JP2002303143A - 複動式ピストン過給機 - Google Patents

複動式ピストン過給機

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JP2002303143A JP2001104125A JP2001104125A JP2002303143A JP 2002303143 A JP2002303143 A JP 2002303143A JP 2001104125 A JP2001104125 A JP 2001104125A JP 2001104125 A JP2001104125 A JP 2001104125A JP 2002303143 A JP2002303143 A JP 2002303143A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 蓄圧室を備えた複動式ピストン過給機の部品
点数をできるだけ削減する。 【解決手段】 複動式ピストン過給機は、クランクシャ
フト52により一体に作動する一対のピストン62U,
62Lをシリンダブロック54に形成した共通のシリン
ダ54aに摺動自在に支持し、そのシリンダ54aの両
端に形成した圧縮室69U,69Lを排出室71Uおよ
び蓄圧室71Lを介してエンジンの燃焼室に接続してな
る。大容積の蓄圧室71Lを一方のシリンダヘッド60
Lの内部に一体に形成したので、蓄圧室71Lを別体に
形成する場合に比べて部品点数の削減および寸法の小型
化が可能になるだけでなく、圧縮室69U,69Lおよ
び蓄圧室71Lをシリンダブロック54の外部に配置し
たパイプで連通させる必要がなくなるため、部品点数や
組付工数が更に削減される。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一体に作動する一
対のピストンをシリンダブロックに形成した共通のシリ
ンダに摺動自在に支持し、シリンダブロックの両端に結
合した一対のシリンダヘッドと一対のピストンとの間に
形成した一対の圧縮室を過給バルブを介してエンジンの
燃焼室に接続した複動式ピストン過給機に関する。
【0002】
【従来の技術】かかる複動式ピストン過給機は、特開2
000−87754号公報により公知である。またエア
クリーナと吸気弁とを接続する吸気通路にスクリューポ
ンプ式の過給機を備えたエンジンにおいて、過給機と吸
気ポートとの間に蓄圧室(リザーバ)を配置するとによ
り過給圧の脈動を防止するものが、特公昭56−104
51号公報により公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記特開2
000−87754号公報に記載されたものは、過給機
のシリンダブロックの両端に形成した一対の圧縮室を1
80°の位相差をもって交互に作動させて過給圧の脈動
を緩和しているが、圧縮室とエンジンとの間に蓄圧室を
備えていないので過給圧の脈動を充分に防止することが
難しかった。また上記特公昭56−10451号公報に
記載されたものは、過給機のケーシングと蓄圧室とが別
部材で構成されているため、部品点数が増加して吸気系
をコンパクトに構成するのが難しくなるという問題があ
った。
【0004】本発明は前述の事情に鑑みてなされたもの
で、蓄圧室を備えた複動式ピストン過給機の部品点数を
できるだけ削減することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に、請求項1に記載された発明によれば、一体に作動す
る一対のピストンをシリンダブロックに形成した共通の
シリンダに摺動自在に支持し、シリンダブロックの両端
に結合した一対のシリンダヘッドと一対のピストンとの
間に形成した一対の圧縮室を過給バルブを介してエンジ
ンの燃焼室に接続した複動式ピストン過給機において、
前記一対の圧縮室に連なる蓄圧室を、前記一対のシリン
ダヘッドの少なくとも一方の内部に形成したことを特徴
とする複動式ピストン過給機が提案される。
【0006】上記構成によれば、複動式ピストン過給機
のシリンダブロックの端部に結合したシリンダヘッドの
内部に蓄圧室を形成したので、蓄圧室を過給機本体に対
して別体に設ける場合に比べて部品点数の削減および寸
法の小型化が可能になるだけでなく、圧縮室および蓄圧
室を過給機本体の外部に配置したパイプで連通させる必
要がなくなるため、パイプそのものと該パイプのシール
部材とが不要になって部品点数や組付工数が更に削減さ
れる。
【0007】また請求項2に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記一方のシリンダヘッドが
アルミダイキャスト製であることを特徴とする複動式ピ
ストン過給機が提案される。
【0008】上記構成によれば、過給機のシリンダヘッ
ドをアルミダイキャストで形成したので、生産性の向上
およびコストの削減が可能になる。
【0009】また請求項3に記載された発明によれば、
請求項1の構成に加えて、前記蓄圧室を、前記一方のシ
リンダヘッドと該シリンダヘッドに結合したヘッドカバ
ーとにより区画したことを特徴とする複動式ピストン過
給機が提案される。
【0010】上記構成によれば、蓄圧室をシリンダヘッ
ドと該シリンダヘッドに結合したヘッドカバーとにより
区画したので、簡単な構造で蓄圧室を構成することがで
きる。
【0011】尚、実施例の第2ヘッドカバー51Lは本
発明のヘッドカバーに対応し、実施例の第1シリンダヘ
ッド60Uおよび第2シリンダヘッド60Lは本発明の
シリンダヘッドに対応し、実施例の第1ピストン62U
および第2ピストン62Lは本発明のピストンに対応
し、実施例の第1圧縮室69Uおよび第2圧縮室69L
は本発明の圧縮室に対応する。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を、添
付図面に示した本発明の実施例に基づいて説明する。
【0013】図1〜図13は本発明の第1実施例を示す
もので、図1はエンジンの縦断面図、図2は図1の2−
2線断面図、図3は図2の3−3線矢視図、図4は図3
の4−4線断面図、図5は図3の5−5線断面図、図6
は図3の6−6線矢視図、図7は図3の7−7線矢視
図、図8は図3の8−8線矢視図、図9は図4および図
5の9−9線断面図、図10は図3の10−10線断面
図、図11は弁板およびリード弁の分解斜視図、図12
は過給機の作用を示す、前記図4に対応する図、図13
は過給機の作用を示す、前記図5に対応する図である。
【0014】図1および図2に示すように、単気筒4サ
イクルエンジンEの外郭は、クランクケース11と、シ
リンダブロック12と、シリンダヘッド13と、ヘッド
カバー14とで構成されており、クランクケース11に
一対のボールベアリング15,15で支持したクランク
シャフト16と、シリンダスリーブ17に摺動自在に嵌
合するピストン18とが、コネクティングロッド19を
介して相互に連結される。シリンダヘッド13に燃焼室
20に連通する吸気ポート21、排気ポート22および
過給ポート23が形成されており、それら吸気ポート2
1、排気ポート22および過給ポート23がそれぞれ吸
気バルブ24、排気バルブ25および過給バルブ26に
より開閉される。
【0015】シリンダヘッド13の中央部には1本のカ
ムシャフト27が一対のボールベアリング28,28を
介して支持されており、そのカムシャフト27の一端に
固定した従動スプロケット29と、クランクシャフト1
6に固定した駆動スプロケット30とがタイミングチェ
ーン31を介して接続される。クランクケース11に
は、タイミングチェーン31に張力を与えるためのテン
ションスプロケット32が設けられる。シリンダヘッド
13に固定した吸気ロッカーシャフト33および排気ロ
ッカーシャフト34に、それぞれ吸気ロッカーアーム3
5および排気ロッカーアーム36の中間部が揺動自在に
支持される。吸気ロッカーアーム35の一端はカムシャ
フト27に設けた吸気カム37に当接し、他端に設けた
アジャストスクリュー38が吸気バルブ24のステムエ
ンドに当接する。また排気ロッカーアーム36の一端は
カムシャフト27に設けた排気カム39に当接し、他端
に設けたアジャストスクリュー40が排気バルブ25の
ステムエンドに当接する。また過給バルブ26は、カム
シャフト27に設けた過給カム41により直接的に駆動
される。
【0016】而して、クランクシャフト16の回転が駆
動スプロケット30、タイミングチェーン31および従
動スプロケット29を介して伝達されるカムシャフト2
7がクランクシャフト16の2分の1の回転数で回転す
ると、カムシャフト27に設けた吸気カム37により吸
気ロッカーアーム35を介して吸気バルブ24が開閉駆
動されるとともに、カムシャフト27に設けた排気カム
39により排気ロッカーアーム36を介して排気バルブ
25が開閉駆動され、更にカムシャフト27に設けた過
給カム41により過給バルブ26が開閉駆動される。過
給バルブ26は例えば吸気行程の末期に短期間だけ開弁
し、圧縮された空気を燃焼室20の供給してエンジンE
の出力を向上させる。
【0017】次に、燃焼室20に供給する空気を加圧す
るための過給機Cの構造を、図3〜図11を併せて参照
しながら説明する。
【0018】過給機CはエンジンEのシリンダヘッド1
3に支持したカムシャフト27の一端側の側面(従動ス
プロケット29と反対側の側面)に支持されるもので、
カムシャフト27の一端に同軸にスプライン結合された
クランクシャフト52を備える。クランクシャフト52
を一対のボールベアリング53,53を介して支持する
シリンダブロック54は、クランクシャフト52の軸線
を含む平面で上側の第1シリンダブロック半体55U
と、下側の第2シリンダブロック半体55Lとに分割さ
れており、カムシャフト27寄りのボールベアリング5
3の外側にシール部材56(図4および図5参照)が挟
持される。
【0019】第1シリンダブロック半体55Uの上面
に、薄い金属板で形成された第1吸入リードバルブ57
Uと、金属板よりなる第1弁板58Uと、薄い金属板で
形成された第1排出リードバルブ59Uと、第1シリン
ダヘッド60Uと、第1ヘッドカバー51Uとが積層さ
れ、第2シリンダブロック半体55Lの下面に、薄い金
属板で形成された第2吸入リードバルブ57Lと、金属
板よりなる第2弁板58Lと、薄い金属板で形成された
第2排出リードバルブ59Lと、第2シリンダヘッド6
0Lと、第2ヘッドカバー51Lとが積層される。そし
て上方から挿入される4本のボルト61…で、第1ヘッ
ドカバー51U、第1シリンダヘッド60U、第1排出
リードバルブ59U、第1弁板58U、第1吸入リード
バルブ57U、第1シリンダブロック半体55U、第2
シリンダブロック半体55L、第2吸入リードバルブ5
7L、第2弁板58L、第2排出リードバルブ59L、
第2シリンダヘッド60Lおよび第2ヘッドカバー51
Lが共締めされる。第1シリンダヘッド60Uおよび第
2シリンダヘッド60Lはアルミダイキャストにより成
形される。
【0020】シリンダブロック54に形成したシリンダ
54a内部に、スカート部62aを介して一体に形成さ
れた上側の第1ピストン62Uおよび下側の第2ピスト
ン62Lが摺動自在に嵌合する。クランクシャフト52
に設けたクランクピン63と第1ピストン62Uに支持
したピストンピン64とがコネクティングロッド65を
介して連結される。クランクピン63とコネクティング
ロッド65の大端部との間にはニードルベアリング66
が配置され、ピストンピン64とコネクティングロッド
65の小端部との間にはニードルベアリング67が配置
される。第1ピストン62Uおよび第2ピストン62L
のスカート部62aが偏心回転するクランクピン63と
干渉しないように、スカート部62aにはクランクピン
63が貫通する開口68(図4および図5参照)が形成
される。
【0021】而して、カムシャフト27に直結された過
給機Cのクランクシャフト52が回転すると、クランク
ピン63、コネクティングロッド65およびピストンピ
ン64を介して第1ピストン62Uが駆動され、これと
同時に第1ピストン62Uにスカート部62aを介して
接続された第2ピストン62Lが駆動される。このと
き、第1ピストン62Uおよび第2ピストン62Lは1
80°位相がずれた状態で同期して往復動する。
【0022】第1ピストン62Uの頂面と第1弁板58
Uとの間に第1圧縮室69U(図12および図13参
照)が区画され、第2ピストン62Lの頂面と第2弁板
58Lとの間に第2圧縮室69L(図4および図5参
照)が区画される。また第1弁板58Uと第1ヘッドカ
バー51Uとに挟まれた第1シリンダヘッド60Uの内
部に第1吸入室70Uおよび排出室71Uが区画され、
第2弁板58Lと第2ヘッドカバー51Lとに挟まれた
第2シリンダヘッド60Lの内部に第2吸入室70Lお
よび蓄圧室71Lが区画される。第1吸入室70Uおよ
び排出室71Uは、第1弁板58Uおよび第1シリンダ
ヘッド60U間に挟持されたシール部材72Uと、第1
シリンダヘッド60Uおよび第1ヘッドカバー51U間
に挟持されたシール部材73Uとによりシールされ、第
2吸入室70Lおよび蓄圧室71Lは、第2弁板58L
および第2シリンダヘッド60L間に挟持されたシール
部材72Lと、第2シリンダヘッド60Lおよび第2ヘ
ッドカバー51L間に挟持されたシール部材73Lとに
よりシールされる。
【0023】第1吸入室70Uおよび第2吸入室70L
はシリンダブロック54の外部に配置されたパイプより
なる吸入ポート74で相互に連通し、排出室71Uおよ
び蓄圧室71Lはシリンダブロック54の外部に配置さ
れたパイプよりなる排出ポート75で相互に連通する。
吸入ポート74が第1シリンダヘッド60Uおよび第2
シリンダヘッド60Lに嵌合する部分は、それぞれシー
ル部材76U,76Lでシールされ、排出ポート75が
第1シリンダヘッド60Uおよび第2シリンダヘッド6
0Lに嵌合する部分は、それぞれシール部材77U,7
7Lでシールされる。
【0024】第1シリンダヘッド60Uおよび第2シリ
ンダヘッド60Lは実質的に同じ水平断面形状を有して
いるが、第2シリンダヘッド60Lの高さは第1シリン
ダヘッド60Uの高さよりも高いため、第2吸入室70
Lの容積は第1吸入室70Uの容積よりも大きくなり、
蓄圧室71Lの容積は排出室71Uの容積よりも大きく
なる。第1吸入室70Uは継ぎ手78を介して図示せぬ
エアクリーナに連通し、また排出室71Uは継ぎ手79
を介して過給ポート23(図2参照)に連通する。
【0025】図11には第1吸入リードバルブ57U、
第1弁板58Uおよび第1排出リードバルブ59Uの形
状が示される。第1弁板58Uには、4本のボルト61
…のうちの対角位置にある2本のボルト61,61が貫
通する2個のボルト孔58a,58aと、対角位置にあ
る他の2本のボルト61,61が貫通する2個のノック
ピン孔58a′,58a′と、吸入ポート連通孔58b
と、排出ポート連通孔58cと、4個の吸入孔58d…
と、6個の排出孔58e…とが形成される。第1吸入リ
ードバルブ57Uには、4本のボルト61…のうちの対
角位置にある2本のボルト61,61が貫通する2個の
ボルト孔57a,57aと、対角位置にある他2本のボ
ルト61,61が貫通する2個のノックピン孔57
a′,57a′と、半径方向内向きに延びる4個の吸入
リード57b…とが形成される。第1排出リードバルブ
59Uには、4本のボルト61…のうちの対角位置にあ
る2本のボルト61,61が貫通する2個のボルト孔5
9a,59aと、対角位置にある他の2本のボルト6
1,61が貫通する2個のノックピン孔59a′,59
a′と、円弧状に形成された2個の排出リード59b,
59bとが形成される。
【0026】第1吸入リードバルブ57U、第1弁板5
8Uおよび第1排出リードバルブ59Uを積層したと
き、第1吸入リードバルブ57Uの4個の吸入リード5
7b…の先端部が第1弁板58Uの4個の吸入孔58d
…の下面に当接可能に対向し、第1排出リードバルブ5
9Uの2個の排出リード59d,59dが第1弁板58
Uの6個の排出孔58e…のうちの各3個の上面にそれ
ぞれ当接可能に対向する。排出リード59b,59bが
上方に撓んで排出孔58e…を開放したとき、排出リー
ド59b,59bの中間部は第1シリンダヘッド60U
のストッパ60a,60a(図5参照)に当接する。
【0027】尚、第2吸入リードバルブ57L、第2弁
板58Lおよび第2排出リードバルブ59Lの形状は、
第1、第2シリンダブロック半体55U,55Lの結合
面に対して、第1吸入リードバルブ57U、第1弁板5
8Uおよび第1排出リードバルブ59Uの形状と面対称
であるため、重複する説明は省略する。但し、第2吸入
リードバルブ57L、第2弁板58Lおよび第2排出リ
ードバルブ59Lは、各2個のノックピン孔57a′,
57a′;58a′,58a′;59a′,59a′を
備えておらず、各4個のボルト孔57a…,58a…,
59a…を備えている点で異なっている。
【0028】過給機Cを組み立てる4本のボルト61…
のうち、対角位置にある2本のボルト61,61の外周
には後述するノックピンが嵌合する。前記対角位置にあ
る2本のボルト61,61のうちの1本が図10に示さ
れる。該ボルト61は、第1ヘッドカバー51Uのボル
ト孔51aと、第1シリンダヘッド60Uのボルト孔6
0bと、第1排出リードバルブ59Uのノックピン孔5
9a′と、第1弁板58Uのノックピン孔58a′と、
第1吸入リードバルブ57Uのノックピン57a′と、
第1シリンダブロック半体55Uのボルト孔55aと、
第2シリンダブロック半体55Lのボルト孔55aと、
第2吸入リードバルブ57Lのボルト孔57aと、第2
弁板58Lのボルト孔58aと、第2排出リードバルブ
59Lのボルト孔59aと、第2シリンダヘッド60L
のボルト孔60bと、第2ヘッドカバー51Lのボルト
孔51aとを貫通してナット80で締結される。
【0029】第1シリンダブロック半体55Uのボルト
孔55aの下端および上端のそれぞれに、該ボルト孔5
5aよりも大径のノックピン孔55b,55cが形成さ
れる。また第1シリンダヘッド60Uのボルト孔60b
の下端に該ボルト孔60bよりも大径のノックピン孔6
0cが形成される。更に第2シリンダブロック半体55
Lのボルト孔55aは前記第1シリンダブロック55U
のノックピン孔55bよりも大径であり、その上端に該
ボルト孔55aよりも小径のノックピン孔55bが形成
される。
【0030】そして第1シリンダブロック半体55Uの
下端のノックピン孔55bと、第2シリンダブロック半
体55Lの上端のノックピン孔55bとにノックピン8
1が圧入により嵌合し、第1シリンダヘッド60Uの下
端のノックピン孔60cと、第1排気リードバルブ59
Uのノックピン孔59a′と、第1弁板58Uのノック
ピン孔58a′と、第1吸気リードバルブ57Uのノッ
クピン孔57a′と、第1シリンダブロック半体55U
の上端のノックピン孔55cとにノックピン82が圧入
により嵌合する。
【0031】第1、第2シリンダブロック半体55U,
55Lのノックピン孔55b,55bは、それら第1、
第2シリンダブロック半体55U,55Lを結合した状
態で、第2シリンダブロック半体55Lの大径のボルト
孔55aを通して同時加工される。このとき第1、第2
シリンダブロック半体55U,55Lに跨がるシリンダ
54aも同時加工される。また第1、第2シリンダブロ
ック半体55U,55Lを位置決めするノックピン81
は、第2シリンダブロック半体55Lの大径のボルト孔
55aの下端から挿入されてノックピン孔55b,55
bに圧入される。
【0032】次に、上記構成を備えた本発明の実施例の
作用について説明する。
【0033】エンジンEの運転に伴ってクランクシャフ
ト16によりタイミングチェーン31を介してカムシャ
フト27が駆動されると、カムシャフト27に直結した
過給機Cのクランクシャフト52が回転する。クランク
シャフト52が回転するとコネクティングロッド65を
介して第1、第2ピストン62U,62Lがシリンダ5
4a内を一体に上下動する。図4に示すように、第1、
第2ピストン62U,62Lが上動するとき、第1ピス
トン62Uにより第1圧縮室69Uの容積が減少して圧
力が上昇するため、第1排出リードバルブ59Uの排出
リード59b,59bが上方に撓み、第1圧縮室69U
内の空気が排出室71Uおよび排出ポート75を経て蓄
圧室71Lに供給される。図5に示すように、これと同
時に第2ピストン62Lにより第2圧縮室69Lの容積
が増加して圧力が低下するため、第2吸入リードバルブ
57Lの吸入リード57b…が上方に撓み、第1吸入室
70Uの空気が吸入ポート74および第2吸入室70L
を経て第2圧縮室69Lに供給される。
【0034】クランクシャフト52が更に回転して第
1、第2ピストン62U,62Lがシリンダ54a内を
一体に下動するとき、図13に示すように、第1ピスト
ン62Uにより第1圧縮室69Uの容積が増加して圧力
が低下するため、第1吸入リードバルブ57Uの吸入リ
ード57b…が下方に撓み、第1吸入室70U内の空気
が第1圧縮室69Uに供給される。図12に示すよう
に、これと同時に第2ピストン62Lにより第2圧縮室
69Lの容積が減少して圧力が増加するため、第2排出
リードバルブ59Lの排出リード59b,59bが下方
に撓んで第2圧縮室69L内の空気が蓄圧室71Lに供
給される。
【0035】このようにして、第1、第2ピストン62
U,62Lの往復動に伴って吸入された空気は第1、第
2圧縮室69U,69Lで交互に圧縮されて蓄圧室71
Lに蓄圧される。そして過給バルブ26が開弁した瞬間
に、蓄圧室71Lの高圧の空気は、排気ポート75、排
出室71U、過給ポート23および過給バルブ26を経
て燃焼室20に供給され、エンジンEの出力を増加させ
る。第1、第2ピストン62U,62Lの位相が180
°ずれているため、過給圧の脈動を減少させることがで
き、更に蓄圧室71Lが圧力緩衝作用を発揮すること
で、過給圧の脈動を更に効果的に減少させることができ
る。
【0036】以上のように、過給機Cの第2シリンダヘ
ッド60Lの内部に蓄圧室71Lを一体に形成したの
で、その蓄圧室71Lを過給機Cの本体部と別体に構成
した場合に必要となるパイプの取りまわしやパイプの接
続部のシールが不要になり、部品点数および組付工数を
減少させることができる。また第1、第2吸入室70
U,70L、排出室71Uおよび蓄圧室71Lを構成す
る第1、第2シリンダヘッド60U,60Lをアルミダ
イキャストで形成したので、生産性の向上およびコスト
の削減が可能になる。しかも前記第1、第2吸入室70
U,70L、排出室71Uおよび蓄圧室71Lを、第
1、第2シリンダヘッド60U,60Lに第1、第2ヘ
ッドカバー51U,51Lを結合して閉塞したので、簡
単な構造で第1、第2吸入室70U,70L、排出室7
1Uおよび蓄圧室71Lを区画することができる。
【0037】ところで、本実施例の過給機Cはシリンダ
ブロック54を第1シリンダブロック半体55Uおよび
第2シリンダブロック半体55Lに2分割しているた
め、それら第1、第2シリンダブロック半体55U,5
5Lを精度良く結合しないと、シリンダ54aの上部お
よび下部の軸線にずれが生じて異常摩耗が発生する虞が
ある。しかしながら、図10に示すように、第1シリン
ダブロック半体55Uの下端のノックピン孔55bと第
2シリンダブロック半体55Lの上端のノックピン孔5
5bとは、第1、第2シリンダブロック半体55U,5
5Lを一体に結合した状態で、第2シリンダブロック半
体55Lの大径のボルト孔55aからドリルを挿入して
同時加工されるので、その加工精度が高められる。しか
も前記両ノックピン孔55b,55bにノックピン81
が圧入により嵌合するので、第1、第2シリンダブロッ
ク半体55U,55Lを更に高い精度で組み立てること
ができる。
【0038】更に、第1、第2シリンダブロック半体5
5U,55Lの内部に形成されるシリンダ54aも、そ
れら第1、第2シリンダブロック半体55U,55Lを
一体に結合した状態で同時加工されるので、第1、第2
シリンダブロック半体55U,55Lを組み立てたとき
にシリンダ54aの上部および下部の同軸性が確保さ
れ、第1、第2ピストン62U,62Lとの摺動部の異
常摩耗を防止することができる。
【0039】また過給機Cの組み立てに際し、予め組み
立てた第1、第2ピストン62U,62L、コネクティ
ングロッド65およびクランクシャフト52を第1、第
2シリンダブロック半体55U,55Lの内部に組み込
んだ後に、第2シリンダブロック半体55Lの大径のボ
ルト孔55aからノックピン81を挿入して第1、第2
シリンダブロック半体55U,55Lのノックピン孔5
5b,55bに圧入することができる。これにより、第
1、第2ピストン62U,62L、コネクティングロッ
ド65およびクランクシャフト52を第1、第2シリン
ダブロック半体55U,55Lの内部に仮保持した状態
で、ノックピン孔55b,55bにノックピン81の両
端を嵌合させる面倒な作業が不要になり、組付作業性が
大幅に向上する。
【0040】以上、本発明の実施例を詳述したが、本発
明はその要旨を逸脱しない範囲で種々の設計変更を行う
ことが可能である。
【0041】例えば、実施例では第2シリンダヘッド6
0Lの高さを高くして内部に蓄圧室71Lを構成してい
るが、第1シリンダヘッド60Uの高さを高くして内部
に蓄圧室を構成することができ、更に第1、第2シリン
ダヘッド60U,60Lの両方に蓄圧室を構成すること
もできる。
【0042】
【発明の効果】以上のように請求項1に記載された発明
によれば、複動式ピストン過給機のシリンダブロックの
端部に結合したシリンダヘッドの内部に蓄圧室を形成し
たので、蓄圧室を過給機本体に対して別体に設ける場合
に比べて部品点数の削減および寸法の小型化が可能にな
るだけでなく、圧縮室および蓄圧室を過給機本体の外部
に配置したパイプで連通させる必要がなくなるため、パ
イプそのものと該パイプのシール部材とが不要になって
部品点数や組付工数が更に削減される。
【0043】また請求項2に記載された発明によれば、
過給機のシリンダヘッドをアルミダイキャストで形成し
たので、生産性の向上およびコストの削減が可能にな
る。
【0044】また請求項3に記載された発明によれば、
蓄圧室をシリンダヘッドと該シリンダヘッドに結合した
ヘッドカバーとにより区画したので、簡単な構造で蓄圧
室を構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】エンジンの縦断面図
【図2】図1の2−2線断面図
【図3】図2の3−3線矢視図
【図4】図3の4−4線断面図
【図5】図3の5−5線断面図
【図6】図3の6−6線矢視図
【図7】図3の7−7線矢視図
【図8】図3の8−8線矢視図
【図9】図4および図5の9−9線断面図
【図10】図3の10−10線断面図
【図11】弁板およびリード弁の分解斜視図
【図12】過給機の作用を示す、前記図4に対応する図
【図13】過給機の作用を示す、前記図5に対応する図
【符号の説明】
20 燃焼室 26 過給バルブ 51L 第2ヘッドカバー(ヘッドカバー) 54 シリンダブロック 54a シリンダ 60U 第1シリンダヘッド(シリンダヘッド) 60L 第2シリンダヘッド(シリンダヘッド) 62U 第1ピストン(ピストン) 62L 第2ピストン(ピストン) 69U 第1圧縮室(圧縮室) 69L 第2圧縮室(圧縮室) 71L 蓄圧室
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 新妻 桂一郎 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 (72)発明者 堤崎 高司 埼玉県和光市中央1丁目4番1号 株式会 社本田技術研究所内 Fターム(参考) 3G005 EA01 EA19 FA55 GB17 GB46 KA07

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一体に作動する一対のピストン(62
    U,62L)をシリンダブロック(54)に形成した共
    通のシリンダ(54a)に摺動自在に支持し、シリンダ
    ブロック(54)の両端に結合した一対のシリンダヘッ
    ド(60U,60L)と一対のピストン(62U,62
    L)との間に形成した一対の圧縮室(69U,69L)
    を過給バルブ(26)を介してエンジン(E)の燃焼室
    (20)に接続した複動式ピストン過給機において、 前記一対の圧縮室(69U,69L)に連なる蓄圧室
    (71L)を、前記一対のシリンダヘッド(60U,6
    0L)の少なくとも一方の内部に形成したことを特徴と
    する複動式ピストン過給機。
  2. 【請求項2】 前記一方のシリンダヘッド(60L)が
    アルミダイキャスト製であることを特徴とする、請求項
    1に記載の複動式ピストン過給機。
  3. 【請求項3】 前記蓄圧室(71L)を、前記一方のシ
    リンダヘッド(60L)と該シリンダヘッド(60L)
    に結合したヘッドカバー(51L)とにより区画したこ
    とを特徴とする、請求項1に記載の複動式ピストン過給
    機。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2009045128A1 (fr) * 2007-10-05 2009-04-09 Pavel Ignatievich Zagumennov Moteur à combustion interne multicylindre à chambre unique à pistons à mouvement opposé

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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2009045128A1 (fr) * 2007-10-05 2009-04-09 Pavel Ignatievich Zagumennov Moteur à combustion interne multicylindre à chambre unique à pistons à mouvement opposé

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