JPH10227224A - 機械過給式多気筒機関 - Google Patents

機械過給式多気筒機関

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JPH10227224A
JPH10227224A JP2815497A JP2815497A JPH10227224A JP H10227224 A JPH10227224 A JP H10227224A JP 2815497 A JP2815497 A JP 2815497A JP 2815497 A JP2815497 A JP 2815497A JP H10227224 A JPH10227224 A JP H10227224A
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JP
Japan
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cylinders
cylinder
supercharging
combustion
cylinder engine
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JP2815497A
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English (en)
Inventor
Koji Masuda
宏司 増田
Kenji Shiga
健治 志賀
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Yanmar Co Ltd
Original Assignee
Yanmar Diesel Engine Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 従来は、圧縮用シリンダの容量を大きくする
必要があるので全長が長くなり、機関が大型化したり重
量が増加したりし、圧縮用シリンダをバランサとして利
用する場合でも、バランサの重量が大きく、振動低減量
も小さかった。 【解決手段】 燃焼気筒2・2’と過給用気筒3・3’
とを同数設け、2本の燃焼気筒2・2’と2本の過給用
気筒3・3’とを一組として該2本の燃焼気筒間2・
2’に、2本の過給用気筒3・3’を左右方向にオフセ
ットして配設し、該過給用気筒3・3’の中心を前後方
向に対して同位置もしくは前後にずらして位置させ、燃
焼気筒2・2’のクランクピンストロークS1よりも過
給用気筒のバランスクランクピンストロークS2を長く
構成し、2本の過給用気筒3・3’からの排出空気を給
気通路11を介して2本の燃焼気筒2・2’に交互に供
給し、燃焼気筒2・2’重量と過給用気筒3・3’重量
とを略同じに構成した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、機械式過給機を備
えた多気筒内燃機関に関する。
【0002】
【従来の技術】従来より、機械式過給機を備えた多気筒
内燃機関における過給機として、ピストン式機械過給機
や、該ピストン式機械過給機のピストンをバランス用ピ
ストンとして利用する技術は公知となっている。例え
ば、特開昭52−39013には、圧縮シリンダの両側
に燃焼シリンダを併設し、燃焼シリンダに圧縮空気吸入
弁を設けた機械式過給機が記載され、特公昭55−27
218には、2本の圧縮ピストンから交互に燃焼ピスト
ンへ送気する技術が記載されている。また、出力ピスト
ンに対して略180°の位相差を以て往復運動するバラ
ンスピストンを配設したピストン式機械過給機の技術
が、特開昭52−76517に記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、従来のピスト
ン式機械過給機においては、圧縮用シリンダの容量を大
きくする必要があるため全長が長くなり、機関が大型化
したり重量が増加したりしていた。また、圧縮用シリン
ダをバランサとして利用する場合においても、バランサ
の重量が大きくなり、振動低減量も小さかった。
【0004】
【課題を解決するための手段】本発明の解決しようとす
る課題は以上の如くであり、次に該課題を解決するため
の手段を説明する。即ち、偶数本の気筒を有し、該気筒
の一部を燃焼気筒に、他の気筒をバランス用気筒を兼ね
た過給用気筒に構成し、該過給用気筒を燃焼気筒に対し
て略180°の位相差を持たせて往復運動するようにク
ランク角を設定し、前記過給用気筒に給気入口弁と給気
出口弁とを設け、各燃焼気筒に供給通路を介して給気を
供給するよう構成した多気筒内燃機関において、燃焼気
筒と過給用気筒とを同数設け、2本の燃焼気筒と2本の
過給用気筒とを一組として、前後に並設した該2本の燃
焼気筒間に、2本の過給用気筒を左右方向にオフセット
して配設し、該過給用気筒の中心を前後方向に対して同
位置もしくは前後にずらして位置させ、燃焼気筒のクラ
ンクピンストロークよりも過給用気筒のクランクピンス
トロークを長く構成し、2本の過給用気筒からの排出空
気を給気通路を介して2本の燃焼気筒に交互に供給し、
燃焼気筒重量と過給用気筒重量とを略同じに構成したこ
とである。
【0005】また、請求項1の機械過給式多気筒機関に
おいて、左右方向にオフセットして配設した前記過給用
気筒を燃焼気筒と平行に配置したことである。
【0006】また、請求項1の機械過給式多気筒機関に
おいて、左右方向にオフセットして配設した前記過給用
気筒を正面視略V字状に配置したことである。
【0007】また、請求項1もしくは請求項2の機械過
給式多気筒機関において、バランスピストンピンの軸中
心を過給用気筒のバランスピストン中心よりもクランク
軸中心側へ偏芯させたことである。
【0008】また、請求項1もしくは請求項2もしくは
請求項3もしくは請求項4の機械過給式多気筒機関にお
いて、2本の過給用気筒のバランスピストンロッドを、
同一クランクピンに併設したことである。
【0009】また、請求項1もしくは請求項2もしくは
請求項3もしくは請求項4もしくは請求項5の機械過給
式多気筒機関において、2本の過給用気筒のバランスピ
ストンロッドを、ナックルピンによってお互いに連結し
たことである。
【0010】また、請求項1の機械過給式多気筒機関に
おいて、過給用気筒のバランスピストンの下方で、バラ
ンスピストンロッドと干渉しない位置にカム軸を配置し
たことである。
【0011】また、請求項1の機械過給式多気筒機関に
おいて、燃焼気筒の給気弁を、該燃焼気筒の排気弁より
も過給用気筒の近傍に配置したことである。
【0012】
【発明の実施の形態】次に、本発明の実施の形態を説明
する。図1は本発明の機械過給式多気筒機関を示す平面
図、図2は同じく図1におけるA−A断面図、図3は同
じく図1におけるB−B断面図、図4は同じく図1にお
けるC−C断面図、図5は同じく給気用気筒の配置の別
実施例を示す正面断面図、図6はバランスピストンロッ
ドの別実施例を示す正面断面図、図7は同じく給気用気
筒の配置の別実施例を示す平面図、図8は機械過給式多
気筒機関の動作を示す模式図、図9は同じく模式図、図
10は同じく模式図、図11は同じく模式図、図12は
クランク角度とピストンの変位との関係を示す図、図1
3はクランク角度と慣性力との関係を示す図である。
【0013】まず、本発明の機械過給式多気筒機関につ
いて説明する。図1において、前後に併設したエンジン
1の燃焼気筒2と燃焼気筒2’との間に左右方向にオフ
セットして配置した2本の過給用気筒3・3’が併設さ
れている。該過給用気筒3・3’の筒軸は、燃焼気筒2
・2’の筒軸と平行で、円中心は前後方向において寸法
Xだけずらして配設されている。燃焼気筒2・2’の上
部には給気弁5と排気弁4とが設けられ、直列した2本
の燃焼気筒2・2’の外側にそれぞれ排気弁4が、内側
に給気弁5が配設されている。即ち、図1における紙面
の上から下へ向かって、排気弁4、給気弁5、給気弁
5、排気弁4の順番に位置している。
【0014】また、前記過給用気筒3・3’には給気入
口弁6及び給気出口弁7が設けられ、併設した2本の過
給用気筒3・3’の外側にそれぞれ給気入口弁6が、内
側に給気出口弁7が配設されている。即ち、図1におけ
る紙面の左から右へ向かって、給気入口弁6、給気出口
弁7、給気出口弁7、給気入口弁6の順番に位置してい
る。
【0015】過給用気筒3・3’の給気入口弁6・6は
エアクリーナ8と連通し、給気出口弁7・7は給気通路
11を介して燃焼気筒2・2’の給気弁5・5と連通し
ている。また、燃焼気筒2・2’の排気弁4・4は排気
マニホルド10を介して排気消音器9と連通している。
【0016】図2、図3において、燃焼気筒2・2’内
には出力ピストン12がそれぞれ上下摺動自在に嵌合
し、該出力ピストン12にはピストンピン19が横架さ
れている。また、該燃焼気筒2・2’の上端には、それ
ぞれ排気弁4及び給気弁5が配設されている。燃焼気筒
2・2’の下方にはクランク軸13が横設され、該クラ
ンク軸13の回転にともなって回動するクランクピン1
5は、ピストンロッド20の一端を回動自在に枢支して
いる。ピストンロッド20の他端は、前記ピストンピン
19に回動自在に枢支され、出力ピストン12とクラン
ク軸13とを連結し、クランク軸13を回転させること
によって出力ピストン12が上下に摺動するよう構成し
ている。2本の前記ピストンロッド20・20を枢支し
ているクランクピン15・15はそれぞれ回動方向に対
して同位相に配設されており、2本のピストン12・1
2は同位相の摺動操作を行なう。
【0017】過給用気筒3・3’にはバランスピストン
16・16がそれぞれ上下摺動自在に嵌合し、該バラン
スピストン16にはバランスピストンピン24が横架さ
れている。また、過給用気筒3・3’の上端には前述の
ように、それぞれ給気入口弁6及び給気出口弁7が配設
されている。該給気入口弁6は、過給用気筒3・3’内
が正圧時に自動的に開いて負圧時に自動的に閉じるよう
構成し、給気出口弁7は、過給用気筒3・3’内が負圧
時に自動的に開いて正圧時に自動的に閉じるよう構成し
ている。
【0018】過給用気筒3・3’の下方に横設された前
記クランク軸13には、該クランク軸13の回転にとも
なって回動するバランスクランクピン23が配設され、
該バランスクランクピン23は、バランスピストンロッ
ド14・14の一端を回動自在に枢支している。バラン
スピストンロッド14・14の他端は、バランスピスト
ンピン24に回動自在に枢支され、バランスピストン1
6とクランク軸13とを連結し、クランク軸13を回転
させることによってバランスピストン16が上下に摺動
するよう構成している。
【0019】2本の前記バランスピストンロッド14・
14は、同一のバランスクランクピン23に枢支され、
前後方向に併設されており、2本のバランスピストン1
6・16は同位相の摺動動作を行なう。また、前記クラ
ンクピン15・15とバランスクランクピン23とは略
180°の位相差を有して配設されているので、出力ピ
ストン12・12とバランスピストン16・16とは略
180°の位相差を持って往復運動を行なうこととな
る。
【0020】クランクピン15の軸中心が、該クランク
ピン15・15の回動により描く軌跡である円弧の直
径、即ちクランクピンストロークをS1とし、バランス
クランクピン23の軸中心が、該バランスクランクピン
23の回動により描く軌跡である円弧の直径、即ちバラ
ンスクランクピンストロークをS2とした場合、S1<
S2となるよう構成している。図2においては、クラン
ク軸13の軸中心からクランクピン15の軸中心までの
寸法S1/2よりも、クランク軸13の軸中心からバラ
ンスクランクピン23の軸中心までの寸法S2/2のほ
うが大きくなるように構成している。また、2本の出力
ピストン12・12の重量と2本のバランスピストン1
6・16の重量とは、ほぼ同一になるよう構成してい
る。
【0021】図3において、前記バランスピストンピン
24・24の軸心は、それぞれバランスピストン16・
16の軸心よりも、左右方向において寸法Eだけ内側
に、即ちクランク軸13側に偏心させている。
【0022】また、カム軸17はバランスピストン16
の下方に配設され、バランスピストンロッド14・14
が回動動作を行なった場合においても、該カム軸17と
バランスピストンロッド14・14とがお互いに干渉し
ない位置に配置している。図4に示すように、カム軸1
7にはカム25・25・・・が嵌装され、カム25・2
5・・・の上方には、該カム25・25・・・に下端が
当接しているプッシュロッド18・18・・・を配設し
て、該プッシュロッド18・18・・・の上端は弁腕2
4・24・・・の一端と連結している。このカム25・
25・・・、プッシュロッド18・18・・・及び弁腕
24・24・・・などにより、カム軸17の回転に伴っ
て前記給気弁5・5及び排気弁4・4の開閉を行なうの
である。
【0023】次に、過給用気筒の別実施例について図5
により説明する。エンジン41の過給用気筒43・4
3’は、前述のエンジン1における過給用気筒3・3’
を、燃焼気筒2・2’に対して正面視略V字形に配置し
たものである。即ち、燃焼気筒2と燃焼気筒2’との間
に左右方向にオフセットして配置した2本の過給用気筒
43・43’の下端部を、上端部よりもクランク軸13
側に寄せて、上端部間の距離を下端部間の距離よりも大
きく構成している。過給用気筒43・43’にはバラン
スピストン16’・16’が上下摺動自在に嵌合し、エ
ンジン1の場合と同様にクランク軸13と連結されてい
る。また、過給用気筒43・43’の上端には給気入口
弁6及び給気出口弁7がそれぞれ設けられ、給気入口弁
6・6はエアクリーナ8と連通し、給気出口弁7・7は
給気通路11を介して燃焼気筒2・2’の給気弁5・5
と連通している。
【0024】次に、バランスピストンロッドの別実施例
を図6、図7により説明する。エンジン51において、
バランスピストンロッド44が過給用気筒3とバランス
クランクピン23とを連結している。該バランスピスト
ンロッド44の小端部44aがピストンピン24と、大
端部44cがバランスクランクピン23と連結してい
る。
【0025】一方、過給用気筒3’のピストンピン24
はバランスピストンロッド44’の小端部44a’と連
結している。バランスピストンロッド44’はロッド部
44b’と小端部44a’とからなり、ロッド部44
b’の下端は、バランスピストンロッド44の大端部4
4cとロッド部44bとの略境界部分と、ナックルピン
45によって回動自在に連結されている。そして、バラ
ンスピストンロッド44がクランク軸13の回転により
回動するのに伴い、バランスピストンロッド44’も回
動して、過給用気筒3・3’を同位相で上下摺動させる
ように構成している。
【0026】この場合においてもピストンピン24・2
4中心は、過給用気筒3・3’中心よりも寸法Eだけク
ランク軸13側に偏心させている。また、過給用気筒3
・3’の給気出口をクランク軸側へ寄せて開口して、給
気出口と燃焼気筒2・2’の給気弁5・5とを連通する
給気通路11の容積を小さく構成しており、給気出口に
給気出口弁7・7を設けなくとも特に給気特性に変化は
ないので、給気出口弁7・7は設けていない。
【0027】前記バランスピストンロッド44とバラン
スピストンロッド44’とはナックルピン45によって
連結されているので、図7に示すように過給用気筒3・
3’を前後方向において同位置に配置することが可能で
ある。これにより、エンジン51の長さをさらに縮小す
ることができるのである。
【0028】このように構成した機械過給式多気筒機関
の動作サイクルを説明する。まず図8において、燃焼気
筒2・2’は下死点にあり、燃焼気筒2は排気弁4から
排気する排気行程に、燃焼気筒2’は圧縮行程に移行し
ようとしている。また、過給用気筒3・3’がクランク
軸13の軸芯から左右に偏芯しているので、バランスク
ランクピン23が最も高位置の状態においても、バラン
スピストン16・16は上死点付近に位置している。過
給用気筒3・3’は、給気入口弁6・6より給気する給
気行程に移行しようとしている。
【0029】次に、図9において燃焼気筒2は給気弁5
を開いて給気する給気行程に、燃焼気筒2’は爆発行程
に移行する。また、過給用気筒3・3’は吸入した空気
を圧縮して出力シリンダ2へ供給する圧縮行程に移行す
る。さらに、図10において燃焼気筒2は圧縮行程に、
燃焼気筒2’は排気行程に移行し、過給用気筒3・3’
は給気行程に移行する。最後に、図11において燃焼気
筒2は爆発行程に、燃焼気筒2’は給気行程に、過給用
気筒3・3’は圧縮行程に移行する。以降図5の状態へ
戻り、前述の動作サイクルが繰返される。このように、
2本の過給用気筒3・3’からの排出空気を、燃焼気筒
2及び燃焼気筒2’に給気通路11を介して交互に供給
している。
【0030】本発明の機械過給式多気筒機関を、以上の
ように構成し、動作させたので、過給用気筒3・3’に
バランサ、機械過給機及びアキュムレータの作用を行な
わせることができ、軽量でコンパクト、かつ低振動で高
出力な多気筒機関を構成することができた。
【0031】まず、バランサとしての作用を示す。クラ
ンク角度と燃焼気筒2・2’及び過給用気筒3・3’の
変位との関係が図12において示されている。クランク
角度と燃焼気筒2・2’の変位との関係はグラフ31で
表され、過給用気筒3・3’の左右方向の偏心配置が無
く、前記寸法S2と寸法S1とが同一であった場合の、
クランク角度と過給用気筒3・3’の変位との関係がグ
ラフ34で表されている。また、本発明における機械過
給式多気筒機関のクランク角度と過給用気筒3・3’の
変位との関係がグラフ32・33で表されている。
【0032】図13においては、クランク角度と慣性力
の関係が示されている。過給用気筒3・3’の左右方向
の偏心配置が無く、前記寸法S2と寸法S1とが同一で
あった場合の、機械過給式多気筒機関のクランク角度と
慣性力との関係はグラフ35で表されている。また、本
発明における機械過給式多気筒機関のクランク角度と慣
性力との関係はグラフ36で表されている。そして、1
80°2サイクル機関の場合はグラフ37で、360°
2サイクル機関の場合はグラフ38で表されている。
【0033】これらのグラフから分かるように、過給用
気筒3・3’の重量を適切にすることにより、該過給用
気筒3・3’の左右方向の偏心配置が無く、前記寸法S
2と寸法S1とが同一であった場合よりも、不平衡慣性
力が小さくできた。180°2サイクル機関とは同程度
の不平衡慣性力であり、360°2サイクル機関と比較
すると大幅に不平衡慣性力を減少することができた。
【0034】また、図3に示すようにバランスピストン
ピン24・24の軸芯を、それぞれバランスピストン1
6・16の軸芯よりも、左右方向において寸法Eだけ中
心側へ逆偏心させているので、2本の過給用気筒3・
3’を左右方向に偏心させて併設した場合に偏心度合い
が極端に大きくなってしまうことが防止できた。以上の
ように構成して、過給用気筒3・3’に燃焼気筒2・
2’と略180°の位相差を持たせることで、大幅な振
動量の低減を図ることができた。
【0035】次に、機械過給機としての作用について説
明する。過給用気筒3・3’に前記給気入口弁6・6及
び給気出口弁7・7を設けたので、気筒内圧力を上げて
過給することが可能となり、過給用気筒3・3’の圧縮
行程では燃焼気筒2・2’の内どちらか一方が給気行程
にあるので、2本の過給用気筒3・3’によって1本の
燃焼気筒2もしくは燃焼気筒2’をおよそ2倍まで過給
できることとなった。また、燃焼気筒2・2’の上死点
位置と過給用気筒3・3’の下死点位置との位相、及び
燃焼気筒2・2’の下死点位置と過給用気筒3・3’の
上死点位置との位相が少しずれているため、燃焼気筒2
・2’の給気開始時と給気終了時とに余裕ができて、過
給効率の向上を図ることができた。
【0036】また、通常3気筒以下の機関の過給に必要
なサージタンクは、本構成においては給気位相がずれて
いるため不用となった。さらに、燃焼気筒2・2’の給
気弁5・5と過給用気筒3・3’の給気出口弁7・7を
機関の中央方向に配置して給気通路11の容積を小さく
したので、過給用気筒3・3’の給気出口弁7・7を設
けなくても、給気出口弁7・7を設けた場合と変わらな
い特性を得ることができた。
【0037】次に、アキュムレータとしての作用につい
て、説明する。通常の360°クランクの2気筒機関で
は、ピストンが同位相で往復運動するためクランクケー
ス内の圧力変動が大きく振動や騒音の発生源の一つにな
っていた。本発明においては、過給用気筒3・3’が燃
焼気筒2・2’に対してほぼ反位相で、行程容積もほぼ
同一に構成して運動しているので、クランクケース内の
圧力変動は小さく抑えることができ、振動や騒音の大幅
な低減が図れた。
【0038】また、本発明においては、カム軸17を過
給用気筒3・3’の下方に配置したのでエンジンの横幅
を縮小することができ、全長も2本の過給用気筒3・
3’をクランク軸13から左右に偏心させて配置したの
で小さくすることができた。そして、前記のような機械
過給機の作用を有するので、従来は全行程容積の5倍以
上は必要であるサージタンクが不用となり、非常にコン
パクトな機械過給式多気筒機関とすることができた。
【0039】さらに、2本のバランスピストン16・1
6は一つのクランクピン23にサイドバイサイドで連結
されたり、お互いにナックルピンで連結されたりしてい
るので、さらに全長の縮小を図ることができた。過給用
気筒3・3’を燃焼気筒2・2’に対して若干傾斜させ
て配置して正面視略V字形に構成することでも、機関の
更なる縮小化が図れた。
【0040】
【発明の効果】本発明は以上の如く構成したので、次の
ような効果を奏するのである。即ち、請求項1記載の如
く、2本の燃焼用気筒間に、2本の過給用気筒を左右方
向にオフセットして配設し、給気用気筒の中心を前後方
向に対して同位置もしくは前後にずらして位置させたの
で、機械過給式多気筒機関の長さ及び大きさを縮小する
ことができ、不平衡慣性力を減少して振動や騒音を減少
させることができた。また、燃焼用気筒のクランクピン
ストロークよりも給気用気筒のクランクピンストローク
を長く構成し、燃焼用気筒重量と給気用気筒重量とを略
同じに構成したので、機関のバランスが向上して不平衡
慣性力が減少できたので、振動や騒音を減少させること
ができた。2本の給気用気筒からの排出空気を給気通路
を介して2本の燃焼用気筒に交互に供給したので、過給
率が向上して高出力化が図れた。本機械過給式多気筒機
関において、例えば2.5気筒分の大きさで、4気筒分
の出力を得ることができたのである。
【0041】また、請求項2記載の如く、給気用気筒を
燃焼用気筒と平行に配置したので、簡単な構造で機関の
大きさを縮小することができた。
【0042】また、請求項3記載の如く、給気用気筒を
正面視略V字形に配置したので、機関の大きさをさらに
縮小することができた。
【0043】また、請求項4記載の如く、バランスピス
トンピンの軸中心を給気用気筒のピストン中心よりもク
ランク軸側へ偏芯させたので、バランスピストンロッド
の長さを短縮することができ、機関の縮小化が図れ、振
動や騒音を減少することができた。
【0044】また、請求項5記載の如く、2本の過給用
気筒のピストンロッドを、同一クランクピンに併設した
ので、機関の大きさを縮小することができた。
【0045】また、請求項6記載の如く、2本の過給用
気筒のピストンロッドを、ナックルピンによってお互い
に連結したので、機関の大きさをさらに縮小することが
できた。
【0046】また、請求項7記載の如く、過給用気筒の
ピストンの下方で、ピストンロッドと干渉しない位置に
カム軸を配置したので、機関の大きさを縮小することが
できた。
【0047】また、請求項8記載の如く、燃焼用気筒の
給気弁を、該燃焼用気筒の排気弁よりも給気用気筒の近
傍に配置したので、給気通路の容積を小さくすることが
でき、それによって過給用気筒の給気出口弁を設ける必
要がなくなった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の機械過給式多気筒機関を示す平面図で
ある。
【図2】同じく図1におけるA−A断面図である。
【図3】同じく図1におけるB−B断面図である。
【図4】同じく図1におけるC−C断面図である。
【図5】同じく給気用気筒の配置の別実施例を示す正面
断面図である。
【図6】バランスピストンロッドの別実施例を示す正面
断面図である。
【図7】同じく給気用気筒の配置の別実施例を示す平面
図である。
【図8】機械過給式多気筒機関の動作を示す模式図であ
る。
【図9】同じく模式図である。
【図10】同じく模式図である。
【図11】同じく模式図である。
【図12】クランク角度とピストンの変位との関係を示
す図である。
【図13】クランク角度と慣性力との関係を示す図であ
る。
【符号の説明】
S1 クランクピンストローク S2 バランスクランクピンストローク 1 エンジン 2・2’ 燃焼気筒 3・3’ 過給用気筒 4 排気弁 5 給気弁 6 給気入口弁 7 給気出口弁 8 エアクリーナ 9 排気消音器 10 排気マニホルド 11 給気通路 12 ピストン 13 クランク軸 14 バランスピストンロッド 15 クランクピン 16 バランスピストン 17 カム軸 23 バランスクランクピン 24 バランスピストンピン 45 ナックルピン

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 偶数本の気筒を有し、該気筒の一部を燃
    焼気筒に、他の気筒をバランス用気筒を兼ねた過給用気
    筒に構成し、該過給用気筒を燃焼気筒に対して略180
    °の位相差を持たせて往復運動するようにクランク角を
    設定し、前記過給用気筒に給気入口弁と給気出口弁とを
    設け、各燃焼気筒に供給通路を介して給気を供給するよ
    う構成した多気筒内燃機関において、燃焼気筒と過給用
    気筒とを同数設け、2本の燃焼気筒と2本の過給用気筒
    とを一組として、前後に並設した該2本の燃焼気筒間
    に、2本の過給用気筒を左右方向にオフセットして配設
    し、該過給用気筒の中心を前後方向に対して同位置もし
    くは前後にずらして位置させ、燃焼気筒のクランクピン
    ストロークよりも過給用気筒のクランクピンストローク
    を長く構成し、2本の過給用気筒からの排出空気を給気
    通路を介して2本の燃焼気筒に交互に供給し、燃焼気筒
    重量と過給用気筒重量とを略同じに構成したことを特徴
    とする機械過給式多気筒機関。
  2. 【請求項2】 請求項1の機械過給式多気筒機関におい
    て、左右方向にオフセットして配設した前記過給用気筒
    を燃焼気筒と平行に配置したことを特徴とする機械過給
    式多気筒機関。
  3. 【請求項3】 請求項1の機械過給式多気筒機関におい
    て、左右方向にオフセットして配設した前記過給用気筒
    を正面視略V字状に配置したことを特徴とする機械過給
    式多気筒機関。
  4. 【請求項4】 請求項1もしくは請求項2の機械過給式
    多気筒機関において、バランスピストンピンの軸中心を
    過給用気筒のバランスピストン中心よりもクランク軸中
    心側へ偏芯させたことを特徴とする機械過給式多気筒機
    関。
  5. 【請求項5】 請求項1もしくは請求項2もしくは請求
    項3もしくは請求項4の機械過給式多気筒機関におい
    て、2本の過給用気筒のバランスピストンロッドを、同
    一クランクピンに併設したことを特徴とする機械過給式
    多気筒機関。
  6. 【請求項6】 請求項1もしくは請求項2もしくは請求
    項3もしくは請求項4もしくは請求項5の機械過給式多
    気筒機関において、2本の過給用気筒のバランスピスト
    ンロッドを、ナックルピンによってお互いに連結したこ
    とを特徴とする機械過給式多気筒機関。
  7. 【請求項7】 請求項1の機械過給式多気筒機関におい
    て、過給用気筒のバランスピストンの下方で、バランス
    ピストンロッドと干渉しない位置にカム軸を配置したこ
    とを特徴とする機械過給式多気筒機関。
  8. 【請求項8】 請求項1の機械過給式多気筒機関におい
    て、燃焼気筒の給気弁を、該燃焼気筒の排気弁よりも過
    給用気筒の近傍に配置したことを特徴とする機械過給式
    多気筒機関。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2010053834A (ja) * 2008-08-29 2010-03-11 Maruyama Mfg Co Ltd 往復動ポンプ
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