JPH10226561A - 低温焼成坏土及びその磁器の製造方法 - Google Patents

低温焼成坏土及びその磁器の製造方法

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JPH10226561A
JPH10226561A JP6168697A JP6168697A JPH10226561A JP H10226561 A JPH10226561 A JP H10226561A JP 6168697 A JP6168697 A JP 6168697A JP 6168697 A JP6168697 A JP 6168697A JP H10226561 A JPH10226561 A JP H10226561A
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ceramic
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Etsuro Kato
悦朗 加藤
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Abstract

(57)【要約】 【目的】趣味の陶芸やアクセサリーなどに使用し、しか
も簡易なニクロム線電気炉などでの1000℃以下の低
温焼成により成型物の形状を保ったまま焼結緻密化し、
1200℃まで軟化変形しない低温焼成磁器を製造す
る。 【構成】カオリナイト質もしくはハロイサイト質の微粒
カオリンまたは粘土と平均粒径が2.0μm以下の炭酸
カルシウム微粉末を、灼熱後の無水カオリン対CaOの
重量で、62対38から82対18の割合とし、これに
珪石などSiO質の粉末を15〜35wt%添加した
微粒子混合物を基本成分とする含水混練物または乾燥粉
末を成形、焼成して、1000℃以下の比較的低温度で
成型物の形状を保ったまま容易に吸水率が殆どゼロの磁
器となるまで焼結し、新しい発色、または銀などとの同
時焼成を可能とした、特徴ある低温焼成磁器の製造が出
来る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、趣味の陶芸用として、
低温でのみ可能な特殊な発色や金属などと同時焼成が求
められる工芸または工業用のセラミックスとして有用
な、1000℃以下の低温度で吸水性の殆どない磁器質
となり、1200℃まで殆ど軟化変形しない焼成温度幅
の極めて大きな、通常の陶磁器と同程度まで焼成収縮率
を制御できる磁器素地を与える低温焼成坏土及びその磁
器の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、趣味の陶芸などに用いる可塑性粘
土は通常その焼成温度としては1200℃以上が必要
で、一般に1000℃以下の温度では、吸水性の大きい
土器質のものしか製造できなかった。また低融フリット
など多量のガラス質粉末と共に混練する方法も従来一部
で行われていたが、低温で吸水率のない磁器質とするた
めにはガラス粉末は40wt%程度が必要で、原料的に
高コストとなるばかりでなく、可塑性成形性に乏しく例
えば轆轤などの成形は殆ど不可能であり、さらに焼結緻
密化が流動ガラスの融着によるので、吸水率ゼロにまで
しようとすると焼成時に成形物が軟化変形して形状を保
ちがたい重大な欠点があった。従って焼成温度幅も極め
て狭く、焼成温度が少し高くなると、流動して軟化変形
が一層甚だしくなり、精密な形状の製品が得られず、施
釉や彩色加工なども殆ど不可能であった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そこで本発明は、最も
一般的に陶磁器原料として用いられているカオリンまた
は粘土、炭酸カルシウム及び珪石などの工業的に安価な
原料を主原料とし、通常の陶磁器と同程度の焼成収縮率
を持つ磁器素地が1000℃以下の比較的低温度、すな
わち簡易なニクロム線電気炉の温度で容易に焼成可能
で、しかも1200℃まで軟化変形が殆ど無く、焼成温
度幅が極めて広く、さらに焼成後施釉等して1200℃
までの再焼成も可能な、低温焼成坏土及びその磁器の製
造方法を提供しようとするものである。
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、カ
オリナイト質もしくはハロイサイト質の微粒カオリンま
たは粘土と平均粒径が1.5μm以下の炭酸カルシウム
微粉末を、灼熱後の無水カオリン対CaOの重量で、6
2対38から82対18の割合とし、これに珪石などS
iO質の粉末を15〜30wt%添加した微粒子混合
物を基本成分とし、その成形体が1000℃以下の比較
的低温度で吸水率が殆どゼロの焼結体となり、しかも一
般陶磁器と同様1200℃まで軟化変形し難い安定なセ
ラミックスとなることを特徴とし、必要に応じて無機着
色剤、有機成形助剤など、陶磁器技法で一般に使用され
る各種添加物を加え、成形、焼成することを特徴とす
る。
【0005】
【作用】本発明者らは、カオリナイト質もしくはハロイ
サイト質の微粒カオリンまたは粘土と炭酸カルシウムの
微粉末を主要な原料として、その化学組成が、焼成後C
aOとして18〜38%になるような配合物では、十分
粉砕混合して炭酸カルシウムの平均粒子径が1.5μm
程度以下の微粒子混合物としてから焼成すると、カオリ
ンと炭酸カルシウムの熱分解と分解生成物間の固溶体化
が同時的に進行し、800〜900℃の極めて狭い温度
範囲で、珪酸塩の結晶析出前に固溶体化はほぼ完了する
ことを見出した。また、この段階の生成物はCaOを適
当量含有する非晶質微粒子の集合状態のものであり、極
めて高粘性で成形形状を維持すると共に、顕著な低温焼
結性を持ち、875℃〜950℃で緻密化することを発
見した。さらに、この基礎成分に珪石などSiO質の
粉末を10〜30wt%添加した微粒子混合物が共存す
ると、焼成収縮が小さくなって磁器製造上有利となるば
かりでなく、緻密化した非晶質素地の結晶化を促進する
ため焼成時の軟化変形を大きく抑制して、成形形状を崩
すことなく1000℃以下で吸水率が殆どゼロの緻密な
セラミックスとなることを見いだしたのである。
【0006】しかしながら、出発原料粉末の粒度が粗い
場合には、焼成過程で、カオリン成分と炭酸カルシウム
分解生成物間の固溶体化が完了するのに極めて長時間を
要するようになり、また生成する非晶質状態の粒子集合
物も粗大化するので、焼結緻密化が阻害され、1000
℃以下の低温度では焼結緻密化が極めて困難となる。一
般に焼結緻密化のためには原料混合物の微粒子化が望ま
れるが、中でも炭酸カルシウムの粒度が最も大きく影響
し、配合物中の炭酸カルシウムは少なくともその平均粒
径が1.5μm以下であれば通常の焼成過程により充分
固溶体化が進行し、低温緻密化が達成できる。即ち配合
物中の炭酸カルシウムの平均粒径は1.5μm以下であ
ることが最も重要な必要条件であり、サブミクロンであ
ることが望ましい。
【0007】炭酸カルシウムの配合量は、化学成分とし
て、カオリン熱分解生成物即ちカオリン無水物対焼成後
CaOの重量で、62対38から82対18の割合であ
ることが必要であるが、カオリンとCaOの割合は主と
して900℃以上の高温に処理した場合の析出結晶、即
ちアノーサイト、ゲーレナイト、オラストナイトなどの
割合を決定し、結晶析出後のセラミックスの特性、例え
ば熱膨張係数などを決定する。アノーサイト結晶を主成
分とするセラミックスを得るためには、カルシウム原料
の配合割合は、高純度のカオリンに対し焼結後CaOと
して約20wt%が必要である。このような結晶析出
は、9000℃以上の高温に焼成したときでも、成型物
の形状を安定に保つ作用があり、焼成温度幅が極めて広
くなる他、この焼結体に施釉した後高温で再焼成する目
的などのために役立つのである。一般にCaOの配合量
が多い方が低温焼結性が優れるが、カオリン無水物対C
aOの重量割合が60対40以上の組成では、焼結緻密
化の前にゲーレナイトの結晶が析出し易くなり焼結性が
悪くなると共に、耐水性も悪くなり、実用に適さなくな
る。またCaOは82対18以下では非晶質中に固溶体
化したCaOの量が不足して焼結性が不十分となり、9
00℃程度では緻密な焼結体になり難い。
【0008】添加するSiO質の粉末としては、珪石
(石英)がもっとも好適であり、かつ最も廉価である。
通常の陶磁器技法では、長石などが融体となりそれに対
する骨材として珪石あるいはアルミナなどを30wt%
程度添加することが広く行なわれているが、本発明の焼
成坏土及び磁器では焼成過程で融体は発生せず、アルミ
ナなどSiOを含まない無機質粉末を混合して使用す
ると焼結緻密化を阻害し、吸水性を殆どゼロに保つため
には5wt%程度以上には添加できない。実験の結果に
よれば、珪石などSiO質の粉末のみは30wt%程
度まで添加しても顕著に焼結を阻害せず、CaOと一部
反応して焼結が進行することが分かった。またSiO
成分を多量に含む長石などはアルカリ分も含有するので
通常の陶磁器では融剤として使用されるが、1000℃
では溶融せず、珪石より幾らか効果は落ちるが20wt
%程度までは吸水率を殆どゼロに保つ効果がある。Ca
Oが塩基性酸化物であるので、CaOと一部反応する珪
石(SiO)などの酸性酸化物が最も好適であり、S
iOの含有量の多いほど効果があると考えられる。こ
れらのSiO質の粉末の量は、多いほど焼成収縮率を
低減できる他、坏土の操作性が上がり、また焼成変形も
小さくなり、さらに珪石などは極めて廉価であるので原
料コストを低下させる利点がある。しかしながら30w
t%以上の大量の添加では珪石の場合でも焼結性が損な
われ、本発明の目的である低温焼結性、非吸水性が失わ
れる。
【0009】SiOの含有量の多いガラスも焼成収縮
の軽減には勿論有効である。SiOを多く含むホウ酸
系ガラス粉末は少量でもアノーサイトなどの結晶化を促
進して成形物の変形を防ぎ形状安定性に効果があり、ま
た緻密化温度を低下させるので添加物として最も好もし
いが、比較的高価であり、添加量が多くなれば製造コス
トが高くなるので自ずと制限され、実用的な添加量は1
0wt%程度までである。
【0010】本発明はカオリンと微細なCaOの固溶体
化とSiO質の粉末の添加による反応と焼結緻密化及
び焼成収縮率の制御などを基本的な原理としているの
で、これを阻害しない範囲では、付加的な目的のために
陶磁器製造の一般的手法として使用される顔料などの着
色剤、乾燥強度のための有機粘結剤など各種無機質及び
有機質の添加物を適当量添加混合することができる。ま
た1200℃まで安定な形状が維持され、陶磁器用の種
々な釉薬を施すことが可能である。また成形助材などの
一時的な添加物は焼成の途中で燃焼して除去されるので
かなり大量に添加しても焼成物の吸水率には殆ど影響が
ない。また澱粉粒子は水に不溶性で10wt%以上の添
加も可塑性を高め、焼成後澱粉粒子の位置が微細な閉気
孔となり、素地自体は緻密化するので、全体として非吸
水性を保ったまま焼成磁器の軽量化にも役立つことが分
かった。
【0011】以上のように、本発明の低温焼成磁器の製
造方法は、1000℃以下の比較的低温度で吸水率をゼ
ロとすることができるので、焼成炉として筒便なニクロ
ム電気炉が利用でき、一般陶芸用として極めて好適であ
る。また陶磁器の顔料として利用される着色無機化合物
は900℃以上では不安定で、退色するものが多いの
で、低温度焼成ほどカラフルな着色顔料が利用できるの
であるが、低温緻密化のため、従来にないカラフルなセ
ラミックスが実現可能となる。
【0012】以下、実験室的な実施例に従って、本発明
の製造方法をさらに詳細に説明するが、本発明はこれに
限定されるものではない。
【0013】
【実施例1】原料カオリンとしてニュージーランドカオ
リンを使用した。これはハロイサイトを主成分とする比
較的高純度のカオリンで、その化学組成は重量%で、S
iO:49.78、Al:35.72、Fe
:0.26、TiO:0.12、CaO:tr、
MgO:tr、KO:tr、NaO:0.06、灼
熱減量:14.05であり、理想的なカオリナイト組成
よりいくらかSiOが多いものである。このカオリンに
対し平均粒径が1.5μm以下に予め微粉砕した石灰石
(化学組成はほぼ100wt%CaCO)を、灼熱後
の無水カオリンの状態での重量(以下、無水カオリンの
重量と表現する)対CaO換算重量の比で、85対1
5、80対20、75対25、70対30、65対35
及び60対40となるように配合した配合物、及びこれ
らにさらに平均粒径が約10μmの珪石(石英)粉末
(化学組成はほぼ100wt%SiO)を20wt%
添加した配合物を、それぞれ24時間湿式ボールミル粉
砕混合を行い、脱水混練し、乾燥して各種の粉末状の可
塑性粘土配合物を得た。これらの粘土配合物を用い、乾
式プレスにより1ton/cmの成形圧でそれぞれ直
径約16mmのペレットを成形し、空気中1000℃で
1時間焼成した。
【0014】得られた焼結体について、実用的な吸水率
の測定の代りに、学問的な嵩密度及び見掛の気孔率を測
定し、図1に示した。吸水率の値は見掛け気孔率の値の
約半分である。図1から、珪石を添加しない場合は10
00℃でCaO量の広範囲に渡って緻密化が進行する
が、珪石を20wt%添加した場合でもCaO量が20
〜30に渡って見掛けの気孔率、即ち吸水率が殆どゼロ
にまで緻密化が進行することが分かる。
【0015】
【実施例2】実施例1と同様のニュージーランドカオリ
ン及び炭酸カルシウムを使用し、無水カオリンとCaO
の重量割合が70対30とになるように配合し、さらに
これに対し珪石及びアルミナ粉末を、それぞれ5〜50
wt%を配合し、それぞれ20時間湿式ボールミル粉砕
混合を行い、脱水混練し、乾燥して組成の異なる多数の
の粉末状の可塑性粘土配合物を得た。これらの粘土配合
物を用い、乾式プレスにより1ton/cmの成形圧
でそれぞれ直径約16mmのペレットを成形し、電気炉
中、1000℃で1時間焼成した。
【0016】得られた焼結体の嵩密度及び見掛の気孔率
を図2に示す。図2から、珪石粉末では添加量25wt
%までの配合物が10000℃で見掛け気孔率、従って
吸水率が1%以下の緻密な焼結体となるが、SiOを含
まないアルミナ粉末は10wt%の添加で明瞭な見掛け
気孔率の増大が認められる。これらの焼結体の鉱物組成
は図3に示すようで、充分安定な磁器質であるというこ
とができる。またこれらの焼結体の焼成収縮は、図4に
示すように、珪石を添加しないものは20%以上も収縮
し、寸法形状などの制御が困難となって製造工程上問題
となるほど収縮率が大きいが、珪石配合量の増加ととも
に顕著に減少し、25〜30wt%の添加では一般的な
磁器製品と殆ど同程度になることが分かる。
【0017】また上記の珪石添加粘土配合物の練土から
押し出し成形によりそれぞれ直径約5mmの丸棒を押出
し成形し、長さ50mmの試料棒を作成し、耐火物間に
架橋状態で静置し、1000℃で1時間焼成した。得ら
れた焼結体の架橋の垂れ下がりの程度を図5に示す。図
5から、珪石粉末の添加が多いほど、焼結体の1000
℃での軟化変形が起こり難くなることが分かる。
【0018】以上の全試料の組成を、無水カオリン、石
英及びCaOの重量の3角図によって表し、図6に纏め
て示す。1000℃焼結体の見掛け気孔率が殆どゼロに
なったものは●印、見掛け気孔率が1%以上のものは○
印で示した。本発明の範囲内では全ての試料が吸水率が
殆どゼロにまで焼結緻密化したことが分かる。
【0019】
【発明の効果】従来、趣味の陶芸などに用いる可塑性粘
土は一般にその焼成温度は1200℃以上が必要で、1
000℃以下の温度では、殆ど全く緻密化せず吸水性の
ある土器質のものしか得られなかったものを、新しい発
想により、最も一般的に陶磁器原料として用いられてい
るカオリンまたは粘土と炭酸カルシウムなど工業的に安
価な原料を主成分とし、これに適宜必要な添加剤を配合
して、可塑性成形性に極めて優れ、1000℃以下の極
めて低温度、すなわち筒易なニクロム線電気炉の温度
で、その成形形状を保ったまま吸水率が殆どゼロにまで
焼結緻密化することができるので、銀やニッケルなど金
属材料と組み合わせて同時焼成が可能となるなど新しい
特徴のため工業的に有用であると共に、低温焼成による
カラフルな着色性は、アクセサリーなどの装身具用とし
て全く新しい製品を可能とし、しかも焼成温度が上がり
過ぎたり、施釉など他の目的のため高温処理が必要の場
合にも、約1200℃まで殆ど軟化変形せず、工芸用と
しても極めて有用である。
【図面の簡単な説明】
【図1】CaOの配合割合の異なる試料及び珪石添加試
料の1000℃焼成物の嵩密度及び見掛け気孔率の関係
図。
【図2】無水カオリン対CaO比が70:30の試料に
対する珪石及びアルミナの配合量と1000℃焼成物の
嵩密度及び見掛け気孔率の関係図。
【図3】無水カオリン対CaO比が70:30の試料に
対する珪石配合量と1000℃焼成物の鉱物組成の関係
図。
【図4】無水カオリン対CaO比が70:30の試料に
対する珪石配合量と1000℃焼成物の焼成収縮率の関
係図。
【図5】無水カオリン対CaO比が70:30の試料に
対する珪石配合量と1000℃焼成物の焼成軟化変形率
の関係図。
【図6】本発明の組成範囲と1000℃1時間焼成後の
見掛け気孔率の関係図。
─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年3月26日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、カ
オリナイト質もしくはハロイサイト質の微粒カオリンま
たは粘土と平均粒径が2.0μm以下の炭酸カルシウム
微粉末を、灼熱後の無水カオリン対CaOの重量で、6
2対38から82対18の割合とし、これに珪石などS
iO質の粉末を15〜30wt%添加した微粒子混合
物を基本成分とし、その成形体が1000℃以下の比較
的低温度で吸水率が殆どゼロの焼結体となり、しかも一
般陶磁器と同様1200℃まで軟化変形し難い安定なセ
ラミックスとなることを特徴とし、必要に応じて無機着
色剤、有機成形助剤など、陶磁器技法で一般に使用され
る各種添加物を加え、成形、焼成することを特徴とす
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0006
【補正方法】変更
【補正内容】
【0006】しかしながら、出発原料粉末の粒度が粗い
場合には、焼成過程で、カオリン成分と炭酸カルシウム
分解生成物間の固溶体化が完了するのに極めて長時間を
要するようになり、また生成する非晶質状態の粒子集合
物も粗大化するので、焼結緻密化が阻害され、1000
℃以下の低温度では焼結緻密化が極めて困難となる。一
般に焼結緻密化のためには原料混合物の微粒子化が望ま
れるが、中でも炭酸カルシウムの粒度が最も大きく影響
し、配合物中の炭酸カルシウムは少なくともその平均粒
径が2.0μm以下であれば通常の焼成過程により充分
固溶体化が進行し、低温緻密化が達成できる。即ち配合
物中の炭酸カルシウムの平均粒径は2.0μm以下であ
ることが最も重要な必要条件であり、サブミクロンであ
ることが望ましい。 ─────────────────────────────────────────────────────
【手続補正書】
【提出日】平成9年9月5日
【手続補正1】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】特許請求の範囲
【補正方法】変更
【補正内容】
【特許請求の範囲】
【手続補正2】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0004
【補正方法】変更
【補正内容】
【0004】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、カ
オリナイト質もしくはハロイサイト質の微粒カオリンま
たは粘土と平均粒径が2.0μm以下の炭酸カルシウム
微粉末を、灼熱後の無水カオリン対CaOの重量で、6
2対38から82対18の割合とし、これに珪石などS
iO質の粉末を15〜35wt%添加した微粒子混合
物を基本成分とし、その成形体が1000℃以下の比較
的低温度で吸水率が殆どゼロの焼結体となり、しかも一
般陶磁器と同様1200℃まで軟化変形し難い安定なセ
ラミックスとなることを特徴とし、必要に応じて無機着
色剤、有機成形助剤など、陶磁器技法で一般に使用され
る各種添加物を加え、成形、焼成することを特徴とす
る。
【手続補正3】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0005
【補正方法】変更
【補正内容】
【0005】
【作用】本発明者らは、カオリナイト質もしくはハロイ
サイト質の微粒カオリンまたは粘土と炭酸カルシウムの
微粉末を主要な原料として、その化学組成が、焼成後C
aOとして18〜38%になるような配合物では、十分
粉砕混合して炭酸カルシウムの平均粒子径が1.5μm
程度以下の微粒子混合物としてから焼成すると、カオリ
ンと炭酸カルシウムの熱分解と分解生成物間の固溶体化
が同時的に進行し、800〜900℃の極めて狭い温度
範囲で、珪酸塩の結晶析出前に固溶体化はほぼ完了する
ことを見出した。また、この段階の生成物はCaOを適
当量含有する非晶質微粒子の集合状態のものであり、極
めて高粘性で成形形状を維持すると共に、顕著な低温焼
結性を持ち、875℃〜950℃で緻密化することを発
見した。さらに、この基礎成分に珪石などSiO質の
粉末を10〜35wt%添加した微粒子混合物が共存す
ると、焼成収縮が小さくなって磁器製造上有利となるば
かりでなく、緻密化した非晶質素地の結晶化を促進する
ため焼成時の軟化変形を大きく抑制して、成形形状を崩
すことなく1000℃以下で吸水率が殆どゼロの緻密な
セラミックスとなることを見いだしたのである。
【手続補正4】
【補正対象書類名】明細書
【補正対象項目名】0009
【補正方法】変更
【補正内容】
【0009】SiOの含有量の多いガラスも焼成収縮
の軽減には勿論有効である。SiOを多く含むホウ酸
系ガラス粉末は少量でもアノーサイトなどの結晶化を促
進して成形物の変形を防ぎ形状安定性に効果があり、ま
た緻密化温度を低下させるので添加物として最も好もし
いが、比較的高価であり、添加量が多くなれば製造コス
トが高くなるので自ずと制限され、実用的な添加量は1
0wt%程度までである。また珪石とガラスの両方を同
時に加えることも勿論可能であり、この場合には総量で
50wt%程度まで添加可能で、収縮率をさらに下げる
ことも可能である。

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】カオリナイト質もしくはハロイサイト質の
    微粒カオリンまたは粘土と平均粒径が1.5μm以下の
    炭酸カルシウム微粉末を、灼熱後の無水カオリン対Ca
    Oの重量で、62対38から82対18の割合とし、こ
    れに珪石などSiO質の粉末を15〜30wt%添加
    した微粒子混合物を基本成分とし、その成形体が100
    0℃以下の比較的低温度で吸水率が殆どゼロの焼結体と
    なり、しかも一般陶磁器と同様1200℃まで軟化変形
    し難い安定なセラミックスとなることを特徴とする低温
    焼成坏土。
  2. 【請求項2】カオリナイト質もしくはハロイサイト質の
    微粒カオリンまたは粘土と平均粒径が1.5μm以下の
    炭酸カルシウム微粉末を、灼熱後の無水カオリン対Ca
    Oの重量で、62対38から82対18の割合とし、こ
    れに珪石などSiO質の粉末を15〜30wt%添加
    した微粒子混合物を基本成分とし、必要に応じて無機着
    色剤、有機成形助剤など、陶磁器技法で一般に使用され
    る各種添加物を加え、成形、焼成することを特徴とする
    低温焼成磁器の製造方法。
JP6168697A 1997-02-07 1997-02-07 低温焼成坏土及びその磁器の製造方法 Pending JPH10226561A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2012188331A (ja) * 2011-03-14 2012-10-04 Toto Ltd 陶磁器板
JP2015227285A (ja) * 2015-08-10 2015-12-17 Toto株式会社 陶磁器板の製造方法
CN114644506A (zh) * 2022-04-08 2022-06-21 福建省德化县合和陶瓷技术开发有限公司 环保高白度日用陶瓷制品及其制备工艺

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