JPH10225930A - 廃棄プラスチックの資源化方法 - Google Patents

廃棄プラスチックの資源化方法

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JPH10225930A
JPH10225930A JP3059797A JP3059797A JPH10225930A JP H10225930 A JPH10225930 A JP H10225930A JP 3059797 A JP3059797 A JP 3059797A JP 3059797 A JP3059797 A JP 3059797A JP H10225930 A JPH10225930 A JP H10225930A
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幹之 浅野
Yoichi Yoshinaga
陽一 吉永
Yoshinari Fujisawa
能成 藤沢
Shigeki Yamazaki
茂樹 山崎
Yoji Ogaki
陽二 大垣
Makoto Arimoto
誠 有本
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 廃棄プラスチックからPETボトルを除去せ
ずに塩素含有プラスチックを除去して資源化する。 【解決手段】 混合状態の廃棄プラスチックを揺動反発
式の選別機1により固形プラスチックと軽量の軽量プラ
スチックとに選別する。選別された固形プラスチックは
乾式の選別方法により塩素含有プラスチックを除去す
る。軽量プラスチックは比重液の水に対する比重差を利
用した湿式選別を用いて塩素含有プラスチックを除去す
る。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、廃棄物の資源化
方法、特に、廃棄物中のプラスチック(以下、「廃棄プ
ラスチック」という)を資源化するための方法に関し、
廃棄プラスチックから塩素含有プラスチックを除去し資
源化するための方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】廃棄物中に含まれるプラスチックは、概
ね可燃ごみとして焼却処理されるか、あるいは、埋め立
てにより処理されている。廃棄プラスチックを可燃ごみ
として焼却処理するためには、焼却中にプラスチック中
の塩素含有プラスチック{PVC(ポリ塩化ビニル)お
よびPVDC(ポリ塩化ビニリデン)等}が熱分解して
塩化水素ガスが発生するため、この塩化水素の回収装置
および中和装置の設備化が必要である。また、廃棄プラ
スチックを埋め立て処理するについては、近年、処分場
の不足が大きな社会問題となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】廃棄物中のプラスチッ
クの処理は上記に示したように、リサイクルでの利用率
が極めて低い。しかし、近年においては、例えば、プラ
スチックの油化処理技術が開発されつつあるし、また、
製鉄所においてはコークス代替原料として、プラスチッ
クを所定の形状に成形し加工した後、高炉羽口より吹き
込み鉄源の還元剤として使用する技術が開発されてい
る。これらのリサイクル技術においては、塩素による配
管の腐食の問題があるため、依然として利用に際して塩
素含有プラスチックを予め除去する工程が必要である。
【0004】従来、多種類の混合プラスチック中より塩
素含有プラスチックを除去するための技術として、プラ
スチックの比重差を利用した湿式分離法(シンクフロー
ト)が知られている。この方法によれば、比重液の水よ
り比重の大きいPVCおよびPVDCと水より比重の小
さい他の大部分のプラスチックとを分離することが可能
である。しかし、一方、プラスチックボトルの原料の大
半はPET(ポリエチレンテレフタレート)であり、P
ETと、PVCおよびPVDCとは比重がほぼ同等であ
るため、上記湿式分離法でPVCおよびPVDCと、P
ETとを分離することは不可能であった。そのため、P
VCおよびPVDCを除去する過程でPETボトルがリ
サイクルされることなく廃棄されてしまう問題があっ
た。
【0005】従って、この発明の目的は、上記の現状を
鑑みて、廃棄物中のプラスチックからPETボトルが除
去されることなくPVCおよびPVDCを選別除去し、
廃棄物中のプラスチックを有効に資源化することができ
る方法を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】請求項1記載の発明は、
混合状態の廃棄プラスチックを揺動反発式の選別機によ
り固形プラスチックと前記固形プラスチックよりも軽量
の軽量プラスチックとに選別し、次いで、このようにし
て選別された前記固形プラスチックは乾式の選別方法に
より塩素含有プラスチックを除去し、前記軽量プラスチ
ックは比重液の水に対する比重差を利用した湿式選別を
用いて塩素含有プラスチックを除去することに特徴を有
するものである。
【0007】請求項2記載の発明は、請求項1記載の方
法により塩素含有プラスチックを選別除去した前記塩素
含有プラスチックを所定の形状に加工して高炉の原料と
して用いることに特徴を有するものである。
【0008】混合プラスチックの廃棄物は、主としてプ
ラスチックボトルを主体とした固形プラスチックと、フ
ィルム状のプラスチックと、発砲トレー等のトレー系の
プラスチックとに大別される。揺動式選別機を用いるこ
とにより、軽量物としてフィルム系プラスチックおよび
トレー系プラスチックを軽量プラスチックとして回収
し、重量物として固形プラスチックを回収し、前記フィ
ルム系プラスチックおよびトレー系プラスチックは、破
砕後比重液の水に対する比重差を利用した湿式選別を用
いて塩素含有プラスチックを除去し、前記固形プラスチ
ックは、乾式選別法により塩素含有プラスチックを除去
することができる。また、除去した塩素含有プラスチッ
クは、所定の形状に加工して鉄源の還元材して高炉の原
料に使用できる。
【0009】〔作用〕揺動式選別機は、クランク軸に取
り付けられて揺動運動する傾斜した反発板上に被選別物
を投入すると、物体の重量、形状および硬度の差により
反発する弾道が異なることを利用して選別する選別装置
であり、傾斜の下方に重量物が回収され、傾斜の上方に
軽量物が回収される構造を有している。この揺動式選別
機に混合プラスチックの廃棄物を投入すると、重量物と
して固形プラスチックが回収され、軽量物としてフィル
ム系プラスチックおよびトレー系プラスチックが回収さ
れる。
【0010】重量物として回収された固形プラスチック
は、乾式選別法により塩素含有プラスチックを選別除去
する。乾式選別方法を使用するのは、湿式分離方法で
は、ボトルの原料として大部分を占めるPETと、PV
CおよびPVDCと、の識別が不可能だからである。
【0011】乾式選別法としては、例えば、近赤外線を
照射したときの吸収スペクトルを測定して判別する方法
が、特開平6−210632号公報、特開平6−308
022号公報等に種々の方法が開発、開示されている。
この方法を用いてPETを除去することなく、PVCお
よびPVDCの塩素含有プラスチックを選別除去するこ
とが可能となる。
【0012】一方、軽量物として回収されたフィルム系
プラスチックおよびトレー系プラスチックは、比重液の
水に対する比重差を用いた湿式分離方法でPVCおよび
PVDCを除去する。フィルム系プラスチックには、P
ETは殆ど含まれていないので、湿式分離を用いてもP
ETを除去してしまう恐れはない。なお、湿式分離方法
は、乾式分離方法に比べて小規模且つ簡便な設備で実施
することが可能である。
【0013】
【発明の実施の形態】次に、この発明の実施の形態を図
面を参照しながら説明する。 〔実施形態1〕図1は、この発明の実施形態1を示す処
理工程図、図2は、この選別に用いる揺動反発式選別機
の選別原理を示す側面図である。
【0014】図2に示すように、揺動反発式選別機1
は、クランク軸2に取り付けられた1枚または複数枚の
反発板3が少ないときで0度、大きいときで20度程度
の傾斜をもってクランク軸2に取り付けられている。反
発板3には必要に応じて篩穴4を設定することができ、
この篩効果により小径物を取り出すことができる。クラ
ンク軸2は電動機(図示せず)で矢印方向に回転するの
で、このクランク軸の動きにより反発板3は揺動運動を
行う。揺動式選別機1の選別原理は、この揺動運動する
反発板3上に落下した被選別物7が反発板3上で跳ね返
る時の弾道の違いにより選別するもので、重量物5は、
反発する方向が反発板3の傾斜角の影響を大きく受ける
ので傾斜の下方に落下するが、軽量物および柔軟物6
は、反発板3上での跳ね返りが小さいので、反発板3の
揺動運動により傾斜の上方に搬送され、軽量プラスチッ
クとして回収される。また、小径物8は、反発板3上の
篩穴によって篩い分けされ、反発板3の直下に回収され
る。本実施形態における廃棄プラスチックを分別するた
めの反発板3の傾斜角度は、実験によれば5〜15度程
度が最適である。また、クランク軸の回転数は、100
〜200rpm程度が適当である。
【0015】図1に示すように、必要に応じて破袋機9
または破砕機で梱包を解かれた廃棄プラスチックは、揺
動式選別機1に投入される。揺動式選別機1に投入され
た廃棄プラスチックは、重量物側にボトルプラスチック
を主体とする固形プラスチックが回収され、軽量物側に
フィルム系およびトレー系のプラスチックが軽量プラス
チックとして回収される。また、反発板上に設定された
篩穴による篩い分け効果により、砂粒、小石およびガラ
ス片等の選別不適当残渣が選別される。
【0016】反発板の下方で回収された固形プラスチッ
クは磁選機10により金属類を回収後乾式選別工程に送
られる。乾式選別工程は、通常整列装置11、センサー
部12、情報処理装置13、仕分け装置14により構成
される。即ち、整列装置11で1つずつセンサー部12
に送られたプラスチックは近赤外線を照射され、情報処
理装置13で物質特有の吸収スペクトルを判別すること
により種別が判定され、仕分け装置14で塩素を含有す
るPVCおよびPVDCが除去される。
【0017】反発板の上方で回収された軽量プラスチッ
クは、湿式分離工程に送られ、水より比重の大きいPV
CおよびPVDCが除去される。この湿式分離工程は、
例えば、破砕機15と混合槽16と分離槽17とによっ
て構成されている。破砕機15には、必要に応じて金属
除去装置を設置する。湿式分離工程では、水より比重の
大きいPVCおよびPVDCは沈降して下方より取り出
され、その他の水より比重の小さいプラスチックは、軽
量プラスチックとして上方より回収される。
【0018】なお、実施形態中の乾式選別方法では、近
赤外照射の方法について説明したが、他の乾式選別方
法、例えば、紫外線の透過スペクトルを観察する方法に
ついても全く同様に応用できることは言うまでもない。
【0019】〔実施形態2〕図3は、この発明の実施形
態2を示す処理工程図である。実施形態1で塩素含有プ
ラスチックが除去されたプラスチックは、図3に示すよ
うに、製鉄工場において鉄源の還元剤として石炭代替原
料として使用することができる。即ち、揺動反発式選別
機1で選別された固形プラスチックは、乾式選別装置に
よってPVCおよびPVDCを除去した後、破砕機18
により裁断して所定の形状にし、高炉の羽口から吹き込
むことができる。また、揺動式選別機1で軽量プラスチ
ックとして回収されたフィルム系およびトレー系のプラ
スチックは水との比重差を利用した湿式選別を用いて水
より比重の大きいPVCおよびPVDCを除去し、溶融
造粒装置を用いて所定の形状にした後、高炉の羽口から
吹き込むことができる。
【0020】
【発明の効果】以上説明したように、この発明によれ
ば、揺動反発式選別機を用いることによりPET含有率
の高い固形プラスチックと、PETを含まないフィルム
系およびトレー系プラスチックとを選別分離することが
可能となり、有価物を殆ど損なうことなく塩素含有プラ
スチックを除去することが可能なため、これまで焼却ま
たは埋め立てされていたプラスチックを有効利用するこ
とが可能となり、また、この発明により塩素含有プラス
チックが除去されるので、製鉄原料としてプラスチック
を石炭代替原料として使用可能となり、かくして、工業
上有用な効果がもたらされる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施形態1を示す処理工程図であ
る。
【図2】この発明の実施形態1に係る選別に用いる揺動
反発式選別機の選別原理を示す側面図である。
【図3】この発明の実施形態2を示す処理工程図であ
る。
【符号の説明】
1 揺動反発式選別機 2 クランク軸 3 反発板 4 篩穴 5 重量物 6 軽量物および柔軟物 7 被選別物 8 小径物 9 破袋機 10 磁選機 11 整列装置 12 センサー部 13 情報処理装置 14 仕分け装置 15 破砕機 16 混合槽 17 分離槽
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 FI G01N 33/44 B09B 5/00 ZABQ // B29K 27:00 101:00 105:26 (72)発明者 山崎 茂樹 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 大垣 陽二 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内 (72)発明者 有本 誠 東京都千代田区丸の内一丁目1番2号 日 本鋼管株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 混合状態の廃棄プラスチックを揺動反発
    式の選別機により固形プラスチックと前記固形プラスチ
    ックよりも軽量の軽量プラスチックとに選別し、次い
    で、このようにして選別された前記固形プラスチックは
    乾式の選別方法により塩素含有プラスチックを除去し、
    前記軽量プラスチックは比重液の水に対する比重差を利
    用した湿式選別を用いて塩素含有プラスチックを除去す
    ることを特徴とする廃棄プラスチックの資源化方法。
  2. 【請求項2】 請求項1記載の方法により選別し除去し
    た前記塩素含有プラスチックを所定の形状に加工して高
    炉の原料として用いる請求項1記載の方法。
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