JPH10226861A - 黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板およびその製造方法 - Google Patents

黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板およびその製造方法

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JPH10226861A
JPH10226861A JP3400297A JP3400297A JPH10226861A JP H10226861 A JPH10226861 A JP H10226861A JP 3400297 A JP3400297 A JP 3400297A JP 3400297 A JP3400297 A JP 3400297A JP H10226861 A JPH10226861 A JP H10226861A
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貴裕 松永
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Hiroyuki Tsuchiya
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睦雄 相良
Tamotsu Toki
保 土岐
Shinya Hikino
真也 引野
Hisao Yoshimori
久雄 吉森
Katsuhiro Matsuda
克弘 松田
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稔 大井
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 低コスト、短時間処理で耐食性に優れ、かつ
加工部の色調変化が少なく、密着性に優れた黒色化溶融
Al−Zn合金めっき鋼板とその製造方法を提供する。 【解決手段】 Al−Zn合金めっき層全体のAl組成が5〜
95at%で、めっき表面層の表面Al占有率とめっき層全体
のAl組成のAl低減比が0.5 以下 (at%) であって、かつ
明度L* が65以下である。その製造に際しては、遷移金
属元素を含有する酸性溶液あるいは錯化させたアルカリ
溶液に浸漬するか、スプレーするか、あるいはその中で
電解を施すかした後に、pH 11 以上のアルカリ溶液中で
浸漬、スプレーもしくは電解する。めっき表層のAlが優
先的に溶解して形成された微細凹凸面が黒色を呈する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、建材、家電製品、
自動車などの意匠性が要求される分野に有用な、耐食性
と意匠性に優れた着色表面処理鋼板、より具体的には黒
色または灰黒色の美麗な外観を有する黒色化溶融Al−Zn
合金めっき鋼板およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】建材、家電製品といった美麗な表面外観
が要求される分野の製品においては、冷間圧延またはめ
っき鋼板を所定形状に加工した後、塗装 (ポストコー
ト) を行うのが普通であったが、最近では、鋼板の状態
で予め塗装が行われたプレコート鋼板をこのような製品
に適用する動きが活発である。これは、鋼板加工メーカ
ーにとって、ポストコート工程の省略により、製造コス
トが低減でき、かつ製品の塗装品質が向上するという利
点があるからである。プレコート鋼板は、塗装後に加工
を受けるため、耐食性に加えて、加工性に優れている必
要がある。この要求に応えるべく、亜鉛めっき鋼板と亜
鉛合金めっき鋼板が開発され、使用されている。
【0003】しかし、鋼板加工メーカーの徹底したコス
トダウンの追求の観点から、コストのかかる塗装工程を
省略した、無塗装で意匠性に優れた着色外観を有する安
価な表面処理鋼板が望まれるようになった。このような
着色表面処理鋼板に要求される品質としては、耐食性、
加工性に加え、着色外観の均一性が重要であり、場合に
よっては溶接性、耐薬品性、耐指紋性なども要求され
る。色調としては、家電製品、自動車内装小物部品など
では黒色系統の色調が好まれている。
【0004】このような着色外観を有する溶融亜鉛系め
っき鋼板またはその製造方法として、黒色系統の色調を
有するものについては、下記のものが知られている。 (1) 塩素酸塩、過酸化物などの酸化剤と2価銅イオンを
主成分とし、さらにポリオキシエチレン系エーテル、ポ
リビニールアルコールなどの有機物を含有してもよい、
pH5以下の黒色化処理液で亜鉛または亜鉛合金電気めっ
き鋼板を浸漬処理して、めっき表面を黒色化する (特開
昭50−55546 号、同52−76237 号および同53−76238 号
各公報参照) 。 (2) CoあるいはNiイオンを含有するアルカリ性水溶液p
H:2〜11の電解液中で陰極電解する (特開昭60−190588
号公報) 。
【0005】(3) Alイオンを添加したpH: 4前後の電解
液中で陽極酸化する (特開昭63−157898号公報) 。 (4) Ag、Sb、Bi各イオンの2種以上とNi、Fe、Co各イオ
ンの1種以上を所定量含有するpH:0.5〜7の黒色化処理
液で処理する (特開昭63−161176号公報) 。
【0006】(5) 溶融Al−Znめっき鋼板を水蒸気処理し
て黒色化し、次いでクリアー塗膜で皮膜する (特開平1
−56861 号公報) 。 (6) NiイオンとNH2 を含むpH<11.0のアルカリ溶液で処
理する (特開平2−47273 号公報) 。
【0007】(7) 塩化第1スズと水溶性NiまたはCo化合
物を含有する水溶液中で処理する (特開平2−93077 号
公報) 。 (8) Ni、Fe、Coから選んだ第一の金属イオンと、Sb、B
i、Ag、Cu、Pb、Snから選んだ第二の金属イオンとフッ
素イオンとを含有する水溶液中で処理した後、塗布型ク
ロメート処理および高分子皮膜を施す (特開平2−2824
85号公報) 。
【0008】(9) Niイオン、Coイオンの1種以上とこの
金属イオンを錯化するのに十分なアンモニアおよびアミ
ンの1種以上の化合物を有するpH5以上の処理液で処理
する (特開平3−31484 号公報) 。 (10)還元剤を含有するアルカリ液に浸漬し、その処理時
間、処理温度を制御してめっき物表層の明度を低下させ
る (特開平6−33269 号公報) 。
【0009】これらの従来法は、(10)の方法を除いて、
Ni、Coなどの金属元素を含有する黒色皮膜を形成させる
か、例えばAlのようなめっき成分の酸化物、水酸化物を
形成させるものであって、そのような黒色皮膜とめっき
皮膜との密着性、めっき層自体の耐食性、さらには処理
コストが問題となる。例えば、(1) の方法は、Al−Zn合
金めっきのように酸化物が多いめっき系に適用すると、
着色皮膜の密着性が不十分となる。(2) 、(4) 、(6) 、
(7) 、(8) 、および(9) の方法は、亜鉛系めっき皮膜を
Znより貴な金属で被覆するため、耐食性が著しく低下す
る。(3) の方法は、めっき皮膜中にNi、Co等の金属元素
が存在しないZn系めっきでは、十分な黒色化鋼板が得ら
れない。(5) の方法は、高温で長時間水蒸気処理を行う
ために、生産性に難点がある。
【0010】一方、(10)の方法は、Al−Zn合金めっきの
ようなAlとZnが均一に分散凝固しないめっきに用いる
と、外観的なムラが大きく、さらには処理時間が長くな
るために、生産性、品質に問題を生じる。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、低コスト、
短時間処理で耐食性に優れる溶融Al−Zn合金めっき鋼板
の黒色化を達成し、加工部の色調変化が少なく、密着性
に優れた黒色化溶融Al−Zn合金めっき鋼板とその製造方
法を提供することである。
【0012】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、溶融Al−
Zn合金めっき鋼板の黒色化について鋭意検討した結果、
強アルカリ溶液中で処理を施す前に、遷移金属を含む溶
液で処理することで、鋼板の黒色化が、処理しない場合
に対して促進、安定化することを見い出し、本発明を完
成した。
【0013】本発明者らは、また、溶融Al−Zn合金めっ
き鋼板の黒色化について鋭意検討した結果、強アルカリ
溶液中で処理を施す前に、Al−Zn合金めっき浴のAl、Z
n、Si以外にSrまたはVのどちらか1種類以上の元素を
0.010 wt%以上有するめっき浴成分でめっき処理を施
し、スパングル粒径を1mm以下または二次Alデンドライ
ト晶間隔 (以下、DASと略す) を15μm以下とするこ
とで、鋼板の黒色化が、処理しない場合に対して促進、
安定化することを見い出した。
【0014】本発明者らは、さらに溶融Al−Zn合金めっ
き鋼板の黒色化について鋭意検討した結果、強アルカリ
溶液中で処理を施す前に、めっき後に設置した強制冷却
装置で鋼板の冷却速度を15℃/秒以上、または二次Alデ
ンドライト晶間隔 (DAS)を15μm以下とすること
で、鋼板の黒色が、処理しない場合に対して促進、安定
化することを見い出した。
【0015】本発明者らは、さらにまた溶融Al−Zn合金
めっき鋼板の黒色化について鋭意検討した結果、強アル
カリ溶液中で処理を施す前に、スキンパスミルで少なく
とも伸率が0.5 %以上、Raが0.5 μm以下の加工を加え
処理することで、鋼板の黒色化が、処理しない場合に対
して促進、安定化することを見い出した。
【0016】すなわち、溶融Al−Zn合金めっき鋼板のめ
っき皮膜は、常温でAlとZnが相互固溶を起こしにくいた
めに、Alリッチな相とZnリッチな相が混在した皮膜構造
となる。そのため、強アルカリ溶液中で処理すると、め
っき表層のAlリッチ相が優先的に溶解 (エッチング) す
るために、めっき表面に微細な凹凸が形成され、表層に
Znの酸化物もしくは水酸化物を生成する。このめっき表
面の微細凹凸もしくは生成物が可視光を吸収もしくは干
渉することで、めっき表面が目視的に灰黒色〜黒色にな
るものと考えられる。強アルカリ溶液中で処理を施す際
に、めっき表面に遷移金属元素もしくはその酸化物が存
在すると、Alの溶解が更に促進され、黒色化がより短時
間に実現され、しかもその黒色度がさらに鮮やかになる
ことが判明した。
【0017】ここに、本発明は次の通りである。 (1) 溶融Al−Zn合金めっき鋼板であって、Al−Zn合金め
っき層全体のAl組成が5〜95at%で、該めっき層の表面
Al占有率とめっき層全体のAl組成の比が0.5 以下 (at
%) であって、かつ明度L* が65以下であることを特徴
とする黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
【0018】(2) 上記(1) 記載の黒色溶融Al−Zn合金め
っき鋼板の表面上に、Al、Zn以外の遷移金属元素もしく
はその酸化物が付着した黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼
板。 (3) 上記(1) または(2) 記載の黒色溶融Al−Zn合金めっ
き鋼板のAl−Zn合金めっき層の上に、Cr付着量10〜150
mg/m2 のクロメート層を有することを特徴とする黒色溶
融Al-Zn 合金めっき鋼板。
【0019】(4) 上記(1) ないし(3) のいずれかに記載
の黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板のAl-Zn 合金めっき層
の上に、厚さ0.2 〜5μmの有機樹脂皮膜を有すること
を特徴とする黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
【0020】(5) 上記(1) または(2) 記載の黒色溶融Al
−Zn合金めっき鋼板のAl-Zn 合金めっき層の上に、第1
層としてCr付着量で10〜150 mg/m2 のクロメート層を、
そして第2層として厚さ0.2 〜5μmの有機樹脂皮膜を
有することを特徴とする黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼
板。
【0021】(6) めっき層全体のAl組成が5〜95at%の
溶融Al−Zn合金めっき鋼板を、遷移金属元素を含んだ酸
性溶液または遷移金属元素を錯化させたアルカリ溶液中
に浸漬するか、該アルカリ溶液をスプレーするか、ある
いは該アルカリ溶液中で電解を施すかした後に、得られ
た溶融Al−Zn合金めっき鋼板を、pH 11 以上のアルカリ
溶液中で浸漬、スプレーもしくは電解することにより黒
色化を行う黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板の製造方法。
【0022】(7) 前記溶融Al−Zn合金めっき鋼板が、A
l、Zn、Si以外に、SrまたはVの1種類以上の元素を0.0
10 wt%以上有するめっき浴成分でめっき処理しためっ
き鋼板である上記(6) 記載の溶融Al−Zn合金めっき鋼板
の製造方法。
【0023】(8) 前記溶融Al−Zn合金めっき鋼板のスパ
ングル粒径を1mm以下とした、上記(7) 記載の溶融Al−
Zn合金めっき鋼板の製造方法。 (9) 前記溶融Al−Zn合金めっき鋼板のめっき後の冷却速
度を15℃/秒以上とするか、または一次Alデンドライト
晶間隔 (DAS) を15μm以下とした、上記(6)〜(8)
のいずれかに記載の溶融Al−Zn合金めっき鋼板の製造方
法。
【0024】(10)前記溶融Al−Zn合金めっき鋼板の前処
理として、少なくともスキンパス伸率が0.5 %以上、か
つ表面粗度Raが0.5 μm以下の処理を施す上記(6) 〜
(9) のいずれに記載の溶融Al−Zn合金めっき鋼板の製造
方法。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明の黒色化溶融Al−Zn合金め
っき鋼板について、詳細に説明する。 (1) 溶融Al−Zn合金めっき層中のAl濃度 本発明における黒色化は、前述したようにZnとAlの溶解
速度の差を利用したものであるから、微細な凹凸が形成
されるには、めっき表面でZnとAlが網目構造になってい
るのが望ましい。このため、めっき皮膜中のAlの占有率
が5at%未満もしくは95at%超では黒色化に寄与するだ
けの編み目構造が形成されにくい。好ましくはAl:20〜
92at%がよく、さらに好ましくは40〜80at%である。こ
のめっき組成領域ではめっき表面の網目構造が適度なサ
イズになり、より一層黒色化が促進される。
【0026】Al −Zn合金めっき層を構成するAl、Zn以
外の任意添加元素としては、鋼板/めっき界面に形成さ
れる合金層の抑制元素としてのSi、濡れ性改善のための
La、Ce、耐食性改善のためのMg等があり、その他不可避
不純物が存在していても、黒色化に影響を及ぼさない。
【0027】(2) めっき表層のAl占有率 本発明では強アルカリ水溶液で処理することにより、表
面に濃化したAlが優先溶解しめっき表層に微細凹凸が形
成される。従って、めっき表層の表面Al占有率はアルカ
リ処理前より減少する。上記組成のAl−Zn合金めっき鋼
板のアルカリ処理前の表面Al占有率とめっき層全体の皮
膜組成中のAl含有率との比、つまりAl低減比は、原子%
で、通常1.0 〜1.5 であるが、本発明者らは、この値を
0.5 以下にした場合に、美麗な黒色外観が得られること
を見い出した。好ましくは、上記比が0.3 以下でより一
層の黒色度が得られる。一方、この下限については黒色
化の面からは、特に規定されないが、0.01を下回るよう
な処理をした場合、めっき皮膜の溶解量が大きくなりす
ぎ耐食性に悪影響を及ぼすかもしくは溶解面の凹凸が減
少して黒色度が減少する。従って、好ましくは0.01以上
である。なお、本明細書では、めっき表層の表面Al占有
率、めっき層全体のZn組成は次のように定義した。
【0028】
【数1】
【0029】(3) Al−Zn合金めっき浴のSr、V添加の効
果 本発明に用いる黒化処理法は、Al−Zn合金めっき浴のA
l、Zn、Si以外にSr、またはVの1種類以上の元素を0.0
10 wt%以上有するめっき浴成分でめっき処理すること
である。この処理方法により、スパングル粒径を1mm以
下、DASを15mm以下とし、めっき表層のAlリッチ相を
優先的に析出させることで、その後のアルカリ処理によ
るエッチングが容易に進み、美麗な黒色外観が得られ
る。
【0030】(4) 黒色化処理 本発明にかかる黒色化処理法は、溶融Al−Zn合金めっき
鋼板を強アルカリ水溶液で短時間処理して、めっき表層
に微細凹凸を付与する形態でめっき表層のAlリッチ相を
溶解させる。つまり、エッチングを行う。このエッチン
グには、pHが11以上、好ましくは11.5以上の強アルカリ
溶液を使用する。それにより、数秒ないし数十秒という
短時間処理でエッチングを行う。ただし、めっき表層の
Alリッチ相を完全に除去する必要はなく、黒色化に十分
な量で有効的に微細凹凸を形成させる限り、めっき表層
にAlリッチ相が残存してもよい。pHが11未満の場合で
は、短時間で十分な黒色度が得られない。
【0031】ここに、めっき表層とは、実質上本発明の
所期の効果が発揮される限り制限されないが、例えば、
XPS(エックス線光電子分光法) により分析可能な深さの
表面からのめっき層領域である。
【0032】強アルカリ水溶液に使用する薬品は、水酸
化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、珪酸
ナトリウム等の1種または2種以上を水に溶解させて調
整することができる。アルカリ成分は、適用温度でpH 1
1 以上を形成するものであれば、これら以外のものも使
用できる (例えば水溶性の有機溶媒を少量添加するな
ど) 。
【0033】処理方法は浸漬法、スプレー法、浸漬電解
法等何れの方法によっても良い。電解法の場合には陽極
酸化処理を行う。好適電解条件は、2〜15秒の通電時間
で1A/dm2 以上、一般には1〜10A/dm2 の電流密度であ
る。電圧は1〜20Vが望ましい。好ましくは流速 0.1〜
5m/s の向流下で電解処理を行う。黒色化処理後は、色
調のムラ防止のための水洗後、十分乾燥を行うことが望
ましい。
【0034】処理液温度は30〜90℃に設定することが好
ましい。処理液温度が30℃未満であれば、短時間で十分
な黒色度が得られないことがある。90℃を越えると液の
蒸発が激しく、操業に支障をきたす。好ましくは50〜70
℃が良い。また、めっき鋼板とアルカリ水溶液との接触
時間は、上述の浸漬法、スプレー法、浸漬電解法のいず
れにあっても2秒以上とすることが好ましい。2秒未満
では、黒色化が均一に得られないことがある。時間経過
とともに黒色化が進行するため、所望黒色度のときに処
理を停止すればよいが、上述の条件下では通常は2分以
下 (実際には10秒以下) の処理で十分である。
【0035】(5) 明度 黒色もしくは灰黒色と目視的に評価できる指標として
は、JIS Z 8729に示すような明度 (L* ) を用いること
で可能となる。黒色もしくは灰黒色と目視的に認識され
る明度は65以下が必要である。65を越える場合は、灰色
もしくは光沢が一部残存するので黒色もしくは灰黒色と
は言いがたい表面となってしまう。
【0036】(6) 前処理 本発明にあっては、上述の強アルカリ処理に先立って、
遷移金属またはその酸化物の付着処理を行ってもよい。
つまり、溶融Al−Zn合金めっき鋼板の表面に遷移金属元
素もしくはその酸化物を予め付着させておいてから、強
アルカリ処理を行うのである。
【0037】かかる前処理によって、アルカリ溶液によ
る黒色化処理の際に、黒色化が安定、促進される効果が
発揮され、さらには黒色化後の後処理密着性、耐食性向
上に寄与する。このときの遷移金属元素としては、Cr、
Co、Ni、Fe、Cu等が挙げられる。これらの金属元素は、
例えばその炭酸塩、硫酸塩、塩酸塩等が酸性溶液に添加
されており、あるいはNi(NH4)6 2+などの形態で錯体とし
てアルカリ溶液に添加されている。かかる処理により、
好ましくは溶融Al−Zn合金めっき鋼板のスパングル粒径
を1mm以下としてもよい。
【0038】表面被覆方法としては、上述のような酸性
またはアルカリ溶液による浸漬法、スプレー塗布法、電
解法等がある。この場合の電解法は陰極電解であればよ
い。この場合にも、代表的な電解条件は、電流密度1〜
10 A/dm2で、2 〜15秒間通電することである。電圧は1
〜20Vが望ましい。
【0039】またはめっき浴中へそれらの金属成分を添
加しておいてめっき層内に予め含有させておいてもよ
い。換言すれば、Al-Zn 合金めっき層の合金系として上
述の遷移金属元素を含有する系を使用する場合には、Al
-Zn 合金めっき処理自体が黒色化の前処理を構成するこ
とになる。
【0040】このような遷移金属元素の前処理によるめ
っき層への付着量、つまり被覆量としては、金属重量%
で5〜200 mg/m2 、好ましくは10〜100 mg/m2 が望まし
い。被覆量10mg/m2 未満では、その後に行うアルカリ処
理による黒色化効果のAl溶解促進効果が得られにくく、
一方、200 mg/m2 を越える被覆量では、めっき表面上が
強固なバリアー皮膜で覆われた形となり逆にアルカリと
めっき表面の初期反応性が小さくなるために短時間処理
が困難となる。
【0041】その他の前処理としては次のような処理が
ある。Al−Zn合金めっき浴のAl、Zn、Si以外にSrまたは
Vのどちらか1種類以上の元素を0.010 wt%以上有する
めっき浴成分でめっき処理を施し、スパングル粒径を1
mm以下または二次Alデンドライト晶間隔を15μm以下と
してもよい。
【0042】めっき後に設置した強制冷却装置で鋼板の
冷却速度を15℃/秒以上、または二次Alデンドライト晶
間隔を15μm以下としてもよい。スキンパスミルで少な
くとも伸率が0.5 %以上、Raが0.5 μm以下の加工を加
え処理としてもよい。
【0043】(7) 後処理 こうして得られた本発明の黒色化溶融Al−Zn合金めっき
鋼板は、均一に着色した表面外観を有し、耐食性は、黒
色化前のめっき鋼板と同等の耐食性を温存しており、そ
のまま加工して各種製品の製造に利用することができ
る。しかし、後処理としてクロメート処理あるいは薄膜
の樹脂皮膜あるいは第1層としてクロメート処理、第2
層として薄膜の有機樹脂皮膜を施すのが好ましい。
【0044】クロメート処理の効果としては、耐食性の
向上、表面外観の均質化などで、樹脂皮膜の効果として
はクロメート処理と同様の効果のほか、特にプレス等表
面にしごきが加わるような加工の際、めっき表層の微細
凹凸を保護する役目を有する上、成形後の外観変化が少
なく耐食性も向上することが認められた。
【0045】クロメート処理は、耐食性に優れている反
応型、電解型、塗布型等公知のクロメート処理でよい
が、黒色化処理後の表面をさらに反応させない (させに
くい)点で塗布型クロメートが好ましい。形成された塗
布クロメート皮膜の付着量は、金属Crとして10〜150 mg
/m2 、特に20〜60mg/m2 の範囲が好ましい。付着量が10
mg/m2 未満では、色調および耐食性の改善に効果がな
く、150 mg/m2 を越えると黒色化鋼板は黄色化し外観が
損なわれる。
【0046】使用する塗布型クロメート処理液は、クロ
ム酸イオンと還元剤の他、硫酸、リン酸、フッ酸などの
酸、耐食性の向上を目的としたシリカなどの酸化物とい
ったクロム処理液に対する公知の添加物を1種もしくは
2種以上添加してもよい。さらに最近では加工部の耐食
性向上のために、水溶性樹脂あるいはエマルジョン樹
脂、ワックス等を添加する場合もあり、これらを利用し
てもよい。クロメート皮膜の造膜を促進するため、Cr6+
イオンの一部がCr3+イオンに還元された部分還元型の処
理液を使用することが、好ましい。クロメート処理は、
塗布、噴霧、浸漬などの常法で実施することができ、処
理後に加熱して膜を乾燥させると、塗布クロメート皮膜
が形成される。乾燥温度は最高到達温度で通常は50〜10
0 ℃の範囲内である。
【0047】樹脂皮膜は、通常の方法により、黒色化溶
融Al−Zn合金めっき上に直接塗布するか、上述したクロ
メート皮膜上に塗布する方法がある。後者は前者に較べ
てより耐食性能が要求される場合に適用する。有機樹脂
皮膜の厚みは0.2 〜5μmに限定する。この皮膜の厚み
が0.2 μm未満では、着色表面が十分に被覆されず、加
工時の保護皮膜としての効果が期待できず、耐食性が劣
化することがある。樹脂皮膜の厚みが5μmを越える
と、加工時に樹脂皮膜が加工に追随できず皮膜内剥離が
生じたり、密着性、鋼板の溶接性、加工性などの特性が
劣化することがある。
【0048】使用する有機樹脂は、下地の黒色を隠蔽し
ないような透明皮膜を形成できる樹脂で有ればよく、そ
の種類は制限されない。好適な樹脂を例示すると、アク
リル系樹脂、ポリエステル系樹脂、アルキド系樹脂、フ
ッ素樹脂、フェノール樹脂、エポキシ系樹脂などが挙げ
られる。有機樹脂皮膜は、耐食性向上のためのシリカ、
潤滑性付与のためのワックスなど添加材を含有してもよ
い。次に、実施例によって本発明の作用効果をさらに具
体的に説明する。
【0049】
【実施例】
(実施例1)板厚0.8 mm、板幅100 mm、長さ250 mmに裁断
した冷延鋼板を溶剤脱脂後、溶融めっき試験装置を用い
て所定の成分に調整したAl−Zn合金溶融めっき浴に浸漬
し、めっきを行った。めっき付着量は80g/m2一定になる
ように調整した。一部の溶融Al−Zn合金めっき鋼板は例
えば遷移金属としてNiを付着させる場合、ニッケル換算
で3g/l の硫酸ニッケル溶液に浸漬することで各種遷移
金属を付着させた。クロム酸処理の場合、一部は、電流
密度5A/dm2 ×5〜10秒の条件でさらに陰極電解を行っ
た。
【0050】その後、50〜80℃の水酸化ナトリウム水溶
液 (pH=10〜15) を用いた浸漬法により表面Al占有率が
所定の値になるように黒色化処理を施し、水洗後直ちに
乾燥した。このような黒色処理をしたAl−Znめっき鋼板
のめっき皮膜について下記方法でめっき皮膜の分析を行
った。
【0051】表面Al占有率:XPS による表面定量分析 めっき皮膜全体のAl含有率:めっき皮膜を溶解後、原
子吸光分析 次いで、クロメート処理を施す場合、クロム酸換算で30
g/l 濃度、Cr3+/Cr6+の比が1の塗布型クロメート処理
液にめっき鋼板を浸漬し、鋼板を回転させて遠心力によ
り所定の膜厚に調整した。その後、80℃で30秒間乾燥し
てクロメート皮膜を形成した。
【0052】樹脂皮膜は、黒色化溶融Al−Zn合金めっき
あるいはクロメート処理皮膜上に、シリカゾルを15重量
%の量で分散させたアクリル系樹脂塗料をバーコーター
により塗装し、120 ℃×20秒の加熱処理により焼付け、
所定の膜厚を形成させた。
【0053】このサンプルを下記の方法で評価した。 <評価方法> (1) 黒色外観 色彩色差計 (ミノルタ社製CR-300) を用いて明度 (L*
値) が板面内で平均値55以下を黒色、55超65以下を灰黒
色とする。また測定値が±2のバラツキ内に入るものを
均一色調と定義する。 ◎:均一色調の黒色 (L* 値55以下) ○:均一色調の灰黒色 (L* 値55〜65) △:均一な黒色を呈しない (色調ムラ発生) ×:十分な黒色が得られない (L* 値65超) なお、面内で均一に黒色していても (上記評価で◎、
○) 、黄変や干渉色が発生しているものについては、−
をつけて (◎- 、○- ) 評価している。
【0054】(2) 加工後の外観 無処理品またはクロメート処理品 密着曲げ部の外観 ○:外観良好 (曲げ部と平板部の外観差なし) △:曲げ部の外観劣化 小 ×:曲げ部の外観劣化 大 薄膜樹脂塗工品 絞り比1.8 の円筒絞り後の外観 (ブランク径60mm、無塗
油) ○:外観良好 (摺動部と非摺動部の外観差なし) △:摺動部の外観劣化 小 ×:摺動部の外観劣化 大。
【0055】(3) 上層皮膜の密着性 薄膜樹脂塗工品 絞り比1.8 の円筒絞り後の外観 (ブランク径60mm、無塗
油) の側面部のセロテープ剥離 (目視評価) 。 ○:樹脂皮膜が全く剥離しない。 △:樹脂皮膜がわずかに剥離する。 ×:樹脂皮膜が面積で20%以上剥離する。
【0056】(4) 耐食性 塩水噴霧試験 (JIS-Z2371)にて、白錆発生面積を以て耐
食性を評価。 無処理またはクロメート処理品 (塩水噴霧時間 600Hr
後) ◎:錆発生なし ○:白錆発生 5%以下 △:白錆発生 10%以下 ×:白錆発生 10%以上 薄膜樹脂塗工品・下層クロメートなし品 (塩水噴霧時
間1200Hr後) ◎:錆発生なし ○:白錆発生 5%以下 △:白錆発生 10%以下 ×:白錆発生 10%以上 薄膜樹脂塗工品・下層クロメートあり品 (塩水噴霧時
間2400Hr後) ◎:錆発生なし ○:白錆発生 5%以下 △:白錆発生 10%以下 ×:白錆発生 10%以上 皮膜構成と評価結果を表1および表2に示す。
【0057】これらの結果からも分かるように、Run N
o.1〜3、52〜54は、めっき中Al組成が本発明の範囲外
であるために黒色化しにくい。Run No.4、9、21、22、
46、47は、黒色化処理後のAl低減比が0.5(at%)を超えて
おり、黒色化しにくい。Run No.5、10、18、22、46は、
黒色化処理液のpHが11を下回っており、十分に黒色化し
ない。Run No.6、11、15、23、24は、クロメートおよび
有機樹脂皮膜が存在しない、または十分に付着していな
いために、耐食性に難がある。
【0058】以上のように、めっき皮膜中のAl組成およ
び表面Al占有率が所定の値、適正な黒色化処理条件、か
つ適正な後処理 (クロメート、樹脂塗布) が施された黒
色溶融Al−Zn合金めっき鋼板は、美麗な黒色外観を有す
るだけでなく、加工後の外観、耐食性等にも優れる。
【0059】
【表1】
【0060】
【表2】
【0061】(実施例2)板厚0.8 mm、板幅900 mmのZn付
着量80g/m2、Al組成が50at%のAl−Zn合金溶融めっき鋼
板にニッケル換算で3g/l の硫酸ニッケル溶液に浸漬
し、図1のような設備で水酸化ナトリウム溶液で向流吹
き込みを行いながら浸漬を行った。ただし、槽長5m、
ダムロールのロール径 300mm、胴長2100mmであった。
【0062】アルカリ条件:水酸化ナトリウム (pH=1
1.5、濃度5wt%、温度50℃) 水溶液流速を変化させた
ところ、図2のように0.1m/s以上で明度L* は65以下に
なり流速1m/s でL* は53となりそれ以上流速を上げて
も変わらなかった。
【0063】(実施例3)冷延鋼板を連続焼鈍を行い、S
r、Vを添加した55%Al−Zn浴でめっきを施した後、ア
ルカリ処理を同一条件下で施した場合の、黒色度合いと
Sr、Vの添加量との関係を表した結果を表3に示す。な
お、その時の操業条件は以下の通りである。 冷延鋼板サイズ:板厚0.8 mm、板幅919 mm めっき浴成分 :55%Al−残Zn
【0064】
【表3】
【0065】 めっき付着量 :片面80g/m2 アルカリ前処理:なし アルカリ浸漬条件:水酸化ナトリウム水溶液…濃度5%、pH11、温度60℃ 処理時間:10s 処理方法:浸漬 以上のように、同一のアルカリ浸漬処理条件の場合で
も、Sr、またはV添加量を0.010 wt%以上とすること
で、美麗な黒色外観を有することができる。
【0066】(実施例4)冷延鋼板を連続焼鈍を行い、55
%Al−Zn浴でめっきを施した後、強制冷却装置でめっき
鋼板を各々の条件で空冷し、その後のアルカリ処理を同
一条件下で施した場合の、黒色度合いとめっき後の冷却
速度、DASとの関係を表した結果を図3、4に示す。
【0067】 ・冷延鋼板サイズ :板厚0.8 mm、板幅919 mm ・めっき浴成分 :55%Al−Zn ・めっき付着量 :片面80g/m2 ・アルカリ前処理 :なし ・アルカリ浸漬条件:水酸化ナトリウム水溶液…濃度5%、pH11、温度60℃ 処理時間:10s 処理方法:浸漬 以上のように、同一のアルカリ浸漬処理条件の場合で
も、めっき後の冷却速度を15℃/秒以上、またはDAS
を15μm以下とすることにより、美麗な黒色外観を有す
ることができる。
【0068】(実施例5)冷延鋼板を連続焼鈍を行い、55
%Al−Zn浴でめっきを施した後、スキンパスめっき鋼板
を各々の条件で表面粗度をRa 0.5μm以下になるように
調圧し、その後のアルカリ処理を同一条件下で施した場
合の、黒色度合いとスキンパス伸率を表した結果を図5
に示す。
【0069】なお、その時の操業条件は以下の通りであ
る。
【0070】 ・冷延鋼板サイズ :板厚0.8 mm、板幅919 mm ・めっき浴成分 :55%Al−Zn ・めっき付着量 :片面80g/m2 ・スキンパス後のめっき鋼板表面粗度:Ra 0.5μm以下 ・アルカリ前処理 :なし ・アルカリ浸漬条件:水酸化ナトリウム水溶液…濃度5%、pH11、温度60℃ 処理時間:10s 処理方法:浸漬方式 以上のように、同一のアルカリ浸漬処理条件の場合で
も、スキンパスで伸率0.5 %以上、かつめっき鋼板の表
面粗度をRa 0.5μm以下に施すことにより、美麗な黒色
外観を有することができる。
【0071】
【発明の効果】本発明によって、溶融Al−Zn合金めっき
鋼板の黒色化を比較的短時間で安価に提供するものであ
る。従って、本発明の黒色化溶融Al−Zn合金鋼板は、プ
レコート鋼板より安価で、意匠性に優れ、Al−Zn合金め
っきのもつ高耐食性を有しているため、塗装を施さずに
使用できる。また、本発明による黒色化皮膜構造は、着
色層を有しないため、加工を受けても加工部の色調変化
がなく、外観を損なわれることがない。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例2のアルカリ溶液浸漬装置の模式的説明
図である。
【図2】実施例2の結果を示すグラフである。
【図3】明度(L* ) とめっき後冷却速度との関係を示
すグラフである。
【図4】明度(L* ) とDASの関係を示すグラフであ
る。
【図5】明度(L* ) とスキンパス伸率との関係を示す
グラフである。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 相良 睦雄 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式会 社和歌山製鉄所内 (72)発明者 土岐 保 大阪市中央区北浜4丁目5番33号 住友金 属工業株式会社内 (72)発明者 引野 真也 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式会 社和歌山製鉄所内 (72)発明者 吉森 久雄 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式会 社和歌山製鉄所内 (72)発明者 松田 克弘 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式会 社和歌山製鉄所内 (72)発明者 大井 稔 和歌山市湊1850番地 住友金属工業株式会 社和歌山製鉄所内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 溶融Al−Zn合金めっき鋼板であって、Al
    −Zn合金めっき層全体のAl組成が5〜95at%で、該めっ
    き層の表面Al占有率とめっき層全体のAl組成のAl低減比
    が0.5 以下 (at%) であって、かつ明度L* が65以下で
    あることを特徴とする黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の黒色溶融Al−Zn合金めっ
    き鋼板の表面上に、Al、Zn以外の遷移金属元素もしくは
    その酸化物が付着した黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
  3. 【請求項3】 請求項1または2記載の黒色溶融Al−Zn
    合金めっき鋼板のAl−Zn合金めっき層の上に、Cr付着量
    10〜150 mg/m2 のクロメート層を有することを特徴とす
    る黒色溶融Al-Zn 合金めっき鋼板。
  4. 【請求項4】 請求項1〜3のいずれか記載の黒色溶融
    Al−Zn合金めっき鋼板のAl-Zn 合金めっき層の上に、厚
    さ0.2 〜5μmの有機樹脂皮膜を有することを特徴とす
    る黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
  5. 【請求項5】 請求項1または2記載の黒色溶融Al−Zn
    合金めっき鋼板のAl-Zn 合金めっき層の上に、第1層と
    してCr付着量で10〜150 mg/m2 のクロメート層を、そし
    て第2層として厚さ0.2 〜5μmの有機樹脂皮膜を有す
    ることを特徴とする黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板。
  6. 【請求項6】 めっき層全体のAl組成が5〜95at%の溶
    融Al−Zn合金めっき鋼板を、遷移金属元素を含んだ酸性
    溶液または遷移金属元素を錯体として含有するアルカリ
    溶液中に浸漬するか、該アルカリ溶液をスプレーする
    か、あるいは該アルカリ溶液中で電解を施すかした後
    に、得られた溶融Al−Zn合金めっき鋼板を、pH 11 以上
    のアルカリ溶液中で浸漬するか、または浸漬電解、かつ
    流速0.1 〜5m/s の向流で該アルカリ溶液を吹き込むこ
    とにより黒色化を行う黒色溶融Al−Zn合金めっき鋼板の
    製造方法。
  7. 【請求項7】 前記溶融Al−Zn合金めっき鋼板が、Al、
    Zn、Si以外に、SrまたはVの1種類以上の元素を0.010
    wt%以上有するめっき浴成分でめっき処理しためっき鋼
    板である請求項6記載の溶融Al−Zn合金めっき鋼板の製
    造方法。
  8. 【請求項8】 前記溶融Al−Zn合金めっき鋼板のスパン
    グル粒径を1mm以下とした、請求項7記載の溶融Al−Zn
    合金めっき鋼板の製造方法。
  9. 【請求項9】 前記溶融Al−Zn合金めっき鋼板のめっき
    後の冷却速度を15℃/秒以上とするか、または一次Alデ
    ンドライト晶間隔 (DAS) を15μm以下とした、請求
    項6〜8のいずれかに記載の溶融Al−Zn合金めっき鋼板
    の製造方法。
  10. 【請求項10】 前記溶融Al−Zn合金めっき鋼板の前処
    理として、少なくともスキンパス伸率が0.5 %以上、か
    つ表面粗度Raが0.5 μm以下の処理を施す請求項6〜9
    のいずれに記載の溶融Al−Zn合金めっき鋼板の製造方
    法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2005256069A (ja) * 2004-03-11 2005-09-22 Jfe Steel Kk 亜鉛系めっき鋼板の製造方法
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