JPH10224336A - 位相同期回路及び位相同期方法 - Google Patents

位相同期回路及び位相同期方法

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JPH10224336A
JPH10224336A JP9026293A JP2629397A JPH10224336A JP H10224336 A JPH10224336 A JP H10224336A JP 9026293 A JP9026293 A JP 9026293A JP 2629397 A JP2629397 A JP 2629397A JP H10224336 A JPH10224336 A JP H10224336A
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JP
Japan
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voltage
controlled oscillator
input
control voltage
phase difference
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Pending
Application number
JP9026293A
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English (en)
Inventor
Masahito Nonaka
雅人 野中
Kiyoshi Fukui
潔 福井
Toshihisa Nakai
敏久 中井
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Oki Electric Industry Co Ltd
Original Assignee
Oki Electric Industry Co Ltd
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Publication date
Application filed by Oki Electric Industry Co Ltd filed Critical Oki Electric Industry Co Ltd
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  • Stabilization Of Oscillater, Synchronisation, Frequency Synthesizers (AREA)
  • Synchronisation In Digital Transmission Systems (AREA)

Abstract

(57)【要約】 【課題】 入力された基準クロックと、再生クロックと
の位相同期を高速に確立する。 【解決手段】 電圧制御型発振器に試行制御電圧を入力
して基準クロック及び再生クロックの位相差を取り込
み、試行制御電圧と検出された位相差とに基づいて、電
圧制御型発振器における入力制御電圧と出力発振周波数
との特性情報を得る。現在の位相差をなくすようにさせ
る電圧制御型発振器の発振周波数を決定し、決定された
発振周波数と特性情報とに基づいて、電圧制御型発振器
に入力させる制御電圧を決定する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、位相同期回路及び
位相同期方法に関し、特に、基準となる送信側のクロッ
クを受信側で再生する位相同期回路及び位相同期方法に
適用して好適なものである
【0002】
【従来の技術】デジタル通信では、多重化・同期通信等
を行なうために各装置のクロックを同一にすることがあ
る。このような場合、基準となる上位装置のクロック
を、下位装置で位相同期回路(PLO;Phase Lock Osc
illator )を使用して再生する方法が用いられる。
【0003】図2は、従来の位相同期回路の一例を示し
ている。図2において、この位相同期回路は、基準とな
るクロックの入力端子201、基準クロック、再生クロ
ックのサイクル数を数えるカウンタ202、208、カ
ウンタ202の出力値をデコードして当該位相同期回路
の制御タイミングパルスを出力するタイミング生成器2
03、2個のカウンタ202及び208の出力値の差分
を求める位相比較器204、デジタル低域通過フィルタ
(LPF)205、このフィルタ205の出力データを
電圧値に変換するD/A変換器206、D/A変換器2
06の電圧を制御電圧として入力して発振動作する電圧
制御型発振器(VCO)207、及び、再生クロックの
出力端子209でなる。
【0004】図3は、デジタル低域通過フィルタ(以
下、単にフィルタと呼ぶ)205の一例を示している。
図3において、フィルタ205は、位相差入力端子30
1、タイミング入力端子302、2個の乗算器303及
び304、2個の加算器305及び306、レジスタ3
07及びVCO制御値出力端子308から構成されてい
る。
【0005】図2及び図3に示す従来の位相同期回路に
おいて、基準クロック入力端子201から入力された基
準クロックのサイクル数(位相情報)は、カウンタ20
2によってカウントされて位相比較器204及びタイミ
ング生成器203に与えられる。一方、電圧制御型発振
器207から出力された再生クロックのサイクル数(位
相情報)は、カウンタ208によってカウントされて位
相比較器204に与えられる。
【0006】タイミング生成器203においては、カウ
ンタ202のカウント値がある値‘A’のときに、位相
同期処理を行なうためのタイミングパルスを、位相比較
器204、フィルタ205及びD/A変換器206に与
える。このタイミングパルスが生じたときに、後述する
ように、電圧制御型発振器207からの発振周波数の見
直しが実行される。
【0007】位相比較器204においては、タイミング
生成器203からタイミングパルスが与えられたとき
に、カウンタ202からの基準クロックサイクル数と、
カウンタ208からの再生クロックサイクル数との差分
(位相差情報)を求め、その差分値がフィルタ205に
与えられ、その差分値が平滑化される。
【0008】具体的には、各乗算器303、304にお
いて、この差分値に固定係数α、βが乗算される。加算
器306及びレジスタ307は、タイミング生成器20
3からのタイミングパルスで、乗算器304の出力デー
タを累積するものであり、加算器306から出力された
累積データは加算器305に与えられる。この加算器3
05には、乗算器303の出力データも与えられてお
り、加算器305において、乗算器303からの出力デ
ータ及び加算器306の出力データが加算され、これが
VCO制御値としてD/A変換器206に与えられる。
【0009】このVCO制御値が、D/A変換器206
において、アナログ信号に変換されて電圧制御型発振器
207の制御端子に与えられ、再生クロックの周波数が
制御される。この再生クロックが出力端子209から出
力されると共に、カウンタ208に入力される。
【0010】ここで、基準クロックの周波数が再生クロ
ックの周波数より高い場合には、タイミング生成器20
3からタイミングパルスが出力されたときに、カウンタ
202のカウント値(基準クロックの位相情報)が、カ
ウンタ208のカウント値(再生クロックの位相情報)
より大きくなり、位相比較器204からその差分値(こ
こでは正とする)が出力される。フィルタ205におい
て、この差分(クロック間の位相差(周波数差))値が
平滑され、D/A変換器206を介して、電圧制御型発
振器207の制御端子に与えられ、これにより、再生ク
ロックの周波数が高められる。
【0011】これに対して、基準クロックの周波数が再
生クロックの周波数より低い場合には、タイミング生成
器203からタイミングパルスが出力されたときに、カ
ウンタ202のカウント値が、カウンタ208のカウン
ト値より小さくなり、位相比較器204からその差分値
(ここでは負とする)が出力される。フィルタ205に
おいて、この差分値が平滑され、D/A変換器206を
介して、電圧制御型発振器207の制御端子に与えら
れ、これにより、再生クロックの周波数が低められる。
【0012】このような制御動作を通じて、基準クロッ
クの位相と再生クロックの位相とが一致した場合には、
タイミング生成器203からタイミングパルスが出力さ
れたときに、カウンタ202及び208のカウント値が
一致し、位相比較器204から“0”の差分値が出力さ
れる。これにより、フィルタ205からはレジスタ30
7に保持している値が出力される。これは、前回のタイ
ミングパルス発生時の値から前回の乗算器303の出力
していた値を引いた値となる。このため、今回の制御で
は、再生クロックの周波数は乗算器303の出力分だけ
ずれる。このとき、前回の乗算器303の出力が非常に
小さな値であれば、前回の制御値と今回の制御値とはほ
ぼ同じ値となり、VCO207の発信周波数、すなわち
再生クロックの周波数はほとんど変化しない。基準クロ
ックは一定の周波数であるため、再生クロックの周波数
が変化しなければ、位相比較器204の出力も前回と同
じ値“0”を出力し、位相同期状態を継続することにな
る。
【0013】この従来の位相同期回路の位相同期特性
は、フィルタ205の乗算係数α、βで決定される。乗
算係数αの値が大きくなると、現在の位相差データがよ
りフィルタ205の出力に反映されるため、発振周波数
を急激に変化させることができ、ロック(位相同期確
立)するまでの時間が短くなる。一方、乗算係数αの値
を小さくすると、乗算係数βの比重が高くなり、つまり
過去の位相差データがよりフィルタ205の出力に反映
されることになり、ロックするまでの時間が長くなる
が、ロック後の発振周波数の変動が少なくなる。このよ
うに、ロック時間とロック後の周波数安定性はトレード
オフの関係にあるため、目的とする装置に合わせてフィ
ルタ係数を決定することになる。
【0014】クロックを位相同期して再生させるシステ
ムを有する処理システムとしては、例えば、動画像通信
システムが挙げられる。動画像コーデックにおいて、送
信側と受信側のクロックが独立していると、その速度差
に応じて処理フレームレートが異なってしまい、受信側
の表示の際に駒落とし、2度表示の表示乱れが発生す
る。このような現象を防止するために、上述したような
位相同期回路が使用される。オーディオ・ビデオ(A
V)符号化規格の一つであるMPEGでは、AV同期再
生のためにPCR(Program Clock Reference )と呼ば
れる時間情報を用いたクロック再生について規定してい
る。エンコーダは、自己のクロックからPCRを生成し
てデコーダに伝送する。デコーダでは、受信したPCR
と自己の再生クロックで動作するカウンタの値を比較し
て位相同期処理を行なっている。つまり、図2における
カウンタ202とタイミング生成器203の処理をエン
コーダが行ない、位相比較器201以降の処理をデコー
ダが行なうことで、エンコーダの基準クロックをデコー
ダで再生している。
【0015】以上のような応用例について、特開平6−
97927号公報には、課題とその対策が記載されてい
る。PCRがエンコーダで生成したタイミング通りデコ
ーダに到着すると、上記動作の通りクロックを再生でき
るが、ATM網を介して通信する場合、ネットワークの
伝送遅延変動によりPCRの到着時間にジッタが発生す
るため、位相同期回路からの再生クロックにもジッタが
残留するという問題がある。特に、画像表示系では再生
クロックに±3ppmという精度が要求されており、こ
れを越える残留ジッタがあると、表示画像の色相にずれ
が現れてしまう。上記公報では、この問題に対し、フィ
ルタ205の設計パラメータを周波数安定方向に設定す
ることで残留ジッタを削減することを記述している。ま
た、安定方向へのパラメータの設定によるロック時間の
増大に対しては、受信データを一時保持するバッファメ
モリ容量を増やすことで、処理破綻のないシステムとし
ている。
【0016】
【発明が解決しようとする課題】位相同期回路における
ロック状態とは、フィルタ205の位相差入力が連続し
て“0”になる状態のことである。このためには、VC
O制御値が一定である必要がある。図3に示すフィルタ
205の構成では、位相差として“0”が入力される
と、レジスタ307に保持されている値がそのまま出力
されるが、位相差を“0”にしたVCO制御値、すなわ
ち前回のVCO制御値は、レジスタ307の値に乗算器
303の結果を加えたものである。つまり、レジスタ3
07の値は、位相差を“0”にするVCO制御値ではな
いため、次に入力される位相差はなんらかの値をもって
おり、これによって得られるVCO制御値は、この値を
加味した値になる。
【0017】このように、フィルタ205を有する位相
同期回路は、発振周波数が振動しながら同期していくた
め、原理的に収束に時間がかかる。因に、基準クロック
と再生クロックの周波数差を初期状態の1%以下にする
には、ロック時間を最短にするフィルタ係数を選んでも
20回以上の位相比較及びVCO制御を行なう必要があ
った。上記公報に記載のような位相比較周期が0.7秒
と長い場合には、同期に14秒以上かかることになる。
【0018】上記公報では、基準信号(基準クロック)
に乱れがある場合に対し、残留ジッタを小さくするよう
なフィルタ係数を設定するように記載されている。この
場合、ロック時間はさらに長くなる。具体的には、AT
Mのセル遅延揺らぎを1ms、PCRの入力周期を10
0ms、残留ジッタを±3ppmとしてフィルタ205
のパラメータを設計すると、ロック時間は数十〜数百秒
となり、現実的な値にならなかった。
【0019】再生クロックがずれていると、その間に伝
送されたデータが受信側で捨てられる。又は、受信しよ
うとしてもデータが存在しないという現象が生じる。こ
れを防ぐためには、データを一時保持する受信バッファ
メモリが必要となるが、ロック時間が長くなることで大
容量のバッファメモリが必要となっていた。また、これ
に応じて、データ受信から復号再生までの遅延時間も長
くなっていた。さらに、同期に至るまでの間は、クロッ
ク周波数が基準とずれており、また安定していないた
め、画像表示等において出力に劣化が発生していた。
【0020】そのため、高速に位相同期を確立できる位
相同期回路及び位相同期方法が求められている。
【0021】
【課題を解決するための手段】かかる課題を解決するた
め、第1の本発明は、入力された制御電圧に応じた周波
数を有する再生クロックを出力する電圧制御型発振器を
備え、入力された基準クロックに同期した再生クロック
を形成する位相同期回路において、(1) 基準クロック及
び再生クロックの位相差を検出する位相差検出手段と、
(2) 電圧制御型発振器に試行制御電圧を入力し、そのと
きの位相差検出手段からの位相差を取り込み、試行制御
電圧と検出された位相差とに基づいて、電圧制御型発振
器における入力制御電圧と出力発振周波数との特性情報
を得る特性近似手段と、(3) 位相差検出手段からの現在
の位相差をなくすようにさせる電圧制御型発振器の発振
周波数を決定する発振周波数決定手段と、(4) 決定され
た発振周波数と、特性近似手段が得た特性情報とに基づ
いて、電圧制御型発振器に入力させる制御電圧を決定す
る制御電圧決定手段とを有することを特徴とする。
【0022】また、第2の本発明は、入力された制御電
圧に応じた周波数を有する再生クロックを出力する電圧
制御型発振器を備え、入力された基準クロックに同期し
た再生クロックを形成する位相同期回路において、(1)
基準クロック及び再生クロックの位相差を検出する位相
差検出手段と、(2) 電圧制御型発振器に試行制御電圧を
入力し、そのときの位相差検出手段からの位相差を取り
込み、試行制御電圧と検出された位相差とに基づいて、
電圧制御型発振器における入力制御電圧と出力発振周波
数との特性情報を得る特性近似手段と、(3) 位相差検出
手段からの現在の位相差をなくすようにさせる電圧制御
型発振器の発振周波数を決定する発振周波数決定手段
と、(4) 決定された発振周波数と、特性近似手段が得た
特性情報とに基づいて、電圧制御型発振器に入力させる
制御電圧を決定する制御電圧決定手段と、(5) 位相差検
出手段からの位相差に対してフィルタリングを行なっ
て、電圧制御型発振器に入力させる制御電圧を決定する
フィルタ手段と、(6) 基準クロックと再生クロックとの
位相同期処理の初期状態において、制御電圧決定手段が
決定した制御電圧を電圧制御型発振器に入力させ、初期
状態以降において、フィルタ手段が決定した制御電圧を
電圧制御型発振器に入力させる制御電圧選択手段とを有
することを特徴とする。
【0023】さらに、第3の本発明は、入力された制御
電圧に応じた周波数を有する再生クロックを出力する電
圧制御型発振器を備え、入力された基準クロックに同期
した再生クロックを形成する位相同期方法において、
(1) 電圧制御型発振器に試行制御電圧を入力し、そのと
きの基準クロック及び再生クロックの位相差を取り込
み、試行制御電圧と検出された位相差とに基づいて、電
圧制御型発振器における入力制御電圧と出力発振周波数
との特性情報を得、(2) 現在の位相差をなくすようにさ
せる電圧制御型発振器の発振周波数を決定し、決定され
た発振周波数と、特性情報とに基づいて、電圧制御型発
振器に入力させる制御電圧を決定することを特徴とす
る。
【0024】さらにまた、第4の本発明は、入力された
制御電圧に応じた周波数を有する再生クロックを出力す
る電圧制御型発振器を備え、入力された基準クロックに
同期した再生クロックを形成する位相同期方法におい
て、(1) 電圧制御型発振器に試行制御電圧を入力し、そ
のときの基準クロック及び再生クロックの位相差を取り
込み、試行制御電圧と検出された位相差とに基づいて、
電圧制御型発振器における入力制御電圧と出力発振周波
数との特性情報を得、(2) 基準クロックと再生クロック
との位相同期処理の初期状態において、現在の位相差を
なくすようにさせる電圧制御型発振器の発振周波数を決
定し、決定された発振周波数と、特性情報とに基づい
て、電圧制御型発振器に入力させる制御電圧を決定する
と共に、(3)初期状態以降において、基準クロックと再
生クロックとの位相差に対してフィルタリングを行なっ
て、電圧制御型発振器に入力させる制御電圧を決定する
ことを特徴とする。
【0025】
【発明の実施の形態】本発明による位相同期回路及び位
相同期方法の以下に示す各実施形態は、演算により、受
信側のVCO制御特性と入力基準信号位相との関係を求
め、この結果から、電圧制御型発振器の制御値、つまり
電圧制御型発振器の発振周波数を決定することで、ロッ
ク時間の短縮を実現しようとしたものである。
【0026】(A)第1の実施形態 以下、本発明による位相同期回路及び位相同期方法の第
1の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0027】ここで、図1が、この第1の実施形態の位
相同期回路の構成を示すブロック図であり、上述した図
2との同一、対応部分には同一符号を付して示してい
る。
【0028】図1及び図2の比較から明らかなように、
第1の実施形態の位相同期回路は、従来の位相同期回路
における位相比較器204及びフィルタ205に代え
て、VCO制御値演算部101を設けたものであり、他
の構成要素は、従来と同様である。VCO制御値演算部
101には、両カウンタ202及び208のカウント値
が入力されると共に、タイミング生成器203からタイ
ミングパルスが入力され、VCO制御値演算部101は
VCO制御値を形成してD/A変換器206に与えると
共に、そのVCO制御値の出力タイミングを規定したタ
イミングパルス(演算終了信号)もD/A変換器206
に与える。VCO制御値演算部101は、具体的には、
CPU又は論理回路で実現され、図4及び図5に示す処
理を実行するものである。
【0029】次に、第1の実施形態の位相同期回路の動
作(位相同期方法)について説明する。
【0030】基準クロック入力端子201からは基準ク
ロックが入力される。初期化により、両カウンタ202
及び208の値は、初期状態では双方共に“0”になっ
ている。カウンタ202は基準クロックをカウントし、
カウンタ208は電圧制御型発振器207から出力され
た再生クロックをカウントする。この段階では、電圧制
御型発振器207の発振周波数(再生クロックの周波
数)は、当該回路固有の初期周波数になっており、2個
のカウンタ202及び208のカウント値の進み方には
ずれがある。
【0031】タイミング生成器203は、カウンタ20
2の出力値がある値になったときにタイミングパルス
(“High”)を出力する。このタイミングパルスに
同期して、VCO制御値演算部101による演算処理が
実行される。VCO制御値演算部101は、タイミング
生成器203からタイミングパルスが入力された時点の
カウンタ202及び208のカウント値から、VCO制
御値を算出する。D/A変換器206は、VCO制御値
演算部101から出力されたVCO制御値を、VCO制
御値演算部101から出力された演算終了を示すタイミ
ングパルスに同期して、アナログ信号(電圧信号)に変
換する。電圧制御型発振器207は、入力された電圧信
号(制御電圧)に対応した発振周波数を有する再生クロ
ックを出力する。この再生クロックは、再生クロック出
力端子209から出力されると共に、カウンタ208に
与えられる。
【0032】次に、この第1の実施形態の特徴構成をな
しているVCO制御値演算部101の詳細動作を説明す
る。VCO制御値の算出動作は、大きくは、VCO制御
値と対応する再生クロックの周波数との関係(電圧制御
型発振器207の特性)を求める処理段階aと、その後
の位相及び周波数同期を行なう処理段階bとからなって
いる。
【0033】ここで、電圧制御型発振器207に対する
制御電圧Cとその発振周波数(再生クロック周波数)F
の関係は、一次関数F=a×C+bで近似できる。この
一次関数の定数a、bを求めることが処理段階aの目的
となる。このため、制御電圧Cを適当に変更したときの
発振周波数Fの値を測定し、これにより得られる連立方
程式を解いて定数a、bを求める。再生クロック周波数
Fは、基準クロック周波数の相対的な値で表されるた
め、言い換えると、基準クロックの周波数情報等をも利
用して定数a、bを決定しているため、処理段階aを、
基準クロックの送出元が変更される度に実行することを
要する。
【0034】図4は、処理段階aでの処理を示すフロー
チャートである。初期状態(リセットによる場合を含
む)では、カウンタ202及び207のカウント値は一
致しており、共に“0”である。VCO制御値演算部1
01は、この初期状態から、最初のVCO制御値を初期
値C(1)に設定する(ステップ400)。この際に
は、VCO制御値演算部101は、演算終了を表すタイ
ミングパルスも出力する。これにより、電圧制御型発振
器207は、VCO制御値C(1)に応じた周波数を有
する再生クロックを出力する。
【0035】VCO制御値演算部101は、VCO制御
値を初期値C(1)に設定した後は、タイミング生成器
203からのタイミングパルスを待ち受ける(ステップ
401)。この待機期間中において、各カウンタ20
2、208はそれぞれ、入力されたクロックによりカウ
ント値を増加させている。
【0036】VCO制御値演算部101は、タイミング
パルスが与えられると、カウンタ202及び208のカ
ウント値N(1)、S(1)をサンプリングする(ステ
ップ402)。そして、カウント値N(1)を、初期状
態から今回のタイミングパルスが入力されるまでの時間
T(1)とする(ステップ403)。その後、カウント
値S(1)及び経過時間T(1)から、再生クロックの
発振周波数FS(1)を算出する(ステップ404)。
この算出式は、FS(1)=S(1)/T(1)であ
る。
【0037】次に、VCO制御値演算部101は、VC
O制御値を値C(2)に設定する(ステップ405)。
この際にも、VCO制御値演算部101は、演算終了を
表すタイミングパルスも出力する。これにより、電圧制
御型発振器207は、VCO制御値C(2)に応じた周
波数を有する再生クロックを出力する。なお、ステップ
402〜405の処理時間は、タイミングパルスの周期
より十分に短い時間とする。
【0038】VCO制御値演算部101は、VCO制御
値を値C(2)に設定した後は、タイミング生成器20
3からのタイミングパルスを待ち受ける(ステップ40
6)。この待機期間中においても、各カウンタ202、
208はそれぞれ、入力されたクロックによりカウント
値を増加させている。
【0039】VCO制御値演算部101は、タイミング
パルスが与えられると、カウンタ202及び208のカ
ウント値N(2)、S(2)をサンプリングする(ステ
ップ407)。そして、相前後するカウント値N(1)
及びN(2)の差N(2)−N(2)を、前回のタイミ
ングパルスから今回のタイミングパルスが入力されるま
での時間T(2)とする(ステップ408)。その後、
カウント値S(2)及び経過時間T(2)から、再生ク
ロックの発振周波数FS(2)を算出する(ステップ4
09)。この算出式は、FS(2)=S(2)/T
(2)である。
【0040】最後に、VCO制御値演算部101は、電
圧制御型発振器207の入出力関数F=a×C+bに、
C(1)、C(2)、FS(1)、FS(2)を代入し
て連立方程式を立て(実際に式を立てる必要はない;処
理のイメージとしては立てている)、定数a、bを求め
て処理段階aの処理を終了し、処理段階bの処理に移行
する(ステップ410)。ここで、定数aは、(FS
(1)−FS(2))/(C(1)−C(2))で求ま
り、定数bは、FS(1)−C(1)×(FS(1)−
FS(2))/(C(1)−C(2))で求まる。
【0041】図5は、処理段階bでの処理を示すフロー
チャートである。処理段階bは、処理段階aで求めた、
VCO制御値−発振周波数特性を規定する一次関数定数
a、bを元に、再生クロック及び基準クロックの位相及
び周波数を同期させるものである。ここで、位相の同期
とは、カウンタ202及び208のカウント値を一致さ
せることであり、周波数の同期とは、カウンタ202及
び208のカウント値の進み方を一致させることであ
る。
【0042】処理段階bに入ると、VCO制御値演算部
101はまず、見直し回数パラメータnを2に設定する
(ステップ500)。その後は、ステップ501〜50
7の処理を繰り返す。
【0043】このループ処理の最初においては、VCO
制御値演算部101はステップ407又は後述するステ
ップ507でサンプリングされた各カウンタ208、2
02のカウント値S(n)、N(n)の差E(n)=S
(n)−N(n)を求める(ステップ501)。その
後、パラメータnを1インクリメントする(ステップ5
02)。そして、一定時間T(n)後に、カウンタ20
8、202のカウント値S(n)、N(n)が一致す
る、言い換えると、位相差E(n)が“0”となる発振
周波数FS(n)を算出する(ステップ503)。すな
わち、過去の値S(n−i)、…、S(n−1)の系列
から一定時間T(n)後の値S(n)(従ってN
(n))を定め、その後、FS(n)=N(n)−E
(n−1)/T(n)を演算する。そして、VCO制御
値演算部101は、求めた発振周波数FS(n)になる
VCO制御値C(n)を、処理段階aで求めた一次関数
定数a、bをも用いて算出し、すなわち、C(n)=
(FS(n)−b)/aの演算を実行し(ステップ50
4)、得られたC(n)を出力するVCO制御値に設定
する(ステップ505)。この際にも、VCO制御値演
算部101は、演算終了を表すタイミングパルスも出力
する。
【0044】なお、一定時間T(n)は、パラメータn
の値に無関係に一定にしても良いが、後述する理由によ
り、パラメータnの値が大きくなれば長くするようにす
ることが好ましい。例えば、T(3)より、T(4)、
T(5)、…の方を長くすることが好ましい。
【0045】VCO制御値演算部101は、ステップ5
05でVCO制御値C(n)を設定し直すと、次には、
カウンタ202のカウント値が値N(n)に達したか否
かを確認し(ステップ506)、達した場合には、カウ
ンタ202及び208のカウント値N(n)及びS
(n)をサンプリングする(ステップ507)。その
後、上述したステップ501に戻る。なお、ステップ5
06の処理遅延が問題にならないならば、ステップ50
7の処理で、カウンタ208のカウント値S(n)だけ
をサンプリングするようにしても良い。
【0046】ここで、処理段階aから処理段階bの処理
に進んだ直後の場合には、言い換えると、ステップ50
0から、ステップ501に進んでステップ505の処理
が実行された場合には、ステップ407でサンプリング
したカウンタ202及び208のカウント値N(2)及
びS(2)が一致していなくても、一定時間T(3)の
経過後には、カウンタ202及び208のカウント値N
(3)及びS(3)がほぼ一致するようになり、位相の
同期が確立する。従って、これ以降は周波数同期を行な
うようにすれば良い。
【0047】以上のようにして位相同期が確立した以降
にステップ501〜507の処理を繰り返すと、位相確
立時点から一定時間T(n)後に、値S(n)及びN
(n)が一致するようにVCO制御値C(n)を制御し
ているので、その一定時間T(n)後でも位相が確立し
ており、言い換えると、この時間T(n)でのカウンタ
202及び208のカウント値の変化S(n)−S(n
−1)及びN(n)−N(n−1)も一致しており、周
波数同期も確立している。
【0048】図6は、カウンタ202及び208のカウ
ント値の変化例を示している。上述したように、処理段
階aは、電圧制御型発振器207のVCO制御値−発振
周波数特性を規定する一次近似関数の定数a、bを定め
る処理段階であって同期確立動作を行なっていないの
で、この処理段階aが終了した時点では、カウンタ20
2及び208のカウント値S(2)及びN(2)は一致
していない。
【0049】しかし、処理段階bに入ると、その時点か
ら一定時間T(3)後のカウンタ202及び208のカ
ウント値S(3)及びN(3)が一致するように、VC
O制御値C(3)を定めているので、一定時間T(3)
後のカウンタ202及び208のカウント値S(3)及
びN(3)はほぼ一致するようになり、位相同期が確立
する。
【0050】この一定時間T(3)の終了時点におい
て、この時点からの一定時間T(4)後のカウンタ20
2及び208のカウント値S(4)及びN(4)が一致
するように、VCO制御値C(4)を定めているので、
一定時間T(4)後のカウンタ202及び208のカウ
ント値S(4)及びN(4)もほぼ一致し、カウンタ2
02及び208のカウント値の変化S(4)−S(3)
及びN(4)−N(3)も一致し、周波数同期も確立す
る。
【0051】以上のようなVCO制御値演算部101の
処理により、基準クロックに同期した再生クロックを形
成することができる。
【0052】第1の実施形態によれば、処理段階aでV
CO制御値とこれに対する再生クロックの周波数との関
係を求め、処理段階bで、この関係を元に位相及び周波
数の同期処理を行なうようにしたので、高速に同期を確
立することができる。例えば、フィルタ205を用いた
従来の位相同期回路においては、初期状態から同期まで
に位相比較を20回以上行なう必要があったが、この第
1の実施形態の位相同期回路によれば、図6に示すよう
に、3回程度の位相比較で同期を確立することができ
る。
【0053】また、第1の実施形態において、同期後は
一定時間T(n)を大きな値にするようにすれば、カウ
ンタ202のカウント値にのる妨害(例えば基準クロッ
クに混入しているノイズによる誤カウント)を平均化で
き、基準クロックが乱れても安定した再生クロックを得
ることができる。
【0054】(B)第2の実施形態 次に、本発明による位相同期回路及び位相同期方法の第
2の実施形態を図面を参照しながら詳述する。
【0055】第2の実施形態の位相同期回路は、従来の
位相同期回路のフィルタ205と、第1の実施形態のV
CO制御値演算構成とを組み合わせたものである。従来
の位相同期回路では、再生クロックに含まれる残留ジッ
タ量を小さくするように、フィルタ係数を選定すると、
位相同期までのロック時間が長くなるという課題があ
る。また、第1の実施形態は有効なものであるが、電圧
制御型発振器の制御電圧−発振周波数特性の関係を近似
する段階で基準クロックに乱れがあると、周波数を正確
に再現できない。第2の実施形態の位相同期回路は、位
相同期制御の初期段階では第1の実施形態のように演算
により求めたVCO制御値を用い、位相及び周波数があ
る程度一致した段階で従来のようにフィルタによるVC
O制御に切り替えることで、ロック時間を短くすると共
に残留ジッタを押さえようとしたものである。
【0056】ここで、図7が、この第2の実施形態の位
相同期回路の構成を示すブロック図であり、上述した図
1、図2との同一、対応部分には同一符号を付して示し
ている。
【0057】図7において、この第2の実施形態の位相
同期回路は、図2に示した従来の位相同期回路の構成を
ベースとし、かかる構成に、第1の実施形態の特徴をな
すVCO制御値演算部101を追加したものである。
【0058】VCO制御値演算部101は、形成したV
CO制御値をフィルタ205に与えるものである。フィ
ルタ205には、位相比較器204から位相差も与えら
れるようになされている。従って、この第2の実施形態
のフィルタ205は、従来とは異なって、VCO制御値
演算部101から与えられたVCO制御値と、位相比較
器204から与えられた位相差とから、D/A変換器2
06に与えるVCO制御値を形成するものである。な
お、この第2の実施形態の場合、タイミング生成器20
3は、位相同期処理の見直しタイミングを指示するタイ
ミングパルスだけでなく、フィルタ205に与える初期
状態信号も形成するものである。
【0059】以上の点を除けば、その他の構成要素や上
述した構成要素の機能は、従来や第1の実施形態と同様
である。
【0060】図8は、この第2の実施形態におけるフィ
ルタ205の内部構成を示すものであり、上述した図3
との同一、対応部分には同一符号を付して示している。
【0061】図8において、第2の実施形態のフィルタ
205は、従来のフィルタと同様な位相差入力端子30
1、タイミング入力端子302、2個の乗算器303及
び304、2個の加算器305及び306、レジスタ3
07並びにVCO制御値出力端子308を備えると共
に、さらに、VCO制御値入力端子801、初期状態信
号入力端子802及びセレクタ803を有する。VCO
制御値入力端子801、初期状態信号入力端子802及
びセレクタ803以外の構成要素は、従来と同様に機能
するものである。
【0062】セレクタ803は、加算器306及びレジ
スタ307間に介挿されたものである。このセレクタ8
03には、2種類の選択入力として、加算器306の出
力信号と、VCO制御値演算部101が出力し、VCO
制御値入力端子801を介して入力されたVCO制御値
とが与えられ、選択制御信号として、タイミング生成器
203が出力し、初期状態信号入力端子802を介して
入力された初期状態信号が与えられる。セレクタ803
が初期状態信号の内容に応じて選択した信号は、加算器
305及びレジスタ307に与えられるようになされて
いる。
【0063】次に、第2の実施形態の位相同期回路の動
作(位相同期方法)を説明する。当該回路がリセットさ
れたときには、電圧制御型発振器207が初期値のVC
O制御値に基づいた発振動作をするので、言い換える
と、カウンタ202及び208がそれぞれ独立した基準
クロック、再生クロックをカウントしているので、2個
のカウンタ202及び208のカウント値の進み方には
ずれがある。
【0064】タイミング生成器203は、カウンタ20
2のカウント値がある値になったときに位相同期処理を
行なうタイミングパルスを出力する。
【0065】また、タイミング生成器203は、位相同
期処理の開始後からしばらくの間(初期状態)は、フィ
ルタ205内のセレクタ803に対して、VCO制御値
演算部101が出力したVCO制御値を選択させる初期
状態信号を出力する。VCO制御値演算部101は、タ
イミング生成器203からタイミングパルスが入力され
た時点のカウンタ202及び208のカウント値を元
に、第1の実施形態と同様にして、VCO制御値を形成
してフィルタ205に与える。フィルタ205は、初期
状態信号が初期状態を表しているときは、後述するよう
に、VCO制御値演算部101からのVCO制御値をそ
のまま通過させてD/A変換器206に与える。
【0066】タイミング生成器203は、位相同期処理
の開始後からしばらくの間(初期状態)を経過すると、
フィルタ205内のセレクタ803に対して、初期状態
が終了したことを示す初期状態信号を出力する。位相比
較器204は、第1の実施形態と同様に、タイミング生
成器203からタイミングパルスが入力された時点のカ
ウンタ202及び208のカウント値の差(クロック間
の位相差)をフィルタ205に与える。フィルタ205
は、初期状態信号が初期状態の終了を表しているとき
は、従来と同様なフィルタリング処理を行なってVCO
制御値を形成してD/A変換器206に与える。
【0067】D/A変換器206は、入力されたVCO
制御値を電圧信号に変換して電圧制御型発振器207に
与え、電圧制御型発振器207は、入力された制御電圧
に応じた周波数を有する再生クロックを形成してカウン
タ208及び再生クロック出力端子209に与える。
【0068】次に、図8に示したこの第2の実施形態の
フィルタ205の動作を説明する。上述したように、第
2の実施形態のフィルタ205(図8)と従来のフィル
タ205(図3参照)との相違は、内部にセレクタ80
3とこれに関連する信号の入力信号とを持っている点で
ある。この第2の実施形態では、位相同期制御の初期状
態では演算で得たVCO制御値を用い、同期動作が安定
してくるとフィルタリング処理で得られたVCO制御値
を使用する点が特徴となっている。第2の実施形態のフ
ィルタ205は、フィルタリング処理と、出力するVC
O制御値の切替とを行なっている。
【0069】初期状態信号が初期状態を表しているとき
には、セレクタ803は、VCO制御値入力端子801
から入力された、演算によって求められたVCO制御値
を選択する。この初期状態では、乗算器303及び30
4、並びに、レジスタ307はリセット状態であり、
“0”を出力する。従って、構成要素303〜307で
なる従来と同様なフィルタリング動作部は動作を停止し
ており、VCO制御値入力端子801から入力されたV
CO制御値が、セレクタ803及び加算器305を介し
てそのまま出力端子308から出力される。
【0070】この状態から、初期状態信号が初期状態の
終了を表すように変化したときには、乗算器303及び
304は、係数乗算を行なうように変化し、セレクタ8
03は、加算器306の出力を選択するようになる。ま
た、このとき、入力端子302からのタイミングパルス
により、直前に選択されていた演算によるVCO制御値
がレジスタ307に保持される。このVCO制御値は、
第1の実施形態で説明したように、再生クロックの周波
数を基準クロックの周波数にほぼ合わせたものであり、
また、カウンタ202及び208のカウント値の位相も
合わせたものである。すなわち、フィルタリングによる
VCO制御値の形成動作は、予め同期が確保された状態
で開始されるため、残留ジッタを抑えるような係数α及
びβを使用しても(係数βがαより相対的にかなり大き
い)、ロック時間の増大を気にする必要がなくなる。
【0071】このようにして、初期状態からその後の制
御状態に移行した後は、セレクタ803が常に加算器3
06の出力を選択するので、セレクタ803が存在しな
い従来のフィルタ205(図3)と同様なフィルタリン
グ動作を行ない、位相差を入力としたフィルタリング動
作によって得られたVCO制御値を出力端子308から
出力する。
【0072】この第2の実施形態によれば、位相同期の
初期状態においては、第1の実施形態と同様な演算によ
って形成したVCO制御値を用いて再生クロックの周波
数を制御すると共に、初期状態後においては、従来と同
様な位相差信号に対するフィルタリング動作でVCO制
御値を用いて再生クロックの周波数を制御するようにし
たので、ロック時間の短縮と再生クロックにおける残留
ジッタの低減とを共に実現することができる。
【0073】上述したように、従来では、ロック時間と
ロック後の周波数安定度とはトレードオフの関係にあ
り、周波数安定度を高くするにはロック時間を長くする
必要があった。そのため、初期段階で周波数のずれが大
きい場合、目的の周波数に近付くまでに長い時間がかか
り、問題となっていた。これに対して、第2の実施形態
によれば、演算で得たVCO制御値により、僅かな時間
で再生クロックを目的の周波数に近付けることができ
る。また、第1の実施形態では、電圧制御型発振器の制
御電圧−発振周波数特性の近似のみ(演算によるVCO
制御値を利用してのみ)で位相同期動作を行なっている
ため、近似精度を高くする必要があり、ノイズ等によっ
て近似誤差が大きいと正常に動作しない恐れがあった。
この第2の実施形態では、演算で得られたVCO制御値
を、位相同期制御の初期段階でしか使用しないため、ノ
イズ等のよる近似誤差が大きくなっても、大きな問題と
なることはない。
【0074】また、上記第2の実施形態によれば、第1
の実施形態と同様な演算によって形成したVCO制御値
を用いて再生クロックの周波数を制御する段階から、従
来と同様な位相差信号に対するフィルタリング動作でV
CO制御値を用いて再生クロックの周波数を制御する段
階への切替えのための信号選択用セレクタ803を、フ
ィルタ205の内部に設けたことにより、この切替え前
後で再生クロックの周波数が急変することを防止できて
いる。
【0075】因に、セレクタ803を、フィルタ205
とは独立させてフィルタ205の外部に設けることもで
きるが(他の実施形態を構成している)、この場合に
は、制御段階を初期段階から切り替えたときに、再生ク
ロックの周波数(言い換えるとVCO制御値)が急激に
変化する可能性もある。
【0076】なお、上記各実施形態においては、電圧制
御型発振器の制御電圧−発振周波数特性を一次関数(線
形関数)で近似した場合を示したが、2次関数等の非線
形関数で近似するようにしても良い。また、近似関数の
係数を決定するためにVCO制御値を可変させる試行回
数は、連立方程式を立てるために必要な回数より多くし
ても良い。この場合には、最小2乗法等を用いて近似関
数の係数を決定することになる。
【0077】また、上記各実施形態においては、電圧制
御型発振器以外の構成要素がデジタル処理を行なうもの
であったが、アナログ処理を行なうもので構成するよう
にしても良い。
【0078】さらに、上記第2の実施形態においては、
初期状態とそれ以降の状態との切り分けを表す初期状態
信号を、タイミング生成器が、基準クロックの個数によ
って形成するものを示したが、基準クロック及び再生ク
ロックの位相差に基づいて、初期状態信号を形成するよ
うにしても良い。
【0079】本発明の位相同期回路及び位相同期方法の
適用装置は、動画像伝送システムの復号化装置等に限定
されるものではなく、位相同期回路を有する装置に広く
適用可能である。
【0080】
【発明の効果】以上のように、第1の本発明の位相同期
回路及び第3の本発明の位相同期方法によれば、電圧制
御型発振器に試行制御電圧を入力して基準クロック及び
再生クロックの位相差を取り込み、試行制御電圧と検出
された位相差とに基づいて、電圧制御型発振器における
入力制御電圧と出力発振周波数との特性情報を得、現在
の位相差をなくすようにさせる電圧制御型発振器の発振
周波数を決定し、決定された発振周波数と特性情報とに
基づいて、電圧制御型発振器に入力させる制御電圧を決
定するようにしたので、高速に同期を確立することがで
きる。
【0081】また、第2の本発明の位相同期回路及び第
4の本発明の位相同期方法によれば、電圧制御型発振器
に試行制御電圧を入力して基準クロック及び再生クロッ
クの位相差を取り込み、試行制御電圧と検出された位相
差とに基づいて、電圧制御型発振器における入力制御電
圧と出力発振周波数との特性情報を得、基準クロックと
再生クロックとの位相同期処理の初期状態において、現
在の位相差をなくすようにさせる電圧制御型発振器の発
振周波数を決定し、決定された発振周波数と特性情報と
に基づいて、電圧制御型発振器に入力させる制御電圧を
決定すると共に、初期状態以降において、基準クロック
と再生クロックとの位相差に対してフィルタリングを行
なって、電圧制御型発振器に入力させる制御電圧を決定
するようにしたので、位相同期確立までの時間を短縮で
き、かつ再生クロックにおける残留ジッタを低減するこ
とができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】第1の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図2】従来の全体構成を示すブロック図である。
【図3】従来の低域通過フィルタの詳細構成を示すブロ
ック図である。
【図4】第1の実施形態のVCO制御値演算部の処理フ
ローチャート(1)である。
【図5】第1の実施形態のVCO制御値演算部の処理フ
ローチャート(2)である。
【図6】第1の実施形態のカウンタの値の変化例を示す
説明図である。
【図7】第2の実施形態の全体構成を示すブロック図で
ある。
【図8】第2の実施形態の低域通過フィルタの詳細構成
を示すブロック図である。
【符号の説明】
101…VCO制御値演算部、202、208…カウン
タ、203…タイミング生成器、204…位相比較器、
205…低域通過フィルタ、207…電圧制御型発振器
(VCO)、303、304…乗算器、305、306
…加算器、307…レジスタ、803…セレクタ。

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 入力された制御電圧に応じた周波数を有
    する再生クロックを出力する電圧制御型発振器を備え、
    入力された基準クロックに同期した再生クロックを形成
    する位相同期回路において、 基準クロック及び再生クロックの位相差を検出する位相
    差検出手段と、 上記電圧制御型発振器に試行制御電圧を入力し、そのと
    きの上記位相差検出手段からの位相差を取り込み、試行
    制御電圧と検出された位相差とに基づいて、上記電圧制
    御型発振器における入力制御電圧と出力発振周波数との
    特性情報を得る特性近似手段と、 上記位相差検出手段からの現在の位相差をなくすように
    させる上記電圧制御型発振器の発振周波数を決定する発
    振周波数決定手段と、 決定された発振周波数と、上記特性近似手段が得た特性
    情報とに基づいて、上記電圧制御型発振器に入力させる
    制御電圧を決定する制御電圧決定手段とを有することを
    特徴とする位相同期回路。
  2. 【請求項2】 入力された制御電圧に応じた周波数を有
    する再生クロックを出力する電圧制御型発振器を備え、
    入力された基準クロックに同期した再生クロックを形成
    する位相同期回路において、 基準クロック及び再生クロックの位相差を検出する位相
    差検出手段と、 上記電圧制御型発振器に試行制御電圧を入力し、そのと
    きの上記位相差検出手段からの位相差を取り込み、試行
    制御電圧と検出された位相差とに基づいて、上記電圧制
    御型発振器における入力制御電圧と出力発振周波数との
    特性情報を得る特性近似手段と、 上記位相差検出手段からの現在の位相差をなくすように
    させる上記電圧制御型発振器の発振周波数を決定する発
    振周波数決定手段と、 決定された発振周波数と、上記特性近似手段が得た特性
    情報とに基づいて、上記電圧制御型発振器に入力させる
    制御電圧を決定する制御電圧決定手段と、 上記位相差検出手段からの位相差に対してフィルタリン
    グを行なって、上記電圧制御型発振器に入力させる制御
    電圧を決定するフィルタ手段と、 基準クロックと再生クロックとの位相同期処理の初期状
    態において、上記制御電圧決定手段が決定した制御電圧
    を上記電圧制御型発振器に入力させ、初期状態以降にお
    いて、上記フィルタ手段が決定した制御電圧を上記電圧
    制御型発振器に入力させる制御電圧選択手段とを有する
    ことを特徴とする位相同期回路。
  3. 【請求項3】 入力された制御電圧に応じた周波数を有
    する再生クロックを出力する電圧制御型発振器を備え、
    入力された基準クロックに同期した再生クロックを形成
    する位相同期方法において、 上記電圧制御型発振器に試行制御電圧を入力し、そのと
    きの基準クロック及び再生クロックの位相差を取り込
    み、試行制御電圧と検出された位相差とに基づいて、上
    記電圧制御型発振器における入力制御電圧と出力発振周
    波数との特性情報を得、 現在の位相差をなくすようにさせる上記電圧制御型発振
    器の発振周波数を決定し、決定された発振周波数と、上
    記特性情報とに基づいて、上記電圧制御型発振器に入力
    させる制御電圧を決定することを特徴とする位相同期方
    法。
  4. 【請求項4】 入力された制御電圧に応じた周波数を有
    する再生クロックを出力する電圧制御型発振器を備え、
    入力された基準クロックに同期した再生クロックを形成
    する位相同期方法において、 上記電圧制御型発振器に試行制御電圧を入力し、そのと
    きの基準クロック及び再生クロックの位相差を取り込
    み、試行制御電圧と検出された位相差とに基づいて、上
    記電圧制御型発振器における入力制御電圧と出力発振周
    波数との特性情報を得、 基準クロックと再生クロックとの位相同期処理の初期状
    態において、現在の位相差をなくすようにさせる上記電
    圧制御型発振器の発振周波数を決定し、決定された発振
    周波数と、上記特性情報とに基づいて、上記電圧制御型
    発振器に入力させる制御電圧を決定すると共に、 初期状態以降において、基準クロックと再生クロックと
    の位相差に対してフィルタリングを行なって、上記電圧
    制御型発振器に入力させる制御電圧を決定することを特
    徴とする位相同期方法。
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