JPH1022122A - ソレノイドのコイル組立体 - Google Patents

ソレノイドのコイル組立体

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JPH1022122A
JPH1022122A JP18877196A JP18877196A JPH1022122A JP H1022122 A JPH1022122 A JP H1022122A JP 18877196 A JP18877196 A JP 18877196A JP 18877196 A JP18877196 A JP 18877196A JP H1022122 A JPH1022122 A JP H1022122A
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 成形樹脂によりモールド処理されるコイル組
立体で、筒状ヨークとその両端の平板状ヨークとで、内
部にコイルを卷回したボビンを収容したヨーク部材を形
成するにあたり、ヨーク部材の組付けを簡単にできるよ
うにする。 【構成】 ボビンの両端には、平板状ヨーク側へ突出す
る突起を設け、各平板状ヨークには、突起を摩擦接触状
態で嵌入する嵌入部を設け、突起の嵌入部への摩擦接触
により、平板状ヨークと筒状ヨークが組付け保持される
ようにした。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電磁弁等を駆動す
るソレノイドのためのコイル組立体に関し、特にコイル
組立体要素が成形樹脂によりモールドされるコイル組立
体に関する。
【0002】
【従来の技術】実公昭62─14459号公報には、コ
イルを卷回するボビンの外周を囲む筒状ヨークと、筒状
ヨークの両端部に当接して、ボビン両端に配置される平
板状ヨークとを備えたヨーク部材を有し、このヨーク部
材の周囲を成形樹脂で包囲したコイル組立体を用いる、
電磁弁を駆動するためのソレノイドが示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】そしてこのコイル組立
体においては、成形樹脂によるモールド処理を行うため
に、このモールド処理に先立ってヨーク部材内にコイル
を卷回したボビンが収容される形態をとるよう、筒状ヨ
ークと平板状ヨークを結合しヨーク部材を組付けておく
必要があり、このための方法として、筒状ヨーク部材と
平板状ヨーク部材とを、ロウ付けにより止着することが
記載されている。
【0004】ところが、このようにロウ付けを行う場合
には、作業に手間と費用がかかる問題点がある。本発明
は、このような問題点を解消して、ヨーク部材の組付け
が簡単に行えるようにしたソレノイドのコイル組立体を
実現するものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】このため本発明では、コ
イルを卷回した筒状のボビンの外周を囲む筒状ヨーク
と、ボビンの両端で筒状ヨークの端部に当接して径方向
内方へ延び、ボビンの中穴に整合する通し穴を備える平
板状ヨークとを有したヨーク部材を備え、ヨーク部材の
筒状ヨークには、ボビンへ卷回したコイルのための給電
部材が挿通する開口を設け、ヨーク部材の周囲を覆う成
形樹脂の外被を設けるとともに、ヨーク部材の内部に
は、筒状ヨークの開口から導かれてボビン及びコイルと
ヨーク部材とを固着させる成形樹脂の内部充填層が外被
に連なって形成されるソレノイドのコイル組立体におい
て、ボビンの両端には、それぞれ平板状ヨーク側へ延び
る突起を設け、各平板状ヨークには、ヨーク部材の組付
けのために、ボビンからの突起を摩擦接触状態で嵌入さ
せる嵌入部をそれぞれ設けるように構成した。
【0006】このような構成によると、筒状ヨークの内
部へ配置されるコイルを卷回したボビンの両側へ、各平
板状ヨークをその嵌入部へボビンからの突起を嵌入させ
て筒状ヨークの端部に当接するよう配置させれば、筒状
ヨークと平板状ヨークは、内部にコイルを卷回したボビ
ンを配置する状態でヨーク部材を形成するよう組付ける
ことができ、突起は嵌入部へ摩擦接触状態で嵌入するの
で各平板状ヨークとボビンの分離を抑えてヨーク部材の
組付け状態を良好に維持できる。このように突起の嵌入
部への嵌入でヨーク部材を組付けできるので、ヨーク部
材の組付けを簡単に行うことができる。
【0007】
【実施例】以下、本発明の一実施例を図面に基づいて説
明する。1はコイル組立体で、コイル2を卷回した筒状
のボビン3と、このボビン3を内部に収容するヨーク部
材4を有している。ヨーク部材4は、筒状ヨーク5と、
筒状ヨーク5の両端部に当接して、前記ボビン2の両端
にそれぞれ配置される平板状ヨーク6、7を有してい
る。これら筒状ヨーク5と平板状ヨーク6、7は、磁路
を形成するよう、磁性金属材料から成っている。
【0008】8は、ボビン2の、平板状ヨーク6側の端
部から、筒状ヨーク5に形成される開口11からヨーク
部材4の外に突出した腕片で、その突出端部には、端子
ピン9を保持している。10はこの端子ピン9とコイル
2とを接続するリード線であり、これら端子ピン9とリ
ード線10は、コイル2を電源側へ接続させる、一連の
給電手段を形成する。12は、成形樹脂による外被であ
り、ヨーク部材4の周囲を覆っており、さらに、開口1
1からヨーク部材4の内部へ連なって、内部充填層13
を形成している。
【0009】ボビン3は、合成樹脂による一体成形品で
あり、一端に前記腕片8が連設した鍔14を、また、他
端に鍔15を有するとともに、中穴16が軸方向に貫通
した筒状に形成されている。鍔14の外端面には、中穴
16の周囲を三等分した位置にそれぞれ円形の凹部17
を設け、この凹部17の底壁から円柱突起18、19、
20が中穴16の軸方向に沿って起立するよう設けてあ
る。これにより、円柱突起18、19、20の基端部が
凹部17に囲まれる状態となっている。そして、これら
円柱突起18、19、20は本発明における突起を形成
する。
【0010】また、鍔15の外端面にも、前記凹部17
と同軸状に凹部17を設け、各凹部17の底壁には、前
記円柱突起18、19、20と同軸状に、本発明におけ
る突起を形成する円柱突起21、22、23がそれぞれ
形成されて、各円柱状突起21、22、23の基端部も
凹部17に囲まれる状態となっている。そして、円柱突
起18と、円柱突起21には、径方向で対向して水平方
向に張り出す二つの薄肉状の突片24が、基端側からこ
れら円柱突起の突出方向に沿って形成され、円柱突起2
0と23、19と22にもそれぞれ斜め上方と斜め下方
へ向かって、基端側からこれら円柱突起の突出方向に沿
った薄肉状の突片24が径方向で対向して各二つ形成さ
れている。なお、図7から図10に、凹部17と、円柱
突起18及び円柱突起20について、突片24の様子を
拡大して示している。
【0011】筒状ヨーク5は、図11、図12に示すよ
うに、板材25を、その両端を隔置して切れ目26を有
する筒状に曲げ加工して形成され、この切れ目26によ
り、前記開口11が形成される。27は、筒状ヨーク5
の両端部に位置するよう、板材25の両側部に設けられ
た切り欠き凹部である。
【0012】平板状ヨーク6、7は、図13に示すよう
に、ボビン3の中穴16に整合してコイル組立体1にお
ける一連の挿通穴1Aを形成する通し穴28を有し、前
記切り欠き凹部27に受け入れられる当接片29を径方
向外方へ突出形成している。30は、通し穴28を開放
する如くに形成した切れ目である。該切れ目30は、平
板状ヨーク6においては、ボビン3の円柱突起18が嵌
入する、また、平板状ヨーク7においては、ボビン3の
円柱突起21が嵌入する嵌入部をそれぞれ形成し、この
嵌入に際し、それらの突片24に内壁が圧接するよう、
切れ目30の幅が定められている。
【0013】31、32は、平板状ヨーク6、7に設け
た貫通穴で、これら貫通穴31、32は、平板状ヨーク
6においては、円柱突起19、20を、また、平板状ヨ
ーク7においては、円柱突起22、23を嵌入させる嵌
入部となり、この嵌入の際には、これら突起18、1
9、22、23の突片24が内壁に圧接するよう、直径
が定めてある。
【0014】そして、図2、図3のように、コイル2を
卷回したボビン3を内部に収容した状態に、筒状ヨーク
5の両端に平板状ヨーク6、7を当接配置して組付けら
れたヨーク部材4を、図14の如く、型部材33、34
の当接で形成される型空間35内へ配置して、モールド
処理を行って図1の如きコイル組立体1を得るのであ
る。すなわち、型空間35内を、通路36から送り込ま
れた溶融状態の成形樹脂で充填する。この型空間35内
へ送り込まれた成形樹脂は開口11からヨーク部材4内
へも導かれ、コイル2と筒状ヨーク5間をも満たす。そ
して、これら成形樹脂の固化により、ヨーク部材4の周
囲には外被12と、ヨーク部材4内に内部充填層13が
形成され、ヨーク部材4を形成する筒状ヨーク5と平板
状ヨーク6、7は外被12により、あるいはさらに内部
充填層13により、強固に、ヨーク部材4として固着一
体化され、またコイル2とボビン3も、内部充填層13
によりヨーク部材4と強固に固着一体化されて、コイル
組立体1が形成される。
【0015】なお、このようなコイル組立体1は、図1
5のように、鉄心組立体37とともにソレノイドを形成
する。鉄心組立体37は、固定鉄心38と、該鉄心38
に取り付けられて内部に可動鉄心39を摺動自在に収容
した筒体40と、止めナット体41を有している。そし
て、筒体40をコイル組立体1の挿通穴1Aに挿通し
て、止めナット体40を筒体40の先端を閉じた蓋部4
0Aに設けたねじ部42に螺着して、コイル組立体1と
鉄心組立体37を結合し、ソレノイドが形成される。4
4は、可動鉄心39と一体的に移動する作動棒である。
このソレノイドは、固定鉄心38のねじ部43により、
図示しない例えば電磁弁の本体に取り付けられ、端子ピ
ン9を経てコイル2が通電され、励磁されると、可動鉄
心39が固定鉄心38へと吸引移動されて、この動作を
作動棒44により図示しない弁体へ、これを作動するよ
う伝達する。
【0016】次に実施例のコイル組立体1の作用につい
て説明する。前述のような、モールド処理に先立つヨー
ク部材4の組付けは、次のようにして行われる。まずコ
イル2を卷回し、腕片8に端子ピン9を装着して、リー
ド線10で、コイル2と端子ピン9を接続した状態のボ
ビン3に対し、その鍔14側に平板状ヨーク6を取り付
ける。
【0017】すなわち、該ヨーク6の切れ目30に円柱
突起18を、また、貫通穴31、32にそれぞれ円柱突
起19、20を嵌入させて該ヨーク6をボビン3に取り
付ける。次いで、これらを、ボビン3の腕片8を切れ目
26(開口11)から突出させた状態で、ボビン3の鍔
15側を筒状ヨーク5内へ挿入し、平板状ヨーク6の各
当接片29を、筒状ヨーク5の、鍔14側での端部の切
り欠き凹部27へ、該凹部27の底に当接するよう挿入
する。この後、ボビン3の鍔15側へ、平板状ヨーク7
を、その切れ目30へ円柱突起21を、また、貫通穴3
1、32にそれぞれ円柱突起23、22を嵌入させて該
ヨーク7の各当接片7が、筒状ヨーク5の、鍔15側端
部の切り欠き凹部27へそれぞれ該凹部の底に当接する
よう挿入する。
【0018】このようにすることで、筒状ヨーク5と平
板状ヨーク6、7によるヨーク部材4の組付けと、ヨー
ク部材4内へのボビン3の収容が完了する。そして、平
板状ヨーク6の切れ目30、貫通穴31、32内への円
柱突起18、19、20の嵌入や、平板状ヨーク7の切
れ目30、貫通穴31、32内への円柱突起21、2
2、23の嵌入においては、薄肉状の突片24がこれら
切れ目30あるいは貫通穴31、32の内壁に圧接して
弾性変形し、強い摩擦接触力を各圧接する内壁に作用さ
せるので、筒状ヨーク5と平板状ヨーク6、7が分離す
ることが抑えられ、組付け状態が良好に維持される。ま
た、上記円柱突起18、19、20、21、22、23
の嵌入の際に、突片24の一部が相手側の平板状ヨーク
6、7により削ぎ取られても、これら削ぎ取り部分は各
凹部17内へ収容されるので、ヨーク部材4の良好な組
付け状態が得られる。
【0019】このように、本実施例では、ヨーク部材4
の組付けがボビン3の基台部17や円柱突起18、1
9、20、21、22、23の嵌入で行われるので、組
付け作業が極めて簡単となり、また、ロウ付けなどのよ
うに、特別な装置もいらず、安価に行うことができる。
さらに、筒状ヨーク5の開口11は、板材25の端部を
隔てた切れ目26で形成されるので、開口11を別途設
けるための加工等は不要で簡単に形成でき、コイル組立
体1の製作コスト低減に寄与できる。
【0020】また、薄肉状の突片24を切れ目30や、
貫通穴31、32の内壁へ圧接させて、筒状ヨーク5、
平板状ヨーク6、7の分離を抑える摩擦接触力を得るよ
うにしており、これら突片24は型製作で容易に形成で
きて、十分な摩擦接触力を容易に得ることができる。
【0021】そして、各円柱突起18、19、20、2
1、22、23の基端部を凹部17が囲んでいるので、
突片24の一部が、これら円柱突起18、19、20、
21、22、23を切れ目30や貫通穴31、32へ嵌
入する際に、削ぎ取られても、これら削ぎ取り部分は凹
部17に収容されてヨーク部材4の組付けに支障を及ぼ
す事態の発生を抑えることができ、ヨーク部材4の良好
な組付けが得られる。
【0022】
【発明の効果】このように本発明のコイル組立体による
と、筒状ヨークの内部へ配置されるコイルを卷回したボ
ビンの両側へ、各平板状ヨークをその嵌入部へボビンか
らの突起を嵌入させて筒状ヨークの端部に当接するよう
配置させれば、筒状ヨークと平板状ヨークは、内部にコ
イルを卷回したボビンを配置する状態でヨーク部材を形
成するよう組付けることができ、ヨーク部材の組付けを
簡単に行うことができて、コイル組立体を安価に製作す
ることができる。
【0023】また、請求項2に記載のように、筒状ヨー
クを、両端を隔置させて切れ目を有する筒状に曲げ加工
された板材から形成して、この切れ目により開口を形成
するようにしたときには、開口を得るために別途、格別
な加工が不要となり、コイル組立体の安価な製作に一層
寄与できる。
【0024】さらにまた、請求項3に記載のように、ボ
ビンの突起に、嵌入部内壁に圧接する薄肉状の突片を突
起の突出方向に沿って設けたときには、良好な摩擦接触
力を得る突片が容易に得られる。
【0025】そして、請求項4に記載のように、突起の
基端部を凹部で囲んだときには、突片の一部が、突起を
嵌入部へ嵌入する際に削ぎ取られても、これら削ぎ取り
部分が凹部に収容されてヨーク部材の良好な組付けが得
られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例を図3の線A−Aに沿った断
面で示す断面図。
【図2】本発明の一実施例のモールド処理前の状態を示
す平面図。
【図3】本発明の一実施例のモールド処理前の状態を示
す左側面図。
【図4】本発明の一実施例におけるボビンの左側面図。
【図5】本発明の一実施例におけるボビンの正面図。
【図6】本発明の一実施例におけるボビンの右側面図。
【図7】本発明の一実施例における要部の拡大図。
【図8】図7の左側面図。
【図9】本発明の一実施例における要部の拡大図。
【図10】図9の左側面図。
【図11】本発明の一実施例における筒状ヨークのため
の板材を示す平面図。
【図12】本発明の一実施例における筒状ヨークの左側
面図。
【図13】本発明の一実施例における平板状ヨークの正
面図。
【図14】本発明の一実施例におけるモールド処理の様
子を示す断面図。
【図15】本発明の一実施例のコイル組立体を用いたソ
レノイドの部分断面図。
【符号の説明】
1 コイル組立体 2 コイル 3 ボビン 4 ヨーク部材 5 筒状ヨーク 6、7 平板状ヨーク 9 端子ピン 10 リード線 11開口 12 外被 13 内部充填層 16 中穴 17 凹部 18、19、20、21、22、23 突起 24 突片 27 切り欠き凹部 28 通し穴 29 当接片 30、31、32 嵌入部

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 コイルを卷回した筒状のボビンの外周を
    囲む筒状ヨークと、ボビンの両端で筒状ヨークの端部に
    当接して径方向内方へ延び、ボビンの中穴に整合する通
    し穴を備える平板状ヨークとを有したヨーク部材を備
    え、ヨーク部材の筒状ヨークには、ボビンへ卷回したコ
    イルのための給電部材が挿通する開口を設け、ヨーク部
    材の周囲を覆う成形樹脂の外被を設けるとともに、ヨー
    ク部材の内部には、筒状ヨークの開口から導かれてボビ
    ン及びコイルとヨーク部材とを固着させる成形樹脂の内
    部充填層が外被に連なって形成されるソレノイドのコイ
    ル組立体において、ボビンの両端には、それぞれ平板状
    ヨーク側へ延びる突起を設け、各平板状ヨークには、ヨ
    ーク部材の組付けのために、ボビンからの突起を摩擦接
    触状態で嵌入させる嵌入部をそれぞれ設けて成るソレノ
    イドのコイル組立体。
  2. 【請求項2】 筒状ヨークが、両端を隔置させて切れ目
    を有する筒状に曲げ加工された板材から形成され、この
    切れ目により開口が形成される請求項1に記載のソレノ
    イドのコイル組立体。
  3. 【請求項3】 ボビンの突起が、嵌入部内壁に圧接する
    薄肉状の突片を突起の突出方向に沿って有している請求
    項1又は請求項2に記載のソレノイドのコイル組立体。
  4. 【請求項4】 ボビンには、各突起の基端部を囲む凹部
    を設け、凹部の底壁から突起を起立させた請求項1、請
    求項2又は請求項3に記載のソレノイドのコイル組立
    体。
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