JPH10219731A - 建設機械のフロント制御装置 - Google Patents

建設機械のフロント制御装置

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JPH10219731A
JPH10219731A JP2132797A JP2132797A JPH10219731A JP H10219731 A JPH10219731 A JP H10219731A JP 2132797 A JP2132797 A JP 2132797A JP 2132797 A JP2132797 A JP 2132797A JP H10219731 A JPH10219731 A JP H10219731A
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excavation
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bucket
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JP2132797A
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Kazuo Fujishima
一雄 藤島
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Hitachi Construction Machinery Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】建設機械のフロント制御装置において、掘削領
域の設定の補正を簡単に行えるようにする。 【解決手段】ブーム用操作レバー装置4aに力検出セン
サ10を設ける。ブーム用操作レバー装置4aを操作し
てブームを動かしながら、オペレータはバケット刃先の
軌跡と掘削したい地面の関係を目視して、もう少し刃先
を下げたい場合はブーム用操作レバー装置4aを強く操
作することにより、制御ユニット9は操作力を検出し
て、その操作力に応じて刃先を目標の高さを下方に補正
することができるので、掘削領域の設定の補正を簡単に
行うことができる。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、多関節型のフロン
ト装置を備えた建設機械、特にアーム,ブーム,バケッ
ト等のフロント部材からなるフロント装置を備えた油圧
ショベル等の建設機械において、フロント装置の動き得
る領域を制限した掘削を行う領域制限掘削制御等のフロ
ント制御を行うフロント制御装置に関する。
【0002】
【従来の技術】建設機械の代表例として、油圧ショベル
がある。油圧ショベルにおいては、フロント装置を構成
するブーム,アームなどのフロント部材の操作は、オペ
レータが、それぞれの手動操作レバーを操作することに
よって行われる。これらフロント部材は、それぞれが関
節部によって連結され、回動運動を行うものであるた
め、これらフロント部材を操作して所定の領域を掘削し
たり、所定の平面を掘削することは、非常に困難な作業
である。
【0003】そこで、掘削作業を容易にするための種々
の提案がなされている。例えば、特開平4−13632
4号公報に記載されている方法では、侵入不可領域の手
前に減速領域を設定し、フロント装置の一部,例えば、
バケットが減速領域に侵入すると、操作レバーの操作信
号を小さくしてフロント装置を減速し、バケットが侵入
不可領域の境界に達すると停止するようにしている。
【0004】また、国際公開公報WO95/30059
号公報に記載されている方法では、掘削可能領域を設定
し、フロント装置の一部,例えば、バケットが掘削可能
領域の境界に近づくと、バケットの当該境界に向かう方
向の動きのみを減速し、バケットが掘削可能領域の境界
に達すると、バケットは掘削可能領域の外には出ないが
掘削可能領域の境界に沿っては動けるようにしている。
【0005】侵入不可領域若しくは掘削可能領域の設定
の方法としては、数値入力設定方法と、ダイレクトティ
ーチ方法とが知られている。数値入力設定方法は、例え
ば、特開平4−136324号公報の第10図に示され
るように、数値入力キーを用いて必要な数値を入力し、
領域を設定する方法である。数値入力設定方法は、油圧
ショベルのある地面上から何mの深さだけ掘削するとい
う指定がある場合等のように、予め掘削可能領域を実際
の数値で設定できる場合に便利な方法である。
【0006】一方、ダイレクトティーチ方法は、例え
ば、特開平4−136324号公報の第5図や国際公開
公報WO95/30059号公報に示されるように、オ
ペレータが、バケットの刃先を目標境界線上に持ってい
き、スイッチを押して領域を設定する方法である。ダイ
レクトティーチ方法は、掘削を行う範囲が特に図面等に
よって数字で規定されていないようなラフな掘削を行う
作業現場において、おおざっぱに均し作業を行う場合等
に便利な方法である。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、数値入
力設定方法若しくはダイレクトティーチ方法によって領
域設定を行う場合、バケットの刃先が所望の掘削線上を
通過するかは実際に掘削してみないと分からない。この
ため、しばしば実際に掘削をしている最中に、微調整
(再設定)を行いたい場合が発生する。この場合、例え
ば、掘削をしていく途中でバケット刃先が所望の深さよ
り下を通過しそうな場合は、オペレータはブーム上げ操
作をしてバケットを上げるか、アーム操作を止めればバ
ケットの刃先は設定領域外に侵入しない。しかし、その
都度そのような操作をしたのでは領域設定の意味がな
く、設定を微調整できれば好都合である。バケット刃先
が所望の掘削線より上を通過する場合は、再度、数値入
力設定方法若しくはダイレクトティーチ方法によって設
定し直すしか方法がない。この場合、数値入力設定では
設定の解除ボタンを押した後、改めて所望の位置を数値
で入力しなければならず、ダイレクトティーチ方法で
は、同様に設定の解除ボタンを押した後、バケットの刃
先を所望の位置に動かし、設定ボタンを押さなければな
らず、いずれもその再設定の操作が面倒であるという問
題があった。
【0008】本発明の目的は、掘削領域の設定の補正を
簡単に行える建設機械のフロント制御装置を提供するこ
とにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、上下方向
に回動可能な複数のフロント部材により構成される多関
節型のフロント装置と、前記複数のフロント部材を駆動
する複数の油圧アクチュエータと、運転室に設置された
複数の操作レバー手段からの操作信号により駆動され、
前記複数の油圧アクチュエータに供給される圧油の流量
を制御する複数の油圧制御弁とを有する建設機械に備え
られ、前記フロント装置は予め設定した掘削領域内で動
くよう前記操作信号を補正し、前記フロント装置の動作
を制御する建設機械のフロント制御装置において、前記
運転室に配置され、前記掘削領域の設定の補正を指示す
る設定補正指示手段と、前記設定補正指示手段からの補
正の指示に応じて、前記掘削領域の設定を補正する設定
補正手段とを備えるものとする。このように設定補正指
示手段からの指示に応じて、掘削領域の設定を補正する
ようにしているので、予め設定されている掘削領域の設
定の補正を簡単に行うことができる。
【0010】(2)上記(1)において、前記設定補正
指示手段は現在の設定値に単位量を加減することにより
前記掘削領域の設定を補正するものとする。このように
現在の設定値に単位量を加減して掘削領域の設定を補正
するため、その補正を簡単に行うことができる。
【0011】(3)上記(1)において、好ましくは、
前記設定補正指示手段は操作者の操作力を検出する力検
出手段から構成され、前記設定補正手段は、前記力検出
手段によって検出される操作力に応じて、前記掘削領域
の設定を補正するものとする。このように前記操作レバ
ー手段を操作して掘削制御している最中に前記設定補正
手段は前記力検出手段によって検出された力に応じて掘
削領域の設定を補正するようにしているので、予め設定
されている掘削領域の設定の補正を簡単に行うことがで
きる。
【0012】(4)上記(1)において、好ましくは、
前記力検出手段は前記複数の操作レバー手段の1つに備
える。このように力検出手段を操作レバー手段に設ける
ことにより、オペレータは操作レバーから手を離さずに
掘削領域を補正することができる。
【0013】(5)上記(4)において、好ましくは、
前記力検出手段は前記操作レバー手段をフルストローク
操作して、さらに前記操作レバーに力を加えた際のレバ
ーにかかる押しつけ力を検出する。このようにフルスト
ローク操作後に加えられる力を用いることにより、通常
の操作レバーの操作と独立して掘削領域を補正すること
ができる。
【0014】(6)上記(4)において、好ましくは、
前記力検出手段が備えられる前記操作レバー手段は、油
圧ショベルのブーム用の操作レバー手段である。このよ
うに力検出手段をフロント装置の上下方向の動きを支配
するブームの操作レバー手段に設けることにより、操作
レバーを操作してブームを動かしながら掘削領域の設定
の補正をすることができるので、設定補正を容易に行う
ことができる。
【0015】(7)上記(1)において、好ましくは、
前記設定補正手段は掘削領域の設定を下方に補正する。
このように掘削領域の下方補正を行うことにより、オペ
レータはバケット刃先の軌跡と掘削したい地面の関係を
目視して、もう少し刃先を下げたい場合は容易に刃先を
目標の高さを下方に補正することができる。
【0016】(8)上記(1)において、好ましくは、
前記設定補正指示手段は操作者によって操作される設定
補正スイッチから構成され、前記設定補正手段は、前記
設定補正スイッチから入力される補正信号に応じて、前
記掘削領域の設定を補正する。このように前記操作レバ
ー手段を操作して掘削制御している最中に前記設定補正
手段は前記設定補正スイッチからの補正信号に応じて掘
削領域の設定を補正するようにしているので、予め設定
されている領域制限掘削制御の設定の補正を簡単に行う
ことができる。
【0017】
【発明の実施の形態】以下、本発明を油圧ショベルに適
用した場合の実施形態を、図面を用いて説明する。ま
ず、本発明の第1の実施形態による油圧ショベルのフロ
ント制御装置を図1〜図13により説明する。
【0018】図1において、本発明が適用される油圧シ
ョベルは、油圧ポンプ2と、この油圧ポンプ2からの圧
油により駆動されるブームシリンダ3a,アームシリン
ダ3b,バケットシリンダ3c,旋回モータ3d及び左
右の走行モータ3e,3fを含む複数の油圧アクチュエ
ータと、これら油圧アクチュエータ3a〜3fのそれぞ
れに対応して設けられた複数の操作レバー装置4a〜4
fと、油圧アクチュエータ3a〜3fに供給される圧油
の流量を制御する複数の流量制御弁5a〜5fと、油圧
ポンプ2と流量制御弁5a〜5fの間の圧力が設定値以
上になった場合に開くリリーフ弁6とを有している。
【0019】本実施形態では、操作レバー4a〜4fは
操作信号として電気信号を出力する電気レバー装置であ
り、流量制御弁5a〜5fは電気信号をパイロット圧に
変換する電気油圧変換手段,例えば比例電磁弁を両端に
備えた電気・油圧操作方式の弁である。
【0020】また、操作レバー装置4a〜4dについて
は、ブーム,アーム,バケット,旋回に対応して別々の
符号を付したが、実際には、ブーム用操作レバー装置4
aとバケット用操作レバー装置4c、アーム用操作レバ
ー装置4bと旋回用操作レバー装置4dは、それぞれ、
1つの操作レバー装置を共用する構成とされ、この1つ
の操作レバーを二次元的に動かすことにより、それぞれ
の操作信号を出力するものである。
【0021】油圧ショベルは、図2に示すように、垂直
方向にそれぞれ回動するブーム1a,アーム1b及びバ
ケット1cから成る多関節型のフロント装置1Aと、上
部旋回対1d及び下部走行体1eからなる車体1Bとで
構成され、フロント装置1Aのブーム1aの基端は上部
旋回体1dの前部に支持されている。ブーム1a,アー
ム1b,バケット1c,上部旋回体1d及び下部走行体
1eは、それぞれ、図1に示したブームシリンダ3a,
アームシリンダ3b,バケットシリンダ3c,旋回モー
タ3d及び左右の走行モータ3e,3fによりそれぞれ
駆動され、それらの動作は、図1に示した操作レバー装
置4a〜4fにより指示される。また、上部旋回体1d
には運転室1fが設けられ、操作レバー装置4a〜4f
はこの運転室1f内に配置される。
【0022】以上のような油圧ショベルに本実施形態に
よるフロント制御装置が設けられている。このフロント
制御装置は、領域制限掘削制御の開始や、当該制御にお
ける掘削領域の設定を指示する設定器7と、ブーム1
a,アーム1b及びバケット1cのそれぞれの回動支点
に設けられ、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状
態量としてそれぞれの回動角を検出する角度検出器8
a,8b,8cと、ブーム操作レバー装置4aに備えら
れた力検出センサ10と、操作レバー装置4a〜4fか
らの操作信号S4a〜S4f、設定器7の信号、力検出セン
サ10の検出信号を入力し、流量制御弁5a〜5fに駆
動信号(電気信号)を出力する制御ユニット9とを備え
ている。
【0023】設定器7は、図3に示すように、領域制限
掘削制御の開始を指示する制御開始スイッチ7aと、ダ
イレクトティーチによる掘削領域の設定を指示するダイ
レクト設定スイッチ7bと、数値入力による掘削領域の
設定を指示する数値設定スイッチ7cと、表示画面7d
とを備えている。
【0024】制御開始スイッチ7aを押すと、通常モー
ドから領域制限掘削制御モードへ切り換える制御開始信
号が制御ユニット9に出力され、掘削領域の設定及び領
域制限掘削制御を可能にする。また、スイッチ7aの右
上のランプが点灯し、掘削制限制御モードにあることを
オペレータに知らせる。
【0025】ダイレクト設定スイッチ7bを押すと、ダ
イレクトティーチ設定信号が制御ユニット9に出力さ
れ、そのときのフロント装置1Aの所定の部位、例え
ば、バケット1cの先端位置で、掘削領域が設定され
る。また、スイッチ7bの右上のランプが点灯し、ダイ
レクトティーチによる設定モードにあることをオペレー
タに知らせる。数値設定スイッチ7cを押すと、表示画
面7d上に数値が表示され、かつ、スイッチ7cの右上
のランプが点灯する。また、表示画面7dに表示された
数値が数値入力設定信号として制御ユニット9に出力さ
れ、数値により掘削領域が設定される。数値設定スイッ
チ7cはアップとダウンの2つのボタンからなり、2つ
のボタンのいずれを押すことにより設定される数値を増
減する。
【0026】制御ユニット9は、設定器7の制御開始ス
イッチ7aが押されていないときは、操作レバー装置4
a〜4fからの操作信号S4a〜S4fに応じた駆動信号
(電気信号)を生成し、これを流量制御弁5a〜5fに
出力し、設定器7の制御開始スイッチ7aが押される
と、設定器7のダイレクト設定スイッチ7b又は数値設
定スイッチ7cからの設定信号により、バケット1cの
先端が動き得る掘削領域を設定可能とすると共に、操作
レバー装置4a,4bからの操作信号S4a,S4bに対し
領域制限掘削制御のための補正を行い、その補正した操
作信号に応じた駆動信号を生成し、流量制御弁5a,5
bに出力する。
【0027】以下、図4〜図13を用いて、制御ユニッ
ト9の操作信号S4a,S4bに係わる部分の機能の詳細に
ついて説明する。制御ユニット9は、図4に示すよう
に、領域設定部90と領域制限掘削制御部92の各機能
を有している。領域設定部90は、設定器7からの指示
でバケット1cの先端が動き得る掘削制限領域の設定演
算を行うものであり、領域設定演算部90aと、補正値
(ΔH)演算部90b及び加算部90cからなる領域設
定補正部90dの各機能から構成されている。領域制限
掘削制御部92は、領域設定部90において設定演算さ
れた掘削領域内にバケット1cの先端の動きを制限する
ように、バケット1cの動きを制御するものである。領
域制限掘削制御部92は、制御切換部92aと、フロン
ト姿勢演算部92bと、減速・復元制御用補正操作信号
演算部92cと、バルブ指令演算部92dとの各機能か
ら構成されている。
【0028】最初に、領域設定部90の領域設定演算部
90aの領域設定機能及び領域制限掘削制御部92のフ
ロント姿勢演算部92bの姿勢演算機能について説明す
る。なお、本実施形態は、図5に示したX軸に平行に掘
削制限領域を設定するものである。領域設定部90の領
域設定演算部90aは、制御開始スイッチ7aがONし
て(押されて)制御開始信号が入力すると、掘削可能領
域の境界Lの初期値として、バケットが届かないくらい
深い位置の値を設定する。これにより、制御開始スイッ
チ7aをONした直後では、フロント装置1Aはそれが
動作し得る範囲で自由に動くことができ、その動作範囲
内でダイレクトティーチ若しくは数値入力設定により掘
削可能領域を自由に設定することができる。一例とし
て、初期値はY=−20mとしておく。
【0029】一方、領域制限掘削制御部92の中のフロ
ント姿勢演算部92bは、角度検出器8a〜8cで検出
したブーム1a,アーム1b,バケット1cの回動角に
基づいてフロント装置1Aのバケットの爪先(先端)の
位置を計算する。
【0030】すなわち、制御ユニット9の記憶装置に
は、図5に示すようなフロント装置1A及び車体1Bの
各部寸法が記憶されており、フロント姿勢演算部92b
ではこれらのデータと、角度検出器8a,8b,8cで
検出した回動角α,β,γの各値を用いてバケット先端
の位置を計算する。このとき先端の位置は、例えばブー
ム1aの回動支点を原点としたXY座標系の座標値
(X,Y)として求める。XY座標系は本体1Bに固定
した垂直面内にある直行座標系である。ブーム1aの回
動支点とアーム1bの回動支点との距離をL1、アーム
1bの回動支点とバケット1cの回動支点の距離を
2、バケット1cの回動支点とバケット1cの先端と
の距離をL3とすれば、回動角α,β,γからXY座標
系の座標値(X,Y)は、下記の式より求まる。 X=L1sinα+L2sin(α+β)+L3sin(α
+β+γ) Y=L1cosα+L2con(α+β)+L3cos(α
+β+γ) 領域設定演算部90aは、ダイレクト設定スイッチ7b
からの指示で、ダイレクトティーチにより、フロント姿
勢演算部92bの上記データを利用してバケット1cの
先端が動き得る掘削可能領域の設定を行う。即ち、図5
において、オペレータの操作レバー装置の操作でバケッ
ト1cの先端を目的位置P1に動かした後、ダイレクト
設定スイッチ7bを押す。領域設定演算部90aは、こ
のダイレクト設定スイッチ7bから設定信号により、そ
の時のフロント姿勢演算部92bで計算されたバケット
先端のY座標値の値Y=Y1を用いて、 設定値=Y座標値Y1 と掘削可能領域の境界Lを設定する。
【0031】また、設定器7のダイレクト設定スイッチ
7bをもう1度押すと上記のダイレクトティーチによる
設定が解除され、初期値にリセットされる。
【0032】一方、設定器7の数値設定スイッチ7cが
押されると、領域設定演算部90aは、数値設定スイッ
チ7cによって設定された数値入力により、バケット1
cの先端が動き得る掘削可能領域の設定を行う。
【0033】次に、領域制限掘削制御部92の全体の制
御機能について、図6に示すフローチャートを用いて説
明する。図中、ステップ100,110は、制御切換部
92aの機能にあり、ステップ115,120は、フロ
ント姿勢演算部92bの機能にあり、ステップ125〜
150は、減速・復元制御用補正操作信号演算部92c
の機能にあり、ステップ155は、バルブ指令演算部9
2dの機能にある。
【0034】ステップ100において、操作レバー装置
4a,4bの操作信号S4a,S4bを入力する。
【0035】次いで、ステップ110において、制御開
始スイッチ7aがONか否かに応じて制御方法を切り換
える。制御開始スイッチ7aがOFFの場合には、ステ
ップ155において、図4に示した操作レバー装置4
a,4bからの操作信号に応じた駆動信号を生成し、流
量制御弁5a,5bに出力する。これにより、操作レバ
ー装置4a,4bの操作量に応じた通常の掘削作業が行
こなわれる。
【0036】制御開始スイッチ7aがONの場合には、
ステップ110〜150に進み、操作レバー装置4a,
4bからの操作信号S4a,S4bを補正する。
【0037】以下、ステップ115〜150の処理内容
について説明する。ステップ115において、フロント
姿勢演算部92bに、角度検出器8a〜8cで検出した
ブーム1a,アーム1b,バケット1cの回動角を入力
する。
【0038】ステップ120において、検出した回動角
α,β,γと予め入力してあるフロント装置1Aの各部
寸法とに基づき、フロント装置1Aの所定部位の位置、
例えばバケット1cの先端位置を計算する。このときの
計算は、上述した掘削領域の設定時におけるバケット先
端位置の計算と同じであり、この場合も、バケット先端
の位置はXY座標系の値として求める。
【0039】次に、ステップ125において、フロント
装置1A用の操作レバー装置,4bの操作信号S4a,S
4bが指令するバケット1cの先端の目標速度ベクトルV
cを計算する。ここで、操作レバー装置4a,4bの操
作信号S4a,S4bと流量制御弁5a,5bの供給流量と
の関係及びフロント装置1Aの各部寸法を制御ユニット
9の記憶装置に予め記憶しておき、操作レバー装置4
a,4bの操作信号S4a,S4bから対応する流量制御弁
5a,5bの供給流量を求め、この供給流量の値から油
圧シリンダ3a,3bの目標駆動速度を求め、この目標
駆動速度とフロント装置1Aの各部寸法を用いてバケッ
ト先端の目標速度ベクトルVcを演算する。そして、目
標速度ベクトルVcの設定領域の境界に平行な方向のベ
クトル成分Vcxと垂直な方向のベクトル成分Vcyを
求める。ここで、目標速度ベクトルVcのX座標成分V
cxは、目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に平行
な方向のベクトル成分となり、Y座標成分Vcyは目標
速度ベクトルVcの設定領域の境界に垂直な方向のベク
トル成分となる。
【0040】次に、ステップ130において、バケット
1cの先端が上記のように設定した図7に示すような設
定領域内の境界近傍の領域である減速領域にある場合に
あるか否かを判定し、減速領域にある場合には、ステッ
プ135に進みフロント装置1Aの減速を行うよう目標
速度ベクトルVcを補正し、減速領域にない時には、ス
テップ140に進む。
【0041】ここで、ステップ130における減速領域
にあるか否かの判定及びステップ135における減速領
域での目標速度ベクトルVcの補正について、図8及び
図9を用いて説明する。
【0042】制御ユニット9の記憶装置には、図8に示
すような設定領域の境界とバケット1cの先端との距離
D1と減速ベクトル計数hとの関係が記憶されている。
この距離D1と計数hとの関係は、距離D1が距離Ya1
よりも大きいときはh=0であり、D1がYa1よりも小
さくなると、距離D1が減少するにしたがって減速ベク
トル計数hが増大し、距離D1=0でh=1となるよう
に設定されている。ここで、設定領域の境界から距離Y
a1の範囲が減速領域に相当する。
【0043】ステップ130では、ステップ120で得
たバケット1cの先端位置と設定領域の境界との距離D
1を計算し、このD1が距離Ya1より小さくなると、減
速領域に侵入したと判定する。
【0044】また、ステップ135では、ステップ12
5で計算したバケット1cの先端の目標速度ベクトルV
cの設定領域の境界に接近する方向のベクトル成分であ
る設定領域の境界に対し、垂直方向のベクトル成分,す
なわち、XY座標系におけるY座標の成分Vcyを減じ
るように目標速度ベクトルVcを補正する。具体的に
は、記憶装置に記憶した図8に示す関係からそのときの
設定領域の境界とバケット1cの先端との距離D1に対
応する減速ベクトル係数hを計算し、この減速ベクトル
係数hを目標速度ベクトルVcのYa座標の成分(垂直
方向のベクトル成分)Vcyに乗じ、更に−1を乗じて
減速ベクトルVR(=−h・Vcy)を求め、Vcyに
VRを加算する。ここで、減速ベクトルVRはバケット1
cの先端と設定領域の境界との距離D1がYa1より小さ
くなるにしたがって大きくなり、D1=0でVR=Vc
yとなるVcyの逆方向の速度ベクトルである。このた
め、減速ベクトルVRを目標速度ベクトルVcの垂直方
向のベクトル成分Vcyに加算することにより、距離D
1がYa1より小さくなるにしたがって垂直方向のベクト
ル成分Vcyの減少量が大きくなるようベクトル成分V
cyが減じられ、目標速度ベクトルVcは目標速度ベク
トルVcaに補正される。
【0045】ここで、図9を用いて、バケット1cの先
端が上記のような補正後の目標速度ベクトルVcaの通
りに減速制御されたときの軌跡の一例を説明する。目標
速度ベクトルVcが斜め下方に一定であるときには、そ
の平行成分Vcxは一定となり、垂直成分Vcyはバケ
ット1cの先端が設定領域の境界に近づくにしたがって
(距離D1がYa1より小さくなるにしたがって)小さく
なる。補正後の目標速度ベクトルVcaはその合成であ
るので、軌跡は図9に示すように設定領域の境界に近づ
くにつれて平行となる曲線状となる。また、D1=0で
h=1,VR=−Vcyとなるので、設定領域の境界上
での補正後の目標速度ベクトルVcaは平行成分Vcx
に一致する。
【0046】このようにステップ135における減速制
御では、バケット1cの先端の設定領域の境界に接近す
る方向の動きが減速されることにより、結果としてバケ
ット1cの先端の移動方向が設定領域の境界に沿った方
向に変換され、この意味でステップ135の減速制御は
方向変換制御ということもできる。
【0047】次に、ステップ140においては、バケッ
ト1cの先端が上記のように設定した図7に示すような
設定領域外にある場合か否かを判定し、設定領域外にあ
る場合には、ステップ145に進み、バケット1cの先
端が設定領域に戻るように目標速度ベクトルVcを補正
し、設定領域外にないときには、ステップ155に進
む。
【0048】ここで、ステップ140における設定領域
外にあるか否かの判定及びステップ145における設定
領域外での目標速度ベクトルVcの補正について、図1
0及び図11を用いて説明する。
【0049】制御ユニット9の記憶装置には、図10に
示すような設定領域の境界とバケット1cの先端との距
離D2の絶対値と復元ベクトルARとの関係が記憶され
ている。この距離D2の絶対値と復元ベクトルARとの
関係は、距離D2の絶対値が減少するにしたがって復元
ベクトルARが増大するように設定されている。
【0050】ステップ140において、ステップ120
で得たバケット1cの先端位置と設定領域の境界との距
離D2を計算し、この距離が負の値になったら設定領域
外に侵入したと判断する。
【0051】また、ステップ145では、ステップ12
5で計算したバケット1cの先端の目標速度ベクトルV
cの設定領域の境界に対し垂直方向のベクトル成分,す
なわち、XY座標系のY座標の成分Vcyが設定領域の
境界に接近する方向の垂直成分に変わるよう目標速度ベ
クトルVcを補正する。具体的には、垂直方向のベクト
ル成分VcyをキャンセルするようにVcyの逆方向ベ
クトルAcyを加算して、平行成分Vcxを抽出する。
この補正によってバケット1cの先端は設定領域外を更
に進もうとする動作が阻止される。
【0052】そして、次に、記憶装置に記憶した図10
に示す関係からそのときの設定領域の境界とバケット1
cの先端との距離D2の絶対値に相当する復元ベクトル
ARを計算し、この復元ベクトルARを目標速度ベクト
ルVc垂直方向のベクトル成分Vcyに更に加算する。
ここで、復元ベクトルARは、バケット1cの先端と設
定領域の境界との距離D2が小さくなるにしたがって小
さくなる逆方向の速度ベクトルである。このため、復元
ベクトルARを目標速度ベクトルVcの垂直方向のベク
トル成分Vcyに加算することにより、距離D2が小さ
くなるにしたがって垂直方向のベクトル成分Vcyが小
さくなるよう、目標速度ベクトルVcは目標速度ベクト
ルVcaに補正される。
【0053】ここで、図11を用いて、バケット1cの
先端が上記のような補正後の目標速度ベクトルVcaの
通りに復元制御されたときの軌跡の一例について説明す
る。目標速度ベクトルVcが斜め下方に一定であるとき
には、その平行成分Vcxは一定となり、また復元ベク
トルARは距離D2に比例するので、垂直成分はバケッ
ト1cの先端が設定領域の境界に近づくにしたがって
(距離D2が小さくなるにしたがって)小さくなる。補
正後の目標速度ベクトルVcaはその合成であるので、
軌跡は図11のように設定領域の境界に近づくにつれて
平行となる曲線状となる。
【0054】このように、ステップ145における復元
制御では、バケット1cの先端が設定領域に戻るように
制御されるため、設定領域外に復元領域が得られること
になる。また、この復元制御でも、バケット1cの先端
の設定領域の境界に接近する方向の動きが減速されるこ
とにより、結果としてバケット1cの先端の移動方向が
設定領域の境界に沿った方向に変換され、この意味でこ
の復元制御も方向変換制御ということができる。
【0055】次に、ステップ150において、ステップ
135または145で得た補正後の目標速度ベクトルV
caに対応する流量制御弁5a〜5cの操作信号を計算
する。これは、ステップ125における目標速度ベクト
ルVcの計算の逆演算である。
【0056】そして、ステップ155において、ステッ
プ150で計算した操作信号に応じた駆動信号を生成
し、流量制御弁5a,5bを出力し、はじめに戻る。
【0057】領域制限掘削制御を終了させる場合は、設
定器7の制御開始スイッチ7aをもう一度押して、OF
Fにする。
【0058】次に、数値入力若しくはダイレクトティー
チによる領域設定後、掘削制限制御で掘削をしていく途
中で、設定領域の微調整(再設定)を行いたい場合の掘
削領域の設定の補正方法について、図1、図4、図1
2、及び図13を用いて説明する。
【0059】図1に示したように、ブーム操作レバー装
置4aは、力検出センサ10を備えている。図4に示し
たように、力検出センサ10の検出信号は、制御ユニッ
ト9の領域設定部90の領域設定補正部90dの補正値
演算部90bに入力し、加算部90cで設定を補正す
る。
【0060】ここで、補正値演算部90bの処理機能
(補正値演算部90b及び加算部90cの処理機能)に
ついて図12に示すフローチャートを用いて説明する。
図中、ステップ200〜230は、補正値演算部90b
の処理機能であり、ステップ240は、加算部90cの
処理機能である。
【0061】ステップ200において、ブーム下げ操作
レバー装置4aの操作力Fbdを検出する。ここで、操作
力Fbdはレバーをフルストローク操作して、さらにレバ
ーに力を加えた際のレバーにかかる押しつけ力とする。
【0062】次にステップ210において、ブーム下げ
操作力Fbdが予め設定していた操作力のしきい値Fbd0
より大きいか否かを判断する。ブーム下げ操作力Fbdが
操作力のしきい値Fbd0以下の場合はステップ220に
進み、大きい場合はステップ230に進む。
【0063】ステップ220において、領域補正値ΔH
=0とする。即ち、ブーム下げ操作力Fbdが操作力のし
きい値Fbd0以下であるので、掘削領域の設定の補正は
行わない。
【0064】一方、ステップ230において、例えば以
下の式に従って領域補正値ΔHを演算する。ここで、F
bdmaxは力検出センサが検出できる最大値、ΔHmaxは領
域補正値の最大値とする。 ΔH=−(Fbd−Fbd0)×ΔHmax/(Fbdmax−Fbd
0) ここで、ステップ230における計算は、図13に示す
ように領域補正値ΔHとブーム下げ操作力Fbdの関係で
領域補正値ΔHを求めることである。即ち、ブーム下げ
操作力Fbdが操作力のしきい値Fbd0以下では0であ
り、それ以上では、ブーム下げ操作力Fbdに応じて増大
し、最大の操作力のしきい値Fbd0maxにおいて、最大の
領域補正値ΔHmaxとなるようにΔHが計算される。
【0065】さらに、ステップ240において、領域設
定演算部90aによる領域の設定値Yに、補正値演算部
90bによって上式で演算した領域補正値ΔHを加え
て、Y=Y1+ΔHを求め、掘削領域の設定値を更新す
る。領域制限掘削制御部92ではこの新たに更新された
値を用いて領域制限掘削制御を行う。なお、ブーム下げ
レバーに加わる操作力をゆるめればFbdが小さくなり、
常にΔH=0となるので、領域設定部90による設定で
領域制限掘削制御が行われる。
【0066】ここで、一例として、Y=20cm,ΔH
max=5cm,Fbd0=5kg/cm2,Fbdmax=25k
g/cm2とした場合、ブーム下げ操作力Fbdが17k
g/cm2かかったなら、ΔHは、 ΔH=−(17−5)×5/(25−5) =−3 (cm) となるので、領域制限掘削制御における設定値Yは20
−3=17cmの高さとなる。
【0067】以上のようにして、ブーム下げ操作レバー
装置4aの加わる操作力が大きいと設定領域が自動的に
下がるため、オペレータは、例えば、バケット刃先の軌
跡と掘削したい地面の関係を目視してダイレクトティー
チにより掘削領域を設定後、もう少し刃先を下げたい場
合はブーム下げレバーを強く操作することにより、掘削
領域の設定を目標の高さに補正することができるので、
領域設定に多少の誤差があっても掘削領域をダイレクト
ティーチ又は数値入力により再設定することなく所望の
掘削が行える。
【0068】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、掘削領域の設定の補正は、運転室内に配置されてい
るブーム下げ操作レバー装置4aを操作するだけで行え
るため、従来のダイレクトティーチ方法の場合のよう
に、設定の解除ボタンを押した後、バケットの刃先を所
望の位置で動かして、設定ボタンを押す等の操作は不要
となり、また、従来の数値入力設定方法の場合のよう
に、設定の解除ボタンを押した後、改めで所望の位置を
数値で入力する等の操作は不要となり、再設定(微調
整)が簡単に行えるものである。このため、特に、均し
掘削時において、運転席からの操作によって所望の掘削
平面を容易に得ることができるので、均し掘削の作業効
率を向上することができる。
【0069】また、再設定(微調整)は、予め設定され
ている現在の設定値Y1に対して力検出センサが検出し
たブーム下げ操作力Fbdに応じた単位量を加減すること
により行うようにしているため、改めて姿勢演算を含む
複雑な演算をする必要がなく、簡単な計算で掘削領域の
設定を補正できる。また、オペレータがバケット先端位
置を下げたいという操作レバーの操作で掘削領域の設定
が補正されるので、極めて操作性の良いものとなる。
【0070】さらに、バケット1cの先端が設定領域の
境界から離れているときは、目標速度ベクトルVcは補
正されず、通常作業と同じように作業できるとともに、
バケット1cの先端が設定領域内でその境界近傍に近づ
くと、目標速度ベクトルVcの設定領域の境界に接近す
る方向のベクトル成分(境界に対して垂直方向のベクト
ル成分)を減じるように補正されるので、設定領域の境
界に対して垂直方向の動きが減速制御され、設定領域の
境界に沿った方向の速度成分は減じられ、このため図9
に示すように設定領域の境界に沿ってバケット1cの先
端を動かすことができる。このため、バケット1cの先
端の動き得る領域を制限した掘削を効率良く行うことが
できる。
【0071】次に、本発明の第2の実施形態について、
図14及び図15を用いて説明する。上述した実施形態
においては、ブーム操作レバー装置4aに加えられる操
作力を力検出センサ10により検出して掘削領域を補正
していたのに対して、本実施形態においては、設定補正
スイッチを操作することにより、掘削領域を補正するも
のである。
【0072】図14に示すように、ブーム操作レバー装
置4aの操作レバー40aのグリップ70には、設定下
げ補正スイッチ10aと設定上げ補正スイッチ10bが
設けられている。設定下げ補正スイッチ10aは、予め
設定されている掘削領域を下方に補正した場合に用いる
ものであり、このスイッチを押すことにより、下げ方向
の設定下げ補正信号が出力する。また、設定上げ補正ス
イッチ10bは、予め設定されている掘削領域を上方に
補正した場合に用いるものであり、このスイッチを押す
ことにより、上げ方向の設定上げ補正信号が出力する。
【0073】本実施形態によるフロント制御装置の構成
は、図1に示した力検出センサ10に代えて、設定下げ
補正スイッチ10aと設定上げ補正スイッチ10bの出
力信号が制御ユニット9に入力される点を除いて、図1
に示したものと同様である。
【0074】また、制御ユニット9の領域設定部90
は、図4に示した領域設定補正部90dの補正値演算部
90bに対して力検出センサ10の出力信号に代えて、
設定下げ補正スイッチ10aと設定上げ補正スイッチ1
0bの出力信号が入力するとともに、領域設定補正部9
0dは、以下に説明する処理を実行する点を除いて、図
4に示したものと同様である。制御ユニット9の領域制
限掘削制御部92が実行する領域制限掘削制御は、図4
に説明したものと同様である。
【0075】ここで、本実施形態の領域設定補正部90
dの演算内容を図15に示すフローチャートを用いて説
明する。
【0076】ステップ300において、設定下げ補正ス
イッチ10aがONとなったが否かを判断する。
【0077】設定下げ補正スイッチ10aがONの場合
には、ステップ310において、領域補正値ΔHを−1
(cm)とする。即ち、ここでは、設定下げ補正スイッ
チ10aが1回押される毎に、設定を1cmだけ下側に
補正するようにしている。設定下げ補正スイッチ10a
が1回押される毎に、設定を2cmずつ下側に補正する
ためには、ΔH=−2とすればよい。
【0078】また、設定下げ補正スイッチ10aがON
でない場合には、ステップ320において、設定上げ補
正スイッチ10bがONとなったが否かを判断する。
【0079】設定上げ補正スイッチ10bがONの場合
には、ステップ330において、領域補正値ΔHを+1
(cm)とする。即ち、ここでは、設定上げ補正スイッ
チ10bが1回押される毎に、設定を1cmだけ上側に
補正するようにしている。
【0080】ステップ300〜330の処理は、補正値
演算部90bで行われる。
【0081】次に、ステップ340において、領域設定
演算部90aによる領域の設定値Yに、補正値演算部9
0bによって演算した領域補正値ΔHを加えて、Y=Y
1+ΔHを求め、掘削領域の設定値を更新する。領域制
限掘削制御部92ではこの新たに更新された値を用いて
領域制限掘削制御を行う。
【0082】設定下げ補正スイッチ10a若しくは設定
上げ補正スイッチ10bを複数回,例えば、3回押すこ
とにより、図15に示した処理が3回繰り返され、設定
を3cm下げたり、上げたりする補正を容易に行える。
【0083】以上のようにして、ブーム下げ操作レバー
装置4aの操作レバーのグリップに設けられた設定補正
スイッチ10a,10bを操作することにより、設定領
域が自動的に上下する為、オペレータは、例えば、バケ
ット刃先の軌跡と掘削したい地面の関係を目視して、ダ
イレクトティーチにより掘削領域を設定後、もう少し刃
先を下げたい場合は設定下げ補正スイッチ10aを操作
し、刃先を上げたい場合は設定上げ補正スイッチ10b
を操作することにより、掘削領域の設定を目標の高さに
補正することができるので、掘削領域の設定に多少の誤
差があっても掘削領域をダイレクトティーチ又は数値入
力により再設定することなく所望の掘削が行える。特
に、均し掘削時において、運転席からの操作によって所
望の掘削平面を容易に得ることができるので、均し掘削
の作業効率を向上することができる。
【0084】以上説明したように、本実施形態によれ
ば、ブーム操作レバー装置に設けた設定補正スイッチ1
0a,10bの操作により、領域制限掘削制御における
掘削領域の設定の補正を簡単に行える。
【0085】なお、本発明にかかるフロント制御装置
は、上述の各実施形態に限定されず、種々の変形が可能
である。一例として、本実施形態では操作レバーは電気
レバーとしたが、油圧パイロットレバーでもよい。ま
た、フロント装置1Aの位置と姿勢に関する状態量を検
出する手段として回動角を検出する角度計を用いたが、
シリンダのストロークを検出してもよい。また、操作力
を検出する力検出センサをブーム下げレバーに設けた
が、アームクラウドまたはアームダンプの操作レバーに
設けてもよい。
【0086】
【発明の効果】本発明によれば、領域制限掘削制御を行
う建設機械のフロント制御装置における掘削領域の設定
の補正を簡単に行えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の1実施形態による建設機械のフロント
制御装置をその油圧駆動装置と共に示す図である。
【図2】本発明が適用される油圧ショベルの外観の形状
を示す図である。
【図3】本実施形態における掘削制限領域の設定を指示
する操作パネル形式の設定器を示す図である。
【図4】制御ユニットの制御機能を示す機能ブロック図
である。
【図5】本実施形態の領域制限掘削制御で用いる座標系
と領域の設定方法を示す図である。
【図6】制御ユニットにおける制御手順を示すフローチ
ャートである。
【図7】バケット先端が設定領域内にある場合と、設定
領域の境界上にある場合と、設定領域外にある場合のブ
ームによるバケット先端速度の補正動作の違いを示す図
である。
【図8】バケットの先端と設定領域の境界との距離と減
速ベクトルとの関係を示す図である。
【図9】バケット先端が設定領域内にあるときの補正動
作軌跡の一例を示す図である。
【図10】バケットの先端と設定領域の境界との距離と
復元ベクトルとの関係を示す図である。
【図11】バケットの先端が設定領域外にあるときの補
正動作軌跡の一例を示す図である。
【図12】制御ユニットにおける領域制限掘削制御の領
域の補正演算の処理内容を示すフローチャートである。
【図13】領域補正値とブーム下げ操作力の関係との関
係を示す図である。
【図14】本発明の他の実施形態における掘削制限領域
の設定を指示するグリップ上に設けられた設定補正スイ
ッチの外観を示す図である。
【図15】制御ユニットにおける領域制限掘削制御の領
域の補正演算の他の実施形態による処理内容を示すフロ
ーチャートである。
【符号の説明】
1A フロント装置 1B 車体 1a ブーム 1b アーム 1c バケット 2 油圧ポンプ 3a〜3f 油圧アクチュエータ 4a〜4f 操作レバー装置 5a〜5f 流量制御弁 6 リリーフ弁 7 設定器 8a,8b,8c 角度検出器 9 制御ユニット 10 力検出センサ 10a,10b 設定補正スイッチ 90 領域設定部 90a 領域設定演算部 90b 補正値(ΔH)演算部 92 領域制限掘削制御部 92a 制御切換部 92b フロント姿勢演算部 92c 減速・復元制御用補正操作信号演算部 92d バルブ指令演算部

Claims (8)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】上下方向に回動可能な複数のフロント部材
    により構成される多関節型のフロント装置と、前記複数
    のフロント部材を駆動する複数の油圧アクチュエータ
    と、運転室に設置された複数の操作レバー手段からの操
    作信号により駆動され、前記複数の油圧アクチュエータ
    に供給される圧油の流量を制御する複数の油圧制御弁と
    を有する建設機械に備えられ、前記フロント装置は予め
    設定した掘削領域内で動くよう前記操作信号を補正し、
    前記フロント装置の動作を制御する建設機械のフロント
    制御装置において、 前記運転室に配置され、前記掘削領域の設定の補正を指
    示する設定補正指示手段と、 前記設定補正指示手段からの補正の指示に応じて、前記
    掘削領域の設定を補正する設定補正手段とを備えること
    を特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  2. 【請求項2】請求項1記載のフロント制御装置におい
    て、前記設定補正指示手段は現在の設定値に単位量を加
    減することにより前記掘削領域の設定を補正することを
    特徴とする建設機械のフロント制御装置。
  3. 【請求項3】請求項1記載のフロント制御装置におい
    て、前記設定補正指示手段は操作者の操作力を検出する
    力検出手段から構成され、前記設定補正手段は、前記力
    検出手段によって検出される操作力に応じて、前記掘削
    領域の設定を補正することを特徴とする建設機械のフロ
    ント制御装置。
  4. 【請求項4】請求項1記載のフロント制御装置におい
    て、前記力検出手段は前記複数の操作レバー手段の1つ
    に備えられていることを特徴とする油圧ショベルの領域
    制限掘削制御装置。
  5. 【請求項5】請求項4記載のフロント制御装置におい
    て、前記力検出手段は前記操作レバー手段をフルストロ
    ーク操作して、さらに前記操作レバーに力を加えた際の
    レバーにかかる押しつけ力を検出することを特徴とする
    油圧ショベルの領域制限掘削制御装置。
  6. 【請求項6】請求項4記載のフロント制御装置におい
    て、前記力検出手段が備えられる前記操作レバー手段
    は、油圧ショベルのブーム用の操作レバー手段であるこ
    とを特徴とする油圧ショベルの領域制限掘削制御装置。
  7. 【請求項7】請求項1記載のフロント制御装置におい
    て、前記設定補正手段は前記掘削領域の設定を下方に補
    正することを特徴とする油圧ショベルの領域制限掘削制
    御装置。
  8. 【請求項8】請求項1記載のフロント制御装置におい
    て、前記設定補正指示手段は操作者によって操作される
    設定補正スイッチから構成され、前記設定補正手段は、
    前記設定補正スイッチから入力される補正信号に応じ
    て、前記掘削領域の設定を補正することを特徴とする建
    設機械のフロント制御装置。
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Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
IT201800004719A1 (it) * 2018-04-19 2019-10-19 Sistema per la movimentazione automatica di un braccio articolato, in particolare di una gru articolata

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IT201800004719A1 (it) * 2018-04-19 2019-10-19 Sistema per la movimentazione automatica di un braccio articolato, in particolare di una gru articolata
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