JPH10221025A - ビデオ式非接触伸び計 - Google Patents

ビデオ式非接触伸び計

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JPH10221025A
JPH10221025A JP1938897A JP1938897A JPH10221025A JP H10221025 A JPH10221025 A JP H10221025A JP 1938897 A JP1938897 A JP 1938897A JP 1938897 A JP1938897 A JP 1938897A JP H10221025 A JPH10221025 A JP H10221025A
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camera
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marks
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 あまりコストアップをすることなく、高精度
と広範囲の測定を両立させて、プラスチック等の伸びの
大きな試料でも正確な弾性率を得るための高精度の伸び
の測定から、破断に到るまでの伸びの測定まで、一貫測
定が可能なビデオ式非接触伸び計を提供する。 【解決手段】 互いに視野の異なる複数台のビデオカメ
ラ1,2を設け、その各映像信号のうち、当初は視野の
狭い高分解能の映像信号を選択し、順次視野の広い映像
信号に自動的に切り換えて演算手段52による伸びの演
算に供する選択手段51を設けることで、伸びの比較的
少ない領域では高分解能の映像信号に基づく伸びの計測
を行い、以後、視野の広い映像信号に基づく伸びの計測
を行うように構成する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試料表面に付され
た2箇所のマークをビデオカメラで撮像した映像信号を
用いて、そのマーク間における試料の伸びを計測するビ
デオ式非接触伸び計に関する。
【0002】
【従来の技術】引張試験時等における試料の伸びを非接
触で計測する伸び計として、ビデオカメラを用いた、い
わゆるビデオ式非接触伸び計が知られている。このビデ
オ式非接触伸び計においては、試験の開始に先立って試
料表面に2つの標点に相当する2箇所のマークを付して
おき、これらのマークを試験中において1台のビデオカ
メラで撮像して得られる映像信号から各マークを認識し
て、各マークの刻々の移動量を計測し、その各移動量の
差からマーク間の試料の伸びを刻々と算出する。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】以上のような従来のビ
デオ式非接触伸び計においては、1台のビデオカメラを
用いているため、例えばプラスチックの伸びを高精度に
計測するような用途には実質的に適用できないという問
題がある。
【0004】すなわち、プラスチック等の伸びの計測に
おいては、例えば新JIS規格によると、弾性率を精度
よく求めるとともに(一般には分解能1μm程度の精度
が要求される)、破断伸びを計測する必要がある。プラ
スチックは、破断までに300%以上も伸びるものもあ
って、標点マークの間隔を当初に50mmに設定したと
き、ビデオカメラによる視野は最低でも200mm必要
となる。ここで、ビデオカメラの映像信号を用いた位置
の分解能は視野の大きさに反比例し、従って高精度の測
定と広範囲の測定とを両立することはできないことか
ら、大きな破断伸びの計測を行い、しかも上記のように
弾性率の高精度の計測を実現することは極めて困難であ
る。
【0005】なお、ビデオカメラの視野を変更するには
レンズを交換すればよいが、レンズを交換した場合には
ピント調整や較正の手続きが必要であることから、伸び
の計測中にレンズの交換によって視野を変更すること
で、上記の問題に対処しようとしても、計測を中断する
ことになって、通常は容認されるものではない。
【0006】また、1台のビデオカメラによる映像信号
を用いる従来のビデオ式非接触伸び計においては、ワイ
ヤをはじめとする各種線材や糸のように長い形状の試料
に関しても、高精度の計測が困難であるという問題もあ
る。
【0007】すなわち、このような線材等の長い試料の
伸びの計測に際しては、2箇所の標点マークの当初の間
隔も100mm以上と大きく設定する必要のある場合が
多く、このため当然ながらビデオカメラの視野を大きく
設定する必要があり、分解能を犠牲にせざるを得なくな
る。
【0008】ここで、以上の各問題のいずれについて
も、高分解能のカメラを用いることによってある程度対
処できるものの自ずと限界があり、また、相当のコスト
アップにも繋がる。
【0009】本発明はこのような実情に鑑みてなされた
もので、さほどコストアップをすることなく、高精度と
広範囲の測定を両立させてプラスチック等の伸びの大き
な試料でも、正確な弾性率を得るための高精度の伸びの
測定から、破断に到るまでの伸びの測定まで、一貫した
連続測定が可能なビデオ式非接触伸び計の提供を目的と
している。
【0010】また、上記に加えて、本発明の他の目的
は、線材などの長い試料の伸びの高精度計測にも適用す
ることのできるビデオ式非接触伸び計を提供することに
ある。
【0011】
【課題を解決するための手段】本発明の請求項1に記載
のビデオ式非接触伸び計は、実施の形態を表す図1に例
示するように、試料Wの表面に付された2箇所のマーク
M1,M2をビデオカメラによって撮像して得られる映
像信号から、各マークM1,M2を認識してその各移動
量を刻々と計測し、その各移動量の差から各マーク間の
刻々の伸びを求める演算手段(第1演算部)52を備え
た伸び計において、視野の大きさが互いに異なる少なく
とも2台のビデオカメラ1,2を備えるともに、あらか
じめ設定された基準に従い、各ビデオカメラ1,2から
の各映像信号のうちの一つを選択して演算手段52によ
る演算に供する選択手段(データ選択部)51を備え、
この選択手段51は、試料Wの伸びの進行に伴って、視
野の狭いビデオカメラ1の映像信号から順次切り換えて
演算手段52に供給することによって特徴づけられる。
【0012】また、本発明の請求項2に記載のビデオ式
非接触伸び計においては、各ビデオカメラ1,2のうち
少なくとも1台のカメラのレンズの交換によって、その
レンズ交換後のカメラを含む2台のビデオカメラによ
り、2箇所のマークM1,M2の一方ずつを個別に撮像
可能に構成されているとともに、その各カメラ1,2か
らの映像信号を用いて個々のマークM1,M2の移動量
を刻々と計測し、その各移動量の差から各マーク間の刻
々の伸びを求める第2の演算手段(第2演算部)53
と、その第2の演算手段53による演算を実行させるモ
ード切換手段(モード切換キー)6を設けている。
【0013】請求項1に記載の発明においては、互いに
視野の異なる2台のビデオカメラ1および2のそれぞれ
により、2箇所のマークM1,M2の双方を撮像する。
選択手段51は、その各カメラ1,2からの映像信号の
うちの一つのみを選択して演算手段52による伸びの演
算に供するが、当初は視野の狭いい側のカメラ2からの
映像信号を選択し、その後、あらかじめ設定された基
準、例えば試料Wのマーク間の伸びが規定量に達した時
点等において、順次視野の広いいカメラ1による映像信
号に切り換える。よって演算手段52では、試験開始当
初は視野は狭いが高分解能のカメラ2の映像信号を用い
た高い分解能の伸びの算出が可能となり、試験の進行に
伴って試料Wの伸びが大きくなってくると分解能は低い
が広い視野のカメラ1の映像信号を用いた広範囲にわた
る伸びの算出が可能となる。従って、プラスチック等の
引張試験等において、高精度の弾性率の計測と、大きな
破断伸びの計測の双方を、試験の中断等を伴うことなく
実現することができる。
【0014】ここで、演算手段52による伸びの演算に
供される映像信号の切り換え点において、信号の切り換
え前後における伸びの算出値が一致しない場合、例えば
高分解能の伸びの算出が可能な切り換え前の信号による
切り換え時点における伸びの算出値に、切り換え後の信
号による切り換え時点における伸びの算出値を一致させ
るべく、切り換え後の伸びの各算出値に一定の補正値を
加減算する等により、特に問題となることはない。
【0015】一方、請求項2に記載の発明は、少なくと
も2台のビデオカメラを備えるという請求項1に記載の
特徴的構成を利用して、線材等の長い試料、つまり当初
から標点間距離を長く設定する必要のある試料の伸びの
高精度計測をも併せて実現しようとするものである。
【0016】すなわち、この請求項2の発明において
は、1台のビデオカメラのレンズを適宜に交換すること
で、2台のビデオカメラ1,2により、2箇所のマーク
M1,M2の一方ずつを個別に撮像するように設定する
とともに、モード切換手段6により第2の演算手段53
による演算を実行させる。第2の演算手段53は、2台
のビデオカメラ1,2の一方のカメラからの映像信号か
らマークM1を、他方のカメラからの映像信号からマー
クM2を、それぞれ個別に認識してその各移動量を算出
してそのマーク間の伸びを算出するから、計測開始当初
にマークM1,M2間の距離が長くても、それに併せて
各ビデオカメラ1,2間の距離を長くすることによっ
て、各カメラ1,2の視野を広くすることなく、個々の
マークM1,M2の移動量を計測して伸びを求めること
ができる。
【0017】ここで、2台のカメラ1,2からの映像信
号によって個々のマークM1,M2を個別に認識してそ
の各移動量を求めて、その各移動量の差から伸びを算出
する際、2台のカメラ1,2間の距離と個々のカメラの
撮影倍率をあらかじめ正確に知っておく必要があるが、
各カメラ1,2を位置決めした後に、例えば図6に示す
ような、既知の距離を隔てたそれぞれの位置に、一定の
間隔を開けた一対のマークを付した治具J等を、試料W
の伸びの計測位置に配置して、各対のマークを各カメラ
1,2で個々に撮像して各マークの位置を認識すること
により、容易に較正可能である。
【0018】
【発明の実施の形態】図1は本発明の実施の形態の全体
構成を示すブロック図である。表面に2箇所の標点マー
クM1,M2が付された試料Wは、その両端が例えば材
料試験機の把持具G1,G2に把持された状態で、図中
上下方向への引張負荷が与えられる。なお、各マークM
1,M2は、例えば白地にマークとしての黒の横線が付
されたラベル等を試料Wの表面に貼着する等によって形
成される。
【0019】この実施の形態においては、後述するモー
ド切換キー6の操作によって通常測定モードと長試料測
定モードのいずれかの測定モードを選択することがで
き、この図1における試料Wとカメラ1,2の設定は、
例えばプラスチック等の引張試験時に選択される通常測
定モードにおける設定を示している。
【0020】この通常測定モードにおいては、試料Wの
各マークM1,M2はその当初の間隔が50mmに設定
され、その各マークM1,M2は2台のビデオカメラ、
つまり大変位計測用カメラ1と小変位計測用カメラ2の
双方によって撮像される。大変位計測用カメラ1および
小変位計測用カメラ2は、レンズを除くカメラ本体部分
は互いに等しいものが用いられており、また、試料Wか
らの距離は互いに等しい位置に配置されているが、大変
位計測用カメラ1には焦点距離が10mmのレンズが装
着され、小変位計測用カメラ2には焦点距離が50mm
のレンズが装着されており、これにより、小変位計測用
カメラ2の視野を60mmに設定したとき、大変位計測
用カメラ1の視野は300mmとなる。
【0021】各カメラ1,2の試料Wの伸び方向へ画素
数を600個とすると、大変位計測用カメラ1の撮像面
上での1画素は物体上の0.5mm(視野300mm/
600画素)に相当し、補完計算で分解能を仮に1/1
00にまで向上させることができるとすると、この大変
位計測用カメラ1の分解能は5μmとなる。同様に、小
変位計測用カメラ2の分解能は1μmとなる。各カメラ
のこのような分解能によると、小変位計測用カメラ2の
分解能は試料Wの比例限内の伸びの計測結果に基づく弾
性率を正確に求めるのに十分であるが、大変位計測用カ
メラ1の分解能では不十分である。
【0022】なお、上記した補完計算の例について述べ
ると、図7(A)に例示するような画像に対して、ま
ず、マークM1,M2の位置、幅に応じてラインx1
2 を設定する。x方向およびz方向に(x,z)の位
置にある画素のデータをD(x,z)で表したとき、x
方向にx=x1 〜x2 の間でデータDを加算し、各z位
置における各加算結果をP(z)とする。このP(z)
は図7(B)にグラフを示す通りの値となるが、このグ
ラフのPの最大値をPmax ,最小値をPmin としたと
き、グラフの立ち上がりもしくは立ち下がりのいずれか
に注目して、 (Pmax +Pmin )=Phalf の線を横切る位置を求めることにより、例えばマークM
1の位置を補完計算することができる。この計算は以下
のようにすることで容易に行うことができる。
【0023】すなわち、図7(B)に示したP(z)の
グラフにおいて、マークM1の位置に対応するz方向近
傍のPの立ち下がり部分を拡大して示す図7(C)に示
すように、線Phalfとの交点を挟んでその一方の画素位
置をzM1, 他方の画素位置をzM1+1としたとき、P
halfとの交点のz座標zC は、単位を画素ピッチとして
表すと、 zC =zM1+(P(zM1)−Phalf)/(P(zM1)−
P(zM1+1) となる。従って、このzC を求めて画素ピッチを乗じる
ことにより、マークM1のz方向位置を高精度に認識す
ることができる。マークM2についても同様な補完計算
を行うことにより、各マークM1,M2の位置を画素の
ピッチに比して大幅に高い分解能のもとに認識すること
ができる。
【0024】さて、以上の各カメラ1,2からの映像信
号は、それぞれアンプ31,32によって増幅された
後、それぞれに対応するA−D変換器41,42によっ
てデジタル化された後、制御装置5に取り込まれる。
【0025】制御装置5は、実際にはコンピュータとそ
の周辺機器によって構成され、プログラムに従った動作
を行うが、この図1では、そのプログラムに従う機能ご
とにブロック化して示している。すなわち、制御装置5
は、データ選択部51,第1演算部52,および第2演
算部53を主体として構成されているとともに、この制
御装置5には、通常測定モードと長試料測定モードのい
ずれかを選択するためのモード切換キー6と、試料Wの
伸びの計測結果を表示するための表示装置7が接続され
ている。
【0026】データ選択部51および第1演算部52
は、モード切換キー6により通常測定モードが選択され
ている状態で動作し、一方、モード切換キー6により長
試料測定モードが選択されている状態では、データ選択
部51および第1演算部52の動作は停止し、第2演算
部53が動作する。以下、この各測定モードごとに各部
の動作内容を説明する。
【0027】通常測定モードが選択されている状態で
は、前記したように、大変位計測用カメラ1および小変
位計測用カメラ2の双方が、試料Wの2箇所のマークM
1,M2を視野内に収めるように設定される。このと
き、上下一対の把持具G1,G2のうち、上方の把持具
G1が上方に変位し、下方の把持具G2が固定された引
張試験機を用いる場合には、試料Wの伸びによって各マ
ークM1,M2はともに上方に移動するから、小変位計
測用カメラ2の視野は図2(A)に示すように、下側の
マークM2が視野の下限位置近傍に位置するように設定
され、また、大変位計測用カメラ1は、図1に示すよう
に、その視野の下限位置が小変位計測用カメラ2の視野
の下限位置と同等となるように視野設定される。この各
カメラの視野設定時において、各カメラ1,2からの映
像データから、各マークM1,M2の各カメラの画素上
での間隔を正確に求めておくことによって、各カメラ
1,2の撮影倍率の比を正確に求めておくことができ
る。すなわち、例えば大変位計測用カメラ1では100
画素分、小変位計測用カメラ2では500画素分であっ
たとすると、これらは2つのカメラ1,2で同じマーク
M1,M2を撮像した結果であるため、その画素数比か
ら正確な撮影倍率比が求まる。
【0028】さて、この通常測定モードにおいては、デ
ータ選択部51は、図3にフローチャートを示すプログ
ラムに従い、伸びの計測開始当初は小変位計測用カメラ
2からの映像データを第1演算部52による伸びの計測
に供する。第1演算部52では、供給された映像データ
中に含まれる2つのマークM1,M2の位置を認識し、
その刻々の映像データから、各マークM1,M2の刻々
の移動量Δ1,Δ2を求める。そして、その各移動量の
差を逐次算出し、その刻々の値(Δ1−Δ2)を試料W
の伸び量とし、その伸び量を当初のマークM1,M2間
の距離50mmで除した値を100倍して伸び(%)を
求め、別途供給される荷重計測データとともに表示装置
7に供給して、例えば荷重−伸び曲線を表示させる。
【0029】試験開始当初においては、分解能1μm、
上下方向への視野60mmの小変位計測用カメラ2から
の映像データを用いて刻々の伸びが求められる。この小
変位計測用カメラ2からの映像データを用いた伸びが、
あらかじめ設定された例えば10%に到達するか、ある
いは小変位計測用カメラ2の視野からマークM1,M2
のいずれかが出た時点で、データ選択部51は第1演算
部52に供給すべき映像データを大変位計測用カメラ1
によるものに切り換え、以後、この大変位計測用カメラ
1からの映像データを用いて、上記と同様に伸びが求め
られる。大変位計測用カメラ1は、分解能が5μmであ
るが、その視野は300mmであるため、引張試験の進
行に伴って試料Wが図2(B)に示すように大きく伸び
ても、各マークM1,M2はその視野内に収まってお
り、従って、試料Wがプラスチック等の伸びの大きな試
料で、破断伸びが200%にも及ぶものであっても、試
料Wが破断するまで伸びの計測を続けることができる。
【0030】このようにして求められた荷重−伸び曲線
は、図4に例示するように、弾性率を算出するために高
精度の伸びの計測が要求される試験開始当初の伸びが1
0%以下の領域では分解能1μmのもとに伸びが計測さ
れる一方、それ以上の領域では300%を越える伸びで
あっても十分に計測される。この種の試験に要求される
高精度測定と広範囲測定の双方を満足する結果が得られ
る。
【0031】ここで、映像データの切り換え時点におけ
る伸びが、分解能の相違等によって相互に繋がらない場
合には、好ましくは、分解能の高い先の映像データによ
る伸びを優先し、その伸びに対して後の映像データによ
る伸びの算出値が繋がるように、後の映像データを用い
た伸びの算出値に対して一括して補正値を加減算する等
の対策によって、この種の試験において要求される伸び
として特に問題のない荷重−伸び曲線を得ることができ
る。
【0032】次に、モード切換キーによって長試料測定
モードが選択される場合について述べる。この長試料測
定モードは、例えばワイヤ等の線材状の試料の伸びの計
測時に選択されるモードであり、このような試料の引張
試験においては、2箇所の標点間の当初距離は例えば2
00mm等と長い距離に設定される。そして、この長試
料測定モードにおいては、例えば大変位計測用カメラ1
のレンズが、小変位計測用カメラ2のレンズと同等の焦
点距離50mmのレンズに交換される。そして、これら
の各カメラ1,2は、図5に示すように、2箇所の標点
に対応して試料Wに付されたマークM1,M2の間隔2
00mmに合わせて、相互に200mmの間隔を開けて
配置され、2つのマークM1,M2のうち、マークM1
をカメラ1で、マークM2をカメラ2で、それぞれ個別
に撮像するように、それぞれの視野が設定される。
【0033】この長試料測定モードでは、各カメラ1,
2からの映像データはともに第2演算部53に取り込ま
れる。第2演算部52は、これら2種類の映像データに
ついて、それぞれに含まれるマークM1,M2の位置を
個々に認識し、刻々の各映像データから各マークM1,
M2の刻々の移動量Δ1,Δ2を求め、その差(Δ1−
Δ2)を試料Wの伸び量とし、その伸び量を当初のマー
クM1,M2間の距離で除して伸び(%)を求め、前記
した通常測定モードと同様に表示装置7に表示させる。
【0034】ここで、この長試料測定モードにおいて
は、2つのマークM1,M2はそれぞれに個々のカメラ
1,2によってのみ撮像され、その2種の映像データか
らマークM1,M2間の伸びを求めるが故に、各カメラ
1,2間の間隔およびそれぞれの撮影倍率を正確に求め
ておかなければ、正確な伸びの計測を行うことができな
い。換言すれば、このカメラ1,2間の間隔と各撮影倍
率を知ることが、この長試料測定モードにおける伸び計
の較正作業となる。この較正作業は、図6に例示するよ
うな較正治具Jを用いることによって、容易に行うこと
ができる。
【0035】すなわち、標点間距離を200mmとする
場合には、例えば互いに50mmの間隔を開けた2対の
マークJ11,J12およびJ21,J22を、各対間
の距離を200mmだけ開けて付した治具Jを用意し、
これを試料Wの伸びの計測位置に配置した状態で、一方
の対のマークJ11とJ12をカメラ1で、また、他方
の対のマークJ21とJ22をカメラ2で撮像し、その
各映像データを用い、個々の映像データ中におけるマー
ク対J11とJ12間、並びにマーク対J21とJ22
間の各画素数を認識することにより、各カメラ1,2の
撮影倍率を知ることができ、また、個々の視野中におけ
るマークJ11とJ21の画素位置を認識することによ
ってカメラ1,2間の距離を知ることができる。
【0036】なお、以上の実施の形態においては、カメ
ラの数を2台とした例を示したが、本発明においてはカ
メラの台数は2以上であれば任意であり、通常測定モー
ドにおいては、試料の伸びが大きくなるに従って視野の
狭い、従って高分解能のカメラから、順次視野の広いカ
メラに切り換えて伸びの計測を継続すればよい。
【0037】
【発明の効果】以上のように、請求項1に記載の発明に
よれば、試料表面に付した2箇所のマークを、互いに視
野の異なる複数のカメラによって撮像し、弾性率を算出
する等の目的によって高精度の伸びの計測が必要な、伸
びの少ない領域においては、視野の狭い、従って高分解
能のカメラによる映像信号から伸びを算出し、かつ、特
に高精度の伸びの計測は要求されないが、広い範囲での
伸びの計測が要求されるそれ以降の領域においては、試
料の伸びの進行に伴って順次視野の広いカメラによる映
像信号に自動的に切り換えて伸びの計測を継続するか
ら、例えばプラスチック材料ように、伸びの大きな試料
についても、特に分解能の高い特殊のビデオカメラを用
いることなく、従って大幅なコストアップを伴うことな
く、高精度の伸びの計測による正確な弾性率の計測と、
試料の破断に到るまでの広範囲にわたる連続した伸びの
計測の双方を実現することができる。
【0038】また、請求項2に記載の発明によれば、試
料表面に付した2箇所のマークを、それぞれ個別のカメ
ラによって撮像し、その各映像信号から個々のマーク位
置を刻々と認識してこれらのマーク間の伸びを算出する
から、線材等の長い試料のように、2箇所の標点間距離
が当初から長く設定される試料についても、カメラの分
解能を犠牲にすることなく、高分解能の映像信号を用い
て正確な伸びの計測が可能となった。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態の全体構成を示すブロック
【図2】その試料Wに付されたマークM1,M2と各カ
メラ1,2の視野の説明図で、(A)は試験開始当初に
おけるマークM1,M2と小変位計測用カメラ2の視野
との関係の説明図であり、(B)は試料Wが伸びた後に
おけるマークM1,M2と大変位計測用カメラ1の視野
との関係の説明図
【図3】本発明の実施の形態における通常測定モードで
のデータ選択部51の動作を表すフローチャート
【図4】本発明の実施の形態における通常測定モードで
得られる荷重−伸び曲線の一例を示すグラフ
【図5】本発明の実施の形態における長試料測定モード
における各カメラ1,2の視野設定状態の説明図
【図6】本発明の実施の形態における長試料測定モード
における各カメラ1,2の較正作業に用いる治具Jの説
明図
【図7】本発明の実施の形態における各カメラ1,2か
らの映像信号を用いた各マークM1,M2の位置の認識
のための演算における補完計算法の例の説明図
【符号の説明】
1 大変位計測用カメラ 2 小変位計測用カメラ 31,32 アンプ 41,42 A−D変換器 5 制御装置 51 データ選択部 52 第1演算部 53 第2演算部 6 モード切換キー 7 表示装置

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試料表面に付された2箇所のマークをビ
    デオカメラによって撮像して得られる映像信号から、各
    マークを認識してその各移動量を刻々と計測し、その各
    移動量の差から各マーク間の刻々の伸びを求める演算手
    段を備えた伸び計において、視野の大きさが互いに異な
    る少なくとも2台のビデオカメラを備えるともに、あら
    かじめ設定された基準に従い、各ビデオカメラからの各
    映像信号のうちの一つを選択して上記演算手段による演
    算に供する選択手段を備え、この選択手段は、試料の伸
    びの進行に伴って、視野の狭いビデオカメラの映像信号
    から順次切り換えて上記演算手段に供給することを特徴
    とするビデオ式非接触伸び計。
  2. 【請求項2】 上記各ビデオカメラのうち少なくとも1
    台のカメラのレンズの交換によって、そのレンズ交換後
    のカメラを含む2台のビデオカメラにより、上記2箇所
    のマークの一方ずつを個別に撮像可能に構成されている
    とともに、その各カメラからの映像信号を用いて個々の
    マークの移動量を刻々と計測し、その各移動量の差から
    各マーク間の刻々の伸びを求める第2の演算手段と、そ
    の第2の演算手段による演算を実行させるモード切換手
    段を備えていることを特徴とする、請求項1に記載のビ
    デオ式非接触伸び計。
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