JP4634670B2 - 複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、高屈折率材料、反射防止、光導電,発光、ピエゾ電気、ハードコート、ガスバリアー、光電子デバイス、触媒などの用途に供される有機無機複合ナノコンポジット材料に関する。
【0002】
【従来の技術】
通常の機械的な粉砕などによって製造される粒子径がマイクロメートル以上の粉体と比較して、粒子径が1〜100nmの超微粒子はさまざまな機械的、光学的、磁気的性質や化学的反応性に際立った差異が見られ、注目されるようになった。
粒子径が小さくなるに従って1〜100nmの大きさのバルクには見られない現象としては、例えば、閉じ込め効果によるキャリアー運動エネルギーの増加、外部誘電効果、バンドギャップの増大、電子親和エネルギーの減少、イオン化ポテンシャルの増加、キャリアー再結合効率の向上などが挙げられる。これらの特異な物性を利用して、EL素子や光導電素子、ピエゾ素子などの機能材料に応用される。超微粒子の特性を生かすためには、これらの素子・機能材料の形態は通常、超微粒子が凝集・凝結せずに、均一に媒体中に分散されていることが望まれる。
しかしながら、超微粒子は表面エネルギーが著しく大きいために粒子同士の凝集や、凝集した粒子同士が結合して大きな粒子となりやすく、さらに無機超微粒子の場合、表面は極性が大きいため、極性のより低い有機溶媒やポリマーなどの有機媒体中へ分散させて用いることも困難である。
凝集防止のための表面修飾を生成過程で行われなければ凝集・凝結の結果、粒子径が増大したり、再分散させることが極めて困難になる。そこで、最近の超微粒子合成は生成過程での凝集・凝結防止、媒体中への分散化のために安定化剤ないしは表面修飾剤を用いて表面修飾がなされるのが通例になっている。有機溶媒中への溶解・分散性を実現しようとする従来の方法として、主に下記の三方法が挙げられる。
【0003】
[水溶液コロイド法]
水溶液系で安定化剤としてヘキサメタ燐酸ソーダなどの界面活性剤を用いる硫化カドミウム超微粒子の製造方法(Ber. Bunseges. Phys. Chem.第88巻、969〜977ページ(1984年))が報告されている。
安定化剤としてポリビニルアルコールやエチレングリコールを用い、カドミウム塩や亜鉛塩の水溶液とセレン化水素を反応させてセレン化カドミウムあるいはセレン化亜鉛超微粒子を合成する方法なども報告されている(J. Chem. Phys.第85巻、2237ぺージ(1986年))。
これらの水溶液コロイド法では、得られる表面修飾超微粒子をポリマーなどのマトリックスに分散させて用いる場合、選択できるポリマーが水溶性ポリマーにかぎられるため、超微粒子分散材料製造方法、即ち、用いる有機溶媒や分散させようとするポリマーの種類が限られるという制約が伴う。
【0004】
そこで、無機超微粒子の合成は水溶液中で行うが、その反応空間を制限し、生成する無機超微粒子の粒子径を1〜100nm程度に制御と共に超微粒子表面を有機親和性化合物で修飾する方法として下記のミセル法が挙げられる。
【0005】
[逆ミセル法]
たとえば、すでに提案されている表面がフェニル基で安定化された硫化カドミウムの超微粒子製造方法(J. Am. Chem. Soc.、第110巻、3046〜3050ページ(1988年)によると、超微粒子表面がフェニル基によって覆われるため、粒子径が制御された超微粒子が得られる。
このため、超微粒子を濃縮した場合や、粉末として取り出した場合でも、超微粒子同士の凝集・凝結による粒子径増大が防止され、溶媒中への再分散が可能な(すなわち安定化された)超微粒子が得られる。
しかし、この方法は、反応空間の制限すなわち粒子径制御のために、界面活性剤を用いることが不可欠な逆ミセル法を採用するので、生成超微粒子取り扱い操作において複雑な過程が必要で改善の余地を残している。また、得られた表面修飾超微粒子を溶解できる有機溶媒の種類も限られ、極性基を含まないアルカン系有機溶媒に溶解する方法はこれまでに報告されていない。
【0006】
一方、反応溶媒を非水溶媒とした例としては、種々のアルコールや、N,N-ジメチルホルムアミド、アセトニトリルなどの極性有機溶媒中での金属硫化物超微粒子の製造例が知られている。たとえば、メタノールやプロパノール中での硫化カドミウムや硫化亜鉛の合成が報告されている(前記、Ber. Bunseges. Phys. Chem.第88巻、969ページ(1984年))。また、J. Am. Chem. Soc. 第112巻、1322-1326ページ(1990年)には、メタノールあるいはメタノール/アセトニトリル混合溶媒に酢酸カドミウムを溶解させた溶液を、表面修飾剤であるチオフェノールのアセトニトリル溶液とNaSの水/メタノール混合溶媒溶液をあわせたものに加え、表面チオフェノール修飾CdS超微粒子が得られている。
【0007】
これらにより得られる表面修飾CdS超微粒子はジメチルホルムアミド、アセトニトリル、アセトン、メタノールなどの極性溶媒には可溶であるが、ペンタンなどの極性が著しく小さい溶媒には不溶であり、溶媒選択性に制約を受けるという点では、上述の方法と同様である。加えて、かかる製造方法により製造された蝶微粒子は、経時的に沈殿が析出するなど良好なゾルやゲルが得られにくい。
かかる現象の原因としては、超微粒子の原料に無機塩を用いたり、溶媒としてメタノールやアセトニトリルなどの極性の大きな溶媒を用いて合成するため、最終的に得られる表面修飾超微粒子が極性をもつためであると考えられており、超微粒子が極性を有することは、すなわち、有機溶媒へポリマーと共に溶解させ、有機ポリマー中へ分散させるに際しても、超微粒子同士が凝集しやすく、良好な分散が得られにくいということになる。
【0008】
[有機金属TOPO-TOP法]
この点を克服するために、強力な有機リガンドとして知られているトリオクチルホスフィンオキサイド(TOPO)を溶媒にし、原料金属源として有機金属を用いることにより、製造される表面修飾超微粒子の粒子径がより良く制御されると共に、極性の小さい有機溶媒に溶解させることを期待したものとして、TOPO-トリオクチルホスフィン(TOP)を用いる方法が開示されている(J. Am. Chem. Soc.第115巻、8706-8715ページ(1993年))。
しかし、本方法は高価なジメチルカドミウムなどの有機金属を使用する、雰囲気から酸素、水分を徹底除去する、200〜300℃で合成するなど、の製造工程が複雑化し、実用性には改善の余地がある。
【0009】
【課題を解決しようとする課題】
本発明は、非水溶媒への溶解性を制御でき、とりわけ、ヘキサンやヘプタンのような極性が著しく小さいアルカン系有機溶媒などにも溶解が可能で、ゾル、ゲルも形成可能な、産業的にも安価、大量生産に適合した複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子ならびにその製造方法を提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、上述の課題を解決すべく鋭意検討の結果、原料金属化合物を非水溶媒中で、脂肪族チオール、芳香族チオール、不飽和チオール又は−OH基、−NH 2 基含有チオール存在下、カルコゲン化することにより得られる粒子径が1〜100nmの金属カルコゲン化物超微粒子コロイド溶液あるいはスラリーを中和した後、有機溶媒中へ分散させ、脂肪族アミン、−OH基含有アミン又は不飽和アミンでアミン処理を施す製造方法、ならびにかかる製造方法により、表面が前記チオールと前記アミンで複合修飾された粒子径が1〜100nmの複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子が上記の諸課題を解決できることを見出した。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
原料金属化合物としては、亜鉛、カドミウム、鉛、銅、金、銀、水銀、錫、チタン、ニッケル、砒素、マンガン、モリブデンなどの化合物が用いられる。これら金属化合物は反応の際に用いる溶媒に溶解すれば使用することができるが、過塩素酸塩、酢酸塩、硝酸塩、硫酸塩、塩化物、アセチルアセトナートなどが好ましく用いられる。
【0012】
非水溶媒としては原料金属化合物と表面修飾用のチオール化合物が溶解すればよく、通常このためには誘電率が20以上の溶媒が好ましく、これらの中にはメタノール、アセトニトリル、ジメチルホルムアミド、ジメチルスルフォキシドなどの極性有機溶媒が含まれる。
【0013】
チオール化合物は最終的に得られる複合修飾半導体超微粒子を溶解分散させたい有機溶媒あるいはポリマーとの親和性を考慮して決められる。
プロパンチオール、ヘキサンチオール、ドデカンチオールなどの脂肪族チオール、チオフェノールなどの芳香族チオール、アリルチオールなどの不飽和チオール、ヒドロキシチオール、アミノチオールなどの-OH基、-NH2基含有チオールなどが用いられる。
【0014】
原料金属化合物の仕込みモル数に対してチオール化合物の仕込みモル数を多くすれば、得られる半導体超微粒子の粒子径はより小さいものが得られる。これは金属化合物がカルコゲン化剤により金属カルコゲン化物として生長する反応と表面修飾剤が生成・生長過程にある超微粒子を修飾する反応が競争状態にあるという競争的表面修飾反応の原理に基づくものである。好ましくは、原料金属化合物モル数に対して0.1〜10当量のチオールを添加する。
【0015】
このようにして調製された溶液にカルコゲン化剤を加え、金属カルコゲン化物の超微粒子コロイド溶液ないしはスラリーを調製する。
用いられるカルコゲン化剤として硫化剤、セレン化剤、テルル化剤などがあるが、具体的には硫化水素、セレン化水素、テルル化水素、硫化ナトリウム、硫水素化ナトリウム、セレン化水素ナトリウム、テルル化水素ナトリウム、チオ尿素、ビストリシリルサルファイド、ビストリシリルセレナイド、ほか汎用される硫化剤、セレン化剤、テルル化剤が用いられる。仕込み原料金属化合物に対して0.1〜2当量が好ましいが、過剰であってもよい。
【0016】
反応終了後、得られたコロイド溶液あるいはスラリーをアンモニア、ナトリウムメトキシド、水酸化ナトリウムなどの中和剤を用いて中和することが必要である。これは原料金属化合物の対イオンあるいはカルコゲン化剤より副生するイオンが生成超微粒子の表面をブロックし、チオールが生成金属カルコゲン化超微粒子の表面を修飾することを妨げているのでそれを除去し、チオール表面修飾を有効足らしめるものと推察される。
【0017】
この操作のあと、沈殿をろ過分離し、極性溶媒で洗浄する。コロイド溶液あるいはスラリーを極性溶媒と混じらないヘプタンなどの低極性有機溶媒を添加し、これへ抽出してもよい。この場合は抽出された溶液はやはり極性有機溶媒で洗浄されることが好ましい。
【0018】
このあと、チオール修飾された金属カルコゲン化物超微粒子コロイド溶液ないしはスラリーにアミンを添加し、処理する。用いられるアミンとしては、メチルアミン、プロピルアミン、ヘキシルアミン、ドデシルアミンなどの脂肪族アミン、エタノールアミンなどOH-基を含有するアミン、アリルアミンなどの不飽和アミンが挙げられるが、好ましくは脂肪族アミン、さらに好ましくは一級アミンが用いられ、極性の低い溶媒への超微粒子の溶解分散を所望するときはメチレン基数が多いアミンが選ばれる。最終的に得られる金属カルコゲン化物超微粒子は用いるチオールやアミンの種類によって所望の有機溶媒に溶解分散させることが可能である。
【0019】
【実施例】
以下、実施例により本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
【0020】
【実施例1】
メタノール200mlに過塩素酸亜鉛六水和塩を0.01モル溶解させ、ドデカンチオールを0.02モル加える。以下の反応・操作はすべて室温で行った。5分間マグネチックスターラーで攪拌しながら、窒素ガスを通気する。溶液を攪拌しながら、ヘリウム希釈硫化水素ガス(10モル%硫化水素濃度)を流量500ml/minでバブリングする。20分間通気した後、20分間通気を止め更に20分間、攪拌を続ける。
次いで、攪拌しながら窒素ガスで溶液をバブリングし、残留硫化水素ガスを追い出す。溶液を攪拌しながら、常圧アンモニアガス700mlを溶液表面に吹きつけ、溶液に吸収させる。この操作により沈殿が生成する。これにヘプタン200mlを添加し、攪拌し、ヘプタン層へ沈殿を抽出回収する。ヘプタン層をポンプでくみ出し、この溶液にn-ヘキシルアミンを0.02モル添加し、攪拌する。
このあとアセトニトリルでヘプタン層を洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮・乾燥後、1.2gの表面修飾硫化亜鉛を得た。熱天秤分析の結果、硫化亜鉛68重量%であった。電子顕微鏡観察の結果から粒子径は4nmであることがわかった。
X線回折により六方晶硫化亜鉛が確認された。赤外スペクトルとプロトン核磁気共鳴測定の結果から、硫化亜鉛はドデカンチオールとヘキシルアミンで複合修飾されていることがわかった。得られた粉末はヘプタンやトルエン、テトラヒドロフランなどによく溶解し、可視紫外吸収スペクトル測定から光散乱は無視できるものであることがわかった。ヘプタン溶解溶液は濃縮操作によりゾル状態を経てゲル状態になった。
【0021】
【実施例2】
過塩素酸亜鉛六水和塩の代わりに酢酸カドミウム二水和物を用いる以外は実施例1と同様にして行い、1.6gの表面修飾硫化カドミウムを得た。熱天秤分析の結果、硫化カドミウムの含量は72重量%であった。電子顕微鏡観察の結果、粒子径は3.5nmであった。X線回折により六方晶硫化カドミウムが確認された。得られた粉末はヘプタンやトルエン、テトラヒドロフランなどによく溶解し、可視紫外吸収スペクトル測定から光散乱は無視できるものであることがわかった。
【0022】
【実施例3】
アルゴンガスをバブリングしたメタノール200mlに過塩素酸亜鉛六水和塩を0.01モル溶解させ、ドデカンチオールを0.02モル加える。以下の反応・操作はすべて室温、シュレンケ反応容器で行った。5分間マグネチックスターラーで攪拌しながら、アルゴンガスを通気する。溶液を攪拌しながら、ヘリウム希釈セレン化水素ガス(10モル%セレン化水素濃度)を流量500ml/minでバブリングする。
ヘリウム希釈セレン化水素ガスは、気密グローブボックス中でセレン化アルミニウムに2N硫酸水溶液を加え、発生させたセレン化水素をポンプ付気密ガラス瓶に採取し、所定量のヘリウムガスで希釈したものを用いた。20分間通気した後、20分間通気を止め更に20分間、攪拌を続ける。次いで、攪拌しながらアルゴンガスで溶液をバブリングし、残留セレン化水素ガスを追い出す。
溶液を攪拌しながら、常圧アンモニアガス700mlを溶液表面に吹きつけ、溶液に吸収させる。この操作により沈殿が生成する。これにヘキサン200mlを添加し、攪拌し、ヘキサン層へ沈殿を抽出回収する。ヘキサン層をポンプでくみ出し、この溶液にn-ヘキシルアミンを0.02モル添加し、攪拌する。このあとアセトニトリルでヘキサン層を洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮・乾燥後、1.4gの表面修飾セレン化亜鉛を得た。熱天秤分析の結果、セレン化亜鉛70重量%であった。電子顕微鏡観察の結果から粒子径は4nmであることがわかった。X線回折により六方晶セレン化亜鉛が確認された。
【0023】
【実施例4】
ヘキシルアミンの代わりにドデシルアミンを用いる以外は実施例1と同様に実施した。1.3gの表面修飾硫化亜鉛を得た。熱天秤分析の結果、硫化亜鉛52重量%であった。電子顕微鏡観察の結果から粒子径は4nmであることがわかった。X線回折により六方晶硫化亜鉛が確認された。得られた粉末はヘプタンやトルエン、テトラヒドロフランなどによく溶解し、可視紫外吸収スペクトル測定から光散乱は無視できるものであることがわかった。
【0024】
【実施例5】
メタノール200mlに過塩素酸亜鉛六水和塩を0.01モル溶解させ、オクタンチオールを0.02モル、6-メルカプト-1-ヘキサノールを0.002モル加える。以下の反応・操作はすべて室温で行った。5分間マグネチックスターラーで攪拌しながら、窒素ガスを通気する。溶液を攪拌しながら、ヘリウム希釈硫化水素ガス(10モル%硫化水素濃度)を流量500ml/minでバブリングする。20分間通気した後、20分間通気を止め更に20分間、攪拌を続ける。次いで、攪拌しながら窒素ガスで溶液をバブリングし、残留硫化水素ガスを追い出す。
溶液を攪拌しながら、常圧アンモニアガス700mlを溶液表面に吹きつけ、溶液に吸収させる。この操作により沈殿が生成する。これにヘプタン200mlを添加し、攪拌し、ヘプタン層へ沈殿を抽出回収する。ヘプタン層をポンプでくみ出し、この溶液にn-ヘキシルアミンを0.02モル添加し、攪拌する。
このあとアセトニトリルでヘプタン層を洗浄した後、ロータリーエバポレーターで濃縮・乾燥後、1.3gの表面修飾硫化亜鉛を得た。熱天秤分析の結果、硫化亜鉛65重量%であった。電子顕微鏡観察の結果から粒子径は4nmであることがわかった。X線回折により六方晶硫化亜鉛が確認された。赤外スペクトル測定の結果から、硫化亜鉛はオクタンチオールと6-メルカプト-1-ヘキサノールで複合修飾されていることがわかった。得られた粉末はヘプタンには溶解・分散せず、テトラヒドロフラン、エタノールに溶解・分散した。
【0025】
【比較例1】
n-ヘキシルアミンを添加しないということ以外は実施例1と同様に実施した。1.2gの表面修飾硫化亜鉛を得た。熱天秤分析の結果、硫化亜鉛75重量%であった。
電子顕微鏡観察の結果から粒子径は4nmであることがわかった。X線回折により六方晶硫化亜鉛が確認された。得られた粉末はヘプタンに溶解分散せず、1時間後には沈殿した。
【0026】
【発明の効果】
金属カルコゲン化物超微粒子の表面がチオールとアミンで複合修飾されたためにアルカン系溶媒を含めた広範な有機溶媒へ可溶化する結果、均一高密度の有機ゾル・ゲル状態を示す材料が得られた。
Claims (2)
- 原料金属化合物を非水溶媒中で、脂肪族チオール、芳香族チオール、不飽和チオール又は−OH基、−NH 2 基含有チオール存在下、カルコゲン化することにより得られる粒子径が1〜100nmの金属カルコゲン化物超微粒子コロイド溶液あるいはスラリーを中和した後、有機溶媒中へ分散させ、脂肪族アミン、−OH基含有アミン又は不飽和アミンでアミン処理を施すことにより表面が前記チオールと前記アミンで複合修飾された粒子径が1〜100nmの複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子の製造方法。
- 請求項1記載の方法により製造される粒子径が1〜100nmの複合修飾金属カルコゲン化物超微粒子。
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