JPH1021884A - 高圧放電ランプ,点灯装置および照明装置 - Google Patents

高圧放電ランプ,点灯装置および照明装置

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JPH1021884A
JPH1021884A JP17040296A JP17040296A JPH1021884A JP H1021884 A JPH1021884 A JP H1021884A JP 17040296 A JP17040296 A JP 17040296A JP 17040296 A JP17040296 A JP 17040296A JP H1021884 A JPH1021884 A JP H1021884A
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arc
tube
pressure discharge
tubes
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和好 岡村
Takayuki Aoki
貴之 青木
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Abstract

(57)【要約】 【課題】再始動時の全光束の輝度を高める。 【解決手段】放電媒体を封入したバルブおよびこのバル
ブ内で放電を発生させる一対の電極8,8とをそれぞれ
有し、一方が点灯中に他方が点灯のために待機すると共
に、その一方と他方の軸方向両端部との最短距離Lが1
0mm未満で並設されている複数の電気的に並列接続した
発光管4,5と;複数の発光管4,5を内蔵する外管3
と;外管3内で複数の発光管4,5を給電自在に支持す
る一対のサポートワイヤ11a,11bと;外管3に装
着されてサポートワイヤ11a,11bに給電する口金
2と;を具備している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は1つの外管内に例え
ば2本の発光管を収容し、一方の発光管が点灯中のとき
は他方の発光管を待機させる高圧ナトリウム等の高圧放
電ランプ,点灯装置および照明装置に関する。
【0002】
【従来の技術】一般に、高圧ナトリウムランプやメタル
ハライドランプなどの高圧蒸気放電ランプは点灯中の金
属蒸気圧が1気圧以上になるため放電開始電圧が非常に
高い。したがって瞬時停電など一時的に電源の供給が断
たれ、その後、瞬時に電源が復帰した場合に、再始動さ
せるためには通常発光管がある程度冷えて内部の水銀や
金属の蒸気圧が低くなるまで待たなければならない。例
えば高圧ナトリウムランプの場合には約1分、メタルハ
ライドランプの場合には約10分程度の時間を要する。
【0003】このために、これらランプを道路照明やト
ンネル照明等に用いた場合は不便である。
【0004】そこで上述の瞬時再始動を実現するため1
0kV以上の高圧の始動パルスを発光管の一対の電極管
に印加する方法もある。しかし、これでは大型で高価な
パルス発生装置が必要であり、しかも、その高圧パルス
で絶縁破壊を起こさない特殊なランプ口金、例えばセラ
ミックス製のピンタイプやランプ構造、例えば両口金構
造にしなければならないので、従来の広く使用されてい
る安価な照明器具に互換性がない。
【0005】これを改善するため、米国特許第4287
454号明細書には、1つの外管内に電気的に並列に接
続された2本の発光管を収納して、瞬時停電など一時的
に電源の供給が断たれてから再び瞬時に復帰した場合に
待機側の発光管を点灯(瞬時再始動)させる高圧ナトリ
ウムランプが提案されている。
【0006】しかし、こうした高圧ナトリウムランプの
瞬時再始動時の全光束は安定点灯時の全光束に対する比
率で約10%程度であり、前述の10kV以上の高圧の
始動パルスを発光管の一対の電極間に印加する方法の約
90%程度に比較して極めて少なく、非常灯光源として
使用する場合には数多く設置しなければならず、却って
コストアップを招くという課題がある。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】このような瞬時再始動
時の全光束の低さは発光金属の蒸気圧の低さ、すなわち
待機側発光管中の発光金属の蒸気圧の低さによるもので
ある。そしてこの発光金属の蒸気圧を高めるための熱源
はもう一方のそれまで点灯していた発光管である。
【0008】したがって、この熱源である点灯中の発光
管の発生熱を停電前に効果的に待機側発光管に与熱する
ことにより、瞬時再始動時のランプの全光束をアップさ
せることが可能になる。
【0009】そこで、従来より本発明者らにより2本の
発光管を覆う形で外管と発光管の間に石英製の中管を配
置して点灯中の発光管により待機中の発光管を高効率で
与熱することを提案している。
【0010】しかし、これらのランプの点灯試験を繰り
返す過程において、主な発光金属の凝縮箇所、つまり、
待機中の発光管の最冷部である発光管の軸方向端部と、
点灯中の発光管の最短距離がある一定値以上離間してい
る場合には再始動時の全光束が急激に低くなってしまう
ことが発見された。
【0011】本発明はこのような事情に鑑みてなされた
もので、その目的は、瞬時再始動時の全光束の輝度を高
めることができる高圧放電ランプ,点灯装置および照明
装置を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】本願の請求項1の発明
は、放電媒体を封入した気密容器およびこの気密容器内
で放電を発生させる一対の電極とをそれぞれ有し、一方
が点灯中に他方が待機すると共に、その一方と他方の軸
方向両端部との最短距離が10mm未満で並設されている
複数の電気的に並列接続した発光管と;複数の発光管を
内蔵する外管と;外管内で複数の発光管を給電自在に支
持する支持構体と;外管に装着されて支持構体に給電す
る受電部と;を具備していることを特徴とする。
【0013】本請求項によれば、1つの外管内に収容さ
れている例えば2本の発光管を、その一方と隣り合う他
方の軸方向端部との最短距離が10mm未満で近接するよ
うに並設しているので、外管内で一方の発光管が点灯中
のときは、この点灯中の発光管の発熱により、待機中の
他方の発光管の最冷部を加熱することができる。
【0014】このために、瞬時停電等で一時的に電源を
喪失し、かつ瞬時に復帰したときには、待機中の発光管
が瞬時点灯(再始動)し、その瞬時再始動時の全光束も
例えば安定点灯時の全光束に対する比率で約20%程度
に高めることができる。
【0015】このような本発明の作用効果についての明
確なメカニズムは不明であるが、次のように考えること
ができる。
【0016】すなわち、発光管の管端には凝集したアマ
ルガムがあり、そのアマルガム凝集箇所が最冷部であ
り、その最冷部温度によってナトリウムおよび水銀の蒸
気圧が左右される。しかし、その緩衝ガスである水銀の
蒸気圧によってアークの電位傾度が決まり、その電位傾
度によって発生するエネルギーによりナトリウムの発光
強度(その発光は原子が一定以上のエネルギーを受けた
時にその電離により起こる現象である)が決まる。
【0017】すなわち、発光管の全光束はナトリウムの
蒸気圧と主に水銀蒸気圧によって決まるアークの電子傾
度に依存していて、ナトリウム蒸気圧と水銀蒸気圧の2
つの要因が複雑に絡み合っているのである。
【0018】したがって、全光束は発光管端部の温度に
よって単純に増加するものではない。そこで本発明のよ
うに待機側発光管の管端ともう一方の発光管との最短距
離(L)が10mm以上になると、その距離によって変化
する放射熱による待機側発光管の管端の温度が低下して
急激に光束が低下してしまうターニングポイントとなる
最冷部温度になっているのではないかと考えられる。
【0019】請求項2の発明は、2本の発光管を、平行
な2平面内でX状に交差するように並設していることを
特徴とする。
【0020】本請求項によれば、2本の発光管を直接接
触させずにX状に交差させて配置しているので、2本の
発光管同士が影となる遮光部分をX状交差部のみに縮小
することができる。このために、2本の発光管を同一平
面上で平行に並設した場合に比して明るさの向上と配光
分布の改善とを共に図ることができる。
【0021】請求項3の発明は、放電媒体がナトリウ
ム,水銀および希ガスであることを特徴とする。
【0022】本請求項によれば、請求項1,2記載の発
明を高圧ナトリウムランプに適用するので、この高圧ナ
トリウムランプについても請求項1,2とほぼ同様の作
用効果を奏することができる。
【0023】請求項4の発明は、ナトリウムアマルガム
を含む放電媒体を封入した気密容器およびこの気密容器
内で放電を発生させる一対の電極とをそれぞれ有し、一
方が点灯中に他方が待機すると共に、アマルガムの全重
量に対してナトリウム比が共に15重量%以上である複
数の発光管と;複数の発光管を内蔵する外管と;外管内
で複数の発光管を給電自在に支持する支持構体と;外管
に装着されて支持構体に給電する受電部と;を具備して
いることを特徴とする。
【0024】本請求項によれば、各発光管の水銀アマル
ガムに対するナトリウム比が共に15重量%以上である
ので、瞬時再始動時の全光束を安定点灯時の全光束に対
する比率で、アマルガムナトリウム比が15重量%未満
の場合の約10%程度から約20%程度に向上させるこ
とができた。
【0025】請求項5の発明は、各発光管内には希ガス
が10〜300torrで封入されており、2本の発光管の
最短距離を2mm以下に設定していることを特徴とする。
【0026】本請求項によれば、2本の発光管同士を、
これらの最短距離が2mm以下になるように近接させてい
るので、点灯中の発光管の発熱により待機中の発光管を
効率的に加熱することができる。このために、ナトリウ
ムの蒸気圧を高めることができるので、待機側発光管の
瞬時再始動時の全光束を向上させることができる。
【0027】請求項6の発明は、外管内で複数の発光管
を収容する中管;を具備することを特徴とする。
【0028】本請求項によれば、2本の発光管の外周を
中管により囲むので、これら発光管を保温することがで
きる。このために、ナトリウムの蒸気圧を高めることが
できるので、待機側発光管の再始動時の全光束を向上さ
せることができる。
【0029】請求項7の発明は、中管に光拡散手段を設
けていることを特徴とする。
【0030】本請求項によれば、中管に光拡散手段を設
けたので、光拡散効果を奏することができる。
【0031】請求項8の発明は、中管を石英ガラスまた
は透光性セラミックスにより円筒に形成していることを
特徴とする。
【0032】本請求項によれば、中管が石英ガラス製、
または透光性セラミックス製でも保温効果を有するの
で、請求項6の発明とほぼ同様の作用効果を奏すること
ができる。
【0033】請求項9の発明は、請求項1ないし8のい
ずれか一記載の高圧放電ランプと;複数の発光管の各対
の電極に電気的に並列に接続されて、これらに電力を安
定的に給電して一方を点灯させるときには、他方を待機
させる点灯回路と;を具備していることを特徴とする。
【0034】請求項10の発明は、請求項1ないし8の
いずれか一記載の高圧放電ランプと;高圧放電ランプを
収容する器具本体と;を具備していることを特徴とす
る。
【0035】したがって、請求項9の点灯装置と、請求
項10の照明装置は、共に請求項1ないし8のいずれか
一記載の高圧放電ランプを有するので、これらランプと
ほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0036】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を図1
〜図7に基づいて説明する。なお、図1〜図7中、同一
または相当部分には同一符号を付している。
【0037】図1は本発明の第1の実施形態に係る高圧
ナトリウムランプの正面図、図2はその側面図、これら
の図において、高圧ナトリウムランプ1は硬質ガラス製
で一端に口金2を設けた例えばT形の外管3内に、2本
の発光管4,5を収容している。外管3内は例えば1/
10000Torr程度の高真空に保たれる。口金2は、シ
ェル2aとアイレット端子2bを有するねじ込み形口金
である。
【0038】発光管4,5は、図3に示すように多結晶
アルミナまたは単結晶アルミナなどの透光性セラミック
チューブからなる気密容器であるバルブのチューブ本体
aと、その軸方向両端部bとを一体的に形成してセミク
ローズド形状に形成している。また、両端部bの貫通孔
cに、ニオビウム(Nb)またはこれとジルコニウム
(Zr)との合金等からなる各電気導入体6,7の端部
を気密に挿入して封着剤dにより封着し、これら各電気
導入体6,7の内端部に主電極8,8をそれぞれ固着し
て電気的に接続している。
【0039】各発光管4,5には、適量のナトリウムと
水銀(Hg)とキセノンガス(Xe)等の希ガスとを封
入して、バルブの軸方向一端部にはHgアマルガムが溜
められて最冷部となるアマルガム溜を形成するようにな
っている。
【0040】そして、図1,2に示すように2本の発光
管4,5同士は平行な2平面内でそれぞれX状に交差す
るように並設されると共に、一方の発光管、例えば4
と、他方の発光管5の軸方向両端部同士の最短距離Lが
10mm未満で近接するように、図中上下一対の絶縁固定
バンド9a,9bにより固定されている。
【0041】これらの各発光管4,5の各電気導入体
6,7の外面には、図1に示すようにニオビウムやタン
タルなどの耐熱性金属からなるコネクタ10a,10b
をスポット溶接等により電気的かつ機械的に接続してい
る。
【0042】各コネクタ10a,10bは図1中左右一
対のサポートワイヤ11a,11bに、スポット溶接等
により電気的かつ機械的に接続されている。これにより
各コネクタ10a,10bを介して各サポートワイヤ1
1a,11bに、各発光管4,5の各電気導入体6,7
を電気的に接続すると共に、各発光管4,5を各サポー
トワイヤ11a,11bにより機械的に支持させてい
る。
【0043】サポートワイヤ11a,11bは導電ワイ
ヤからなり、上端部が絶縁ブリッジ12cで相互に連結
されており、これら上端部は弾性板12a,12bを介
して外管3のトップ部内面に弾性的に係止されている。
【0044】サポートワイヤ11a,11bの下端部
は、ステム封着支持線13a,13bに溶接されてお
り、これらステム封着支持線13a,13bは外管3の
ステム14に封着されている。これらステム封着支持線
13a,13bは外部導線15a,15bにより口金2
のシェル2aおよびアイレット端子2bに接続されてい
る。
【0045】そして、各発光管4,5の外面には、軸方
向に沿って始動補助のための近接導体16をそれぞれ設
けている。これら近接導体16は例えばクランク状に折
曲されてその一部を各発光管4,5の外面に添設し、そ
れぞれ上下両端部をサポートワイヤ11a,11bに溶
接している。
【0046】そして、このように並設された2本の発光
管4,5のほぼ全長を、例えば透光性石英ガラスまたは
透光性セラミックスにより円筒状に形成された中管17
により覆っており、一方の発光管、例えば4の点灯時
に、その発熱により、待機中の発光管5のアマルガム溜
近傍の最冷部となる軸方向端部を効率的に予熱させると
共に、その保温性を高めるようになっている。
【0047】したがって、これら発光管4,5の最冷部
となる端部を少なくとも覆うように中管17を構成して
もよい。中管17は図1中、上下一対の固定バンド9
a,9bにより一対のサポートワイヤ11a,11bに
固定される。なお、図1中、18,19はバリウムゲッ
ターである。
【0048】図4はこのような構成の高圧ナトリウムラ
ンプ1の点灯装置20の回路図である。点灯装置20は
交流電源21に接続されたチョークコイル形安定器22
と公知であるから詳しい構成を省略したが、前記安定器
22に関連して設けられた始動パルス発生装置23を備
えている。すなわち、始動パルス発生装置23の作動に
より、点灯装置20の両端に始動用のパルス電圧を発生
させるものである。なお、始動パルス発生装置23とし
ては、別個にパルストランスを有し、このトランスの出
力をランプに印加するようなものであっても良い。この
ようなものも当該技術分野では周知である。
【0049】このような点灯装置20は、高圧ナトリウ
ムランプ1の始動時には電源電圧にパルスを重畳して高
圧ナトリウムランプ1に印加する。この場合、交流電圧
の正および負にそれぞれ高圧パルスが加えられる。つま
り始動パルスは半サイクル毎に交互に発生する。そし
て、ランプ1においては、近接導体16に負のパルスが
加えられた時に、この近接導体16側にある発光管4ま
たは5が始動し易い性質があるので、例えば口金2のア
イレット端子2bに正のパルスが印加された場合は、一
方の近接導体16がマイナスとなり、したがってこれに
接近している発光管4が始動する。
【0050】逆に、口金2のシェル2aに正のパルスが
印加された場合は、他方の近接導体16がマイナスとな
り、したがってこれに接近している発光管5が始動す
る。
【0051】このように、近接導体16に正のパルスが
印加される確率は50%ずつであり、したがって始動時
に各発光管4,5が始動する確率は50%ずつになる。
この比率は、点灯回数が増えるに応じて均等化されるこ
とになり、したがって、一方の発光管4または5が偏っ
て集中的に始動されることがなくなる。
【0052】このため、一方の発光管4または5の使用
頻度が高くなるのが防止され、一方の発光管4または5
で気密性を保持できなくなったり、ナトリウムの消失が
進んでランプ電圧の上昇が発生したり、早期に劣化する
等の不具合がなくなり、実質的に1本の発光管を収容し
たランプに比べて寿命が2倍に延びることになる。
【0053】そして、一方の発光管、例えば4の点灯時
に一瞬の停電によりこれが消灯し、この停電が瞬時に復
帰した時には、それまで点灯せず待機していた圧力の低
い方の発光管5が瞬時に点灯(再始動)する。この場
合、この他方の発光管5の最冷部のある端部は上記一方
の発光管4の点灯時に予熱されており、若干内部圧力が
上がっているので、瞬時再始動時の全光束も安定点灯時
の全光束のほぼ20%程度に向上する。
【0054】次の表1は次の供試ランプについて、発光
管4,5間の最短距離Lを10〜0.5mmまで種々変え
て瞬時再始動させたときの全光束規格値を示している。
この点灯試験の結果、最短距離Lが10mm以上になる
と、全光束が急激に低下してしまうことが判明した。
【0055】
【表1】
【0056】(供試ランプ)発光管4,5の仕様 チューブa:透光性アルミナセラミックスから成り、内
径φ5.5mm、肉厚0.7mm、端部焼狭長4.2mm、全
長81mmのセミクローズド形状 電気導入体6,7:ニオビウム+1%ジルコニウム製 電極8:タングステン製、0.75mmのウェルズにφ
0.25mmのマンドレルコイルと、φ0.1mmのフィラ
メントコイルからなるインナーコイルを巻き付け、さら
にその外側にφ0.45mmのアウターコイルを巻き付け
ている。 封入金属:ナトリウム7.5wt%の水銀アマルガム2
0mg 封入ガス:常温で約200torrのキセノン 封着剤d:酸化アルミニウム、酸化カルシウムを主成分
とし、酸化イットリウム、酸化ストロンチウムを添加し
たガラスソルダー 電極間距離57mm 定格ランプ電力:110W
【0057】外管3仕様 2本の発光管4,5をセラミックス製ホルダー(図1,
2中9a,9b)を使用してクロス角度を固定してX状
にクロスして配置し、それを覆う形で石英から成る中管
17(内径φ28mm等、肉厚1.5mm)を設置してい
る。
【0058】また、表1中、全光束規格値は最短距離L
が0.5mmの場合の各光束を100%としたときの規格
値であって、全光束規格値が同じ100%であっても、
全光束の絶対値はみな同数値ではなく、中管17の直径
が小さい程全光束は高い。
【0059】さらに、表1中、Laは図5に示すように
2本の発光管4,5同士間の水平方向の距離を,Lbは
垂直方向の距離を、γは発光管4,5の半径をそれぞれ
示している。
【0060】したがって、最短距離Lは次の数(1)式
で求めることができる。
【0061】
【数1】
【0062】図6は2本の発光管4,5間の最短距離L
(mm)と上記瞬時最始動時の全光束規格値との相対関係
を、中管17の内径を種々変えた場合について示してお
り、最短距離Lが10mm以上になると、中管17の内径
の如何に拘らず、全光束が急激に低下することを示して
いる。
【0063】この現象の明確なメカニズムは不明である
が、次のように考えることができる。つまり、発光管
4,5の管端には凝集したアマルガムがあり、そのアマ
ルガム凝集箇所が最冷部である。この最冷部温度によっ
てナトリウムおよび水銀の蒸気圧が決まるが、その緩衝
ガスである水銀の蒸気圧によってアークの電位傾度が決
まり、その電子傾度によって発生するエネルギーでナト
リウムの発光強度(その発光は原子が一定以上のエネル
ギーを受けた時にその電離により起こる現象である)が
決まる。
【0064】すなわち全光束はナトリウムの蒸気圧と主
に水銀蒸気圧によって決まるアークの電位傾度に依存し
ていて、ナトリウム蒸気圧と水銀蒸気圧の2つの要因が
複雑に絡み合っているのである。
【0065】したがって、全光束は各発光管4,5の端
部の温度によって単純に増加するものではない。そこで
上述のように待機側発光管、例えば4と、もう一方の発
光管、例えば5の最短距離(L)が10mm以上になる
と、その距離によって変化する放射熱による待機側発光
管4の管端の温度が低下して急激に光束が低下してしま
うターニングポイントとなる最冷部温度になっているの
ではないと考えられる。
【0066】また、表1で示す試験を中管17の内径を
φ22mmからφ35mmまで変えて行ったが、ターニング
ポイントになる距離に大差はなく、これらの範囲の内径
の中管17では待機側発光管4の管端の温度に及ぼす影
響力は中管17との距離より点灯側発光管4との距離の
方が強いと考えられる。
【0067】さらに、この点灯側発光管5からの放射熱
はそのチューブ温度により決まるが、実用上ランプ効率
とアルミナの使用限界温度の兼ね合いからランプ電力に
拘らずほぼ一定なので、上述のターニングポイントにな
る距離はランプ電力には関係なくほぼ一定と考えられ
る。
【0068】なお、本実施形態では2本の発光管4,5
を、X状にクロス配置した場合の一例について示した
が、ほぼ平行に配置した場合にも当然上記光束向上効果
は得られた。
【0069】また、本実施形態では中管17として石英
ガラス製のものを示したが、透光性セラミックス製でも
よく、さらに、中管17に、拡散効果をもたらすために
石英ガラスや透光セラミックスにブラストやふっ酸等の
化学処理を施して半透明化させたものでも当然同様の効
果は得られる。
【0070】図7は本発明の第2の実施形態の照明装置
31を示しており、これは上記した実施形態の高圧ナト
リウムランプ1を光源として照明器具本体32内に収容
している。
【0071】つまり、照明装置31は照明器具本体32
の内面に反射面32aを有すると共に、下面または一側
面が開口されたハウジング構造をなしている。開口下面
には前面ガラス33を設けてもよい。この照明器具本体
32の側壁にはソケット34が取り付けられており、こ
のソケット34内には高圧ナトリウムランプ1の口金2
がねじ込まれて照明器具本体32に取り付けられてい
る。
【0072】ソケット34は、照明器具本体32に取り
付けられた、または器具本体32の外部に設置された図
2で示す点灯装置20を介して商用電源35に接続され
るようになっている。この実施形態によれば、瞬時再始
動時の相対光束を向上させることができる高圧ナトリウ
ムランプ1を具備しているので、照明装置31としても
これとほぼ同様の作用効果を奏することができる。
【0073】なお、上記実施形態では本発明を高圧ナト
リウムランプに適用した場合について説明したが、本発
明はこれに限定されるものではなく、例えばメタルハラ
イドランプにも適用することができる。
【0074】そして、本願第3の実施形態は上記各発光
管4,5内に封入された水銀アマルガムに対するナトリ
ウム(Na)比を15重量%以上に設定していることに
特徴がある。
【0075】図8に示すように、この実施形態によれ
ば、水銀アマルガムに対するNa比を15重量%以上に
設定することにより瞬時再始動時の相対光束(%)を安
定点灯時の全光束に対して約20%程度に向上させるこ
とができる。また、この実施形態では発光管4,5内に
始動ガスを10〜300torrで封入し、発光管4,5同
士の最短距離Lを2mm以下に設定している。
【0076】さらに、点灯中の発光管、例えば4からの
熱伝導をできる限り少なくするために2本の発光管4ま
たは5を支持兼電気導入の役割をする電気導入体6,7
の直径を2mm以下にする。2本の発光管4または5の始
動性を容易にするために設けられている近接補助導体1
6が一端のみランプの他の金属部分に接している場合、
金属に接していないもう一端の寿命中や製造工程での浮
きを防止するためにその一端を発光管4または5に対し
て垂直に折り曲げ、その先端を中管17に接触させても
よい。
【0077】
【発明の効果】以上説明したように本願の請求項1によ
れば、1つの外管内に収容されている例えば2本の発光
管を、その一方と隣り合う他方の軸方向端部との最短距
離が10mm未満で近接するように並設しているので、外
管内で一方の発光管が点灯中のときは、この点灯中の発
光管の発熱により、待機中の他方の発光管の最冷部を加
熱することができる。
【0078】このために、瞬時停電等で一時的に電源を
喪失し、かつ瞬時に復帰したときには、待機中の発光管
が瞬時点灯(再始動)し、その瞬時再始動時の全光束も
例えば安定点灯時の全光束に対する比率で約20%程度
に高めることができる。
【0079】請求項2によれば、2本の発光管をX状に
交差させて配置しているので、2本の発光管同士が影と
なる遮光部分をX状交差部のみに縮小することができ
る。このために、2本の発光管を直接接触させずに同一
平面上で平行に並設した場合に比して明るさの向上と配
光分布の改善とを共に図ることができる。
【0080】請求項3によれば、請求項1,2記載の発
明を高圧ナトリウムランプに適用するので、この高圧ナ
トリウムランプについても請求項1,2とほぼ同様の作
用効果を奏することができる。
【0081】請求項4によれば、各発光管の水銀アマル
ガムに対するナトリウム比が共に15重量%以上である
ので、瞬時再始動時の全光束を安定点灯時の全光束に対
する比率で、アマルガムナトリウム比が15重量%未満
の場合の約10%程度から約20%程度に向上させるこ
とができた。
【0082】請求項5によれば、2本の発光管同士を、
これらの最短距離が2mm以下になるように近接させてい
るので、点灯中の発光管の発熱により待機中の発光管を
効率的に加熱することができる。このために、ナトリウ
ムの蒸気圧を高めることができるので、待機側発光管の
瞬時再始動時の全光束を向上させることができる。
【0083】請求項6によれば、2本の発光管の外周を
中管により囲むので、これら発光管を保温することがで
きる。このために、ナトリウムの蒸気圧を高めることが
できるので、待機側発光管の再始動時の全光束を向上さ
せることができる。
【0084】請求項7によれば、中管に光拡散手段を設
けたので、光拡散効果を奏することができる。
【0085】請求項8によれば、中管が石英ガラス製、
または透光性セラミックス製でも保温効果を有するの
で、請求項6の発明とほぼ同様の作用効果を奏すること
ができる。
【0086】請求項9の点灯装置と、請求項10の照明
装置は、共に請求項1ないし8のいずれか一記載の高圧
放電ランプを有するので、これらランプとほぼ同様の作
用効果を奏することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る高圧ナトリウム
ランプの正面図。
【図2】図2の側面図。
【図3】図1で示す各発光管の部分縦断面図。
【図4】図1で示す高圧ナトリウムランプの点灯装置の
回路図。
【図5】図1で示す2本の発光管同士間の最短距離を示
す模式図。
【図6】図1で示す高圧ナトリウムランプの瞬時再始動
時の相対光束を示すグラフ。
【図7】本発明の第2の実施形態に係る照明装置の構成
図。
【図8】本発明の第3の実施形態に係る高圧ナトリウム
ランプの瞬時再始動時の相対光束を示すグラフ。
【符号の説明】
1 高圧ナトリウムランプ 2 口金 3 外管 4,5 発光管 6,7 電気導入体 8 電極 9a,9b 固定バンド 10a,10b コネクタ 11a,11b サポートワイヤ 16 近接導体 17 中管 20 点灯装置 23 始動パルス発生装置 31 照明装置 32 照明器具本体

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 放電媒体を封入した気密容器およびこの
    気密容器内で放電を発生させる一対の電極とをそれぞれ
    有し、一方が点灯中に他方が待機すると共に、その一方
    と他方の軸方向両端部との最短距離が10mm未満で並設
    されている複数の電気的に並列接続した発光管と;複数
    の発光管を内蔵する外管と;外管内で複数の発光管を給
    電自在に支持する支持構体と;外管に装着されて支持構
    体に給電する受電部と;を具備していることを特徴とす
    る高圧放電ランプ。
  2. 【請求項2】 2本の発光管を、平行な2平面内でX状
    に交差するように並設していることを特徴とする請求項
    1記載の高圧放電ランプ。
  3. 【請求項3】 放電媒体がナトリウム,水銀および希ガ
    スであることを特徴とする請求項1または2記載の高圧
    放電ランプ。
  4. 【請求項4】 ナトリウムアマルガムを含む放電媒体を
    封入した気密容器およびこの気密容器内で放電を発生さ
    せる一対の電極とをそれぞれ有し、一方が点灯中に他方
    が待機すると共に、アマルガムの全重量に対してナトリ
    ウム比が共に15重量%以上である複数の発光管と;複
    数の発光管を内蔵する外管と;外管内で複数の発光管を
    給電自在に支持する支持構体と;外管に装着されて支持
    構体に給電する受電部と;を具備していることを特徴と
    する高圧放電ランプ。
  5. 【請求項5】 各発光管内には希ガスが10〜300to
    rrで封入されており、2本の発光管の最短距離を2mm以
    下に設定していることを特徴とする請求項4記載の高圧
    放電ランプ。
  6. 【請求項6】 外管内で複数の発光管を収容する中管;
    を具備することを特徴とする請求項1ないし5のいずれ
    か一記載の高圧放電ランプ。
  7. 【請求項7】 中管に光拡散手段を設けていることを特
    徴とする請求項6記載の高圧放電ランプ。
  8. 【請求項8】 中管を石英ガラスまたは透光性セラミッ
    クスにより円筒に形成していることを特徴とする請求項
    6または7記載の高圧放電ランプ。
  9. 【請求項9】 請求項1ないし8のいずれか一記載の高
    圧放電ランプと;複数の発光管の各対の電極に電気的に
    並列に接続されて、これらに電力を安定的に給電して一
    方を点灯させるときには、他方を待機させる点灯回路
    と;を具備していることを特徴とする点灯装置。
  10. 【請求項10】 請求項1ないし8のいずれか一記載の
    高圧放電ランプと;高圧放電ランプを収容する器具本体
    と;を具備していることを特徴とする照明装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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KR20000072193A (ko) * 2000-08-16 2000-12-05 송덕수 보조 발광관을 구비한 방전 램프

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