JPH10225135A - スイッチング素子過電流検出方法およびスイッチング素子用駆動回路およびインバータ装置 - Google Patents

スイッチング素子過電流検出方法およびスイッチング素子用駆動回路およびインバータ装置

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JPH10225135A
JPH10225135A JP9018463A JP1846397A JPH10225135A JP H10225135 A JPH10225135 A JP H10225135A JP 9018463 A JP9018463 A JP 9018463A JP 1846397 A JP1846397 A JP 1846397A JP H10225135 A JPH10225135 A JP H10225135A
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博久 山村
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Abstract

(57)【要約】 【課題】過電流の早期検出を可能とするスイッチング素
子用駆動回路を提供する。 【解決手段】スイッチング素子用駆動回路33は、スイ
ッチング素子10のコレクタ電流またはエミッタ電流の
時間変化率(di/dt)から、 スイッチング素子の転流モー
ド動作の擬似短絡状態の終了を捕らえて転流モードマス
クを解除し、スイッチング素子過電流検出を実行する手
段(ダイオード12とdi/dt検出手段25と抵抗11とコンデン
サ13とツエナーダイオード14とコンデンサ26とトランジ
スタ15などから構成される回路)を有するものである。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、スイッチング素子
の過電流を検出する方法に係り、該方法を用いたスイッ
チング素子用駆動回路およびインバータ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】インバータ装置等の電源装置には、小形
化や低騒音化のニーズにより、高速スイッチング動作が
可能なスイッチング素子が用いられている。そして例え
ば、IGBTのようなスイッチング素子において、ゲー
ト電圧とコレクタ電圧によって流れるコレクタ電流が決
定される。このIGBTをインバータ装置の主スイッチ
に使用して高速で動作させようとすると、次の様な問題
がある。
【0003】インバータ装置ではアーム短絡または負荷
短絡が生じると、電源電圧のほとんどをオン作動中の素
子が負担することになる。その結果、図3に示す関係か
ら過大な短絡電流が流れる。過大な電流を高速で遮断す
るために、遮断時の回路インダクタンスのエネルギによ
る跳ね上り電圧が大きく、それがIGBTの耐圧を越え
て破壊する場合が多く見られる。
【0004】これに対処しIGBTを保護する従来技術
としては、特開平2−262826号公報に開示されて
いるような、IGBTの過電流をそのコレクタ電圧の上
昇により検出し、これに基づいてゲート電圧を絞ってコ
レクタ電流を減流し、IGBTの負担を少なくする技術
がある。また、コレクタ電圧の上昇検知とゲート電圧の
変化検知とを併用して少しでも早期に保護するという技
術もある。そして、インバータ装置には、上・下アーム
間で転流モードが存在し、その期間中はアーム短絡と同
じ状態(以下、擬似短絡状態という)になるので、転流モ
ード動作期間中は過電流検出を実行しないように、マス
ク(転流モードマスクとも呼称する)を掛けている。
【0005】更に、インバータ装置のように、高速にス
イッチング動作を行わせる場合は、1回の通電期間が短
かいので、通電期間に対するマスク期間が相対的に大き
くなり、高速化に伴って過電流が検出できない虞れがあ
る。この危惧に対しては、マスク期間をインバータ装置
固有の転流モード期間に対応させて可能な限り短く設定
すると共に、通電期間の最小幅をマスク期間以上とする
ことで対応している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、上記従
来技術によれば、マスク期間の設定長さによっては通電
終了直後に発生した過電流は検出できない虞れがあり信
頼性向上の妨げとなり、そして、この虞れはスイッチン
グ動作の高速化の制約に繋がっている。 従って、本発
明の目的は、過電流の早期検出を可能とするスイッチン
グ素子過電流検出方法を提供することにある。また、他
の目的は、アーム短絡等による過電流を早期にかつ確実
に検出し、制御の高速化に対応できかつ素子保護性を向
上するスイッチング素子用駆動回路およびインバータ装
置を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するスイ
ッチング素子過電流検出方法は、スイッチング素子のコ
レクタ電流またはエミッタ電流の時間変化率 (di/dt)の
情報を利用して、転流モードマスクを解除し、前記スイ
ッチング素子の過電流を検出するものである。また、上
記目的を達成する本発明のスイッチング素子用駆動回路
の特徴は、スイッチング素子のコレクタ電流またはエミ
ッタ電流の時間変化率 (di/dt)から、前記スイッチング
素子の転流モード動作の擬似短絡状態の終了を捕らえて
転流モードマスクを解除し、スイッチング素子過電流検
出を実行する手段を有することにある。
【0008】さらに、スイッチング素子のコレクタ電流
またはエミッタ電流の変化の影響を受けて発生するdi/d
t電圧を検出するdi/dt検出手段と、 前記di/dt電圧をコ
レクタ・エミッタ間の電圧に重畳して重畳電圧を得る重
畳手段と、 前記重畳電圧が第1基準値以上のときに前
記スイッチング素子の過電流検出を開始し、かつ、第2
基準値以上のときに過電流であると判定する手段とを備
えるところにある。
【0009】さらにまた、受け取ったオン・オフ指令信
号に応じた出力電圧をスイッチング素子のゲートに印加
して、当該スイッチング素子のオン・オフ駆動を制御す
るゲート電圧入力手段と、 スイッチング素子のコレク
タ電圧にdi/dt電圧を重畳する重畳手段と、重畳電圧が
第1基準値以下のときに第1検出信号を出力する第1の
検出手段と、第1検出信号が出力されたときにマスクを
解除すると同時に重畳電圧が一定時間以上継続し第2基
準値以上に達したときに第2の検出信号を出力する第2
の検出手段と、第2の検出信号の出力に応動してゲート
電圧入力手段の出力電圧を徐々に低下させるコレクタ電
流絞り込み手段と、ゲート電圧入力手段の出力電圧が所
定値に低下するまでオン指令信号を保持するオン保持手
段と、を備える点にある。
【0010】そして、本発明によるインバータ装置は、
請求項2ないし請求項5のいずれか1項記載のスイッチ
ング素子用駆動回路を備えたものである。本発明によれ
ば、コレクタまたはエミッタを流れる電流変化が転流モ
ード動作の終了を早期に知らせるので、転流モードマス
クの解除を早めることができる。この結果、スイッチン
グ素子過電流検出の領域が増えて素子保護性が向上す
る。と同時に、制御の高速化に対応することができる。
【0011】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態につい
て、図面を参照し説明する。図1は、本発明による一実
施例のスイッチング素子用駆動回路を示す図である。本
実施例のスイッチング素子は、静電誘導形自己消弧素子
としてのIGBTを採用している。 また、一個のIG
BTに対するスイッチング素子用駆動回路(以下駆動回
路とも略す)を示しているが、 複数個のIGBTに対し
て一つに纏めた駆動回路も考えられ、これらの基本原理
は同じである。尚、静電誘導形自己消弧素子としては、
MOS−FETやSITなどもある。
【0012】駆動回路33の構成は、次の通りである。
ゲート用電源1,2の電圧は、コンプリメンタリに接続
されたNPN形のトランジスタ7,PNP形のトランジ
スタ8および抵抗9を介して、IGBT10のゲートに
印加され、トランジスタ7,8のベース共通点は、NP
N形のトランジスタ5のコレクタに接続されている。そ
して、トランジスタ5のベースは、ホトトランジスタ3
のコレクタに接続されており、ホトトランジスタ3のベ
ースに、他回路の制御回路35からのオン・オフ指令信
号を与えることによって、非制御体としてのIGBT1
0のオン・オフ状態を制御するゲート電圧入力回路を構
成している。すなわち、ゲート電圧入力回路(ゲート電
圧入力手段)は、ホトトランジスタ3,トランジスタ
5,トランジスタ7,トランジスタ8および抵抗4,
6,9を含み構成される。なお、駆動回路33に、IG
BT10および/または制御回路35を含めても可であ
る。
【0013】一方、IGBT10のコレクタ側には、 d
i/dt検出手段25とダイオード12とが接続され、ダイ
オード12には抵抗11とコンデンサ13とツエナーダ
イオード14とが接続点Mで接続されている。そして、
接続点Mの電圧を検出する第1の検出回路が構成されて
いる。すなわち、過電流を検出するための第1の検出回
路は、 少なくともダイオード12とdi/dt検出手段25
とを含み構成されていて、di/dt電圧を検出する。 ま
た、接続点Mに接続されている抵抗11とコンデンサ1
3とで、フィルタが構成されている。さらに、第1の検
出回路は、後述するVce電圧を検出する回路でもある。
【0014】そして、 コンデンサ13とツエナーダイ
オード14と(トランジスタ15などを含めても可である)
からなる回路は、 過電流を検出するための第2の検出
回路であり、 IGBT10にゲート電圧印加中のコレ
クタ電圧のレベル(後述の第2基準値としてのLevelc)
を検出する等価的な過電流検出回路を構成する。 即
ち、短絡電流が流れ続けてコンデンサ13の端子電圧が
Levelcに達すると、ツエナーダイオード14が通電開
始し、 後述のゲート電圧調整回路(トランジスタ15な
ど)によってゲート電圧の調整が行われ、ゲート電圧VG
は徐々に低下し、このとき並行して、 トランジスタ2
3のベースに接続されたタイマ回路(抵抗22に発生し
た電圧をコンデンサ21と抵抗24にて遅延させる回
路)が作動して、 一定時間後にトランジスタ23がオン
してコレクタ電流Icをオフする構成である。
【0015】すなわち、 本発明の特徴に関わる「di/dt
検出手段が検出したdi/dt電圧をVce電圧(コレクタ・エ
ミッタ間の電圧)に重畳してVce重畳値を求める手段」と
しての回路は、IGBT10のコレクタ側とエミッタ側
とに接続された、抵抗11とコンデンサ13とツエナー
ダイオード14とトランジスタ15などから構成される
回路に直列接続されている、ダイオード12と di/dt検
出手段25とから構成されている。
【0016】更に、トランジスタ15のベースには抵抗
20が接続され、トランジスタ15のコレクタには、ダ
イオード16,抵抗17,ダイオード18を介してトラ
ンジスタ7,8のベースが接続され、抵抗17とダイオ
ード18の接続点にはコンデンサ19が接続されてい
る。これらのトランジスタ15とダイオード16と抵抗
17とダイオード18とコンデンサ19と抵抗20とに
より、ゲート電圧調整回路(コレクタ電流絞り込み手段)
が構成される。一方、コンデンサ26と抵抗11とによ
って、後述するマスク期間の設定手段が構成されてい
る。
【0017】また、トランジスタ15のエミッタには、
コンデンサ21が接続され、このコンデンサ21の一方
端には抵抗22が接続され、他方端にはトランジスタ2
3のベースと抵抗24とが接続されて、前述のタイマ回
路が構成されている。 そして、トランジスタ23のコ
レクタをトランジスタ3のコレクタに接続してオン保持
回路(オン保持手段)が構成されている。
【0018】次に、本実施例の特徴に関わるIGBT1
0のdi/dt検出手段のdi/dt電圧に基づいて、過電流を検
出する第1の検出回路について、即ち、スイッチング素
子過電流検出方法に関して説明する。本実施例の第1の
検出回路は、一方向にのみ通電を許可するダイオード1
2と該ダイオード12とIGBT10のコレクタとの間
に結線して設けて、コレクタ電流(またはエミッタ電流)
の変化としてのdi/dtを 検知することができるよう構成
されたdi/dt検出手段25とを含み構成されて、(1)di/d
t電圧を検出し、(2)該di/dt電圧をコレクタ電圧Vceに
重畳する、 本実施例の第2の検出回路は、短絡時に電
圧レベルを高く維持する、というそれぞれの機能を有し
て、 「転流モードマスクの解除を早める」、 すなわち、
「過電流検出の開始を早める」ことを可能にするものであ
る。
【0019】図2は、本発明による一実施例のdi/dt検
出手段を示す図である。 図2において、 IGBTモジ
ュール27には主回路配線28,29が固定されている
ので、この主回路配線28,29に近接して配置したdi/
dt検出手段、即ち、主回路配線28,29を流れる電流
によって生じる電磁誘導から 電流変化が検出可能であ
るコイル状に形成したdi/dt検出手段25,36にて、di
/dt電圧を検出している。コイル形状のdi/dt検出手段は
単純な構造となるので望ましいと言える。尚、di/dt検
出手段の配置は、IGBT10のコレクタ側のdi/dt検
出手段25またはエミッタ側のdi/dt検出手段36のい
ずれにあっても可である。
【0020】次に、上記スイッチング素子用駆動回路構
成の動作について、図4,図5に示したタイムチャート
を参照しながら説明する。図4は、本実施例のスイッチ
ング素子用駆動回路の通常時の動作を示す図である。図
5は、本実施例のスイッチング素子用駆動回路の短絡時
の動作を示す図である。図4においては、駆動回路の通
常時の1相分の動作を示し、端子「P」から「O」へ電流I
c1が流れたときの Vce電圧波形ならびにdi/dt検出電圧
波形を示している。従来技術においては、Vce電圧がL
evela以下になるA点までの時間をマスクしていた。換
言すれば、Vce電圧が判定Levelaに達する時間を基準
にしてマスク期間を設定するものであった。
【0021】これに対して本発明では、di/dt電圧をVc
e電圧に重畳してVce重畳値(重畳電圧H)を得て、 該V
ce重畳値がLevelb以下になるB点までの時間をマスク
するものである。重畳しない点線より重畳した実線の方
が、Vce重畳値の変化が早くなり、即ち、早く小さくな
るので、LevelbのB点に達するまでの時間を短くでき
る効果がある。 換言すれば、 スイッチング素子のコレ
クタ電流またはエミッタ電流の時間変化率(di/dt)を利
用すると、 スイッチング素子の転流モード動作の擬似
短絡状態の終了を、いち早く捕らえることができるとい
うことである。即ち、Vce重畳値が判定Levelb(第1
基準値)に達する時間を基準にして、マスク期間Mtを設
定するものである。
【0022】具体的には、Levelbに達したか否かを判
定する手段は、トランジスタ15であり、該トランジス
タ15がトランジスタ15に印加されるベース・エミッ
タ間の電圧がLevelbの電圧に達すればオン、未達であ
ればオフして判定するものである。また、トランジスタ
15をオン・オフする、即ち、マスク期間Mtを設定する
手段は、抵抗11とコンデンサ26とで構成されるタイ
マ回路である。これらは予め回路設計時に設定すること
が可能なものである。
【0023】一方、 di/dt電圧をVce電圧に重畳してV
ce重畳値を得て、該Vce重畳値がLevelb以下になるB
点までの時間をマスクするものであることを言い換えれ
ば、コレクタ電流またはエミッタ電流の時間変化率(di/
dt)から、 転流モード動作の擬似短絡状態の終了を捕ら
えて転流モードマスクを解除し、本来のスイッチング素
子過電流検出を早期に実行する(開始する)ものであると
も言える。すなわち、スイッチング素子の通常のターン
オン動作時(転流モード)における擬似短絡状態では、自
己消弧素子に流れるコレクタ電流(またはエミッタ電流)
からdi/dt検出手段によって検出したdi/dt電圧は、通常
時において、3相インバータブリッジで1相のIGBT
オン時は、+方向に出力され、IGBTオフ時は、−方
向に出力される。このdi/dt電圧をコレクタ・エミッタ間
の電圧のVce電圧に重畳することによって、Vce重畳値
が早期に変化し、不要な擬似短絡状態の短縮を可能とす
る情報を提供するように作用する。
【0024】従って、上記の電流変化を利用して、具体
的にはVce重畳値の変化として検出して、タイマ回路や
トランジスタ15を含む回路でLevelbに達したか否か
を判定し、未達の間はオフしてマスクし、達すればオン
してマスクを解除するものである。 換言すれば、電流
変化としてのdi/dtを利用すれば、予めマスク期間を短
く設定できる回路構成にすることができると言える。
【0025】以上を纏めれば、本発明によるスイッチン
グ素子過電流検出方法の特徴は、スイッチング素子のコ
レクタ電流またはエミッタ電流の時間変化率 (di/dt)の
情報を利用して、転流モードマスクを解除し、スイッチ
ング素子の過電流を検出することにある。そして、本発
明によるスイッチング素子用駆動回路の特徴は、スイッ
チング素子のコレクタ電流またはエミッタ電流の時間変
化率から、スイッチング素子の転流モード動作の擬似短
絡状態の終了を捕らえて転流モードマスクを解除し、ス
イッチング素子過電流検出を実行する手段を有するとこ
ろにある。さらにまた、スイッチング素子のコレクタ電
流またはエミッタ電流の変化の影響を受けて発生するdi
/dt電圧を検出するdi/dt検出手段と、di/dt電圧をコレ
クタ・エミッタ間の電圧に重畳して重畳電圧を得る重畳
手段と、重畳電圧が第1基準値以下のときにスイッチン
グ素子の過電流検出を開始する手段とを備えることにあ
っても可である。
【0026】一方、図5に示す短絡時の動作では、端子
「P」から「N」へ向かって短絡電流が流れるので、 Ic1
は、I1〜Ipまで流れ続け、Vce重畳値は変化しない
状態となる。即ち、di/dt電圧は+方向に出力され放し
になり、di/dt電圧をVce電圧に重畳してもH一定のま
ま、即ち、第1基準値(Levelb)以上の状態であり、所
定時点で過電流であることが判定される。また、前述し
たように短絡電流が流れ続ければ、コンデンサ13の端
子電圧が、即ち、Vce重畳値(重畳電圧)がLevelc以上
になり過電流であることが判定される、換言すれば、第
2基準値としてのLevelcが検出される、または、過電
流検出信号Kが出力されると言える。なお、コンデンサ
13の端子電圧はVce重畳値(重畳電圧)と同値である。
【0027】従って、本発明によるスイッチング素子用
駆動回路の他の特徴は、スイッチング素子のコレクタ電
流またはエミッタ電流の変化の影響を受けて発生する d
i/dt電圧を検出するdi/dt検出手段と、 di/dt電圧をコ
レクタ・エミッタ間の電圧に重畳して重畳電圧を得る重
畳手段と、 重畳電圧が第1基準値 (Levelb)以上のと
きにスイッチング素子の過電流検出を開始し、かつ、第
2基準値(Levelc)以上のときに過電流であると判定す
る手段とを備えるところにある。
【0028】そして、短絡時の場合は、 図4に説明し
た方法で設定したマスク期間Mtをそのまま利用してマ
スクを解除し、 マスク期間Mt以後の解除領域を、保護
可能な領域、即ち、本来のスイッチング素子過電流検出
の実効範囲とするものである。換言すれば、 マスク期
間Mtが従来技術のマスク期間よりも短く設定できるの
で、その分過電流に対する保護領域が増えて、信頼性が
向上すると言える。
【0029】次に、長くなる保護可能領域における駆動
回路の保護動作について説明する。図6は、本実施例の
スイッチング素子用駆動回路の保護動作を示すタームチ
ャートである。図において、トランジスタ3のベース信
号、IGBT10のコレクタ電圧Vce,コレクタ電流I
cおよびゲート電圧、 コンデンサ13の電圧、ツエナー
ダイオード14の電流、di/dt電圧の各々の波形が示さ
れている。実線は、短絡時の動作波形であり、コレクタ
電流の波形において、短絡検知時にコレクタ電流Icを
いきなり急激にオフせずに、 ゲート電圧を低下しつ
つ、徐々にソフトにコレクタ電流Icをオフするように
している。
【0030】即ち、過電流検出信号Kが出力されるとコ
レクタ電流絞り手段が動作を開始して、ゲート電圧を所
定の時定数で低下して過電流を減流する。そして、一般
的には、 制御回路35(PWM方式の点弧制御回路など
を含むシステム制御回路をいう)からの停止信号(オフ指
令)によりゲート電圧の印加動作を停止するが、 本実施
例の場合は、所定の時定数でゲート電圧を低下させる所
定の期間の間は、オン保持手段の作用により制御回路側
から停止信号が入ってきても、ゲート電圧の印加動作は
停止されず、過電流を十分に減流してから遮断するよう
になっている。この構成によって、停止信号の直前に過
電流を検出した場合でも、過電流を直接遮断することが
なく、素子破壊を防止することができる。
【0031】一方、点線は通常時の動作波形であり、
マスク期間Mtより早くツエナーダイオード14が通電
しないように、即ち、コンデンサ13の電圧がLevelc
に達する時間をマスク期間Mtより後になるように、 コ
ンデンサ13の容量などを設定してゲート絞りなどの誤
作動を回避するものである。
【0032】即ち、本発明によるスイッチング素子用駆
動回路の別の特徴は、受け取ったオン・オフ指令信号に
応じた出力電圧をスイッチング素子のゲートに印加し
て、 当該スイッチング素子のオン・オフ駆動を制御す
るゲート電圧入力手段と、スイッチング素子のコレクタ
電圧にdi/dt電圧を重畳する重畳手段と、 重畳電圧が第
1基準値(Levelb)以下のときに第1検出信号を出力す
る第1の検出手段と、第1検出信号が出力されたときに
マスクを解除すると同時に重畳電圧が一定時間以上継続
し第2基準値(Levelc)以上に達したときに 第2の検
出信号(過電流検出信号K)を出力する第2の検出手段
と、 第2の検出信号の出力に応動してゲート電圧入力
手段の出力電圧を徐々に低下させるコレクタ電流絞り込
み手段と、ゲート電圧入力手段の出力電圧が所定値に低
下するまでオン指令信号を保持するオン保持手段と、を
備えたことにある。
【0033】図7は、本発明による一実施例のインバー
タ装置を示す図である。本発明による実施例を3相イン
バータに採用した場合について示している。図におい
て、駆動回路33とインバータ回路34と制御回路35とを含
み構成するインバータ装置32は、3相の誘導電動機31へ
の電源30の供給を制御している。この制御動作について
は良く知られている内容なので、説明は省略する。
【0034】すなわち、本発明によるインバータ装置
は、静電誘導形自己消弧素子をスイッチング素子とする
ブリッジ構成のインバータ回路34と、与えられるオン・
オフ指令信号に応じた電圧をスイッチング素子のゲート
に印加するゲート電圧入力手段と,スイッチング素子の
重畳電圧が第1基準値(Levelb)以下のときに第1検出
信号を出力する第1の検出手段と,第1検出信号が出力
されたときにマスクを解除すると同時に重畳電圧が一定
時間以上継続し第2基準値(Levelc)以上に達したとき
に過電流検出信号K(第2の検出信号)を出力する第2の
検出手段と,過電流検出信号Kの出力に応動してゲート
電圧入力手段の出力電圧を徐々に低下させるコレクタ電
流絞り込み手段と,ゲート電圧入力手段の出力電圧が所
定値に低下するまでオン指令信号を保持するオン保持手
段とから構成される駆動回路33と、制御回路35とを有し
てなるものである。
【0035】上記構成であれば、IGBT10の過電流
や過電圧破壊が無く信頼性の高い、また、高速化に対応
できるインバータ装置が提供される。なお、上述の実施
例はすべてインバータに適用したものとして説明した
が、本発明による過電流検出方法はチョッパ回路等を含
む電流制御素子としてのスイッチング素子に適用して
も、同じ効果を奏することができる。
【0036】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、
コレクタ電流のdi/dt検出手段の出力電圧により過電流
検出のために設定しているマスク期間を短くして、ター
ンオンに伴う過電流か否かを識別してアーム短絡または
負荷短絡によるスイッチング素子の過電流を早期に検出
開始することができるので、制御の高速化に対応するこ
とができるとともに、短絡保護領域増大によって信頼性
を向上できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明による一実施例のスイッチング素子用駆
動回路を示す図である。
【図2】本発明による一実施例のdi/dt検出手段を示す
図である。
【図3】IGBTのコレクタ電圧と電流の関係を示す図
である。
【図4】本実施例のスイッチング素子用駆動回路の通常
時の動作を示す図である。
【図5】本実施例のスイッチング素子用駆動回路の短絡
時の動作を示す図である。
【図6】本実施例のスイッチング素子用駆動回路の保護
動作を示すタームチャートである。
【図7】本発明による一実施例のインバータ装置を示す
図である。
【符号の説明】
1,2…ゲート用電源、3…ホトトランジスタ、4,6,
9,11,17,20,22,24…抵抗、5,7,8,15,23…トランジ
スタ、10…IGBT、12,16,18…ダイオード、13,19,2
1,26…コンデンサ、14…ツエナーダイオード、25,36…d
i/dt検出手段、27…IGBTモジュール、28,29…主回
路配線、30…電源、31…誘導電動機、32…インバータ装
置、33…駆動回路、34…インバータ回路、35…制御回
路。

Claims (6)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】スイッチング素子のコレクタ電流またはエ
    ミッタ電流の時間変化率 (di/dt)の情報を利用して、転
    流モードマスクを解除し、前記スイッチング素子の過電
    流を検出することを特徴とするスイッチング素子過電流
    検出方法。
  2. 【請求項2】スイッチング素子のコレクタ電流またはエ
    ミッタ電流の時間変化率 (di/dt)から、前記スイッチン
    グ素子の転流モード動作の擬似短絡状態の終了を捕らえ
    て転流モードマスクを解除し、スイッチング素子過電流
    検出を実行する手段を有することを特徴とするスイッチ
    ング素子用駆動回路。
  3. 【請求項3】スイッチング素子のコレクタ電流またはエ
    ミッタ電流の変化の影響を受けて発生するdi/dt電圧を
    検出するdi/dt検出手段と、前記di/dt電圧をコレクタ・
    エミッタ間の電圧に重畳して重畳電圧を得る重畳手段
    と、前記重畳電圧が第1基準値以上のときに前記スイッ
    チング素子の過電流検出を開始し、かつ、第2基準値以
    上のときに過電流であると判定する手段とを備えたこと
    を特徴とするスイッチング素子用駆動回路。
  4. 【請求項4】受け取ったオン・オフ指令信号に応じた出
    力電圧をスイッチング素子のゲートに印加して、当該ス
    イッチング素子のオン・オフ駆動を制御するゲート電圧
    入力手段と、 スイッチング素子のコレクタ電圧にdi/dt
    電圧を重畳する重畳手段と、重畳電圧が第1基準値以下
    のときに第1検出信号を出力する第1の検出手段と、第
    1検出信号が出力されたときにマスクを解除すると同時
    に重畳電圧が一定時間以上継続し第2基準値以上に達し
    たときに第2の検出信号を出力する第2の検出手段と、
    第2の検出信号の出力に応動してゲート電圧入力手段の
    出力電圧を徐々に低下させるコレクタ電流絞り込み手段
    と、ゲート電圧入力手段の出力電圧が所定値に低下する
    までオン指令信号を保持するオン保持手段と、を備えた
    ことを特徴とするスイッチング素子用駆動回路。
  5. 【請求項5】請求項2ないし請求項4のいずれか1項に
    おいて、 前記di/dtを検出する手段は、前記コレクタ電
    流または前記エミッタ電流が流れる主回路配線に近接配
    置したコイル手段であることを特徴とするスイッチング
    素子用駆動回路。
  6. 【請求項6】請求項2ないし請求項5のいずれか1項記
    載のスイッチング素子用駆動回路を備えたことを特徴と
    するインバータ装置。
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