JPH10225080A - モータ - Google Patents

モータ

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Publication number
JPH10225080A
JPH10225080A JP2820197A JP2820197A JPH10225080A JP H10225080 A JPH10225080 A JP H10225080A JP 2820197 A JP2820197 A JP 2820197A JP 2820197 A JP2820197 A JP 2820197A JP H10225080 A JPH10225080 A JP H10225080A
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JP
Japan
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permanent magnet
magnet
pole
rotor
magnetic
Prior art date
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Pending
Application number
JP2820197A
Other languages
English (en)
Inventor
Yoshimasa Kunii
良昌 国井
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Fujifilm Business Innovation Corp
Original Assignee
Fuji Xerox Co Ltd
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Filing date
Publication date
Application filed by Fuji Xerox Co Ltd filed Critical Fuji Xerox Co Ltd
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Publication of JPH10225080A publication Critical patent/JPH10225080A/ja
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  • Mechanical Optical Scanning Systems (AREA)
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  • Connection Of Motors, Electrical Generators, Mechanical Devices, And The Like (AREA)
  • Permanent Magnet Type Synchronous Machine (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 各種の重量の異なる回転多面鏡を大型化させ
ることなく、回転多面鏡を支持する安価なモータを提供
する。 【解決手段】 ステータ側スラストマグネット25の吸
着中心(磁力中立面L1)を軸方向に沿った長さの中央
位置よりもずらした位置にする。即ち、マグネット25
の上面に厚さT2の磁性板36を貼付する。これによ
り、S極25A側の磁場が磁性板36側へシフトし、磁
性板36の近傍の磁力が高まり、磁力中立面L1が上方
へシフトする。そのため、各種の重量の異なる回転多面
鏡を回転体に搭載しても、回転体がシフトし、その変位
量によって回転体を所定位置に保持する。従って、各種
の重量の異なる回転多面鏡を大型化させることなく、回
転多面鏡を支持する安価なモータを提供できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、例えばレーザ・プ
リンタ、デジタル・複写機、レーザ・ファックス、PO
S(バーコード読取装置)などの光走査装置などに適用
することができ、回転体軸方向に偏平でコンパクトな形
状を提供できるモータに関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、光ビームを被走査部材としての
記録媒体上に走査する光走査装置には、情報を含む光ビ
ームを所定の方向へ偏向し、走査させるため、例えば多
数の反射面を外周に形成した回転多面鏡をDC・ブラシ
レス・モータ等の駆動モータで回転させるようにした光
偏向器が使われている。
【0003】即ち、レーザ等の光源から出射された光ビ
ームで被走査部材としての画像担体を走査してその画像
を読み取る画像読取装置、あるいは画像信号や文字信号
で変調された光ビームで記録媒体を走査して画像の記録
を行う画像記録装置では、上記光ビームを走査するため
の手段として回転多面鏡を駆動モータに固定した光偏向
器が用いられる。
【0004】以下、図11及び図12に基づき、従来の
光偏向器について説明する。図11には、特開昭58−
43421の光偏向器が示されている。この光偏向器
は、回転軸90の中心にフェライト系希土類のマグネッ
ト92が配置されている。マグネット92の径方向に対
向する位置には、主に珪素鋼板を使用した厚さ0.3m
m〜0.5mmのドーナツ型の鉄心(コア)96が積層
されている。コア96の周辺には、コイル(銅線)94
が多重に巻かれている。これは、DCブラシレス・モー
タの代表的なものである。
【0005】また、図11の光偏向器には、大小各種の
回転多面鏡98、つまり、各種の回転体(回転多面鏡9
8などで構成されたロータ)の重量の支持を許容するた
めに、軸方向の下部に多重のスラスト磁気軸受部100
が装着されている。即ち、回転体の軸方向の重量支持
は、回転軸90の径方向外側に配置されたN極(また
は、S極)に着磁された一個の回転側磁石100Aと、
これに半径方向のギャップを隔てて対向して配置された
S極(または、N極)に着磁された一個の固定側磁石1
00Bを上下多重に配置することによって行っている。
これは、大小多様な回転多面鏡98を搭載するためであ
り、汎用性を持たせるためである。言い換えれば、多様
な回転体重量を許容するためである。
【0006】さらに、図11の光偏向器には、回転軸9
0を軸方向に位置調整可能にする位置調整機構(リン
グ)102が配置されている。また、回転多面鏡98の
厚み方向のほぼ中央にビームを入射させるために、固定
側磁石100Bをネジ方式により軸方向に移動可能な移
動調整機構が配置されている。
【0007】一方、図12の光偏向器のモータは、携帯
ステレオ・カセット・プレーヤなどに大量採用され、現
在では一般的になったDCブラシレス・モータのコアレ
ス・タイプの偏平薄型のモータである。
【0008】即ち、光偏向器は、ステータ70側のハウ
ジング72に立設した固定軸74に回転多面鏡75を固
定したスリーブ73を設けたロータ76を動圧軸受によ
って軸支し、ハウジング72に配置したコイル基板78
下のコアレスコイルである駆動コイル80を励磁切換え
制御し、ロータ76側のメインマグネット82との間に
働く磁力によって、ロータ76を回動するように構成さ
れている。なお、ハウジング72には、スリーブ73の
下面に対向するようにカラー(環状)シール77が固定
されている。
【0009】また、ハウジング72上には、スラストマ
グネットホルダ84が取り付けられてる。このホルダ8
4は、図示しない締結部材によってハウジング72上の
所定位置に位置決めして配置されている。このホルダ8
4の上部には、断面矩形のリング状に形成されたステー
タ側スラストマグネット86が圧入や接着等の方法によ
って取付けられている。
【0010】さらに、ロータ76には、ロータ側スラス
トマグネット88が、ステータ側スラストマグネット8
6と同芯となり、半径方向のギャップを隔てて対向する
よう配置されている。なお、ステータ側スラストマグネ
ット86及びロータ側スラストマグネット88は、安価
なフェライト系プラスチック・マグネットで形成されて
いる。
【0011】そして、ロータ側スラストマグネット88
の外周面部と、ステータ側スラストマグネット86の内
周面部とは、吸引力が働くよう相互に異極即ち図13に
示すように、軸方向の上下面がS/N極またはN/S極
に着磁され、スラスト磁気軸受が構成されている。この
スラスト磁気軸受は、2個のマグネット86、88の働
く吸引力がロータ76の回転軸74におけるスラスト方
向(スラスト方向とは、軸方向のこと)の荷重に勝っ
て、ロータ76全体を浮上させるように作用する。
【0012】このため、ロータ76は、スラスト磁気軸
受によりスラスト方向に支受されるとともに、動圧軸受
によりラジアル方向(ラジアル方向とは、軸心に対して
垂直な方向即ち放射線方向のこと)に支受されている。
これにより、コイル基板78の駆動回路によって複数個
の駆動コイル80に交番電圧を印加するよう制御し、ロ
ータ76を宙に浮いた状態で高速回転を可能とする。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】ところで、図11の光
偏向器は、コア96の存在が径方向にも、軸方向にもサ
イズ的に大きくなる欠点があった。また、軸方向に位置
調整機構102を付加したため、光偏向器の軸方向のサ
イズが大型化した。さらに、回転多面鏡98の厚み方向
のほぼ中央にビームを入射させるために、固定側磁石1
00Bをネジ方式により軸方向に移動可能な移動調整機
構を持たせているので、光偏向器の軸方向のサイズを大
型化させている。なお、上記の調整機構は、生産工程に
おける光偏向器個々の調整を必要とし、生産性の低下を
も招いていた。
【0014】一方、上記課題を解決するために、図12
に示すモータは、偏平薄型を追求して、コアレス・モー
タ方式を採用し、さらに、回転多面鏡75とメインマグ
ネット82の間にスラスト磁気軸受(ステータ側スラス
トマグネット86及びロータ側スラストマグネット8
8)を径方向に配置させた。このため、大小多種の回転
多面鏡75(または、75A)の重量に対応できる汎用
性を失った。
【0015】即ち、図12の光偏向器は、図11に示す
スラスト磁気軸受部100を多重にしたり、軸方向の位
置調整機構102を設けるなどのスペースがなく、ま
た、スラスト磁気軸受を構成するステータ側スラストマ
グネット86及びロータ側スラストマグネット88は、
安価なフェライト系プラスチック・マグネットで形成さ
れている。そのため、これらのマグネット86,88
は、その磁力による吸引力が強力なネオジ系やアルニコ
系のマグネットに比べると、劣る変位特性(剛性)を示
している(図4参照)。
【0016】従って、モータの偏平構造,及びロータ7
6の全重量を支持するスラスト磁気軸受(ステータ側ス
ラストマグネット86及びロータ側スラストマグネット
88)が安価な材料では、ロータ76の許容重量が実質
50gw〜70gwの狭い範囲であった(許容範囲が狭
い)。
【0017】ところで、図13の場合即ちN極とS極の
境界面である磁力中立面W1がステータ側スラストマグ
ネット86及びロータ側スラストマグネット88の厚み
方向の中間に位置する場合には、無重力状態において、
各々の上下面のずれはほぼゼロとなる。これは、両者の
マグネット86,88が磁力中立面W1を一致させたと
ころで最も安定した状態を維持するからである。
【0018】ここで、図12の実線で示した小型の回転
多面鏡75を実装したロータ76の総重量を例えば52
gwとすると、図4の実線に示すように、その変位置は
約0.5mmとなる。
【0019】つまり、図12に示す「ずれ量(沈み量)
W2」は0.5mmとなり、各所の設計寸法例えば回転
多面鏡75の下面とホルダ84の上面との距離W3が
0.6mm,メインマグネット84の下面とコイル基板
78の上面との距離W4が0.5mm,スリーブ73の
下面とカラーシール77の上面との距離W5が0.4m
mに保持されている。
【0020】特に、距離W4の0.5mmの設計寸法
は、実験的に求められた電気的に最も効率の良いすき間
であり、0.5±0.1mmの精度が求められる。ここ
で、「電気的に最も効率の良い」とは、定格電流値が低
く、発熱が少ないことを意味する。
【0021】ところで、図12の二点鎖線で示した大型
の回転多面鏡75Aを実装した場合のロータ76の総重
量は例えば83gwとなり、その変位量は図4に示すよ
うに0.8mmとなる。つまり、メインマグネット82
とコイル基板78との隙間W4が0.2mm(0.5−
0.3=0.2mm)となり、電気的に効率の悪いモー
タになる。
【0022】また、図12に示す「ずれ量(沈み量)」
が0.8mmとなるので、スリーブ73の下面とカラー
シール77の上面との距離W5が0.1mm(0.4−
0.3=0.1mm)となり、互いに干渉する恐れがあ
る。一方、偏平薄型の設計思想を貫くためには、スラス
ト磁気軸受(ステータ側スラストマグネット86及びロ
ータ側スラストマグネット88)の物理的空間(スペー
ス)を維持しなければならない。
【0023】これを容易に解決するために、ステータ側
スラストマグネット86及びロータ側スラストマグネッ
ト88を図4の点線で示す特性を有する強力なネオジ系
やアルニコ系のマグネットに材料変更することが考えら
れるが、いずれも従来のフェライト系プラスチック・マ
グネットの3〜5倍のコスト・アップ(高価)になって
しまう。
【0024】本発明は上記事実を考慮し、各種の重量の
異なる回転多面鏡を大型化させることなく、回転多面鏡
を支持する安価なモータを提供することが目的である。
【0025】
【課題を解決するための手段】請求項1記載のモータ
は、ハウジングに配置される軸またはスリーブの一方が
回転体とされて他方に対して回転するモータであって、
前記回転体に設けられる第1の永久磁石と、この第1の
永久磁石の外周に半径方向のギャップを隔てて対向する
ように固定的に配置されて前記第1の永久磁石を吸着し
て前記回転体を軸方向に位置決めする第2の永久磁石と
を有し、前記第1の永久磁石または前記第2の永久磁石
の吸着中心を前記第1の永久磁石または前記第2の永久
磁石の回転体軸方向に沿った長さの中央位置よりもずら
した位置にしたことを特徴とする。
【0026】請求項1記載のモータでは、第1の永久磁
石または第2の永久磁石の吸着中心を第1の永久磁石ま
たは第2の永久磁石の回転体軸方向に沿った長さの中央
位置よりもずらした位置にしたので、各種の重量の異な
る回転多面鏡を回転体に搭載しても、回転体がシフト
し、その変位量によって回転体を所定位置に保持する。
【0027】従って、請求項1記載のモータでは、各種
の重量の異なる回転多面鏡を大型化させることなく、回
転多面鏡を支持する安価なモータを提供できる。
【0028】ここで、永久磁石の吸着中心とは、一方の
永久磁石が、他方の永久磁石をその一点で吸着させるか
のように作用する吸着位置であって、他方の永久磁石を
引きつけるための吸着力の中心をいう。具体的には、永
久磁石のN極とS極との境界面としての「磁力中立
面」,及び例えば磁力の大きさを表している磁力分布線
図における磁力分布が山一つの場合には磁力の最大値の
地点を通る径方向の面すなよわち「磁力最大面」などで
ある。なお、磁力分布が複雑な山の場合(例えば、複雑
な起伏がある場合)、「磁力最大面」は、磁力分布の中
央の地点を通る径方向の面となる。
【0029】請求項2記載のモータでは、請求項1に記
載の発明において、前記第1の永久磁石のN極とS極が
軸方向に形成され、かつ、その軸方向の一端面に磁性板
を付加したことを特徴とする。
【0030】即ち、請求項2記載のモータでは、磁石の
成形時に素材中に含まれるフェライト分布を不均一に
し、軸方向の一端に珪素鋼強板などの磁性板を貼り付
け、この貼り付けた方向を高密度とする。
【0031】請求項3記載のモータでは、請求項1に記
載の発明において、前記第1の永久磁石のN極とS極が
軸方向に形成され、かつ、前記N極と前記S極の境界面
である磁力中立位置が前記第1の永久磁石の軸方向の長
さの中央面に対してずらして着磁したことを特徴とす
る。
【0032】即ち、請求項3記載のモータでは、磁石の
成形時に素材中に含まれるフェライト分布を不均一に
し、着磁作業時において着磁治具によって隙間寸法をず
らす。
【0033】請求項4記載のモータでは、請求項1に記
載の発明において、前記第1の永久磁石のN極とS極が
径方向に形成され、かつ、前記第1の永久磁石と前記第
2の永久磁石との磁力最大面が前記第1の永久磁石の軸
方向の厚さの中央面に対してずらして着磁したことを特
徴とする。
【0034】請求項5記載のモータでは、請求項1に記
載の発明において、前記第1の永久磁石のN極とS極が
径方向に形成され、かつ、前記第1の永久磁石と前記第
2の永久磁石との磁力最大面が前記第1の永久磁石の軸
方向の長さの中央位置に対してずらして着磁したことを
特徴とする。
【0035】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)図1〜図5に基づき、本発明のモータ
を用いた第1実施形態として、図1に示す光偏向器につ
いて説明する。なお、図1は本発明の第1実施形態の光
偏向器の断面図である。
【0036】図1に示すように、光偏向器は、そのステ
ータ10側のハウジング11にネジ13により固定され
た固定軸12に対しスリーブ26を含むロータ14が回
転駆動されるように装着されている。
【0037】なお、固定軸12,スリーブ26におい
て、従来ではステンレス材や超硬材を使用する場合が多
かったが、最近ではロータ14の回転中における固定軸
12に対する衝突による融着(いわゆる、「かじり」)
を起こさないという硬度上の理由からセラミック製も採
用されている。即ち、固定軸12には、エッチング技
術,精密転造技術,サンド・ブラスト技術により、その
外表面にヘリン・ボーン溝16(深さ5μm〜10μm
程度)が形成されている。一方、スリーブ26の内径
は、精密ホーニング技術により、固定軸12と同様にサ
ブ・ミクロンの精度で鏡面仕上げされている。
【0038】(ステータの構成)ステータ10における
ハウジング11の中央部に立設された円柱状の固定軸1
2には、その外周面部に動圧軸受を構成するための溝1
6が形成されている。なお、溝16は、後述するスリー
ブ26に形成しても良く、固定軸12とスリーブ26の
双方の表面が鏡面仕上げであって、共に溝のない安価に
タイプも存在する。
【0039】また、ハウジング11には固定軸12を中
心にした円形の凹部27が形成されており、この凹部2
7にロータ14の下部が挿入される。なお、凹部27の
上面には、固定軸12と同心状にカラーシール22が接
着剤等で固定されている。ハウジング11の固定軸12
を立設した側の平面上には、ロータ14の回転を制御す
るための電子部品を実装した制御回路基板18が固定さ
れている。
【0040】制御回路基板18下のロータ14回りの各
所定位置には、複数個(この実施形態では6個)のステ
ータコイル20が没入されている。また、制御回路基板
18上には、駆動コイルとしてのステータコイル20用
の図示しない制御回路が構成されている。
【0041】また、駆動コイル20と対応位置(駆動コ
イル20の下側)には、モータの効率向上から閉路を形
成するための鉄系金属もしくはフェライトで構成された
リング状のバックヨーク23が、ハウジング11上に穿
設した浅溝11A内に納められてネジもしくは接着剤な
どで固着されている。なお、本実施形態のバック・ヨー
ク23の材質は、例えば厚さ0.5mmのケイ素鋼板で
ある。
【0042】さらに、ロータ14には、ロータ側スラス
トマグネット34が、ステータ側スラストマグネット2
5と同芯となり、半径方向のギャップを隔てて対向する
よう配置されている。なお、ステータ側スラストマグネ
ット25及びロータ側スラストマグネット34は、安価
なフェライト系プラスチック・マグネットで形成されて
いる。
【0043】そして、ロータ側スラストマグネット34
の外周面部と、ステータ側スラストマグネット25の内
周面部とは、吸引力が働くよう相互に異極即ち図3に示
すように、軸方向の上下面がS/N極またはN/S極に
着磁され、スラスト磁気軸受が構成されている。
【0044】スラスト磁気軸受(ロータ側スラストマグ
ネット34及びステータ側スラストマグネット25)
は、2個のマグネット25、34の働く吸引力がロータ
14のスリーブ26におけるスラスト方向(軸線方向)
の荷重に勝って、ロータ14全体を浮上させるように作
用する。
【0045】このため、ロータ14は、スラスト磁気軸
受によりスラスト方向に支受されるとともに、動圧軸受
によりラジアル方向(放射線方向)に支受されている。
これにより、制御回路基板18の駆動回路によって複数
個のステータコイル20に交番電圧を印加するよう制御
し、ロータ14を宙に浮いた状態で高速回転を可能とす
る。
【0046】〔ロータの構成〕図1に示すように、上述
の如く構成されたステータ10に装着されるロータ14
には、スリーブ26が設けられている。
【0047】円筒状に形成されたスリーブ26は、固定
軸12に隙間を設けて挿通され、スリーブ26が高速回
転されることにより、固定軸12とスリーブ26との間
に周囲の空気を取り込んで圧力を発生させるようにした
動圧軸受であるラジアル軸受を構成するようにされてい
る。
【0048】スリーブ26の外周部所定位置には、リン
グ状のフランジ28が焼き嵌めして固定されている。こ
のフランジ28上面には、ミラー取付面29が形成され
ており、このミラー取付面29上に外周辺上の反射面3
0Aが形成された回転多面鏡(ポリゴンミラー)30が
固定されている。このミラー取付面29はスリーブ26
の軸芯に対し、高精度で垂直となるように加工されてい
る。また、回転多面鏡30は多角形柱状に形成され、そ
の反射面30Aが鏡面に加工されている。
【0049】スリーブ26の外周部上端部には、プラス
チックで形成されたバランスリング31が回転多面鏡3
0の上面側に固定されている。なお、スリーブ26に対
するフランジ28,回転多面鏡30などの装着法につい
ては、特開平5−100178号に記載された技術が用
いられている。即ち、スリーブ26と回転多面鏡30の
隙間,スリーブ26とバランスリング31の隙間,及び
回転多面鏡30とバランスリング31の接合面に、「微
粒状物と水溶性の溶剤を含む溶液」を注入し、熱乾燥さ
せて固定されている。これは、回転多面鏡30の反射面
30Aの変形を回避するためで、ネジ、接着剤などは一
切使用していない。
【0050】フランジ28のステータ10側のステータ
コイル20に対応する部位には凹部28Aが形成されて
おり、この凹部28Aにロータヨーク33及び回転駆動
用永久磁石であるプラスチックで成形されたメインマグ
ネット32が接着剤等で固定されている。ロータヨーク
33及びメインマグネット32は、全体がリング状で形
成されている。また、図2に示すように、メインマグネ
ット32は、中心角45度づつに8等分した各区分に、
相隣接する区分が異極となるようN極とS極とが着磁さ
れている。
【0051】なお、ロータヨーク33は、バックヨーク
23と同様に、メインマグネット32との間で閉路を形
成し、モータの効率を向上させている。尚、本実施形態
のロータ・ヨーク33の材質は、厚さ0.8mmの一般
構造用鋼板である。
【0052】図3に示すように、ステータ側スラストマ
グネット25の厚さ(T1+T3)を従来の3mmから
2.7mm(即ち、3−0.3=2.7mm)とする。
そして、これを従来の着磁法により、軸方向にN/S極
を形成すると、その厚さの約半分のところにN極とS極
の境界面である磁力中立面L1が形成される。
【0053】さらに、ステータ側スラストマグネット2
5の上面(S極25A側の上面)に厚さT2(0.3m
m)の磁性板(例えば、珪素鋼板)36を接着剤で貼付
する。これにより、S極25A側の磁場(磁束L4)が
磁性板36側へシフトし、磁性板36の近傍の磁力が高
まる(磁性板36の近傍の磁束密度が高まる)。
【0054】従って、図3に示すように、磁力中立面L
1が、上方へシフトし、例えばN極25Bの下面から
1.8mmのところへ移動する。即ち、N極25Bの厚
さT3は、1.8mmとなる。ここで、無重力場である
と想定すると、これらのマグネット25,34は磁力中
立面L1を一致させたところが最も安定した状態を維持
するから、ロータ側スラストマグネット34は図3に示
すように、上方へ距離L3(例えば、0.3mm)持ち
上げられたところで安定する。
【0055】なお、図4に示すように、「0.3mm」
は図4における縦軸切片(−0.3mm)に相当する。
即ち、図3に示す本実施形態のスラスト磁気軸受(ステ
ータ側スラストマグネット25及びロータ側スラストマ
グネット34)と図13に示す従来例のスラスト磁気軸
受(ステータ側スラストマグネット34及びロータ側ス
ラストマグネット25)の素材は、同じ安価なプラスチ
ック・マグネットで変わらないので、図4の実線に示す
従来例と一点鎖線に示す本発明実施形態の傾きに変化は
ない。
【0056】従って、図1の実線に示すような回転多面
鏡30を搭載したロータ14の総重量を例えば83gw
とすると、その変位量は図4に示すように、その変位量
(沈み量)は0.5mmとなる。
【0057】しかし、本実施形態では、ロータ14が距
離L3(図3参照)シフトして持ち上がるので、その変
位量は図4に示すように、その変位量(沈み量)は0.
5mmとなり、各所の設計寸法例えば回転多面鏡30の
下面とホルダ24の上面との距離W3が0.6mm,メ
インマグネット32の下面と制御回路基板18の上面と
の距離W4が0.5mm,スリーブ26の下面とカラー
シール22の上面との距離W5が0.4mmに保持され
ている。特に、距離W4が0.5mmに保持されるの
で、電気的に最も効率の良い隙間となる。
【0058】上述のように構成された光偏向器は、例え
ば図5に示すような光学走査装置に組み付けられて使用
される。この光学走査装置は、光学箱38に光偏向器を
取り付け、光学箱38の防塵カバーにより密閉された空
間内に回転多面鏡30を臨ませるように構成されてい
る。そして、半導体レーザあるいはガスレーザなどの光
源から出射した光ビームは、図示しない変調手段によっ
て画像信号などで変調される。
【0059】この変調後、光ビームは、コリメータレン
ズを透過し、駆動モータで回転される回転多面鏡30に
入射し、この回転多面鏡30によって走査(スキャニン
グ)された光ビーム40が結像レンズ42を透過し、防
塵ガラス44を透過し、読取部材又は記録部材などの被
走査部材46に適切な像を結ぶように構成され、一般に
用いられているゼログラフィー技術による静電潜像を作
り、又はフィルムを感光する。
【0060】以下、本実施形態の作用について説明す
る。図1に示すように、ロータ14は、スラスト磁気軸
受(ステータ側スラストマグネット34及びロータ側ス
ラストマグネット25)によってロータ14のスリーブ
26におけるスラスト方向(軸線方向)の自重に勝っ
て、ロータ14全体を浮上させるように作用する。
【0061】このため、ロータ14は、スラスト磁気軸
受によりスラスト方向に支受されるとともに、動圧軸受
によりラジアル方向(放射線方向)に支受されている。
これにより、制御回路基板18の駆動回路(図示省略)
によってステータコイル20に交番電圧を印加するよう
制御し、ロータ14が宙に浮いた状態で高速回転され
る。
【0062】(第2実施形態)本発明の第2実施形態を
図6にしたがって説明する。なお、第1実施形態と同一
構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0063】図6は、ステータ側スラストマグネット2
5に図3に示す磁性板36を貼付せずに磁力中立面L1
を0.3mm上方へずらしている。これは、着磁治具に
よって形成する。
【0064】例えば、「プラスチック・マグネット」と
一般的には呼ばれるステータ側スラストマグネット25
の素材には、ナイロン等の高分子化合物にフェライト粒
子が充填されているが、この合成素材の成形時に回転軸
方向に磁場をかけ、フェライト粒子を上方へシフトさせ
る。つまり、上方へ行く程フェライト粒子の密度が高く
なるようにコントロールする。
【0065】その後、通常の方法で着磁作業を行うと、
図6の如きS極25A側の磁力(または磁力密度)がN
極25Bのそれよりも勝り、磁力中立面L1がN極25
Bの下面から距離T3(例えば、1.8mm)のところ
に形成される。ただし、距離T3の1.8mmのところ
にコントロールするためには、磁場の強さと磁場をかけ
る時間を実験的に求める。
【0066】別の方法としては、従来と同様に、ほぼ均
一にフェライト粒子が充填されたステータ側スラストマ
グネット34の素材に磁場をかけ着磁作業をする。そし
て、S極25Aの上面の着磁ヨーク(着磁をするための
治具、装置)をS極25Aとなる面に直付けとする。
【0067】さらに、N極25Bとなる面の着磁ヨーク
を、その面から例えば1mmの空隙をもって着磁すれ
ば、図6に示す位置に磁力中立面L1を形成できる。た
だし、前述の「空隙1mm」は、実験的に求める。
【0068】なお、その他の構成及び作用効果は、第1
実施形態と同様である。また、ロータ側スラストマグネ
ット34の磁力中立面L1を軸方向下方へシフトさせて
も、図3及び図6と同様な作用効果が得られる。
【0069】(第3実施形態)本発明の第3実施形態を
図7にしたがって説明する。なお、第1実施形態と同一
構成には同一符号を付し、その説明は省略する。
【0070】第3実施形態は、図7に示す着磁パターン
のように、N極25BとS極25Aを径方向に単極に着
磁する場合である。
【0071】無重力場であるならば、図9に示すよう
に、二つのマグネット25,34は磁力中立面L1を一
致させたところが最も安定した状態を維持できる訳であ
るが、第3実施形態の場合、同じ無重量であるならば、
二つのマグネット25,34は磁力最大面(例えば磁力
の大きさを表している磁力分布線図における磁力分布が
山一つの場合には磁力の最大値の地点を通る径方向の
面)L2を一致させたところが最も安定した状態で維持
する。
【0072】そして、第3実施形態は第2実施形態と同
様の手段即ち着磁治具によりステータ側スラストマグネ
ット25の磁力最大面L2を軸方向へシフトする。ま
た、同様に、図10の実施形態では、第1の実施形態と
同様の磁性板36をステータ側スラストマグネット25
の上面に装着することにより、ステータ側スラストマグ
ネット25の磁力最大面L2を軸方向へシフトさせる。
【0073】さらに、小型(軽量)の回転多面鏡の場合
(例えば、図1の破線に示す回転多面鏡30Bの場合)
は、上述した各実施形態の磁力中立面L1もしくは、磁
力最大面L2のシフト方向を逆にすれば、ロータ14を
所定の高さ位置に保持できるので、距離W4を電気的に
最も効率の良い隙間にすることができる。
【0074】即ち、本発明によれば、大型の回転多面鏡
30をロータ14に搭載するときは図4に示す縦軸切片
をマイナス(−)側へ調整し、小型の回転多面鏡30B
をロータ14に搭載するときは図4に示す縦軸切片をプ
ラス(+)側へ調整すれば良い。
【0075】従って、各種の重量の異なる回転多面鏡3
0(または、30B)をロータ14に搭載しても、ロー
タ14がシフトし、その変位量によってロータ14を所
定位置に保持するので、各種の重量の異なる回転多面鏡
を大型化させることなく、回転多面鏡を支持する安価な
モータを提供できる。
【0076】なお、上記各実施形態では、ステータ側ス
ラストマグネット34側の磁力中立面L1または磁力最
大面L2をシフトさせているが、ロータ側スラストマグ
ネット34又は両者のマグネット25,34の双方をシ
フトさせてもよい。また、永久磁石のN極とS極が径方
向に形成された場合、他方を磁性体で構成することは自
明である。
【0077】第1実施形態では、磁気軸受が回転多面鏡
を高速回転させる駆動モータに適用された例を示した
が、本発明は回転多面鏡を回転させる以外の機構にも適
用できる。また、本発明においては、回転体の駆動方法
は、上述の実施形態に限定されない。
【0078】
【発明の効果】本発明は上記構成としたので、各種の重
量の異なる回転多面鏡を大型化させることなく、回転多
面鏡を支持する安価なモータを提供する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る第1実施形態の光偏向器の断面図
である。
【図2】図1に示すメインマグネットの着磁パターンを
示す底面図(下面から上方へ向かって見た図)である。
【図3】図1に示すスラスト磁気軸受を示す断面図であ
る。
【図4】スラスト磁気軸受に関する本実施形態と従来例
とを比較する変位特性(変位置)を示すグラフである。
【図5】本発明に係る第1実施形態の光学走査装置を示
すその概略断面図である。
【図6】第2実施形態のスラスト磁気軸受の断面図であ
る。
【図7】第3実施形態のスラスト磁気軸受の断面図であ
る。
【図8】図7に示す平面図である。
【図9】第3実施形態のスラスト磁気軸受に関するその
変位を補足する説明図である。
【図10】本発明に係る他の実施形態のスラスト磁気軸
受の断面図である。
【図11】従来例の断面図である。
【図12】他の従来例の断面図である。
【図13】図12に示すのスラスト磁気軸受に関するそ
の変位を補足する説明図である。
【符号の説明】
10 ステータ 11 ハウジング 12 固定軸 14 ロータ(回転体) 18 制御回路基板 25 ステータ側スラストマグネット(第1の永久磁
石) 26 スリーブ 30 回転多面鏡 34 ロータ側スラストマグネット(第2の永久磁
石) 36 磁性板 L1 磁力中立面 L2 磁力最大面

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 ハウジングに配置される軸またはスリー
    ブの一方が回転体とされて他方に対して回転するモータ
    であって、 前記回転体に設けられる第1の永久磁石と、 この第1の永久磁石の外周に半径方向のギャップを隔て
    て対向するように固定的に配置されて前記第1の永久磁
    石を吸着して前記回転体を軸方向に位置決めする第2の
    永久磁石とを有し、 前記第1の永久磁石または前記第2の永久磁石の吸着中
    心を前記第1の永久磁石または前記第2の永久磁石の回
    転体軸方向に沿った長さの中央位置よりもずらした位置
    にしたことを特徴とするモータ。
  2. 【請求項2】 前記第1の永久磁石のN極とS極が軸方
    向に形成され、かつ、その軸方向の一端面に磁性板を付
    加したことを特徴とする請求項1に記載のモータ。
  3. 【請求項3】 前記第1の永久磁石のN極とS極が軸方
    向に形成され、かつ、前記N極と前記S極の境界面であ
    る磁力中立面が前記第1の永久磁石の軸方向の長さの中
    央位置に対してずらして着磁したことを特徴とする請求
    項1に記載のモータ。
  4. 【請求項4】 前記第1の永久磁石のN極とS極が径方
    向に形成され、かつ、前記第1の永久磁石の軸方向の一
    端面に磁性板を付加したことを特徴とする請求項1に記
    載のモータ。
  5. 【請求項5】 前記第1の永久磁石のN極とS極が径方
    向に形成され、かつ、前記第1の永久磁石と前記第2の
    永久磁石との磁力最大面が前記第1の永久磁石の軸方向
    の長さの中央位置に対してずらして着磁したことを特徴
    とする請求項1に記載のモータ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018189105A (ja) * 2017-04-28 2018-11-29 日本電産コパル電子株式会社 磁気軸受

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US11118625B2 (en) * 2017-04-28 2021-09-14 Nidec Copal Electronics Corporation Magnetic bearing

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