JPH10219729A - 建設機械のフロント制御装置 - Google Patents

建設機械のフロント制御装置

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JPH10219729A
JPH10219729A JP2065397A JP2065397A JPH10219729A JP H10219729 A JPH10219729 A JP H10219729A JP 2065397 A JP2065397 A JP 2065397A JP 2065397 A JP2065397 A JP 2065397A JP H10219729 A JPH10219729 A JP H10219729A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】ボタン操作なしでダイレクトティーチを行える
ようにし、所望の掘削領域を簡単に設定できる建設機械
のフロント制御装置を提供することにある。 【解決手段】アーム用操作レバー装置4bを操作して、
アームクラウド動作を行わせることにより、制御ユニッ
ト9は、このアームクラウド動作の開始時のバケット刃
先の位置で、ダーレクトティーチングによる掘削領域の
設定を行うようにしているので、ボタン操作なしでダイ
レクトティーチを行えるようにし、所望の掘削領域を簡
単に設定できる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多関節型のフロン
ト装置を備えた建設機械、特にアーム,ブーム,バケッ
ト等のフロント部材からなるフロント装置を備えた油圧
ショベル等の建設機械において、フロント装置の動き得
る領域を制限した掘削を行う領域制限掘削制御等のフロ
ント制御を行うフロント制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の代表例として、油圧ショベル
がある。油圧ショベルにおいては、フロント装置を構成
するブーム,アームなどのフロント部材の操作は、オペ
レータが、それぞれの手動操作レバーを操作することに
よって行われる。これらフロント部材は、それぞれが関
節部によって連結され、回動運動を行うものであるた
め、これらフロント部材を操作して所定の領域を掘削し
たり、所定の平面を掘削することは、非常に困難な作業
である。
【0003】そこで、掘削作業を容易にするための種々
の提案がなされている。例えば、特開平4−13632
4号公報に記載されている方法では、侵入不可領域の手
前に減速領域を設定し、フロント装置の一部,例えば、
バケットが減速領域に侵入すると、操作レバーの操作信
号を小さくしてフロント装置を減速し、バケットが侵入
不可領域の境界に達すると停止するようにしている。
【0004】また、国際公開公報WO95/30059
号公報に記載されている方法では、掘削可能領域を設定
し、フロント装置の一部,例えば、バケットが掘削可能
領域の境界に近づくと、バケットの当該境界に向かう方
向の動きのみを減速し、バケットが掘削可能領域の境界
に達すると、バケットは掘削可能領域の外には出ないが
掘削可能領域の境界に沿っては動けるようにしている。
【0005】侵入不可領域若しくは掘削可能領域の設定
の方法としては、数値入力設定方法と、ダイレクトティ
ーチ方法とが知られている。数値入力設定方法は、例え
ば、特開平4−136324号公報の第10図に示され
るように、数値入力キーを用いて必要な数値を入力し、
領域を設定する方法である。数値入力設定方法は、油圧
ショベルのある地面上から何mの深さだけ掘削するとい
う指定がある場合等のように、予め掘削可能領域を実際
の数値で設定できる場合に便利な方法である。
【0006】一方、ダイレクトティーチ方法は、例え
ば、特開平4−136324号公報の第5図や国際公開
公報WO95/30059号公報に示されるように、オ
ペレータが、バケットの刃先を目標境界線上に持ってい
き、スイッチを押して領域を設定する方法である。ダイ
レクトティーチ方法は、掘削を行う範囲が特に図面等に
よって数字で規定されていないようなラフな掘削を行う
作業現場において、おおざっぱに均し作業を行う場合等
に便利な方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】ところで、ダイレクト
ティーチによって領域を設定する場合、油圧ショベルが
水平な地面上に位置し、その位置にとどまって作業する
ならば、一旦掘削領域を設定すれば再度掘削領域を設定
しなくても少しずつ油圧ショベルを旋回させて一定の深
さまでショベルまわりの掘削を行うことが可能である。
しかし、多少なりとも油圧ショベルが傾いた状態で位置
しているときは、掘削領域の設定は油圧ショベルの車体
基準で行われているため、旋回していくうちに設定面が
上下方向に変化し、一定の深さに掘削するためには、再
度領域を設定する必要が生じる。また、走行することに
よって油圧ショベルの設置場所の高さが変わった場合
も、同様にその度に掘削領域を再設定する必要が生じ
る。
【0008】掘削領域の再設定は、設定済みの掘削領域
を解除するボタン操作と、新たな掘削領域を設定するボ
タン操作の2回のボタン操作が必要であり、上記のよう
に旋回の都度又は設置場所が変わる都度このようなボタ
ン操作による再設定操作を行うことは極めて面倒であ
る。
【0009】本発明の目的は、ボタン操作なしでダイレ
クトティーチを行えるようにし、所望の掘削領域を簡単
に設定できる建設機械のフロント制御装置を提供するこ
とにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記の目的を達成するた
めに、本発明は、上下方向に回動可能な複数のフロント
部材により構成される多関節型のフロント装置と、前記
複数のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエー
タと、複数の操作レバー手段からの操作信号により駆動
され、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油
の流量を制御する複数の油圧制御弁とを有する建設機械
に備えられ、前記フロント装置は予め設定した掘削領域
内で動くよう前記操作信号を補正し、前記フロント装置
の動作を制御する建設機械のフロント制御装置におい
て、前記複数の操作レバー手段からの操作信号の内の特
定の操作信号が、予め設定された値を越えると、その時
のフロント装置の所定の部位の位置によりダイレクトテ
ィーチを行い、前記掘削領域を設定し、その後前記特定
の操作信号が前記設定値より小さくなると、前記ダイレ
クトティーチによる設定を解除する領域設定手段を備え
るものとする。このように操作レバー手段の操作信号に
基づいて、掘削領域の設定を行うようにしているので、
ボタン操作なしでダイレクトティーチを行え、所望の掘
削領域を簡単に設定できる。
【0011】(2)上記(1)において、好ましくは、
前記領域設定手段は、前記特定の操作信号としてアーム
のアームクラウドの操作信号を検出し前記掘削領域の設
定を行うものとする。このように、アームクラウド動作
に基づいて、掘削領域の設定を行うようにしているの
で、ボタン操作なしでダイレクトティーチを行え、所望
の掘削領域を簡単に設定できる。
【0012】(3)上記(1)において、好ましくは、
前記領域設定手段は、前記特定の操作信号としてアーム
のアームダンプの操作信号を検出し前記掘削領域の設定
を行うものとする。このように、アームダンプ動作に基
づいて、掘削領域の設定を行うようにしているので、ボ
タン操作なしでダイレクトティーチを行え、所望の掘削
領域を簡単に設定できる。
【0013】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルに適
用した場合の実施形態を、図面を用いて説明する。ま
ず、本発明の第1の実施形態による油圧ショベルのフロ
ント制御装置を図1〜図12により説明する。
【0014】図1において、本発明が適用される油圧シ
ョベルは、油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2からの圧
油により駆動されるブームシリンダ3a,アームシリン
ダ3b,バケットシリンダ3c,旋回モータ3d及び左
右の走行モータ3e,3fを含む複数の油圧アクチュエ
ータと、これら油圧アクチュエータ3a〜3fのそれぞ
れに対応して設けられた複数の操作レバー装置4a〜4
fと、油圧アクチュエータ3a〜3fに供給される圧油
の流量を制御する複数の流量制御弁5a〜5fと、油圧
ポンプ2と流量制御弁5a〜5fの間の圧力が設定値以
上になった場合に開くリリーフ弁6とを有している。
【0015】本実施形態では、操作レバー4a〜4fは
操作信号として電気信号を出力する電気レバー装置であ
り、流量制御弁5a〜5fは電気信号をパイロット圧に
変換する電気油圧変換手段,例えば比例電磁弁を両端に
備えた電気・油圧操作方式の弁である。
【0016】また、操作レバー装置4a〜4dについて
は、ブーム,アーム,バケット,旋回に対応して別々の
符号を付したが、実際には、ブーム用操作レバー装置4
aとバケット用操作レバー装置4c、アーム用操作レバ
ー装置4bと旋回用操作レバー装置4dは、それぞれ、
1つの操作レバー装置を共用する構成とされ、この1つ
の操作レバーを二次元的に動かすことにより、それぞれ
の操作信号を出力するものである。
【0017】油圧ショベルは、図2に示すように、垂直
方向にそれぞれ回動するブーム1a,アーム1b及びバ
ケット1cから成る多関節型のフロント装置1Aと、上
部旋回対1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで
構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部
旋回体1dの前部に支持されている。ブーム1a,アー
ム1b,バケット1c,上部旋回体1d及び下部走行体
1eは、それぞれ、図1に示したブームシリンダ3a,
アームシリンダ3b,バケットシリンダ3c,旋回モー
タ3d及び左右の走行モータ3e,3fによりそれぞれ
駆動され、それらの動作は、図1に示した操作レバー装
置4a〜4fにより指示される。また、上部旋回体1d
には運転室1fが設けられ、操作レバー装置4a〜4f
はこの運転室1f内に配置される。
【0018】以上のような油圧ショベルに本実施形態に
よるフロント制御装置が設けられている。このフロント
制御装置は、領域制限掘削制御の開始や、当該制御にお
ける掘削領域の設定を指示する設定器7と、ブーム1
a,アーム1b及びバケット1cのそれぞれの回動支点
に設けられ、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状
態量としてそれぞれの回動角を検出する角度検出器8
a,8b,8cと、ブーム操作レバー装置4aに備えら
れた力検出センサ10と、操作レバー装置4a〜4fか
らの操作信号S4a〜S4f、設定器7の信号、力検出セン
サ10の検出信号を入力し、流量制御弁5a〜5fに駆
動信号(電気信号)を出力する制御ユニット9とを備え
ている。
【0019】設定器7は、図3に示すように、領域制限
掘削制御の開始を指示する制御開始スイッチ7aと、ダ
イレクトティーチによる掘削領域の設定を指示するダイ
レクト設定スイッチ7bと、数値入力による掘削領域の
設定を指示する数値設定スイッチ7cと、アームクラウ
ド動作の開始によりダイレクトティーチによる掘削領域
の設定を指示し、アームクラウド動作の停止により掘削
領域の設定を解除するためのアームクラウド設定スイッ
チ7dと、表示画面7eとを備えている。
【0020】制御開始スイッチ7aを押すと、通常モー
ドから領域制限掘削制御モードへ切り換える制御開始信
号が制御ユニット9に出力され、掘削領域の設定及び領
域制限掘削制御を可能にする。また、スイッチ7aの右
上のランプが点灯し、掘削制限制御モードにあることを
オペレータに知らせる。
【0021】ダイレクト設定スイッチ7bを押すと、ダ
イレクトティーチ設定信号が制御ユニット9に出力さ
れ、そのときのフロント装置1Aの所定の部位、例え
ば、バケット1cの先端位置で、掘削領域が設定され
る。また、スイッチ7bの右上のランプが点灯し、ダイ
レクトティーチによる設定モードにあることをオペレー
タに知らせる。数値設定スイッチ7cを押すと、表示画
面7e上に数値が表示され、かつ、スイッチ7cの右上
のランプが点灯する。また、表示画面7eに表示された
数値が数値入力設定信号として制御ユニット9に出力さ
れ、数値により掘削領域が設定される。数値設定スイッ
チ7cはアップとダウンの2つのボタンからなり、2つ
のボタンのいずれを押すことにより設定される数値を増
減する。
【0022】アームクラウド設定スイッチ7dを押す
と、設定モード切換え信号が制御ユニット9に出力さ
れ、アームクラウド動作の開始により、そのときのフロ
ント装置1Aの所定の部位,例えば、バケット1cの先
端で、ダイレクトティーチによる掘削領域が設定され
る。また、スイッチ7dの右上のランプが点灯する。ア
ームクラウド設定モードの詳細については、図6を用い
て後述する。
【0023】制御ユニット9は、設定器7の制御開始ス
イッチ7aが押されていないときは、操作レバー装置4
a〜4fからの操作信号S4a〜S4fに応じた駆動信号
(電気信号)を生成し、これを流量制御弁5a〜5fに
出力し、設定器7の制御開始スイッチ7aが押される
と、設定器7のダイレクト設定スイッチ7b,数値設定
スイッチ7c又はアームクラウド設定スイッチ7dから
の設定信号により、バケット1cの先端が動き得る掘削
領域を設定可能とすると共に、操作レバー装置4a,4
bからの操作信号S4a,S4bに対し領域制限掘削制御の
ための補正を行い、その補正した操作信号に応じた駆動
信号を生成し、流量制御弁5a,5bに出力する。
【0024】以下、図4〜図12を用いて、制御ユニッ
ト9の操作信号S4a,S4bに係わる部分の機能の詳細に
ついて説明する。制御ユニット9は、図4に示すよう
に、領域設定部90と領域制限掘削制御部92の各機能
を有している。領域設定部90は、設定器7からの指示
でバケット1cの先端が動き得る掘削制限領域の設定演
算を行うものであり、通常設定モードの領域設定演算部
90aと、アームクラウド設定モードの領域設定演算部
90bと、設定モード切換え部90cの各機能から構成
されている。領域制限掘削制御部92は、領域設定部9
0において設定演算された掘削領域内にバケット1cの
先端の動きを制限するように、バケット1cの動きを制
御するものである。領域制限掘削制御部92は、制御切
換部92aと、フロント姿勢演算部92bと、減速・復
元制御用補正操作信号演算部92cと、バルブ指令演算
部92dとの各機能から構成されている。
【0025】最初に、領域設定部90の通常設定モード
の領域設定演算部90aの領域設定機能及び領域制限掘
削制御部92のフロント姿勢演算部92bの姿勢演算機
能について説明する。なお、本実施形態は、図5に示し
たX軸に平行に掘削制限領域を設定するものである。領
域設定部90の通常設定モードの領域設定演算部90a
は、制御開始スイッチ7aがONして(押されて)制御
開始信号が入力すると、掘削可能領域の境界Lの初期値
として、バケットが届かないくらい深い位置の値を設定
する。これにより、制御開始スイッチ7aをONした直
後では、フロント装置1Aはそれが動作し得る範囲で自
由に動くことができ、その動作範囲内でダイレクトティ
ーチ若しくは数値入力設定により掘削可能領域を自由に
設定することができる。一例として、初期値はY=−2
0mとしておく。
【0026】一方、領域制限掘削制御部92の中のフロ
ント姿勢演算部92bは、角度検出器8a〜8cで検出
したブーム1a,アーム1b,バケット1cの回動角に
基づいてフロント装置1Aのバケットの爪先(先端)の
位置を計算する。
【0027】すなわち、制御ユニット9の記憶装置に
は、図5に示すようなフロント装置1A及び車体1Bの
各部寸法が記憶されており、フロント姿勢演算部92b
ではこれらのデータと、角度検出器8a,8b,8cで
検出した回動角α,β,γの各値を用いてバケット先端
の位置を計算する。このとき先端の位置は、例えばブー
ム1aの回動支点を原点としたXY座標系の座標値
(X,Y)として求める。XY座標系は本体1Bに固定
した垂直面内にある直行座標系である。ブーム1aの回
動支点とアーム1bの回動支点との距離をL1、アーム
1bの回動支点とバケット1cの回動支点の距離を
2、バケット1cの回動支点とバケット1cの先端と
の距離をL3とすれば、回動角α,β,γからXY座標
系の座標値(X,Y)は、下記の式より求まる。 X=L1sinα+L2sin(α+β)+L3sin(α
+β+γ) Y=L1cosα+L2con(α+β)+L3cos(α
+β+γ) 通常設定モードの領域設定演算部90aは、ダイレクト
設定スイッチ7bからの指示で、ダイレクトティーチに
より、フロント姿勢演算部92bの上記データを利用し
てバケット1cの先端が動き得る掘削可能領域の設定を
行う。即ち、図5において、オペレータの操作レバー装
置の操作でバケット1cの先端を目的位置P1に動かし
た後、ダイレクト設定スイッチ7bを押す。通常設定モ
ードの領域設定演算部90aは、このダイレクト設定ス
イッチ7bから設定信号により、その時のフロント姿勢
演算部92bで計算されたバケット先端のY座標値の値
Y=Y1を用いて、 設定値=Y座標値Y1 と掘削可能領域の境界Lを設定する。
【0028】また、設定器7のダイレクト設定スイッチ
7bをもう1度押すと上記のダイレクトティーチによる
設定が解除され、初期値にリセットされる。
【0029】一方、設定器7の数値設定スイッチ7cが
押されると、通常設定モードの領域設定演算部90a
は、数値設定スイッチ7cによって設定された数値入力
により、バケット1cの先端が動き得る掘削可能領域の
設定を行う。
【0030】次に、アームクラウド設定モードの領域設
定演算部90bの領域設定機能について説明する。
【0031】アームクラウド設定モードの領域設定演算
部90bは、図3に示したアームクラウド設定スイッチ
7dが押されてアームクラウド設定モードが選択されて
いる場合に、図5に示すように、オペレータのブーム下
げ操作でバケット1cの先端を点P1の位置に動かし、
この状態でアーム用操作レバー装置4bを操作してアー
ムクラウド動作をさせると、ダイレクトティーチによ
り、このアームクラウド動作をさせた時のバケット1c
の先端の位置を掘削可能領域の境界として設定する。
【0032】アームクラウド操作をすると、アームクラ
ウドの操作信号S4cが上昇し、予め設定された基準操作
信号S4coとなる。アームクラウド設定モードの領域設
定演算部90bは、アームクラウドの操作信号S4cがS
4coを越えたなら、そのときのバケット1cの先端位置
P1を計算し、P1のz座標値を掘削制限領域とする。
【0033】先端位置P1の計算方法は、図5を用いて
説明したとおりであり、フロント姿勢演算部92bが、
角度検出器8a〜8cで検出したブーム1a,アーム1
b,バケット1cの回動角からフロント装置1Aの位置
と姿勢を演算した結果を用いて、アームクラウド操作が
行われた時のバケット1cの先端P1のY座標値の値Y
=Y1を用いて、 設定値=Y座標値Y1 と掘削可能領域の境界Lを設定する。
【0034】ここで、アームクラウド設定モードの領域
設定演算部90bの演算処理機能について、図6のフロ
ーチャートを用いて説明する。
【0035】ステップ010において、予め設定してお
いた内部のカウンタを「0」に初期設定する。
【0036】次にステップ020において、アームクラ
ウドの操作信号S4cが予め設定しておいた基準操作信号
S4coより大きいか否かを判断する。ここで、基準操作
信号S4coは、アームクラウド操作信号S4cを徐々に上
げていき、アーム1bがアームクラウド動作を始める直
前の操作信号を設定する。操作信号S4cが予め設定して
おいた基準操作信号S4coより大きい場合は、アームク
ラウド動作が行われたものと判断して、ステップ030
において、カウンタを1つインクリメントする。操作信
号S4cが予め設定しておいた基準操作信号S4coより小
さくなった場合は、アームクラウド動作が停止したもの
と判断して、ステップ080において、掘削領域の境界
の直線式をY=−20mとする。
【0037】ステップ040において、カウンタが
「1」か否かを判断する。アームクラウド動作を開始し
た時は、カウンタは「1」であるため、ステップ050
において、前述したようにバケット1cの先端のY座標
より掘削領域の設定を行う。即ち、アームクラウド動作
を開始して、カウンタが「1」となった時に、その時の
バケット1cの先端の位置P1を用いて、掘削領域を設
定する。
【0038】アームクラウド動作が継続している場合に
は、後述する処理によってカウンタは「2」となってお
り、ステップ060において、カウンタが「2」以上か
判断する。アームクラウド動作を開始した時は、カウン
タは「1」であるため、ステップ020に戻る。アーム
クラウド動作が継続している場合には、後述する処理に
よってカウンタは「2」となっており、ステップ070
において、カウンタに「2」をセットする。
【0039】ここで、アームクラウド動作が継続してい
る場合について説明する。カウンタは「1」となってお
り、アームクラウド動作が継続している場合には、ステ
ップ030に進み、カウンタを1つインクリメントし
て、「2」となり、ステップ040の判断処理により、
ステップ060に進む。ステップ060において、カウ
ンタは「2」であるため、ステップ070において、領
域設定演算部90bは、カウンタに「2」をセットし
て、ステップ010に戻る。
【0040】さらに、アームクラウド動作が継続してい
る場合には、ステップ020からステップ030に進
み、カウンタがインクリメントされて、「3」になる。
そして、ステップ040からステップ060を経て、ス
テップ070において、カウンタが「2」にセットされ
る。即ち、カウンタは、アームクラウド動作の開始時は
「1」であり、アームクラウド動作が継続している間は
「2」に保持されている。
【0041】そして、アームクラウド動作が停止する
と、ステップ020において、アームクラウドの操作信
号S4cが予め設定しておいた基準操作信号S4coより小
さくなり、アームクラウド動作が停止したものと判断し
て、ステップ080に進む。
【0042】ステップ080において、掘削領域の境界
の直線式をY=−20mとし、初期値に戻した上で、ス
テップ010に戻る。ステップ080の処理によって、
アームクラウド設定モードで設定された設定値が解除さ
れる。
【0043】さらに、ステップ010において、カウン
タを「0」に初期設定するため、次にアームクラウド動
作に備えることになる。
【0044】以上のようにして、ブーム下げ操作により
バケットを下げ、その後、アームクラウド動作を行うこ
とにより、その時のバケット先端座標を用いてダイレク
トティーチにより掘削領域を設定し、以後その設定値で
領域制限掘削が行われる。そして、アームクラウド動作
が止まれば、カウンタが「0」にリセットされるので、
再びアームクラウド動作を行うことにより、掘削領域が
再設定される。
【0045】設定モード切換え部90cは、アームクラ
ウド設定スイッチ7dの状態に応じて、通常モードの領
域設定演算部90aとアームクラウド設定モードの領域
設定演算部90bを切り換えることにより、設定モード
を切り換える。
【0046】次に、領域制限掘削制御部92の全体の制
御機能について、図7に示すフローチャートを用いて説
明する。図中、ステップ100,110は、制御切換部
92aの機能であり、ステップ115,120は、フロ
ント姿勢演算部92bの機能であり、ステップ125〜
150は、減速・復元制御用補正操作信号演算部92c
の機能であり、ステップ155は、バルブ指令演算部9
2dの機能である。
【0047】ステップ100において、操作レバー装置
4a,4bの操作信号S4a,S4bを入力する。
【0048】次いで、ステップ110において、制御開
始スイッチ7aがONか否かに応じて制御方法を切り換
える。制御開始スイッチ7aがOFFの場合には、ステ
ップ155において、図4に示した操作レバー装置4
a,4bからの操作信号に応じた駆動信号を生成し、流
量制御弁5a,5bに出力する。これにより、操作レバ
ー装置4a,4bの操作量に応じた通常の掘削作業が行
こなわれる。
【0049】制御開始スイッチ7aがONの場合には、
ステップ110〜150に進み、操作レバー装置4a,
4bからの操作信号S4a,S4bを補正する。
【0050】以下、ステップ115〜150の処理内容
について説明する。ステップ115において、フロント
姿勢演算部92bに、角度検出器8a〜8cで検出した
ブーム1a,アーム1b,バケット1cの回動角を入力
する。
【0051】ステップ120において、検出した回動角
α,β,γと予め入力してあるフロント装置1Aの各部
寸法とに基づき、フロント装置1Aの所定部位の位置、
例えばバケット1cの先端位置を計算する。このときの
計算は、上述した掘削領域の設定時におけるバケット先
端位置の計算と同じであり、この場合も、バケット先端
の位置はXY座標系の値として求める。
【0052】次に、ステップ125において、フロント
装置1A用の操作レバー装置,4bの操作信号S4a,S
4bが指令するバケット1cの先端の目標速度ベクトルV
cを計算する。ここで、操作レバー装置4a,4bの操
作信号S4a,S4bと流量制御弁5a,5bの供給流量と
の関係及びフロント装置1Aの各部寸法を制御ユニット
9の記憶装置に予め記憶しておき、操作レバー装置4
a,4bの操作信号S4a,S4bから対応する流量制御弁
5a,5bの供給流量を求め、この供給流量の値から油
圧シリンダ3a,3bの目標駆動速度を求め、この目標
駆動速度とフロント装置1Aの各部寸法を用いてバケッ
ト先端の目標速度ベクトルVcを演算する。そして、目
標速度ベクトルVcの設定領域の境界に平行な方向のベ
クトル成分Vcxと垂直な方向のベクトル成分Vcyを
求める。ここで、目標速度ベクトルVcのX座標成分V
cxは、目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に平行
な方向のベクトル成分となり、Y座標成分Vcyは目標
速度ベクトルVcの設定領域の境界に垂直な方向のベク
トル成分となる。
【0053】次に、ステップ130において、バケット
1cの先端が上記のように設定した図8に示すような設
定領域内の境界近傍の領域である減速領域にある場合に
あるか否かを判定し、減速領域にある場合には、ステッ
プ135に進みフロント装置1Aの減速を行うよう目標
速度ベクトルVcを補正し、減速領域にない時には、ス
テップ140に進む。
【0054】ここで、ステップ130における減速領域
にあるか否かの判定及びステップ135における減速領
域での目標速度ベクトルVcの補正について、図9及び
図10を用いて説明する。
【0055】制御ユニット9の記憶装置には、図8に示
すような設定領域の境界とバケット1cの先端との距離
D1と減速ベクトル計数hとの関係が記憶されている。
この距離D1と計数hとの関係は、距離D1が距離Ya1
よりも大きいときはh=0であり、D1がYa1よりも小
さくなると、距離D1が減少するにしたがって減速ベク
トル計数hが増大し、距離D1=0でh=1となるよう
に設定されている。ここで、設定領域の境界から距離Y
a1の範囲が減速領域に相当する。
【0056】ステップ130では、ステップ120で得
たバケット1cの先端位置と設定領域の境界との距離D
1を計算し、このD1が距離Ya1より小さくなると、減
速領域に侵入したと判定する。
【0057】また、ステップ135では、ステップ12
5で計算したバケット1cの先端の目標速度ベクトルV
cの設定領域の境界に接近する方向のベクトル成分であ
る設定領域の境界に対し、垂直方向のベクトル成分,す
なわち、XY座標系におけるY座標の成分Vcyを減じ
るように目標速度ベクトルVcを補正する。具体的に
は、記憶装置に記憶した図9に示す関係からそのときの
設定領域の境界とバケット1cの先端との距離D1に対
応する減速ベクトル係数hを計算し、この減速ベクトル
係数hを目標速度ベクトルVcのYa座標の成分(垂直
方向のベクトル成分)Vcyに乗じ、更に−1を乗じて
減速ベクトルVR(=−h・Vcy)を求め、Vcyに
VRを加算する。ここで、減速ベクトルVRはバケット1
cの先端と設定領域の境界との距離D1がYa1より小さ
くなるにしたがって大きくなり、D1=0でVR=Vc
yとなるVcyの逆方向の速度ベクトルである。このた
め、減速ベクトルVRを目標速度ベクトルVcの垂直方
向のベクトル成分Vcyに加算することにより、距離D
1がYa1より小さくなるにしたがって垂直方向のベクト
ル成分Vcyの減少量が大きくなるようベクトル成分V
cyが減じられ、目標速度ベクトルVcは目標速度ベク
トルVcaに補正される。
【0058】ここで、図10を用いて、バケット1cの
先端が上記のような補正後の目標速度ベクトルVcaの
通りに減速制御されたときの軌跡の一例を説明する。目
標速度ベクトルVcが斜め下方に一定であるときには、
その平行成分Vcxは一定となり、垂直成分Vcyはバ
ケット1cの先端が設定領域の境界に近づくにしたがっ
て(距離D1がYa1より小さくなるにしたがって)小さ
くなる。補正後の目標速度ベクトルVcaはその合成で
あるので、軌跡は図10に示すように設定領域の境界に
近づくにつれて平行となる曲線状となる。また、D1=
0でh=1,VR=−Vcyとなるので、設定領域の境
界上での補正後の目標速度ベクトルVcaは平行成分V
cxに一致する。
【0059】このようにステップ135における減速制
御では、バケット1cの先端の設定領域の境界に接近す
る方向の動きが減速されることにより、結果としてバケ
ット1cの先端の移動方向が設定領域の境界に沿った方
向に変換され、この意味でステップ135の減速制御は
方向変換制御ということもできる。
【0060】次に、ステップ140において、バケット
1cの先端が上記のように設定した図8に示すような設
定領域外にある場合か否かを判定し、設定領域外にある
場合には、ステップ145に進み、バケット1cの先端
が設定領域に戻るように目標速度ベクトルVcを補正
し、設定領域外にないときには、ステップ155に進
む。
【0061】ここで、ステップ140における設定領域
外にあるか否かの判定及びステップ145における設定
領域外での目標速度ベクトルVcの補正について、図1
1及び図12を用いて説明する。
【0062】制御ユニット9の記憶装置には、図11に
示すような設定領域の境界とバケット1cの先端との距
離D2の絶対値と復元ベクトルARとの関係が記憶され
ている。この距離D2の絶対値と復元ベクトルARとの
関係は、距離D2の絶対値が減少するにしたがって復元
ベクトルARが増大するように設定されている。
【0063】ステップ140においては、ステップ12
0で得たバケット1cの先端位置と設定領域の境界との
距離D2を計算し、この距離が負の値になったら設定領
域外に侵入したと判断する。
【0064】また、ステップ145では、ステップ12
5で計算したバケット1cの先端の目標速度ベクトルV
cの設定領域の境界に対し垂直方向のベクトル成分,す
なわち、XY座標系のY座標の成分Vcyが設定領域の
境界に接近する方向の垂直成分に変わるよう目標速度ベ
クトルVcを補正する。具体的には、垂直方向のベクト
ル成分VcyをキャンセルするようにVcyの逆方向ベ
クトルAcyを加算して、平行成分Vcxを抽出する。
この補正によってバケット1cの先端は設定領域外を更
に進もうとする動作が阻止される。
【0065】そして、次に、記憶装置に記憶した図11
に示す関係からそのときの設定領域の境界とバケット1
cの先端との距離D2の絶対値に相当する復元ベクトル
ARを計算し、この復元ベクトルARを目標速度ベクト
ルVc垂直方向のベクトル成分Vcyに更に加算する。
ここで、復元ベクトルARは、バケット1cの先端と設
定領域の境界との距離D2が小さくなるにしたがって小
さくなる逆方向の速度ベクトルである。このため、復元
ベクトルARを目標速度ベクトルVcの垂直方向のベク
トル成分Vcyに加算することにより、距離D2が小さ
くなるにしたがって垂直方向のベクトル成分Vcyが小
さくなるよう、目標速度ベクトルVcは目標速度ベクト
ルVcaに補正される。
【0066】ここで、図12を用いて、バケット1cの
先端が上記のような補正後の目標速度ベクトルVcaの
通りに復元制御されたときの軌跡の一例について説明す
る。目標速度ベクトルVcが斜め下方に一定であるとき
には、その平行成分Vcxは一定となり、また復元ベク
トルARは距離D2に比例するので、垂直成分はバケッ
ト1cの先端が設定領域の境界に近づくにしたがって
(距離D2が小さくなるにしたがって)小さくなる。補
正後の目標速度ベクトルVcaはその合成であるので、
軌跡は図12のように設定領域の境界に近づくにつれて
平行となる曲線状となる。
【0067】このように、ステップ145における復元
制御では、バケット1cの先端が設定領域に戻るように
制御されるため、設定領域外に復元領域が得られること
になる。また、この復元制御でも、バケット1cの先端
の設定領域の境界に接近する方向の動きが減速されるこ
とにより、結果としてバケット1cの先端の移動方向が
設定領域の境界に沿った方向に変換され、この意味でこ
の復元制御も方向変換制御ということができる。
【0068】次に、ステップ150において、ステップ
135または145で得た補正後の目標速度ベクトルV
caに対応する流量制御弁5a〜5cの操作信号を計算
する。これは、ステップ125における目標速度ベクト
ルVcの計算の逆演算である。
【0069】そして、ステップ155において、ステッ
プ150で計算した操作信号に応じた駆動信号を生成
し、流量制御弁5a,5bを出力し、はじめに戻る。
【0070】領域制限掘削制御を終了させる場合は、設
定器7の制御開始スイッチ7aをもう一度押して、OF
Fにする。
【0071】以上のようにして、本実施形態によれば、
ブーム下げ操作によりバケットを下げ、その後、アーム
クラウド動作を行うことにより、その時のバケットの先
端の座標からダイレクトティーチにより掘削領域を容易
に設定することができる。また、アームクラウド動作の
停止により、設定された掘削領域の設定を解除すること
ができ、次に、アームクラウド動作が起こると、そのと
きのバケットの先端の座標から掘削領域を容易に再設定
することができる。従って、従来のように、掘削領域の
再設定のために、設定済みの領域を解除するボタン操作
と、新たな領域を設定するボタン操作の2回のボタン操
作を行う必要がなくなり、所望の掘削領域を簡単に設定
できる。
【0072】また、掘削制限領域を設定する手段として
アームクラウド動作に連動してダイレクトティーチ設定
を行うように構成したため、目的の設定領域を迅速に設
定することができる。
【0073】さらに、バケット1cの先端が設定領域の
境界から離れているときは、目標速度ベクトルVcは補
正されず、通常作業と同じように作業できるとともに、
バケット1cの先端が設定領域内でその境界近傍に近づ
くと、目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に接近す
る方向のベクトル成分(境界に対して垂直方向のベクト
ル成分)を減じるように補正されるので、設定領域の境
界に対して垂直方向の動きが減速制御され、設定領域の
境界に沿った方向の速度成分は減じられ、このため図1
0に示すように設定領域の境界に沿ってバケット1cの
先端を動かすことができる。このため、バケット1cの
先端の動き得る領域を制限した掘削を効率良く行うこと
ができる。
【0074】次に、本発明の第2の実施形態について、
図13及び図14を用いて説明する。上述した実施形態
においては、アームクラウド動作を検出してダイレクト
ティーチにより掘削領域の設定を行っているのに対し
て、本実施形態においては、アームダンプ動作を検出し
てダイレクトティーチにより掘削領域の設定を行うこと
も可能にしている。即ち、均し掘削を行う場合には、ア
ームクラウドにより均し掘削を行う場合の他に、アーム
ダンプにより均し掘削を行う場合もあるので、かかる場
合にも、同様にして、ダイレクトティーチにより掘削領
域の設定を行うようにしている。
【0075】最初に、設定器7’について、図13を用
いて説明する。設定器7’は、操作パネル上に設けられ
たスイッチ等の操作手段により設定信号を制御ユニット
9に出力し、掘削制限領域の設定を指示するものであ
る。操作パネル形式の設定器7’は、制御開始スイッチ
7aと、ダイレクト設定スイッチ7bと、数値設定スイ
ッチ7cとアームクラウド設定スイッチ7dと、表示画
面7eを備えている。これらのスイッチ7a〜7d及び
表示画面7eの機能は、図3において説明したものと同
様である。
【0076】さらに、本実施形態においては、アームダ
ンプ動作の開始によりダイレクトティーチによる掘削領
域の設定を行い、アームダンプ動作の停止により掘削領
域の設定の解除を行うためのアームダンプ設定スイッチ
7fを備えている。
【0077】アームダンプ設定スイッチ7fを押すと、
設定モード切換え信号が制御ユニット9に出力され、ア
ームダンプ動作の開始により、そのときのフロント装置
1Aの所定の部位,例えば、バケット1cの先端で、ダ
イレクトティーチによる掘削領域が設定される。また、
スイッチ7fの右上のランプが点灯する。アームダンプ
設定モードの詳細については、図14を用いて後述す
る。
【0078】本実施形態に用いるフロント制御装置及び
その油圧駆動装置の構成は、図1に示したものと同様で
ある。また、制御ユニット9の構成は、図4に示したも
のと同様であり、図4に示した各機能構成に加えて、さ
らに、アームダンプ設定モードの領域設定演算部を備え
ている。そして、図4に示した設定モード切換部90c
には、図13に示したアームダンプ設定スイッチ7fか
らの設定モード切換え信号も入力し、通常設定モードの
領域設定演算部90aと、アームクラウドモードの領域
設定演算部90bと、アームダンプ設定モードの領域設
定演算部とを切換使用するようになっている。
【0079】ここで、アームダンプ設定モードの領域設
定演算部の演算処理機能について、図14のフローチャ
ートを用いて説明する。このフローチャートにおいて、
図6に示したフローチャートと特に異なるのは、ステッ
プ220である。
【0080】ステップ210において、予め設定してお
いた内部のカウンタを「0」に初期設定する。
【0081】次にステップ220において、アームダン
プの操作信号S4dが予め設定しておいた基準操作信号S
4doより大きいか否かを判断する。ここで、基準操作信
号S4doは、アームダンプ操作信号S4dを徐々に上げて
いき、アーム1bがアームダンプ動作を始める直前の操
作信号を設定する。操作信号S4dが予め設定しておいた
基準操作信号S4doより大きい場合は、アームダンプ動
作が行われたものと判断して、ステップ230に進み、
操作信号S4dが予め設定しておいた基準操作信号S4do
より小さくなった場合は、アームダンプ動作が停止した
ものと判断して、ステップ280に進む。
【0082】ステップ230において、カウンタを1つ
インクリメントする。
【0083】ステップ240において、カウンタが
「1」か否かを判断する。アームダンプ動作を開始した
時は、カウンタは「1」であるため、ステップ250に
おいて、前述したようにバケット1cの先端のY座標よ
り掘削領域の設定を行う。即ち、アームダンプ動作を開
始して、カウンタが「1」となった時に、その時のバケ
ット1cの先端の位置P1を用いて、掘削領域を設定す
る。
【0084】アームダンプ動作が継続している場合に
は、後述する処理によってカウンタは「2」となってお
り、ステップ260において、カウンタが「2」以上か
判断する。アームダンプ動作を開始した時は、カウンタ
は「1」であるため、ステップ220に戻り、アームダ
ンプ動作が継続している場合には、後述する処理によっ
てカウンタは「2」となっており、ステップ270に進
む。
【0085】そして、アームダンプ動作が停止すると、
ステップ220において、アームダンプ設定モードの領
域設定演算部は、アームダンプの操作信号S4dが予め設
定しておいた基準操作信号S4doより小さくなり、アー
ムダンプ動作が停止したものと判断する。
【0086】そして、ステップ280において、掘削領
域の境界の直線式をY=−20mとし、初期値に戻した
上で、ステップ210に戻る。ステップ280の処理に
よって、アームダンプ設定モードで設定された設定値が
解除される。
【0087】さらに、ステップ210において、カウン
タを「0」に初期設定するため、次にアームダンプ動作
に備えることになる。
【0088】以上のようにして、アームダンプ動作を行
うことにより、その時のバケットの先端の座標からダイ
レクトティーチにより掘削領域を設定し、以後その設定
値で領域制限掘削が行われる。そして、アームダンプ動
作が止まれば、カウンタが「0」にリセットされるの
で、再びアームダンプ動作を行うことにより、掘削領域
が再設定される。
【0089】設定モード切換え部90cは、アームダン
プ設定スイッチ7fの状態に応じて、通常モードの領域
設定演算部90aと、アームクラウド設定モードの領域
設定演算部90bと、アームダンプ設定モードの領域設
定演算部を切り換えることにより、設定モードを切り換
えることができる。
【0090】以上説明したように、本実施形態において
も、アームクラウド動作若しくはアームダンプ動作によ
って、簡単に掘削領域の設定を行うことができるもので
ある。
【0091】また、掘削制限領域を設定する手段として
アームクラウド動作若しくはアームダンプ動作に連動し
てダイレクトティーチを行うように構成したため、目的
の掘削の領域を迅速に設定することができる。
【0092】なお、本発明にかかるフロント制御装置
は、上述の各実施形態に限定されず、種々の変形が可能
である。一例として、本実施形態では操作レバーは電気
レバーとしたが、油圧パイロットレバーでもよい。ま
た、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状態量を検
出する手段として回動角を検出する角度計を用いたが、
シリンダのストロークを検出してもよい。
【0093】
【発明の効果】本発明によれば、建設機械のフロント制
御装置におけるダイレクトティーチによる掘削領域の設
定をボタン操作なしで行え、所望の掘削領域を簡単に設
定できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態による建設機械のフロント
制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図である。
【図2】本発明が適用される油圧ショベルの外観の形状
を示す図である。
【図3】本実施形態における掘削制限領域の設定を指示
する操作パネル形式の設定器を示す図である。
【図4】制御ユニットの制御機能を示す機能ブロック図
である。
【図5】本実施形態の領域制限掘削制御で用いる座標系
と掘削領域の設定方法を示す図である。
【図6】アームクラウド操作によって掘削領域を設定す
る演算内容を説明するフローチャートである。
【図7】制御ユニットにおける制御手順を示すフローチ
ャートである。
【図8】バケット先端が設定領域内にある場合と、設定
領域の境界上にある場合と、設定領域外にある場合のブ
ームによるバケット先端速度の補正動作の違いを示す図
である。
【図9】バケットの先端と設定領域の境界との距離と減
速ベクトルとの関係を示す図である。
【図10】バケット先端が設定領域内にあるときの補正
動作軌跡の一例を示す図である。
【図11】バケットの先端と設定領域の境界との距離と
復元ベクトルとの関係を示す図である。
【図12】バケットの先端が設定領域外にあるときの補
正動作軌跡の一例を示す図である。
【図13】本発明の他の実施形態における掘削制限領域
の設定を指示する操作パネル形式の設定器を示す図であ
る。
【図14】アームダンプ操作によって掘削領域を設定す
る演算内容を説明するフローチャートである。
【符号の説明】
1A フロント装置 1B 車体 1a ブーム 1b アーム 1c バケット 2 油圧ポンプ 3a〜3f 油圧アクチュエータ 4a〜4f 操作レバー装置 5a〜5f 流量制御弁 6 リリーフ弁 7 設定器 7a 制御開始スイッチ 7b ダイレクト設定スイッチ 7c 数値設定スイッチ 7d アームクラウド設定スイッチ 7e 表示画面 7f アームダンプ設定スイッチ 8a,8b,8c 角度検出器 9 制御ユニット 90 領域設定部 90a 通常モードの領域設定演算部 90b アームクラウド設定モードの領域設定演算部 90c 設定モード切換え部 92 領域制限掘削制御部 92a 制御切換部 92b フロント姿勢演算部 92c 減速・復元制御用補正操作信号演算部 92d バルブ指令演算部

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下方向に回動可能な複数のフロント部材
    により構成される多関節型のフロント装置と、前記複数
    のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータ
    と、複数の操作レバー手段からの操作信号により駆動さ
    れ、前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の
    流量を制御する複数の油圧制御弁とを有する建設機械に
    備えられ、前記フロント装置は予め設定した掘削領域内
    で動くよう前記操作信号を補正し、前記フロント装置の
    動作を制御する建設機械のフロント制御装置において、 前記複数の操作レバー手段からの操作信号の内の特定の
    操作信号が、予め設定された値を越えると、その時のフ
    ロント装置の所定の部位の位置によりダイレクトティー
    チを行い、前記掘削領域を設定し、その後前記特定の操
    作信号が前記設定値より小さくなると、前記ダイレクト
    ティーチによる掘削領域の設定を解除する領域設定手段
    を備えることを特徴とする建設機械のフロント制御装
    置。
  2. 【請求項2】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記領域設定手段は、前記特定の操作信号
    としてアームのアームクラウドの操作信号を検出し前記
    掘削領域の設定を行うことを特徴とする建設機械のフロ
    ント制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載の建設機械のフロント制御装
    置において、前記領域設定手段は、前記特定の操作信号
    としてアームのアームダンプの操作信号を検出し前記掘
    削領域の設定を行うことを特徴とする建設機械のフロン
    ト制御装置。
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