JP2000258133A - 非接触伸び計 - Google Patents

非接触伸び計

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JP2000258133A
JP2000258133A JP11061754A JP6175499A JP2000258133A JP 2000258133 A JP2000258133 A JP 2000258133A JP 11061754 A JP11061754 A JP 11061754A JP 6175499 A JP6175499 A JP 6175499A JP 2000258133 A JP2000258133 A JP 2000258133A
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Nobunari Takahashi
信成 高橋
Naoto Watanabe
直人 渡邉
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JT Tohsi Inc
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 試験片の厚み変動等の誤差要因を排除して、
その計測精度を効果的に高め得る非接触伸び計を提供す
る。 【解決手段】 試験片に付された2本の標線R1,R2を
それぞれ撮像する第1および第2のカメラ1,2を所定
の間隔Dに設定すると共に、その焦点距離はを一定に揃
えて前記標線の一方をそれぞれ撮像する。そして各カメ
ラにてそれぞれ撮像された画像中における標線イメージ
の位置P1,P2と上記カメラの間隔D、および焦点距離
Fとに従って前記試験片の表面までの距離Lを計測し、
この計測距離に従って前記各カメラの焦点距離(視野
角)を調整(最適化)する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、試験片の厚み変動
等の誤差要因を排除して、その計測精度を効果的に高め
得る非接触伸び計に関する。
【0002】
【関連する背景技術】材料試験機における各種試験片の
引っ張り試験は、該試験片に引っ張り負荷を加えなが
ら、その引っ張り荷重と試験片の伸びとを計測して行わ
れる。特に最近では、レーザやラインセンサ等を用いて
試験片とは非接触に上記試験片の伸びを計測する非接触
伸び計が注目されている。この種の非接触伸び計は、基
本的には試験片にその伸び方向に所定の距離を隔てて平
行に付した2本の標線の位置を光学的に検出し、これら
の標線間距離の変化からその伸び量を求めるものであ
る。
【0003】さて非接触伸び計の一方式として、例えば
実公平6−31365号公報に開示されるように、試験
片に付した2本の標線をそれぞれ撮像する2台のカメラ
(光学ヘッド)を前記試験片の伸び方向に平行移動可能
に設け、試験片の伸びに伴う前記標線の位置変化に追従
させて前記カメラをそれぞれ移動させながら、各カメラ
により光学的に検出される標線の位置に従って前記試験
片の伸びを計測するものがある。ちなみにこの公報に開
示される非接触伸び計は、カメラより撮像される画像中
の標線イメージの位置が常に該画像の基準位置、例えば
画像中心となるように上記カメラの位置を追従移動制御
し、このときのカメラ位置から前記標線間の伸び量を計
測するものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】ところで引っ張り試験
に供される試験片の材質は様々であり、またその形状・
厚みも種々異なることが多い。しかも試験機本体への試
験片の取り付け方もその試験片によって異なり、その取
り付け姿勢も変化し易い。このような試験片の厚みの差
異やその取り付け姿勢(傾き)は、カメラにより撮像さ
れる試験片の標線が付された表面位置の前後方向(カメ
ラの視野方向)のずれを招くもので、非接触伸び計にお
ける計測誤差の要因となる。このような計測誤差(光学
的誤差)を排除するべく、標線が付された試験片の表面
とカメラとの距離、即ち、試験片の表面位置を計測して
カメラ位置を前後方向に補正することが考えられてい
る。しかし距離センサを必要とする上、カメラの支持機
構が相当複雑化すると言う問題が生じた。
【0005】また試験片の伸びに伴う標線の変位に伴っ
てカメラ位置を追従移動させながら標線位置を計測する
構成の非接触伸び計にあっては、カメラの移動に伴う機
械的誤差が生じる虞がある。このような機械的誤差を排
除するには、カメラの支持機構およびその移動機構が相
当複雑化し、大掛かりで高価格なものとなることが否め
ない。
【0006】本発明はこのような事情を考慮してなされ
たもので、その目的は、試験片の厚み変動等の誤差要因
を効果的に排除して高精度な計測を可能とする簡易な構
成の非接触伸び計を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】上述した目的を達成する
べく本発明は、試験機本体に装着された試験片の伸び方
向に移動自在に設けられて上記伸び方向に所定の距離を
隔てて前記試験片に平行に付された2本の標線をそれぞ
れ撮像する第1および第2のカメラと、これらの各カメ
ラによりそれぞれ撮像された画像中における各標線イメ
ージの位置および前記各カメラの位置とに従って前記試
験片における各標線の位置または標線間距離を計測する
計測手段とを具備した非接触伸び計に係り、特に前記第
1および第2のカメラを所定の間隔に設定すると共に、
その焦点距離を一定に揃えて前記標線の一方をそれぞれ
撮像し、これらの各カメラにてそれぞれ撮像された画像
中における標線イメージの位置P1,P2と上記カメラの
間隔D、および焦点距離Fとに従って前記試験片の表面
までの距離Lを算出する計測距離算出手段、および算出
された計測距離に従って前記各カメラによる標線の撮像
条件、例えばカメラの焦点位置やその焦点距離(視野
角)を調整(最適化)すると共に、調整した撮像条件を
前記計測手段に与える計測条件設定手段を備えたことを
特徴としている。
【0008】即ち、本発明に係る非接触伸び計は、試験
片に付された2本の標線をそれぞれ撮像してその標線位
置を求めるべく準備された第1および第2のカメラによ
り、上記標線の一方をそれぞれ撮像し、各画像中におけ
る上記標線の位置P1,P2と前記カメラの間隔D、およ
び焦点距離Fとに従って前記試験片の表面までの距離L
を計測し、この計測距離Lに従って前記各カメラにより
撮像する標線の焦点ぼけを調整し、更にはその焦点距離
(撮像視野角)を調整することで前記各画像からそれぞ
れ計測される前記各標線の計測誤差(光学的誤差)を補
償し、また調整した撮像条件を計測手段に与えることで
画像から検出される標線位置に対する計測誤差を補償し
得るようにして、その計測精度の向上を図ることを特徴
としている。更にはカメラにより撮像する画像の分解能
を高めて、その計測精度の向上を図ることを特徴として
いる。
【0009】また本発明に係る非接触伸び計は、請求項
3に記載するように、前記計測条件設定手段に、前記各
標線の予測される変位量に応じて前記各カメラの焦点距
離を設定する手段を設け、前記計測手段においては、上
記の如く焦点距離が設定されカメラを、前記標線の予測
された変位の範囲の全てをその視野に含む位置に固定す
る手段を備えることを特徴としている。
【0010】即ち、試験片の伸びに伴う標線の変位範囲
の全てをその撮像視野に含むようにカメラの焦点距離
(撮像視野角)を設定すると共に、そのカメラ位置を固
定的に設定することで、カメラを移動させることなく、
即ち、カメラの移動に伴う機械的誤差を発生させること
なく、その計測を行い得るようにしたことを特徴として
いる。
【0011】更には請求項4に記載するように、設定さ
れた撮像条件に応じて画像の分解能を算出し、その分解
能に応じて画像から計測される標線位置を補償すること
で、その計測精度を高めることを特徴としている。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、図面を参照して本発明の一
実施形態に係る非接触伸び計について説明する。図1は
この実施形態に係る非接触伸び計の概略構成を示してお
り、Sは図示しない材料試験機本体に装着されて引っ張
り試験に供せられる試験片、R1,R2は上記試験片S
に、予めその伸び方向に所定の距離を隔てて平行に付さ
れた2本の標線である。これらの標線R1,R2は、前記
試験片Sの平行部に、例えば50mmの距離を隔てて塗
料等を用いて描かれた直線マークからなる。尚、複数本
の試験片Sがロットを単位として供給されて引っ張り試
験に供される場合には、これらの各試験片Sの略同一位
置に前記各標線R1,R2がそれぞれ付される。
【0013】さて材料試験機本体に組み込まれて上記試
験片Sの伸びを、該試験片Sと非接触に計測する非接触
伸び計は、前記各標線R1,R2をそれぞれ撮像する高倍
率の第1および第2のカメラ1,2と、これらの各カメ
ラ1,2の側部に装着されて該カメラ1,2による撮像領
域(試験片Sの各標線部分)を照明する光源3,4とを
備えている。これらの各カメラ1,2は第1および第2
の移動ステージ5,6にそれぞれ支持されて、前記試験
片Sの伸び方向に平行移動自在に設けられている。ちな
みに上記各ステージ5,6は、パルスモータ7,8により
駆動される送りねじ7a,8aに噛合し、前記パルスモー
タ7,8の回転制御の下で前記試験片Sの伸び方向に移
動(上下動)されて位置調整されるようになっている。
【0014】尚、前記カメラ1,2は、例えばCCDイ
メージセンサ(エリアセンサ)を撮像素子として内蔵
し、前記各標線R1,R2をそれぞれ含む前記試験片Sの
部分的な表面像を、例えば略等倍の撮像倍率で近接撮像
(マクロ撮影)して高解像度の画像信号を得る如く構成
される。またカメラ1,2による前記各標線R1,R2を含
む表面像の撮像は合焦点状態で行われ、これによって常
に鮮明な画像が求められるようになっている。更に各カ
メラ1,2はズーミング機構を備えており、後述するよ
うにその焦点距離F(撮像視野角θ)を適宜調整し得る
ように構成されている。この焦点距離F(撮像視野角
θ)の調整(ズーミング調整)および前記合焦点調整
(焦点位置調整;フォーカシング)は、後述するカメラ
制御部20により実行される。
【0015】さて上述した如く各カメラ1,2により撮
像された前記各標線R1,R2を含む試験片Sの部分的な
表面像(画像)は、画像処理部11,12を介してCP
Uからなる演算処理部13に取り込まれると共に、所定
の画像処理が施されてディスプレイ14上に表示され
る。ディスプレイ14は、例えば平行に並べて設定した
2つの画像表示領域に、上記演算処理部13にて画像処
理が施された前記各標線イメージをそれぞれ含む画像
(処理画像)を表示する如く構成される。尚、前記各カ
メラ1,2が撮像した生の画像をTVモニタ(図示せ
ず)に直接的に表示しながら、前記演算処理部13にて
求めた前記標線R1,R2をそれぞれ含む処理画像を前記
ディスプレイ14上に表示するようにしても良い。
【0016】また前記ディスプレイ14には、例えばカ
メラ1,2(ステージ5,6)の移動をマニュアル操作す
る為のソフトスイッチや、カメラ1,2に対する初期設
定等を指示する為のソフトスイッチを表示したオペレー
ション領域や、引っ張り試験により計測された荷重と伸
びとの関係をグラフ表示するグラフ表示領域等が設けら
れる。このようなディスプレイ14の表示画面をインタ
ーフェースとして、引っ張り試験に対する各種条件等の
設定入力や、更には伸び計に対する初期設定処理等が行
われる。
【0017】一方、図1における前記演算処理部13
は、予め準備された伸び計測用のソフトウェア・アプリ
ケーションに従って前記各カメラ1,2により撮像され
た画像中における前記標線R1,R2の各標線イメージを
検出して該標線イメージの重心位置を求める機能を備え
ている。この標線イメージの重心位置は、例えば標線を
横切る方向における標線イメージの画像成分の分布中心
を求める等して行われる。そして各画像において求めら
れた標線イメージの重心位置と、予め設定された各画像
中の基準位置(例えば画像中心)との差(画像上の距
離)から前記標線イメージが上記基準位置に位置付けら
れていた状態からの該標線イメージのずれ量、ひいては
試験片Sの伸びに伴う標線R1,R2の変位位置を検出す
るものとなっている。
【0018】ちなみにこの演算は、例えば前記カメラ
1,2の撮像焦点距離により規定される撮像倍率と前記
CCDイメージセンサの画素配列ピッチとに従って前記
画像における1画素の当たりの計測長さ(単位距離;分
解能)を予め求めておき、この単位距離を前記差(画像
上の距離)に乗じることによりなされる。尚、前記カメ
ラ1,2により求められた画像信号を、適宜、内挿演算
を施しながら拡大処理し、この拡大処理された画像から
標線R1,R2の位置を検出することによりその計測精度
を高くすることも可能である。
【0019】また前記演算処理部13は、前記カメラ
1,2によってそれぞれ撮像される画像中から前記標線
イメージが外れるような場合、換言すれば試験片の伸び
により標線R1,R2の位置が変位して前記各カメラ1,2
による撮像範囲の限界に達するようなとき、位置制御部
15,16を起動する。そしてそのときに画像上から求
められている標線イメージの重心位置と前記基準位置と
の差(画像上の距離)に従って、前記位置制御部15,
16の制御の下で前記パルスモータ7,8をそれぞれ駆
動し、前記試験片Sの伸びに伴う標線R1,R2の移動方
向にカメラ1,2をそれぞれ移動させている。
【0020】上記各位置制御部15,16の制御による
前記各カメラ1,2の移動は、例えば前記各カメラ1,2
によりそれぞれ撮像される画像中の標線イメージの重心
位置が前記各画像における前記基準位置となるように、
即ち、撮像画像における基準位置に前記標線R1,R2を
捉えるように前記各カメラ1,2の位置を制御して行わ
れる。具体的には各画像から求められる前記標線イメー
ジの重心位置と前記画面の基準位置との差に相当する
分、前記パルスモータ7,8を駆動することでカメラ1,
2を移動させ、これによって図2にその概念を示すよう
に試験片Sの伸びに伴う標線R1,R2の変位に追従させ
てカメラ1,2の位置を変化させるものとなっている。
【0021】さて基本的には上述した如く構成される非
接触伸び計において、この発明が特徴とするところは、
前記カメラ1,2により撮像される画像から試験片Sの
標線R1,R2が付された表面位置までの距離Lを算出し
(計測距離算出手段)、この計測距離Lに従って前記各
カメラ1,2の焦点位置および焦点距離F(撮像視野角
θ)を調整することで(フォーカス制御+ズーミング制
御)、厚み変化等に起因する前記試験片Sの表面位置の
前後方向のずれに起因する計測誤差(光学的誤差)を補
正し、更にその撮像条件を演算処理部13に与えること
でその演算誤差を補償する機能(計測条件設定手段)を
備えている点にある。
【0022】ここで厚み変化等に起因する前記試験片S
の表面位置の前後方向のずれに起因する計測誤差(光学
的誤差)について説明すると、図3に試験片Sと該試験
片Sの表面を撮像するカメラ1(2)の光学的な関係を示
すように、焦点距離F(撮像視野角θ)が一定のカメラ
1(2)にて試験片Sを撮像した場合、試験片Sの厚みの
変化に伴って該試験片Sの標線R1,R2が付された表面
とカメラ1(2)との距離Lが変化する。すると試験片S
に付された標線の位置が一定であると雖も、図3にその
光路の違いを2本の破線で示すように上記距離Lの変化
に伴ってカメラ1(2)の撮像面上における上記標線の結
像位置にずれが生じる。このような結像位置のずれが、
標線位置の計測誤差として現れることになる。
【0023】そこでこの実施形態に係る非接触伸び計に
おいては、例えば図4にその処理手順を示すように、先
ず前記演算処理部13の制御の下で前記位置制御部1
5,16を作動させて前記カメラ1,2の間隔を所定の距
離Dに設定すると共に、前記標線R1,R2の一方、具体
的には下方側の標線R2をそれぞれ視野するように(撮
像範囲に含むように)位置付けている[ステップS
1]。次いで前記カメラ制御部20を制御の下で前記各
カメラ1,2の焦点距離Fを予め設定された規定値に設
定し[ステップS2]、このような撮像条件下で上記標
線R2を撮像している[ステップS3]。そして前記各
カメラ1,2によりそれぞれ撮像された画像中における
標線イメージの位置P1,P2を計測し[ステップS
4]、計測された上記各標線イメージの位置P1,P2
と、前記カメラ間の距離Dおよび前記焦点距離Fとに従
って前記試験片Sの標線R1,R2が付された表面位置ま
での距離Lを算出している[ステップS5]。
【0024】前記カメラ制御部20は、このようにして
算出された距離Lに従って前記カメラ1,2の焦点距離
(撮像視野角)を最適化調整することで、前記試験片S
の表面位置の変化に起因する計測誤差を補償し、その計
測精度の高精度化を図っている[ステップS6]。即
ち、カメラ1,2の焦点位置と焦点距離(撮像視野角)
を調整(フォーカシング制御+ズーミング制御)するこ
とで、前記距離Lの変化に拘わることなく標線イメージ
がその撮像面上の同一位置に合焦点状態で結像されるよ
うにし、これによって試験片Sの厚みの変化等に起因す
る計測誤差(光学的誤差)を補償するものとなってい
る。尚、上述した如くカメラ1,2の焦点距離Fを最適
化することにより、カメラ1,2による計測分解能の向
上も同時に図られる。また予め規定された距離Loでの
カメラ1,2における実視野(画像中における実測距
離)を求めておき、算出された計測距離Lに応じてフォ
ーカシング制御だけを実行し、これに伴って変化する画
像中における計測距離を補正することで、その計測誤差
を補償することも可能である。
【0025】より具体的には、前述した如くカメラ1,
2間の距離Dを設定して標線R2を撮像した場合の撮像
光学系は、例えば図5に示すようになる。即ち、試験片
S上における前記標線R2の位置が、前記各カメラ1,2
の光軸から距離K1,K2ずつ離れた位置であるとき、こ
の標線R2を撮像するカメラ1,2における撮像面上での
標線イメージの結像位置は、上記標線R2を視野する角
度α,βに応じてその画像中心から距離P1,P2ずつ変位
した位置となる。
【0026】しかして前記各カメラ1,2の焦点距離F
は、共に予め規定された等しい値に設定されているの
で、上記各距離K1,K2,P1,P2の間には、図5に示す
光学系から明らかなように K1 +K2 =D (1) P1:P2 =K1:K2 (2) P1:K1 =P2:K2 =F:L (3) なる関係が成立する。従って上記(1)(2)式に示される
関係から K1/(K1+K2)=P1/(P1+P2) → K1 =D・P1/(P1+P2) K2/(K1+K2)=P2/(P1+P2) → K2 =D・P2/(P1+P2) なる関係を見出すことができる。従って上記(3)式に示
される関係から、試験片Sの表面までの距離Lを、前述
した各カメラ1,2の撮像面上での標線イメージの距離
(位置)P1,P2と、その焦点距離Fおよびカメラ1,2
間の距離Dとに基づいて L=D・F/(P1+P2) として算出することが可能となる。
【0027】このようにして計測される試験片Sの表面
までの距離Lに従い、例えば標線R1,R2の像(イメー
ジ)がカメラ1,2の撮像面上の一定位置に結像するよ
うに該カメラ1,2の焦点距離Fを調整し、これによっ
てその撮像視野角度θを変えることで、前記距離Lの変
位に伴う結像位置のずれを簡易に、しかも効果的に補償
することが可能となる。また予め設定された距離Loに
おける上述した光学的関係が求められているならば、逆
に上記計測距離Lから各カメラ1,2の撮像面上での標
線イメージの距離(位置)P1,P2のずれを逆算するこ
とが可能となるの。従ってこのずれに応じて各画像から
計測される標線イメージの位置P1,P2に基づく標線の
計測位置を補正することも可能となる。
【0028】かくして上述した如くして試験片Sの表面
までの距離Lを計測し、その計測距離Lに応じて上記距
離Lの変位に伴う標線イメージの結像位置のずれを補償
する機能を備えた非接触伸び計によれば、試験片Sの厚
みやその取り付け姿勢に起因する試験片Sの表面位置の
前後方向のずれに拘わることなく、その標線位置を高精
度に計測することが可能となる。しかも標線R1,R2を
撮像するべく設けられたカメラ1,2の撮像機能を有効
に活用して、つまり新たに距離センサ等を組み込むこと
なしに試験片Sの表面までの距離Lを計測して該表面の
前後方向のずれ(光学的誤差)を補償して高精度な計測
を行うことができる等の実用上多大なる効果が奏せられ
る。
【0029】尚、この際、カメラ1,2のズーミング機
能を活用して予め前記各カメラ1,2の焦点距離Fを、
前記カメラ1,2にて同時に視野し得る範囲で長く設定
し、これによってその撮像視野角を狭めて標線R2を高
倍率に撮像するようにしておけば、カメラ1,2におけ
る計測分解能を高めてより高精度な距離計測を実現する
ことができる。そしてカメラ1,2による標線R1,R2の
計測分解能を高め、より高精度な計測を実現することが
可能となる。
【0030】ところで上述した如くして光学的誤差を補
償して標線R1,R2の位置を計測するに際し、更にカメ
ラ1,2の移動に伴う機械的誤差の発生を排除して、簡
易に高精度な計測を実現することもできる。換言すれば
精度の高い大掛かりなカメラ支持機構(移動機構)を組
み込まない場合であっても、その機械的誤差要因を除い
て簡易に高精度な計測を実現することもできる。
【0031】図6はその処理手順の一例を示すもので、
先ず高精度な計測が要求されているか否かを判断する
[ステップS11]。そして高精度な計測が要求されて
いる場合には、試験片Sの伸びに伴う標線R1,R2の変
位に追従させてカメラ1,2を移動させ、常に上記各標
線R1,R2を画像中心に捉えるようにカメラ位置を制御
して、そのカメラ位置から標線R1,R2の位置を高精度
に計測する[ステップS12]。この場合、カメラ1,
2の焦点距離Fを前述した如く計測される試験片Sの表
面までの距離Lに応じて、最大の分解能が得られるよう
に設定することが望ましい。
【0032】これに対して要求される計測精度が或る程
度低い場合には、試験片Sの伸びに伴う標線R1,R2の
変位量C1,C2を予測する[ステップS13]。この変
位量C1,C2の予測は、試験片Sの種別に応じて、例え
ば各種試験片の種別に応じた過去の実績データ等に基づ
いて行われる。そして試験片Sの下端側を固定し、その
上端側を上方に引っ張ることでその引っ張り試験を実行
する場合には、下側の標線R2の変位量C2の方が少ない
ので、先ず、下側の標線R2の予測された変位量C2が、
該標線R2を撮像するカメラ2の視野範囲内に存在する
か否かを判定する[ステップS14]。このカメラ2の
視野範囲は、前述した如く計測される試験片Sの表面ま
での距離Lと、この距離Lおよび要求された計測精度に
基づく計測分解能とに応じて設定された前記カメラ1,
2の焦点距離F(撮像視野角)とに基づいて算出され
る。
【0033】しかして標線R2の予測された変位量C2
が、カメラ2の視野範囲から外れる場合には[ステップ
S14]、前述したように試験片Sの伸びに伴う標線R
1,R2の変位に追従させてカメラ1,2を移動させ、該カ
メラ1,2の位置から標線R1,R2の位置計測を実行する
[ステップS12]。一方、前記標線R2の予測された
変位量C2が、カメラ2の視野範囲に収まる場合には、
次に上側の標線R1の予測された変位量C1(>C2)
が、カメラ1の視野範囲内に存在するか否かを判定する
[ステップS15]。そして予測された標線R1の変位
量C1がカメラ1の視野範囲に収まる場合には、その変
位量C1に合わせてカメラ1,2の焦点距離F(撮像視野
角)を設定し、その撮像範囲内において標線R1,R2が
それぞれ変位するように設定する[ステップS16]。
そして試験片Sの伸びに伴って変位する標線R1,R2
が、その視野範囲内に必ず捉えられるように前記各カメ
ラ1,2の位置をそれぞれ固定的に設定し[ステップS
17]、固定したカメラ1,2によりそれぞれ撮像され
た画像上での標線イメージの位置から、各標線R1,R2
の位置計測を実行する[ステップS18]。
【0034】これに対して予測された標線R1の変位量
C1がカメラ1の視野範囲から外れる場合には、前記標
線R2の予測された変位量C2に合わせてカメラ1,2の
焦点距離F(撮像視野角)を設定し、その撮像範囲内に
おいて標線R2が変位が収まるように設定する[ステッ
プS19]。そしてカメラ2については、標線R2の変位
量C2がその視野範囲内に含まれるようにその位置を固
定的に設定し、前記カメラ1については標線R1をその
画像中心に捉えるようにその位置を設定する[ステップ
S20]。このような設定状態で、前記標線R2の変位
を固定したカメラ2により撮像された画像上での標線イ
メージの位置から計測し、また標線R1の変位について
は、その変位に追従させて移動させるカメラ1の移動位
置から計測する[ステップS21]。
【0035】つまり図7にその概念を示すように、カメ
ラ2においてはそのカメラ位置を固定し、その撮像視野
範囲内で変位する標線R2の位置を、その画像上から計
測する。これに対してカメラ1については、その撮像視
野範囲に標線R1の変位量(変位の範囲)が収まらない
ので、標線R1を画像中心に捉えるようにカメラ1を移
動制御し、該カメラ1の位置から標線R1の位置を計測
するようにする。
【0036】かくして上述した如き計測モードを選択的
に設定してその伸び計測を実行する非接触伸び計によれ
ば、カメラ1,2の分解能を最大限に活用して簡易に高
精度な計測を行うことができる。しかもカメラ1,2を
固定した状態で伸び計測を行うことで、機械的誤差要因
の入り込みを効果的に阻止することができ、その計測精
度を効果的に保証することができる等の効果が奏せられ
る。
【0037】尚、カメラ1,2については、例えば図8
に示すようにズーミング制御機構21と、フォーカシン
グ制御機構22とを備えたものを準備し、フォーカシン
グ制御についてはカメラ1,2の映像出力からその焦点
ずれを検出して(焦点ずれ検出機構23)、常に合焦点
状態となるように制御するようにすれば良い。またその
ズーミング制御については、前述したように計測される
試験片Sの表面までの距離Lと、要求された計測精度
(分解能)に応じて最適化制御するようにすれば良い。
【0038】尚、本発明は上述した実施形態に限定され
るものではない。例えば設定された撮像条件に応じてそ
の計測分解能を算出し、そのときの分解能に応じて画像
から求められる標線の計測位置を補償することも勿論可
能である。この場合、カメラ1,2の焦点距離を調整す
る必要がないので、より簡単にその計測精度を高め得
る。また常に最大の分解能が得られるようにカメラ1,
2の撮像視野を調整することも可能である。その他、本
発明はその要旨を逸脱しない範囲で種々変形して実施す
ることができる。
【0039】
【発明の効果】以上説明したように本発明によれば、簡
易にして試験片の厚み変動等に起因する光学的誤差を補
償して高精度な計測を行うことができ、その実用的利点
が多大である。しかも標線の撮像に用いるカメラを利用
して、試験片表面の前後方向の位置ずれを計測してその
補償を行うので、簡易にして効果的に計測精度を高める
ことができる等の実用上多大なる効果が奏せられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係る非接触伸び計の要部
概略構成図。
【図2】非接触伸び計による試験片の伸び検出の原理を
示す説明図。
【図3】試験片の厚み変化に伴う計測誤差の発生を説明
する為の図。
【図4】試験片表面までの距離計測と、計測距離に基づ
くカメラの焦点距離の最適化の手順を示す図。
【図5】試験片表面までの距離計測の原理を説明するた
めの撮像光学系を示す図。
【図6】計測精度に応じた計測モードの設定手順を示す
図。
【図7】固定カメラによる標線の位置計測と、標線の変
位に追従したカメラの移動による標線の位置計測を示す
図。
【図8】カメラにおけるズーミング機構とフォーカシン
グ機構の作用を示す図。
【符号の説明】
1 第1のカメラ 2 第2のカメラ 7,8 パルスモータ 11,12 画像処理部 13 演算処理部 14 ディスプレイ 15,16 位置制御部 20 カメラ制御部 S 試験片 R1,R2 標線
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き Fターム(参考) 2F065 AA17 AA65 BB27 CC00 FF04 FF26 JJ03 JJ05 JJ26 LL06 PP22 SS02 SS13 TT02 2G061 AA01 AB01 EA02 EB07 EC05

Claims (4)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 試験機本体に装着された試験片の伸び方
    向に移動自在に設けられて上記伸び方向に所定の距離を
    隔てて前記試験片に平行に付された2本の標線をそれぞ
    れ撮像する第1および第2のカメラと、 前記各カメラによりそれぞれ撮像された画像中における
    標線イメージの位置および前記各カメラの位置とに従っ
    て前記試験片における各標線の位置または標線間距離を
    計測する計測手段と、 前記カメラを所定の間隔に設定すると共に、その焦点距
    離を一定に揃えて前記標線の一方をそれぞれ撮像し、こ
    れらの各カメラにてそれぞれ撮像された画像中における
    標線イメージの位置と上記カメラ間隔、および焦点距離
    とに従って前記カメラと前記試験片の表面との距離を算
    出する計測距離算出手段と、 算出された計測距離に従って前記各カメラによる前記標
    線の撮像条件を調整すると共に、調整した撮像条件を前
    記計測手段に与える計測条件設定手段とを具備したこと
    を特徴とする非接触伸び計。
  2. 【請求項2】 前記計測条件設定手段は、算出された計
    測距離に従って前記各カメラの焦点位置合わせを行うと
    共にその焦点距離を調整するものである請求項1に記載
    の非接触伸び計。
  3. 【請求項3】 前記計測条件設定手段は、前記各標線の
    予測される変位量に応じて前記各カメラの焦点距離を設
    定する手段を備えてなり、 前記計測手段は、焦点距離が設定されカメラを、前記標
    線の予測された変位の範囲の全てをその視野に含む位置
    に固定する手段を備えることを特徴とする請求項1に記
    載の非接触伸び計。
  4. 【請求項4】 前記計測手段は、設定されたカメラの焦
    点距離に応じて標線の変位量の計測分解能を算出する手
    段を備えることを特徴とする請求項1に記載の非接触伸
    び計。
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Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR100359266B1 (ko) * 2001-06-09 2002-11-07 주식회사 한미 에코지반조성방법
CN100398983C (zh) * 2006-02-27 2008-07-02 王化谦 双摄像头视频大变形测量方法及基于该方法的视频引伸仪
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CN112630259A (zh) * 2020-12-17 2021-04-09 中国电力科学研究院有限公司 电缆绝缘热延伸试验自动测量装置及方法

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