JPH10226284A - 車両用内装材 - Google Patents

車両用内装材

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JPH10226284A
JPH10226284A JP9032364A JP3236497A JPH10226284A JP H10226284 A JPH10226284 A JP H10226284A JP 9032364 A JP9032364 A JP 9032364A JP 3236497 A JP3236497 A JP 3236497A JP H10226284 A JPH10226284 A JP H10226284A
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JP
Japan
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interior material
ethylene
weight
interior trim
rib structure
Prior art date
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JP9032364A
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English (en)
Inventor
Takashi Nakano
貴 中野
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Mitsubishi Motors Corp
Original Assignee
Mitsubishi Motors Corp
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 内装材としての機能を有しながら衝撃吸収特
性を備えた車両用内装材を提供する。 【解決手段】 車両用内装材(10)は、エチレン・プロピ
レン共重合体を主成分とする樹脂組成物で柔軟に構成さ
れており、背面側には、衝撃を吸収すべく、リブ構造部
(20,22)が上記エチレン・プロピレン共重合体からなる
樹脂組成物で一体に立設されている。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、車両用内装材に係
り、詳しくは、内装材としての機能を有しながら衝撃吸
収機能をも備えた車両用内装材に関する。
【0002】
【関連する背景技術】車両の車室内側のルーフ、ドア、
ピラー等の鋼板パネル面上には、主として美観を向上さ
せる目的から各種内装材が取り付けられている。通常、
ピラーの上部等、乗員の視線高さ周辺の部位には、容易
に変形等の損傷が生じて美観を損なわないよう、また耐
傷付き性(傷の付き難さ)、成形、表面加工、着色の容
易性や耐熱性等の理由から比較的高い硬度を有するプラ
スチック材料等の樹脂材料からなる内装材が多用されて
いる。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、上記のよう
な内装材は、上述したように、美観を向上させることを
主目的としていることから、特にピラーの上部に用いら
れる内装材にあっては、傷の付き難い硬質のプラスチッ
ク材料を鋼板パネル面上に取り付けている。しかしなが
ら、最近では自動車等の車両の安全性向上の一環とし
て、衝撃吸収機能の優れた樹脂内装材が要求されてお
り、従来このように衝撃吸収機能に優れ且つ内装材とし
て必要な耐傷付き性(表面の傷付き難さ)を兼ね備えた
内装材はなかった。
【0004】本発明は、上述した事情に基づきなされた
もので、その目的とするところは、内装材としての耐傷
付き性を有しながら衝撃吸収機能の優れた車両用内装材
を提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】上述の目的を達成するた
め、本願発明では、車両用内装材をエチレン・プロピレ
ン共重合体を主成分とする樹脂組成物で構成し、その背
面側にリブ構造部を一体に立設したことを特徴としてい
る(請求項1)。エチレン・プロピレン(ブロック)共
重合体は、重合工程においてプロピレンモノポリマ成分
中にエチレンガス等を混入させることで形成される所謂
ポリプロピレンコポリマ(PPコポリマ)材料のことで
あり、プロピレンモノポリマ成分のみからなる所謂ポリ
プロピレンホモポリマ(PPホモポリマ)材料よりも柔
らかい性質を有した材料とされている。つまり、プロピ
レンモノポリマ成分のみからなるPPホモポリマ材料で
あれば、硬度が大きく傷が付き難いのであるが、エチレ
ン・プロピレン共重合体からなる樹脂組成物、即ちPP
コポリマ材料の場合には衝撃を吸収し易い。
【0006】従って、エチレン・プロピレン共重合体を
主成分とする樹脂組成物の内装材は、純粋なプロピレン
モノポリマからなる内装材よりも全体的に柔軟なものに
なるので、背面側にリブ構造部をエチレン・プロピレン
共重合体からなる樹脂組成物で一体に立設させることに
より、内装材は、内装材としての機能を有しながら、衝
撃エネルギを良好に吸収できる。
【0007】ところで、エチレン・プロピレン共重合体
からなる樹脂組成物の柔軟性の度合は、重合工程におい
て混入させるエチレンモノポリマ成分の配合比率に応じ
て変化することが知られており、上記のように内装材を
柔らかいものにするためには、エチレンモノポリマ成分
の配合比率を多くすればよい。そして、本願発明の樹脂
組成物に使用するエチレン・プロピレン共重合体は、プ
ロピレンモノポリマ成分が75〜85重量%でエチレン
モノポリマ成分を7〜13重量%含むエチレン・プロピ
レン共重合体からなることが好ましい(請求項2)。
【0008】エチレンモノポリマ成分の含有量が7重量
%より小の場合には、適度な柔軟性(例えば、ロックウ
ェル硬度70程度)が得られず、13重量%を超えると
内装材の表面に傷等が付き易くなって美観が損なわれ、
例えば、シートベルトとの接触によって内装材の表面部
が擦れて摩耗する等して内装材としての本来の機能が損
なわれてしまう虞がある。また、エチレンモノポリマ成
分の配合比率が多いと耐熱性が低下するという問題もあ
る。
【0009】一方、規定範囲であれば、内装材としての
性能を充分に有し、且つ、例えば乗員が強く接触したよ
うな場合には、上記エチレン・プロピレン共重合体から
なる樹脂組成物で一体に形成されたリブ構造部が破断す
ることなく座屈により良好に塑性変形するようになる。
エチレン・プロピレン共重合体の更に好ましい組成範囲
は、プロピレンモノポリマ成分が78〜82重量%、エ
チレンモノポリマ成分が7〜13重量%であり、このよ
うな共重合体を使用すると、一層衝撃、剛性のバランス
に優れ、薄肉化、高衝撃吸収化が図れる等の効果が得ら
れる。
【0010】このようなエチレン・プロピレン共重合体
は、JIS−K7210に示す試験法によるメルトフロ
ーレイト(MFR)が7〜17g/10分(230℃、
2.16kgf)である。なお、通常エチレン・プロピレ
ン共重合体に添加剤を加えるが、添加剤としては、UV
防止剤や帯電防止剤等の劣化防止剤であってもよいし、
必要に応じて着色剤や炭素繊維等の充填材、補強材等で
あってもよい。いずれにしても添加剤の添加量は、エチ
レン・プロピレン共重合体100重量部に対して2重量
部以下とされるのがよい。劣化防止剤は、樹脂組成物の
特性を長期に亘り良好な状態に保持するものであり、2
重量部以下で十分な効果が得られる。また、充填材や補
強材を2重量部を超えて添加すると、内装材の表面が荒
れ、商品性が劣る等の問題がある。
【0011】また、リブ構造部としては、背面側に格子
状に形成するのが好ましい(請求項3)。このようなリ
ブ構造部によって、通常時において内装材の形状が良好
に保持される一方、極めて良好に衝撃エネルギが吸収さ
れる。また、一方で、内装材の成形過程においては金属
等からなる成形用の型枠(成形型)を使用するのである
が、格子は垂直な平面の交わりであることから、格子を
成形する部分についての当該成形型の加工が極めて容易
なものとされる。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して、本発明の
実施形態を詳細に説明する。尚、本発明の実施例及び比
較例の内装材は、何れも同じ形状を有しており、先ず、
内装材の形状について説明する。図1を参照すると、車
両のフロントドアとリヤドア(ともに図示せず)間に存
するセンタピラー部の車室内側の上部が示されている
が、本発明に係るピラートリム等の内装材10は、内装
材10を一部切り欠いて示すように、センタピラー1の
車室内側の上部の鋼板パネル上にセンタピラー1を覆う
ようにして取り付けられている。
【0013】同図中、二点鎖線で示す符号2は車両のル
ーフ(図示せず)を支持するルーフレール部に設けられ
た内装材を示し、また、符号4は、上記ルーフレール部
とセンタピラー1のうちフロントドア及びリヤドアの各
外周にそれぞれ対応して設けられたラバー材等からなる
シール材(ウェザストリップ等)を示している。内装材
10は、中央部に窪み部12を有しており、さらにその
窪み部12には、車両の上下方向に延びて長孔14が穿
設されている。この長孔14は、二点鎖線で示すような
位置調節機能付きのシートベルト6をセンタピラー1に
固定する際に支持ボルト7が貫通する孔である。これに
より、支持ボルト7が上下方向で調節自在とされてシー
トベルト6の位置が適宜調節可能である。
【0014】また、内装材10の表面部18の所定の上
下位置には、一対の凹部16,16が設けられている。
これら一対の凹部16,16の奥部には、貫通孔(図示
せず)がそれぞれ穿設されており、そして、これら貫通
孔を貫通するようにしてクリップ(図3中の符号17参
照)が各々挿入されている。さらに、これらのクリップ
はセンタピラー1に穿設された孔にも挿入されており、
これにより、内装材10がセンタピラー1に固定されて
いる。
【0015】ところで、内装材10は比較的衝撃を吸収
し易い材料とするのがよい。内装材10が衝撃を吸収し
易いようにするには、材料自体を柔らかいものとして例
えば肉厚を厚くすることが考えられる。このような機能
を有する材料としては、後述するようにプロピレンモノ
ポリマ成分中にエチレンモノポリマ成分を含有するエチ
レン・プロピレン共重合体からなる樹脂組成物がある。
【0016】これにより、内装材10が、比較的柔らか
くされるとともに、表面に傷等が付き難くされ、この状
態が長期間保持される。また、耐熱性も確保される。と
ころが、上記のようなエチレンモノポリマ成分の配合比
率では、内装材10の内装材としての性能は確保される
一方、衝撃の吸収量は少ない。そこで、本発明の内装材
10では、上記のような材料特性を有しながら且つ充分
に衝撃を吸収するようなものとしている。以下、内装材
10の構造について説明する。
【0017】図2を参照すると、内装材10を背面から
見た図が示されている。同図に示すように、内装材10
の背面には、格子上のリブ構造部20が表面部18と一
体にして立設されている。即ち、このリブ構造部20の
各格子を形成している各リブ22についても、上記エチ
レン・プロピレン共重合体からなる樹脂組成物、つまり
PPコポリマ材料からなっている。
【0018】そして、各リブ22は一様に1mm程度の厚
みを有している。なお、この各リブ22の厚みは、必要
な衝撃の吸収量に応じて適宜設定されればよい。ここ
で、図3を参照すると、図1中のA−A線に沿う内装材
10、センタピラー1及びその周辺部材の断面が示され
ている。同図に示すように、内装材10は、上述したよ
うに、凹部16においてクリップ17によってセンタピ
ラー1に固定されており、このとき、リブ構造部20の
各リブ22は、その頂部がセンタピラー1の表面パネル
1aと当接するようにされている。
【0019】つまり、本発明の内装材10では、内装材
10に強い衝撃が加わったときに、エチレン・プロピレ
ン共重合体の樹脂組成物からなるリブ構造部20の薄板
状の各リブ22が衝撃力によって座屈、つまり塑性変形
するような仕組みとされており、これにより、内装材1
0は衝撃を良好に吸収可能とされている。なお、図3中
二点鎖線で示す符号30,32はそれぞれ前述のフロン
トドア及びリヤドアを参考までに示している。
【0020】ここで、図4を参照すると、内装材10に
物体が強く接触したときの内装材10の状態を示してあ
り、以下、同図に基づき、エチレン・プロピレン共重合
体の樹脂組成物からなり且つ上記リブ構造部20を有し
た本発明の内装材10の作用について説明する。内装材
10は、物体がそれほど強く接触しない場合にあって
は、リブ構造部20が弾性変形して衝撃を吸収する。し
かしながら、図4に示すように、物体が内装材10に強
く接触すると、接触した範囲、即ち接触部40ではリブ
構造部20がその衝撃の程度に応じて座屈、つまり塑性
変形を起こし、故に内装材10は表面部18が陥没する
ように変形する。このとき、内装材10の変形によって
衝撃エネルギが吸収される。
【0021】ここで、図5を参照すると、内装材10の
特性、即ち、上記のように内装材10に衝撃が加わった
ときの入力値である衝撃荷重Fと内装材10の表面部1
8の変位Sとの関係を示すグラフが示されている。同図
から明らかなように、本発明の内装材10では、内装材
10に衝撃荷重Fが加わると表面部18が先ず弾性域で
変位し、衝撃荷重Fが所定値F1(例えば、550〜6
00kgf)となったところで、リブ構造部20が座屈
(塑性変形)を開始することとなり、衝撃荷重Fを所定
値F1と一定にして変位Sが増加するようにされてい
る。
【0022】また、図5中の変位Sのうち所定値S1
は、図5中に示すが、内装材10の変形限界、即ちリブ
構造部20の各リブ22の高さを示している。そして、
図中、衝撃荷重Fと変位Sとによって囲まれる面積が、
内装材10の吸収する衝撃エネルギ量、つまり吸収エネ
ルギ量を示しており、同図に斜線で示す面積が、変位S
が上記所定値S1であるときの内装材10の吸収可能な
衝撃エネルギ量、つまり最大吸収エネルギ量を示してい
る。
【0023】通常、衝撃を緩和するという意味では、こ
の最大吸収エネルギ量は大きい方がよく、故に上記所定
値S1、つまり各リブ22の高さをより高くすることが
考えられる。しかしながら、一方では内装材10は車両
室内の空間を広く使用可能とすべく極力低くされるのが
よい。従って、最大吸収エネルギ量が必要充分な程度の
エネルギ吸収量となるようにして所定値S1は極力小さ
く設定されており、実際には、所定値S1は最大でも3
0mm程度以下に抑えられている。なお、衝撃荷重Fの立
ち上がり、即ち内装材10の弾性域での弾性定数を大き
くするよう材料特性を微調整すれば、所定値S1をさら
に小さくして吸収エネルギ量を増加させることも可能で
ある。
【0024】次に、上述のような形状を有する内装材1
0に使用される樹脂組成物の実施の形態、及びその樹脂
組成物を使用して内装材10を製造する方法について説
明する。 実施例1 本願発明材に使用するエチレン・プロピレン(ブロッ
ク)共重合体ペレットNo.P1(グランドポリマ社製:商
品名「MSP10」)を準備した。この共重合体ペレッ
トNo.P1 は、プロピレンモノポリマ成分が78重量%、
エチレンモノポリマ成分が12重量%からなり、メルト
フローレイト(MFR)が17g/10分(230℃、2.
16kg荷重)である。
【0025】なお、このペレットNo.P1には、100重
量部に対してUV防止剤0.3重量部が予め添加剤とし
て含まれている。UV防止剤は、樹脂部分が紫外線によ
り劣化するのを防止するために通常車両用樹脂材に添加
されるものであり、添加されることにより樹脂部材の物
性に影響を与えることはない。UV防止剤は、樹脂10
0重量部に対して0.8重量部以下添加されるのが通常
である。
【0026】そして、成型品から適宜の大きさの試験片
を切り出し、ロックウェル硬さ試験、熱変形試験、及び
衝撃荷重試験を行い、その試験結果を表1に示す。尚、
ロックウェル硬さ試験は、JIS−K7202で規定す
る方法により、熱変形試験は、JIS−K7207に準
拠する方法で、衝撃荷重試験は、JIS−K7210に
準拠する方法により行った。また、ロックウェル硬さ
は、耐傷付き性、即ち傷の付き難さの指標であり、車両
用内装材としては通常は値70以上が必要である。
【0027】実施例2 本願発明材に使用するエチレン・プロピレン(ブロッ
ク)共重合体ペレットNo.P2(日本ポリケム社製:商品
名「BC3D」)を準備した。この共重合体ペレットN
o.P2は、プロピレンモノポリマ成分が82重量%、エチ
レンモノポリマ成分が9重量%からなり、メルトフロー
レイト(MFR)が15g/10分(230℃、2.16kg
荷重)である。
【0028】なお、このペレットNo.P1には、100重
量部に対してUV防止剤0.2重量部と帯電防止剤0.
2重量部が予め添加されている。帯電防止剤は、樹脂部
材が帯電し、ほこり、ちり等が樹脂部材に付着するのを
防止するために通常添加されるものであり、UV防止剤
同様、車両用内装材に添加されることにより樹脂部材の
物性に影響を与えることはない。帯電防止剤は、樹脂1
00重量部に対して0.5重量部以下添加されるのが通
常である。
【0029】そして、実施例1と同様に射出成形機によ
り実施例1と同形状の内装材を成形し、実施例1と同様
の方法によりロックウェル硬さ試験、熱変形試験、及び
衝撃荷重試験を行い、その試験結果を表1に示す。 実施例3 本願発明材に使用するエチレン・プロピレン(ブロッ
ク)共重合体ペレットNo.P3(グランドポリマ社製:商
品名「T841J」)を準備した。この共重合体ペレッ
トNo.P3は、プロピレンモノポリマ成分が80重量%、
エチレンモノポリマ成分が10重量%からなり、メルト
フローレイト(MFR)が17g/10分(230℃、2.
16kg荷重)である。
【0030】なお、このペレットNo.P3には、100重
量部に対してUV防止剤0.3重量部が予め添加されて
いる。そして、実施例1と同様にロックウェル硬さ試
験、熱変形試験、及び衝撃荷重試験を行い、その試験結
果を表1に示す。 実施例4 本願発明材に使用するエチレン・プロピレン(ブロッ
ク)共重合体ペレットNo.P4(住友化学社製:商品名
「BP9503」)を準備した。この共重合体ペレット
No.P4は、プロピレンモノポリマ成分が79重量%、エ
チレンモノポリマ成分が9重量%からなり、メルトフロ
ーレイト(MFR)が17g/10分(230℃、2.16k
g荷重)である。
【0031】なお、このペレットNo.P4には、100重
量部に対してUV防止剤0.15重量部と帯電防止剤
0.2重量部が予め添加されている。そして、実施例1
と同様にロックウェル硬さ試験、熱変形試験、及び衝撃
荷重試験を行い、その試験結果を表1に示す。 比較例1 本発明内装材との比較のために、従来一般に内装材に使
用されるPPコポリマペレットNo.C1(日本ポリケム社
製:商品名「BC03GS」)を準備した。このペレッ
トNo.C1は、主としてプロピレンモノポリマ成分のみか
らなるもので、ペレットNo.C1の100重量部に対して
PPホモポリマを90重量部、エチレンプロピレンラバ
ーを8重量部混練したものであり、メルトフローレイト
(MFR)は35g/10分(230℃、2.16kg荷重)
である。
【0032】そして、実施例1と同じ形状の内装材を射
出成形した。比較例1の試験結果も表1に示す。 比較例2 本発明内装材との比較のために、PPコポリマペレット
No.C2(日本ポリケム社製:商品名「BC03BS
W」)を準備した。このペレットNo.C2は、ペレットNo.
C2の100重量部に対してPPホモポリマを90重量
部、エチレンプロピレンラバーを8重量部混練したもの
であり、メルトフローレイト(MFR)は35g/10分
(230℃、2.16kg荷重)である。
【0033】そして、実施例1と同じ形状の内装材を射
出成形した。この比較例2の試験結果も表1に示す。 比較例3 本発明内装材との比較のために、PPコポリマペレット
No.C3(日本ポリケム社製:商品名「BC03GS
W」)を準備した。このペレットNo.C3は、ペレットNo.
C3の100重量部に対してPPホモポリマを90重量
部、エチレンプロピレンラバーを8重量部混練したもの
であり、メルトフローレイト(MFR)は35g/10分
(230℃、2.16kg荷重)である。
【0034】そして、実施例1と同じ形状の内装材を射
出成形した。比較例3の試験結果も表1に示す。表1の
比較例1の試験結果が示すように、従来の一般的な内装
材であるBC03GSからなる内装材についていえば、
耐熱性は確保される一方で、エチレンモノポリマが少な
いためにロックウェル硬度が83と硬く、衝撃を受けた
ときにおいて変形荷重は520kgfと良好な値を示すも
のの表面の割れや各リブ22の破断が発生してしまう。
このような割れや破断が発生することは、乗員の保護と
いう観点では好ましいことではない。
【0035】また、比較例2の試験結果が示すように、
従来の一般的な内装材であるBC03BSWからなる内
装材についていえば、耐熱性は確保される一方で、エチ
レンモノポリマが少ないためにロックウェル硬度が81
と硬く、衝撃を受けたときにおいて変形荷重は530kg
fと良好な値を示すもののやはり表面の割れや各リブ2
2の破断が発生してしまう。故に乗員の保護という観点
では好ましいことではない。
【0036】また、比較例3の試験結果が示すように、
従来の一般的な内装材であるBC03GSWからなる内
装材についていえば、耐熱性は確保される一方で、エチ
レンモノポリマが少ないためにロックウェル硬度が83
と硬く、衝撃を受けたときにおいて変形荷重は525kg
fと良好な値を示すもののやはり表面の割れや各リブ2
2の破断が発生し、乗員の保護という観点では好ましい
ことではない。
【0037】これに対し、本発明に係る上記配合比率の
エチレン・プロピレン共重合体の樹脂組成物(PPコポ
リマ)からなる内装材10は、ロックウェル硬度が実施
例1では73、実施例2では72、実施例3では73、
実施例4では72とそれぞれ良好にロックウェル硬度が
70以上とされており、内装材全体が比較的柔らかくさ
れる一方で表面に傷が付き難い硬いものとされている。
また、熱変形温度に関しても、実施例1では102℃、
実施例2では110℃、実施例3では113℃、実施例
4では108℃と充分な耐熱性が確保されている。そし
て、変形荷重についても実施例1及び2ではそれぞれ4
80kgf、500kgf、実施例3及び4ではそれぞれ49
0kgf、495kgfと良好な値を示していることがわか
る。つまり、本発明に係る上記配合比率のエチレン・プ
ロピレン共重合体の樹脂組成物(PPコポリマ)からな
る内装材10は、充分に内装材としての性能を満足しな
がら、且つ高い衝撃吸収特性を有しているといえる。
【0038】
【表1】
【0039】なお、上記実施形態では、リブ構造部20
の形状を成形型の製作容易性等から格子状としたが、例
えば、図6に示すようにハニカム形状や図7に示すよう
な波状のものとしても、また、図8に示すように、上記
実施形態における格子状のリブ構造部20を変形させた
ものとしても良好な結果が得られる。また、上記実施形
態では、本発明の車両用内装材を内装材10としてセン
タピラー部に適用したが、これに限られることなく、当
該車両用内装材をフロントピラー部やリヤピラー部等の
ように車両室内の他の部位に適用してもよい。
【0040】
【発明の効果】以上、詳細に説明したように、請求項1
の車両用内装材によれば、車両用内装材はエチレン・プ
ロピレン共重合体を主成分とする樹脂組成物で構成さ
れ、背面側にリブ構造部が一体に立設されているので、
車両用内装材は、内装材としての機能を有しながら、樹
脂組成物がエチレンモノポリマ成分の含有により純粋な
プロピレンモノポリマ材料よりも全体的に柔軟なものと
されていることから、割れ等の発生もなく上記エチレン
・プロピレン共重合体の樹脂組成物で一体に形成された
リブ構造部が座屈により良好に塑性変形可能となる。従
って、簡単で安価な構成にして、内装材は、内装材とし
ての機能を有するだけではなく衝撃エネルギを良好に吸
収可能となる。
【0041】また、請求項2の車両用内装材によれば、
樹脂組成物に使用するエチレン・プロピレン共重合体
は、プロピレンモノポリマ成分を75〜85重量%、エ
チレンモノポリマ成分を7〜13重量%含んでなるの
で、内装材は、エチレンモノポリマ成分の含有量が7重
量%より小の場合のように硬すぎることがなく、また、
含有量が13重量%を超えた場合のように表面に傷等が
付き易く、シートベルトとの接触によって内装材の表面
部が擦れて摩耗する等して美観が損なわれるというよう
なことがない。故に、内装材は、良好な耐熱性を備えな
がら適度な硬度(例えば、ロックウェル硬度70程度)
で内装材としての性能を充分に有し、且つ、上記エチレ
ン・プロピレン共重合体からなる樹脂組成物で一体に形
成されたリブ構造部がより好適に座屈して塑性変形する
ことになり、衝撃エネルギを極めて良好に吸収すること
ができる。
【0042】また、請求項3の車両用内装材によれば、
リブ構造部は、背面側に薄肉で格子状に形成されている
ので、通常時において内装材の形状を良好に保持するこ
とができる一方、極めて良好にリブ構造部を座屈させて
衝撃エネルギを吸収できる。また、格子は垂直な平面の
交わりであることから、格子を成形する部分についての
成形型の加工が極めて容易であり、内装材の製造コスト
を安価に抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用内装材を示す外観図である。
【図2】車両用内装材の背面に設けられたリブ構造部を
示す斜視図である。
【図3】図1中のA−A線に沿う車両用内装材の断面を
示す図である。
【図4】変形した車両用内装材の断面を示す図である。
【図5】車両用内装材の特性を示すグラフである。
【図6】リブ構造部の変形例を示す図である。
【図7】リブ構造部の他の変形例を示す図である。
【図8】リブ構造部の他の変形例を示す図である。
【符号の説明】
1 センタピラー 10 内装材 18 表面部 20 リブ構造部 22 リブ

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 エチレン・プロピレン共重合体を主成分
    とする樹脂組成物で構成し、 背面側にリブ構造部を一体に立設したことを特徴とする
    車両用内装材。
  2. 【請求項2】 前記樹脂組成物は、プロピレンモノポリ
    マ成分が75〜85重量%でありエチレンモノポリマ成
    分が7〜13重量%であるエチレン・プロピレン共重合
    体からなることを特徴とする、請求項1記載の車両用内
    装材。
  3. 【請求項3】 前記リブ構造部は、背面側に格子状に形
    成されていることを特徴とする、請求項1または2記載
    の車両用内装材。
JP9032364A 1997-02-17 1997-02-17 車両用内装材 Pending JPH10226284A (ja)

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