JPH10226779A - 半導体超微粒子反応試剤 - Google Patents

半導体超微粒子反応試剤

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JPH10226779A
JPH10226779A JP9198094A JP19809497A JPH10226779A JP H10226779 A JPH10226779 A JP H10226779A JP 9198094 A JP9198094 A JP 9198094A JP 19809497 A JP19809497 A JP 19809497A JP H10226779 A JPH10226779 A JP H10226779A
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JP
Japan
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semiconductor
thiol compound
particles
ultrafine
ultrafine particles
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JP9198094A
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English (en)
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Takashi Kawaseki
孝志 河関
Koichi Mizuma
浩一 水間
Toyoji Hayashi
豊治 林
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Mitsui Chemicals Inc
Original Assignee
Mitsui Chemicals Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 半導体超微粒子表面を修飾することにより、
重縮合反応や重付加反応に用いることが可能な半導体超
微粒子を提供する。 【解決手段】 アミノ基を有するチオール化合物、水酸
基を有するチオール化合物またはカルボキシル基を有す
るチオール化合物で修飾された半導体超微粒子;上記の
半導体超微粒子を重縮合反応、重付加反応に用いること
よって得られた半導体超微粒子架橋材料及びその成型
体。 【効果】 単に粒径が制御された半導体超微粒子ではな
く、半導体超微粒子そのもの自体が反応性を有する半導
体超微粒子反応試剤を提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は光学材料、特に光−
光変換素子や光−電子変換素子等に用いられる非線形光
学材料や超格子素子等の電子材料、発光材料、センサー
材料などの光学分野、磁気記録や光記録などの材料とし
て利用される記録関連分野、触媒関連分野、表面加工関
連分野等に使用される半導体超微粒子に関する。
【0002】
【従来の技術】超微粒子をデバイスに応用する場合、粒
子径が揃い、粒子間の凝集、凝結などが防止されてい
る、すなわち粒子が安定化されて存在していることが好
ましく、光透過型で用いる場合には、透明性に優れてい
ることも必要である。非線形光学材料として用いる場合
などのように、半導体超微粒子と光の相互作用を強める
ために電子とホールがお互い束縛しあって運動する励起
子状態を作り出し、いわゆる量子閉じ込め効果を利用す
るためには、励起子状態を安定化させるため、半導体超
微粒子の粒子径をボーア半径程度に小さくすることが必
要になる。その際には、半導体超微粒子の粒子径が著し
く小さいために、半導体超微粒子の凝集による粗大粒子
の生成が起こり易く、粒子径の制御が困難になる。
【0003】微粒子表面をポリマーでコートするという
技術については、公知である。例えば、あらかじめ粒子
表面をヒドロキシプロピルセルロースで処理し、その処
理した粒子の懸濁溶液にスチレンを添加し、高剪断攪拌
による懸濁重合を行い、ポリマーにコートされた粒子を
得る、という方法や(高分子論文集、第40巻、697
−702ページ、1983年)、硫化カドミウムなどの
金属硫化物や酸化亜鉛などの金属酸化物の存在下、MM
Aを溶解した水溶液中で亜硫酸水の添加によりMMAの
重合を実施し、生成するPMMAポリマーでカプセル化
するという方法(高分子論文集、第34巻、413−4
20ページ、1977年)などが公知である。これら先
行する技術は粒子の前処理などの工程数が増え、複雑で
あるという難点があった。また前者の方法の如き、通常
よく用いられるラテックス製造方法はミクロン程度以下
の粒子径の有効な制御が困難であった。また後者の方法
によれば、溶出金属イオンと亜硫酸イオンとのレドック
ス反応で生じた亜硫酸ラジカルが開始剤となり、生成ポ
リマーの粒子への付着は生成ポリマー末端基と粒子表面
の静電引力による事が知られているが、粒子表面電荷と
ポリマー末端電荷の組合せが条件に合う必要があるなど
の欠点を有していた。
【0004】この問題を解決するため、当社でこれまで
行ってきた光触媒法(特開平 4−189801、特開
平 5−184913)により合成される半導体超微粒
子は、半導体超微粒子が生成する溶液中に安定化剤とし
て、不飽和結合基を有するモノマーを共存させ、特定波
長の光を照射しながら生成反応を行い、成長してきた粒
子径に対応する光の吸収波長が照射波長に一致したとこ
ろで半導体超微粒子がその波長の光を吸収し、半導体超
微粒子表面で光重合反応が起こり、ポリマーで被覆安定
化される半導体超微粒子である。この光触媒法で合成さ
れる半導体超微粒子は、粒子径がナノメートル程度から
の半導体超微粒子を凝集させることなく得ることが可能
であるが、分散している半導体超微粒子が半導体超微粒
子自体の安定性、生成上の都合により各種溶媒中に存在
していることが多く、固体粉末として取り出した後の溶
媒への再分散性に問題があった。この難点を解決するた
めに半導体超微粒子表面をチオール化合物で表面修飾す
る方法(特開平07−081936)が提案されてい
る。この方法で製造された表面修飾半導体超微粒子は、
半導体超微粒子表面がペンタフルオロチオフェノールで
覆われているため、固体粉末として取り出した後の溶媒
への再分散性の問題が解決できた。
【0005】以上に述べてきたように従来の技術では、
半導体超微粒子の粒子径を制御し、取り出すことは可能
となっているが、半導体超微粒子それ自体に反応性を持
たせ、例えばヘキサメチレンジイソシアネート、p−フ
ェニレンイソシアネート等のイソシアネート類、セバチ
ン酸、アジピン酸等の塩基酸類との重縮合反応や重付加
反応といった反応に利用することは行われていなかっ
た。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、以上のよう
な事情に基づいてなされたものであって、半導体超微粒
子の粒子径が制御された表面修飾半導体超微粒子を提供
するものである。さらに本発明では、重縮合反応や重付
加反応が可能な表面修飾半導体超微粒子を提供すること
を課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】本発明は、発明が解決し
ようとする課題に記載した表面修飾半導体超微粒子を鋭
意検討した結果、半導体超微粒子を合成する際にアミノ
基を有するチオール化合物、またはアミノ基を有するチ
オール化合物及びチオール化合物;又は水酸基を有する
チオール化合物、または水酸基を有するチオール化合物
及びチオール化合物;又はカルボキシル基を有するチオ
ール化合物、またはカルボキシル基を有するチオール化
合物及びチオール化合物を反応系中に存在させ、硫化水
素を加えることにより、粒子径が制御され、さらには重
縮合反応や重付加反応に用いることが可能な表面修飾半
導体超微粒子を発明した。
【0008】すなわち、本発明は、 (1) アミノ基を有するチオール化合物、水酸基を有
するチオール化合物またはカルボキシル基を有するチオ
ール化合物で修飾された半導体超微粒子。 (2) 半導体超微粒子が、更にチオール化合物で修飾
されたものである(1)に記載の半導体超微粒子。 (3) アミノ基を有するチオール化合物で修飾された
(1)または(2)に記載の半導体超微粒子。 (4) 水酸基を有するチオール化合物で修飾された
(1)または(2)に記載の半導体超微粒子。 (5) カルボキシル基を有するチオール化合物で修飾
された(1)または(2)に記載の半導体超微粒子。 (6) 重縮合反応に使用可能な(3)、(4)または
(5)に記載の半導体超微粒子。 (7) 重付加反応に使用可能な(3)、(4)または
(5)に記載の半導体超微粒子。 (8) (3)、(4)、(5)、(6)または(7)
に記載の半導体超微粒子によって製造した半導体超微粒
子架橋材料、及びその成形体。を提供するものである。
【0009】
【発明の実施の形態】以下、本発明を説明する。本発明
に用いられる半導体超微粒子の種類としては、TiO2
やZnO等の酸化物半導体超微粒子、CdS、CdS
e、ZnSe、CdTe、ZnS、HgS、HgSe等
の12族−16族半導体超微粒子、PbS、PbSe、
等の14族−16族半導体超微粒子等を挙げることがで
きる。さらに詳細に説明するために12及び16族元素
化合物半導体超微粒子を取り上げる。まず周期律表にお
ける12族元素化合物としては過塩素酸カドミウム、硝
酸亜鉛等であり、用いる溶媒に溶解するものであれば特
に制限はなく、結晶水を含むものであってもよい。ま
た、本発明によって得られる半導体超微粒子は粒子径が
1〜100nmの範囲内にあるものであればよい。
【0010】アミノ基を有するチオール化合物として
は、4−アミノチオフェノール、2−アミノチオフェノ
ール、2−アミノエタンチオール、6−チオグアニン5
−アミノ−1,3,4−チアジアゾール−2−チオール
等があり、それぞれを単独で用いてもよいし、混合して
用いてもよい。
【0011】チオール化合物としてはチオフェノール、
メチルメルカプタン、エチルメルカプタン、4−メトキ
シチオフェノール、トルエンチオール等があり、それぞ
れを単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【0012】水酸基を有するチオール化合物としては、
p−ヒドロキシチオフェノール、2−メルカプトフェノ
ール、3−メルカプト−1,2−プロパンジオール、1
−メルカプト−2−プロパノール、2−メルカプトエタ
ノール等があり、それぞれを単独で用いてもよいし、混
合して用いてもよい。
【0013】カルボキシル基を有するチオール化合物と
しては、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト
プロピオン酸、メルカプトコハク酸、3−メルカプト−
1,2,4−トリアゾール、メルカプト安息香酸、メル
カプト酢酸、メルカプト酢酸ナトリウム等があり、それ
ぞれを単独で用いてもよいし、混合して用いてもよい。
【0014】溶液を生成するための溶媒としては第12
族元素化合物、アミノ基を有するチオール化合物、水酸
基を有するチオール化合物、カルボキシル基を有するチ
オール化合物、及びチオール化合物が溶解できるもので
あれば特に制限はないが、好ましくは比較的極性の大き
な溶媒、例えばアセトン、アセトニトリル、ジメチルホ
ルムアミド、メタノール、エタノールなど、あるいはこ
れらの混合溶媒が用いられる。
【0015】12族元素化合物の濃度としては、このよ
うな液相中で1mol/l以下、好ましくは10-6〜1
-1mol/lの濃度の溶液にすることが望ましい。多
すぎると粒子径の制御が困難になるからである。
【0016】第16族元素化合物は、硫化水素やセレン
化水素などの水素化物ガスや硫化水素ナトリウムなどを
使用することができて、これらを上記の溶媒中に溶解さ
せた溶液を用いることもある。上記、第12族元素化合
物、アミノ基を有するチオール化合物又はアミノ基を有
するチオール化合物及びチオール化合物、または水酸基
を有するチオール化合物又は水酸基を有するチオール化
合物及びチオール化合物、またはカルボキシル基を有す
るチオール化合物又はカルボキシル基を有するチオール
化合物及びチオール化合物、溶媒からなる溶液を攪拌し
ながら、第16族元素化合物又は第16族元素化合物を
含有する溶液を徐々に添加してゆく。前者の添加方法を
用いて半導体超微粒子を製造する際には、反応効率を上
げる点、半導体超微粒子の粒子径を制御する点から、溶
液との接触効率を良くするためにバブリングさせること
が好ましい。
【0017】第16族元素化合物はヘリウムや窒素等の
不活性ガスや溶媒によって希釈することによって、生成
する半導体超微粒子の粒子径をさらにコントロールする
ことができる。反応ガス濃度としては、体積で100%
〜0.0001%の濃度が好ましく、流量としては反応
を定常的に進行させるに充分な量であればよい。得られ
た半導体超微粒子を含むコロイド溶液を、エバポレーシ
ョンや減圧蒸留などの方法によりコロイド溶液を濃縮
し、トルエン、ベンゼン等と混ぜ、生成した半導体超微
粒子を沈殿させて取り出し、乾燥することにより、目的
とする表面修飾された半導体超微粒子を得ることができ
る。
【0018】このようにして得られた表面修飾された半
導体超微粒子をヘキサメチレンジイソシアネート、p−
フェニレンイソシアネート等のイソシアネート類、セバ
チン酸、アジピン酸等の塩基酸類と混合し、重縮合反応
や重付加反応といった反応で粒子間を連結して架橋し、
必要な材料が得られる。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが本発明はこれらのみに限定されるものではない。 実施例1 過塩素酸カドミウム6水和物1.0×10-2mol、チ
オフェノール1.52×10-2mol、アミノチオフェ
ノール1.52×10-2molを溶解したアセトニトリ
ルーメタノール(1:1)混合溶液400mlをフラス
コにいれスターラーチップで溶液を攪拌しながらアルゴ
ンガスで置換した後、組成が5容量%の硫化水素/ヘリ
ウム混合ガスを流量270ml/minで溶液中に2分
間供給することにより反応を進行させた。得られた半導
体超微粒子含んだコロイド溶液を濃縮し、トルエンと混
ぜ、半導体超微粒子を沈殿させた。沈殿物を取り出し、
再度メタノールに溶解させ後トルエンを混合することに
よって半導体超微粒子を沈殿させ未反応物を除去する精
製をおこなった。この操作は5回繰り返しおこなった。
最後に沈殿物を取り出し、乾燥させることにより、目的
とする表面修飾半導体超微粒子を得た。生成したこの半
導体超微粒子は、メタノール、エタノール、ジメチルホ
ルムアミド等の極性溶媒に可溶であり、見かけ上散乱の
ない黄色透明な溶液であった。この溶液を取り出し透過
型電子顕微鏡により観察したところ、粒子径が約3nm
であるCdS半導体超微粒子が確認された(図1)。
【0020】また得られた半導体超微粒子をKBrと混
合し、錠剤にして赤外吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、芳香族アミンに特徴的な、C−N伸縮(1340〜
1250cm-1)、芳香族C−H伸縮に重なってNH3+
に起因する幅広い吸収(3000〜2800cm-1)が
観測された。残存SH基の伸縮の吸収(2600〜25
50cm-1)、2置換ベンゼンのC−H面外変角の吸収
(800cm-1付近)も観測されているのが特徴的であ
り、CdS半導体超微粒子表面がアミノ基によって修飾
されていることが分かる(図2)。
【0021】実施例2 実施例1で製造したCdS半導体超微粒子30mgをジ
メチルホルムアミド2mlに溶かし、ヘキサメチレンジ
イソシアナート10mgを加え、重付加反応をおこなっ
た。その結果ゲル状の不透明な反応物が確認された。こ
の反応物はメタノール、エタノール、ジメチルホルムア
ミドにはもはや不溶であった。反応物をメタノール、ト
ルエンで洗浄し未反応物を除去した後、乾燥させ、赤外
吸収スペクトルの測定をおこなった(図3)。 これに
よるとイソシアネートに特徴的なN=C=Oに起因する
逆対称伸縮の吸収(2280〜2240cm-1)は観測
されず、脂肪族メチレンCH2の伸縮振動(3000〜
2840cm-1)が観測されている。C=O伸縮が16
40cm-1に観測され、N-H変角が1550cm-1
近に観測されている。これによりアミド結合の存在が示
唆され、半導体超微粒子架橋材料が生成していると考え
られる。
【0022】実施例3 実施例1で製造したCdS半導体超微粒子30mgをジ
メチルホルムアミド2mlに溶かし、p−フェニレンジ
イソシアナート5mgを加え、重付加反応をおこなっ
た。その結果ゲル状の不透明な反応物が確認された。こ
の反応物はメタノール、エタノール、ジメチルホルムア
ミドにはもはや不溶であった。反応物をメタノール、ト
ルエンで洗浄し乾燥させ、赤外吸収スペクトルの測定を
おこなった結果、実施例2と同様にアミド結合の存在が
示唆された。
【0023】実施例4 過塩素酸カドミウム6水和物2.5×10-3mol、p
−ヒドロキシチオフェノール7.6×10-3molを溶
解したアセトニトリルーメタノール(1:1)混合溶液
400mlをフラスコにいれスターラーチップで溶液を
攪拌しながらアルゴンガスで置換した後、組成が5容量
%の硫化水素/ヘリウム混合ガスを流量270ml/m
inで溶液中に30秒間供給することにより反応を進行
させた。得られた半導体超微粒子含んだコロイド溶液を
濃縮し、蒸留水と混ぜ、半導体超微粒子を沈殿させた。
沈殿物を再度メタノールに溶解させ後蒸留水を混合する
ことによって半導体超微粒子から未反応物を除去する精
製をおこなった。精製後、沈殿物を乾燥させることによ
り、目的とする表面修飾半導体超微粒子を得た。生成し
たこの半導体超微粒子は、ジメチルホルムアミド、ジメ
チルスルホキシド等に可溶であり、見かけ上散乱のない
黄色透明な溶液であった。また得られた半導体超微粒子
をKBrと混合し、錠剤にして赤外吸収スペクトルを測
定したところ、C−O伸縮(1260cm-1付近)、O
−H面内変角振動(1357cm-1付近)が観測され、
2置換ベンゼンのC−H面外変角の吸収(800cm-1
付近)も観測されている。これにより、CdS半導体超
微粒子表面が水酸基によって修飾されていることが分か
る。
【0024】実施例5 実施例4で製造したCdS半導体超微粒子30mgをジ
メチルホルムアミド4mlに溶かし、シュウ酸15mg
を加えた。その結果ゲル状の反応物が確認された。この
反応物はメタノール、エタノール、ジメチルホルムアミ
ドにはもはや不溶であった。反応物を洗浄し未反応物を
除去した後、乾燥させ、赤外吸収スペクトルの測定をお
こなった。これによるとカルボン酸に特徴的なO−H伸
縮に起因する3000cm-1付近の吸収と、930cm
-1付近のO−H面外変角に起因する吸収が観測されなか
った。これによりエステル結合の存在が示唆され、半導
体超微粒子架橋材料が生成していると考えられる。
【0025】実施例6 過塩素酸亜鉛6水和物1.0×10-2mol、チオフェ
ノール1.52×10 -2mol、アミノチオフェノール
1.52×10-2molを溶解したアセトニトリルーメ
タノール(1:1)混合溶液400mlをフラスコにい
れスターラーチップで溶液を攪拌しながらアルゴンガス
で置換した後、組成が5容量%の硫化水素/ヘリウム混
合ガスを流量270ml/minで溶液中に2分間供給
することにより反応を進行させた。得られた半導体超微
粒子含んだコロイド溶液を濃縮し、トルエンと混ぜ、半
導体超微粒子を沈殿させた。沈殿物を取り出し、再度メ
タノールに溶解させ後トルエンを混合することによって
半導体超微粒子を沈殿させ未反応物を除去する精製をお
こなった。この後、沈殿物を取り出し、乾燥させること
により、目的とする表面修飾半導体超微粒子を得た。生
成したこの半導体超微粒子は、メタノール、ジメチルホ
ルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶媒に可溶
であり、見かけ上散乱のない無色透明な溶液であった。
この溶液を取り出し透過型電子顕微鏡により観察したと
ころ、粒子径が約3nmであるZnS半導体超微粒子が
確認された。また得られた半導体超微粒子をKBrと混
合し、錠剤にして赤外吸収スペクトルを測定したとこ
ろ、芳香族アミンに特徴的な、C−N伸縮、芳香族C−
H伸縮に重なってNH3+に起因する幅広い吸収が観測さ
れた。2置換ベンゼンのC−H面外変角の吸収も観測さ
れている。これによりZnS半導体超微粒子表面がアミ
ノ基によって修飾されていることが分かる。
【0026】実施例7 実施例6で製造したZnS半導体超微粒子30mgをジ
メチルホルムアミド2mlに溶かし、ヘキサメチレンジ
イソシアナート10mgを加え、反応をおこなった。そ
の結果ゲル状の反応物が確認された。この反応物はメタ
ノール、エタノール、ジメチルホルムアミドにはもはや
不溶であった。反応物をメタノール、トルエンで洗浄し
未反応物を除去した後、乾燥させ、赤外吸収スペクトル
の測定をおこなった。これによるとイソシアネートに特
徴的なN=C=Oに起因する逆対称伸縮の吸収は観測さ
れず、脂肪族メチレンCH2の伸縮振動が観測されてい
る。C=O伸縮、N-H変角が観測された。これによりア
ミド結合の存在が示唆され、半導体超微粒子架橋材料が
生成していると考えられる。
【0027】実施例8 過塩素酸亜鉛6水和物2.5×10-3mol、p−ヒド
ロキシチオフェノール7.6×10-3molを溶解した
アセトニトリルーメタノール(1:1)混合溶液400
mlをフラスコにいれスターラーチップで溶液を攪拌し
ながらアルゴンガスで置換した後、組成が5容量%の硫
化水素/ヘリウム混合ガスを流量270ml/minで
溶液中に30秒間供給することにより反応を進行させ
た。得られた半導体超微粒子含んだコロイド溶液を濃縮
し、蒸留水と混ぜ、半導体超微粒子を沈殿させた。沈殿
物を再度メタノールに溶解させ後蒸留水を混合すること
によって半導体超微粒子から未反応物を除去する精製を
おこなった。この後、沈殿物を乾燥させることにより、
目的とする表面修飾半導体超微粒子を得た。生成したこ
の半導体超微粒子は、ジメチルホルムアミド、ジメチル
スルホキシド等に可溶であり、見かけ上散乱のない無色
透明な溶液であった。また得られた半導体超微粒子をK
Brと混合し、錠剤にして赤外吸収スペクトルを測定し
たところ、C−O伸縮、O−H面内変角振動が観測さ
れ、ZnS半導体超微粒子表面が水酸基によって修飾さ
れていることが分かる。
【0028】実施例9 過塩素酸カドミウム6水和物1.0×10-2mol、チ
オフェノール1.52×10-2mol、メルカプト酢酸
1.52×10-2molを溶解したアセトニトリルーメ
タノール(1:1)混合溶液400mlをフラスコにい
れスターラーチップで溶液を攪拌しながらアルゴンガス
で置換した後、組成が5容量%の硫化水素/ヘリウム混
合ガスを流量270ml/minで溶液中に1分間供給
することにより反応を進行させた。得られた半導体超微
粒子含んだコロイド溶液を濃縮し、トルエンと混ぜ、半
導体超微粒子を沈殿させた。沈殿物を取り出し、未反応
物を除去する精製をおこなった。この後、沈殿物を取り
出し、乾燥させることにより、目的とする表面修飾半導
体超微粒子を得た。生成したこの半導体超微粒子は、ジ
メチルホルムアミド、ジメチルスルホキシド等の極性溶
媒に可溶であり、見かけ上散乱のない黄色透明な溶液で
あった。この溶液を取り出し透過型電子顕微鏡により観
察したところ、粒子径が約3nmであるCdS半導体超
微粒子が確認された。また得られた半導体超微粒子をK
Brと混合し、錠剤にして赤外吸収スペクトルを測定し
たところ、C=O伸縮(1340〜1250cm-1)、
O−H伸縮に起因する幅広い吸収(3000〜2800
cm-1)が観測された。残存SH基の伸縮の吸収(26
00〜2550cm-1)も観測されているのが特徴的で
あり、CdS半導体超微粒子表面がカルボキシル基によ
って修飾されていることが分かる。
【0029】
【発明の効果】本発明は、半導体超微粒子をその生成過
程において単に粒子径の制御をするだけではなく、半導
体超微粒子の表面を修飾することにより、固体粉末とし
て取り出すことも可能であり、さらにはこの表面処理半
導体超微粒子を反応始剤として重縮合反応や重付加反応
に利用可能なものとした。本発明によって得られた表面
処理された半導体超微粒子は、屈折率調整材料、光学材
料、特に光−光変換素子や光−電子変換素子等に用いら
れる非線形光学材料や超格子素子等の電子材料、発光材
料、センサー材料などの光学分野、磁気記録や光記録な
どの材料として利用される記録関連分野の他、触媒関連
分野にも本発明は貢献することができ、従って、産業上
の利用に重要な意義を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1より得られた硫化カドミウム粒子の電
子顕微鏡写真
【図2】実施例1より得られた硫化カドミウムの赤外吸
収スペクトル
【図3】実施例2より得られた硫化カドミウムの赤外吸
収スペクトル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G02F 1/01 G02F 1/01 A

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 アミノ基を有するチオール化合物、水酸
    基を有するチオール化合物またはカルボキシル基を有す
    るチオール化合物で修飾された半導体超微粒子。
  2. 【請求項2】 半導体超微粒子が、更にチオール化合物
    で修飾されたものである請求項1に記載の半導体超微粒
    子。
  3. 【請求項3】 アミノ基を有するチオール化合物で修飾
    された請求項1または2に記載の半導体超微粒子。
  4. 【請求項4】 水酸基を有するチオール化合物で修飾さ
    れた請求項1または2に記載の半導体超微粒子。
  5. 【請求項5】 カルボキシル基を有するチオール化合物
    で修飾された請求項1または2に記載の半導体超微粒
    子。
  6. 【請求項6】 重縮合反応に使用可能な請求項3、4ま
    たは5に記載の半導体超微粒子。
  7. 【請求項7】 重付加反応に使用可能な請求項3、4ま
    たは5に記載の半導体超微粒子。
  8. 【請求項8】 請求項3、4、5、6または7に記載の
    半導体超微粒子によって製造した半導体超微粒子架橋材
    料、及びその成形体。
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