JP2003089522A - 複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子 - Google Patents

複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子

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Abstract

(57)【要約】 【構成】原料金属化合物を非水溶媒中でチオール化合物
存在下、カルコゲン化することにより得られる金属カル
コゲン化物超微粒子コロイド溶液あるいはスラリーを中
和した後、有機溶媒中へ分散させ、アミン処理を施すこ
とにより表面がチオールとアミンで複合修飾されてなる
ことを特徴とする複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子
ならびにその製造方法。 【効果】金属カルコゲン化物超微粒子の表面がチオール
とアミンで複合修飾されるためにアルカン系溶媒を含め
た広範な有機溶媒へ可溶化する結果、均一高密度の有機
ゾル・ゲルやポリマー中分散材料が得られ、従来材料に
ない特徴のある高屈折率材料、反射防止、光導電,発
光、ピエゾ電気、ハードコート、ガスバリアーなどの有
機無機複合ナノコンポジットが得られる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、高屈折率材料、反射防
止、光導電,発光、ピエゾ電気、ハードコート、ガスバ
リアー、光電子デバイス、触媒などの用途に供される有
機無機複合ナノコンポジット材料に関する。
【0002】
【従来の技術】通常の機械的な粉砕などによって製造さ
れる粒子径がマイクロメートル以上の粉体と比較して、
粒子径が1〜100nmの超微粒子はさまざまな機械的、光学
的、磁気的性質や化学的反応性に際立った差異が見ら
れ、注目されるようになった。粒子径が小さくなるに従
って1〜100nmの大きさのバルクには見られない現象とし
ては、例えば、閉じ込め効果によるキャリアー運動エネ
ルギーの増加、外部誘電効果、バンドギャップの増大、
電子親和エネルギーの減少、イオン化ポテンシャルの増
加、キャリアー再結合効率の向上などが挙げられる。こ
れらの特異な物性を利用して、EL素子や光導電素子、
ピエゾ素子などの機能材料に応用される。超微粒子の特
性を生かすためには、これらの素子・機能材料の形態は
通常、超微粒子が凝集・凝結せずに、均一に媒体中に分
散されていることが望まれる。しかしながら、超微粒子
は表面エネルギーが著しく大きいために粒子同士の凝集
や、凝集した粒子同士が結合して大きな粒子となりやす
く、さらに無機超微粒子の場合、表面は極性が大きいた
め、極性のより低い有機溶媒やポリマーなどの有機媒体
中へ分散させて用いることも困難である。凝集防止のた
めの表面修飾を生成過程で行われなければ凝集・凝結の
結果、粒子径が増大したり、再分散させることが極めて
困難になる。そこで、最近の超微粒子合成は生成過程で
の凝集・凝結防止、媒体中への分散化のために安定化剤
ないしは表面修飾剤を用いて表面修飾がなされるのが通
例になっている。有機溶媒中への溶解・分散性を実現し
ようとする従来の方法として、主に下記の三方法が挙げ
られる。
【0003】[水溶液コロイド法]水溶液系で安定化剤
としてヘキサメタ燐酸ソーダなどの界面活性剤を用いる
硫化カドミウム超微粒子の製造方法(Ber. Bunseges. P
hys. Chem.第88巻、969〜977ページ(198
4年))が報告されている。安定化剤としてポリビニル
アルコールやエチレングリコールを用い、カドミウム塩
や亜鉛塩の水溶液とセレン化水素を反応させてセレン化
カドミウムあるいはセレン化亜鉛超微粒子を合成する方
法なども報告されている(J. Chem. Phys.第85巻、2
237ぺージ(1986年))。これらの水溶液コロイ
ド法では、得られる表面修飾超微粒子をポリマーなどの
マトリックスに分散させて用いる場合、選択できるポリ
マーが水溶性ポリマーにかぎられるため、超微粒子分散
材料製造方法、即ち、用いる有機溶媒や分散させようと
するポリマーの種類が限られるという制約が伴う。
【0004】そこで、無機超微粒子の合成は水溶液中で
行うが、その反応空間を制限し、生成する無機超微粒子
の粒子径を1〜100nm程度に制御と共に超微粒子表面
を有機親和性化合物で修飾する方法として下記のミセル
法が挙げられる。
【0005】[逆ミセル法]たとえば、すでに提案され
ている表面がフェニル基で安定化された硫化カドミウム
の超微粒子製造方法(J. Am. Chem. Soc.、第110
巻、3046〜3050ページ(1988年)による
と、超微粒子表面がフェニル基によって覆われるため、
粒子径が制御された超微粒子が得られる。このため、超
微粒子を濃縮した場合や、粉末として取り出した場合で
も、超微粒子同士の凝集・凝結による粒子径増大が防止
され、溶媒中への再分散が可能な(すなわち安定化され
た)超微粒子が得られる。しかし、この方法は、反応空
間の制限すなわち粒子径制御のために、界面活性剤を用
いることが不可欠な逆ミセル法を採用するので、生成超
微粒子取り扱い操作において複雑な過程が必要で改善の
余地を残している。また、得られた表面修飾超微粒子を
溶解できる有機溶媒の種類も限られ、極性基を含まない
アルカン系有機溶媒に溶解する方法はこれまでに報告さ
れていない。
【0006】一方、反応溶媒を非水溶媒とした例として
は、種々のアルコールや、N,N-ジメチルホルムアミド、
アセトニトリルなどの極性有機溶媒中での金属硫化物超
微粒子の製造例が知られている。たとえば、メタノール
やプロパノール中での硫化カドミウムや硫化亜鉛の合成
が報告されている(前記、Ber. Bunseges. Phys. Che
m.第88巻、969ページ(1984年))。また、
J. Am. Chem. Soc. 第112巻、1322-1326ペ
ージ(1990年)には、メタノールあるいはメタノール
/アセトニトリル混合溶媒に酢酸カドミウムを溶解させ
た溶液を、表面修飾剤であるチオフェノールのアセトニ
トリル溶液とNaSの水/メタノール混合溶媒溶液をあわ
せたものに加え、表面チオフェノール修飾CdS超微粒子
が得られている。
【0007】これらにより得られる表面修飾CdS超微粒
子はジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセト
ン、メタノールなどの極性溶媒には可溶であるが、ペン
タンなどの極性が著しく小さい溶媒には不溶であり、溶
媒選択性に制約を受けるという点では、上述の方法と同
様である。加えて、かかる製造方法により製造された蝶
微粒子は、経時的に沈殿が析出するなど良好なゾルやゲ
ルが得られにくい。かかる現象の原因としては、超微粒
子の原料に無機塩を用いたり、溶媒としてメタノールや
アセトニトリルなどの極性の大きな溶媒を用いて合成す
るため、最終的に得られる表面修飾超微粒子が極性をも
つためであると考えられており、超微粒子が極性を有す
ることは、すなわち、有機溶媒へポリマーと共に溶解さ
せ、有機ポリマー中へ分散させるに際しても、超微粒子
同士が凝集しやすく、良好な分散が得られにくいという
ことになる。
【0008】[有機金属TOPO-TOP法]この点を克服する
ために、強力な有機リガンドとして知られているトリオ
クチルホスフィンオキサイド(TOPO)を溶媒にし、原料
金属源として有機金属を用いることにより、製造される
表面修飾超微粒子の粒子径がより良く制御されると共
に、極性の小さい有機溶媒に溶解させることを期待した
ものとして、TOPO-トリオクチルホスフィン(TOP)を用
いる方法が開示されている(J. Am. Chem. Soc.第11
5巻、8706-8715ページ(1993年))。しか
し、本方法は高価なジメチルカドミウムなどの有機金属
を使用する、雰囲気から酸素、水分を徹底除去する、2
00〜300℃で合成するなど、の製造工程が複雑化
し、実用性には改善の余地がある。
【0009】
【課題を解決しようとする課題】本発明は、非水溶媒へ
の溶解性を制御でき、とりわけ、ヘキサンやヘプタンの
ような極性が著しく小さいアルカン系有機溶媒などにも
溶解が可能で、ゾル、ゲルも形成可能な、産業的にも安
価、大量生産に適合した複合修飾金属カルコゲン化物超
微粒子ならびにその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上述の課題
を解決すべく鋭意検討の結果、原料金属化合物を非水溶
媒中でチオール化合物存在下、カルコゲン化することに
より得られる金属カルコゲン化物超微粒子コロイド溶液
あるいはスラリーを中和した後、有機溶媒中へ分散さ
せ、アミン処理を施す製造方法、ならびにかかる製造方
法により、表面がチオールとアミンで複合修飾された複
合修飾金属カルコゲン化物超微粒子が上記の諸課題を解
決できることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
する。原料金属化合物としては、亜鉛、カドミウム、
鉛、銅、金、銀、水銀、錫、チタン、ニッケル、砒素、
マンガン、モリブデンなどの化合物が用いられる。これ
ら金属化合物は反応の際に用いる溶媒に溶解すれば使用
することができるが、過塩素酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫
酸塩、塩化物、アセチルアセトナートなどが好ましく用
いられる。
【0012】非水溶媒としては原料金属化合物と表面修
飾用のチオール化合物が溶解すればよく、通常このため
には誘電率が20以上の溶媒が好ましく、これらの中に
はメタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルスルフォキシドなどの極性有機溶媒が含ま
れる。
【0013】チオール化合物は最終的に得られる複合修
飾半導体超微粒子を溶解分散させたい有機溶媒あるいは
ポリマーとの親和性を考慮して決められる。プロパンチ
オール、ヘキサンチオール、ドデカンチオールなどの脂
肪族チオール、チオフェノールなどの芳香族チオール、
アリルチオールなどの不飽和チオール、ヒドロキシチオ
ール、アミノチオールなどの-OH基、-NH2基含有チオー
ルなどが用いられる。
【0014】原料金属化合物の仕込みモル数に対してチ
オール化合物の仕込みモル数を多くすれば、得られる半
導体超微粒子の粒子径はより小さいものが得られる。こ
れは金属化合物がカルコゲン化剤により金属カルコゲン
化物として生長する反応と表面修飾剤が生成・生長過程
にある超微粒子を修飾する反応が競争状態にあるという
競争的表面修飾反応の原理に基づくものである。好まし
くは、原料金属化合物モル数に対して0.1〜10当量のチ
オールを添加する。
【0015】このようにして調製された溶液にカルコゲ
ン化剤を加え、金属カルコゲン化物の超微粒子コロイド
溶液ないしはスラリーを調製する。用いられるカルコゲ
ン化剤として硫化剤、セレン化剤、テルル化剤などがあ
るが、具体的には硫化水素、セレン化水素、テルル化水
素、硫化ナトリウム、硫水素化ナトリウム、セレン化水
素ナトリウム、テルル化水素ナトリウム、チオ尿素、ビ
ストリシリルサルファイド、ビストリシリルセレナイ
ド、ほか汎用される硫化剤、セレン化剤、テルル化剤が
用いられる。仕込み原料金属化合物に対して0.1〜2当量
が好ましいが、過剰であってもよい。
【0016】反応終了後、得られたコロイド溶液あるい
はスラリーをアンモニア、ナトリウムメトキシド、水酸
化ナトリウムなどの中和剤を用いて中和することが必要
である。これは原料金属化合物の対イオンあるいはカル
コゲン化剤より副生するイオンが生成超微粒子の表面を
ブロックし、チオールが生成金属カルコゲン化超微粒子
の表面を修飾することを妨げているのでそれを除去し、
チオール表面修飾を有効足らしめるものと推察される。
【0017】この操作のあと、沈殿をろ過分離し、極性
溶媒で洗浄する。コロイド溶液あるいはスラリーを極性
溶媒と混じらないヘプタンなどの低極性有機溶媒を添加
し、これへ抽出してもよい。この場合は抽出された溶液
はやはり極性有機溶媒で洗浄されることが好ましい。
【0018】このあと、チオール修飾された金属カルコ
ゲン化物超微粒子コロイド溶液ないしはスラリーにアミ
ンを添加し、処理する。用いられるアミンとしては、メ
チルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ドデシ
ルアミンなどの脂肪族アミン、エタノールアミンなどOH
-基を含有するアミン、アリルアミンなどの不飽和アミ
ンが挙げられるが、好ましくは脂肪族アミン、さらに好
ましくは一級アミンが用いられ、極性の低い溶媒への超
微粒子の溶解分散を所望するときはメチレン基数が多い
アミンが選ばれる。最終的に得られる金属カルコゲン化
物超微粒子は用いるチオールやアミンの種類によって所
望の有機溶媒に溶解分散させることが可能である。
【0019】
【実施例】以下、実施例により本発明を具体的に説明す
るが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるもので
はない。
【0020】
【実施例1】メタノール200mlに過塩素酸亜鉛六水和塩
を0.01モル溶解させ、ドデカンチオールを0.02モル加え
る。以下の反応・操作はすべて室温で行った。5分間マ
グネチックスターラーで攪拌しながら、窒素ガスを通気
する。溶液を攪拌しながら、ヘリウム希釈硫化水素ガス
(10モル%硫化水素濃度)を流量500ml/minでバブリン
グする。20分間通気した後、20分間通気を止め更に20分
間、攪拌を続ける。次いで、攪拌しながら窒素ガスで溶
液をバブリングし、残留硫化水素ガスを追い出す。溶液
を攪拌しながら、常圧アンモニアガス700mlを溶液表面
に吹きつけ、溶液に吸収させる。この操作により沈殿が
生成する。これにヘプタン200mlを添加し、攪拌し、ヘ
プタン層へ沈殿を抽出回収する。ヘプタン層をポンプで
くみ出し、この溶液にn-ヘキシルアミンを0.02モル添加
し、攪拌する。このあとアセトニトリルでヘプタン層を
洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮・乾燥
後、1.2gの表面修飾硫化亜鉛を得た。熱天秤分析の結
果、硫化亜鉛68重量%であった。電子顕微鏡観察の結果
から粒子径は4nmであることがわかった。X線回折により
六方晶硫化亜鉛が確認された。赤外スペクトルとプロト
ン核磁気共鳴測定の結果から、硫化亜鉛はドデカンチオ
ールとヘキシルアミンで複合修飾されていることがわか
った。得られた粉末はヘプタンやトルエン、テトラヒド
ロフランなどによく溶解し、可視紫外吸収スペクトル測
定から光散乱は無視できるものであることがわかった。
ヘプタン溶解溶液は濃縮操作によりゾル状態を経てゲル
状態になった。
【0021】
【実施例2】過塩素酸亜鉛六水和塩の代わりに酢酸カド
ミウム二水和物を用いる以外は実施例1と同様にして行
い、1.6gの表面修飾硫化カドミウムを得た。熱天秤分析
の結果、硫化カドミウムの含量は72重量%であった。電
子顕微鏡観察の結果、粒子径は3.5nmであった。X線回折
により六方晶硫化カドミウムが確認された。得られた粉
末はヘプタンやトルエン、テトラヒドロフランなどによ
く溶解し、可視紫外吸収スペクトル測定から光散乱は無
視できるものであることがわかった。
【0022】
【実施例3】アルゴンガスをバブリングしたメタノール
200mlに過塩素酸亜鉛六水和塩を0.01モル溶解させ、ド
デカンチオールを0.02モル加える。以下の反応・操作は
すべて室温、シュレンケ反応容器で行った。5分間マグ
ネチックスターラーで攪拌しながら、アルゴンガスを通
気する。溶液を攪拌しながら、ヘリウム希釈セレン化水
素ガス(10モル%セレン化水素濃度)を流量500ml/min
でバブリングする。ヘリウム希釈セレン化水素ガスは、
気密グローブボックス中でセレン化アルミニウムに2N硫
酸水溶液を加え、発生させたセレン化水素をポンプ付気
密ガラス瓶に採取し、所定量のヘリウムガスで希釈した
ものを用いた。20分間通気した後、20分間通気を止め更
に20分間、攪拌を続ける。次いで、攪拌しながらアルゴ
ンガスで溶液をバブリングし、残留セレン化水素ガスを
追い出す。溶液を攪拌しながら、常圧アンモニアガス70
0mlを溶液表面に吹きつけ、溶液に吸収させる。この操
作により沈殿が生成する。これにヘキサン200mlを添加
し、攪拌し、ヘキサン層へ沈殿を抽出回収する。ヘキサ
ン層をポンプでくみ出し、この溶液にn-ヘキシルアミン
を0.02モル添加し、攪拌する。このあとアセトニトリル
でヘキサン層を洗浄した後、ロータリーエバポレーター
で濃縮・乾燥後、1.4gの表面修飾セレン化亜鉛を得た。
熱天秤分析の結果、セレン化亜鉛70重量%であった。電
子顕微鏡観察の結果から粒子径は4nmであることがわか
った。X線回折により六方晶セレン化亜鉛が確認され
た。
【0023】
【実施例4】ヘキシルアミンの代わりにドデシルアミン
を用いる以外は実施例1と同様に実施した。1.3gの表面
修飾硫化亜鉛を得た。熱天秤分析の結果、硫化亜鉛52重
量%であった。電子顕微鏡観察の結果から粒子径は4nm
であることがわかった。X線回折により六方晶硫化亜鉛
が確認された。得られた粉末はヘプタンやトルエン、テ
トラヒドロフランなどによく溶解し、可視紫外吸収スペ
クトル測定から光散乱は無視できるものであることがわ
かった。
【0024】
【実施例5】メタノール200mlに過塩素酸亜鉛六水和塩
を0.01モル溶解させ、オクタンチオールを0.02モル、6-
メルカプト-1-ヘキサノールを0.002モル加える。以下の
反応・操作はすべて室温で行った。5分間マグネチック
スターラーで攪拌しながら、窒素ガスを通気する。溶液
を攪拌しながら、ヘリウム希釈硫化水素ガス(10モル%
硫化水素濃度)を流量500ml/minでバブリングする。20
分間通気した後、20分間通気を止め更に20分間、攪拌を
続ける。次いで、攪拌しながら窒素ガスで溶液をバブリ
ングし、残留硫化水素ガスを追い出す。溶液を攪拌しな
がら、常圧アンモニアガス700mlを溶液表面に吹きつ
け、溶液に吸収させる。この操作により沈殿が生成す
る。これにヘプタン200mlを添加し、攪拌し、ヘプタン
層へ沈殿を抽出回収する。ヘプタン層をポンプでくみ出
し、この溶液にn-ヘキシルアミンを0.02モル添加し、攪
拌する。このあとアセトニトリルでヘプタン層を洗浄し
た後、ロータリーエバポレーターで濃縮・乾燥後、1.3g
の表面修飾硫化亜鉛を得た。熱天秤分析の結果、硫化亜
鉛65重量%であった。電子顕微鏡観察の結果から粒子径
は4nmであることがわかった。X線回折により六方晶硫化
亜鉛が確認された。赤外スペクトル測定の結果から、硫
化亜鉛はオクタンチオールと6-メルカプト-1-ヘキサノ
ールで複合修飾されていることがわかった。得られた粉
末はヘプタンには溶解・分散せず、テトラヒドロフラ
ン、エタノールに溶解・分散した。
【0025】
【比較例1】n-ヘキシルアミンを添加しないということ
以外は実施例1と同様に実施した。1.2gの表面修飾硫化
亜鉛を得た。熱天秤分析の結果、硫化亜鉛75重量%であ
った。電子顕微鏡観察の結果から粒子径は4nmであるこ
とがわかった。X線回折により六方晶硫化亜鉛が確認さ
れた。得られた粉末はヘプタンに溶解分散せず、1時間
後には沈殿した。
【0026】
【発明の効果】金属カルコゲン化物超微粒子の表面がチ
オールとアミンで複合修飾されたためにアルカン系溶媒
を含めた広範な有機溶媒へ可溶化する結果、均一高密度
の有機ゾル・ゲル状態を示す材料が得られた。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】原料金属化合物を非水溶媒中でチオール化
    合物存在下、カルコゲン化することにより得られる金属
    カルコゲン化物超微粒子コロイド溶液あるいはスラリー
    を中和した後、有機溶媒中へ分散させ、アミン処理を施
    すことにより表面がチオールとアミンで複合修飾された
    複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子の製造方法。
  2. 【請求項2】請求項1記載の方法により製造される複合
    修飾金属カルコゲン化物超微粒子。
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