JPH10225393A - 浴 槽 - Google Patents

浴 槽

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JPH10225393A
JPH10225393A JP9049757A JP4975797A JPH10225393A JP H10225393 A JPH10225393 A JP H10225393A JP 9049757 A JP9049757 A JP 9049757A JP 4975797 A JP4975797 A JP 4975797A JP H10225393 A JPH10225393 A JP H10225393A
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JP
Japan
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photocatalyst
water
layer
bathtub
hydrophilicity
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Pending
Application number
JP9049757A
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English (en)
Inventor
Makoto Hayakawa
信 早川
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Toto Ltd
Original Assignee
Toto Ltd
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Publication date
Application filed by Toto Ltd filed Critical Toto Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 汽水面に汚れが付着しにくく、付着した場合
にも水洗により容易に汚れを除去しうる浴槽を提供する
こと。 【解決手段】 浴槽の少なくとも内側面に、光触媒粒子
を含有する層を備え、前記層表面は前記光触媒の光励起
に応じて親水性を呈する面からなることを特徴とする浴
槽。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、汽水面に汚れが付
着しにくく、付着した場合にも水洗により容易に汚れを
除去しうる浴槽に関する。
【0002】
【従来の技術】浴槽の汚れ成分は、湯垢と水垢に大別さ
れる。湯垢は人が排出する垢、脂質と石鹸カス等からな
り、汽水面に集中的に付着する。水垢は、細菌、微生物
及びタンパク質、脂質、炭酸カルシウム等からなり、主
として浴槽水の浸漬、吐水時及び脱水後の乾燥により発
生する。従来より浴槽の清掃において特に困難かつ労力
を要するのは、汽水面に固着した汚れの清掃であった。
【0003】また浴室用の浴槽の防汚方法としては、従
来主として以下のような方法、若しくはそれらを組合せ
た方法が提案されている。 (1)浴槽表面に表面エネルギ−の比較的小さいシリコ
−ンオイル、フッ素系オイルを塗布する方法。 (2)浴槽表面への帯電防止剤の添加。 (3)抗菌剤の添加。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】浴槽表面に表面エネル
ギ−の比較的小さいシリコ−ンオイル、フッ素系オイル
を塗布する方法では、分子分散力に基づく表面エネルギ
−が充分に小さくないため、脂質等の疎水性汚れを主成
分とする湯垢の付着性を充分に防止できなかった。ま
た、シリコ−ンオイル、フッ素系オイル表面は柔らか
く、傷が入りやすく、その傷から汚れが付着する傾向も
認められた。
【0005】帯電防止剤を添加する方法では、空気中の
塵芥等には効果があるとされているが、浴槽内の湯垢成
分に対する効果はほとんどなかった。
【0006】抗菌剤を添加する方法では、水垢中の微生
物の除去に対する効果は期待できるものの、従来より浴
槽の清掃において特に困難かつ労力を要する汽水面固着
汚れに対しては効果が充分でなかった。
【0007】本発明では、汽水面に汚れが付着しにく
く、付着した場合にも水洗により容易に汚れを除去しう
る浴槽を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明は、光触媒を含有
する層を形成した部材において、光触媒を光励起する
と、部材の表面が高度に親水化されるという発見に基づ
く。この現象は以下に示す機構により進行すると考えら
れる。すなわち、光触媒の価電子帯上端と伝導帯下端と
のエネルギ−ギャップ以上のエネルギ−を有する光が光
触媒に照射されると、光触媒の価電子帯中の電子が励起
されて伝導電子と正孔が生成し、そのいずれかまたは双
方の作用により、おそらく表面に極性が付与され、水や
水酸基等の極性成分が集められる。そして伝導電子と正
孔のいずれかまたは双方と、上記極性成分との協調的な
作用により、表面に化学吸着水が吸着し、さらに物理吸
着水層がその上に形成されるのである。
【0009】上記機構により、光触媒を含有する層表面
は、光触媒の光励起に応じて恒久的に親水性を呈するよ
うになる。親水性表面が、水に浸漬されていると、その
部分は油等の疎水性物質よりも水によりなじみやすくな
るので、垢、脂質、石鹸カス等からなる湯垢汚れ成分が
付着しにくくなる。さらに、親水性表面が、水との接触
角に換算して20゜以下、好ましくは10゜以下、より
好ましくは5゜以下程度になると、親水性物質よりも水
に対するなじみが大きくなるために、入浴剤等に含有さ
れる無機質を含有する汚れも付着しにくくなる。
【0010】従って、本発明の如く、浴槽において、少
なくとも内側面に、光触媒粒子を含有する層を備え、前
記層表面は前記光触媒の光励起に応じて親水性を呈する
面からなるようにすることにより、汽水面に汚れが付着
しにくく、付着した場合にも水洗により容易に汚れを除
去しうるようになる。
【0011】本発明の好ましい態様においては、表面層
には、さらにシリカが含有されているようにする。シリ
カが含有されることにより、表面が水濡れ角0゜に近い
高度の親水性を呈しやすくなると共に、暗所に保持した
ときの親水維持性が向上する。その理由はシリカは構造
中に水を蓄えることができることと関係していると思わ
れる。
【0012】本発明の好ましい態様においては、表面層
には、さらに固体酸が含有されているようにする。固体
酸が含有されることにより、表面が水濡れ角0゜に近い
高度の親水性を呈しやすくなると共に、暗所に保持した
ときの親水維持性が向上する。その理由は表面層に固体
酸が含有されると、表面の極性が、光の有無にかかわら
ず大きな状態にあるために、疎水性分子よりも極性分子
である水分子を選択的に吸着させやすい。そのため安定
な物理吸着水層が形成されやすく、暗所に保持しても、
表面の親水性をかなり長期にわたり高度に維持できる。
【0013】本発明の好ましい態様においては、表面層
には、さらにシリコ−ンが含有されているようにする。
シリコ−ンが含有されることにより、光触媒の光励起に
よって、シリコ−ン中のシリコン原子に結合する有機基
の少なくとも一部が水酸基に置換され、さらにその上に
物理吸着水層が形成されることにより、表面が水濡れ角
0゜に近い高度の親水性を呈するようになると共に、暗
所に保持したときの親水維持性が向上する。
【0014】
【発明の実施の形態】次に、本発明の具体的な構成につ
いて説明する。本発明における浴槽の少なくとも内側面
には光触媒を含む層が形成されているようにする。内側
面は光触媒の光励起に応じて親水性を呈する構成になっ
ており、そのためには、内側面の露出表面は、シリカ、
アルミナ、チタニア、ジルコニア、セリア、イットリ
ア、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸ストロンチウム、三酸
化タングステン、三酸化二ビスマス、酸化第二鉄、酸化
モリブデン等の無機酸化物や、TiO2/WO3、TiO
2/Mo23、SiO2・Al23、WO3/SnO2、T
iO2/Al23、TiO2/SiO2、硫酸担持Al2
3、硫酸担持TiO2、硫酸担持ZrO2、硫酸担持Sn
2、硫酸担持Fe23、硫酸担持SiO2、硫酸担持H
fO2、WO3/ZrO2、WO3/Fe23、TiO2
ZrO2等の固体酸又はシリコ−ンからなるようにす
る。露出表面が無機酸化物からなる場合には、無機酸化
物表面のOH基に水素結合的に結合する物理吸着水が、
光触媒の光励起に応じて増加し、表面が親水性を呈する
ようになる。露出表面が固体酸からなる場合には、電子
受容体表面(ルイス酸の場合)又は陽子供与体表面(ブ
レンステッド酸の場合)に静電的に吸着する物理吸着水
量が光触媒の光励起に応じて増加し、表面が親水性を呈
するようになる。露出表面がシリコ−ンからなる場合に
は、まず光触媒の光励起によりシリコ−ン分子中のシリ
コン原子に結合するオルガノ基が水酸基に置換され、置
換された水酸基に水素結合的に結合する物理吸着水が、
光触媒の光励起に応じて増加し、表面が親水性を呈する
ようになる。
【0015】光触媒とは、その結晶の伝導帯と価電子帯
との間のエネルギ−ギャップよりも大きなエネルギ−
(すなわち短い波長)の光(励起光)を照射したとき
に、価電子帯中の電子の励起(光励起)が生じて、伝導
電子と正孔を生成しうる物質をいい、例えば、アナタ−
ゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、酸化錫、酸化亜
鉛、三酸化二ビスマス、三酸化タングステン、酸化第二
鉄、チタン酸ストロンチウム等が好適に利用できる。こ
こで光触媒の光励起に用いる光源としては、蛍光灯、白
熱電灯、メタルハライドランプ、ブラックライトラン
プ、キセノンランプ、水銀灯、太陽光などが好適に利用
できる。光触媒の光励起により、抗菌性を発揮し、かつ
基材表面が高度に親水化されるためには、励起光の照度
は、0.01mW/cm2以上あればよいが、0.1m
W/cm2以上だと好ましく、1mW/cm2以上だとよ
り好ましい。励起光の照度が上記条件を確実に満たすべ
く、光源を浴室の側面や浴槽の略上方に配置してもよ
い。
【0016】光触媒を含有する表面層の膜厚は、0.4
μm以下にするのが好ましい。そうすれば、光の乱反射
による白濁を防止することができ、表面層は実質的に透
明となる。さらに光触媒を含有する表面層の膜厚を0.
2μm以下にすると一層好ましい。そうすれば、光の干
渉による表面層の発色を防止することができる。また表
面層が薄ければ薄いほどその透明度は向上する。更に、
膜厚を薄くすれば、表面層の耐摩耗性が向上する。上記
表面層の表面に、更に、親水化可能な耐摩耗性又は耐食
性の保護層や他の機能膜を設けても良い。
【0017】上記表面層は、基材と比較して屈折率があ
まり高くないのが好ましい。好ましくは表面層の屈折率
は2以下であるのがよい。そうすれば、基材と表面層と
の界面、及び表面層と空気との界面における光の反射を
抑制できる。表面層の屈折率を2以下にするには、光触
媒に2以下の屈折率を有する物質を用いるか、或いは光
触媒が屈折率2以上の場合には、屈折率2以下の他の物
質を表面層に添加する。2以下の屈折率を有する光触媒
としては、酸化錫(屈折率1.9)等が利用できる。2
以上の屈折率を有する光触媒としては、アナタ−ゼ型酸
化チタン(屈折率2.5)やルチル型酸化チタン(屈折
率2.7)があるが、この場合には屈折率2以下の他の
物質、例えば、炭酸カルシウム(屈折率1.6)、ドロ
マイト(屈折率1.7)、炭酸マグネシウム(屈折率
1.5)、水酸化カルシウム(屈折率1.6)、炭酸ス
トロンチウム(屈折率1.5)、フッ化マグネシウム
(屈折率1.4)、フッ化カルシウム(屈折率1.
4)、シリカ(屈折率1.5)、アルミナ(屈折率1.
6)、ケイ砂(屈折率1.6)、カオリン(屈折率1.
6)、モンモリロナイト(屈折率1.5)、セリサイト
(屈折率1.6)、ゼオライト(屈折率1.6)、酸化
錫(屈折率1.9)等を表面層に添加すればよい。
【0018】上記表面層には、Ag、Cu、Znのよう
な金属を添加することができる。そうすれば前記金属を
添加した表面層は、表面に付着した細菌や黴を暗所でも
死滅させることができるので、水垢中の微生物に対する
効果を確実に確保することができる。
【0019】上記表面層には、Pt、Pd、Ru、R
h、Ir、Osのような白金族金属を添加することがで
きる。前記金属を添加した表面層は、光触媒の酸化還元
活性を増強でき、光照射時の抗菌・抗黴作用等が向上す
る。また光触媒以外に固体酸を添加した場合には、白金
族金属の添加により固体酸の酸度が向上するので、親水
維持性も向上し、付着水の水膜化がより促進されると共
に、ある程度長期間光触媒に励起光が照射されない場合
の親水維持性も向上する。上記表面層には、Moが添加
されていてもよい。この場合も光触媒以外に固体酸を添
加した場合に、固体酸の酸度が向上するので、親水維持
性も向上し、付着水の水膜化がより促進されると共に、
ある程度長期間光触媒に励起光が照射されない場合の親
水維持性も向上する。
【0020】基材がナトリウムのようなアルカリ網目修
飾イオンを含むガラス質(ホウロウ等)の場合には、基
材と表面層との間にシリカ等の中間層を形成してもよ
い。そうすれば、焼成中にアルカリ網目修飾イオンが基
材から表面層へ拡散するのが防止され、光触媒機能がよ
りよく発揮される。
【0021】親水性とは、表面に水を滴下したときにな
じみやすい性質をいい、一般に水濡れ角が90゜未満の
状態をいう。本発明における高度の親水性とは、表面に
水を滴下したときに非常になじみやすい性質をいい、よ
り具体的には水濡れ角が20゜以下程度になる状態をい
う。
【0022】次に、表面層の形成方法について説明す
る。まず表面層が光触媒のみからなる場合の製法につい
て、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの場合を例にとり
説明する。この場合の方法は、大別して3つの方法があ
る。1つの方法はゾル塗布焼成法であり、他の方法は有
機チタネ−ト法であり、他の方法は電子ビ−ム蒸着法で
ある。いずれの方法も、高温焼成可能なホウロウ浴槽等
に特に有効である。 (1)ゾル塗布焼成法 アナタ−ゼ型酸化チタンゾルを、基材表面に、スプレ−
コ−ティング法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−
ティング法、スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティン
グ法等の方法で塗布し、焼成する。 (2)有機チタネ−ト法 チタンアルコキシド(テトラエトキシチタン、テトラメ
トキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキ
シチタン等)、チタンアセテ−ト、チタンキレ−ト等の
有機チタネ−トに加水分解抑制剤(塩酸、エチルアミン
等)を添加し、アルコ−ル(エタノ−ル、プロパノ−
ル、ブタノ−ル等)などの非水溶媒で希釈した後、部分
的に加水分解を進行させながら又は完全に加水分解を進
行させた後、混合物をスプレ−コ−ティング法、ディッ
プコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−
ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、
乾燥させる。乾燥により、有機チタネ−トの加水分解が
完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化チタンの脱水縮
重合により無定型酸化チタンの層が基材表面に形成され
る。その後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の温度で焼成
して、無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化チタンに相
転移させる。 (3)電子ビ−ム蒸着法 酸化チタンのタ−ゲットに電子ビ−ムを照射することに
より、基材表面に無定型酸化チタンの層を形成する。そ
の後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の温度で焼成して、
無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化チタンに相転移さ
せる。
【0023】次に、表面層が光触媒とシリカからなる場
合について、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの場合を
例にとり説明する。この場合の方法は、例えば、以下の
3つの方法がある。1つの方法はゾル塗布焼成法であ
り、他の方法は有機チタネ−ト法であり、他の方法は4
官能性シラン法である。 (1)ゾル塗布焼成法 アナタ−ゼ型酸化チタンゾルとシリカゾルとの混合液
を、基材表面にスプレ−コ−ティング法、ディップコ−
ティング法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティン
グ法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、焼成す
る。この方法は高温焼成可能なホウロウ浴槽等に特に有
効である。 (2)有機チタネ−ト法 チタンアルコキシド(テトラエトキシチタン、テトラメ
トキシチタン、テトラプロポキシチタン、テトラブトキ
シチタン等)、チタンアセテ−ト、チタンキレ−ト等の
有機チタネ−トに加水分解抑制剤(塩酸、エチルアミン
等)とシリカゾルを添加し、アルコ−ル(エタノ−ル、
プロパノ−ル、ブタノ−ル等)などの非水溶媒で希釈し
た後、部分的に加水分解を進行させながら又は完全に加
水分解を進行させた後、混合物をスプレ−コ−ティング
法、ディップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、
スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法
で塗布し、乾燥させる。乾燥により、有機チタネ−トの
加水分解が完遂して水酸化チタンが生成し、水酸化チタ
ンの脱水縮重合により無定型酸化チタンの層が基材表面
に形成される。その後、アナタ−ゼの結晶化温度以上の
温度で焼成して、無定型酸化チタンをアナタ−ゼ型酸化
チタンに相転移させる。この方法は高温焼成可能なホウ
ロウ浴槽等に特に有効である。 (3)前駆体硬化法 テトラアルコキシシラン(テトラエトキシシラン、テト
ラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラメ
トキシシラン等)やアルキルシリケ−ト(メチルシリケ
−ト、エチルシリケ−ト等)のシリカの前駆体とアナタ
−ゼ型酸化チタンゾルとの混合物を基材の表面にスプレ
−コ−ティング法、ディップコ−ティング法、フロ−コ
−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティ
ング法等の方法で塗布し、必要に応じて加水分解させて
シラノ−ルを形成した後、加熱等の方法でシラノ−ルを
脱水縮重合に付す。この方法によれば室温〜200℃程
度の低温で光触媒コ−ティングを固定可能であるので、
人工大理石浴槽、ポリエステル浴槽、アクリル浴槽、P
ET浴槽、ステンレス浴槽等にも適用できる。
【0024】次に、表面層が光触媒と固体酸からなる場
合について、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタン、固体酸
がTiO2/WO3の場合を例にとり説明する。この場合
の1つの方法は、タングステン酸のアンモニア溶解液と
アナタ−ゼ型酸化チタンゾルとを混合し、必要に応じて
希釈液(水、エタノ−ル等)で希釈した混合物を基材の
表面にスプレ−コ−ティング法、ディップコ−ティング
法、フロ−コ−ティング法、スピンコ−ティング法、ロ
−ルコ−ティング法等の方法で塗布し、焼成する。他の
方法は、電子ビ−ム蒸着や、チタンアルコキシド、チタ
ンアセテ−ト、チタンキレ−ト等の有機チタネ−トの加
水分解及び脱水縮重合等の方法により、無定型酸化チタ
ン被膜を形成後、タングステン酸を塗布し、その後、無
定型酸化チタンが結晶化し、かつTiO2/WO3複合酸
化物が生成する温度で熱処理する。
【0025】次に、表面層が光触媒とシリコ−ンからな
る場合について、光触媒がアナタ−ゼ型酸化チタンの場
合を例にとり説明する。この場合の方法は、未硬化の若
しくは部分的に硬化したシリコ−ン又はシリコ−ンの前
駆体からなる塗料とアナタ−ゼ型酸化チタンゾルとを混
合し、シリコ−ンの前駆体を必要に応じて加水分解させ
た後、混合物を基材の表面にスプレ−コ−ティング法、
ディップコ−ティング法、フロ−コ−ティング法、スピ
ンコ−ティング法、ロ−ルコ−ティング法等の方法で塗
布し、加熱等の方法でシリコ−ンの前駆体の加水分解物
を脱水縮重合に付して、アナタ−ゼ型酸化チタン粒子と
シリコ−ンからなる表面層を形成する。この方法によれ
ば室温〜200℃程度の低温で光触媒コ−ティングを固
定可能であるので、人工大理石浴槽、ポリエステル浴
槽、アクリル浴槽、PET浴槽、ステンレス浴槽等にも
適用できる。形成された表面層は、紫外線を含む光の照
射によりアナタ−ゼ型酸化チタンが光励起されることに
より、シリコ−ン分子中のケイ素原子に結合した有機基
の少なくとも一部を水酸基に置換され、さらにその上に
物理吸着水層が形成されて、高度の親水性を呈する。こ
こでシリコ−ンの前駆体には、メチルトリメトキシシラ
ン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリブトキシシ
ラン、メチルトリプロポキシシラン、エチルトリメトキ
シシラン、エチルトリエトキシシラン、エチルトリブト
キシシラン、エチルトリプロポキシシラン、フェニルト
リメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェ
ニルトリブトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシ
ラン、ジメチルジブトキシシラン、ジメチルジプロポキ
シシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエト
キシシラン、ジエチルジブトキシシラン、ジエチルジプ
ロポキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フ
ェニルメチルジエトキシシラン、フェニルメチルジブト
キシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラン、γ−
グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、及びそれら
の加水分解物、それらの混合物が好適に利用できる。
【0026】
【実施例】
実施例1. (1)試料の作製 エチルシリケ−ト(コルコ−ト製、4量体)7.5gと
テトラエトキシシラン(和光純薬)7.5gを混合後、
メタノ−ル111.8gで希釈後、2%硝酸水溶液2
3.3gを添加し撹拌して加水分解させ原液を得た。そ
の後、原液をエタノ−ルで10倍希釈してプライマ−液
を得た。10cm角のPMMA板上に、上記プライマ−
液をフロ−コ−ティング法にて塗布後、室温で20分乾
燥させることにより硬化させ、プライマ−塗膜を形成し
た。次に、98%テトラエトキシシラン溶液3重量部
と、石原産業製光触媒性コ−ティング液STK01(ア
ナタ−ゼ型酸化チタンゾルとアルキルシリケ−トと水と
メタノ−ルとプロパノ−ルからなる組成物)1重量部を
混合し、混合後に1.5時間撹拌してテトラエトキシシ
ランを加水分解させた後、エタノ−ルで25倍希釈して
トップコ−ティング液を得た。プライマ−塗膜上に、上
記トップコ−ティング液をフロ−コ−ティング法にて塗
布後、室温で20分乾燥させることにより硬化させ、光
触媒性塗膜を形成し、#1試料を得た。
【0027】(2)光励起による親水化 #1試料表面にオレイン酸を塗布し、中性洗剤(ママレ
モン)でこすり、水道水及び蒸留水で濯いだ後、乾燥器
により50℃で30分乾燥させることにより、表面を故
意に汚染させた。その結果、水との接触角は30〜40
゜になった。ここで水との接触角は接触角測定器(協和
界面科学製、CA−X150)を用い、マイクロシリン
ジから試料表面に水滴を滴下後15秒の値で評価した。
次に、BLB蛍光灯を用いて0.5mW/cm2の照度
で4時間紫外線を照射し、#2試料を得た。#2試料に
ついて試料表面の水との接触角を測定した。その結果、
0゜まで超親水化された。
【0028】(3)油脂の水洗浄性 #2試料表面にオレイン酸を塗布した後、水を満した透
明なパッドに#2試料を水平に浸漬させた。その結果、
試料表面に付着したオレイン酸は表面から釈放されて浮
遊した。
【0029】(1)試料の作製 エチルシリケ−ト(コルコ−ト製、4量体)7.5gと
テトラエトキシシラン(和光純薬)7.5gを混合後、
メタノ−ル111.8gで希釈後、2%硝酸水溶液2
3.3gを添加し撹拌して加水分解させ原液を得た。そ
の後、原液をエタノ−ルで10倍希釈してプライマ−液
を得た。アクリル浴槽内側面に、部分的に、上記プライ
マ−液をフロ−コ−ティング法にて塗布後、室温で20
分乾燥させることにより硬化させ、プライマ−塗膜を形
成した。次に、98%テトラエトキシシラン溶液3重量
部と、石原産業製光触媒性コ−ティング液STK01
(アナタ−ゼ型酸化チタンゾルとアルキルシリケ−トと
水とメタノ−ルとプロパノ−ルからなる組成物)1重量
部を混合し、混合後に1.5時間撹拌してテトラエトキ
シシランを加水分解させた後、エタノ−ルで25倍希釈
してトップコ−ティング液を得た。プライマ−塗膜上
に、上記トップコ−ティング液をフロ−コ−ティング法
にて塗布後、室温で20分乾燥させることにより硬化さ
せ、光触媒性塗膜を形成し、#2試料を得た。
【0030】#2試料に公衆浴場から汲んできた浴槽水
を入れて16時間浸漬し、その後流し、さらに8時間乾
燥させる工程を、光源にBLB蛍光灯を用い、0.1m
W/cm2の照度で浴槽内面に照射し続けながら1週間
繰返した。その結果、コ−ティングしていない汽水面で
はやや黒ずんだ汚れが観察され、かつ汽水面にシャワ−
を掛けても黒ずんだ汚れが残存したのに対し、上記コ−
ティング処理した汽水面では目立った汚れは観察されな
かった。
【0031】
【発明の効果】本発明によれば、浴槽において、汽水面
に汚れが付着しにくく、付着した場合にも水洗により容
易に汚れを除去しうるようになる。

Claims (14)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 浴槽の少なくとも内側面に、光触媒粒子
    を含有する層を備え、前記層表面は前記光触媒の光励起
    に応じて親水性を呈する面からなることを特徴とする浴
    槽。
  2. 【請求項2】 前記層には、さらにシリカが含有されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の浴槽。
  3. 【請求項3】 前記層には、さらに固体酸が含有されて
    いることを特徴とする請求項1に記載の浴槽。
  4. 【請求項4】 前記層には、さらにシリコ−ンが含有さ
    れていることを特徴とする請求項1に浴槽。
  5. 【請求項5】 前記層の表面は、前記光触媒の光励起に
    応じて、水との接触角に換算して20゜以下の親水性を
    呈することを特徴とする請求項1〜4に記載の浴槽。
  6. 【請求項6】 前記層の表面は、前記光触媒の光励起に
    応じて、水との接触角に換算して10゜以下の親水性を
    呈することを特徴とする請求項1〜4に記載の浴槽。
  7. 【請求項7】 前記層には、さらにAg、Cu、Znの
    うちの少なくとも1種が含有されていることを特徴とす
    る請求項1〜6に記載の浴槽。
  8. 【請求項8】 前記層の表面に、さらに親水化可能な保
    護層が設けられていることを特徴とする請求項1〜7に
    記載の浴槽。
  9. 【請求項9】 前記保護層には、シリカが含有されてい
    ることを特徴とする請求項8に記載の浴槽。
  10. 【請求項10】 前記保護層には、固体酸が含有されて
    いることを特徴とする請求項8に記載の浴槽。
  11. 【請求項11】 前記保護層には、シリコ−ンが含有さ
    れていることを特徴とする請求項8に浴槽。
  12. 【請求項12】 前記保護層の表面は、前記光触媒の光
    励起に応じて、水との接触角に換算して20゜以下の親
    水性を呈することを特徴とする請求項8〜11に記載の
    浴槽。
  13. 【請求項13】 前記保護層の表面は、前記光触媒の光
    励起に応じて、水との接触角に換算して10゜以下の親
    水性を呈することを特徴とする請求項8〜11に記載の
    浴槽。
  14. 【請求項14】 前記保護層には、さらにAg、Cu、
    Znのうちの少なくとも1種が含有されていることを特
    徴とする請求項8〜13に記載の浴槽。
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