JP2582730B2 - セラミック成型品の製造法 - Google Patents

セラミック成型品の製造法

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JP2582730B2 JP6182694A JP18269494A JP2582730B2 JP 2582730 B2 JP2582730 B2 JP 2582730B2 JP 6182694 A JP6182694 A JP 6182694A JP 18269494 A JP18269494 A JP 18269494A JP 2582730 B2 JP2582730 B2 JP 2582730B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、建築用石材や各種の機
構材に使用されるセラミック成型品の製造法に関する。
【0002】
【従来の技術】近来建築用石材や各種の機構材料として
ガラス体中に結晶を析出させた結晶化ガラスが広く使用
されている。結晶化ガラスは天然石材と対比して機械的
強度や化学的耐蝕性に優れており、均質な製品が量産で
きる等の点で普及されてきた。
【0003】従来の結晶化ガラス建材の材質は、析出成
分で分けるとβ−ワラストナイト〔β−CaO・SiO
〕、フォルステライト〔2MgO.SiO〕、エン
スタタイト〔MgO・SiO〕、ディオプサイド〔C
aO・MgO・2SiO〕及びフロゴパイト〔KMg
(AlSi10)F〕等が知られている。
【0004】これらの結晶化ガラスの製造法はロールア
ウト法と集積法に大別される。ロールアウト法は原料配
合物を1350℃以上の温度で溶融したガラスをロール
アウト方式で成型した後、所定の温度条件で熱処理をし
て結晶を析出させ、徐冷して製品を得る方法であり、集
積法は原料配合物を1350℃以上の温度で溶融したガ
ラスを結晶の析出を抑制した過冷却条件で水中投入や水
冷ロールにより冷却及び粉砕して粉体とし、得られたガ
ラス粉体を所要形状の耐火物製型に集積した後、加熱炉
により加熱し、ガラス粉体を融着一体化し、さらに所定
の温度条件で熱処理して結晶を析出させ、徐冷し、さら
に研磨加工して製品を得る方法である。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】こうした従来の結晶化
ガラス建材は、評価すべき技術性と特性をもっている
が、特定の設備と高度の技術を必要としている。すなわ
ち上記したように高温度による原料配合物の溶融工程、
過冷却によるガラス粉砕工程、複雑な結晶化工程を必要
としており、一般的な窯業技術、たとえば陶磁器や耐火
物を生産する手段では実施できないものであった。
【0006】また製品特性の面でも、近来建築壁面の施
工について、壁材の脱落防止施工技術の向上が求められ
ており、この対策として壁材を躯体へ金具により取付け
る方法や、壁材を金属枠に嵌合したパネルによる施工法
等が求められているが、そのためには壁材は金具を取付
けるために孔あけ、ネジ切り、溝切り等の機械加工性を
備える必要がある。この点従来の結晶化ガラスの材質
は、フッ素マイカ系のものを除いていづれも硬質であ
り、機械加工性を備えていない。そしてフッ素マイカ系
のものは機械加工性はあるが、組成上から不可避的にア
ルカリ成分が多く、従って耐酸性が劣っており、酸性雨
による経時変化に弱いという問題があった。
【0007】本発明は上記した従来の結晶化ガラスの課
題を解決するため、結晶化ガラスの製造方法を著しく改
善するとともに、機械加工性、化学耐蝕性を備えたセラ
ミック成型品の製造法を提供しようとするものである。
【0008】本発明の第1の発明は重量でSiO30
〜75%、Al3〜20%、MgO 5〜35
%、CaO 2〜15%、NO及び/又はBaO 3
〜15%、NaO 2〜12%、F 2〜9%の組成
の原料配合物を微粉砕した成型用配合物をそのまま成型
するか、又は原料配合物の微粉末を加熱処理して仮焼体
とした後、この仮焼体を再粉砕した成型用配合物を成型
し、次いで加熱焼結してデイオプサイド結晶とフッ素マ
イカ結晶の共生結晶を析出させることを特徴とするセラ
ミック成型品の製造法であり、また本発明の第2の発明
は、重量でSiO30〜75%、Al3〜20
%、MgO 5〜35%、CaO 2〜15%、K
及び/又はBaO 3〜15%、NaO 2〜12
%、F2〜9%の組成の原料配合物の微粉末、又は原料
配合物の微粉末を加熱処理して仮焼体としたのち再粉砕
した微粉末に、それぞれガラス及び/又は粘土を配合し
た成型用配合物を成型し、次いで加熱焼結してデイオプ
サイド結晶とフッ素マイカ結晶の共生結晶を析出させる
ことを特徴とするセラミック成型品の製造方法である。
【0009】本発明のセラミックの組成に基づく原料と
しては、工業材料、例えばシリカ、アルミナ、マグネシ
ア、これらの炭酸塩、ケイフッ化カリウム、ケイフッ化
ナトリウム及び窯業鉱物、例えばタルク、パイロフィラ
イト、天然マイカ、長石、霞石、カオリン、蛍石、永晶
石、ガラス等を本発明のセラミックガラスの組成に相当
するように配合して使用する。
【0010】本発明の第1の発明においては、これら原
料の配合物を微粉砕、すなわち平均粒径10μm以下に
微粉砕して得た成型用配合物を成型する。成型の態様と
しては、比較的小寸法成型品のプレス成型の場合には、
一般に慣用されている水や有機バインダー、例えばCM
C、ポリビニールアルコール(PVA)、アクリル等を
用い、長尺寸法の成型品を得るためのプレス成型や押出
し成型の場合には、窯業の常法である有機バインダーを
添加してスラリーとした後、ドライスプレー法で二次造
粒体として成型する。
【0011】上記した成型工程により成型した成型品
を、次に加熱、焼結する結晶化工程に移る。この結晶化
工程では成型物を室温〜200℃の温度で充分乾燥した
後、乾燥した成型品を耐火物容器に収納し、加熱炉に装
入して焼成する。加熱は室温より所定の温度(900〜
1200℃)まで150〜200℃/時の昇温速度で昇
温し、次いで所定の温度で1〜5時間保持して焼結と結
晶化とを同時に完了する。この焼結工程で成型品は60
0℃付近より粒子間の結合が進み、逐次固相焼結(固相
反応)により緻密化し、900℃以上において結晶成分
に形成されるべき初期結晶の析出、成長が行なわれる。
【0012】こうして結晶成分単味の組成をもつセラミ
ックが得られる。この組成はディオプサイド及びフッ素
マイカの組成を複合したセラミック組成、すなわち結晶
成分組成であって、本発明の基本物質となるものであ
る。
【0013】上記の結晶成分単味の組成のセラミックの
ほかに、結晶成分又は仮焼した結晶成分にそれぞれガラ
ス及び/又は粘土を添加してセラミックスを造ることが
できる。この場合、ガラスは原料のコストダウン及び焼
結性の改良に、また粘土は成型性の向上に資するための
ものである。
【0014】すなわち、第2発明においては、結晶成分
組成の原料配合物を粉砕機等により粒径が10μm以下
の微粉末にし、この微粉末原料配合物を耐火物容器に充
填して加熱炉中で600〜1100℃で1〜5時間加熱
し、仮焼体とする。この加熱により配合物中の結晶水、
炭酸分が揮発し、その際微粉末は活性状態となり、凝集
して固相反応が進行して主体結晶の初期結晶が形成され
仮焼体となる。この仮焼体を再粉砕して、平均粒径10
μm以下、好ましくは5μm以下の微粉末とし、これを
原料配合物バッチとし、これにマトリックスとしてのガ
ラス粉末及び/又は粘土粉末を添加して成型用配合物と
する。この第2の発明の成型用配合物の組成は、ガラス
粉末の添加により焼結温度の降下、成分の拡散化、アル
カリ分の中和などを図るもので、ガラス材質としては一
般的なガラスやびんガラス、フッ化物系乳白ガラス等を
使用することができ、製品の特性に支障がなければ50
重量%付近での添加が可能であり、ガラスのリサイクル
にも寄与できる。
【0015】第2発明においては、さらに結晶成分に可
塑材として粘土(SiO−Al)の添加を意図
するものである。これは製品のセラミックスの形状が長
尺寸法のものをプレス成型する場合や、長尺寸法の棒
状、管状、中空状等のものを押出し成型するような場合
には、成型用配合物の型内流動性が小さく、成型圧伝達
性が悪いので、本発明では粘土を添加して仮焼原料配合
物を粘稠化することにより成型性の改善を行なうもの
で、それには25重量%以内で粘土を添加し、水を加え
て混練し、脱泡した粘稠性の捏合物を調整し、成型す
る。成型はプレス成型の場合は200〜500kg/c
、押出し成型の場合は15〜50kg/cmの加
圧下で成型する。
【0016】第2の発明において前記成型用配合物での
各成分の配合率は、重量%で結晶成分40〜95、ガラ
ス(a)0〜60、粘土(b)0〜25,(a)+
(b)5〜60、および成型配合物に対し着色顔料や結
晶核0〜5重量%であり、且つ本発明のセラミック組成
の範囲に合致するように設定される。
【0017】第2の発明における成型操作は、第1の発
明における成型操作を適用でき、また焼結結晶化処理も
第1発明記載の条件下で実施できる。
【0018】本発明による第1発明および第2発明のセ
ラミックス成型品における結晶析出量は、結晶成分量、
結晶組成、焼結結晶化温度及び保持時間の兼ね合いによ
り、配合した結晶成分の30〜80%であり、セラミッ
ク中5〜55%(各重量)である。また全結晶量の1/
5以下の主結晶、すなわちディオプサイド結晶とフッ素
マイカ結晶との共生結晶以外の結晶、例えば少量のフォ
ルステライト、クリエノエンスタタイト、リヒテライト
等の結晶も派生するが、これらの結晶の存在は何れも本
発明のセラミックスの特性に支障を及ぼすことはない。
【0019】本発明のセラミック成型品の化学成分は重
量%でSiO30〜75%、Al3〜20%、
MgO 5〜35%、CaO 2〜15%、KO及び
/又はBaO 3〜15%、NaO 2〜12%、F
2〜9%、の組成である。この組成により形成される
組織は、MgO−SiOを共通の必須成分とするディ
オプサイド〔CaO・MgO・2SiO〕とフッ素マ
イカ〔(K Ba0.5Na)Mg(AlSi
10)F〕とが主体をなす共生結晶が析出し、その余
をアルカリ質分と酸質分が中和されている化学安定性を
もつガラスマトリックスが占めるセラミックスである。
【0020】これらの主体結晶は大半が粒径10μm以
下の微晶で、ガラスマトリックス中に均質に析出してお
り、セラミック成型品中重量で5〜55%生成する。こ
のセラミック成型品は前記したように結晶の析出状態に
は配向性がなく、成型品は均質であり、脈理等が存在し
ない多晶質組織を形成している。
【0021】こうした組成と組織により、本発明のセラ
ミック成型品は曲げ強さが450〜700kg/cm
を示し、これはフッ素マイカが析出しているためであ
る。すなわち微晶でアスペクト比(径/厚)の大きいマ
イカフレークが体内に均一に分布して、フレーク間距離
の微少な組織を形成しているため、機械加工の応力に対
して微粒状の劈開が起きて切削が行われるからである。
機械加工性の程度はフッ素マイカ析出量が約10%以上
であれば、通常の硬質鋼工具により乾式状態で孔あけ、
ネジ切り、溝切り等の加工が可能であり、析出量10%
以下のものであっても研磨、孔あけ、切断等の工作は一
般の結晶化ガラスや陶磁器質のものに比べて遙かに容易
である。
【0022】本発明のフッ素マイカ結晶及びディオプサ
イド結晶の共生結晶が析出したセラミックスは、組成的
にアルカリ質であるフッ素マイカの成分量が抑制され中
和されており、またこれらの結晶の母相であり、かつ結
晶間を結合するガラスマトリックスは中性で化学的に安
定しており、従来のマイカ粉焼結品、溶融法によるマイ
カ質結晶化ガラス等のアルカリ組成のものと比べて耐酸
性にすぐれたセラミックスである。
【0023】上記のセラミックの組成で、SiO、M
gOはディオプサイドとフッ素マイカの共通必須成分で
あり、両者の結晶析出を確保するために、SiOが少
なくとも30%(重量%以下同じ)が必要であり、75
%より多いと焼結性を悪くし、MgOは5%より少いと
2つの結晶の析出が急激に減少し、35%より多いとア
ルカリ分が過剰となり、また焼結性を悪くする。CaO
はディオプサイドのみの必須成分であり、2%以上でデ
ィオプサイドの析出が認められ、15%より多くなると
フッ素マイカの析出を抑制してアルカリ分が過剰とな
る。
【0024】KO、BaO、NaO、Al
Fはフッ素マイカにのみの必須成分であり、KO及び
/又はBaOが3%以上、NaOが2%以上、Fが2
%以上である組合せでフッ素マイカの析出が良好とな
る。ただしその組成でKO及び/又はBaO,Na
Oが共存する場合には、K−フロゴパイト〔KMg
(AlSi10)F〕及びBa−フロゴパイト
〔Ba0.5Mg(AlSi10)F〕が優勢
で、KO及び/又はBaOが3%未満でNaOが1
2%より多くなると、次第にNa−マイカ〔Na Mg
(AlSi10)F〕又は〔NaAl(Al
Si10)F〕の析出量が多くなる。またFは9
%より多いと、セラミックスの耐熱性を下げるととも
に、析出した2つの主体結晶を再溶解するようになる。
なおFは鉱化剤として、その蒸発凝縮作用により結晶化
と焼結を促進する作用を示す。Alは3%未満で
はフッ素マイカの析出が減少し、20%より多いと焼結
温度を高くする。NaOは2〜12%の範囲でフッ素
マイカの生成に参加するとともに、SiO、Al
、MgO等の高融点物質の配合による焼結温度の上昇
を抑制するが、12%を超えるとアルカリ分が過剰にな
る。上記したセラミック組成に対し、5%以下の範囲で
結晶核、例えばTiO、ZrOや顔料、例えば、F
e,Ni,Mn,Ti,Co等の金属酸化物を添加して
も差支えない。
【0025】本発明の第2発明のセラミックスの組織
は、前記したように加熱焼成とこの加熱焼成に先立って
行なう原料配合物の仮焼処理とを併用することにより、
固相反応による焼結と結晶化を行なって形成するもので
あり、従来の溶融法による結晶化ガラスの製造法とはそ
の趣を異にするものであって、この固相反応を促進す要
件は(1)良好な反応性組成であること、(2)結晶成
分含有量が高いこと、(3)微粉末原料配合物の粒子が
微細で充填度が高いことであるが、本発明による微粉末
原料配合物はこれらの要件をすべて満足するものであ
る。そして焼成時におけるフッ化物による融点の降下作
用、蒸発凝縮によって行なわれる成分交流による結晶生
成作用等により、焼結と結晶化が促進される。
【0026】本発明では、また結晶成分以外に、製造効
率の向上やコストダウンのため、ガラス粉末及び/又は
粘土を添加するが、その場合はまず固相反応を確実にす
るため結晶成分の原料配合物を仮焼処理し、後の焼成工
程と併せて反応を完結させるものである。なお製品セラ
ミックの組成中に結晶成分量が70%以上配合され、成
型が均質で緻密に行なわれるような小寸法薄板(肉厚1
0mm以下位い)を製造する場合には上記結晶成分の仮
焼処理を省略することができる。
【0027】焼成品は所定の寸法に切断し、所望する外
観表情に応じて研磨するか又は未研磨の状態で製品とす
る。製品は従来の結晶化ガラスやタイルと比べて遜色な
く、物理的特性は吸水率0〜0.5%、曲げ強さは結晶
析出量20%で500kg/cm以上であり、結晶析
出量40〜50%で700kg/cmに達する。化学
特性は耐酸性、耐アルカリ性にすぐれている。また本発
明において結晶析出量10%以上では通常の超硬鋼工具
で孔あけ、ネジ切り、溝切り等(乾式)の加工が可能で
あり、結晶析出量10%以下でも従来のセラミックスや
天然石と比べて研磨や切断がより容易である。また製品
セラミックの外観は結晶の析出状態や着色剤による彩飾
により美麗な表情が形成される。
【0028】以下実施例を挙げて本発明を説明する。
【0029】
【実施例】
実施例1 本例は結晶成分の製造と結晶成分だけによるセラミック
スの製造例を示し、表1は結晶成分の組成、処理条件及
び特性を示す。
【0030】
【表1】
【0031】表1に示す試料No.1〜4の原料(ただ
しKOとして炭酸カリウム、Mgoとしてマグネサイ
ト、NaOとして炭酸ソーダ、SiOとしてケイ
石、Alとしてアルミナ、CaO、Fとして蛍石
を使用)を乾式ボールミルで混合、粉砕し、平均粒径8
μmの粉末とした。試料No.3及びNo.4はそれぞ
れそのままで本発明のセラミック成型品の基本的製造原
料とし、また試料No.1及びNo.2はそれぞれアル
ミナ質ルツボにそう装入し、電気炉で900℃で3時間
加熱した後、再粉砕し、平均粒径5μmの微粉末とし
た。試料No.1〜No.4夫々の結晶成分についてX
線回折の結果、デイオプサイド・フッ素マイカの初期微
晶が認められた。
【0032】上記の加熱処理をしない試料No.3及び
4にはそれぞれ原料配合物100重量部に対しCMC
0.5重量部に対し水10重量部を加えて混練し、夫々
成型用の原料とした。次いで各成型用の原料をプレス成
型により300kg/cmで加圧成型し、各95×9
5×8mmの平板状成型体とした。この成型体を110
℃で12時間乾燥した後、電気炉で180〜200℃/
Hrの昇温速度で表1に示す焼成温度(試料No.1及
び2は1150℃、試料No.3及び4は1100℃)
まで昇温し、所定時間保持した後冷却して製品を得た。
【0033】上記したこれらの試料による製品セラミッ
クは、表1に示すように、所定の結晶を含有する組織を
形成しており、曲げ強度はそれぞれ570kg/c
、650kg/cm、582kg/cm及び5
65kg/cmで良好な機械加工性がある。また本発
明の試料による耐酸、耐アルカリ性は従来の市販石材例
えばβ−ワラストナイト材のそれと比べて同等の数値を
示している。
【0034】実施例2 本例は原料配合、すなわち実施例1によって得られた試
料No.1〜No.4の各結晶成分とガラス粉末又は粘
土の2成分系及び各結晶成分とガラス粉末と粘土の3成
分系の調製、更にはこれらによってプレス成型と押出成
型を行なう成型例を示す。
【0035】表2は原料配合であり、表3は製品セラミ
ックスの特性である。また結晶成分の試料No.1〜N
o.4は表1のそれと同一である。ガラス粉末は汎用フ
ロートガラスの粉末〔組成(重量%):SiO73.
1、Al1.7、CaO 7.1、MgO 4.
0、KO 7.0、NaO 13.4〕であり、粘
土はカオリン系粘土〔組成(重量%):SiO52、
Al34〕であって、これらの各成分を混合、粉
砕して平均粒径5μmの粉末とする。
【0036】
【表2】
【0037】
【表3】
【0038】プレス成型では、表2による原料配合物
(試料No.1、No.2,No.4)100重量部に
対して有機バインダー(PVA)1重量部と水100重
量部を添加、湿式混合してスラリーとした後、スプレー
ドライヤーで乾燥して顆粒化する。この顆粒をプレス成
型機で300〜500kg/cmの加圧で成型し、6
00×600×12mmの平板状成型体とし、110℃
で2時間乾燥した後電気炉に装入し、180〜200℃
/Hrの昇温速度で各試料共表2に示す所定焼成温度と
保持時間に従って加熱焼成し、冷却(200〜250℃
/Hr)して焼成製品を得た。
【0039】また、押出成型では、表2による原料配合
物(試料No.3)100重量部に水20〜25重量
部、有機バインダー(CMC)1重量部を添加し、混練
機により押出し圧力20〜35kg/cm、押出し速
度200〜300mm/minで押出し成型を行ない、
外形100mm、肉厚8mm,長さ310mmのパイプ
状成型体とし、さらにこれを切開して310×310×
8mmの平板状成型体とし、圧延ローラで肉厚調整及び
平面処理を行ない、最終的に320×320×6mmの
平板状成型体を得た。
【0040】これを熱風乾燥機により80〜120℃、
5〜7時間乾燥してから電気炉に装入し、180〜20
0℃/Hrの昇温速度で各試料共表2の所定焼成温度に
昇温し、この温度で所定時間保って加熱焼成し、冷却
(200〜250 ℃/Hr)して焼成製品(約300
×300×5mm、収縮率77%)を得た。
【0041】上記した各成型法によって得られた製品の
特性を表3に示す。
【0042】
【発明の効果】本発明は従来のフッ素マイカ系結晶化ガ
ラス製造のための特定の設備や技術に依存せず、通常の
窯業技術により結晶化ガラスと同等の物理、化学的特
性、特に機械加工性を備え、しかも従来のフッ素マイカ
系の結晶化ガラスがアルカリ成分が多く、耐酸性に劣る
欠点を改善することができるデイオプサイド結晶とフッ
素マイカ結晶が共生析出したセラミックスを得ることが
でき、更には長尺寸法品の製造、低温焼成、低原価原料
等の利用により省エネルギー製法を達成することができ
る。

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 重量でSiO30〜75%、Al
    3〜20%、MgO 5〜35%、CaO 2〜15
    %、KO及び/又はBaO 3〜15%、Na
    2〜12%、F 2〜9%の組成の原料配合物を微粉砕
    した成型用配合物をそのまま成型するか、又は原料配合
    物の微粉末を加熱処理して仮焼体とした後、この仮焼体
    を再粉砕した成型用配合物を成型し、次いで加熱焼結し
    てデイオプサイド結晶とフッ素マイカ結晶の共生結晶を
    析出させることを特徴とするセラミック成型品の製造
    法。
  2. 【請求項2】 重量でSiO30〜75%、Al
    3〜20%、MgO 5〜35%、CaO 2〜15
    %、KO及び/又はBaO 3〜15%、Na
    2〜12%、F 2〜9%の組成の原料配合物の微粉
    末、又は原料配合物の微粉末を加熱処理して仮焼体とし
    たのち再粉砕した微粉末に、それぞれガラス及び/又は
    粘土を配合した成型用配合物を成型し、次いで加熱焼結
    してデイオプサイド結晶とフッ素マイカ結晶の共生結晶
    を析出させることを特徴とするセラミック成型品の製造
    法。
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