JPH10226642A - 皮膚増殖疾患の治療剤 - Google Patents

皮膚増殖疾患の治療剤

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JPH10226642A
JPH10226642A JP4855297A JP4855297A JPH10226642A JP H10226642 A JPH10226642 A JP H10226642A JP 4855297 A JP4855297 A JP 4855297A JP 4855297 A JP4855297 A JP 4855297A JP H10226642 A JPH10226642 A JP H10226642A
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JP
Japan
Prior art keywords
skin
genistein
disease
therapeutic agent
cosmetic material
Prior art date
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Pending
Application number
JP4855297A
Other languages
English (en)
Inventor
Shigehiro Kataoka
茂博 片岡
Tatsuo Manaka
達雄 間中
Takao Someya
孝男 染谷
Akio Obata
明雄 小幡
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Kikkoman Corp
Original Assignee
Kikkoman Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 皮膚増殖疾患の治療剤、化粧料の提供。 【解決手段】 ゲニステインを有効成分として含有させ
た皮膚増殖疾患の治療剤、化粧料。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ゲニステインを有
効成分とする皮膚疾患、特に皮膚の過増殖を伴う皮膚疾
患、例えば乾癬症、魚鱗癬症、角質化症、ふけ症等の治
療剤又は化粧料に関する。
【0002】
【従来の技術】乾癬などの増殖性皮膚疾患は表皮交代速
度が極めて速いことが特徴である。しかし、発病のメカ
ニズムは不明であり、このためこれらの病気に対して完
全で有効な処置方法は存在していない。古くは天然ター
ルに基づくものから、ステロイド剤、スポラレン等を使
用するものまで多くの試みがなされてきた。しかしなが
らタールは使用がやっかいであり、制限された効果を有
しているに過ぎず、紫外線(UV)照射の使用により補助
されている。また、ステロイド剤やアザピリジン、プソ
ラレン、メトレキセートはむしろ高い毒性を有し、長期
間の使用では有害な副作用が生じることがある。さらに
免疫抑制剤にも効果が認められているが、腎障害や高血
圧症等の副作用を引き起こすという欠点がある。最近で
は、乾癬などの皮膚増殖疾患にビタミンD製剤も検討さ
れ、ふけに対しても殺菌剤や抗菌剤などが使用されてい
るが、いずれも満足すべきものではない。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】本発明の課題は、皮膚
科治療分野において、さらに安全で優れた皮膚増殖疾患
の予防、治療剤を提供することであり、本発明者等はイ
ソフラボンの薬効を検討した結果、ゲニステインが乾癬
などの皮膚増殖疾患の予防、治療剤として有用であると
いう知見を得てこれを解決したのである。イソフラボン
類の配糖体には表皮増殖促進効果が報告され創傷治癒剤
としての使用方法が開示されている(特開平1-96106)
が、アグリコンであるゲニステインが逆の作用を有する
ことについては従来全く知られておらず、ゲニステイン
が皮膚増殖抑制に効果のあることを見いだしたのは本発
明をもって嚆矢とするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】すなわち本発明はゲニス
テイン有効成分として含有する皮膚増殖を原因とする皮
膚疾患の治療剤、化粧料である。
【0005】
【発明の実施の形態】以下本発明を具体的に説明する。
本発明の皮膚増殖疾患の治療剤、化粧料に用いられるゲ
ニステインは、例えばW. Baker等による合成法(J. Che
m. Soc.,1852,1860,1953年)、あるいは醤油粕や醤油油
から抽出する方法(特開平5-170756)や微生物を用いた
発酵法(特開昭61-247396)、さらには大豆等の豆類か
らの抽出によって得ることが出来る。このようなゲニス
テインは、遊離のものであっても、その薬理学的に許容
できる塩であっても本発明に適宜使用することができ、
その塩としては、例えばナトリウム塩、マグネシウム
塩、カリウム塩のような無機イオン、また有機アミン塩
はアンモニウム塩、例えばモノ、ジ、トリ−アルキルア
ミンまたは、エタノールアミン、さらには、アルギニン
等のアミノ酸との塩等が挙げられる。そして本発明が対
象とする疾患としては、皮膚の過増殖が原因である乾癬
症、魚鱗癬症、角質化症、ふけ症等があげられる。
【0006】また本発明の治療剤の使用は経口的あるい
は非経口的いずれでもよく、経口投与する場合は錠剤、
カプセル剤、粉剤、顆粒剤、シロップ、懸濁液等が、非
経口投与の場合には軟膏剤、水性液剤、ゲル化剤等が挙
げられ、いずれも公知の方法で適宜調整することができ
る。これら製剤には、通常用いられる賦形剤、結合剤、
崩壊剤、分散剤、緩衝剤、界面活性剤、溶解補助剤、保
存剤、乳化剤、等張化剤、保湿剤、増粘剤、香料、安定
化剤、pH調整剤などの各種添加剤を適宜使用しても良
い。また、例えばふけの予防等においては乳液、トニッ
ク、シャンプ−、クリ−ム等、化粧料として調合するこ
ともできる。本発明の皮膚増殖疾患の治療剤、化粧料に
含有させるゲニステインの量は、対象疾患の種類、患者
の年齢、体重、適応症状、あるいはその剤型等によって
異なるが、局所投与の軟膏剤、ゲル化剤、水性液剤の場
合は0.001〜5%(w/w)好ましくは0.01〜3%(w/w)程度
の範囲で配合される。また、内服剤の場合は、成人1日
数回、1回量20mg〜1000mg程度の投与になるよう調剤す
ればよい。
【0007】また、ふけの予防等にトニック、シャンプ
−、ローション、クリ−ム等、化粧料として使用する場
合は、ゲニステイン純品でなくて、大豆や醤油粕等から
抽出したゲニステイン濃度の低い混合物であっても、こ
の用途に支障ないものであれば使用することが出来る。
さらにまた本発明の皮膚増殖疾患の予防、治療剤には、
その他の表皮増殖疾患治療成分や別の薬効を有する成分
を適宜含有させることもできる。なお本発明で用いられ
るゲニステインは毒性が低く安全性に優れており、例え
ば、LD50:経口投与2g/kg(ラット)以上、腹腔内投与25
0mg/kg(マウス)以上であることが確認されている。
【0008】
【発明の効果】本発明の皮膚増殖疾患の治療剤、化粧料
は毒性が少なく、表皮の増殖抑制効果を示し、乾癬症、
魚鱗癬症、角質化症、ふけ症等の治療剤又は化粧料とし
て有用である。以下に実験例を示し本発明の効果を明確
にする。
【0009】<実験例>ddy系雄性マウス(30〜35g)の
背部の毛を刈り、更に脱毛クリ−ムで処理した脱毛部に
アセトン0.1mlに溶解したテレオシジン5μgを塗布する
と、3日後にはその部分の皮膚が肥厚し、基底細胞層の
厚さをイメージアナライザーで測定したところ、テレオ
シジン無塗布の場合(対照−試験群5)約19μmであるの
に対し、塗布したもの(試験群1)は約77μmと約4倍に
なった。このモデルと同様のマウス(一群:6匹)の背
部に、ゲニステイン5、10、20μgを0.1mlのエタノールに
溶解したものをあらかじめ塗布し、その15分後に上記と
同様のテレオシジンを塗布した。(試験群2〜4) 3日後にこれらのマウスの皮膚を採取し、包埋、薄切、
ヘマトキシリンーエオジン染色をして上皮基底細胞層の
厚さを測定した。また、ゲニステイン20μg/0.1mlエタ
ノール/マウス塗布のみも試験(試験群6)し、正常細
胞に及ぼす影響を調べた。これらの結果を表1に示す。
表中[T]はテレオシジン塗布を[G]はゲニステイン
塗布を示す。
【0010】
【0011】上記結果より、ゲニステインはテレオシジ
ンによる表皮基底細胞の増殖を顕著に抑制し(試験群2
〜4、またゲニステインのみの塗布(試験群6)は何らの
障害も認められなかった。なおダイゼインやゲニスチン
(ゲニステインの配当体)についても同様の試験を実施
したが、この活性は見られなかった。
【0012】
【実施例】以下、実施例をあげて本発明を更に詳しく説
明するが、本発明は以下の実施例によってなんら限定さ
れるものではない。表2に示す組成(100g当り)のロー
ションA、Bを調整し、ふけ症で悩んでいる成人20人の
内、10人にローションAを、残り10人にローションBを
2回/日、2週間使用してもらい、使用前とのふけの程度
を比較させた。その結果を表3に示す。
【0013】
【0014】
【0015】また、醤油粕由来のゲニステイン含有物を
上記ゲニステインの代わりにゲニステイン含量が同じな
るように調整したロ−ションを使用しても同様の効果を
示し、ふけの発生をよく抑制した。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI A61K 7/48 A61K 7/48 // C07D 311/36 C07D 311/36 (72)発明者 小幡 明雄 千葉県野田市野田339番地 キッコーマン 株式会社内

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ゲニステインを有効成分とする皮膚増殖
    疾患の治療剤。
  2. 【請求項2】 ゲニステインを有効成分とする皮膚増殖
    疾患の化粧料。
  3. 【請求項3】 皮膚増殖疾患が乾癬症、魚鱗癬症、角質
    化症、ふけ症等である請求項1又は2記載の治療剤又は
    化粧料。
JP4855297A 1997-02-18 1997-02-18 皮膚増殖疾患の治療剤 Pending JPH10226642A (ja)

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Cited By (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
WO2000045830A1 (fr) * 1999-02-04 2000-08-10 Nichimo Co., Ltd. Substances permettant d'eviter la survenue de l'arteriosclerose, substances immunostimulantes, vertebres nourris a l'aide ces substances et oeufs de ces vertebres
EP1234572A1 (de) * 2001-02-26 2002-08-28 Mibelle AG Cosmetics Isoflavon-Aglykone enhaltende Hautbehandlungsmittel
WO2002076409A3 (de) * 2001-03-23 2003-04-24 Beiersdorf Ag Kosmetische und dermatologische zubereitungen mit einem gehalt an isoflavonen
US7897144B2 (en) 2001-02-28 2011-03-01 Johnson & Johnson Comsumer Companies, Inc. Compositions containing legume products

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WO2002076409A3 (de) * 2001-03-23 2003-04-24 Beiersdorf Ag Kosmetische und dermatologische zubereitungen mit einem gehalt an isoflavonen

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