧力
で、10分間のラミネートを行った。なお、他のラミネ
ート方法としては、容器1をさらにポリエチレン等の外
容器内に収納し、静水圧を印加してラミネートを行って
も良い。
【0047】その後、図12に示すように、成形された
バー32を容器1から取り出し、バー32の上部のカッ
トマーク(図示せず)に従い、図13に示すように、ダ
イヤモンドブレード33を用いて切断を行い、複数のチ
ップを作製した。図14は、このように作製したチップ
34を示している。
【0048】続いて、図14に示すようなチップ34
を、100℃/時間の昇温速度で昇温し、350℃で4
時間保持して脱脂を行った。その後に、焼成を1120
℃の温度で2時間行い、さらに、チップ34の両端に、
外部電極を700℃で形成し、積層セラミクスコンデン
サ(MLC)を完成した。以上のようにして作製したM
LCのサイズは、3.20×2.50×2.0mmであ
り、各誘電体シートの厚みは、焼成後で4.5μm、積
層数は200層である。
【0049】[2.作用・効果]以上の製造工程によっ
て、スラリー中の有機物量と脱脂の昇温速度を変化させ
て複数種類のMLC(実施例1〜10)を作製すると共
に、参考例として、同様な材料を用いて通常のPETキ
ャリアフイルム上へ誘電体シートを作製する方法でML
C(参考例1〜5)を作製し、製造工程の各段階におけ
る状態の評価と完成後のチップの電気的評価を行った。
この評価結果を次の表1に示す。
【0050】
【表1】 なお、この表1中で、ラミネートの密着性の評価は、図
10に示すように成形されたバーを中央部より割り、内
部を肉眼で観察して完全に密着しているものを優秀、一
部に密着していない部分があるものを良好、密着部分が
半分程度のものを可、ほとんど密着していないものを不
可とした。
【0051】また、脱脂後の積層体の状態の評価は、表
1に示された各条件で350℃まで昇温し、その後に4
時間保持して脱脂を行った時点の積層体について行い、
焼結後の積層体の状態の評価は、脱脂後に100℃/時
間の昇温速度で昇温して1120℃で2時間の焼成を行
った時点の積層体について行った。この場合の評価は、
脱脂後および焼結後にデラミネーションが100個中1
個未満のものを優秀、3個未満のものを良好、10個未
満のものを可、10個以上のデラミネーションを生じた
ものを不可とした。さらに、電気的特性については、得
られたMLCの各20個を選んで静電容量と耐圧を測定
し、その平均値を求めた。
【0052】一方、参考例1〜5は、前述したように、
実施例1〜10と同様な材料を用いて通常のPETキャ
リアフイルム上に誘電体シートを作製する方法で製造し
たものであるが、具体的には、これらの参考例1〜5の
有機物の固形分は約8〜12%である。これらの参考例
1〜5についても、表1に示した各条件で350℃まで
昇温し、その後に4時間保持して脱脂を行った時点の積
層体内部を観察すると共に、脱脂後に100℃/時間の
昇温速度で昇温して1120℃で2時間の焼成を行った
時点の積層体内部を観察した。
【0053】この表1に示すように、本発明による実施
例1〜10においては、ラミネートの密着性について
も、また、脱脂後と焼結後の積層体の状態についても、
いずれもデラミネーションをほとんど生じなかった。そ
して、電気的特性についても、スラリー中の有機物量が
8〜10%と高い場合に若干耐圧が低くなっているもの
の、ほぼ3.0μF以上の容量と250〜300Vの高
い耐圧が得られた。これに対して、参考例1〜5は、昇
温速度が50℃以上ではデラミネーションの発生は全数
に及んだ。脱脂の速度を25℃/時間に低下させた場合
(参考例3,4)には、デラミネーションの発生を5%
以下にできたが、その容量と耐圧は、それぞれ2.6〜
2.9μFと120〜160Vと低く、実施例1〜10
よりも大幅に劣るものであった。
【0054】すなわち、表1から明らかなように、本発
明の製造方法によれば、100℃/時間の昇温のような
急速な脱脂を行っても、良好な物理的特性や電気的特性
を示す積層部品を作製できる。また、本発明の製造方法
は、無機固形分に対する有機バインダ量が極端に少なく
ても積層が可能である。このため、脱脂に要する時間を
極端に短縮できるばかりではなく、焼成後の誘電体は、
極めてポアが少ないために耐圧に優れ、デラミネーショ
ンも起きにくい。
【0055】また、前述したように、本発明の製造方法
においては、厚みが5μm以下の200層以上の誘電体
層を有する積層体を、効率良く容易に作製でき、したが
って、複雑な構造を持つ電極と誘電体からなる高信頼性
の積層電子部品を効率良く容易に作製することができ
る。そしてまた、各誘電体層の厚みは、スラリーの量に
よって自由に変化させることができ、特に、ボトムカバ
ーシートやカバーシート等のように誘電体層の厚みと極
端に厚みの異なる層(例えば200〜500μm)を一
部分に有する製品を効率良く製造できる。
【0056】一方、本発明の製造工程中ではPETキャ
リアフィルムを使用しないので、従来方法に比べて廃棄
物を低減させることができ、また、粉体の有効使用率も
95%以上と極めて高いため、環境性に優れている。そ
して、グリーンシートやPETキャリアフィルムの切断
や剥離などの工程がないために、基本的に切り屑等が発
生せず、切り屑等に起因する耐圧不良等の発生を防止で
きる。
【0057】[3.他の実施例]なお、本発明は、前記
実施例に限定されるものではなく、他にも本発明の範囲
内で多種多様の変形例が可能である。
【0058】例えば、前記実施例においては、積層体の
形成に使用する容器として、金属性の容器を用いたが、
容器はスラリーがこぼれない側壁を有していれば十分で
あり、材質は限定されない。例えば、その全体および一
部にプラスチックやセラミクスを用いた容器を使用して
も良い。さらに、容器の側壁についても、必ずしも固定
式である必要はなく、スラリーを滴下する工程のみに存
在し、印刷時には取り外す着脱式の側壁でも何ら差し支
えない。
【0059】また、容器の側壁の材質に吸水性の材料、
例えば多孔質金属やセラミクス等を用いることも可能で
あり、これらの材質を用いることにより平坦化後の乾燥
工程の時間を大幅に短縮することが可能である。図1で
は、容器として円形の成形治具のみを示したが、本発明
の容器は特にこの形状にこだわらず、四角形やその他の
多面体でもなんら差し支えはない。また、容器の寸法
も、容器の操作が行える範囲であれば任意の大きさを選
ぶことができる。
【0060】また、前記実施例においては、スラリーの
導入を滴下によって行ったが、本発明において、スラリ
ーの導入は、滴下に限定されるものではなく、スプレー
で導入することも可能であり、さらに、滴下とスプレー
を組み合わせることも可能である。
【0061】そしてまた、前記実施例においては、スラ
リーの平坦化を、容器の回転と超音波印加、エアー吹き
付けを組み合わせて行ったが、本発明は、この3つの手
法にさらに容器を振動させる手法を加えた4つのスラリ
ー平坦化手法の中から1つ以上の手法を適宜選択して使
用可能であり、これらの手法を具体的に実施するための
装置構成なども自由に選択可能である。
【0062】さらに、本発明の誘電体材料は、チタン酸
バリウムに限定されるものではなく、マグネシウムニオ
ブ酸鉛を主体とするリラクサ材料を用いても良いことは
明らかである。
【0063】一方、前記実施例においては、電極のみを
転写したが、電極の転写されていない部分に予め誘電体
ペーストを転写して作製してからスラリーを滴下または
スプレーして誘電体シートの成膜を行っても何ら差し支
えはなく、この場合はより有効に電極の段差が解消でき
る。なお、電極の形成方法は、転写に限定されるもので
はなく、インクジェット、スクリーン塗布方法等も使用
可能である。
【0064】また、前記実施例では、積層セラミクスコ
ンデンサについてのみ説明したが、本発明は、その他の
同様な積層電子部品である積層圧電体や積層フェライト
や積層抵抗体の製造に適用した場合にも、同様に優れた
効果が得られることは明らかである。すなわち、そのよ
うな各種の積層電子部品の製造方法およびそれらの部品
を積層体の中に含む複合積層部品の製造方法もまた本発
明の範囲内である。
【0065】
【発明の効果】以上述べたように、本発明の製造方法
は、5μm以下の誘電体厚みを持つ200層以上の多層
構造を有する高信頼性を有する積層電子部品を、短時間
に効率良く高歩留まりで生産可能であると共に、廃棄物
量を極めて少量に抑えたクリーンな方法であるため、環
境性にも優れており、その工業的価値は極めて大きい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の製造工程において使用する容器の一例
を示す図であり、(A)は平面図、(B)は断面図。
【図2】本発明の製造工程におけるボトムカバーシート
の成形工程途中を示す模式図。
【図3】図2に示す工程を完了してボトムカバーシート
を成形した状態を示す模式図。
【図4】図2と図3に示す工程に続く電極の形成工程を
示す模式図。
【図5】図4に示す工程を完了して電極を形成した状態
を示す模式図。
【図6】図4と図5に示す工程に続く誘電体シートの成
形工程を示す模式図。
【図7】図6に示す工程を完了して誘電体シートを成形
した状態を示す模式図。
【図8】図4〜図7に示す工程を繰り返して積層体を作
製した状態を示す模式図。
【図9】図8に示す積層体へのトップカバーシートの成
形工程を示す模式図。
【図10】図9に示す工程を完了してトップカバーシー
トを成形した状態を示す模式図。
【図11】図9と図10に示す工程に続くラミネート工
程を示す模式図。
【図12】図11に示す工程によって得られたバーを示
す模式図。
【図13】図12のバーの切断工程を示す模式図。
【図14】図13に示す工程によって得られたチップを
示す模式図。
【符号の説明】
1…容器 2…回転手段 3…超音波印加・エアー吹き付け手段 4…スラリー供給口 5…スラリー 6…超音波 7…エアー 8…水 9…転写板 10…ボトムカバーシート 11〜13…誘電体シート 14…トップカバーシート 21〜23…電極 31…金型 32…バー 33…ダイヤモンドブレード 34…チップ
フロントページの続き (72)発明者 東海林 大成 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内 (72)発明者 松下 晴彦 東京都青梅市東青梅1丁目167番地の1 日本ケミコン株式会社内

Claims (15)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 内部電極と誘電体を交互に積層して積層
    体を形成し、形成した積層体をラミネートした後に焼成
    して積層電子部品を製造する方法において、 側壁を有する容器内にセラミクススラリーを導入して乾
    燥し、第1の生セラミクスシートを成形する工程と、 前記第1の生セラミクスシート上に内部電極層を形成す
    る工程と、 表面に前記内部電極層が形成された前記第1の生セラミ
    クスシート上にセラミクススラリーを導入して乾燥し、
    第2の生セラミクスシートを成形する工程と、 前記内部電極層を形成する工程および第2の生セラミク
    スシートを成形する工程を交互に複数回繰り返す工程を
    有し、 前記生セラミクスシートを成形する工程において、セラ
    ミクススラリーの導入を滴下とスプレーのいずれかの方
    法で行い、かつ、前記容器の回転、容器の振動、超音波
    印加、およびエアー吹き付けの中から選択された方法に
    よりセラミクススラリーの平坦化を行うことを特徴とす
    る積層電子部品の製造方法。
  2. 【請求項2】 前記生セラミクスシートを成形する工程
    において、成形された生セラミクスシートの乾燥後の1
    層の厚みが2〜500μmとなるように生セラミクスシ
    ートを成形し、 前記内部電極層を形成する工程において、形成された内
    部電極層の乾燥後の1層の厚みが0.5〜50μmとな
    るように内部電極層を形成することを特徴とする請求項
    1に記載の積層電子部品の製造方法。
  3. 【請求項3】 前記容器が少なくとも3カ所の位置合わ
    せマークを有し、 前記内部電極層を形成する工程において、前記位置合わ
    せマークを読み取って位置合わせを行い、同一位置にセ
    ットされた後にエンドマージン分を直線的にずらして内
    部電極層のA−Bパターンを交互に印刷することを特徴
    とする請求項1に記載の積層電子部品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記内部電極層を形成する工程におい
    て、電極を転写して印刷することを特徴とする請求項1
    に記載の積層電子部品の製造方法。
  5. 【請求項5】 前記内部電極層の電極材料として、ニッ
    ケル、銅、銀、パラジウムの少なくとも1種類からなる
    材料を使用することを特徴とする請求項1に記載の積層
    電子部品の製造方法。
  6. 【請求項6】 前記内部電極層を形成する工程におい
    て、電極を印刷して乾燥した後に、300〜600℃で
    加熱して電極中の樹脂の脱脂を行うことを特徴とする請
    求項1に記載の積層電子部品の製造方法。
  7. 【請求項7】 前記生セラミクスシートを成形する工程
    において、前記セラミクススラリーとして、水系からな
    り、粉体/溶剤比が10〜50wt%、乾燥後の有機物
    固形分/粉体比が1〜8wt%であるセラミクススラリ
    ーを、60℃以上に加熱して用いることを特徴とする請
    求項1に記載の積層電子部品の製造方法。
  8. 【請求項8】 前記生セラミクスシートを成形する工程
    において、前記セラミクススラリー中の粒子の沈殿を促
    進する沈殿促進剤を添加することを特徴とする請求項1
    に記載の積層電子部品の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記セラミクススラリーに使用する無機
    誘電体粒子が、ペロブスカイト化合物であるチタン酸バ
    リウムおよびマグネシウムニオブ酸鉛を主体とした無機
    誘電体であることを特徴とする請求項1に記載の積層電
    子部品の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記セラミクススラリーに使用する無
    機誘電体粒子の平均粒子径が0.1μm〜1.0μmで
    あり、前記内部電極の成形に使用する金属粒子径が0.
    1μm〜1.0μmであることを特徴とする請求項1に
    記載の積層電子部品の製造方法。
  11. 【請求項11】 前記生セラミクスシートと内部電極層
    を交互に積層して積層体を形成した後に、この積層体
    を、当該容器を用いて10〜200MPa/cm2 の圧
    力でラミネートする工程を有することを特徴とする請求
    項1記載の積層電子部品の製造方法。
  12. 【請求項12】 前記容器が、前記生セラミクスシート
    の成形時から積層体のラミネート時まで一貫して用いら
    れることを特徴とする請求項1に記載の積層電子部品の
    製造方法。
  13. 【請求項13】 前記生セラミクスシートと内部電極層
    を交互に積層して積層体を形成し、ラミネートした後
    に、この積層体を、25〜100℃/時間の昇温速度で
    昇温し、300〜500℃の温度によって4時間以内で
    脱脂を行う工程を有することを特徴とする請求項1に記
    載の積層電子部品の製造方法。
  14. 【請求項14】 前記積層電子部品が積層セラミクスコ
    ンデンサであることを特徴とする請求項1に記載の積層
    電子部品の製造方法。
  15. 【請求項15】 前記請求項1から請求項13に記載の
    方法の中から選択された方法により製造されたことを特
    徴とする積層セラミクスコンデンサ。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6074970A (en) * 1997-12-19 2000-06-13 Kabushiki Kaisha Toshiba Dielectric ceramic composition, multilayer ceramic capacitor and process of producing same
JP2020527100A (ja) * 2017-07-06 2020-09-03 ユミコア・アクチエンゲゼルシャフト・ウント・コムパニー・コマンディットゲゼルシャフトUmicore AG & Co.KG ウォッシュコート懸濁液の非接触レベリング

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