JPH10226150A - インクジェット用記録シート及び記録方法 - Google Patents

インクジェット用記録シート及び記録方法

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JPH10226150A
JPH10226150A JP9030213A JP3021397A JPH10226150A JP H10226150 A JPH10226150 A JP H10226150A JP 9030213 A JP9030213 A JP 9030213A JP 3021397 A JP3021397 A JP 3021397A JP H10226150 A JPH10226150 A JP H10226150A
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JP
Japan
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ink
ink jet
jet recording
recording sheet
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JP9030213A
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Inventor
Koji Takemura
幸治 竹村
Hiroyuki Kamimura
裕之 上村
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Konica Minolta Inc
Original Assignee
Konica Minolta Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 高速、多吐出量のインクジェットプリンタで
の使用に対し、あらゆる条件下でのインク乾燥性に優
れ、かつ高画質なインクジェット用記録シート及び記録
方法を提供する。 【解決手段】 支持体の少なくとも一方の側にインク受
容層を設けてなるインクジェット用記録シートにおい
て、組成が重量比率で水/2−ピロリジノン/トリメチ
ロールプロパン/1.5−ペンタンジオール=76/
7.5/7.5/9である溶液を用いてインクジェット
プリンタにより23℃、55%RH条件下で30cc/
2吐出した後、5分後の溶液受理部の引っかき強度が
20g重以上であることを特徴とするインクジェット用
記録シート及び記録方法。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、各種のインクジェ
ットプリンタ方式に適用できるインクジェット用記録シ
ート及び記録方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】インクジェット記録装置(以下、インク
ジェットプリンタとも言う。)は、騒音が少なく、高速
印字が可能であり、また、複数個のインクノズルを使用
することにより多色記録を行うことも容易であることか
ら、特にコンピュータ用の画像情報出力装置として近年
急速に普及している。
【0003】また、フルカラー記録用に開発されたイン
クジェットプリンタの中には、銀塩写真方式のカラー画
像に匹敵するほどの高画質な画像を出力できるものもあ
る。その記録媒体として、透明なフィルムや光沢のある
樹脂被覆紙を利用したりし、又、出力する画像の内容
も、文字や図形などから写真に近い画質が要求されるカ
ラー版下やデザインイメージ等へと拡大している。
【0004】ところで、インクジェット記録用のインク
には、安全性、記録特性の面から、主に水と水溶性有機
溶媒を主成分とする水性インクが使用され、これにより
インクの目詰まり防止及び吐き出し特性向上等が図られ
ている。又、記録シートとしては、通常の紙やインクジ
ェット記録紙と称される支持体上にインク受容層を設
け、インクジェットプリンタ特有のインクにじみの問題
を解決し、高解像度を計っている。
【0005】例えば、水性インクを膨潤又は溶解する水
溶性ポリマーを用いることが提案されている。特開昭6
2−263084号では特定pHのゼラチン水溶液から
形成された受容層が、特開平6−64306号では塗布
したゼラチンを一旦ゲル状態にした後、コールドドライ
法により乾燥させて得られる記録シートが、また特開昭
62−214985号では平均分子量が5×104以上
のポリエチレンオキサイドを含有する受容層がそれぞれ
提案されている。
【0006】しかしながら、上記方法では確かに高解像
度の画質は得られるが、水性インクが完全に乾燥するま
でに長時間を要するため、取り扱いが困難であることが
判った。つまり、乾燥までに長い時間を要すると、特に
複数枚連続プリントしたときに多大な乾燥スペースが必
要となり実用上好ましくない。又、有機溶媒の種類によ
っては、水分が蒸発してもインク中の溶媒は蒸発しにく
く、長期間重ねると、裏写りが生じたり、これを防止し
ようとして中紙を挟んだような場合にも、剥がす際にく
っついてしまうなど商品価値が損なわれてしまう恐れが
ある。
【0007】まして、近年プリンタの性能は飛躍的に向
上しており、それに伴い、高速印字やインク量の増大と
乾燥条件はますます厳しくなってきている。
【0008】又、インクジェットプリンタの普及は世界
的規模となり、あらゆる環境で用いられ、特に東南アジ
アや日本の夏場など高湿条件下では、乾燥不良やその場
合に生じやすい画像層の膜強度不足が重大な問題となっ
てくると予想される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、上記
した今後重大な問題となる点を解決することに有り、高
速、多吐出量のインクジェットプリンタでの使用に対
し、特に高湿条件下でのインク乾燥性に優れ、かつ光沢
性に優れ、高解像度の高画質なインクジェット用記録シ
ート及び記録方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】本発明の目的は、下記の
構成を採ることにより達成される。
【0011】(1) 支持体の少なくとも一方の側にイ
ンク受容層を設けてなるインクジェット用記録シートに
おいて、組成が重量比率で水/2−ピロリジノン/トリ
メチロールプロパン/1.5−ペンタンジオール=76
/7.5/7.5/9である溶液を用いてインクジェッ
トプリンタにより23℃、55%RH条件下で30cc
/m2吐出した後、5分後の溶液受理部の引っかき強度
が20g重以上であることを特徴とするインクジェット
用記録シート。
【0012】(2) 前記支持体に対しインク受容層面
と反対側の面の静摩擦係数が0.6以下であることを特
徴とする(1)記載のインクジェット用記録シート。
【0013】(3) 前記インク受容層に水溶性ポリマ
ー及び/又はゼラチンが含有し、かつ含有率が30重量
%以上であることを特徴とする(1)又は(2)記載の
インクジェット用記録シート。
【0014】(4) 前記支持体がフィルム又は紙の両
面を樹脂で被覆した樹脂被覆紙であることを特徴とする
(1)〜(3)のいずれか1項記載のインクジェット用
記録シート。
【0015】(5) (1)〜(4)のいずれか1項記
載のインクジェット用記録シートを用いて画像形成する
ことを特徴とするインクジェット記録方法。
【0016】(6) 支持体の少なくとも一方の側にイ
ンク受容層を設けてなるインクジェット記録シートを用
いてプリントする記録方法において、23℃、55%R
H条件下で最大濃度部をプリントした後、5分後のイン
ク受理部の引っかき強度が20g重以上であることを特
徴とするインクジェット記録方法。
【0017】(7) 最大インク吐出量が45cc/m
2以上70cc/m2以下であることを特徴とする(6)
記載のインクジェット記録方法。
【0018】(8) インクの射出量が5pl/dro
p以上40pl/drop以下であることを特徴とする
(5)〜(7)のいずれか1項記載のインクジェット記
録方法。
【0019】以下、本発明について詳細を説明する。
【0020】本発明でいう引っかき強度とは23℃、5
5%RHの環境下において、特定の溶液(或いは溶媒)
を用いインクジェットプリンタで印字した後、溶液受理
部分に直径が100μmのサファイア針を垂直にあて、
連続荷重0〜100gをかけて10mm/秒の速度で引
っかいた後、目視にて観察し、層の破壊が起きはじめる
荷重のことをいう。この値が小さいと引っかきに対して
弱いことを表し、逆に大きいと強いことを表す。本発明
では溶液受理部分の引っかき強度を20g重以上にコン
トロールすると高湿条件下においても裏写りしないとい
う高乾燥性技術を見いだした。
【0021】溶液受理時の引っかき強度は20g重以上
であれば良好な乾燥性を示すが、50g重以上であれば
より好ましく、特に100g重以上であればより速く乾
燥し、転写しにくい。
【0022】本発明の引っかき強度の測定方法としては
組成が重量比率で水/2−ピロリジノン/トリメリロー
ルプロパン/1.5−ペンタンジオール=76/7.5
/7.5/9である溶液を用い、23℃、55%RHの
条件下で吐出量を30cc/m2とし、5×15mmの
画像を出力する。5分後に直径が100μmのサファイ
ア針を垂直にあて、100gの重りにより、0〜100
gの連続荷重をかけ毎秒10mmの速度で引っかく。1
00g以上の引っかき強度を測定する場合はそれ以上の
重りを使用すれば測定可能である。
【0023】インクが十分乾いた後で、目視にて観察
し、層の破壊が起き始める荷重を測定する。
【0024】目視で確認しにくい場合は、CCDを用い
た顕微鏡により40倍以上の拡大倍率で確認すると、膜
の破壊程度がより正確に確認することができ有効であ
る。
【0025】この時、使用する出力装置はどのようなも
のでも良いが、市販されるピエゾ方式、又はサーマル方
式のインクジェットプリンタであることが望ましい。但
し、出力画像はプリント時間や測定有効幅から考えて5
×15mm程度が望ましい。また、測定装置も連続荷重
がかけられればどのようなものでもよいが、JISK5
400で定められた鉛筆による引っかき強度の測定装置
を応用したものが好ましい。
【0026】インク受理時の引っかき強度をコントロー
ルする具体的手段として、インクの特性から改善を計る
場合、低蒸気圧溶媒を用いても良いし、インク組成をコ
ントロールしても良い、しかし、低蒸気圧溶媒を添加ま
たは増量することが望ましい。具体的には水やアルコー
ルなど蒸発が速いものが好ましく、本発明において好ま
しく用いられるインク溶媒及び染料の例を以下に示す。
【0027】染料(着色剤)としては、直接染料、酸性
染料、塩基性染料、反応性染料或いは食品用色素等の水
溶性染料が挙げられる。
【0028】インクの溶媒としては、水及び水溶性の各
種有機溶剤、例えば、メチルアルコール、エチルアルコ
ール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、
ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、ter
t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール等の炭素
数1〜4のアルキルアルコール類;ジメチルホルムアミ
ド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジ
アセトンアルコール等のケトン又はケトンアルコール
類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;
ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール等
のポリアルキレングリコール類;エチレングリコール、
プロピレングリコール、ブチレングリコール、トリエチ
レングリコール、1,2,6−ヘキサントリオール、チ
オジグリコール、ヘキシレングリコール、ジエチレング
リコール等のアルキレン基が2〜6個のアルキレングリ
コール類;グリセリン、エチレングリコールメチルエー
テル、ジエチレングリコールメチル(又はエチル)エー
テル、トリエチレングリコール、モノメチルエーテル等
の多価アルコールの低級アルキルエーテル類、2H−ピ
ロリジノン等のピロリジノン類、1−メチル−2−ピロ
リドン、2−ピロリドン等のピロリドン類等が挙げられ
る。これらの多くの水溶性有機溶剤の中でも、ジエチレ
ングリコール等の多価アルコール、トリエチレングリコ
ールモノメチルエーテル、トリエチレングリコールモノ
エチルエーテル等の多価アルコールの低級アルキルエー
テル、ピロリドン類が好ましい。
【0029】本発明においてインクの溶媒はインクヘッ
ドノズルの目詰り防止の観点から水と前記有機溶媒の混
合溶媒を用いることが好ましいが、この時、水と有機溶
媒の混合比率は重量比で1/9〜9/1が好ましく、よ
り好ましくは4/6〜9/1である。
【0030】その他のインクへの添加剤としては、例え
ば、PH調節剤、金属封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、
表面張力調整剤、湿潤剤、界面活性剤及び防錆剤等が挙
げられる。
【0031】次に引っかき強度をコントロールする具体
的手段として、記録シートからのアプローチがある。
【0032】記録シートからのアプローチとしてはバイ
ンダの種類や分子量であっても良いし、架橋剤または微
粒子を添加し、向上させても良い。また、塗布乾燥条件
又はキャストすることにより向上させることもできる。
つまり、インク溶媒が乾き難い条件でも記録シートから
のアプローチにより高湿条件下での乾燥性を向上させる
ことが可能となる。
【0033】まず、高画質な画像を得るためにインク受
容層として水溶性ポリマーまたはゼラチンを30重量%
以上、より望ましくは50重量%以上使用することが好
ましい。
【0034】本発明に用いられるゼラチンとしては、動
物のコラーゲンを原料としたゼラチンであれば何れでも
使用できるが、豚皮、牛皮、牛骨を原料としたコラーゲ
ンを原料としたゼラチンが好ましい。更にゼラチンの種
類としては特に制限はないが、石灰処理ゼラチン、酸処
埋ゼラチン、ゼラチン誘導体(例えば特公昭38−48
54号、同39−5514号、同40−12237号、
同42−26345号、特公平2−1359号、米国特
許第2,525,753号、同第2,594,293
号、同第2,614,928号、同第2,763,63
9号、同第3,118,766号、同第3,132,9
45号、同第3,186,846号、同第3,312,
553号、英国特許第861,414号、同第1,03
3,189号等に記載のゼラチン誘導体)を単独又はそ
れらを組み合わせて用いることができるが、本発明ポリ
マーとの相溶性の点から、酸処理ゼラチンであることが
好ましい。
【0035】本発明に使用することができる水溶性ポリ
マーとしては例えば、ポリビニルアルコール類、ポリビ
ニルピロリドン類、ポリビニルピリジニウムハライド、
各種変性ポリビニルアルコール類等のビニルホルマール
およびその誘導体(特開昭60−145879号、同6
0−220750号、同61−143177号、同61
−235182号、同61−235183号、同61−
237681号、同61−261089号参照)、ポリ
アルキレンオキサイド類、ポリアクリルアミド、ポリジ
メチルアクリルアミド、ポリジメチルアミノアクリレー
ト、澱粉、酸化澱粉、ジアルデヒド澱粉、カチオン化澱
粉、デキストリン、カゼイン、プルラン、デキストラ
ン、メチルセルロース、エチルセルロース、カルボキシ
メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等の
天然高分子材料またはその誘導体(特開昭59−174
382号、同60−262685号、同61−1431
77号、同61−181679号、同61−19387
9号、同61−287782号等に記載)、ポリビニル
エーテル、ポリグリセリン等を挙げることができる。こ
れらのポリマーのうち好ましくはポリビニルピロリドン
類、ポリビニルアルコール類、変性ポリビニルアルコー
ル類、ポリアルキレンオキサイド類である。
【0036】本発明で用いることができるポリアルキレ
ンオキサイド類としては、例えばポリエチレンオキサイ
ド類、ポリエチレングリコール類、ポリプロピレングリ
コール類又は下記一般式〔P〕で示される化合物等が挙
げられる。
【0037】一般式〔P〕 R3O−(A4−O)j4−(A5−O)j5−(A6−O)j6
−R4 式中、A4,A5,A6はそれぞれ置換、無置換の直鎖ま
たは分岐のアルキレン基を表すが、すべてが同一となる
ことはない。R3,R4はそれぞれ同一であっても異なっ
ても良く、水素原子、それぞれ置換、無置換のアルキル
基、アリール基、アシル基を表す。
【0038】それぞれの置換基としては、ヒドロキシ
基、カルボキシ基、スルホニル基、アルコキシ基、カル
バモイル基、スルファモイル基があげられる。好ましく
用いられるものとしては、R4、R5が水素原子であり、
4,A5,A6がそれぞれ無置換のものである。また最
も好ましいものとしては、A4,A5,A6が−CH2CH
2−又は−CH(CH3)−CH2−である。
【0039】j4,j5,j6は、それぞれ0または0
〜500の整数を表す。ただし、j4+j5+j6≧5
である。
【0040】これらのうちで、好ましく用いられるのは
j4,j5,j6のうち少なくとも1つが15以上のも
のであり、さらに好ましく用いられるのは20以上のも
のである。
【0041】また、一般式〔P〕で示される化合物が例
えば2種類のモノマーA,Bを混ぜて共重合させた共重
合体となる場合は、以下に示される配列のものも包含さ
れる。
【0042】 −A−B−A−B−A−B−A−B−A−B− −A−A−B−A−B−B−A−A−A−B−A−A−
B−B−A− −A−A−A−A−A−A−B−B−B−B−B−B−
A−A−A−A−A− これらの共重合体となるもののうち特に好ましい化合物
としては、下記一般式〔P′〕で示される、エチレング
リコールとプロピレングリコールのブロックポリマー
(プルロニック型非イオン)である。
【0043】一般式〔P′〕 HO−(CH2CH2−O)j4−〔CH(CH3)CH2
O〕j5−(CH2CH2−O)j6−H 一般式〔P′〕中、j4,j5,j6は前記一般式
〔P〕中のj4,j5,j6と同義である。
【0044】本発明に用いられるポリアルキレンオキサ
イド類で好ましいものとしてはポリエチレンオキサイド
類であり、平均分子量が10,000〜500,000
の範囲にあるものが好ましく、特に好ましくはポリエチ
レングリコール(PEGと称することもある)で、平均
分子量が50,000〜300,000の範囲のもので
ある。
【0045】ここで本発明におけるポリアルキレンオキ
サイド類の平均分子量とは水酸基価により算出した分子
量である。
【0046】本発明において、更に、インク受容層或い
はコート層には界面活性剤、バインダ、硬膜剤の他、無
機顔料、着色染料、着色顔料、インク染料の定着剤、紫
外線吸収剤、酸化防止剤、顔料の分散剤、消泡剤、レベ
リング剤、防腐剤、蛍光増白剤、粘度安定剤、pH調節
剤などの公知の各種添加剤を添加することもできる。
【0047】本発明において、インク受容層又はコート
層には画質を向上させる目的で、インク吸収性を損なわ
ない範囲で界面活性剤を添加することが好ましい。用い
られる界面活性剤はカチオン系、ノニオン系、ベタイン
系のものが好ましく用いられる。また低分子のものでも
高分子のものでも、異なる種類のものを併用してもよ
い。フッ素系の界面活性剤であれば、アニオン系、カチ
オン系、ノニオン系、ベタイン系を問わず用いられ最も
好ましい。
【0048】本発明に用いることの出来るアニオン性フ
ッ素系界面活性剤あるいはカチオン性フッ素系界面活性
剤は、例えば米国特許2,559,751号、同2,5
67,011号、同2,732,398号、同2,76
4,602号、同2,806,866号、同2,80
9,998号、同2,915,376号、同2,91
5,528号、同2,918,501号、同2,93
4,450号、同2,937,098号、同2,95
7,031号、同3,472,894号、同3,55
5,089号、英国特許1,143,927号、同1,
130,822号、特公昭45−37304号、特開昭
47−9613号、同49−134614号、同50−
117705号、同50−117727号、同50−1
21243号、同52−41182号、同51−123
92号、英国化学会誌(J.Chem.Soc.)19
50年2789頁、同1957年2574頁及び264
0頁、米国化学会誌(J.Amer.Chem.So
c.)79巻2549頁(1957年)、油化学(J.
Japan Oil Chemists Soc.)1
2巻653頁、有機化学会誌(J.Org.Che
m.)30巻3524頁(1965年)等に記載された
方法によって合成することができる。
【0049】これらのフッ素系界面活性剤のうち、ある
種のものは大日本インキ化学工業社からメガファック
(Megafac)Fなる商品名で、ミネソタ・マイニ
ング・アンド・マニファクチュアリング・カンパニー社
からフルオラッド(Fluorad)FCなる商品名
で、インペリアル・ケミカル・インダストリー社からモ
ンフロール(Monflor)なる商品名で、イー・ア
イ・デュポン・ネメラス・アンド・カンパニー社からゾ
ニルス(Zonyls)なる商品名で、又、ファルベベ
ルケ・ヘキスト社からリコベット(Licowet)V
PFなる商品名で、それぞれ市販されている。
【0050】これらカチオン性フッ素系界面活性剤とア
ニオン性フッ素系界面活性剤の合計使用量は1m2当た
り0.1〜1000mgがよく、好ましくは0.5〜3
00mg、更に好ましくは1.0〜150mgがよい。
併用する時に、それぞれを2種以上ずつ併用しても構わ
ない。その他にノニオン性フッ素系界面活性剤、ベタイ
ン型フッ素系界面活性剤、炭化水素系活性剤を併用して
もよい。
【0051】本発明に用いることの出来るアニオン性フ
ッ素系界面活性剤とカチオン性フッ素系界面活性剤の添
加割合は、モル比で1:10〜10:1が好ましく、更
には3:7〜7:3が好ましい。
【0052】また、これら水溶性バインダに耐水性を向
上させる目的として架橋剤を添加することができる。好
ましい架橋剤としてはホルムアルデヒド、グルタルアル
デヒドの如きアルデヒド系化合物、ジアセチル、クロル
ペンタンジオンの如きケトン化合物、ビス(2−クロロ
エチル尿素)、2−ヒドロキシ−4,6−ジクロロ−
1,3,5−トリアジン、米国特許第3,288,77
5号記載の如き反応性のハロゲンを有する化合物、ジビ
ニルスルホン、米国特許第3,635,718号記載の
如き反応性のオレフィンをもつ化合物、米国特許第2,
732,316号記載のN−メチロール化合物、米国特
許第3,103,437号記載の如きイソシアナート
類、米国特許第3,017,280号、同2,983,
611号記載の如きアジリジン化合物類、米国特許第
3,100,704号記載の如きカルボジイミド系化合
物類、米国特許第3,091,537号記載の如きエポ
キシ化合物、ムコクロル酸の如きハロゲンカルボキシア
ルデヒド類、ジヒドロキシジオキサンの如きジオキサン
誘導体の如き有機架橋剤等があり、これらを1種または
2種以上組み合わせて用いることができる。架橋剤の添
加量はインク受容層100gに対して0.01〜10g
が好ましく、より好ましくは0.1〜5gである。
【0053】本発明で用いられる記録シートとのインク
受容層中に平均粒径1μm以下の微粒子を含有させるこ
ともできる。上記微粒子の平均粒径は光沢性の観点から
0.2μm以下であることが好ましく、より好ましくは
0.02μm以下の範囲である。微粒子としては無機微
粒子であっても有機微粒子であっても良いが、有機微粒
子の場合、ガラス転移温度または皮膜形成温度が50℃
以上300℃以下であることが好ましい。
【0054】無機微粒子とは、例として酸化物(例えば
二酸化珪素、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化アル
ミニウム等)アルカリ土類金属塩(例えば硫酸塩や炭酸
塩であって、具体的には硫酸バリウム、炭酸カルシウ
ム、硫酸マグネシウム等)、画像を形成しないハロゲン
化銀粒子(塩化銀や臭化銀等で更にハロゲン成分として
沃素原子が僅かながら加わってもよい)やガラス等であ
る。
【0055】この他に西独特許2,529,321号、
英国特許第760,775号、同1,260,772
号、米国特許第1,201,905号、同2,192,
241号、同3,053,662号、同3,062,6
49号、同3,257,206号、同3,322,55
5号、同3,353,958号、同3,370,951
号、同3,411,907号、同3,437,484
号、同3,523,022号、同3,615,554
号、同3,635,714号、同3,769,020
号、同4,021,245号、同4,029,504号
等に記載されている無機マット剤を用いることもでき
る。
【0056】その中でも相溶性や取扱性を考えるとシリ
カ系微粒子または硫酸バリウムなどが最も好ましい。
【0057】また、有機微粒子とは澱粉、セルロースエ
ステル(例えば、セルロースアセテートプロピオネート
等)、セルロースエーテル(例えばエチルセルロース
等)、合成樹脂等である。合成樹脂の例としては、水不
溶又は難溶性合成ポリマーであり、例えばアルキル(メ
タ)アクリレート、アルコキシアルキル(メタ)アクリ
レート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)ア
クリルアミド、ビニルエステル(例えば酢酸ビニル)、
アクリロニトリル、オレフィン(例えばエチレン等)、
スチレン、ベンゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合物
などの単独若しくは組み合わせ、又はこれらとアクリル
酸、メタクリル酸、α,β−不飽和ジカルボン酸、ヒド
ロキシアルキル(メタ)アクリレート、スルホアルキル
(メタ)アクリレート、スチレンスルホン酸等の組み合
わせを単量体成分とするポリマーを用いることができ
る。
【0058】その他エポキシ樹脂、ナイロン、ポリカー
ボネート、フェノール樹脂、ポリビニルカルバゾール、
ポリ塩化ビニリデン等も用いることができる。
【0059】この他に英国特許第1,055,713
号、米国特許第1,939,213号、同2,221,
873号、同2,268,662号、同2,322,0
37号、同2,376,005号、同2,391,18
1号、同2,701,245号、同2,992,101
号、同3,079,257号、同3,262,782
号、同3,443,946号、同3,516,832
号、同3,539,344号、同3,591,379
号、同3,754,924号、同3,767,448
号、特開昭49−106821号、同57−14835
号等に記載されている有機マット剤を用いることができ
る。
【0060】なかでもポリメチルメタクリレート、ベン
ゾグアナミン・ホルムアルデヒド縮合ポリマー(ベンゾ
グアナミン樹脂、具体的には下記構造式で示されるも
の、例えば商品名エポスター:日本触媒化学工業(株)
製:既存化学物質7−31など)、ポリオレフィン(例
えば商品名フロービーズLE−1080、CL−208
0、HE−5023:製鉄化学製或いは商品明ケミパー
ルV−100:三井石油化学製)、ポリスチレンビーズ
(モリテックス社製)、ナイロンビーズ(モリテックス
社製)、AS樹脂ビーズ(モリテックス社製)、エポキ
シ樹脂ビーズ(モリテックス社製)、ポリカーボネート
樹脂(モリテックス社製)等が好ましい。
【0061】その中でもガラス転移温度が50℃以上3
00℃以下のポリウレタン微粒子を用いることが最も好
ましい。
【0062】これら微粒子の含有量としては1重量%以
上50重量%以下であることが望ましく、より好ましく
は10重量%以上30重量%以下の範囲内である。
【0063】本発明において、性能に影響のない範囲で
ポリマーと共に使用できる化合物としては、フェノール
系化合物、チアゾリン系化合物、トリアジン系化合物、
モルホリン系化合物、イミダゾール系化合物、グアニジ
ン系化合物及びベンツトリアゾール系化合物等が挙げら
れる。
【0064】具体的な化合物としてはオルトフェニルフ
ェノールおよびその塩(カリウム、ナトリウム)、2−
オクチル−4−イソチアゾリン、ベンツイソチアゾリン
−3−オン、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オ
ン、5−クロロ−2−メチル−4−イソチアゾリン−3
−オン、2−チオメチル−4−エチルアミノ−6−
(1,2−ジメチルプロピルアミノ)−s−トリアジ
ン、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス(2−ヒドロキ
シエチル)−s−トリアジン、4−(2−ニトロブチ
ル)モルホリン、4−(3−ニトロブチル)モルホリ
ン、2−(4−チアゾリル)ベンツイミダゾール、ドデ
シルグアニジン塩酸塩、ベンツトリアゾールが挙げられ
るがこれらに限定されるものではない。
【0065】本発明のインク受容層を形成する方法とし
ては、サイズプレス法、ロールコーター法、ブレードコ
ーター法、エアナイフコーター法、ゲートロールコータ
ー法、ロッドバーコーター法、カーテン法、スライドホ
ッパー法、エクストルージョン法等、通常用いられてい
る塗工方法が用いられる。
【0066】塗工後の乾燥方法に特に制限はないが、特
開平6−64306号の4頁に記載されているコールド
ドライ法は品質感の高い記録シートを得るために好まし
い乾燥方法である。
【0067】本発明において、インク受容層は単層構成
でも多層構成でもよいが、インク吸収性やインク定着性
など機能分離するために複数の層で構成されていること
が好ましく、さらに好ましくは3層以上で構成されてい
ることである。また、最上層には微粒子を存在させるこ
とが好ましい。
【0068】本発明において支持体に対し、インク受容
層と反対面(裏面とも言う)の静摩擦係数を0.6以下
好ましくは0.34以下にすることが連続印字または重
ねたときのインク受理部に対する擦り傷、転写を防止
し、本発明の効果を飛躍的に向上させる。このとき裏面
は支持体そのものであっても良いし、カール特性や静摩
擦係数をコントロールするためにバックコート層を有し
ていても良い。
【0069】本発明のインクジェット用記録シートにお
いては、必要に応じてバックコート層を設けることがで
きる。バックコート層とは、インク受容層を有する面と
反対面(裏面)に形成される層のことであり、実質的に
インク受容層の機能を有していても良い。
【0070】バックコート層に用いられる素材として
は、インク受容層に用いたものと同様の素材であること
が好ましい。
【0071】また、バックコート層には、市販の硬膜剤
やマット剤等の物性改良剤を添加することが好ましい。
【0072】その他にも添加剤としてpH調整剤、金属
封鎖剤、防カビ剤、粘度調整剤、表面張力調整剤、湿潤
剤、防錆剤等を適用することができる。
【0073】本発明において用いられる支持体として
は、透明な支持体でも不透明な支持体でも使用目的に応
じて用いることができる。
【0074】透明な支持体としては、従来公知のものが
いずれも使用でき、例えば、ポリエステル樹脂、セルロ
ースアセテート樹脂、アクリル樹脂、ポリカーボネート
樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリイミド樹脂、セロファ
ン、セルロイドなどのフィルムがある。これらの中で支
持体の剛性、透明性の観点からポリエステル樹脂、特に
ポリエチレンテレフタレートフィルムが好ましい。
【0075】このような透明支持体はその厚さが10〜
200μm程度のものが好ましく、更に好ましくは50
〜150μm程度のものである。
【0076】不透明支持体としては、樹脂被覆紙、顔料
入り不透明フィルム、発砲フィルム等の従来公知のもの
がいずれも使用できるが、光沢性、平滑性の観点から樹
脂被覆紙、各種フィルムが好ましい。手触り感、高級感
から樹脂被覆紙、特にポリオレフィン樹脂被覆紙又はポ
リエステル系のフィルムがより好ましい。
【0077】本発明において好ましく用いられるポリオ
レフィン被覆紙を構成する原紙は、特に制限はなく、一
般に用いられている紙が使用できるが、より好ましくは
例えば写真用支持体に用いられているような平滑な原紙
が好ましい。原紙を構成するパルプとしては天然パル
プ、再生パルプ、合成パルプ等を1種もしくは2種以上
混合して用いられる。この原紙には一般に製紙で用いら
れているサイズ剤、紙力増強剤、填料、帯電防止剤、蛍
光増白剤、染料等の添加剤が配合される。
【0078】さらに、表面サイズ剤、表面紙力剤、蛍光
増白剤、帯電防止剤、染料、アンカー剤等が表面に塗布
されていてもよい。
【0079】また、原紙の厚みに関しては特に制限はな
いが、紙を抄造中または抄造後カレンダー等にて圧力を
印加して圧縮するなどした表面平滑性の良いものが好ま
しく、その坪量は30〜250g/m2が好ましい。
【0080】樹脂被覆紙の樹脂としては、ポリオレフィ
ン樹脂や電子線で硬化する樹脂を用いることができる。
ポリオレフィン樹脂としては、低密度ポリエチレン、高
密度ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン、ポリ
ペンテンなどのオレフィンのホモポリマーまたはエチレ
ン−プロピレン共重合体などのオレフィンの2つ以上か
らなる共重合体およびこれらの混合物であり、各種の密
度、溶融粘度指数(メルトインデックス)のものを単独
にあるいはそれらを混合して使用できる。
【0081】また、樹脂被覆紙の樹脂中には、酸化チタ
ン、酸化亜鉛、タルク、炭酸カルシウムなどの白色顔
料、ステアリン酸アミド、アラキジン酸アミドなどの脂
肪酸アミド、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸カルシウ
ム、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸マグネシ
ウムなどの脂肪酸金属塩、イルガノックス1010、イ
ルガノックス1076などの酸化防止剤、コバルトブル
ー、群青、セシリアンブルー、フタロシアニンブルーな
どのブルーの顔料や染料、コバルトバイオレット、ファ
ストバイオレット、マンガン紫などのマゼンタの顔料や
染料、蛍光増白剤、紫外線吸収剤などの各種の添加剤を
適宜組み合わせて加えるのが好ましい。
【0082】本発明において好ましく用いられる支持体
である樹脂被覆紙は、走行する原紙上にポリオレフィン
樹脂の場合は、加熱溶融した樹脂を流延する、いわゆる
押出しコーティング法により製造され、その両面が樹脂
により被覆される。また、電子線により硬化する樹脂の
場合は、グラビアコーター、ブレードコーターなど一般
に用いられるコーターにより樹脂を塗布した後、電子線
を照射し、樹脂を硬化させて被覆する。また、樹脂を原
紙に被覆する前に、原紙にコロナ放電処理、火炎処理な
どの活性化処理を施すことが好ましい。支持体のインク
受容層が塗布される面(表面)は、その用途に応じて光
沢面、マット面などを有し、特に光沢面が優位に用いら
れる。裏面に樹脂を被覆する必要はないが、カール防止
の点から樹脂被覆したほうが好ましい。裏面は通常無光
沢面であり、表面あるいは必要に応じて表裏両面にもコ
ロナ放電処理、火炎処理などの活性処理を施すことがで
きる。また、被覆樹脂層の厚みとしては特に制限はない
が、一般に5〜50μmの厚みに表面または表裏両面に
コーティングされる。
【0083】本発明に好ましく用いられるインクジェッ
トプリンタとしてはどんなものでも効果を発現するが、
特にオンデマンド型のピエゾ方式、サーマル方式、アレ
イ方式が好ましい。
【0084】また、この時、高解像度を実現するために
射出量は1dropあたり5以上40pl(ピコリット
ル)以下であることが好ましく、射出孔の大きさは3μ
m以上60μm以下であることが好ましい。また、印字
速度を速くするためには射出孔の数は1ヘッド当たり1
0個以上40個以下であることが好ましい。さらに最大
濃度を出すために最大濃度部から中間濃度部の最大イン
ク吐出量は45cc/m2以上70cc/m2以下である
ことが好ましい。
【0085】
【実施例】以下、実施例を挙げて本発明を詳細に説明す
るが、本発明の態様はこれに限定されない。尚、文中
「部」とは「重量部」を表す。
【0086】(試料の作製) 実施例1 以下の方法に従い上質紙を作製した。濾水度310ml
のLBKP及び軽質炭酸カルシウムを85/15重量部
の各配合比で配合し、サイズ剤(アルキルケテンダイマ
ー)0.05部、カチオン化澱粉1.0部、紙力増強剤
0.2部、歩留向上剤0.05部からなる抄紙原料を
0.03%の濃度に調製し、長網多筒式抄紙機にて抄紙
した。次いで、サイズプレス塗工により、澱粉を固形分
で2g/m2塗工し、坪量70g/m2の上質紙を得た。
【0087】上記によって得られた坪量70g/m2
上質紙の片面に日本合成(株)社製ゴーセノールGL−
05を固形分として5重量%、綜研化学社製マット剤
MR13G(重量平均粒径10μ)を塗工量10mg/
2となるように調整し、乾燥固形分として12.5g
/m2となるように、バーコート法により塗工した後、
表面にキャストを施し、試料を作製した。
【0088】実施例2 坪量60g/m2の基材の表面に低密度ポリエチレン7
0部と高密度ポリエチレン20部からなる樹脂組成物を
20g/m2塗工し、裏面に低密度ポリエチレン50部
からなる樹脂組成物を20g/m2塗工した支持体(R
C−1)の表面に日本合成(株)社製ノニオン変性ポリ
ビニルアルコール(PVAともいう)OKS9602を
固形分として10重量%、下記界面活性剤FA、FKを
固形分に対し0.3重量%、となるように塗工液を調整
し、乾燥固形分として20g/m2となるように、バー
コート法により塗工した。
【0089】その後、裏面にバックコート層として、上
記ポリビニルアルコールを固形分10重量%、上記マッ
ト剤を塗工量200mg/m2となるように調整した塗
工液により、乾燥固形分として10g/m2となるよう
に、バーコート法により塗工し、試料を作製した。
【0090】
【化1】
【0091】実施例3 上記支持体RC−1の基材の坪量を110g/m2にし
た他は実施例1と同様の操作により作製した支持体(R
C−2)の表面に、コニカゼラチン(株)社製KV−3
000を5重量%、BASF(株)社製ポリビニルピロ
リドン(PVPともいう)K−90 2.5重量%、重
量平均分子量5万のポリエチレングリコール(PEGと
もいう)2.5重量%、上記マット剤の塗工量が60m
g/m2となるように調整した塗工液により、乾燥固形
分として25g/m2となるように、バーコート法によ
り塗工した。
【0092】その後、裏面にバックコート層として、上
記ゼラチンを固形分10重量%、コニカ(株)社製ラテ
ックスLA181を3重量%、上記マット剤を塗工量1
80mg/m2となるように調整した塗工液により、乾
燥固形分として20g/m2となるように、バーコート
法により塗工し、試料を作製した。
【0093】実施例4 上記支持体の原紙の坪量を160g/m2にした他は実
施例1と同様の操作により作製した支持体の表面に実施
例3と同様の塗工液により13g/m2となるように、
バーコート法により塗工し、続いて宮城ゼラチン(株)
社製酸処理ゼラチン(PM64)5重量%、上記BAS
F社製PVP K−90 2.5重量%、上記PEG
2.5重量%、富士シリシア社製サイリシア431 2
0重量%、界面活性剤FA、FKをバインダに対し0.
3重量%となるように調整した塗工液をその上から、乾
燥固形分として2g/m2となるように、バーコート法
によりオーバーコートした。
【0094】その後、裏面にバックコート層として、上
記ゼラチンを固形分10重量%、コニカ(株)社製ラテ
ックスLA181を3重量%、上記マット剤を塗工量1
00mg/m2となるように調整した塗工液により、乾
燥固形分として12g/m2となるように、バーコート
法により塗工し、試料を作製した。
【0095】実施例5 厚みが150μmの酸化チタン含有ポリエチレンテレフ
タレートフィルム(W−PETともいう)の片面に、宮
城ゼラチン(株)社製酸処理ゼラチンPM645重量
%、日本合成(株)社製ノニオン変性PVA OSK9
602を3.5重量%、明成化学(株)社製アルコック
スR150 1.5重量%、界面活性剤FA,FKをバ
インダーに対し0.3重量%となるように調整した塗布
液により、乾燥固形分として17g/m2となるよう
に、バーコート法により塗工し、試料を作製した。
【0096】実施例6 実施例2に使用した支持体RC−1の表面に、宮城ゼラ
チン(株)社製酸処理ゼラチンPM64 4重量%、日
本合成(株)社製ノニオン変性PVA OSK9602
を4重量%、明成化学(株)社製アルコックスR150
2重量%、界面活性剤FA,FKをバインダに対し
0.3重量%となるように調整した塗布液に下記化合物
H−1で表される素材をバインダーに対し0.5重量%
添加したあと、乾燥固形分が13g/m2となるよう
に、バーコート法により塗工した。
【0097】その後、裏面に上記酸処理ゼラチンを5重
量%、上記ノニオン変性PVA 5重量%、日本触媒
(株)社製ポリメントNK−200を1%、綜研化学
(株)社製MR13Gを塗工量300mgとなるよう調
整した塗工液により、乾燥固形分が10g/m2となる
ように、バーコート法により塗工し、試料を作製した。
【0098】
【化2】
【0099】実施例7 坪量を150g/m2とした他は実施例1と同様の操作
により作製した上質紙の片面に日本合成(株)社製ゴー
セノールGL−05を固形分として5重量%、第一工業
製薬(株)社製水系ポリウレタンF−8438Dを5重
量%ほど添加し、綜研化学(株)社製マット剤 MR1
3G(重量平均粒径10μm)を塗工量70mg/m2
となるように調整し、乾燥固形分として5g/m2とな
るように、バーコート法により塗工したあと、キャスト
コート法により鏡面光沢度70%となるように表面にキ
ャストを施した。
【0100】その後、裏面に、上記塗工液に化合物H−
1を添加した後、乾燥固形分が3g/m2となるよう
に、バーコート法により塗工し、試料を作製した。
【0101】実施例8 実施例4使用の支持体RC−3の表面に日本合成(株)
社製ゴーセノールGL−05を固形分として3重量%、
米庄石灰(株)社製微粒子炭酸カルシウムのミクローン
200を27重量%ほど添加し、綜研化学社製マット剤
MR13G(重量平均粒径10μm)を塗工量100
mg/m2となるように調整し、乾燥固形分として50
g/m2となるように、バーコート法により塗工したあ
と、表面にキャストコート法により鏡面光沢度50%に
なるようにキャストを施した。
【0102】実施例9 坪量60g/m2の上質紙の表面に第一工業製薬(株)
社製イソシアネートエラストロンE37を塗工し、80
℃に加熱したあと、キャストを施し、支持体CC−1を
作製した。
【0103】次に宮城ゼラチン社製酸処理ゼラチンPM
64 4重量%、BASF社製PVP K−90 4重
量%、明成化学(株)社製アルコックスR150を2重
量%、デュポン・スペシャリティ・ケミカルズ社製コロ
イダルシリカ ルドックスAM 15%となるように調
整した塗布液に下記化合物H−1で表される素材をバイ
ンダーに対し1.0重量%添加したあと、乾燥固形分が
45g/m2となるように、バーコート法により塗工
し、試料を作製した。
【0104】比較例1 坪量50g/m2の普通紙の片面に、重量平均分子量2
万のポリエチレングリコールを固形分が30重量%とな
るように塗工液を調整し、乾燥固形分が18g/m2
なるようにバーコート法により、試料を作製した。
【0105】比較例2 坪量70g/m2の上質紙の片面に、重量平均分子量2
万のポリエチレングリコールを固形分が30重量%とな
るように塗工液を調整し、乾燥固形分が6g/m2とな
るようにバーコート法により塗工したあと表面にキャス
トを施し、試料を作製した。
【0106】比較例3 実施例2で使用した支持体の片面にコニカゼラチン
(株)社製KV−3000を固形分が15重量%、界面
活性剤FA,FKをバインダに対し1.0重量%となる
ように塗工液を調整し、乾燥固形分が10g/m2とな
るようにバーコート法により塗工し、試料を作製した。
【0107】上記実施例1〜9及び比較例1〜3で作製
した試料を予め、表面の引っかき強度と表/裏面の静摩
擦係数を測定し、その後、日本電気(株)社製インクジ
ェットプリンタ PICTY400を用いて最大濃度部
から最小濃度部までのシアン、マゼンタ、イエロー、ブ
ラックのカラーパッチを出力し、下記評価方法により画
質、印刷品位、乾燥性評価を行った。その結果を表1に
示す。
【0108】<引っかき強度測定方法>十分乾いた試料
を23℃、55%RHで約12時間放置した後、組成が
重量比率で水/2−ピロリジノン/トリメリロールプロ
パン/1.5−ペンタンジオール=76/7.5/7.
5/9である溶液作製し、その溶液をインクジェットプ
リンタ用インクカートリッジに詰め替え、吐出量を30
cc/m2として、5×15mmの画像を出力する。5
分後に溶液受理部分を新東化学(株)社製 引っかき強
度試験器 TYPE−HEIDON18と直径が100
μmのサファイア針を垂直にして用い、0〜100gの
連続荷重をかけ毎秒10mmの速度で引っかく(100
g以上の引っかき強度を測定する場合はそれ以上の重り
を使用すれば測定可能である)。
【0109】溶液が十分乾いた後で、目視にて観察し、
層の破壊が起き始める荷重を読み取り引っかき強度とし
た。目視で確認しづらい場合はCCDを用いた顕微鏡に
より40倍以上の拡大倍率で確認した。
【0110】<表面に対する裏面の静摩擦係数>十分乾
いた試料を23℃、55%RHで約12時間放置した
後、2枚重ね、新東化学(株)社製 静摩擦係数測定機
トライボギアTYPE10にセットし、測定する。滑
り出したときのtanθを読みとり静摩擦係数とする。
この値が大きいほど静摩擦が大きいことを表す。
【0111】<印字部分の光沢>インクが十分乾いた印
字サンプルの印字部分を目視にて観察し、以下の基準に
より評価を行った。
【0112】 ◎:イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックすべての部
分に於いて光沢があり、写真並の光沢感がある ○:全体的にやや光沢が劣っているが、バランスが取れ
ており全く問題ない △:特にブラック部の光沢が劣っており、若干沈んだよ
うに見えるが、実用上は問題ないレベルである ×:印字部分から光沢が損なわれており、商品価値がな
い。
【0113】<印刷品質>インクが十分乾いた印字サン
プルの印字部分を目視にて観察し、以下の基準により評
価を行った ○:ドットの粒状性に優れており、高鮮鋭の画質が得ら
れている △:ドット間に色濁りが生じているが、全体的にはまと
まった画像が得られている ×:ドット間に色濁り、高濃度部の白抜け、印字部のし
わが認められ、画質が明らかに劣化しており、問題とな
るレベルである。
【0114】<普通紙及び裏面への転写性>23℃、7
0%の環境下でプリントし、印字直後から5分、30
分、120分、12時間と普通紙及び同じサンプルを上
から重ね、その上に10g/cm2の荷重をかけ、転写
レベルを目視にて確認した。
【0115】 ◎:印字後5分で全く転写無し ○:印字後5分では各色ともに僅かな転写は認められる
が、30分で全く転写無し △:印字後60分では各色とも僅かな転写が認められる
が、12時間後には転写が認められなくなった ×:印字後24時間経っても全色ともに転写し、剥がす
際、破れてしまい問題となるレベルである。
【0116】<耐擦り傷性>23℃、70%の環境下で
20枚プリントし、24時間放置したあと、20枚全部
を重ねてポリエチレン袋に入れ密封し、振動試験器で1
時間振動させた。その後、取り出して目視にて観察し
た。
【0117】 ◎:20枚すべての画像に問題は見られなかった ○:1〜2枚の印字部分の一部に表面がこすれた後が認
められるが実用上問題ない △:3〜5枚の印字部分の一部に表面がこすれた後が認
められるが実用上問題ない ×:20枚すべてにこすれた後があり、かつ印字部の光
沢が損なわれ、商品価値がない。
【0118】
【表1】
【0119】以上の結果から、引っかき強度を20g重
以上にコントロールすることでプリント品質を維持し、
かつ乾燥性の優れたインクジェット記録シートを提供す
ることができる。また、静摩擦係数を0.6以下とする
ことで重ねたときの擦り傷防止にも効果があることがわ
かる。
【0120】実施例10 下記組成に従い各色のインクを作製した。
【0121】(イエローインク) ジエチレングリコール(以下DEGともいう) 8.9重量% グリセリン(以下GLYともいう) 8.6重量% トリエチレングリコールモノブチルエーテル(以下TMEともいう) 6.3重量% トリエタノールアミン(以下TEAともいう) 0.1重量% ノニオン系界面活性剤(S−1) 1.0重量% DIRECT YELLOW86 0.75重量% DIRECT YELLOW120 0.75重量% 純水 73.6重量%
【0122】
【化3】
【0123】 (マゼンタインク1) DEG 9.6重量% GLY 9.9重量% TME 8.9重量% TEA 0.6重量% サーフィノール465(日信化学) 0.75重量% 染料1(下記〔化4〕参照) 0.5重量% 尿素 8.1重量% 純水 60.65重量% (マゼンタインク2) DEG 8.6重量% GLY 11.9重量% TME 10.5重量% TEA 0.6重量% サーフィノール465(日信化学) 0.75重量% 染料1 1.75重量% 尿素 10重量% 純水 55.6重量% (シアンインク1) DEG 15.2重量% GLY 11.6重量% TME 9.5重量% TEA 0.6重量% 界面活性剤S−1 1.0重量% DIRECT BLUE199 1.25重量% 純水 60.85重量% (シアンインク2) DEG 8.9重量% GLY 11.2重量% TME 8.3重量% TEA 0.6重量% 界面活性剤S−1 1.0重量% DIRECT BLUE199 3.5重量% 純水 66.5重量% (ブラックインク) DEG 0.9重量% 2−ピロリジノン 3.9重量% GLY 8.9重量% ジエチレングリコールモノブチルエーテル 9.2重量% TEA 0.6重量% 界面活性剤S−1 1.0重量% 染料2(下記〔化4〕参照) 1.5重量% 染料3(下記〔化4〕参照) 1.5重量% 染料4(下記〔化4〕参照) 1.0重量% 純水 73.5重量%
【0124】
【化4】
【0125】作製したインクをそれぞれセイコーエプソ
ン(株)社製PM−700用のインクカートリッジを改
造したものに詰め替えた。次にPM−700用プリンタ
ドライバーを改造し、インクの最大吐出量を表2の値に
コントロールした。さらに装置を改造し、ノズル径や振
動数を制御することにより、1ドロップあたりのインク
の射出量を表2に示すよな値にコントロールし、各記録
シートにおける印刷品質及び乾燥性をプリント条件23
℃80%RHにした他は前記評価方法により評価を行っ
た。また、この時、引っかき強度は最大インク吐出量部
を前記と同様の方法により測定した。
【0126】その結果を表2に示す。
【0127】
【表2】
【0128】以上のことから、本発明の記録方法により
プリントすると、高湿条件下でも優れた乾燥性及び画質
を実現することができ、かつ最大インク吐出量が増し、
乾き難い条件下でも同様に十分効果を発揮する事がわか
る。
【0129】
【発明の効果】本発明により、高速、多吐出量のインク
ジェットプリンタでの使用に対し、あらゆる条件下での
インク乾燥性に優れ、かつ高画質なインクジェット用記
録シート及び記録方法を提供することが出来る。

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 支持体の少なくとも一方の側にインク受
    容層を設けてなるインクジェット用記録シートにおい
    て、組成が重量比率で水/2−ピロリジノン/トリメチ
    ロールプロパン/1.5−ペンタンジオール=76/
    7.5/7.5/9である溶液を用いてインクジェット
    プリンタにより23℃、55%RH条件下で30cc/
    2吐出した後、5分後の溶液受理部の引っかき強度が
    20g重以上であることを特徴とするインクジェット用
    記録シート。
  2. 【請求項2】 前記支持体に対しインク受容層面と反対
    側の面の静摩擦係数が0.6以下であることを特徴とす
    る請求項1記載のインクジェット用記録シート。
  3. 【請求項3】 前記インク受容層に水溶性ポリマー及び
    /又はゼラチンを含有し、かつ含有率が30重量%以上
    であることを特徴とする請求項1又は2記載のインクジ
    ェット用記録シート。
  4. 【請求項4】 前記支持体がフィルム又は紙の両面を樹
    脂で被覆した樹脂被覆紙であることを特徴とする請求項
    1〜3のいずれか1項記載のインクジェット用記録シー
    ト。
  5. 【請求項5】 請求項1〜4のいずれか1項記載のイン
    クジェット用記録シートを用いて画像形成することを特
    徴とするインクジェット記録方法。
  6. 【請求項6】 支持体の少なくとも一方の側にインク受
    容層を設けてなるインクジェット記録シートを用いてプ
    リントする記録方法において、23℃、55%RH条件
    下でプリントした後、5分後の最大インク吐出量部分の
    引っかき強度が20g重以上であることを特徴とするイ
    ンクジェット記録方法。
  7. 【請求項7】 最大インク吐出量が45cc/m2以上
    70cc/m2以下であることを特徴とする請求項6記
    載のインクジェット記録方法。
  8. 【請求項8】 インクの射出量が5pl/drop以上
    40pl/drop以下であることを特徴とする請求項
    5〜7のいずれか1項記載のインクジェット記録方法。
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