JPH10226088A - インクジェット記録装置および記録ヘッドの吐出回復処理方法 - Google Patents

インクジェット記録装置および記録ヘッドの吐出回復処理方法

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JPH10226088A
JPH10226088A JP3024397A JP3024397A JPH10226088A JP H10226088 A JPH10226088 A JP H10226088A JP 3024397 A JP3024397 A JP 3024397A JP 3024397 A JP3024397 A JP 3024397A JP H10226088 A JPH10226088 A JP H10226088A
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JP
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ink
recording
liquid
recording head
ink jet
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JP3024397A
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English (en)
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Toshiji Inui
利治 乾
Masaya Uetsuki
雅哉 植月
Mitsuhiro Ono
光洋 小野
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Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Publication of JPH10226088A publication Critical patent/JPH10226088A/ja
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    • BPERFORMING OPERATIONS; TRANSPORTING
    • B41PRINTING; LINING MACHINES; TYPEWRITERS; STAMPS
    • B41JTYPEWRITERS; SELECTIVE PRINTING MECHANISMS, i.e. MECHANISMS PRINTING OTHERWISE THAN FROM A FORME; CORRECTION OF TYPOGRAPHICAL ERRORS
    • B41J3/00Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed
    • B41J3/407Typewriters or selective printing or marking mechanisms characterised by the purpose for which they are constructed for marking on special material
    • B41J3/4078Printing on textile

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  • Engineering & Computer Science (AREA)
  • Textile Engineering (AREA)
  • Ink Jet (AREA)
  • Particle Formation And Scattering Control In Inkjet Printers (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 インクおよびインク中の染料を不溶化する液
体を用いて記録を行う場合において、記録ヘッドに付着
した不溶化物に起因した吐出不良を解消し、高い信頼性
を維持できるインクジェット記録装置を提供する。 【解決手段】 記録ヘッドの1走査分の記録データ、6
4吐出口分×360カラム×8を8つの領域に分け、こ
れらそれぞれの領域の記録デューティーを調べ、デュー
ティーが50%を越える領域が1つでも存在する場合に
は、その走査の記録でインクと上記液体の混合物が記録
ヘッドの吐出口面に付着した量が多いと判断して走査後
に吐出口面のワイピングを行う。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、被記録媒体上にイ
ンクを吐出して記録を行うインクジェット記録装置およ
び記録ヘッドの吐出回復処理方法に関し、詳しくはイン
クおよびこのインク中の色材を不溶化または凝集させる
ことが可能な液体を吐出させて記録を行うインクジェッ
ト記録装置および記録ヘッドの吐出回復処理方法に関す
るものである。なお、本発明は紙や布、不織布、OHP
用紙等の被記録媒体を用いる機器全てに適用でき、具体
的な適用機器としては、プリンタ、複写機、ファクシミ
リなど事務機器や捺染装置等の大量生産機器等を挙げる
ことができる。
【0002】
【従来の技術】従来より、紙、布、プラスチックシー
ト、OHP用シート等の被記録媒体(以下、単に記録紙
とも言う)に対して記録を行うインクジェット記録装置
は、高密度かつ高速な記録が可能である等、種々の利点
を有し、情報処理システムの出力手段、例えば複写機、
ファクシミリ、電子タイプライタ、ワードプロセッサ、
ワークステーション等の出力端末としてのプリンタ、あ
るいはパーソナルコンピュータ、ホストコンピュータ、
光ディスク装置、ビデオ装置等に具備されるハンディプ
リンタまたはポータブルプリンタとして広く用いられて
いる。
【0003】この場合、インクジェット記録装置は、こ
れらの装置固有の機能、使用形態等に対応した構成をと
るが、一般的には、記録手段としての記録ヘッドおよび
インクタンクを搭載するキャリッジと、記録紙を搬送す
るための搬送手段とこれらを制御するための制御手段と
を具備する。そして、複数の吐出口からインク滴を吐出
させる記録ヘッドを、記録紙に対しその搬送方向(副走
査方向)と直交する方向(主走査方向)に走査させこの
間にインク吐出を行うとともに、各走査の間記録紙を記
録幅に等しい量で間欠搬送するものである。この構成
は、記録信号に応じてインクを記録用紙上に吐出させて
記録を行うものであり、ランニングコストが低く、記録
に伴う騒音の少ない記録方式として広く用いられてい
る。また、インクを吐出するための多数の吐出口が副走
査方向に直線上に配置された記録ヘッドを用いることに
より、記録ヘッドが記録用紙上を走査することで吐出口
数に対応した幅の記録がなされ、これにより、記録動作
の高速化を図ることもできる。
【0004】また、昨今のフルカラー記録の需要に応じ
て記録ヘッドを3ないし4色分のインクについて搭載
し、フルカラーで画像形成が可能な装置が実用化されて
いる。このような装置は、通常、イエロー(Y),マゼ
ンタ(M),シアン(C)の3原色またはこれら3原色
に黒(以下、ブラックともいう;Bk)を含めた4色の
インクに対応する4種類の記録ヘッドおよびインクタン
クを搭載するものである。
【0005】ところで、従来のインクジェット記録方式
によるカラー記録画像において、各色間のインクのにじ
みを防止することと、黒画像の高濃度化およびフェザリ
ングの防止することとは相反する課題であることが知ら
れており、このため、従来の装置にあって、カラー記録
画像の品位についてユーザーのニーズに十分に応えるこ
とは困難でなことであった。これは、次のような理由に
よることも知られているところである。
【0006】通常、インクジェット記録方法によって普
通紙にカラー記録を行う場合は、比較的浸透速度が速い
速乾性のインクを用い、これにより画像を構成する各色
領域の境界で、インクのにじみを防ぐことができる。し
かし、速乾性のインクを用いた場合、黒画像部は濃度が
低く、また、黒以外の彩色画像部は発色性の低いものと
なることが多い。さらに、特に文字等に代表される線画
を記録する場合、紙の繊維に沿ってインクがにじむ、い
わゆるフェザリングの発生が顕著となる。特に、黒色イ
ンクで記録された文字は他の色のものと比較してフェザ
リングが目立ちやすく、いわゆるシャープさに欠けた不
鮮明な文字となる。このように高濃度や発色性を求める
結果、全体として記録画像の品位が著しく低下したもの
となる場合がある。
【0007】一方、これに対し、普通紙への浸透速度が
比較的遅いインクを、ある程度多く打ち込むことによ
り、フェザリングを防止しつつ高濃度等を実現しようと
する場合には、例えば黒画像領域とカラー画像領域との
境界に接する部分において、黒インクとカラーインクの
にじみが生じ、記録画像の品位を著しく損なうことがあ
る。
【0008】以上の問題を解消する方式の一つとして、
記録装置内にヒータを設けてインクの乾燥を促進し、高
発色で色間のにじみのないカラー画像を得る方式が知ら
れている。しかし、この方式では装置の大型化、コスト
アップを招き易い。
【0009】また、特開平3−146355号公報で
は、黒とカラーの境界域に沿った領域は記録しない方法
が提案されている。しかし、この方法は、記録されるべ
きデータを変化させるものであり、これによって実際に
記録される画像の品位を損う場合もある。
【0010】さらに、特開平4−158049号公報で
は、カラー記録用の複数の色に対応した記録ヘッドと文
字記録用の記録ヘッドとを具え、記録画像に応じてカラ
ー記録用ヘッドと文字記録用のヘッドとを切り替えて記
録する方法が提案されている。この方法では、カラー記
録用ヘッドで記録した黒画像と、文字記録用ヘッドで記
録した黒画像とが混在した場合には、両者の品位の違い
による違和感が生じることがある。
【0011】さらに、黒とカラーの境界に沿った黒領域
はカラーインクを重ね打ちして黒を形成し、黒とカラー
の境界域でのにじみを防止する方法が考えられている。
このように、黒はY,M,Cの3色を重ね合わせて(混
色して)も得られるが、カラーインクを混色して形成し
た黒画像は通常の黒インクに比べ発色性が劣る傾向にあ
る。
【0012】一方、特開昭56−84992号公報や特
開昭64−63185号公報には、インク中の染料を不
溶化させる液体を用いる技術が開示されている。
【0013】このうち、特開昭56−84992号公報
は、記録紙に予め染料を定着するための材料を塗工して
おく方法が開示されている。しかしながら、この方法で
は特定の記録紙を用いる必要があり、また予め染料を定
着するための材料を塗工するには装置の大型化、コスト
アップが避けられず、さらには記録紙上に安定して前記
材料の所定の膜厚で塗工することが比較的困難であると
いった課題がある。
【0014】また、特開昭64−63185号公報は、
染料を不溶化する無色のインクをインクジェット記録ヘ
ッドによって記録紙上に付着させる技術が開示されてい
る。この方法によれば、前記無色のインクのドット径を
画像用インクのドット径よりも大きくしているので、画
像用インクと無色インクそれぞれの着弾位置がずれた場
合でも所望の特性を満足できるとしている。しかし、こ
の方法では、画像位置に対応した部分に打ち込まれる無
色インクは通常よりも多いので、よりインクの乾燥時間
が長くなるだけでなく、不鮮明な画像になるおそれがあ
った。
【0015】さらに特開平7−195823号公報で
は、無色の前駆物質をインクジェット記録が先立って被
記録媒体表面に付与することにより、特に1走査でのカ
ラー記録が可能であるとしている。
【0016】以上のように、不溶化液体に関する上記各
文献に開示された方法は、それ程十台ではないそれぞれ
の課題を有しているが、インク中の染料を不溶化する液
体をカラー記録に適用した場合には各色間のインクのに
じみを防止できる可能性がある。
【0017】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、インク
およびそのインク中の染料を不溶化させるための液体と
を吐出する上記のような構成にあっては、記録ヘッドか
らのインクまたは液体の吐出に伴って発生するミスト等
により記録ヘッドの吐出口面等において上記液体とイン
クとの反応物が形成される場合がある。
【0018】このようなインクと液体との不溶化物は、
吐出口やその近傍に付着すると、吐出されるインク滴の
ヨレや不吐出を引き起こし、これにより、記録画像の劣
化をもたらすことがある。
【0019】本発明は、このようなヘッドに付着した不
溶化物に起因した課題を解決し、染料を不溶化するイン
クを用いながら、高い信頼性を維持して常に高品位な画
像を得ることができるインクジェット記録装置および記
録ヘッドの吐出回復処理方法を提供することを目的とす
る。
【0020】
【課題を解決するための手段】そのために本発明では、
インクおよび該インク中の色材を不溶化する液体をそれ
ぞれ吐出する記録ヘッドを用い、インクおよび液体を被
記録媒体に吐出して記録を行うインクジェット記録装置
において、記録ヘッドの吐出回復処理を行う吐出回復手
段と、記録データに基づき、所定の記録領域における記
録デューティーの分布を求め、該分布において少なくと
も所定の記録デューティー値以上の分布が存在するとき
は、前記吐出回復手段による吐出回復処理を行わせる吐
出回復制御手段と、を具えたことを特徴とする。
【0021】また、インクおよび該インク中の色材を不
溶化する液体をそれぞれ吐出する記録ヘッドを用い、イ
ンクおよび液体を被記録媒体に吐出して記録を行うイン
クジェット記録装置における記録ヘッドの吐出回復処理
方法において、記録ヘッドの吐出回復処理を行う吐出回
復装置を用意し、記録データに基づき、所定の記録領域
における記録デューティーの分布を求め、該分布におい
て少なくとも所定の記録デューティー値以上の分布が存
在するときは、前記吐出回復装置による吐出回復装置を
行わせる、各ステップを有したことを特徴とする。
【0022】以上の構成によれば、所定の記録領域にお
ける記録デューティーの分布が求められ、この分布に基
づいて吐出回復処理を行うか否かが定められるので、例
えば局所的に記録デューティーの高い記録領域が存在
し、それによってインクと液体の混合物が記録ヘッドに
多量に付着した場合でも、これに適切に対応して吐出回
復処理を行うことが可能となる。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の実
施形態を詳細に説明する。
【0024】図1は、本発明の一実施形態に係る記録ヘ
ッドの概略構成を説明する図である。同図に示すよう
に、本実施形態の記録ヘッドは、黒インクを吐出する吐
出口からなる吐出口群(以下、この吐出口群を1つの記
録ヘッドとし、「記録ヘッド」と称する場合もある)1
kおよびこの黒インクを不溶化する液体(以下、記録性
向上液ともいう)を吐出する吐出口からなる吐出口群1
sを並列させて配設するものである。
【0025】図2(a)〜(c)は、上記記録ヘッドの
吐出口群1Sおよび1Kのうち、例えばそれぞれ2つの
吐出口から吐出される記録性向上液および黒インクを各
記録画素に吐出するプロセスの一例を説明する図であ
る。図2(a)は、例えば2×2画素に記録ヘッド1k
により黒インクを、記録ヘッド1sにより記録性向上液
を吐出させた結果を示している。図2(a)の画像を得
るために、まず図2(b)に示すように記録ヘッド1s
により記録性向上液sを吐出させる。続いて、図2
(c)に示すように同じ画素に対して記録ヘッド1kに
より黒インクを吐出させる。以上により黒インクと記録
性向上液を用いた画像が形成される。
【0026】ところで、本願発明者によれば、図2に示
す記録を行う場合、上述したように吐出口面等において
インクと記録性向上液との混合物の固着が生じ、その結
果吐出するインク滴がヨレて画像劣化を引き起こした
り、吐出口の目詰まりによる不吐出を生じるが、その要
因の一つが、インクや記録性向上液を被記録媒体に対し
て吐出させた際に生じる、媒体からの跳ね返りであるこ
とがわかっている。図3図3(a)は、被記録媒体50
上に、インクあるいは記録性向上液51が吐出された際
に生じる跳ね返りの様子を示す図である。インクあるい
は記録性向上液51が被記録媒体50に着弾すると、そ
の跳ね返りによって小液滴52が生じ被記録媒体50に
対して斜め上方、すなわち記録ヘッドの吐出口面に向か
って飛翔する。この場合、上述した図2に示す例では、
被記録媒体に付与される液体は記録性向上液であるた
め、跳ね返りの小液滴は記録性向上液となる。
【0027】図3(b)は、被記録媒体上に記録性向上
液53が付与された後に、黒インク滴54を付与する際
に生じる跳ね返りの様子を示したものである。この場合
は、先に付与された記録性向上液の層53に対して黒イ
ンク54が付与されるが、その際にも図3(a)と同様
に跳ね返りによる小液滴55が被記録媒体50から離れ
る方向、すなわち記録ヘッドの吐出口面に向かって飛翔
する。
【0028】先に説明したように、図2に示す記録プロ
セスの場合、図3(a)における跳ね返りによる小液滴
52は記録性向上液であるが、図3(b)における跳ね
返りによる小滴液55は、必ずしも単一の液体であると
は限らない。この時の成分は使用するインクと記録性向
上液の表面張力や粘度の特性およびいずれを先に付与し
たかによって左右されることが発明者の研究により明ら
となっている。
【0029】たとえば、表面張力の高いインクと表面張
力の低い記録性向上液を用いる場合には、記録性向上液
の層53が比較的早く被記録媒体中に浸透するため、図
3(b)に示すケースでは小滴液55は主に黒インクで
ある。その結果、記録ヘッドの吐出口面に付着するのは
ほとんど黒インクとなるので、吐出口面での固着の問題
は生じにくい。この場合、記録性向上液の表面張力が低
いため、後から付与された黒インクも被記録媒体に浸透
しやすくなる。その結果、実現される記録濃度は比較的
低く、また、フェザリングの生じた画像となり画像品位
を低下させる。
【0030】一方、記録性向上液の表面張力を徐々に上
げていくと記録濃度が高く、フェザリングの生じない高
品位な黒画像を得ることができる。この場合には記録性
向上液の層53が被記録在中に浸透しにくく、図3
(b)に示すケースでは小液滴55は主に記録性向上液
とインクが反応したものが含まれる。その結果、記録ヘ
ッドの吐出口面にはインクと記録性向上液との混合物が
付着し、吐出口面での固着や目詰まりを引き起こす。
【0031】以上説明したように、跳ね返りによる小液
滴の発生は、インクと記録性向上液の特性に左右される
が、さらに記録する画像の記録デューティによってもそ
の量が異なってくる。すなわち、記録デューティが低い
と跳ね返りによる小滴液はほとんど発生しないが、反面
記録デューティが高いと跳ね返りによる小液滴は多く発
生し、信頼性に影響を及ぼすことになる。
【0032】図4はこの特性を説明するものである。
【0033】図4(a)は、記録デューティを変化させ
て記録したときの記録ヘッド1kの吐出口面への跳ね返
りによる小液滴の付着量を定性的に示したものである。
【0034】すなわち、図4(a)は、図5(a)〜
(d)のような、各記録デューティーでかつそれが記録
領域全体で均一であるような場合の付着量を示すもので
ある。図4(a)において、100%デューティーに対
応する白丸は、A4サイズの記録紙1ページ分に図5
(a)で示すようなデューティ100%のベタ画像を記
録したときの吐出口面への跳ね返りによる小液滴の付着
量を示し、50%デューティーに対応する白丸は図5
(b)に示すようなデューティ50%の市松模様をA4
サイズの記録紙2ページ分に記録したときの吐出口面へ
の跳ね返りによる小液滴の付着量を示し、同様に25%
デューティーに対応する白丸は、図5(c)に示すよう
にデューティ25%の均一な画像をA4サイズで4ペー
ジ分記録したときの付着量を示し、さらに、残りの白丸
は、図5(d)に示すように12.5%の均一な中間調
画像をそれぞれA4サイズの記録紙に8ページ分きろく
したときの吐出口面への跳ね返りによる小液滴の付着量
を示す。この図4(a)から明らかなように、ドット密
度が均一となる画像を記録する場合は、ミスト付着量は
総記録量(ドット数)に比例することがわかる。一方、
図4(a)に示すこの特性について、単位領域当りの記
録による付着量を記録デューティー毎に表わしたものが
図4(b)に示す白丸で示す特性である。すなわち画像
がベタや中間調のように一様で均一なパターンである場
合には、跳ね返りによって記録ヘッドの吐出口面に付着
する小液滴の量は記録領域のサイズにかかわらず、記録
デューティーに対してほぼリニアな関係にあることがわ
かる。このようにベタ画像や中間調画像のようにドット
が比較的均一に分布する画像を記録する場合には、総記
録量もしくは平均した記録デューティーがミスト付着量
にほぼ対応することになる。
【0035】しかしながら、本発明者らは同じ記録デュ
ーティであっても、同一領域内の中の一部の領域に偏っ
て画像データが存在する場合には、図4(b)の白丸で
示す特性とは異なることを見い出した。
【0036】例えば、A4サイズ1ページ当たり5%の
記録デューティになるような一様な中間調の画像を記録
した場合と、同じくA4サイズ1ページ当たりに平均で
5%の記録デューティになるように14ポイントの文字
を記録した場合とでは、記録ヘッドの吐出口面に付着す
る跳ね返りによる小液滴の量は異なる。前者の場合は図
4(a)および(b)の白丸の特性にほぼ一致するが、
後者の場合は跳ね返りによる小液滴の量は多くなり、図
4(b)の黒丸で示す程度となり、これは白丸で示す特
性のデューティ約40%に相当する。これは、文字画像
が微視的に見るとベタ画像と白画像とが繰り返えされた
ものであり、その部分において局所的に約40%の記録
デューティーとなったものと考えられる。
【0037】本願発明は以上の点に着目してなされたも
のであり、記録ヘッドの吐出口面に付着した跳ね返りに
よる小液滴の量が、吐出に影響を及ぼさない限度である
所定の量になったときに回復動作を行い、高い信頼性を
確保できるようにするため、予め設定された局所的な領
域の画像の記録デューティに応じて記録ヘッドのワイピ
ング等による回復を行うものである。
【0038】なお、本発明において、記録性の向上と
は、濃度、彩度、エッジ部分のシャープネス度合い、ド
ット径等の画質特性を向上させること、インクの定着性
を向上させること、耐水性、耐光性等の耐候性、すなわ
ち画像保存性を向上させること等の意味も含むものであ
る。
【0039】また、不溶化は、インク中の染料に含まれ
るアニオン性基と記録性向上液中に含まれるカチオン性
物質のカチオン性基がイオン的に相互作用を起こしてイ
オン結合が生じ、インク中に均一に溶解していた色材
(染料)が溶液中から分離する現象である。なお、本発
明においては必ずしもインク中の全ての染料が不溶化し
なくとも、濃度の向上、文字品位の向上、定着性の向上
と行った効果が得られる。
【0040】また、凝集とは、インクに使用している色
材がアニオン性基を有する水溶性染料の場合には、不溶
化と同一の意味で使用される。また、インクに使用して
いる色材が顔料の場合には、顔料分散剤あるいは顔料表
面と記録性向上液中に含まれるカチオン性物質のカチオ
ン性基がイオン的相互作用を起こし、顔料の分散破壊が
生じ、顔料の粒子径が巨大化することを含む。通常、上
述した凝集に伴って、インクの粘度が上昇する。なお、
本発明においては必ずしもインク中の全ての顔料または
分散剤が不溶化しなくとも、本発明で述べるような濃度
の向上、文字品位の向上、定着性の向上といった効果が
得られる。
【0041】
【実施例】以下、具体的な実施例を用いて本発明をさら
に詳細に説明する。
【0042】(実施例1)図6は、本発明の適用が可能
なインクジェット記録装置の一例(インクジェットプリ
ンタ)の概略的構成を説明するためのものである。
【0043】このプリンタは、記録性向上液を吐出させ
るための記録ヘッド1sと黒インクを吐出させるための
記録ヘッド1kとを搭載したキャリッジ2と、プリンタ
本体から電気信号を記録ヘッドに送るためのフレキシブ
ルケーブル3と、回復手段を有するキャップユニット4
と、被記録媒体7を給紙するための給紙トレイ8等を具
える。さらに、キャップユニット4は、記録ヘッド1
s,1kに対応したキャップ部材5s,5kと、ゴム等
の部材ででき記録ヘッド1sに対応したワイパーブレー
ド6sと記録ヘッド1kに対応したワイパーブレード6
kとを具備する。これらブレードは、それぞれ対応する
記録ヘッドの吐出口面をワイピングするために、それぞ
れ別個に記録ヘッドの移動経路に対して進退移動できる
よう構成されている。このような構成からなるプリンタ
は、記録ヘッド1s,1kを被記録媒体の搬送方向と直
交する方向(主走査方向)に走査させて吐出口数に対応
した幅の記録を行い、一方で非記録時には被記録媒体7
を記録幅に等しい送り量で間欠的に搬送するものであ
る。
【0044】記録ヘッド1s,1kはそれぞれ64個の
吐出口を1インチ当たり360個の密度で有しており、
各吐出口からは約40ngの記録性向上液またはインク
がそれそれ吐出される。従って、副走査方向の記録密度
は360dpiであり、それに伴い主走査方向の記録密
度も360dpiで記録されるように構成されている。
【0045】図7は、上述したインクジェットプリンタ
の制御構成を示すブロック図である。
【0046】参照符号301は、装置全体を制御するた
めのシステムコントローラを示し、内部にはマイクロプ
ロセッサをはじめ、制御プログラムが収納されている記
憶素子(ROM)、マイクロプロセッサが処理を行う際
に使用する記憶素子(RAM)等が配置されている。参
照符号302は、主走査方向に記録ヘッドを駆動させる
ためのドライバを示し、同様に303は、副走査方向に
被記録材を移動させるためのドライバを示す。参照符号
304,305は、上記ドライバにそれぞれ対応したモ
ータであり、ドライバからの速度、移動距離などの情報
を受け取り動作する。
【0047】参照符号306は、ホストコンピュータを
示し、本実施例のプリンタに対して記録すべきデータ等
を送る。参照符号307は、上記ホストコンピュータ3
06からのデータを一時的に格納するための受信バッフ
ァを示し、システムコントローラ301により記録デー
タが読み込まれるまでこれを蓄積するものである。参照
符号308は、記録すべきデータをイメージデータに展
開するためのフレームメモリを示し、記録に必要な分の
メモリサイズを有している。本実施例では被記録媒体7
としての記録用紙1枚分を記憶可能なサイズのフレーム
メモリについて説明するが、本発明はこのフレームメモ
リのサイズには限定されないことは勿論である。参照符
号309は、記録すべきデータを一時的に記憶するため
のバッファを示し、記録ヘッドの吐出口数等によりその
記憶容量は変化する。参照符号310は、記録ヘッドを
システムコントローラからの指令により適切にコントロ
ールするためのものであり、記録速度、記録データ数等
を制御するための記録制御部を示す。この記録制御部3
10は記録性向上液を吐出するためのデータを生成す
る。また、1回の記録ヘッドの走査で記録される画像デ
ータの記録デューティの計数もここで行われる。参照符
号311は、記録性向上液を吐出させるための記録ヘッ
ド1s、黒インクを吐出させるための記録ヘッド1kを
駆動するためのドライバであり、記録制御部310から
の信号によりコントロールされる。
【0048】以上の制御構成において、まず、ホストコ
ンピュータ306から画像データが転送されると受信バ
ッファ307に一時的に格納される。次に、格納されて
いる画像データは、システムコントローラ301によっ
て読み出されてバッファ309に展開される。記録制御
部310は、バッファ309に展開されたデータを基に
して記録性向上液を吐出させるためのデータの作成を行
う。そして、各バッファ内の画像データおよび記録性向
上液用データに基づいて記録ヘッドの動作を制御する。
【0049】なお、記録性向上液用の吐出データは、本
実施例の場合、黒インクの吐出を示すデータ“1”に対
して“1”を生成するものである。すなわち、本実施例
では、黒インクの吐出データに対して1対1の対応で記
録性向上液が生成される。これにより、黒インクが形成
される画素には、必ず記録性向上液が吐出されることに
なる。しかし、記録性向上液の生成はこれに限られない
ことは勿論であり、黒インクの吐出データより少ない吐
出データあるいはそれにより多いデータとなる対応付け
であってもよい。この場合、次に説明する記録デューテ
ィーの値も記録性向上液の記録デューティーも考慮され
ることなる。
【0050】本実施例では、以上説明した記録動作にお
いて、記録画像の1走査分について局所的な記録デュー
ティを調べ、それが所定値より高い場合には回復動作を
行うよう制御する。具体的には図8に示すように、1回
の走査で記録を行う画像領域内を、64吐出口分×1イ
ンチ(360カラム分)=23,040画素からなるウ
インドウを一つの単位として8個のウインドウに分割
し、8個の各ウインドウの記録デューティがいずれか一
つでも50%を越える場合にはワイパーブレード6kに
よりその1回の走査の終了後に記録ヘッド1kの吐出口
面をワイピングする。一方、8個全てのウインドウの記
録デューティが50%以下の場合には回復動作を行わな
い。
【0051】なお、上述したウインドウのサイズや記録
デューティー値の閾値(上記実施形態では50%)は、
装置における具体的なミスト付着量等に基づいて定める
ことができる。例えばあるウインドウのサイズのデータ
による記録を行いそのときの付着量がワイピングで除去
できるものか否かを調べる実験を種々のサイズおよびデ
ューティーについて行い、上記ウインドウのサイズ等を
定めることができる。また、これらサイズや閾値を定め
る際に考慮する要因としては、上記付着量の他に、ミス
ト除去性、ミストの凝集しやすさ、吐出口と紙との距
離、吐出速度、ヘッドの寿命等を挙げることができる。
【0052】このように、本発明は、所定領域における
記録デューティーの分布を求め、この分布において所定
の記録デューティー以上の部分があれば、または、以下
の実施例で示すように所定値以上の記録デューティーの
分布が所定数以上ある場合には、吐出回復処理を行うも
のである。
【0053】なお、本実施例の場合、先に吐出するのは
記録ヘッド1sであるので、そのヘッドへの跳ね返りに
よる小液滴は記録性向上液である、このため記録ヘッド
1sの吐出口面においてインクと記録性向上液の混合物
はほとんど存在しない。従って、記録ヘッド1sに対し
ては通常の回復動作でよく、例えば1ページ分の記録終
了後にワイパーブレード6sによりワイピングすればよ
い。
【0054】なお、混合物を除去する構成としては上述
のようにブレードを用いたワイイングのみではなく、こ
れとともに、あるいは別個にウレタン等による払拭動作
を行ってもよい。
【0055】本実施例では以下に示すインクと記録性向
上液を用いた。
【0056】 (インク) グリセリン 5重量部 チオジグリコール 5重量部 尿素 5重量部 イソプロピルアルコール 4重量部 C.Iダイレクトブラック154 3重量部 水 78重量部 (記録性向上液) ポリアクリルアミン−塩酸塩 1重量部 トリブチルアミンクロライド 1重量部 チオジグリコール 10重量部 アセチレノール 0.5重量部 水 87.5重量部 本実施例の方法に基づき、種々の記録デューティを有す
る中間調画像やポイント数の異なる文字を連続に記録し
たところ、常に高品位な黒画像を得ることができた。
【0057】また、本実施例による上述の記録終了後、
記録ヘッドの吐出口面を観察したところ、小液滴の付着
は画像の種類によらず極めて少なくかった。これによ
り、吐出口近傍におけるインクおよび記録性向上液の混
合物付着による信頼性低下を防止することができる。
【0058】(実施例2)本実施例は、上記実施例1で
説明したインクジェット記録装置において、さらに精度
よく回復動作を行わせ、より高い信頼性を得ようとする
ものである。
【0059】図9は本実施例におけるウインドウを示す
ものであり、実施例1よりも小さく、記録ヘッドの走査
方向に0.5インチ(180画素分)の領域の記録デュ
ーティを検出するためのものである。従って、このウイ
ンドウは、記録ヘッドの1回の走査分のデータに対して
16個設定されることになる。
【0060】本実施例では、各々のウインドウにおいて
記録デューティが50%を越えるものを計数し、そのよ
うなウインドウの数合計4個を越えた場合に回復動作を
行うようにするものである。
【0061】上述の実施例1の場合は、1個のウインド
ウについて50%デューティーであるから記録ヘッドの
1走査の全画素数に対して100×1/8×0.5=
6.25%の平均記録デューティが回復動作を行う最低
のデューティであった。
【0062】一方、本実施例では、同じく記録ヘッドの
1走査の全画素数に対して100×1/16×0.5×
2=6.25%の平均記録デューティが回復動作を行う
最低のデューティとなる。しかしながら、本実施例では
ウインドウが小さいので、実施例1に比較して文字等が
存在する画像に対しても、より忠実に跳ね返りによる小
液滴の量に対応することができ、信頼性がさらに向上す
る。
【0063】(実施例3)上述の実施例1,2では所定
サイズのウインドウで1つの走査領域を分割して記録デ
ューティーを調べたが、記録ヘッドの走査方向に所定カ
ラムずつウインドウがずれるようにしてもよい。
【0064】例えば、図10に示すように記録ヘッドの
走査方向に8カラム分のウインドウを設定し、このサイ
ズのウインドウを1カラムずつ図中左から右にずらして
設定して行き、それぞれのウインドウで記録デューティ
ーを調べ、記録デューティが75%を越えるウインドウ
が1走査内で何回発生するかを計数し、この回数が所定
値を越えたら回復動作を行うよう制御する。この方法に
よれば、より細かな文字を記録した場合にもそれらの文
字のデータによる記録デューティーを十分に反映させる
ことができ、これにより、適正な回復動作を行うことが
可能となる。
【0065】(その他の実施例)上記実施例1ないし3
は、黒画像を記録するモノクロプリンタの場合について
説明したが、本発明はカラー画像を記録するために複数
色のカラーインクを具備したカラープリンタについても
適用できることは勿論である。
【0066】図11(a)〜(c)は、カラープリンタ
に用いられる記録ヘッドの構成例を示したものである。
【0067】同図(a)に示す記録ヘッド100は、記
録性向上液を吐出させる記録ヘッド100s、黒イン
ク、シアンインク、マゼンタインク、イエローインクを
それぞれ吐出させる記録ヘッド100k,100c,1
00m,100yよりなる。
【0068】また、同図(b)に示す記録ヘッド101
は、記録性向上液を吐出させる記録ヘッド100s、黒
インクを吐出させる記録ヘッド101k、シアンイン
ク、マゼンタインク、イエローインクを吐出させる記録
ヘッド101c,101m,101yよりなり、これら
の吐出口群101c,101m,101yが一体となっ
ている。
【0069】なお、このようなカラー記録の場合は、記
録性向上液は黒インク以外に対しても吐出される場合が
ある。この場合には、全ての色に1対1に吐出するので
はなく、例えばシアン,マゼンタ,イエローのうち2色
のインクが重なった画素に記録性向上液を吐出するよう
にすることができる。この場合の記録デューティーはそ
のような重なりのある画素のデューティーを計算すれば
よい。
【0070】さらに同図(c)に示す記録ヘッド102
は、同図(a)で示した記録ヘッドに加え、記録性向上
液を吐出させる記録ヘッド102sを挟むように黒イン
クを吐出させる記録ヘッド102k1を配設したもので
ある。
【0071】また、記録ヘッドの回復手段として、上記
各実施例ではゴム等からなるワイパーブレードを用い、
記録ヘッドの走査方向にワイピングする例について説明
したが、ワイピング方向を記録ヘッドの走査方向に対し
鉛直方向に行ってもよい。
【0072】さらに、回復手段としては、ゴム等からな
るワイパーブレードに限定されるものではなく、多孔質
のポリウレタン等からなる部材等を用いてもよく、また
両者を組み合わせてもよい。さらに、回復手段として、
記録ヘッドの吐出口面を払拭するだけでなく吸引動作等
を行ってもよい。
【0073】また、記録ヘッドの吐出口面に付着した凝
集物は乾燥すると除去しにくくなるため環境条件によっ
て回復させるタイミングを異ならせてもよい。例えば、
低湿下ではより速く回復動作を行うようにデューティを
小さく設定することなどが有効である。
【0074】なお、本発明を実施するにあたって、使用
するインクは特に染料インクに限るものではなく、顔料
を分散させた顔料インクを用いることもできるし、使用
する処理液はその顔料を凝集させるものを用いることが
できる。前記した無色液体A1と混合して凝集を引き起
こす顔料インクの一例として以下のものを挙げることが
できる。すなわち、下記に述べるようにして、それぞれ
顔料とアニオン性化合物とを含むイエロー,マゼンタ,
シアン,ブラックの各色インク、Y2,M2,C2およ
びK2を得ることができる。
【0075】ブラックインクK2 アニオン系高分子P−1(スチレン−メタクリル酸−エ
チルアクリレート、酸価400、重量平均分子量6,0
00、固形分20%の水溶液、中和剤:水酸化カリウ
ム)を分散剤として用い、以下に示す材料をバッチ式縦
型サンドミル(アイメックス株式会社製)に仕込み、1
mm径のガラスビーズをメディアとして充填し、水冷し
つつ3時間分散処理を行った。分散後の粘度は9cp
s、pHは10.0であった。この分散液を遠心分離機
にかけ粗大粒子を除去し、重量平均粒径100nmのカ
ーボンブラック分散体を作製した。
【0076】 (カーボンブラック分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 40部 ・カーボンブラック 24部 (商品名;Mogul L、キャブラック株式会社製) ・グリセリン 15部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 次に、上記で得られた分散体を充分に拡散して顔料が含
有されたインクジェット用のブラックインクK2を得
た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0077】イエローインクY2 アニオン系高分子P−2(スチレン−アクリル酸−メチ
ルメタアクリレート、酸価280、重量平均分子量1
1,000、固形分20%の水溶液、中和剤:ジエタノ
ールアミン)を分散剤として用い、以下に示す材料を用
いて、ブラックインクK2の作製の場合と同様に分散処
理を行い、重量平均粒径103nmのイエロー色分散体
を作製した。
【0078】 (イエロー分散体の組成) ・P−2水溶液(固形分20%) 35部 ・C.I.ピグメントイエロー180 24部 (商品名;ノバパームイエロー PH−G、 Hoechst Aktiengesellschaft製) ・トリエチレングリコール 10部 ・ジエチレングリコール 10部 ・エチレングリコールモノブチルエーテル 1.0部 ・イソプロピルアルコール 0.5部 ・水 135部 上記で得られたイエロー分散体を充分に拡散して、顔料
が含有されたインクジェット用のイエローインクY2を
得た。最終調製物の固形分は、約10%であった。
【0079】シアンインクC2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径120nmのシアン色分散
体を作製した。
【0080】 (シアン色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 30部 ・C.I.ビグメントブルー15:3 24部 (商品名;ファストゲンブル−FGF、 大日本インキ化学工業株式会社製) ・グリセリン 15部 ・ジエチレングリコールモノブチルエーテル 0.5部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたシアン色分散体を充分に攪拌して、顔料
が含有されたインクジェット用のシアンインクC2を得
た。最終調製物の固形分は、約9.6%であった。
【0081】マゼンタインクM2 ブラックインクK2の作製の際に使用したアニオン系高
分子P−1を分散剤として用い、以下に示す材料を用い
て、前記したカーボンブラック分散体の場合と同様の分
散処理を行い、重量平均粒径115nmのマゼンタ色分
散体を作製した。
【0082】 (マゼンタ色分散体の組成) ・P−1水溶液(固形分20%) 20部 ・C.I.ピグメントレッド122 24部 (大日本インキ化学工業株式会社製) ・グリセリン 15部 ・イソプロピルアルコール 3部 ・水 135部 上記で得られたマゼンタ色分散体を充分に拡散して、顔
料が含有されたインクジェット用のマゼンタインクM2
を得た。最終調製物の固形分は、約9.2%であった。
【0083】(その他)なお、本発明は、特にインクジ
ェット記録方式の中でも、インク吐出を行わせるために
利用されるエネルギとして熱エネルギを発生する手段
(例えば電気熱変換体やレーザ光等)を備え、前記熱エ
ネルギによりインクの状態変化を生起させる方式の記録
ヘッド、記録装置において優れた効果をもたらすもので
ある。かかる方式によれば記録の高密度化,高精細化が
達成できるからである。
【0084】その代表的な構成や原理については、例え
ば、米国特許第4723129号明細書,同第4740
796号明細書に開示されている基本的な原理を用いて
行うものが好ましい。この方式は所謂オンデマンド型,
コンティニュアス型のいずれにも適用可能であるが、特
に、オンデマンド型の場合には、液体(インク)が保持
されているシートや液路に対応して配置されている電気
熱変換体に、記録情報に対応していて核沸騰を越える急
速な温度上昇を与える少なくとも1つの駆動信号を印加
することによって、電気熱変換体に熱エネルギを発生せ
しめ、記録ヘッドの熱作用面に膜沸騰を生じさせて、結
果的にこの駆動信号に一対一で対応した液体(インク)
内の気泡を形成できるので有効である。この気泡の成
長,収縮により吐出用開口を介して液体(インク)を吐
出させて、少なくとも1つの滴を形成する。この駆動信
号をパルス形状とすると、即時適切に気泡の成長収縮が
行われるので、特に応答性に優れた液体(インク)の吐
出が達成でき、より好ましい。このパルス形状の駆動信
号としては、米国特許第4463359号明細書,同第
4345262号明細書に記載されているようなものが
適している。なお、上記熱作用面の温度上昇率に関する
発明の米国特許第4313124号明細書に記載されて
いる条件を採用すると、さらに優れた記録を行うことが
できる。
【0085】記録ヘッドの構成としては、上述の各明細
書に開示されているような吐出口,液路,電気熱変換体
の組合せ構成(直線状液流路または直角液流路)の他に
熱作用部が屈曲する領域に配置されている構成を開示す
る米国特許第4558333号明細書,米国特許第44
59600号明細書を用いた構成も本発明に含まれるも
のである。加えて、複数の電気熱変換体に対して、共通
するスリットを電気熱変換体の吐出部とする構成を開示
する特開昭59−123670号公報や熱エネルギの圧
力波を吸収する開孔を吐出部に対応させる構成を開示す
る特開昭59−138461号公報に基いた構成として
も本発明の効果は有効である。すなわち、記録ヘッドの
形態がどのようなものであっても、本発明によれば記録
を確実に効率よく行うことができるようになるからであ
る。
【0086】さらに、記録装置が記録できる記録媒体の
最大幅に対応した長さを有するフルラインタイプの記録
ヘッドに対しても本発明は有効に適用できる。そのよう
な記録ヘッドとしては、複数記録ヘッドの組合せによっ
てその長さを満たす構成や、一体的に形成された1個の
記録ヘッドとしての構成のいずれでもよい。
【0087】加えて、上例のようなシリアルタイプのも
のでも、装置本体に固定された記録ヘッド、あるいは装
置本体に装着されることで装置本体との電気的な接続や
装置本体からのインクの供給が可能になる交換自在のチ
ップタイプの記録ヘッド、あるいは記録ヘッド自体に一
体的にインクタンクが設けられたカートリッジタイプの
記録ヘッドを用いた場合にも本発明は有効である。
【0088】また、本発明の記録装置の構成として、記
録ヘッドの吐出回復手段、予備的な補助手段等を付加す
ることは本発明の効果を一層安定できるので、好ましい
ものである。これらを具体的に挙げれば、記録ヘッドに
対してのキャッピング手段、クリーニング手段、加圧或
は吸引手段、電気熱変換体或はこれとは別の加熱素子或
はこれらの組み合わせを用いて加熱を行う予備加熱手
段、記録とは別の吐出を行なう予備吐出手段を挙げるこ
とができる。
【0089】また、搭載される記録ヘッドの種類ないし
個数についても、例えば単色のインクに対応して1個の
みが設けられたものの他、記録色や濃度を異にする複数
のインクに対応して複数個数設けられるものであっても
よい。すなわち、例えば記録装置の記録モードとしては
黒色等の主流色のみの記録モードだけではなく、記録ヘ
ッドを一体的に構成するか複数個の組み合わせによるか
いずれでもよいが、異なる色の複色カラー、または混色
によるフルカラーの各記録モードの少なくとも一つを備
えた装置にも本発明は極めて有効である。
【0090】さらに加えて、以上説明した本発明実施例
においては、インクを液体として説明しているが、室温
やそれ以下で固化するインクであって、室温で軟化もし
くは液化するものを用いてもよく、あるいはインクジェ
ット方式ではインク自体を30℃以上70℃以下の範囲
内で温度調整を行ってインクの粘性を安定吐出範囲にあ
るように温度制御するものが一般的であるから、使用記
録信号付与時にインクが液状をなすものを用いてもよ
い。加えて、熱エネルギによる昇温を、インクの固形状
態から液体状態への状態変化のエネルギとして使用せし
めることで積極的に防止するため、またはインクの蒸発
を防止するため、放置状態で固化し加熱によって液化す
るインクを用いてもよい。いずれにしても熱エネルギの
記録信号に応じた付与によってインクが液化し、液状イ
ンクが吐出されるものや、記録媒体に到達する時点では
すでに固化し始めるもの等のような、熱エネルギの付与
によって初めて液化する性質のインクを使用する場合も
本発明は適用可能である。このような場合のインクは、
特開昭54−56847号公報あるいは特開昭60−7
1260号公報に記載されるような、多孔質シート凹部
または貫通孔に液状又は固形物として保持された状態
で、電気熱変換体に対して対向するような形態としても
よい。本発明においては、上述した各インクに対して最
も有効なものは、上述した膜沸騰方式を実行するもので
ある。
【0091】さらに加えて、本発明インクジェット記録
装置の形態としては、コンピュータ等の情報処理機器の
画像出力端末として用いられるものの他、リーダ等と組
合せた複写装置、さらには送受信機能を有するファクシ
ミリ装置の形態を採るもの等であってもよい。
【0092】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
所定の記録領域における記録デューティーの分布が求め
られ、この分布に基づいて吐出回復処理を行うか否かが
定められるので、例えば局所的に記録デューティーの高
い記録領域が存在し、それによってインクと液体の混合
物が記録ヘッドに多量に付着した場合でも、これに適切
に対応して吐出回復処理を行うことが可能となる。
【0093】この結果、信頼性の高い記録装置を実現す
ることができるとともに、常に高品位な記録画像を得る
ことができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る記録ヘッドの概略構
成を示す模式図である。
【図2】(a)〜(c)は本発明の一実施形態に係るイ
ンクおよび記録性向上液の付与を説明する図である。
【図3】(a)および(b)は上記インクまたは記録性
向上液を付与したときに生じる小液滴の跳ね返りを説明
する図である。
【図4】(a)および(b)は本発明の一実施形態に係
り、記録デューティと跳ね返りの量を説明する図であ
る。
【図5】(a)〜(d)は記録デューティーに応じた記
録態様を示す模式図である。
【図6】本発明の一実施例に係るインクジェットプリン
タの概略を示す斜視図である。
【図7】上記プリンタの制御構成を示すブロック図であ
る。
【図8】本発明の第1実施例に係る記録デューティを計
数するための領域であるウインドウを説明する図であ
る。
【図9】本発明の第2実施例に係る記録デューティを計
数するための領域であるウインドウを説明する図であ
る。
【図10】本発明の第3実施例に係る記録デューティを
計数するための領域であるウインドウを説明する図であ
る。
【図11】(a)〜(c)は本発明の他の実施例に係る
カラー記録ヘッドの構成を説明する図である。
【符号の説明】
1K,1S,100S,100K,100C,100
m,100y,101S,101k,102k1,10
2S,102k2,102c,102m,102y 記
録ヘッド 2 キャリッジ 4 回復ユニット 5K,5S キャップ 301 システムコントローラ 310 記録制御部

Claims (11)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 インクおよび該インク中の色材を不溶化
    する液体をそれぞれ吐出する記録ヘッドを用い、インク
    および液体を被記録媒体に吐出して記録を行うインクジ
    ェット記録装置において、 記録ヘッドの吐出回復処理を行う吐出回復手段と、 記録データに基づき、所定の記録領域における記録デュ
    ーティーの分布を求め、該分布において少なくとも所定
    の記録デューティー値以上の分布が存在するときは、前
    記吐出回復手段による吐出回復処理を行わせる吐出回復
    制御手段と、 を具えたことを特徴とするインクジェット記録装置。
  2. 【請求項2】 前記吐出回復制御手段は、所定の記録デ
    ューティー値以上の分布が所定の複数回以上存在すると
    きに、前記吐出回復手段による吐出回復処理を行わせる
    ことを特徴とする請求項1に記載のインクジェット記録
    装置。
  3. 【請求項3】 前記吐出回復制御手段は、前記所定の記
    録領域を複数の領域に分割し、該複数の領域毎に算出さ
    れる記録デューティーを、前記所定の記録領域における
    記録デューティーの分布として求めることを特徴とする
    請求項1または2に記載のインクジェット記録装置。
  4. 【請求項4】 前記吐出回復制御手段は、前記所定の記
    録領域において、所定のサイズの領域を当該領域の位置
    をずらしながら設定して行き、該設定されるそれぞれの
    領域毎に算出される記録デューティーを、前記所定の記
    録領域における記録デューティーの分布として求めるこ
    とを特徴とする請求項1または2に記載のインクジェッ
    ト記録装置。
  5. 【請求項5】 前記吐出回復手段は、記録ヘッドの吐出
    口面に対し払拭動作を行うことにより吐出回復処理を行
    うことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載
    のインクジェット記録装置。
  6. 【請求項6】 前記液体は、前記インク中に含まれる色
    材を不溶化または凝集する化合物を含むことを特徴とす
    る請求項1ないし5のいずれかに記載のインクジェット
    記録装置。
  7. 【請求項7】 前記液体の被記録媒体への浸透性を、前
    記インクの浸透性よりも高めたことを特徴とする請求項
    1ないし6のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  8. 【請求項8】 前記記録ヘッドは、熱エネルギーを利用
    してインクまたは液体を吐出することを特徴とする請求
    項1ないし7のいずれかに記載のインクジェット記録装
    置。
  9. 【請求項9】 前記液体は、低分子成分と高分子成分と
    からなるカチオン性物質を含むものであり、また前記イ
    ンクに含まれる前記色材としての染料はアニオン性物質
    からなることを特徴とする請求項1ないし8のいずれか
    に記載のインクジェット記録装置。
  10. 【請求項10】 前記液体は、低分子成分と高分子成分
    とからなるカチオン性物質を含むものであり、また前記
    インクは前記色材としてアニオン性の染料を含むかまた
    は少なくともアニオン性化合物と顔料とを含むことを特
    徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載のインクジ
    ェット記録装置。
  11. 【請求項11】 インクおよび該インク中の色材を不溶
    化する液体をそれぞれ吐出する記録ヘッドを用い、イン
    クおよび液体を被記録媒体に吐出して記録を行うインク
    ジェット記録装置における記録ヘッドの吐出回復処理方
    法において、 記録ヘッドの吐出回復処理を行う吐出回復装置を用意
    し、 記録データに基づき、所定の記録領域における記録デュ
    ーティーの分布を求め、該分布において少なくとも所定
    の記録デューティー値以上の分布が存在するときは、前
    記吐出回復装置による吐出回復装置を行わせる、 各ステップを有したことを特徴とする記録ヘッドの吐出
    回復処理方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
US6752485B2 (en) * 1999-02-24 2004-06-22 Canon Kabushiki Kaisha Printing apparatus and suction recovery control method

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